00/12/04 生活環境審議会水道部会議事録 生活環境審議会 水道部会 議事録 厚生省水道環境部水道整備課 生活環境審議会 水道部会 日 時:平成12年12月4日(月) 10:30〜12:00 場 所:厚生省7F特別第一会議室 1.開 会 2.議 事 1 水道法の一部改正について 2 その他 3.閉 会 ○藤田部会長 定刻になりましたので、ただいまから「生活環境審議会水道部会」を開催いたしま す。今日は、年末のお忙しい中お集まりくださいまして、大変ありがとうございます。 それでは、議事に入りたいと思いますけれども、その前に委員の移動について事務局 の方から御説明ください。 ○山本課長補佐 御報告いたします。水道部会所属の小泉委員おかれましては、一身上の都合により当 部会を辞退したいとの申し出があり、会長に御相談しこれを受理いたしましたことを御 報告いたします。 ○藤田部会長 続きまして、委員の出席状況についてお願いします。 ○山本課長補佐 正木委員まだ遅れておりますが、ただいまのところ既に11名出席いただいたおります ので、本日の会議は定足数に達しており成立しております。 ○藤田部会長 それでは、まず資料の確認をお願いしたいと思います。 ○山本課長補佐 それでは、お手元に配布しております資料の確認をさせていただきたいと思います。 お手元の議事次第、部会名簿、座席表のほかに、資料1といたしまして本日の水道法の 改正に関する諮問書がございます。参考資料の1といたしまして、水道法改正内容の説 明資料。参考資料の2といたしまして、水道法改正関係資料。参考資料の3といたしま して、この7月に水道部会で取りまとめていただいた、水道に関して当面講ずるべき施 策についてというものを御用意してございます。過不足ございましたから、事務局まで お申し付けください。 ○藤田部会長 それでは、議事に入ります。最初は、水道法の一部改正についてでございますが、先 ほどの資料1のように、厚生大臣から「水道法の一部を改正する必要があるので、別添 について貴会の意見を求めます」という諮問書がきておりますので、これを水道部会に 付議したいと思います。 今日、議論がまとまりましたら、審議会として厚生大臣に答申いたしたいと思いま す。それでは、諮問の趣旨等について事務局から説明をお願いしたいと思います。お願 いします。 ○三本木水道整備課長 水道整備課長の三本木でございます。この7月の末から、水道整備課長を拝命してお ります。前回、当部会におきまして、この7月に水道に関して当面講ずるべき施策につ きまして、中間取りまとめの形でまとめていただいたわけでございます。私どももこれ を受けまして、関係者等々と事務的な検討を進めてまいったわけであります。そういう わけでして、水道法の改正につきまして、津島厚生大臣より生活環境審議会あてに諮問 をさせていただきましたところであります。本日は、この内容につきまして御審議をい ただき、答申としておまとめいただければと思っております。 なお、本日議論が万が一まとまらないということでありますれば、予備日としお知ら せをしてございます20日に再度部会を開催し、取りまとめをお願いできればと思ってお りますが、できる限り私どもこの7月末の当部会の中間取りまとめを、ほぼ忠実にト レースした形で、形としては法制を前提にした事務局案を本日お示しできることとして おりますので、どうぞよろしくお願いをいたしたいと思います。ありがとうございまし た。 ○藤田部会長 どうもありがとうございました。 ○山本課長補佐 それでは、引き続き資料の中身について御説明させていただきます。お手元の資料1 が諮問書でございまして、別添について当審議会の意見を求めますという内容になって おります。1枚めくっていただきますと「水道法の一部改正について」ということで 「改正の趣旨」及び「改正の内容」について書かれてございます。改正の内容につきま しては、別途参考資料という形で説明資料を御用意させていただいておりますので、そ ちらをもとに御説明したいと考えております。 まず、第一の「改正の趣旨」のところですが、これは皆様御承知のように普及率96% を超えて、水道が普及の時代が終わり、維持、管理の時代になったと、その管理の時代 における水道の管理体制の充実、強化を図っていくための改正というものでございま す。 「改正の内容」つきまして、まず一番目に「第三者に対する業務委託」というところ がございますが、こちらのは参考資料の1の最初のページ、1枚めくっていただきまし て、1ページ目の「水道事業における第三者への業務委託」というところをごらんいた だきたいと思います。こちらの資料でございますが、おおむね右半分辺りに太い破線で 書かれております内容が、今回新たに制度的に手当てしたいという部分であります。左 側の流れは、従来の水道事業に対する監督、あるいは需要者との関係を表わしたもので ございまして、水道事業は水道事業の規模に応じまして、国あるいは都道府県が監督を すると、具体的には事業の認可という形でさまざまな監督をしておるわけですが、その 監督の下に水道事業者がさまざまな業務を実施してございます。それで、需要者に対し ましては、給水契約という形で、それに基づきまして常時安全な水を給水しているとい うような関係にございます。 水道事業の事業者の業務でございますが、水道事業者の囲みの中に列記してございま すように、さまざまな内容があります。最初の方に書いてあります給水区域、人口、給 水量の設定、あるいは水源の選定と、こういった水道事業の計画に関わるような部分。 水道料金などを決めていくと、そういう供給の条件を決めていく部分。施設の整備・更 新、あるいは施設の管理運用の方針といった、これも大きな意味での計画ないしその実 施をしていく部分。財政的な手当て。最後の3つの辺りは、利用者との関係で契約を結 び、料金を徴収する。あるいは、それに対して24時間、常時の給水義務を履行していく と。料金が不払いだった場合などに給水停止をすると、これらさまざまな重要な業務を 水道事業者としては実施しておるものであります。 その下に「管理の技術上の業務」とございまして、この部分が今回第三者への委託と いうことで、制度化を検討しておるところですが、この部分につきましては、中身とし ましてはそこに書いてありますように、水道施設の管理、あるいは水質管理といった、 技術的な業務なんですが、これが実際の水道の安全な水を供給する上で、非常に重要な 業務であるということから、ここに水道技術管理者という技術上の業務の管理の統括者 を置きまして、これらの業務を統括してございます。 ここの部分につきまして、特に中小の水道事業において技術者の確保、あるいは適切 な管理体制、水質管理体制を置くための必要な施設の整備、その他がなかなか技術的に 厳しくなっているというような状況がございますので、これを一定の委託基準に基づい て、他の者に、第三者に対して委託することができるという制度を今回設けたいと考え てございます。 水道事業者から右の受託者というところに、点線の矢印がいっておりますが、ここに 委託基準に基づく委託をできるようにすると。それを受ける受託者でございますが、こ こで括弧で書いてありますように、まず水道事業は市町村経営の原則によりまして、市 町村で主として経営されておりますので、受託者としては地方公共団体がまず考えられ ると。それ以外に、十分な能力を有する法人ということで、ここには民間の株式会社と いったものも含まれますが、こういったものも対象と考えてございます。 受託者に対して、下に2つの○で書いてありますように、水道事業者が行う場合に は、技術上の業務を統括する人として、水道技術管理者置くわけですので、同様にその 業務を行う受託者の側も技術的な業務を統括する責任者を置くということが必要だと考 えております。その上で、水道法上の責任を伴った業務の実施、単なる水道事業者の手 足ということではなくて、水道法上の責任を伴った業務の実施を行うということを考え ております。 水道事業者と受託者は、委託の際に契約を締結するわけですが、この契 約の中に業務の範囲ですとか、責任分担の明確化をしていく必要があると。 先ほど、水道法上の責任を伴う業務の実施と申し上げましたが、その点については契 約の中できちんと明らかにしておく必要があると。