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「社会的な援護を要する人々に対する社会福祉の
あり方に関する検討会」報告書

平成12年12月8日

はじめに

 本検討会は、平成12年7月に設置されて以来、9回にわたり、広くかつ深い問題に対して精力的な検討を行ってきた。限られた時間の中で、「社会的援護を要する人々」に対する全ての問題を論じ尽くすことはできなかったが、問題の所在と「社会福祉のあり方」の見取り図とでもいうべきものの整理を行えたものと考え、報告する。

1.基本的な考え方

 戦後、我が国は、混乱した貧しい社会から立ち上がり、豊かな社会を創造してきた。社会福祉も「貧困からの脱出」という社会目標に向け、一定の貢献をしてきたことは評価されてしかるべきであろう。しかしながら、その後の都市化と核家族化の進展や、産業化、国際化の中で人々の「つながり」が弱くなってきたことも否定できない。また、社会が経済的に豊かになったとはいえ、新たな課題への挑戦を称え、尊ぶという側面が弱くなってきていることも指摘されている。

 社会福祉に関わる諸制度も、このような社会の変化の中で、逐次、整備が図られてきた。貧しい社会における貧困者の救済を中心とした選別的な社会福祉から、豊かな社会の中における国民生活の下支えとしての社会福祉へ、少子・高齢社会において安心できる社会福祉へと普遍化が図られてきた。

 一方、近年、社会福祉の制度が充実してきたにもかかわらず、社会や社会福祉の手が社会的援護を要する人々に届いていない事例が散見されるようになっている。

 社会福祉は、その国に住む人々の社会連帯によって支えられるものであるが、現代社会においては、その社会における人々の「つながり」が社会福祉によって作り出されるということも認識する必要がある。特に、現代社会においてはコンピューターなどの電子機器の開発・習熟が求められるが、人々の「つながり」の構築を通じて偏見・差別を克服するなど人間の関係性を重視するところに、社会福祉の役割があるものと考える。なお、この場合における「つながり」は共生を示唆し、多様性を認め合うことを前提としていることに注意する必要がある。

 先の通常国会で成立した「社会福祉事業法等の一部を改正する法律」は、豊かな社会における社会福祉制度として、救済的な措置制度から利用者の選択を尊重する利用制度へと転換を図ろうとする「社会福祉の基礎構造改革」である。それとともに社会福祉サービスが人間による人間のためのサービスであるという原点に立ち返った制度改革であり、「地域福祉の推進」という章を新たに設けたことからも明らかなように、地域社会における「つながり」を再構築するための改正であるともいえよう。

 イギリスやフランスでも、「ソーシャル・インクルージョン」が一つの政策目標とされるに至っているが、これらは「つながり」の再構築に向けての歩みと理解することも可能であろう。

 諸外国におけるこのような試みに鑑みると、「社会的援護を必要とする人々に社会福祉の手が届いていない」事例は、それがたとえ小さな事例であったとしても、その集積と総合化の中から「つながり」の再構築への道筋が浮かび上がってくるものと思う。

 本検討会ではこのような考え方から、制度論からではなく、実態論からのアプローチを行った。すなわち、いくつかの現在生起している課題の実態を踏まえ、個別具体的な解決の方法を考え、それらを総合化していくという検討方法である。今後の「社会福祉のあり方」を展望するとき、このような検討方法も一つの有力な方法であることを指摘しておきたい。

2.近年における社会経済環境の変化

 以下のような社会経済環境の変化に伴い、新たな形による不平等・格差の発生や、共に支え合う機能の脆弱化が指摘されている。また、社会保障・社会福祉制度体系のよって立つ基盤自体の変化にも着目する必要がある。


(1) 経済環境の急速な変化
・産業構造の変貌とグローバリゼーション
・成長型社会の終焉
・終身雇用など雇用慣行の崩れ
・企業のリストラの進行
・企業福祉の縮小〜競争と自己責任の強調

