00/11/24 第28回厚生科学審議会先端医療技術評価部会議事録 第28回厚生科学審議会先端医療技術評価部会議事次第 ○日  時:平成12年11月24日(金)16:00〜18:00 ○場  所:中央合同庁舎第5号館(7階)特別第1会議室 ○出席委員: 高久史麿部会長        (委員:五十音順:敬称略)        軽部征夫 木村利人 柴田鐵治 寺田雅昭       (専門委員:五十音順:敬称略)        雨宮浩 入村達郎 小澤えい二郎※ 加藤尚武 金城清子 廣井正彦        松田一郎 ※’えい’は偏が金・旁が英 ○議  事: <審議事項>    ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針について <報告事項>  1.生殖補助医療技術に関する専門委員会における検討状況について  2.疫学的手法を用いた研究等における個人情報の保護等の在り方に関する専門委員 会における検討状況について  3.岡山大学医学部附属病院における遺伝子治療臨床研究の報告 <意見聴取>    異種移植における現状と課題、その将来性について      人工肝臓の現状と問題点−特にウイルス感染を中心に−      九州大学医学部第二外科 教授 杉町圭蔵 ○配付資料 1. ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針(案) 2. 精子・卵子・胚の提供等による生殖補助医療のあり方についての報告書(案) 2−1 第25回生殖補助医療技術に関する専門委員会(11月12日)の議論において出さ     れた「精子・卵子・胚の提供等のあり方についての報告書(案)」に対する主 な修正事項  3. 疫学的手法を用いた研究等における生命倫理問題及び人情報保護の在り方に関 する調査研究班 疫学の研究等に関する倫理指針(仮称・案)たたき台 4. 岡山大学医学部附属病院からの報告 5. 人工肝臓の現状と問題点 −特にウイルス感染を中心に− ○参考資料 1.厚生科学審議会先端医療技術評価部会生殖補助医療技術に関する専門委員会につい て 2.厚生科学審議会先端医療技術評価部会生殖補助医療技術に関する専門委員会委員名 簿 3.不妊治療の種類 4.生殖技術への対応、各国比較 5.第1回生殖補助医療技術に関する専門委員会(平成10年10月21日)以降に、イン ターネット等で寄せられた生殖医療に関する御意見(御意見募集のフォーマット及び実 際に寄せられた御意見) ○事務局  それでは、ただいまから第28回厚生科学審議会先端医療技術評価部会を始めさせてい ただきたいと存じます。  本日は曽野委員、竹田委員から御欠席との連絡をいただたいております。委員14名の うち、既に過半数を超えておりますので会議が成立することを御報告いたします。ま た、本日はヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針の関係で国立がんセンターの 垣添中央病院長並びに山口建副所長、更に異種移植における現状と課題、その将来性に つきまして九州大学医学部第2外科の杉町教授に参考人としてお越しいただくというこ とにしておりまして、垣添先生は御都合により審議の途中で退席されると聞いておりま す。また、山口先生、杉町先生は後ほどお越しいただくという予定になっております。  最初に、本日の会議資料の確認をさせていただきたいと思います。 (資料の説明と確認)  それでは、部会長よろしくお願い申し上げます。 ○高久部会長  それでは、審議事項を始めさせていただきます。最初に「ヒトゲノム・遺伝子解析研 究に関する倫理指針について」を御審議いただきたいと思います。本日は事務局から紹 介がありましたように垣添先生が出ておられますので、垣添先生から資料1に基づいて 御説明よろしくお願いいたします。 ○垣添病院長  国立がんセンターの垣添でございます。よろしくお願いします。  お手元の資料1をご覧ください。下の方に書いてありますように、平成12年11月24日 ヒトゲノム解析研究に関する共通指針(案)検討委員会ということで、こちらで検討し た案が原案としてここに取りまとめられております。23ページをご覧ください。この検 討委員会の構成メンバーはこのようになっておりまして、私が委員長を務めさせていた だきました。この検討班は、厚生科学研究費補助金により研究が進められたものであり ます。  それから、24ページにありますのはヒトゲノム解析研究に関する共通指針の作業委員 会の名簿です。こちらは国立がんセンター研究所副所長の山口建先生が委員長で、ここ にありますメンバーで全部で600 近いメールのやりとりがあって、この原案を取りまと める上で非常に大きな貢献をしていただいたという次第であります。  中身にまいりますが、目次のところをご覧いただけますでしょうか。構成は「前文」 と、それから基本的な考え方、その中で2に「本指針の適用範囲」が述べられます。そ れから、2番目として「研究者等の責務」ということで、それぞれの人たちの責務が順 次記載されます。3番目に「試料等提供者に対する基本姿勢」ということでインフォー ムド・コンセントとか、あるいは遺伝カウンセリングのことが書かれます。それから4 番目に「試料等の取扱い」ということで、研究実施前に提供された試料、それから試料 の保存と廃棄の方法などが述べられています。それからこれが将来見直しがどんなふう に行われるかということと、「用語の定義」が最後にくるという構成になっておりま す。  それで、まず1ページ目の「前文」からまいりたいと思います。ここでは人間の尊厳 及び人権を尊重し、社会の理解と協力を得て適正に研究を実施するということと、それ からそのための具体的な指針の策定ということを目的としたというようなことが書かれ ております。それから下の方の段落に、これに先立って既にヒトゲノム研究に関する基 本原則が今年の6月に科学技術庁の科学技術会議の生命倫理委員会の方から取りまとめ られておりますし、今年の4月には厚生省の方から遺伝子解析研究に附随する倫理問題 等に対応するための指針、いわゆるミレニアム指針が取りまとめられておりまして、こ れらを参考にしながらこの共通指針が取りまとめられたということであります。