これが、1つは委託基準という呼ば れる基準の中に、そういったことも盛り込んでいく予定でございます。 「委託基準に基づく委託」と書いてある上のところに「届出」という矢印が「国又は 都道府県」にいっておりますが、これは水道法上の責任が一部、水道事業者から受託者 に移るということですので、その点について国、都道府県は監督者の立場で承知してお く必要がありますので、こういった委託を行った場合には届出をしていただくと。 その届出を受けて、下に「監督」という矢印がありますが、それが委託基準に基づい た適正な委託であるかどうかというのを、国、都道府県が監督することになります。 それとは別に、国、都道府県のところから右に点線が出ておりますが、受託者に対し て直接監督もするということを考えております。その監督の内容ですが、これも水道事 業者に対する監督というものと横並びで、水道事業者に対しては水道技術管理者が業務 を怠っているような場合には、管理者を変えなさいという変更勧告が出されることにな りますので、それと同様に変更勧告を考えていると。 水道事業者に対して報告徴収、立入検査をできることになっていますので、同様の監 督規程を受託者に対しても掛けるというようなことを考えてございます。 水道事業における第三者への業務委託の全体的な考え方については以上でございまし て、これが資料1の方の改正内容の最初の「一 第三者に対する業務委託」というとこ ろで内容として書かれているものでございます。 引き続きまして、参考資料の1をもう1枚めくっていただきますと、参考資料1の2 ページのところですが「管理体制強化のために想定される水道事業の形態の例」という ものがございます。これは、これまでの水道部会にも資料としてお出しさせていただい ていたものですが、若干手直しをしたものであります。先ほど御説明いたしました、第 三者への業務委託というものが制度化されると、ここにいろいろなケースを挙げており ますような、さまざまな形で水道事業として管理を広域化していくと、あるいは一体的 な管理をやっていくための、さまざまな手法が可能になってくると。ここのケースで言 いますと、ケースの2からケースの5に相当する部分については、今回の第三者委託の 制度化ということによりまして、きちんとした委託が可能になることによって、このよ うな広域管理といったような体制が取れるようになるというものの例示でございます。 次に、参考資料1の4ページ目をお開き願います「事業認可等の手続きの簡素化」と いうところでございますが、これは先ほどの諮問書で言いますと、2ページ目のところ に「二」といたしまして「事業統合等の手続きの簡素化」というふうに書いております が、 その内容をポンチ絵で示したものであります。 大きく2つございまして、最初が「広域的事業経営の推進」ということですが、目的 といたしましては、今回事業の統合なりで広域化をより進めていく必要があると、それ も従来の水源開発をして、施設を一体的に整備していくという意味の広域化でなくて、 事業の経営を複数の市町村なりで一体的にやっていくという意味での、広域化を推進し ていく必要があるというふうに考えておりまして、そういった施策を取っていく際の水 道事業者の負担を軽減するという観点から、その手続の簡素化を考えております。 先ほど申し上げましたように、水道事業は国、都道府県の認可事業になっております ので、事業の内容の変更をするときにも、国あるいは都道府県知事の認可がいると、変 更認可と呼んでおりますが、ここに(1)で例示しておりますようなケース、Aとa、 bという3つ水道事業があって、これらが一体的に経営していきたいということで、A の水道事業のところにa、bの水道事業が統合するというケースを考えた場合に、現行 法の下ではAの水道事業者は給水区域が広がるということなんで、給水区域を拡張する 変更認可が必要となります。それからa、bの水道事業者は、水道事業を廃止するとい うことで、これは廃止の許可が必要となってまいります。これからの認可あるいは許可 といったような手続は、水道事業者にとっても重たいものでございますので、こういっ たものはそれぞれの水道事業がそれぞれ認可を受けてやっているものですから、その経 営を統合するという場合には、これらをその右側の「改正後」と書いてあるところにあ りますように、認可あるいは許可に変えて届出で足ると、届出で済むようにしようとい うものでございます。 その下の(2)の「水道事業の軽微な変更」につきましては、今回このような形で一 部届出で済むようにしようということと併せまして、水道事業の変更の中に、従来は変 更の要件に当てはまるものは、どんなに軽微な変更であっても認可が必要ということに なっております。変更の必要な要件というのは、例えば給水区域が拡張する、あるいは 給水人口が増える、給水量が増えるというほか、水源が変更になったり、取水地点が変 更になる、あるいは浄水方法が変更になると。こういったような、さまざまな要件があ るんですが、その要件に当てはまれば、その程度は問わず、すべて事業の変更認可とい う形になっておりまして、これも認可の手続が水道事業者にとっては重たいものですの で、ここに例示してありますような、例えば水道事業のエリアのすぐ近くに、非常に小 規模な水道があると。これをAの水道事業に取り込んで、一体的にきちんとやっていこ うという場合に、ここに必要な水量自体が非常に微小なものであれば、特にA水道事業 については、ほとんど水源の手当てもいりませんし、影響がないというところでありま すので、こういったものはむしろ積極的に取り込んで、一体的な管理を進めてもらおう という意味で、現行で変更認可が必要になっているものを変更の届出ということで済ま せたいというものでございます。 その次でございますが、1枚めくっていただきまし て「利用者の多い未規制水道に対する規制の適用」ということでございます。これは、 諮問書の改正内容の「三」というところに当たります「専用水道の定義の変更」という ものの説明資料となっております。 下の絵の中で、太い点線でくくってあります部分が、現在水道法で規制の対処になっ ていない水道ということで、具体的には給水人口、あるいは居住者が100 人以下の水道 が規制の対象になっておりません。今回、網掛けしております部分を規制対象に加えた いということでございますが、給水人口あるいは居住者でみて100 人以下だいうものの 中にも、給水能力でみてかなり規模の大きなものがあると。それで、たくさんの人が利 用しているような施設があるというものでございまして、これらについて新たに規制を 適用しようというものです。 その場合、どのような規制を適用するかというのが、その下の四角囲みの中にありま す、専用水道に対する規制、専用水道としての規制を適用しようというものでありま す。それが、諮問書にありますように、結果としては専用水道の定義を変更すると、法 律条は専用水道の定義を変更するという形で、今回こういう規制を適用したいというこ とでございます。 こういった施設につきまして、現在何もやられていないかというと、都道府県なりで 条例、あるいは要綱などで指導等は行われておるんですが、これまでの部会の中でも御 紹介していたように、現に感染症が発生するようなケースも出てきておりまして、そう いったものに対して都道府県が水道法という法律に基づいて、適切な監督ができるよう にしたいというものでございます。 ちなみに、そのような対象施設につきまして参考資料の2の中で、具体的にどういっ たものがあるかというのを整理させていただいております。参考資料の2の7ページの ところに、今回こういうことで想定している、未規制水道の設置状況というものを整理 させていただいておりますが、学校、病院、飲食店、旅館、ゴルフ場等のレジャー施設 といったような施設が、全国で言うとこのぐらい、千三百近くの施設が新たな対象とし て想定するものとしてございます。 次に、参考資料1の6ページのところでございますが「受水槽水道の管理の充実」と いうところでございます。この点につきましては、前回中間取りまとめの段階では、受 水槽水道について衛生上いろいろな問題があって、その管理を改善していくという必要 性については、関係者の考え方として一致するところであったわけですけれども、水道 事業者がどのように関与していくかというところについては、更に関係者と十分調整す るというようなことで、中間取りまとめの段階では結論を持ち越した経緯がございま す。 