(2) 家族の縮小

・世帯規模の縮小
・家族による扶養機能のますますの縮小
・非婚・パラサイトシングルなどの現象

(3) 都市環境の変化

・都市機能の整備
・高層住宅、ワンルームマンションなど住宅の変化
・消費社会化
・都市の無関心と個人主義

(4) 価値観のゆらぎ

・技術革新や社会経済変化の中で、人間や生活、労働をめぐる基本的価値観の動揺

3.対象となる問題とその構造

 従来の社会福祉は主たる対象を「貧困」としてきたが、現代においては、

・「心身の障害・不安」(社会的ストレス問題、アルコール依存、等)
・「社会的排除や摩擦」(路上死、中国残留孤児、外国人の排除や摩擦、等)
・「社会的孤立や孤独」(孤独死、自殺、家庭内の虐待・暴力、等)
といった問題が重複・複合化しており、こうした新しい座標軸をあわせて検討する必要がある。【別紙】

 このうち、社会による排除・摩擦や社会からの孤立の現象は、いわば今日の社会が直面している社会の支え合う力の欠如や対立・摩擦、あるいは無関心といったものを示唆しているともいえる。
 具体的な諸問題の関連を列記すると、以下の通りである。

・ 急激な経済社会の変化に伴って、社会不安やストレス、ひきこもりや虐待など社会関係上の障害、あるいは虚無感などが増大する。
・ 貧困や低所得など最低生活をめぐる問題が、リストラによる失業、倒産、多重債務などとかかわりながら再び出現している。
・ 貧困や失業問題は外国人労働者やホームレス、中国残留孤児などのように、社会的排除や文化的摩擦を伴う問題としても現れている。
・ 上記のいくつかの問題を抱えた人々が社会から孤立し、自殺や孤独死に至るケースもある。
・ 低所得の単身世帯、ひとり親世帯、障害者世帯の孤立や、わずかに残されたスラム地区が、地区ごと孤立化することもある。
・ 若年層などでも、困窮しているのにその意識すらなく社会からの孤立化を深めている場合もある。これらは通常「見えにくい」問題であることが少なくない。

 以上の整理は、あくまで例示であって、これらの問題が社会的孤立や排除のなかで「見えない」形をとり、問題の把握を一層困難にしている。孤独死や路上死、自殺といった極端な形態で現れた時にこのような問題が顕在化することも少なくない。
 そのため、「見えない」問題を見えるようにするための、複眼的取り組みが必要である。


(問題把握の視点)

(1) 問題の背景

・経済環境の変化
・家族の縮小
・都市(地域)の変化

(2) 問題の基本的性格

・心身の障害や疾病
・社会関係上の問題
・貧困や低所得

(3) 社会との関係における問題の深まり

・社会的排除・摩擦
・社会的孤立

(4) 制度との関係における問題の放置

・制度に該当しない
・制度がうまく運用されていない
・制度にアクセスできない
・制度の存在を知らない

4.問題が発生しながら解決に至らない理由

 問題が発生しながら解決に至らない理由を、家庭、地域、職域の要因、行政実施主体の要因、福祉サービスを提供する側の要因の各諸面に分けて整理を行った。

(1)個人、家庭、地域、職域の要因

 従来、自助・共助として、個別の問題を受け止め、解決してきた家族や地域のつながりが希薄化し、また職域の援助機能も脆弱化している。一方、従来の価値観や生活習慣が崩れたことにより、個人が家族や近隣との接触・交流なしに生活できる社会になっている。
 このことは現代社会の成熟化に伴う特色であるとも考えられるが、一方この結果、孤立、孤独や社会的排除に伴う課題に直面した場合に問題解決が難しくなっている。

(2)行政実施主体の要因

 社会福祉制度の充実整備を通じ、行政実施主体の側においては業務の専門性が高まる反面、その枠に収まらない対象者が制度の谷間に落ちるのを見過ごす傾向が強くなっている。また、社会福祉法人などの福祉サービス提供者に対して、目的とした事業以外への積極的な取り組み意欲を阻害する制度運営が行われてきたことも指摘されている。
 さらに、特定の問題に直面している人々が分散していることにより、行政実施主体がそれを課題集団として認識できず、「見えにくい」問題が発生している。

