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第3回管理栄養士・栄養士養成施設カリキュラム等に関する検討会議事要旨


1 日時  平成12年12月1日(金)15:30~17:30

2 場所  厚生労働省日比谷セントラルビル第1会議室

3 出席者(敬称略)

足達、五十嵐、小林、小山、鈴木、高橋、田中、中村、武藤、八倉巻、山崎、 山本、渡辺
(厚生省)髙倉生活習慣病対策室長、古畑栄養指導官他

4 議題

(1)管理栄養士・栄養士養成施設カリキュラム等の検討について
(2)その他

5 議事要旨

 事務局より資料の説明が行われた後、各委員より意見が表明された。概要は、次のとおり。

<カリキュラム体系について>

○人類生態学、解剖学といった縦割りから脱却するためには、今回の新しい考え方は良いと思う。専門基礎分野については、医学全般を含め管理栄養士にとって最低限度の知識を教えるという位置づけであり、管理栄養士に特化したものが専門分野として出されており、非常に理解しやすくよいと思う。

○専門分野について、複数科目を出すよりは、5分野1科目の考え方が良いと思う。

○専門基礎分野は大項目に分類されているが、専門分野も同様に5つに分類してみてはどうか。しかし専門分野はあまり細かく例示せずに、国家試験との整合性を持たせる方向で試験の出題基準を細かく例示すれば良いのではないか。

○「栄養指導」に栄養指導論、栄養管理論、栄養教育論とあるが、栄養管理論は栄養指導の中に整理されるのではないか。

○集団給食で、計画論と管理論とあるが、分ける必要はないのではないか。

<単位数について>

○単位数については、管理栄養士の質的向上という法改正も行われたので、内容、質のみならず、量的なデモンストレーションも対外的に必要なので、75単位から 80単位位にした方が良いのではないか。

<専門基礎分野について>

○「生体の構造と機能、疾病の成り立ち」に臨床病理(入門)を設けて、この中に微生物学を設けてはどうか。

○基礎教育科目に標記されている科目名(人類生態学、行動科学等)の表記については検討が必要ではないか。

○「社会・環境と健康」に人間の形成や人間の理解と明記されてはいるが、人間関係論など人間を取り扱った科目も必要ではないか。

○感染症については、感染のメカニズムを触れる程度で、食中毒とのかかわりで食べ物と健康に入れてもいいのではないか。

○臨床の場においても、患者との接遇などが大事でなので、もっと表面に出すべきである。

○行動科学は、行動心理学や人間行動科学といったかなり大きな範囲を含むことになるのではないか。

○関係法規とあるが、厚生労働制度論や病院の診療報酬などの仕組みについて具体的に教えた方が良い。

○貯蔵加工は、食品学に含めて良いのではないか。

<人間栄養学について>

○人間栄養学は、人間での栄養学を理解するものであるので、動物や細胞レベルで考える基礎栄養学とは違うものと考える。

<臨床栄養学について>

○臨床栄養学と臨床医学を切り離すということだが、臨床栄養学のアセスメントや栄養補給法、チーム医療を学ぶ前段階の教育が必要になってくるのでは。また、臨床栄養学の教育と実習を教えるのに講義4単位、実習2単位で十分か。

○臨床栄養学を医師が担当すると疾病の話ばかりになり、栄養管理が抜けてしまうので、一般医学を分けた方が、よりしっかりした教育に成ると考える。臨床医学の中の臨床栄養を専門分野と位置づけることは、非常に理解しやすい。

○管理栄養士に力がないと言われるのは、臨床栄養が弱い点である。臨床栄養は医師または同等の者となるが、内容が医科学入門が主になって食事療法の部分がおそらく教えられていないと思う。

○現在の臨床栄養学は、病態と食事療法に分かれるが、この2つを医師、管理栄養士どちらが担当しても十分でないとしたら、いっそ切り分けてそれぞれが専門のところを教育した方がよい。

○学生にとっては最初から臨床医学より医学入門が必要なのでは。医学的な考え方というのは、管理栄養士課程に入ってきた学生には分からないところが多いので、こういった視点で教育してほしい。

○専門基礎分野に臨床医学入門ないし医学入門、医学概論を設けて、包括的に医学の導入、考え方を教育する。臨床栄養学におけるモチベーションとして病態を取り込む方が良い。

○1年生の時に病院とか老人福祉施設、保健所等での活動を体験し、その上で講義を受ける方法もある。

<健康増進の位置づけについて>

○健康増進の科目の位置づけがはっきりしない。

○健康増進という内容は、四年間を通じて反復して学んで理解できるものであるので、1つのところに位置付けするのは難しい。

○健康日本21を公衆栄養で教えてもどうしても栄養が中心になってしまう。その他の項目については、公衆衛生で教えるのは当然である。科目間のオーバーラップが出てきてしまうのは仕方ないのではないか。

<栄養指導論について>

○栄養指導論はカウンセリングなどもっと具体的に明記すべきである。

○いままでの栄養指導論は、栄養士の活動論と解釈されるなど、学問として成り立っていない。内容的にも変わったという整理をすべき。

<給食管理について>

○集団給食施設という法的に位置付けられているものがあるので、給食管理という言葉を変えるとあいまいになってしまうのではないか。

○これからの給食管理は、ケータリングではなく、フードサービスマネージメントであるべきではないか。

<総合演習について>

○総合演習について、どの科目と連動した総合科目かを明示すべきである。

○総合演習で何をやるのか。卒業研究との位置づけをはっきりさせるべき。

○総合演習は、できるだけ縦割り的なことをなくして、横断的にみていこうという方向性を示すものである。個人の栄養を総合的に評価して対処し、またそれをどう評価するか、事例をもって専門基礎と専門を総合的に整理する点で有用ではないか。

○総合演習の中に校外実習についての教育方法とか報告といったことも含められないか。

○総合演習については、看護のところでも看護研究という位置付けがなされてきているので、栄養研究等にした方が良い。卒業後自分自身で調べる力を身につけさせるべきである。

○総合演習は、臨床栄養の校外実習で取り扱った症例について研究するなど、ケーススタディーとして位置付けてはどうか。

○総合演習が卒論ということであれば、規定する必要は無い。

<校外実習について>

○校外実習では学校で学んだことがどれくらい役に立つのか、あるいは自分たちがそれをやるために何が足りないのかを確認するためにも、その後のフォローが非常に大事である。

<教員について>

○教員の割り振りはせず、管理栄養士と医師が何人としても良いのでは。

○管理栄養士の養成としての教育という点では、教員の資質が確保されるべき。

○栄養指導論と給食管理の教員は、管理栄養士に限定した方がよいのではないか。

<施設・設備について>

○動物実験室と微生物学実験室は、規定からはずしても良いのでは。動物実験室は必要に応じて生理学実験室に付随するかと思う。人に関するところを強化するのに、なぜここでまた動物が前面に出てくるのか。

○精密機器室は、測定機器室にした方が良いのでは。

○専門基礎分野の健康情報科学にリンクした、コンピュータ等が独立して設けられた総合演習室(情報処置室)が必要なのではないか。

○食品加工実習室は年間に使用する頻度は少ない状況にあるが、果たして現在やっているような食品加工実習は必要なのか。

○臨床栄養実習室には、ベッドサイドでの指導を考えたとき、ベッドが必要では。

○栄養アセスメントができる施設と、食事療法ができる施設の2つが必要である。


問い合わせ先 厚生省保健医療局地域保健・健康増進栄養課生活習慣病対策室
担当 古畑(内2343)、河野(内2344)
電話 [現在ご利用いただけません](代)

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