今回御用意したペーパーなんですが、現行の仕組みでいきますと、この左側の衛生行 政というのと、受水槽水道の設置者というのがありまして、その隣の水の供給者、ここ は水道事業者なわけですが、こちらの右半分が制度的には現在ないという状況の中で、 簡易専用水道あるいは小規模受水槽水道に対しては、都道府県・政令市が、まず簡易専 用水道については水道法に基づく規制を行っていると、それから小規模な受水槽水道に ついては、条例・要綱等による規制、あるいは指導を行っているという状況なわけでご ざいます。 実態といたしまして、参考資料の2の中の、先ほど見ていただいたところから1枚め くっていただきまして8ページに「受水槽水道の設置状況及び検査の実施状況」という ところがございますが、平成10年度で施設の数でいうと、水道法の規制を受けておりま す簡易専用水道で17万5,000 ほど、その管理状況の検査、これは法律で義務付けられて おりますが、それを受検している割合が85%ほどということになっておりまして、それ より規模の小さな、水道法で規制されていない小規模の施設が70万を超えると。それに 対して、管理状況の検査をやっているのは3.5 %という状況がございます。これらにつ いて、これまで相当衛生部局における規制、あるいは指導ということを進めてきていた だいているわけですが、なおこういう状況でございますので、やはり管理を徹底してい くためには、水道事業者の関与が必要ではないかということでございまして、今回御提 案させていただいているのは、先ほどの参考資料の1の方に戻っていただいて、水の供 給者側、右側から水道事業者が給水契約を、それぞれの受水槽水道の設置者と契約をし ているという形になりますので、一方で衛生行政が規制を行い、一方で水の供給者であ る水道事業者が給水契約に基づいて、適切な関与をしていくと。 具体的にどういった関与を考えるかというのが、図の給水契約という2つの矢印があ って、2つ目の下の方の矢印の下に例示してありますけれども、適切な管理が設置者で 行われるように、あるいは管理状況の検査をきちんと受けるようにといったような働き 掛け、指導をすると。それから、必要に応じて、簡易専用水道あるいは受水槽に対する 立入、あるいは管理に問題があるような場合に、その管理を改善しなさいという改善の 助言、あるいは勧告といったもの。 更に、簡易専用水道あるいは受水槽水道を使っている利用者に対して、一定の情報提 供ということを、水道事業者が行っていくのが適切なのではないかと。これを、全国一 律の水道法に基づく義務的な関与としてやるのではなくて、水道事業者がそれぞれの責 任で給水契約に基づいてこういった関与をしていただくと、そのために何が必要かとい うところなんですが、その給水契約の2つの矢印の間に書いておりますように、供給規 程に基づく適正管理の確保とございますが。供給規程につきましては、その下の四角囲 みで解説をしておりますが、これが水道事業者と水道の需要者との間の契約の内容を示 すものだということで、市町村が地方公共団体の場合は、これが条例等で定められてい るということでございますので、ここにきちんと受水槽水道の設置者の責任なり、それ に対する水道事業者の関与といったものを位置づけていただくことによって、水道事業 者がこれまでより踏み込んだ形で、これからの施設に対して働き掛けをしていただく と。併せて、利用者に対しての情報提供を進めていただくと。こういったスタイルで、 検査の徹底、あるいは管理の改善というものを進めていきたということでございます。 その次のページ、参考資料の1の7ページ目ということですが、これが諮問書の改正 内容の5番目の「情報提供の充実」というところに当たるわけですけれども、これはこ れまで水道部会、あるいはその前の水道基本問題検討会の検討の際にも、盛んに指摘さ れてきたことですが、やはり水道事業という、住民に水を届けるという、非常に生活に 密着したサービスですので、水道事業者というのがより、これまで以上に客観的でわか りやすい情報を提供していくことが重要であるということでございます。 今回、水道法の改正を考えるに当たりまして、是非この情報提供の充実という部分に ついても、水道事業者に積極的にこういう取り組みを、より進めていただくという観点 から位置づけたいというふうに考えております。 大きく分けて、利用者側の理解を促すための情報、それから利用者として知りたい情 報というものがあろうかと思います。そこに例示をさせていただきましたが、特に理解 を促すという意味では、これから収益につながらないような投資を、水道事業者として は着実にやっていかなければいけませんので、そういう水道事業者の施策、あるいは投 資といったものに対する理解を得る上でも、こういうコストに関する情報などわかりや すく提供していく必要があるというふうに考えております。 資料者側の知りたい情報というのは、やはり基本的には安全性ということかと思いま すが、それに関する水質に関連するようなさまざまな情報、あるいは安全性を確保する ためにどういう取り組みをしているのか、それから単に水質だけの話ではなくて、渇水 時あるいは震災時対して水道がどんな備えをしているのかといったようなことというの を提供することによって、水道事業に対するより大きな信頼を得ていくと、こういう取 り組みを積極的に進めていく必要があるというふうに考えております。 以上が、本日御用意いたしました、諮問書で水道法の改正内容として諮問いたしてお ります内容を説明する資料の御紹介でございました。 ちなみに、諮問書の最後のところに、第六番目に「その他」というのがございます が、これは「簡易専用水道に係る検査の実施者に、都道府県知事の指定する者を追加す ること」とございますが、これは先ほど申し忘れましたけれども、簡易専用水道の管理 事業を検査する第三者機関として、厚生大臣の指定している検査機関というのがござい ます。現行は衛生行政と指定検査機関というものが、手を携えて協力して簡易専用水道 の管理の徹底がなされるように、検査の実施をしているというところでございます。 今回からと言いますか、平成12年度から、地方分権で水道法が大きく改正されており まして、簡易専用水道に係る事務というのが、都道府県の自治事務という形で整理をさ れております関係上、ここの指定も基本的には都道府県にお願いするという改正を、今 回の水道法改正で併せて行うというものでございます。事務局からの説明は以上でござ います。 ○藤田部会長 ありがとうございました。本件について、御意見、その他ございますでしょうか。ど うぞ。 ○甲斐委員 6ページの「受水槽水道の管理の充実」なんですが、私どもといたしましては、大変 充実していただきたいと思うんですが、これだけですと大変小規模受水槽水道がうまく 強化されるかなというところが、既存のところでは大変難しいんですが、これはこれか らの要望なんですけれども、建設の段階から義務付けのようなことが、建設省との間で これからの建物についてと。ますます、水はきれいになることは望めない、これからも う幾ら浄化していっても、水は今よりも悪くなっていくことが予想されますので、建設 の段階で何かやっていただけたら一番根本的でいいかなと。提案でございますけれど も、よろしくお願いいたします。 ○藤田部会長 どうぞ。 ○吉澤委員 これはコンセプトの話のようなことで、具体的な条項や何かはわからないんですけれ ども、この今の参考資料1の6ページの説明ですと、水の供給者の方が検査とか、管理 とか、立入とかをするようになっているわけですね。でも、それは供給者が責任のある ような、もしもトラブルが起きた場合には、これではちょっとまずいし、それからこん なことでもしトラブルが起きますと、国民の信頼が一気に失われてしまいます。 ですから、先ほどお話ございました、第三者機関とかそれについての問題というのは どうなっているんでしょうか。このままですと、とにかく管理とか監督なんかが、供給 者が自分の監督をしているみたいになってしまいますので、そうすると何かなっている んだと思いますけれども、もうちょっとわかりやすく説明してくれませんか。 ○福山委員 似たようなことで、中間取りまとめで議論してきたのを基本にして、今回諮問案とい うことでつくられているんだろうというふうに思うんですが、そういう意味ではそれぞ れの努力があったんだろうと認識しております。そこで1、2点、ちょっと全体のイ メージがよくわからない点がありますので、確認など質問もさせていただきたいなと思 うんですけれども。 1つは、住民の健康上の必要な措置であるところの、緊急給水停止などの権限という のは、今回第三者への業務委託とした場合に、どういう整理になっていくのかなという 辺り、もしわかれば教えていただきたいというのが1つと。 2点目は、10立方メートル未満の受水槽のところについて、これで本当に実効行為が 上がるのかどうかという辺りに、少し疑問がありますので、具体的にどういうことにな っていくのかというイメージが、もう少しわかれば教えていただきたいなというふうに 思います。以上でございます。 ○山本課長補佐 それでは、受水槽水道の関係を先に御説明したいと思います。まず、今回の措置で、 それぞれ衛生行政、受水槽水道設置者、あるいは水の供給者という3者の関わりを絵に したんですが、若干御説明が十分でなくて、御理解がうまくいただけなかった部分もあ ろうかと思いますけれども。 まず、基本的には受水槽水道の設置者が管理の責任を負っているということですの で、管理上のトラブルなり、管理に問題があって何かあった場合に、基本にその責めは 設置者側が負うということで、ここに水の供給者である水道事業者が責任を負うという ものではございません。 現行もそうなっておるわけですが、それを現在は衛生行政が水道法、あるいは条例、 要綱等に基づいて規制ないし指導という形で、受水槽水道設置者側の責任の履行を監督 しているという形になるわけですが、そこに水の供給者であります水道事業者も協力し て一定の働き掛けをしていくと。 その際に、給水契約に基づいて当然の受水槽水道の管理というのは、何かトラブルが あった場合に利用者に影響が及ぶもんですから、それが水道の側に問題が生じたときに は苦情となって跳ね返ってきて、場合によってはそれが水道事業者に対する信頼を損ね るというのは、現状既に起きているものでございますので、そこを改善していく上でも 一歩踏み込んで給水契約の中できちんと設置者側の管理の責任だとか、検査受検の責任 というものを明確にしていただいて、それにのっとって必要な指導、助言、監督という のを水道事業者側が行っていくということを考えてございます。 福山委員から御指摘ありました、10トン以下はこれで実効が上がるのかという問題に つきましては、確かに衛生規制の枠組みは現行のものを維持しますので、単にこういう 枠組みを用意しましたので、水道事業者に頑張ってくださいということでは、なかなか 実効は上がっていかなというふうには思っております。私どもとしても、都道府県で例 えば10トン以下のところについて、いろいろ工夫は要ると思いますけれども、きちんと 管理状況のチェックがなされるような体制がうまくつくれるように、そのひな形のよう なものを水道事業者とも協力して、そういうものをつくっていく、あるいはそういった ものを措置していくという技術的な支援の形で、できるだけそういうものが円滑にいく ような形にしていきたいというふうに考えております。 水道事業者サイドも、この問題は真剣に受け止めていただいておりますので、これを 供給規程の中で位置づけていくことによって、その改善は図られるというふうに考えて おります。 これから、規制緩和の流れの中で、水道事業者がますます自己責任を持って事に当た るということを考えますとなかなか、むしろこういう水道事業者の裁量によって、きち んと物事を改善していくという方向が望ましいかと思いまして、今回このような整理に させていただいております。 もう一点、福山委員からございました、第三者委託の方での給水停止の話でございま すが、資料の中に例示しておりますように、契約に基づいて水道料金を払わないとか、 一定のときに水を止めるという権限は、基本的には水道事業者固有のものと考えており ます。ただ、今回管理の技術上の業務として想定しているものの中で、御指摘のあった 緊急時の給水停止というのがございまして、これはその水を供給すると健康被害が発生 するというような緊急時に、直ちに水を止めなければいけないという。これは、水道事 業者に課せられた義務であります。その義務の履行なんですが、管理の部分を包括的に 受託者に対して委託した場合に、何かそこで問題が起きて、直ちに止めないと危ないと いう判断は、基本的には委託してしまった以上は水道事業者側では判断できませんの で、これは管理の技術上の業務の一環として、受託者の側で判断して対応するというこ とを考えております。ですから、当然その義務の不履行に対しては罰則の適用を含め、 受託者に及ぶということになろうかと思います。 最初のところで、甲斐委員から御指摘のありました点ですが、受水槽水道の構造につ きましては、建築基準法に基づいて建設行政の方で規制がなされておるところでござい ますので、これらについては当然物をつくるときから管理なりを想定して、きちんとし たものができていないとまずいという点は御指摘のとおりですので、これについてそう いった基準を見直す際には御相談いただいて、必要な調整はこちらでやらせていただい ておるところですので、引き続きそういったことで対処していきたいというふうに考え ております。 以上でございます。 ○藤田部会長 ありがとうございました。吉澤委員よろしゅうございますか。 ○吉澤委員 ちょっとわからない点あるんですが、供給者がすべてちゃんとやってくださるという 前提でやられているのかと。トラブルが何かあったら、そのやり方というのは全部ひっ くり返ってしまいますね。ですから、これは法律が絡んでいるもんですから、何か変な ことが起きたときに歯止めができないと困るという感じを持っているんです。ちょっと 抽象的な議論なもんですから、上滑りしている場合もあるかもしれません。そういった 面があります。 それから、今のことに絡みまして、一つの大きなことは、検査の結果とか何かを、ど の程度情報開示ができるかということだと思うんです。情報提供とありますけれども、 供給者の方が都合のいい情報だけを出していただいても、これはしようがないことであ りまして、やはり受ける方の人が欲しいというものをちゃんと出してもらえるようなシ ステムになっているかどうかということは、一つのキーになると思いますけれども。 ○藤田部会長 どうぞ。 ○藤原委員 それに関連してでございますけれども、情報提供の充実というのは非常に結構だと思 うんですが、私は情報というのは双方向性を持たないと、余り効果を発揮しないといつ も思っているんです。この図を見ていますと、事業者から利用者への情報開示、これが 100 %行われたとしても、利用者の方でいろいろ不安に思ったり、疑問に思ったりする ことをフィードバックできる、そしてそのフィードバックしたものをまた事業者の方が 誠実に受け止めて、それの解決を図るとか、回答をするとか、いろんな対応が必要だと 思うんですが、その図を見ていると何か信頼をするという矢印だけになっておりまし て、何か利用者の方が意見を言って、それを聞き入れられるという道筋が見えて来ない ような気がするんです。 実は、最近見たんですけれども、ニュースの中で、水源地あるいは取水地の近くでご みの不法投棄があって、そして汚染物質が混入する危険があるなどというようなこと を、ちらちらと見ているもんですから、そういうことは万々ないようにしていらっしゃ るということは、私も思いますけれども、それにしてもたくさんの人が目というのは、 そういうものを発見する可能性があるし、そういう帰責に対して誠実に対応していかな いと、安心して任せてくださいというだけでは困るんです。ですから、この情報提供の 充実のところに、安全性向上への取り組みというのは、恐らくそういうものを聞いて対 応するという、双方向性の道があるということをおっしゃっているのかなと思うんです けれども、もうちょっとそういった点で利用者の方々の意見が反映するという仕組みが 欲しいなということを思いました。 もう一つ、ついでで申し訳ないんですけれども、最初に1ページのこの図で、市町村 の水道事業というは、都道府県知事が管理する自治事務であるということをおっしゃい ました。