(3)福祉サービス提供側の要因

 社会福祉法人などの社会福祉サービスを提供する側においても、行政から委託される社会福祉事業の執行に努めるあまり、困窮した人々の福祉ニーズを把握できず、見落とすといった問題も発生している。

5.新たな福祉課題への対応の理念 − 今日的な「つながり」の再構築

 これらの諸問題に対応するための、新しい社会福祉の考え方を提言する。

(1)新たな「公」の創造

 今日的な「つながり」の再構築を図り、全ての人々を孤独や孤立、排除や摩擦から援護し、健康で文化的な生活の実現につなげるよう、社会の構成員として包み支え合う(ソーシャル・インクルージョン)ための社会福祉を模索する必要がある。
 このため、公的制度の柔軟な対応を図り、地域社会での自発的支援の再構築が必要である。特に、地方公共団体にあっては、平成15年4月に施行となる社会福祉法に基づく地域福祉計画の策定、運用に向けて、住民の幅広い参画を得て「支え合う社会」の実現を図ることが求められる。
 さらに社会福祉協議会、自治会、NPO、生協・農協、ボランティアなど地域社会における様々な制度、機関・団体の連携・つながりを築くことによって、新たな「公」を創造していくことが望まれよう。

(2)問題の発見把握それ自体の重視

 金銭やサービスの供給だけでなく、情報提供、問題の発見把握、相談体制を重視し(社会福祉の方法論の拡大・確立)、社会的つながりを確立していく必要があろう。

(3)問題把握から解決までの連携と統合的アプローチ

 問題の発見・相談は、必ず何らかの制度や活動へ結びつけ、問題解決につなげるプロセスを重視する。

(4)基本的人権に基づいたセーフティネットの確立

 個人の自由の尊重と社会共同によるセーフティネットの確保を図る。特に、最低限の衣食住については最優先で確保されるようにしていく必要があろう。

6.社会福祉に関する相反する要請

 新しい社会福祉の構築に当たっては、以下のような相反する要請があり、これらの調和・両立を実現する必要がある。


(1) 専門性の向上を図るための制度の分化と、総合性を確保するための制度の調和

 ― 地域福祉の推進

(2) 制度化を必要とする課題と、制度的でない手法によって対応すべき課題の整理についての社会的合意形成

(3) 専門家の養成・確保と幅広い住民の参加

(4) 主体性と社会的支援との調和

 できるだけ個々人の主体性を尊重することと、社会構成員としての責任を果たすことを実現できるような支援

(5) 個人のプライバシー・自由と社会福祉の連結のあり方の整理


7.いくつかの具体的提言

 新しい福祉を構築する方法として、いくつかの具体的提言を行うこととする。

(1)社会的なつながりを創出することに係る提言

・ 情報交換・情報提供の「場」の創造
 民生委員や社会福祉協議会、自治会、NPO、生協・農協、ボランティア、各種民間団体など地域社会の人々が協力して、関係機関の連絡会を開催するなど情報交換の「場」を設け、「孤立した人々への見守り的な介入」を行うことが必要(空気は通すが水は通さない柔軟なネットワークの構築)。
・ 共通の課題を有する人々の定期交流のための場の提供や、受診をきっかけとした仲間づくりの支援。
・ 外国人に対するワンストップサービスのような総合サービス機能を設け、通訳ボランティアの協力を得ながら外国人に対する総合案内を進める。

(2)福祉サービス提供主体に係る提言

・ 社会福祉法人などが創設の趣旨に立ち返り、地域の福祉問題を発見・対応する取り組みを強化。この場合において、社会福祉法人としての自主性・自発性を確保・強化する観点から、独自の財源確保に努めることが望まれる。
・ 宿泊、食事、入浴等の選択的利用を認める個別対応プログラムの実施。
・ 福祉と医療の総合的な提供の取り組みの支援。また、無料低額診療に取り組んできた済生会等においては、その全国ネットワークを活用して、社会的援護を要する人々に対する福祉医療サービスを積極的に提供することが期待される。