ミレニ アム指針が出されて以来、一般的な遺伝子解析研究に汎用性のある指針が必要であると いうことがいろいろなところから求められておりまして、それに対して4省庁合同でそ ういうものをつくるという作業が進められたということであります。  「基本的考え方」としては1番から7番にあるようなことを挙げております。  それから本指針の適用範囲でありますけれども、これは2番の真ん中辺にあります。 「なお」というところからですが、「診療において実施され、解析結果が試料等提供者 及びその家族の診療に直接生かされることが医学的に確立されている臨床検査及びそれ に準ずるヒトゲノム・遺伝子解析などは、本指針の対象としない」ということで、これ は検討会の中で診療と研究の区分けをどうするかということをかなり議論を重ねました が、診療に関する扱いはこの指針とは別ということで切り分けをいたしました。  それから2番の「研究者等の責務」でありますが、3の「すべての研究者等の基本的 な責務」の中で(2)にありますように個人の人権の保障を科学的、社会的な利益に優 先して配慮するということを基本的な姿勢としております。  それから(3)にありますように、事前の十分な説明とその自由意思による同意とい うことですね。インフォームド・コンセントを受けて行うということ。  それから、(4)(5)(6)には職務上知り得た個人に関する情報を漏洩しないと いうことが書かれております。  (7)には、倫理審査委員会の承認を得て、それから研究実施機関の長により許可さ れた研究計画書に従って研究を実施するということが明記されております。  (8)には、研究の透明性を図ることなどが記載されております。  4番の「研究実施機関の長の責務」でありますけれども、(1)の下の方にあります ように、本指針や今、述べました研究計画などに反した場合には懲戒処分など不利益処 分等がなされ得るということが記載されております。  更に先にまいりまして(3)、4ページでありますが、個人識別情報管理者を置くと いうことを決めております。その個人識別情報管理者の細則は小さい文字で書かれてい ます。申し遅れましたが、太字で書かれているのが本則で、細かい字で書かれているの が細則というふうに御理解ください。個人識別情報管理者の要件に関する細則は1、2 としてそこに挙げております。  (4)では倫理審査委員会を設置しなければならないということであります。倫理審 査委員会に関してもそこに細則があるとおりです。  (6)で研究実施機関の長は研究責任者から研究の実施状況について定期的に報告を 受ける。それから、外部の有識者による定期的な実地調査も受ける。これは一応年1回 以上というふうな取りまとめになっております。  5ページに進みまして(10)には必要に応じて適切な遺伝カウンセリングの体制の整 備のことが述べてあります。  5番で、今度は「研究責任者の責務」でありますが、これは1番にありますように、 あらかじめ研究計画書を作成して研究を進める。しかも、それを実施機関の長の許可を 得、かつ倫理審査委員会の審査を得るということであります。  次は、6ページの(3)の細則にありますように今、申し述べました研究計画書に記 載すべき事項をとりまとめてあり、こういったことを記載すべきであるということを述 べております。  それから、6ページの下の(6)で「研究責任者は、原則として、匿名化された試料 等、又は遺伝情報を用いて、ヒトゲノム・遺伝子解析研究を実施しなければならない」 ということです。  7ページの上には匿名化を行わない研究に関する細則が述べられております。 それから、6番は個人識別情報管理者を置くということで、その責務がそこに記載され ております。  8ページの7で「倫理審査委員会の責務及び構成」でありますが、(1)にあります ように倫理的観点とともに科学的観点も含めて審査し、文書により意見を述べるという ことがあります。それから、倫理審査委員会の構成はその細則にあるとおりです。ここ で、ミレニアム指針との違いは外部委員を半数以上置くことが望ましいということと、 女性委員が含まれることが望ましいということであります。  それから(4)にありますように、迅速審査手続というのを設けました。これは、そ の細則にありますように軽微な変更とか、既に類型化している研究計画等の場合にはそ ういう簡便な方法もあるということを設けてあります。  (5)にこの倫理審査委員会の議事及び構成その他は原則として公開されなければな らないということが述べられております。  次に3の8で「試料提供者等のインフォームド・コンセント」でありますが、(2) にありますように十分な説明を行った上で自由意思に基づく文書による同意を得るとし ています。  それから、(3)にありますように倫理審査委員会が承認し、研究実施機関の長が許 可した場合には試料等提供者等の代諾者からインフォームド・コンセントを得ることが できると、代諾者のこともこのよう規定しております。9ページから10ページにかけて 細則のところで、代諾者からインフォームド・コンセントを受ける場合の取扱いが記載 されております。  それから、(4)のところにありますように、自らが与えたインフォームド・コンセ ントは不利益を受けることなく撤回することができるということも記載されております し、(6)にありますように必要に応じて遺伝カウンセリングの利用に関する情報を含 めて説明を行うということが記載されております。  10ページから11ページにかけて説明文書の記載に関する細則ということで、この説明 文書の中にはこれだけのことを盛り込まなくてはいけないということが規定されており ます。  「遺伝情報の試料等提供者等への開示」ということでありますが、これは11ページか ら12ページにかけて試料等提供者が自らの遺伝情報の開示を希望している場合には原則 として開示しなければならない。