地方分権によって、多分都道府県の知事は法定受託事務として、そういう水道 事業を国から受託しているということになると思うんですが、この1ページの図を見て いると国または都道府県と書いてありまして、国またはと書いてあるのは法律に依拠す る事業であるということなのかなとは思ったんですが、その辺の分権の姿勢というのが 余り明確に見えないということをちょっと思いましたので、その辺について御説明も伺 いたいと思いました。以上2点お尋ねいたします。 ○藤田部会長 関連することですか、どうぞ。 ○眞柄委員 今の一番最後のところは関係なくて、その前のところであります。まず、受水槽水道 の管理の充実のところで、確認的なことが最初の点ですが。水道事業者が、小規模受水 槽水道を設置しようという最初の段階で、給水申し込みをするわけですが、その段階で 小規模受水槽水道の技術的な内容について、直結給水と同じように水道事業者が給水契 約のときにいろいろと指示できるというのは、従来の供給規程でもそのように取り行っ ている事業者が多いので、そういうことは多分そういうふうになるだろうという意味の 確認です。 このところで、もう一つは、水道事業者が小規模受水槽水道、あるいは簡易専用水道 の設置者に対して、施設に対して立入、助言等をした結果、必要な措置を取らなければ ならないというような場合に、その情報を衛生行政の担当部局に流れるか流れないか、 流れるような仕組みがこの図ではちょっと不明確ですので、その点について確認をした と思います。 情報提供のことでありますが、先ほど御質問がありましたような、水源地の保全とい うところまでは求めませんが、現在の水道法で水道を受水している者が、水道事業者に 対して水質検査を請求することができて、その検査請求に対して応えなければならない 義務を水道事業者が負っております。そういう意味で、この情報の提供に関して、先ほ どの御説明ですと努力規程、努めなければならないというふうになっているんですが、 これからの時代では一定の事項というふうに既に限定されていますので、定期的に公表 すべきとか、あるいはすべきものとするとか、もう公表する内容をもう少し将来は事務 的に詰められると思いますが、やはりこの際検査請求ができるということと同じよう に、あるいは事業者がそれに応えなければならないといふうに法律的に手当てをされて おりますので、情報の公表も努力規程よりも、やはり公表しなければならないというよ うなところまで、厳しく規定をすべきではないだろうかというのが、私の質問と意見で あります。 ○藤田部会長 ありがとうございました。随分たくさんになりましたけれども、よろしゅうございま すか。 ○山本課長補佐 順番に御説明したいと思います。1つは、地方分権の関係で、藤原委員から御指摘で すが、まず国、都道府県との関係のところですが、これにつきましては、水道法におき ましては、法定受託事務というのは存在しませんで、すべて国または都道府県の事務と いうことで、都道府県の事務はすべて自治事務となっております。1ページ目で「国又 は都道府県」と書いたのは、これは水道事業の規模に応じまして、国が監督する事業、 都道府県が監督する事業ということになりますので、規模に応じてどちらかがこの役割 を負うという意味であります。 情報提供に関しまして、幾つか御意見をいただいております。双方向の情報提供が重 要であるというのは、まさに御指摘のとおりで、そういう意味でちょっと説明の資料な り説明も十分でなかったかと思いますが。当然、利用者の知りたい情報というところの 提供に当たって、利用者がどういう情報を期待するかと、どういう情報を出して欲しい と考えているかというところは、水道事業者が一方的に決めるべきものではございませ んので、今回の資料は、水道事業者側に情報提供の責任を新たに位置づけるという意味 で、こういう資料としてつくらせていただきましたが、当然利用者側がどういう情報を 望んでいるかというものをうまく水道事業者が把握する仕組み、あるいはさまざまなフ ィードバックをさせていくような仕組みというのは重要であり、それぞれの水道事業者 でそういう枠組みを考えていく必要があろうかと思います。 真柄先生から御指摘のありました、受水槽水道の関係でございますが、基本的に現在 水道事業者で受水槽水道に関してやられている取り組みというのは、引き続きやられる ことになるし、それがより踏み込んだ形でやられることになるというふうに期待をして おります。これは、あくまで供給規程に基づく措置ということなので、法律の世界でぎ りぎりその内容を縛るということできないんですが。法律の世界では、水道法の施行規 則なりで必要に応じて供給規程の中に位置づけるべき事項というようなことで、具体的 な例示をしながら水道事業者における、そういう踏み込んでいく措置がなされるように したいというふうに考えております。 衛生行政との関係でございますが、ペーパーの中で説明資料の1の6ページのペー パーの中で、衛生行政と水の供給者が連携した取り組みをするということを、一番上の ところに衛生行政の下に水道事業者と連携した取り組みの強化というふうにしておりま すのは、まさに供給者側で把握した、そういう情報を衛生行政側に流して、その規制権 限なりを持つ衛生行政が適切に是正を図るということを想定しておりまして、ちょっと それも図が十分でなかったかもしれませんが、そのようなことを考えております。 それから、吉澤委員から御指摘のありました、検査結果の情報とかいう部分なんです が、検査につきましては基本的に受水槽水道の設置者側の責務、簡易専用水道の場合で すが、法律上の責務として検査の受検が義務付けられておりまして、その検査結果は必 要に応じて都道府県、衛生行政の側でチェックするということになっております。そう いったものですから、規制に応じてきちんと提示しなければいけない情報ということ で、それは整理されるべきものでございまして、どちらかと言うと水道事業者の情報提 供という流れの中で期待しておりますのは、必要に応じて施設に対しての改善を勧告す るようなことを水道事業者が行って、併せてこの働き掛けの直接の相手は水道の設置 者、受水槽水道の設置者なわけですが、それが利用者に関係のあるような情報について は、利用者に対しても情報提供しておく必要があるというふうに考えておりますので、 そういうものについて情報を水道事業者の側から提供するということを想定しておりま す。 ちょっと十分お答えできていない部分もあろうかと思いますが、以上でございます。 ○藤田部会長 水道環境部長どうぞ。 ○岡澤水道環境部長 ちょっと、補足的な説明をされていただきたいと思うんですが、受水槽水道について は、今まで水道事業者の関与というのはなかったわけです。ただし、実態として先ほど の甲斐委員からの御指摘のように、受水槽の水道に対して水道事業者が給水契約をする ときには、どういう受水槽だとかその構造とかについて知り得る立場にあったわけで す。ただし、水道事業者としては受水槽の水道の管理は、あくまで設置者ですから関与 する立場になかった。 今回の制度改正では、水道事業者にその関与の権限を与えようということなんです。 責任を与えるということではなくて、関与の権限を与えると。ですから、一番知り得る 立場にある水道事業者が設置の段階から管理の段階まで、受水槽の設置者に対してそう いう働き掛けを行う立場の根拠を与えようということですから、先ほど甲斐委員がおっ しゃったような設置段階から、例えばあなたのところはこういう仕組みになってますか ら、ちゃんと管理をしてくださいよというようなことが、今までは権限でなかったんで すが、その権限を与えるということですから、そういう意味では一貫して水道事業者が 設置段階から管理段階まで関与できるという枠組みを用意するということになるんじゃ ないかと思います。 それから、情報公開に関して幾つかの御意見が出てますが、これ は都道府県、あるいは市町村の情報公開条例の枠の中、枠はそれはそれとして掛かるん です。ですから行政情報として、それぞれの地方公共団体が一定の情報については公開 しなければならないと定める。それはそれでやっていただく。