(3)行政実施主体の取り組みに係る提言

(1) 問題発見・問題解決機能の向上を図る必要がある。
 行政実施主体については、待ちの姿勢で対応する、制度の内規などにより制度本来の趣旨を狭め硬直的な運用を行っている(行政の下方硬直性)、窓口のたらいまわしにより総合的解決に結びつきにくい、といった批判があり、これに応えていくことが求められる。
 また、相談を受けながら福祉サービスにつながらなかった事例の記録を分析して問題発掘に取り組むとともに、問題解決への手順を明確にする。
 社会福祉の基本姿勢として、相談だけでなく解決にもっていくプロセスを重視することが必要であろう。

(2) 福祉分野と他分野との連携を強化する必要がある(建設・労働部局、水道・電気事業者等)。
 都市部を中心に、周囲と連絡を取らずに一人暮らしを行う人々が増えており、役所や民生委員などによる直接的な福祉ニーズの把握が困難になる中で、水道・電気事業者、家屋賃貸者などの何らかの契約関係を有する者との連携が効果的である。
 ホームレスについては、多くの者が道路、公園、河川敷といった公共の用地で暮らしており、住まいの確保が最優先の課題である。また、自立のためには、就業斡旋や職業訓練など労働部局との連携が重要である。これについては、国・地方公共団体が連携して一時避難所や自立支援センターなどの確保・提供を進め、道路・公園等の公共の用地での野宿の解消を早急に図ることが必要である。また、地域にオンサイトの相談場所があることが有効であり、既存のいくつかの相談所、相談員の連携・協力を得て、参加型のサービスを提供することが考えられる。
 なお、一部の委員から、この問題についての国の責務、特別就労対策、住宅・医療・福祉等の総合施策の推進、公共施設の不法占有の規制などを盛り込んだ特別立法が必要であるとの意見があった。

(3) 固定した住民概念の転換も迫られている。
 家庭、地域、職域の機能の脆弱化を前にして、福祉サービスを必要とする者について、画一的な要件に該当しないと対象としないという考え方から脱却する必要があろう。また、個性を尊重し、異なる文化を受容する地域社会づくりのために、外国人や孤立した人々をも視野に入れた情報提供や都市部における地域福祉・コミュニティワークの開発が期待される。

(4)人材養成に関する提言

(1) 福祉人材の育成
 対象とする人々の問題を読みとり、地域での生活を全体的に捉え、地域形成に参画する社会福祉士などソーシャルワークに携わる人々の育成が必要であり、このため、養成機関における教育や実習等においては、地域社会との連携を強化する必要がある。

(2) 福祉人材の姿勢
 従来のような行政や施設の窓口で待つ「消極的」な関わりではなく、地域や対象とする人々の中に「積極的」に出向くアウトリーチなどの取り組みが必要とされており、そうした姿勢が求められている。
 また外国人等の地域での生活のために、異文化を受容する姿勢が必要である。

(3) 福祉人材の機能と役割
 対象者のニーズに柔軟に即応するために、社会福祉士などソーシャルワークに携わる人々については、地域社会における様々な人々と共働するための実際的権限を付与する必要がある。
 地域開発等のように地域住民の主体的な参加や組織化を必要とする場合には、その事業の実施期間にわたって、ソーシャルワークに携わる人々を地域の中に配置するような取り組みが求められている。

(4) 地域の生活様式に対応した地域福祉人材の確保
 地域住民の流動化が進み、また日中は地域に不在となる住民が増加する状況を踏まえ、従来の地域的つながりにより活動する民生委員や各種相談員だけでなく、深夜や若者の集まる場所でも相談に応じられるような、新たな生活様式に対応した地域の福祉人材を配置する。
 また、このために多様な人材を民生委員等の地域福祉人材として登用できるようにする必要がある。さらに、社会福祉士等地域で活動する専門家の活用を図るべきである。