それから、(2)にありますように遺伝情報の開示を 希望していない場合には開示してはならない。(3)には、試料等提供者本人以外の者 から求めがあっても試料等提供者の同意がない場合は原則として開示してはならないと いうことを述べております。それぞれ細則が付いております。  次に13ページ、遺伝カウンセリングでありますが、遺伝カウンセリングの目的がそこ に述べられておりまして、特に単一遺伝子疾患に関する遺伝情報を開示しようとする場 合にはこういう遺伝カウンセリングをきちんと行うということが書かれております。  それから13ページから14ページ、15ページにかけまして「研究実施前提供試料等の利 用」ということであります。これは、ミレニアム指針では既採取試料という言葉で整理 されていたものでありますけれども、(2)(3)(4)の辺りにA群、B群、C群と いう言葉が出ております。これは後ほど用語の定義に出てまいりますけれども、A群試 料というのは、遺伝子解析の研究を行うという同意が得られている試料、B群というの は医学的研究に用いるといった一般的な同意が得られている試料、C群というのは全く そういう同意が得られていない既に採取されている試料ということになります。これら を使う場合にどうすべきかということがそこに書かれております。それで、この指針が 認められて発布される前に採取されたものと後にとられたものということで、それから 今の同意の程度によって中身が違ってまいりますので、文章で示し、さらに22ページに それをシェーマの形で整理して示しました。  あとは、15ページには「試料等の保存及び廃棄の方法」で(2)に「バンクへの提 供」のことが記載されております。真ん中辺に「連結不可能匿名化がなされることを確 認するとともに、バンクに提供することについて同意を得られている」ということが記 載されております。  それから5の見直しですけれども、「この指針は、必要に応じて、又は施行後5年を 目途としてその全般に関して検討を加えた上で、見直しを行うものとする」ということ であります。  あとは用語の定義が順次まいりますが、その中で16ページの(3)の「ヒト・ゲノム 遺伝子解析研究」というところがあります。そこの太字にありますように「主として人 の疾患克服に関連して、試料等を用い、試料等提供者の個体を形成する細胞に共通し、 試料等提供者からその子孫に受け継がれ得るヒトゲノム・遺伝子の構造又は機能を明ら かにしようとする研究をいう。本研究に用いる試料等の提供のみが行われる場合も含ま れる」という扱いになっております。それで、そこの細則の中にいろいろ具体的な内容 が書かれておりますが、ここで特に3)の下の方に書かれておりますけれども、このヒ ト遺伝子の発現に関する研究及び単にたん白質の構造または機能に関する研究を取り扱 う研究ですね。それから、病変に局在するヒトゲノム・遺伝子変異を解析する研究、こ ういったいわゆる体細胞変異の解析、すなわち、発現、たん白、それから体細胞変異の 解析はこの指針の対象外とするという形に整理しております。  主な点は以上でありまして、あとは21ページに「ヒトゲノム・遺伝子解析研究の過程 に沿った基本的な要点」がフローチャートの形で取りまとめられております。したがい まして、この倫理指針のミレニアム指針との違いの大きなポイントは、診療が対象外で ある。つまり診断治療に関わる遺伝子解析はこの指針の対象にしないということを明記 していることと、倫理審査委員会の構成その他をもう少し現実に即したものにしている ということ、それから今、申し上げましたように発現とかたん白、あるいは体細胞遺伝 子解析の多くは本指針の対象とはしないという取扱いにしております。したがって、こ のヒトゲノム遺伝子解析研究の主な対象はいわゆる生殖細胞系列の遺伝子解析研究、い わゆるジャームラインのミューテーションを解析する研究が中心で、しかも研究を対象 とした、という整理にしております。以上でございます。 ○高久部会長  どうもありがとうございました。前回もこの倫理指針についていろいろ御討議いただ いたわけですが、今日は垣添先生が来ておられますので、垣添先生にいろいろ御質問が おありの方はどうぞ御遠慮なく御質問いただければと思います。垣添先生は4時半にな ったら御退席されますので、先生に御質問の方は手を挙げていただければと思います。 どうぞ。 ○木村委員  今も大変詳細に垣添先生から御説明いただきまして、全体的な方向づけとしてはバイ オエシックスの見地から倫理委員会その他についても具体的な方向づけが出てきて大変 よかったと思うんですが、やはり先日も事務当局の方から御説明いただいたのですです けれども、診療において実施されている部分についてはこれは適用されない。  ただ、特に2ページのところを今、御指摘していただきましたが、「解析結果が試料 等提供者及びその家族の診療に直接生かされることが医学的に確立されている臨床検 査」、私の質問は現在相当確立されている分野があるのかどうかということと、それか らこの場合、やはり私の考えではこの研究自体が臨床との関わりでなされていくことが 極めて多い可能性のある分野ではないかと思いますものですから、診療を行う個々の医 師の責任において関係学会等において作成される指針等を参考にという程度ではちょっ と律し切れない面があるのではないかと思うのでございますけれども、ここがこういう ふうに決まったことの経緯につきまして垣添委員長から直接にお話をお伺いしたいとい うことと、その2点についてお伺いしたいわけです。 ○垣添病院長  2ページの真ん中辺にあります診療における遺伝子解析は本指針の対象としないとい う部分でありますが、これは検討会の中でも研究と診療の境目というのは、大体この指 針の中に本来研究も診療もともに含めるべきであるという議論が大いにありました。実 際に研究と診療の境目は非常にあいまいな、いわゆるグレーゾーンと呼ばれるような部 分がかなりあるという観点でここに書いてあるようなことを考えますと、実際にこれは 想定しておりますのは例えば骨髄移植などのときに細胞が生着したかどうか、あるいは 事前に成功の可否を推測するとか、そういった目的で行われるHLAのタイピングなど が1つは考えられます。  