これは、水道事業者が ユーザーに対してどういう情報を提供しなければならないかという、そのプラスアルフ ァーの話でして、これは恐らく中身については、多分ガイドラインとかそういう形で示 すことになると思うんですが、例えば先ほど双方向の話がありましたが、住民の意見を 反映する仕組みというのも情報提供の内容に成り得るだろうと。つまり、クレームがあ るときにはどこに持って行ったらいいのか。ユーザー側が何かものを言いたいときに は、どの窓口に持って行ったらいいのか、ということについても当然情報公開する、提 供する情報の中に含まれるというふうに考えられますし、またそういうようなガイドラ インを整備していくことによって、実際に意見がある場合にはその意見を提出でき、そ れをくみ取るような仕組みを水道事業者がどう考えているかということを示すというこ とを工夫していきたいと思っています。 ○藤田部会長 ありがとうございました。どうぞ。 ○眞柄委員 確認ですが、一番最初の次の事業統合等の手続きと水道事業の形態のことに関してで あります。資料1の2ページの最初のところの2行目に「給水区域を拡張する」という ことで書かれておりますが、参考資料の1の2ページの「ケース1」のところで、一番 最後のポイントでありますが「従来の広域水道とは異なり、施設は必ずしも一体化して いない」ということが書かれております。これまでの議論では、勿論給水区域の拡張と いう表現で、確かにそれでいいのかもしれませんが、従来の水道法の扱いから考えてい きますと、施設は必ずしも一体化していないというのは非常に重要な、従来とは違う点 でありますので、答申に書いていただかなくても結構ですが、このケース1で書いてあ りますように「施設は必ずしも一体化していない」というのは、今度の給水区域の拡張 の一つの要件と成り得るということの確認ですがお願いします。 ○山本課長補佐 その点につきまして、眞柄委員御指摘のとおりで、今回そのケースとしてポンチ絵で 挙げさせていただいているのも、必ずしもそこをつないで一緒にするということではな くて、別々のものでも構わないというふうに考えております。 ○藤田部会長 ほかに何か。どうぞ。 ○小林委員 少しこの内容から若干外れるんですけれども、よろしゅうございましょうか。 ○藤田部会長 どうぞ。 ○小林委員 実は、12年の7月にまとめられた「水道に関して当面講ずるべき施策について」の中 の1番の「水道に関する課題」の下2つのところ、いわゆる水道関係施設の整備に関し て、上の方では1番でいくと、1ページの下から3つ目ですか「施設水準の向上が課題 となっている」とか、その次のところには「施設の計画的な更新が緊急の課題となって いる」と、こういうふうに書いてありますし、それから2ページのところにまいります と「水道事業に対する財政支援は」というところの中に「老朽化施設の更新等がより重 要な課題となっており」と、施設関係の話が書いてあるんですが、今回の法律には全然 出て来ない。出て来ないでいいのかもしれないとは思うんですけれども、実はここの頭 のところに書いてある表題が「当面講ずるべき政策」だから抜けてしまっているのかも しれませんけれども、私はやはり水道法の改正を考えるときに、このことは非常に大事 なことだろうと思っているんです。現在でも、水源は段々悪くなっていく一方でよくな ることはない。しかし、一方で漏水が相当あることは、私はまだ相当あると思うんで す。とすれば、私は漏水をなくしていくということが大変大切だし、将来に備えていく ことが大切であるから、ついてはこの法律に書けるのかどうかわかりませんけれども、 何かここへの手当てを考えていただきたい。特に公共投資については、今いろいろ国民 の御批判を受けているときに、私は水道にお金を掛けてもらうことは決して悪い話では ないと思うので、水道担当部局の皆さん方のお考えを聞かせていただければと思いま す。 ○藤田部会長 整備課長どうぞ。 ○三本木水道整備課長 今回御提案申し上げさせていただきます部分は、水道法の中のどちらかというとソフ ト的な部分についてお願いをしているわけであります。小林委員おっしゃられましたよ うに、水道の基本中の基本、やはり水道施設を適正な水準で維持し、整備をしていくと いう、言ってみれば水道施設の整備というハードの部分をどうするかというのがござい ます。これは、どちらかというと法制上の議論もさることながら、財政面の問題。具体 的に申し上げると、予算制度の問題としてどうしていくんだろうかということが、施策 を進めていく上での中心課題かなと。財源の問題と申し上げましても、補助金という形 態から、国の財源としては補助金という形態もございますし、地方税を充当する場合も ありますでしょうし、あるいは水道の利用者自らが負担している部分もあるわけです。 簡単に言うとこの3者負担でもって今の水道の整備が成立しているわけでありますの で、この3者の負担の議論をどういうふうに、今まででいいのかどうかとか、そういっ た辺りのところを、施策として展開する場合には、もう一回議論が必要になっていくの かなというふうに思っております。 私どもとしても、今回の法制度の議論は議論としましても、この水道の施設整備の問 題、もう一つは技術的にどこまで水準を上げるのかということと併せて財源負担の議論 を、これは相当やっていかなければ、その水準まで持っていくことがなかなか難しいと いうこともありますので、できるだけこれからの議論と言いましょうか、まさに当面の 課題として我々これから取り組んでいこうと思っています。 その手始めとしては、平成13年度の予算要望で、さまざま形で予算要望しておりま す。今、政府部内でも議論なされておりますけれども、まだちょっと結果は見えており ませんが、積極的に取り組んでいく覚悟でおります。以上です。 ○小林委員 私の言いたいのは、例えば整備目標を法律で何か引っ張って行って、そこへ向けてみ んながやる。例えば国も整備する、地方自治体も整備をするというなら、国が水準を決 めると、その水準に向かって金を投資をしていくんだという計画、方法的なことを法律 に書くという手は考えられないだろうか。具体的な整備の金額までは言わないけれど も、今おっしゃったような方法論的なことを、この水道に関する法律で書けないんだろ うかということを期待をしております。急には難しいかもしれませんけれども、できれ ばそういうことを考えれば、本当は実は整備の目標というのがはっきりさせなくてはい けないという、おしりに火が着くことではあるかもしれないけれども、そのこと自体が 水道の発展のために、国民の皆さんのためにはなるんではないかと思います。 ○三本木水道整備課長 小林委員おっしゃっていること、実によくわかっているつもりではおりまして、具体 的な水道施設の整備目標を、法制上でどうするのか。これは大変難しい問題も、片方で ございます。どちらかというと、例えば廃棄物にしても何にしましても、さまざまな公 共投資の5か年計画のようなものがありまして、水道だけは実はそういう特別措置法の ようなものはなくて、整備水準というのはそういったものでは明らかになっていないと いうところがあります。 恐らくこれから、どういう形にしろ水道の施設整備の目標というものは、きちんとし た形のものは、厚生省としてもつくっていかなければならない時代が必ず来ると思っ て、それなりの準備はしておかなければならないというふうに思っておりまして、まだ 具体的にどうるかは今お示しすることができないのは、誠に申し訳ないんですが、大き な課題として取り組んでいこうとは思っております。 ○藤田部会長 よろしゅうございましょうか。ほかに何か。どうぞ。 ○眞柄委員 第三者への業務委託の件で、少し戻ってしまって申し訳ございませんが。この資料1 の1ページのペーパーで、委託基準ということと受託業務技術管理者という、従来の水 道の分野ではなかった基準なり管理者というか技術者の、ある種の認証のようなことが 出てくるわけですが。私の意見を言わさせていただければ、委託基準の望ましい姿に関 しては、是非国でつくっていただきたいというふうに思います。 ただ、受託業務技術管理者につきましては、発注する方が水道事業者でありますし、 受託者の多くも現在の段階では、水道事業体を含めて地方公共団体、あるいは水道事業 体でございますので、これについては国が国家資格という制度ではなくて、水道事業者 の方々の意見を集約できるような組織で、いわゆる第三者認証のような形で受託業務技 術管理者の制度を発足するのが、私はいいと思っておりますので、是非国で今後受託業 務技術管理者の在り方について御検討されると思いますので、そのときには第三者認証 の在り方が妥当であるかどうかというようなことも、是非御検討いただきたいと思いま す。 ○藤田部会長 ありがとうございました。何か事務局の方からございますか。 ○三本木水道整備課長 真柄委員おっしゃられましたように、受託サイドでの技術管理者の水準をきちっと確 保するという意味においての方法論の一つとして、御指摘のような方法もあるかとは思 いますが、それにまた代わる方法もないのかどうか、さまざまな角度からここは検討し ていかなければいけないと思っておりますけれども。 いずれにいたしましても、現在法制上の書き方としましては、現在の水道技術管理者 に関して書いてあるような書きぶりを、事務的にはそのまま踏襲するつもりではおりま すが、具体的にどうするこうするになると、これは実施の段階としてさまざまな方法論 があるというふうに思っております。 ○藤田部会長 ありがとうございました。よろしゅうございますか。 ○眞柄委員 技術管理者の制度そのものにまで、深く突っ込もうと思いませんが、現行の技術管理 者は、日本の国内の人的資源の分布を見ますと、非常に大きな水道から小規模の簡易水 道まで、水道技術管理者が一つの制度の下に存在をしていて、将来この第三者への業務 委託、あるいは事業形態の変更を見ていったときに、やはりそれなりの規模の水道を扱 われる方が、技術管理者として重要な役割を果たすようになってきますので、そういう 意味では少し従来の技術管理者制度よりも、先ほどからお話があるように、高水準と言 っては今の方は低いと言うわけではないんですが、それなりの規模の水道と、それなり の数の水道利用者の安全性を確保できる技術を持った方を育成するような、そういう工 夫をしていただきたいという意味で御理解をいただきたいと思います。 ○岡澤水道環境部長 資格制度というのは、今、行政改革の中でも大きな話題になっている部分でして、基 本的に一つの考え方で、第三者認定というのは、業務独占と結び付かない形で、法定資 格ということではなくて、一定の能力評価をするという仕組みとしては、第三者に認証 してグレードを付けるという考え方はあるんですが。それは多分、この水道の仕組みに そういうのがなじまないかと言われれば、必ずしもなじまないわけではないと思いま す。例えば、水道技術1級とか、水道技術2級とか、そういう認定制度をつくって、た だそれを特定の事業と結び付けないで、委託する際に委託者が判断する基準として使う というふうな仕組みがあろうかと思うんですが、ちょっと資格制度全体が規制緩和とい う枠組みの中で議論されているところでもあり、今回そういう仕組みを持ち込むのは、 ちょっとどうかなと思っていまして、もう少し様子を見ながら、場合によったらそうい う方向もあり得るのかなと思います。 今の段階では、むしろ最低限の、技術管理者の資格が最低限の資格なんですけれど も、その最低限の資格というのは最低限の資格であって、それぞれの委託する水道事業 者がそれに付加的に要求することは可能ですから、それはむしろ委託契約の中で相手 方、つまり受託者となるべき人に対して、どういう技術のレベルを要求するかというの は、委託基準の中で示していって、要は相互の契約としてあなたならやってもいいでし ょうと、こういう人ではここは任せられませんという、むしろ個別の話にした方が。 今、真柄先生がおっしゃるような、一律ではなくてより事業の実態の則した資格のある 人を採用できるんじゃないかというふうに思います。 むしろ、余り委託基準というものを硬直的に考えて、どういう資格のある技術者であ るとか、あるいはどういうやり方をしなければいけないというふうに決めるつもりは余 りなくて、むしろ最低限ここだけは抑えなさいよということを委託基準に示して、あと は事業の実態を踏まえて、委託する側の水道事業者が委託契約の中でそれを書き込んで いくということが適切ではないかと思います。 現に、日本では余りありませんけれども、余りというか今までないんですけれども、 海外では委託による管理というのは非常に多いわけでして、それもほとんど同じ会社 で、同じ地域でも契約内容はかなり変っています。それはつまり、それぞれ委託する側 と受託する側とがネゴをして、水道事業の内容を見た上で、受託者側からは一定のオフ ァーがあり、委託者側がそれに対してレビューをして契約を結ぶと、こういうのが実際 には一番現実的で望ましいんじゃないかというふうに思っています。 ○藤田部会長 ありがとうございました。そのほか、御意見はないでしょうか。 それでは、大体御意見も出たようでございますが、これまで出ました御意見を踏まえ まして、今後制度化の手続を進めることとしてようございましょうか。 それでは、諮問の内容として、この水道部会としてこれを了解するということでよう ございましょうか。 (「はい」と声あり) ○藤田部会長 ありがとうございました。それでは、その旨答申したいと思います。答申案の用意が あれば、お配りしてください。 (答申案配布) ○藤田部会長 「水道法の一部改正について(答申)」「平成12年12月1日厚生省発生衛第331 号を もって諮問のあった標記については、これを了承する」ということをようございましょ うか。 (「はい」と声あり) ○藤田部会長 ありがとうございました。それでは、本日付けで厚生大臣にこれを答申したいと思い ます。今日は4日ですね。 この答申の厚生大臣への手渡しは、また別途するということで御了解願いたいと思い ます。そのほかに何か特にございますでしょうか。事務局の方から何か連絡事項ござい ますか。 ○三本木水道整備課長 本日は、お取りまとめをいただきまして、誠にありがとうございました。 実は、省庁再編が1月6日からスタートいたしまして、この生活環境審議会も再編さ れることになっております。したがいまして、水道部会としての審議は、本日をもちま して最後になるということでございまして、大変今までありがとうございました。ま た、これからも変わらず、別の方面からでも結構でございますが、さまざまな御意見、 御至誠を賜わればありがたいと思っておりますけれども、最後に事務局を代表いたしま して、岡澤水道環境部長から御礼のごあいさつを申し上げたいと思います。よろしくお 願いいたします。 ○岡澤水道環境部長 本日、水道法の一部改正につきましての御答申、ありがとうございました。日本で水 道事業ができたのが、もう百十数年前だと思いますけれども、それから戦後の時代でも 普及率は三十数%ぐらいで、その後更に十数年経ちまして、今九十六.何%というレベ ルまできて、百十数年の間水道については普及の促進、それから特に生活水準とか都市 化に伴う供給水路の拡大に対応するような、水源の確保ということが大きな課題でずっ ときたわけです。 しかし、このところ大分状況が変わりまして、水道の普及率も大体頭打ちになりまし たし、量的にもほぼ充足できるようになった。人口も2020年ぐらいを境に、どんどん下 がっていくということが予想され、人口も老齢化して、おしめを洗う水はいらなくなっ て、おふろに入る回数も多分少なくなってくると。そういう時代に入ってくるんじゃな いかと思います。 大分水道を取り巻く環境というのも変わってきたわけですが、やはり百十数年も経ち ますと、これから問題になってくるのは、どうしても施設の老朽化とか管理体制がだん だんお粗末になってくるというようなことで、これは欧米の水道でも経験しているわけ ですけれども、施設が古くなり管理体制がだんだん疎漏になっていって、そのことによ って水質事故が多発し、水道の信頼が失われていくということがあるわけです。我々 は、そういうことを避けるためにも、何とか管理体制の充実を図っていかなければなら ないということから、今回の水道法の改正の諮問をさせていただいたわけでございま す。 ちょうど今、三本木課長も言いましたように、来年の1月6日では省庁再編がありま して、実は私のポストもなくなりますと言いますか、水道関係部というものが解体され まして、水道行政は厚生労働省、それで一緒になっています廃棄物の方は、新しくでき ます環境省に移ることになっています。