(5)その他

(1) ボランタリズムの醸成
 わが国社会において、見えない社会的ニーズに自発的に対応するボランタリズムが必ずしも十分育っていない。特に、勤労者(サラリーマン)と企業との結びつきが強いわが国においては、サラリーマン及びサラリーマン退職者がボランティアとして参加できるような文化が育っていない。
 したがって、社会福祉協議会やそのボランティアセンターは、福祉の枠にとどまることなく、幅広い人々の参加を促すように努めるとともに、特にサラリーマン及びサラリーマン退職者の参加意欲を積極的に受け止める機能の強化が期待される。
 また、寄付金の税控除などを含め、NPOやボランティアが地域活動に参加しやすい環境づくりの対応も必要であろう。
 さらに、これまで貧困などの福祉問題に取り組んできた救世軍等の民間団体の地域社会への積極的な役割を認めるとともに、これら団体がその創設の趣旨を踏まえながら、社会に潜む福祉ニーズの把握と解決に率先して取り組むことが期待される。

(2) 福祉文化の創造
 社会福祉が人々の生活にかかわるものであることから、人々の生活の拠点である地域社会において、いわゆる「官」と「民」が共働してその推進を図る必要があり、新しい「公」の創造を提言した所以でもある。また、社会福祉が人々の生活にかかわるうえで、その人の尊厳を守り、生き方を尊重することが必要であることはいうまでもない。
 これらのことは、狭い意味での社会福祉の課題にとどまるものではないことから、このようなことに立脚した福祉文化が創造され、わが国の中に定着していくことが必要であろう。

(3) 生活保護制度の検証
 制定50周年を迎えた生活保護制度について、経済社会の変化、貧困の様相の変化(高齢単身者の増加等)を踏まえ、保護要件、適用方法、自立支援機能、保護施設機能、社会保険制度との関係などの諸論点について、最低生活の保障を基本に、本報告書で指摘した新たな形の社会的課題をも視野に入れて検証を行う必要がある。

終わりに

 本報告は、わが国の社会構造の変化を踏まえた新しい「社会福祉のあり方」の提言を行うものであり、従来の社会福祉のあり方・方法の見直しを求めるものであるが、これを基に社会福祉関係者、国民が幅広い議論を行うことを期待する。また、各地域においては、平成15年4月の地域福祉計画の策定に向けて、本提言を参考とされることを期待する。

 厚生省(平成13年1月より厚生労働省に改組)においては、関連する他省庁と連携し、検討を重ねたうえで、本報告の内容の具体化を図ることを期待する。
 こうした考え方を検討し、具体的な対応、政策に導くため、平成13年1月の中央省庁再編に伴い、厚生労働省に設置される社会保障審議会において審議を進めることを提言する。


(照会先)
厚生省社会・援護局企画課 堀
03(3595)2612(直通)


【別紙】

現代社会の社会福祉の諸問題


※横軸は貧困と、心身の障害・不安に基づく問題を示すが、縦軸はこれを現代社会との関連で見た問題性を示したもの。
※各問題は、相互に関連しあっている。
※社会的排除や孤立の強いものほど制度からも漏れやすく、福祉的支援が緊急に必要。


資料 1

社会保障関連基礎統計 年次比較

平成12年12月8日
厚生省社会・援護局調べ

区分 昭和30年(1955年) 昭和50年(1975年) 平成7年(1995年)
人口 90,077千人 111,940千人 125,570千人
平均寿命 男63.60、女67.75 男71.73、女76.89 男76.38、女82.85
出生数 1,730,692人 1,901,440人 1,187,064人
合計特殊出生率 2.37 1.91 1.42
0-14歳人口 30,123千人 27,221千人 20,014千人
15-64歳人口 55,167千人 75,807千人 87,165千人
65歳以上人口 4,786千人 8,865千人 18,261千人
65歳以上人口割合 5.3% 7.9% 14.5%
産業別就業者割合 S35) 32.7:29.1:38.2 S55) 10.9:33.6:55.4 6.0:31.6:61.8
高等学校等進学率 51.5% 91.9% 96.7%
大学等進学率 18.4% 34.2% 37.6%
有配偶女性雇用者数
(非農林業)
S37) 262万人 595万人 1,161万人
有配偶女性就業率 S55) 48.5% 50.2%
国際連合加盟国数 76か国 144か国 185か国
一般会計歳出決算 10,182億円 208,609億円 759,385億円
社会保障給付費 3,893億円 117,693億円 647,314億円
国民所得 69,733億円 1,239,907億円 3,807,144億円
国民負担率 20.8% 25.7% 36.5%
 租税負担率 18.1% 18.3% 23.3%
 社会保障負担率 2.7% 7.5% 13.2%