それから、この指針の対象外としておりますけれども、例えば白血病などの化学療法 の場合、あるいは骨髄移植などを使って大量化学療法を行う場合にミニマルレシジャル ディジーズといいましょうか、まだがん細胞が残っているかどうかといったことを知る ために体細胞変異を遺伝子解析をするのはほとんど日常的になっていて、臨床検査とし て企業に外注するようなレベルになっている。そういうものまで、もしこの遺伝子解析 研究の指針の対象にすると、現場としてはほとんど動きがとれなくなるということがあ ります。ですから、既にほとんど臨床検査のレベルに近い遺伝子解析研究というのは診 療の現場で相当程度行われているというのが実態です。したがって、この指針では主に 次世代に影響が及ぶような、いわゆる遺伝性の疾患の遺伝子解析を中心的な対象として とらえたというのがこの部分の骨子であります。 ○木村委員  ここを私がちょっと読んだときには、むしろ例えば関係学会等にということで言えば 家族性腫瘍をめぐって学会がガイドラインを出しているというようなこともあって、家 族性腫瘍のことなども入るのではないかというふうに思ったんですが、そういう関係学 会がまだそんなにきちんとしたガイドラインをつくっていない現状で、この程度でいい のかなという気がするんですが、先生はそれでよろしいと思いますか。 ○垣添病院長  これはやはり大いに議論がありました。それで今、今年の末をめどに関係6学会で共 通のガイドラインを作成する作業が進んでいると聞いておりますので、ここの部分はこ れで取りまとめてあります。近々にそれが出るというふうに聞いておりますので。 ○松田委員  木村先生は家族性腫瘍しかつくっていないとおっしゃいましたけれども、日本人類遺 伝学会も既にもう何年も前からつくってありまして、新しいデバイスが今年できまし て、英文のものもホームページに入っておりますので是非ご覧ください。  それから、関係学会6学会がこの間の日本人類遺伝学会を契機にしまして、診療に関 してのガイドラインをもう少ししっかり見直そうということで、現在6学会の倫理委員 の方たちに全部日本人類遺伝学会のものを配布しまして書込みをしてもらうようにして います。今年中にある程度の基本をまとめて、来年度はこの検査をしている会社の方た ちとディスカッションをしたい。そして、最終的にはお互いがどういう基準でもってサ ンプルを扱うかということを決めたいと考えています。以上です。 ○高久部会長  ほかにどうぞ。 ○木村委員  今、松田先生から御発言がありましたが、日本人類遺伝学会あるいは臨床遺伝学会の ガイドラインについて私も触れておりますので、それを言っていないというのではなく て、それも含めて関係学会等においてですね…。 ○高久部会長  せっかく垣添先生がおられるので、垣添先生に対する御質問を主にしていただきたい と思います。 ○木村委員  それを含めて「本指針の趣旨を踏まえた適切な対応」というのは、具体的に垣添先生 は何を意味したんですか。 ○垣添病院長  今、申し上げたとおり、この指針は次世代に影響が及ぶような遺伝子解析研究を対象 としておりますけれども、実際に診療の現場で行われるそれに近いような内容で、だけ ど実際にはほとんど診療、例えば診断をつけるために行うような解析などもあるわけ で、そういったものを進める場合にはごく近い将来出てくるこういう関係学会の指針等 を踏まえた適切な対応が望まれるという取りまとめにしたということです。 ○木村委員  私はこの点については、こういう「趣旨を踏まえた適切な対応」というのは非常にあ いまいな表現になるので、むしろ厚生省がモニターをして、そのことについて例えばそ の趣旨に沿わない場合にはいわばそれに違反したというような警告をすることができる というようなシステムをつくった方がよかったのではないかというふうに思うんです。 ○垣添病院長  今の段階でそこまでは言えないのではないのでしょうか。そう私は考えます。これは 私の個人的な見解です。 ○入村委員  先ほど垣添先生の御発言の中にHLAというお話がございましたが、HLAの解析な どは実際には遺伝子解析ではないけれども遺伝情報を得るような、そういう解析ではな いかと思うんですが、そういうものは今回のこの指針では実際には対象としていないよ うに思われるのですが、その理由というか、根拠というのが何かあったらお願いしま す。 ○垣添病院長  これはほとんど臨床検査に近い形で患者さんに生かしております。 ○入村委員  それはHLAというものはそうなんですが、そうではなくて遺伝情報を得るために使 われる方法としては遺伝子解析でない方法でも遺伝情報を得るということは幾らでもあ るわけです。そういうものは今回の指針では対象にしていないと思うんですが、その根 拠というか、それでよろしいのでしょうかということです。 ○垣添病院長  その議論は、この検討会では十分いたしませんでした。ただ、これはやはり遺伝子解 析を行っていくことに関して指針がこれまで全くに近いほどなかったということで、ミ レニアムプロジェクトがスタートし、それから実際にそれが走ってみていろいろ問題点 が明らかになったので、この遺伝子解析を中心にした指針を取りまとめたというのがポ イントであります。今、先生が御指摘の点は十分議論をしておりません。 ○入村委員  つまり私の懸念は、今後遺伝子解析が進むと遺伝子解析を実際には使わないけれども同 じ結果が得られるという方法論はどんどん出てくると思うんです。そういうことはここ ではカバーしなくてもいいんだろうかというのが実際の質問です。 ○高久部会長  それは将来議論をすることになると思いますが、垣添先生の委員会は遺伝子解析とい うことで倫理指針をつくっていただいたのだと思います。今後HLAなど遺伝子解析で はないけれども遺伝情報に結び付くものはどうするかという事はいづれ議論していただ くことになると思います。  