それで、水道行政については厚生労働省に、こ れも再編されて新しくできます健康局という局の中で、水道課という組織で担当するこ とになるわけでございます。 それと歩調を合わせまして、審議会制度の改正もあります。今まで生活環境審議会、 生活衛生、廃棄物、水道と、私どもの局、部の業務を担当していただいたわけですが、 生活環境審議会の業務のうち、廃棄物行政については環境省に、残り部分については厚 生労働省ということで、この審議会自身もなくなってしまうということになるわけでご ざいます。 来年以降は、新たに厚生労働省の下では厚生科学審議会という、厚生省全 体のもう少し広い枠組みの審議会ができますけれども、その中で生活環境水道部会とい うふうな部会をつくって、今の水道部会と併せて2つの部会の仕事を、その生活環境水 道部会ということでやっていただくことになると思います。仕組みも大分変わります が、この中の先生方には引き続きそちらの審議会でもお願いする先生もありますし、ま たテーマごとに専門委員のような形で移植して御意見を聞くということもあると思いま すので、今後ともよろしくお願いを申し上げたいと思います。 いずれにしても、水道自身も大きな変換を迎えておりますけれども、行政機構あるい はいろんな行政の枠組みということも変わってきて、恐らく今日いだたく答申が、生活 環境審議会の答申としては最後の答申になるんですかね、会合そのものは、まだちょっ と今日の午後もありますけれども、答申としては恐らく最後だと思います。ちょうどそ の節目のときにこれをいただきまして、法律のそのものは厚生省で答申していただいた わけですけれども、実施するのは厚生労働省ということになるわけでございまして、ち ょっと変な気もいたしますけれども、今後とも先生方には是非いろんな意味で、水道行 政に対する御指導を賜りますようにお願い申し上げて、また今日まで6回このテーマに ついて、大変熱心に御討議いただきまして、ちょうど20世紀の最後を飾るのにふさわし い答申をいただきまして、誠にありがとうございました。 ○甲斐委員 1つよろしいでしょうか。会の終わりに申し訳ありませんが、実は私ども消費者団体 なものですから、先日皆さんのお目にも触れたと思うんですけれども、水道水にフッ素 を、ということを巡る波紋で、この問題が朝日新聞にも取り上げられまして、私はたま たまここの委員になっておりましたので、方々から質問がまいりました。係の方をお煩 わせいたしまして、当時の武山百合子さんの質問から発したということなんで、議会の 議事録を見せていただきまして、読ませていただきましたけれども、それを読みますと この新聞記事というのが、本当に正確に伝えてはいないというふうに思いましたけれど も、新聞紙上の取り上げ方とか、そのとき私は見ていないんですがNHKでも何か流さ れたということで、問題になりました。これは歯に対してフッ素が虫歯の予防の効果が あるということは前から言われておりまして、随分前から私どもも薬品によるよりも、 違った意味で虫歯をなくす方法があるんじゃないかということで、ずっと運動してきた 団体です。歯磨きの奨励とか。それで、フッ素につきましては、昔、京都の芦屋でした か、たしかそこは自然水の中に大分含まれていて、班状歯が問題になったりいたしまし て、宝塚ですか、あの辺で。そんな問題もありましたり、内科の先生の中には反対の意 見もあります。私たちは専門家じゃないので、賛否両論がが入ってくるだけなんですけ れども、まず水道水に虫歯を少なくするためにフッ素を添加するっていう発想が、どう して出るのかわからないんです。歯学会でももう前々から2つに割れて、あるときは強 く浮上して、あるときはおさまるんですが、今回自治体から要求が出ているというのが 2、3ありまして、大変一般の国民は心配をいたしました。 そういうときに、源水がだんだん汚れてくるのを、きれいにして供給するというのが 厚生省のお立場であったように思うんで、何かの予防のためにと、それも一部のことの ために飲み水に薬品を添加するということが、まかり通るのかどうかというのを、ここ にいらっしゃる先生方はどういうお考えでいらっしゃるのか、一言伺いたいと思いま す。 自治にいろいろ移管されますのでね。そうすると、移管された市町村が独立してこう いうことをしたいと言った場合には、そこの多数決の意見で決まってしまうというの は、とっても納得できないんです。それは、厚生行政として国民の健康を守るのは歯だ けじゃないですので、もっと積極的にそういう添加はいけないと言えないんでしょう か、今の法律上では0.8ppmまでは、いい悪いじゃなくて、引っ掛からないというところ で、容認という形になるようですが、何か容認というんではすごく弱いという感じがす るんですが、いかがなものでしょうか。 ○眞柄委員 実は、フッ素のことに関して、隣の韓国でも同じような状況でございまして、特にソ ウルでフッ素添加をすべきだという市民の要求と、一方で歯科医師の方も含めてフッ素 を添加しない方がいいということで、もう2年越しに議論をされていらっしゃいます。 そういうことに関して、WHOの本部の方にフッ素添加のことについて意見を求められ たことがあるというふう伺っておりますが、結論的に言うとWHOの方もすべきだとも 言わないし、しない方がいいとも言いません。それから、アメリカでも多く自治体でフ ッ素添加をしておられますけれども、アメリカの中でも学会レベルでフッ素添加をする ことの効果は、それほど認められなくて、要するに個人の歯科衛生の努力で虫歯の問題 は扱うべきだという意見があるというふうに伺っております。 私、自分自身の問題として考えてみますと、日本の水道源水で使っております漂流 水、あるいは地下水でも、フッ素が非常に高い地域が多い、そして私の大学時代の恩師 も当然亡くなっておりますが、福島医大の卒業生で、あの地域は班状歯が大変多い地域 でありまして、昭和30年代の半ばというのは、水道にとって班状歯を減らすというの は、非常に大きな目標であったというふうに聞いておりますし、そういう意味で水道源 水のフッ素の水質が非常に多様であるということで、どこでも、ここでもフッ素添加を すべき問題ではありませんし、大変な管理のための努力が要ると。もう一つは、日本人 は海産物をたくさんとりますので、海産物からのフッ素の摂取量が高い、それからお茶 がやはりフッ素がたくさん入っておりますので、そういう意味では過剰のフッ素を摂取 して、班状歯を起こさないようにするためのフッ素濃度の管理が、すべての水道事業で きるとは思えないという意味で、そういう意味ではできるところはおやりになってもい いかもしれませんが、実質的には非常に高度な技術の管理が要るということで、あると いうことを認識した上で是非御検討いただきたい、それでどうしてもやるんだと言われ れば、それはやられても結構ですが、とにかく日本人は概してフッ素の摂取量が多いと いう問題があって、更に地域性があるということを、何度も自分で勉強しております が、いつでも大体同じような結論に達しておりますので、ちょっと御紹介申し上げま す。 ○甲斐委員 ありがとうございました。実は、1970何年でしたか、WHOというと日本は何でも従 わなければならないみたいな、絶対にみたいに思っていられるんですけれども、WHO の中でも一致の意見ではなさそうで、虫歯をなくすためだけだったら、ほかにいろいろ 選択肢がある。どれを選択しても自由だということで、フッ素を入れろとは言っていな いんです。そこら辺をアメリカの州で幾つか実施しているからいいだろうということで 安易に取り入れるのは危険です。。私は横浜なんですが、今はちょっとクエスチョンで すけれども、でも横浜の水はもう世界中から買っていったというぐらい、いい水が流れ ていました。世の中が変わって日本の水も汚くなったし、今、先生のおっしゃられまし たお茶をいただく習慣とか、食事の習慣も随分変わってきたんで、欧米化されているか ら右へ倣えで、WHOでアメリカに倣えということがあるとしたら、私としましては、 私共は声を大きく上げて、反対の渦を巻き起こしたいと思っておりますので、よろしく お願いいたします。 ○藤田部会長 ありがとうございました。ようございましょうか。それでは、長い間どうもありがと うございました。御協力感謝いたします。 ー了ー (連絡先) 厚生労働省健康局水道課 03−3595−2368