※産業別就業者割合は、「第1次産業:第2次産業:第3次産業」で表示しているが、分類不能分を除いたため、数値の合計が100にならない場合がある。
※H7の高等学校等進学率は、通信制課程への進学者を含む。
※H7の大学等進学率は、通信教育部への進学者を含む。


資料 2

福祉サービス対象者数 年次比較

平成12年12月8日
厚生省社会・援護局調べ

 ※板山委員の提出した図表を基に厚生省社会・援護局責任で作成したもの。
 また、全ての社会的問題を網羅する趣旨ではない。

対象者 対象者数 備考
昭和30年
(1955年)
昭和50年
(1975年)
平成7年
(1995年)
I 対象者別        
1 低所得者
 (1)被保護者
1,929,408人 1,349,230人 882,229人  
2 要援護老人       【2】
・※は65歳以上患者数。
・*はH10。
・(4)のH7は兵庫県を除く。
 (1)寝たきり老人
14万人

148万人
* 97万人
 (2)痴呆性老人 * 15万人
 (3)虚弱老人 *106万人
 (4)一人暮らし老人 0.24万人 61.1万人 219.9万人
3 障害       【3】
・(1)はS26、S45、H8。
・(2)はS36、S46、H7。
・(3)はS30、S62、H8。
 (1)身体障害児・者(在宅) 512,000人 1,407,800人 3,014,600人
 (2)知的障害児・者(在宅) 319,000人 312,600人 297,100人
 (3)精神障害者 139.0万人 216.7万人
4 児童・家庭       【4】
・(1)は児童福祉施設定員
(*はS32)。
 (1)要援護児童 *768,054人 1,799,755人 2,014,497人
 (2)母子家庭 48.6万世帯 37.4万世帯 48.3万世帯
 (3)父子家庭 6.5万世帯 8.4万世帯
5 結核、難病       【5】
・(1)は特定疾患医療受給者証交付件数。
対象疾患の増加あり。
・(2)は活動性全結核登録患者数
(*はS36)。
・(3)は人工透析患者数。
 (1)特定疾患 21,694件 320,330件
 (2)結核患者 *954,102人 435,902人 65,167人
 (3)透析患者 13,059人 154,413人
6 戦争犠牲者       【6】
 (1)戦傷病者 * 67,842人 151,435人 105,342人 ・(1)は戦傷病者手帳所持者数
(*はS39)。
 (2)遺族等 1,839,562人 975,721人 350,774人 ・(2)は恩給(軍人)及び援護年金年度末支給人員。
支給対象者の拡大あり。
 (3)原爆被爆者 *200,984人 356,527人 328,629人 ・(3)は被爆者健康手帳交付件数
(*はS33)。
7 更生保護       【7】
・(1)は保護観察新規受理人員。
・(2)は刑法犯検挙人員。
・(3)は少年刑法犯検挙人員
(S50、H7は交通関係事犯を除く。)。
 (1)保護観察 61,265人 44,958人 71,851人
 (2)刑法犯 558,857人 830,176人 970,179人
 (3)20歳未満の刑法犯 121,753人 196,974人 193,308人
8 中国残留邦人帰国永住者 1,098人 16,051人 【8】
・累積総数。
9 外国人       【9】
・(1)はS34、S49、H7。
・(2)はH2.7.1以降推計。
 (1)外国人登録者数 674,315人 749,094人 1,362,371人
   うち永住外国人 626,606人
 (2)不法滞在者 286,704人


対象者 対象者数 備考
昭和30年
(1955年)
昭和50年
(1975年)
平成7年
(1995年)
II 今日的な課題別
(一人暮らし老人等、既出のものを除く。)
       