それでは、そろそろ時間になりましたので、垣添先生どうもお忙しいところをありが とうございました。  まだいろいろ御意見があると思いますが、先ほど木村先生の御質問にあった先天性疾 患の診断でルーチンに臨床的に行われている遺伝子解析というのはどのぐらいあるので すか。 ○松田委員  日本の国というか、外国も含めればかなりの数だと思います。 ○高久部会長  かなりというのはどれくらいになるのでしょうか。 ○松田委員  恐らく100 近いんじゃないでしょうか。今、木村先生のおっしゃったことにちょっと 関連しますと、垣添先生がここにつくられたのは一応研究と臨床とを分けていただいた という意味で非常に私たちとしては評価できると思っています。それで、臨床に関しま しては今、木村先生がおっしゃいましたように、私たちがつくるときにはやはり相当何 かはっきりしたものを出さなければいけないだろうと考えています。というのは、私ど もが6学会でもって実は警告という形でもって出しました。それを出した途端に突然そ ういう不正といいますか、私たちは正しくないと思っていましたけれども、そういう遺 伝子の解析のパンフレットとか、そういったものは市場から消えてしまいました。私た ちの警告したことが随分効いたというふうに私たちは思っています。ですから、何らか の方法で、でも余り強いことは言えないと思うんです。というのは、非常にケース・バ イ・ケースでもって是非ともしなければならないということがあり得ますので、そうい う強いことは言えないと思いますけれども、方針をしっかり出せば、そしてそれに従っ ていただきたいということになれば、余り乱れることはないだろうというふうに期待は しています。 ○高久部会長  ほかにどなたか、この指針に関しまして御意見をどうぞ。 ○小澤委員  最後の19ページの22番で組織バンク等の定義の件なんですけれども、ここで非常にあ いまいなのは、恐らくいろいろな大学の研究室その他で保存しているバンクというより はアキュミレーションとでも言ったような性質のものがあって、それがよそと共同研究 で使われるというような事例は非常に多いことだろうと思います。そういうことと、そ れからどこかでセルラインか何かの確立したものなどとはもう質的に違うものだろうと 思いますので「多くの研究者に分譲する」というところは、やはり不特定多数の研究者 というふうに書くべきではないかと思います。 ○高久部会長  御異論がなければそういうふうにさせていただければと思います。ほかにどなたか、 どうぞ。 ○加藤委員  連結可能匿名性と連結不可能匿名性という2つの形があるんですが、完全に個人情報 を匿名化しないで、例えば提供者の同意を得て固有名詞や病歴をそのまま付けて試料を 使うという可能性は考えておられないのでしょうか。 ○垣添病院長  特殊な状況では匿名化しないということも細則の中にうたっております。そうでない と、研究に支障が出る場合も当然あり得ると思います。 ○高久部会長  ほかにどなたか、どうぞ。 ○入村委員  実際にこういう解析をやっていこうとしている現場でよく問題になるのが、この情報 管理者という人の選任になるんですが、ここでは例えば研究分担者やその研究担当者と 兼任できないということだけが書いてありますけれども、この人が例えば研究をしてい くうちに何か関係せざるを得なくなってしまったら、その職を辞するというだけで構わ ないのかとか、その人がどういう立場でその後ずっといなければいけないのかというの は案外大事な問題なのではないかと思うんですけれども、この辺はどのように考えられ ておられますか。 ○垣添病院長  個人識別情報管理者と、その下に複数名の分担管理者を置いて、それで個人識別情報 管理者がその研究に関与する場合には分担から外れるという形の整理にしております。 ○入村委員  実際には、その人はある程度知っているわけですね。それを守秘義務というか、それ を漏らさないということで構わないということなんですね。 ○垣添病院長  そうですね。個人識別情報管理者から外れて、だけど研究はできるという整理にして おります。 ○金城委員  ちょっと細かいことなんですが、1つは倫理審査委員会の構成について細則でござい ますけれども、「女性委員が含まれることが望ましい」。これはこの間はなかったんで すが、どういう経緯で入ったんでしょうか。  それからもう一つ、今は倫理審査委員会の現状などを見ますと、ほとんど女性委員が 入っていないところはないように思いますので、むしろ半数とか複数とか、そんなこと で入れていただかないと余り意味はないのではないか。  もう一点は18ページの「未成年者」の定義でございますが、婚姻をしていないという 限定を入れた理由は何なんでしょうか。普通、法律で婚姻していると成年になるわけで すけれども、これは結婚するといろいろ社会生活上問題ができるからということなんで す。でも、こういう遺伝子解析などについてあえて婚姻をしていないという限定を入れ る必要はないのではないかと思いますが、その点はいかがでしょうか。 ○垣添病院長  前者でありますが、倫理審査委員会の構成に関してミレニアム指針は非常に厳しい規 定を作って、それで実際に例えば地方の機関などではこの規定に沿うような形の倫理審 査委員会を構成することは難しいというような意見もいろいろありました。それで、こ この中では外部委員を半数以上置くことが望ましいという表現になっております。その 分、検討会の中の議論として女性委員が含まれることが望ましいという意見も出てまい りまして、それを盛り込んだというのが事実であります。  それから19ページの未成年者の婚姻をしていないという部分は、事務局でお願いしま す。 ○事務局  それでは、事務局で補足させていただきたいと思います。  この未成年者の定義につきましては、まず未成年者についてはっきり定義を置くべき であるという御意見を踏まえて定義として新しく起こしました。その際、未成年者とい いますと当然満20歳未満ということになるわけでありますが、民法上、婚姻をされてい る場合には男18、女16でございましょうか、その場合には一人前の社会的な存在として 市民法的な主体となり得るというようなことになっております。その結果、いわゆる代 諾の部分で親権とか、代理とか、そういう部分がちょっと違う扱いになってくるという こともございまして、この辺はどういたしましょうかということを議論させていただい て、やはり社会生活上、一人前になるということはその代諾等の点も含めて婚姻をして いる場合には一人前として扱ったらいいのではないだろうかと、そのような配慮でこう なったということだろうと思います。  それから、女性委員につきましては検討委員会の御意見もありまして、またその下の 作業委員会のところでたしか外国の規制等の中で女性委員が含まれているというような 規定もあって、その辺を取り入れたらどうかという御意見があったように記憶しており ます。 ○寺田委員  同じ国立がんセンターにいますが、皆さんの御理解と共有するために質問いたします と、16ページの体細胞受精、それから生殖細胞に関するところで、いわゆるがんの場合 などは病変部を取っていろいろなところを調べるわけですが、必ず正常と比べないとい けないわけです。これはこのガイドラインの対象になるのかならないのか。それから、 がん細胞と言っても正常細胞は必ず入ってきますが、それは結局このガイドラインの対 象になるのかならないのか。そこのところはどういう解釈になっているのか、垣添委員 長あるいは作業委員会の委員長であられた山口先生、どちらでも結構ですからお願いし ます。 ○垣添病院長  それでは私の方からお答えして、それから山口に補足してもらいます。  今、寺田委員が御指摘のがんの部分の遺伝子異常を解析し、それの対照として正常部 分が混じってくる、あるいは対象として例えば白血球などを取ってそれの遺伝子解析を 行って、それをがんの部分と対比するというような研究はこの指針の対象外というふう に整理しております。それで、その正常部分の遺伝子解析をずっと突き詰めていって、 いわゆるその遺伝子解析が主体になるような話になったら当然これはガイドラインの対 象というふうに整理しております。 ○高久部会長  どうもありがとうございました。まだ御意見、御質問いろいろあると思いますが、御 案内のようにこの倫理指針は4省庁で同一のものをつくるということになっていまし て、科学技術庁でも、それから文部省でも議論が今、行われている最中です。最終的に 共通のものを策定して国民の皆さんに御理解をいただくということになると思いますの で、その点を御了承いただきたいと思います。今日御議論いただいたわけですが、この 案についてはほかの省庁での議論を踏まえて、私が垣添先生と御相談して最終的にまと めさせていただきたいと思いますので、よろしく御了承のほどをお願いしたいと思いま す。  それでは垣添先生、今日は時間を超過して御出席いただきありがとうございました。 山口先生もどうもありがとうございました。次に報告事項の1です。これも前回に引き 続いてですが、生殖補助医療技術に関する専門委員会における検討状況ということで事 務局の方から説明をよろしくお願いします。 ○児童家庭局母子保健課  藤崎課長 それでは、前回に引き続きまして生殖補助医療技術に関する専門委員会の 検討状況について御審議をお願いいたしたいと思います。前回、若干時間に制約がござ いましたので、先生方十分に御質問あるいはコメントをいただけなかったかと思います ので、前回お示しした報告書案と同様のものが今日も資料として配付してございます が、それに基づき御質問、コメントいただければと思いますが、若干前回に比べて資料 の追加もございますので、その点も合わせて最初に御説明させていただきます。  まず資料ですけれども、資料2というのが前回お配りした報告書案と同一のものでご ざいます。これは、前回はこの会議の場でお示ししましたので十分にお読みいただけな かったかと思いますが、今回若干時間がございましたのでそれをご覧いただいた上での またお話がいただければと思います。  それから資料2−1といたしまして、前回の御報告の際にこの報告書案が前回の部会 の前に初めて専門委員会に案として全体の報告書案として示されたということを御説明 申し上げました。その中で審議された部分につきまして幾つかの修正点等が出されてお りまして、その事項につきまして前回はほんの概略だけを御説明したわけですけれど も、次回の専門委員会に向けてはその修正事項を踏まえた案が示されて御議論をいただ くということになっております。この資料2−1でお示ししたのは今申し上げた前回の 専門委員会で最初に示されたこの試案についていろいろな修正点等の意見が出されたも のの一覧だということでございます。これは一応事前にお送りさせていただいているか と思いますけれども、この部分とこの報告書案を若干見比べていただきますと、この案 に対してどのような意見が現在出されていて、それを下に事務局が修正作業を行ってい て、そしてそれを基に次回、今月の28日でございますが、検討会、専門委員会が再度開 かれて審議が継続されると、こういう形になっていくということがおわかりいただける かと考えております。  合わせて若干修正部分の補足でございます。この間いろいろとマスコミ等でもこの報 告書案に基づきましておおむね方向性が出たということで、いろいろと新聞の論説等々 もございますけれども、委員会といたしましては一応あの時点でのいろいろな御意見の 集約ということで私からも記者レクなどをさせていただいておりますけれども、まだこ れからこういう修正案も含めて再度議論を行いながら最終報告に向けてお考えいただく ということになっております。特に留意事項といたしまして、この中で示されておりま すような、個別の生殖補助医療技術の是非につきましてはいろいろな条件整備の問題で ありますとか、あるいは提供者の条件でありますとか、さまざまな前提となる条件が整 備された上でこういう技術が認められるという流れの中での議論されておりまして、そ の点が明確になるような報告書の記載の仕方などということがやはり求められてくるか と考えております。