1 ホームレス等      
【1】
・(1)の*はH11.11推計。
・(2)(1)の*はH10度。
 (1)ホームレス *2万人超
 (2)行旅死亡人等      
  (1)行旅死亡人 * 1,152人
  (2)行旅病人
2 自己破産者 ※ 1,949件 * 14,625件 43,414件 【2】
・※は破産新受件数、残り2つは自己破産申立件数(*はS60)。
3 アルコール依存等       【3】
 (1)アルコール依存症患者 14,720人 23,800人 ・(1)はアルコール精神病者数及びアルコール依存症患者数(S30、S43、H8)。
 (2)薬物事犯 34,126人 9,703人 19,425人 ・(2)は麻薬・覚醒剤事犯。麻薬とは、麻薬(H7は向精神薬を含む。)、あへん及び大麻をいう。
4 失業・フリーター       【4】
・(1)は完全失業者数(*はS45)。
・(2)はS30、S57、H9。
・フリーターとは、(1)年齢15〜34歳、(2)就業者については勤め先における呼称が「アルバイト」 又は「パート」である雇用者で、 男性については継続就業年数が 1〜5年未満の者、女性については未婚で仕事を主にしている者、(3)無業者については家事も 通学もしておらず「アルバイト ・パート」の仕事を希望する者をいう。
 (1)失業者 * 59万人 100万人 210万人
  うち20代 * 24万人 36万人 73万人
  うち30代 * 11万人 19万人 33万人
  うち40代 * 8万人 17万人 34万人
  うち50代 * 6万人 12万人 28万人
 (2)いわゆる「フリーター」 50万人 151万人
5 ドメスティック・バイオレンス
被害者
* 2,418件 【5】
・婦人相談所一時保護所、婦人保護施設及び母子生活支援施設における「夫等の暴力」等の理由による措置件数(*はH11)。
6 自殺者 22,477人 19,975人 21,420人  


資料 3

福祉サービス提供者数 概観

平成12年12月8日
厚生省社会・援護局調べ

  貧 困 高 齢 身体障害 知的障害 精神障害 児童育成
要援護者の発見 民生委員
216,842人
民生委員
(再掲)
民生委員
(再掲)
民生委員
(再掲)
民生委員
(再掲)
児童委員(民生委員)
(再掲)

うち主任児童委員
14,455人
サービスの利用支援(相談、サービス利用援助等) 福祉事務所
1,200か所

社会福祉協議会(相談、地域福祉権利擁護事業)
 全国 1か所
 都道府県・指定
 都市 59か所
 市区町村
3,368か所
福祉事務所
(再掲)

老人介護支援センター
4,379か所

在宅介護支援センタ−
5,262か所

社会福祉協議会
(再掲)
福祉事務所
(再掲)

身体障害者更生相談所
68か所

身体障害者相談員
15,640人

市町村障害者生活支援事業
200か所

社会福祉協議会
(再掲)
福祉事務所
(再掲)

知的障害者更生談所
79か所

知的障害者相談員
4,772人
障害児(者)地域療育等支援事業
420か所
保健所
641か所

精神保健福祉センター
55か所

市町村保健センター
1,630か所

精神障害者地域生活支援センター
195か所
福祉事務所
(再掲)

児童相談所
174か所

(婦人相談所
47か所)