また大変デリケートな近親者から、兄弟姉妹等からの配偶子の提供 等という問題につきましてもまだ御議論があろうかと思いますし、更には出自を知る権 利などにつきましてもまだ少数意見として留保されたいという御意見もありましたので こういうことも含めて次回以降、3回の専門委員会の審議が確保してございますが、そ の中でいろいろと御議論が出ていくのかなというふうに考えております。  それから、そのほかに参考資料といたしまして1から4までは前回お示しした参考資 料と同様のものでございます。これまでの専門委員会の審議の経過でありますとか、名 簿でありますとか、あるいは不妊治療の種類、各国の制度の比較などがございます。本 日は新たに参考資料の5といたしまして、前回木村委員から御紹介のございましたパブ リックコメント等を含めた意見の聴取をどのようにしているのかということにつきまし て参考資料としてお示しさせていただいております。これは開いていただきますとわか りますように御意見募集のフォーマットということで、これは厚生省のホームページに 掲載されておりまして、この辺の生殖医療に関わるいろいろな事項の紹介と合わせて御 質問をいただくようなフォーマットを提示してございまして、それにのっとってイン ターネットでこちらにいただいた御意見というものを集約してございます。これにつき ましては毎回その資料といいましょうか、御意見がいただけた次の専門委員会に参考資 料として配付をさせていただいておりますので、専門委員の先生方は基本的にすべてこ れには目を通していただいているということでございます。  また、合わせてインターネット以外でこちらに寄せられましたいわゆる文書での御意 見でありますとか、あるいは団体からの御意見などもこの中に入っております。一応そ ういうものをすべて含めまして、この間53例のこういう御意見があったということでご ざいますが、内容につきましていわゆる賛成、反対とかという形でなかなか集計するの が難しい中身でございますので、これはあくまでもこのような形の意見が寄せられたと いうことを各専門委員の先生方に御承知いただきながら、こういうものを参考にしてい ただいてそれぞれの御見解をおまとめいただくというふうな形で利用させていただいて おります。  以上、資料と合わせまして私の方からの説明は終わらせていただきます。よろしくお 願いいたします。 ○高久部会長  どうもありがとうございました。この件については前回もいろいろ御議論願ったわけ ですが、今の事務局の方からの説明に、何か御質問、御意見おありでしょうか。 ○柴田委員  前回は時間がなかったので、その間に先日いただいたものをじっくり読ませていただ きました。それで、とにかく大変難しいテーマを非常に緻密な議論を展開されてここま でまとめられた専門委員会の皆さんにまず心から敬意を表したいと思います。それで、 全体の方向性なり何なりは私はこれで結構だというふうに思いました。そういう意見の 上に立って2、3疑問と、同時に意見を少し申し述べたいんです。  ページ数で言いますと、最初は8ページの3ですね。「提供卵子による体外受精」と いうところの2項目目を読むと、「卵子の提供に併せて精子の提供を受け、新たに胚を つくることはできない」ということなので……。 ○藤崎課長  そこにつきましては削除ということになっております。 ○柴田委員  2は削除ですか。わかりました。この2と、その次の元の余剰胚を移植というところ は矛盾するわけですよね。その矛盾を実は質問しようと思ったんですが、逆に3の2項 目目が削除されて4の方に合わされたんだとすれば、私はそれはちょっと逆じゃないか なと、改めて意見としてはそちらの方の意見を申し上げたいと思います。  つまり、こういうことなわけですよね。精子も卵子も第三者という形での生殖医療で すか、補助医療というのは認めないでいいんじゃないかという考え方は私はよくわかる んです。全体を貫くトーンは基本の6項目で挙げられていますけれども、一言で言えば 治療の範囲に限るということだと思うんです。要は不妊治療に限るという範囲から言う と、卵子も精子も第三者から提供を受けなければいけないというような夫婦に胚の移植 を認める必要はないんじゃないかという、元にあった削除された方の意見に私はむしろ 賛成で、この余剰胚ならばいいというふうに考えない方がいいのではないか。  その理由を挙げれば、1つには余剰胚という他の人の体外受精をするためにつくった 胚の余ったものを利用して人をつくろうという考え方自身が賛成できませんし、そうい う考え方自身がせっかく厳しいトーンで治療の範囲に限るとした前提がそこのところか ら崩れてくる気がするんです。だから、余剰胚というような考え方を導入しないで、む しろ胚の移植は認めないという形の方がいいと私は思います。それに、将来例えば冷凍 受精卵の問題とか、そういう問題か起こってきますよね。そういう冷凍受精卵の問題の もっと先を見ればクローン人間の問題まで含めて胚の移植を認めるという問題はものす ごく広がってくるので、そこのところをむしろきっぱり切られたらいかがかという提言 を意見として申し上げたい。これが第1点です。  それから、いろいろあるんですけれども3点だけ特に申し上げたいのは、この規制案 では法律によって規制する部分は3つだというふうに出ていますね。24ページで、罰則 を伴う法律による規制は営利目的云々の3つですね。そうなると、これはもっと後に出 てくるこの生殖医療を実施できる人は公的機関から認められた人だけという部分があり ますが、この認められていない人が行った場合については罰則を用いないということで すね。例えば認められてない人が勝手にやったときには、例えば医道審にかけて医師免 許を取り上げるというぐらいの強い姿勢で臨むならば結構なんですけれども、そうでな いとすればやはり医師についても全体の方向性を担保する方法としては、何らかの罰則 規定をつくってもいいのではないかと思う点がこの中の1つです。  この事件はもともと日本産科婦人科学会の会則が守られない形で始まったわけです ね。