地域子育て支援センター
1,800か所

放課後児童健全育成事業
9,729か所

社会福祉協議会
(再掲)
サービスを提供す
る施設(入所は○、通所は●、利用は☆)
<保護施設
336か所>

○救護施設
177か所

○更生施設
17か所

☆医療保護施設
65か所

●授産施設
65か所

☆宿所提供施設
12か所

<福祉事務所(生活保護給付)
(再掲)>

<社会福祉協議会
(生活福祉資金貸付
(再掲)>
<老人福祉施設
19,106か所>

○養護老人ホーム
949か所

○特別養護老人ホーム
3,942か所

○軽費老人ホーム
1,082か所

☆老人福祉センター
2,249か所

●老人日帰り介護施設
6,462か所

☆老人短期入所施設
43か所
<身体障害者更生援護施設
1,577か所>

○肢体不自由者更生施設
37か所

○視覚障害者更生施設
14か所

○聴覚・言語障害者更生施設
3か所

○内部障害者更生施設
6か所

○身体障害者療護施設
327か所

○●重度身体障害者生援護施設
72か所

☆身体障害者福祉ホーム
34か所

○身体障害者授産施設
83か所

○重度身体障害者授産施設
127か所

●身体障害者通所授産施設
233か所

●身体障害者福祉工場
35か所

☆小規模通所授産施設
約5,000か所

☆身体障害者福祉センター
246か所

☆在宅障害者日帰り介護施設
220か所

☆障害者更生センター
10か所

☆補装具制作施設
26か所

☆点字図書館
73か所

☆点字出版施設
14か所

☆聴覚障害者情報提供施設
17か所
<知的障害者援護施設
2,726か所>

○●知的障害者更生施設
1,515か所

○●知的障害者授産施設
993か所

☆知的障害者通勤寮
116か所

☆知的障害者福祉ホーム
67か所

●知的障害者福祉工場
35か所

☆小規模通所授産施設
(再掲)
<精神障害者社会復帰施設
401か所>

○●精神障害者生活訓練施設
149か所

☆精神障害者福祉ホーム
99か所

○精神障害者入所授産施設
18か所

●精神障害者通所授産施設
127か所

●精神障害者福祉工場
8か所

☆小規模通所授産施設
(再掲)
<児童福祉施設
33,198か所>

○助産施設
537か所

○乳児院
114か所

○母子生活支援施設
300か所

●保育所
22,327か所

○児童擁護施設
555か所

○知的障害児施設
280か所

○自閉症児施設
6か所

●知的障害児通園施設
229か所

○盲児施設
14か所

○ろうあ児施設
16か所

●難聴幼児通園施設
27か所

○●肢体不自由児施設
67か所

●肢体不自由児通園施設
82か所

○肢体不自由児療護施設
7か所

○重症心身障害児施設
88か所

○●情緒障害児短期治療施設
17か所

○児童自立支援施設
57か所

☆児童館
4,323か所

☆児童遊園
4,152か所

<母子福祉施設
93か所>

☆母子福祉センター
75か所

☆母子休養ホーム
18か所

<○婦人保護施設
52か所>

保育士
249,374人
サービスを担う人材(主な専門職) 福祉事務職員(うち法令上、査察指導員及び現業員は社会福祉主事)
60,910人
社会福祉士
18,502人

介護福祉士
167,992人

ホームヘルパー
144,758人

介護支援専門員
(H10度・H11度合格者計)
160,154人
社会福祉士
(再掲)

介護福祉士
(再掲)
社会福祉士
(再掲)

介護福祉士
(再掲)
社会福祉士
(再掲)

介護福祉士
(再掲)

精神保健福祉士(第1回合格者)
4,338人
保育士
249,374人


【別添】

社会的な援護を要する人々に対する
社会福祉のあり方に関する検討会委員

(五十音順)
氏 名 役 職
青 山 やすし 東京都副知事
阿 部 志 郎 (福)横須賀基督教社会館 館長
板 山 賢 治 (福)浴風会 理事長
岩 田 正 美 日本女子大学 人間社会学部教授
加 藤 彰 彦 横浜市立大学 国際文化学部教授
岸 本 葉 子 エッセイスト
長谷川 匡 俊 淑徳大学 学長
張 田 直 子 (福)救世軍社会事業団 社会福祉部長
平 野 隆 之 日本福祉大学 社会福祉学部教授
三 島 浩 一 大阪市福祉援護担当部長
光 田 タ 全国民生委員児童委員連合会 会長
山 本 修 三 神奈川県済生会 神奈川県病院長
尹 基 (福)こころの家族 理事長
吉 村 靫 生 (福)大阪自彊館 理事長
渡 邊 一 雄 岩手県立大学 国際社会人教育センター長


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