それで、患者が望むんだから患者が望んだことを医師が手助けするのは当然だとい う一方の考え方に基づいてこの医療が突っ走られたら大変なわけです。そういう論理を 許さないためにも、そこのところは相当厳密にやった方がいいのではないか。勝手に行 うということはできないような形というか、これ全体は医者は信用できるという形でで きていると思うんですけど、そこのところはそうじゃなくていいんじゃないかというの が私の意見です。  それに書面による同意、15ページから16ページですけれども、これがいずれも同意は 書面によって得ておいて、妊娠したら公的機関に届けなさいという順序になっているん ですね。なぜ書面による同意を生殖医療にかかる前に提出させるということにしないの か。といいますのは、これも医師が同意書を手元に置いておいて実際に妊娠に成功して から出せばいいじゃないかというのは論理としてはそれでわかるんですけれども、妊娠 するかどうかわからないんだからその前に一々書面を取ってなどという面倒臭いことを しないで、妊娠したらあとで書類を整えてというような形が起こってくるおそれがある と思うんです。そういうことが起こったとき、人間に対する技術は後戻りができないん だと思うんです。妊娠したということがあって、その前に実は同意していなかったとか のトラブルが起こっても、それではその妊娠はなかったことにするということはできな いわけですし、またすべきでもない。提供者も実際に受ける人も書面による同意は、生 殖医療をこれから開始するところでその公的機関に提出することというふうにすべきだ と思います。これもやはり医師に対する信頼感の無さと対になっている意見なんですけ れども、以上の3点が私の読んだ結果の意見です。  その他、例えば保存期間が80年というのは幾ら何でも長過ぎないか。80年の保存とい うのはいいのかなというようなこともありますけれども、それは細かなことで、さっき の3点については基本的なことだと思いますので、もしお答えいただけるならば、ある いは今後の検討にということだけでも結構ですけれども。発言が長くなってすみませ ん。 ○高久部会長  最初のところはかなり重要で原案ではいいということになっていましたね。他人同士 の受精卵を。それに対して御疑問を呈されたわけですが、その点はどうですか。 ○藤崎課長  私、事務局ということですので、この報告書案は委員会の中での御議論を踏まえて一 応コンセンサスに近いのではないかなというものを可能な限り案としてお示しをしたと いうことでありまして、これは専門委員会の先生方の今後の御議論の中で最終報告に向 けてまだまだ御審議をいただきながら一本化できるのか、あるいは分かれていくのか。 これはまだ私どもがどうこう申し上げることではないかと思います。  それで、胚の問題につきましては当然にいろいろと御議論があるわけでありますし、 やはりいろいろな御議論があった中でこの報告書案の中に理由として幾つかのことが書 いてございます。例えば9ページにございますけれども、(4)の従来で言えば余剰胚の移 植、現在は提供胚の移植ということになっておりますが、それについてこのように四角 の後に幾つかの丸を付した説明文がございますが、こういった議論を経ながらこの専門 委員会として一応このようなことでどうなのだろうかというような大筋の考え方の方向 性が現段階ではある程度示されてきているということに尽きるのかなと思いますので、 今、先生がおっしゃられたことはまた専門委員会に御報告させていただきたいと思いま す。 ○柴田委員  1点だけ、では3の2項目目の丸を削除した理由は何なんですか。そこのところをお 聞きしたいと思います。 ○藤崎課長  これにつきましては、やはり修正の資料2−1をご覧いただけるとよろしいかと思う のですが、この資料2−1の修正の中の1と最初の1の(1)というところがございま すが、この中の3つ目の丸を新たに付け加えてございまして、「自己の精子・卵子を得 ることができる場合には、それぞれ精子・卵子の提供を受けることはできない」という 形で、つまり自己の片方の配偶子が夫婦間で得られる場合には、得られる方のものをま た新たに得るということは基本的に認められないということで、ここで包括的に記述が なされておりまして、個々のところにこういう形で記述をするよりもこの方が適当なの ではないかということでございました。 ○柴田委員  それでわかりました。そうすると、結局削除ではなくて別のところへ項目が移ったわ けですね。そうすると、さっきの余剰胚の移植を認めるということと矛盾してきます ね。それはどういうふうに考えるんですか。 ○藤崎課長  このことは特に矛盾といいますか、余剰胚そのものの適用につきまして今までの議論 を整理いたしますと、まず一義的には卵子・精子ともに得られない場合に胚を提供して いただくということから、従来は余剰胚に限るという考え方で議論がなされてきたわけ です。  一方、卵子のみの提供が必要であるが卵子を得られないケースがあろうかと思いま す。卵子のみが必要なケースの配偶子の提供につきまして、これを提供卵子だけに限っ た場合、提供者が非常に限定されるという可能性が考えられるわけであり、そういう場 合にそのほかの方法で提供卵子が得られない場合にも余剰胚の提供を拡大してもいいの ではないかという議論がなされてまいったわけであります。それは、1つには卵子提供 のような身体の侵襲を伴うということではないというようなことから、つまり余剰と言 うと言葉が変ですけれども、ある程度御自身は子どもさんを持たれて凍結して残してあ る受精卵を提供してもいいとおっしゃるケースを精子・卵子両方得られない夫婦のみに 限定するのではなくて、そういう場合にはそちらの方にも拡大していいのではないかと いう議論があったわけであります。  それに加えまして更に前回の専門委員会の議論の中では、そのような形で胚の提供を 認めるということになったときに、精子・卵子のそれぞれボランタリーな提供者がいる ケースにその両方を受精をさせて胚として提供することがなぜいけないのだろうかとい う議論もなされまして、それについてはその両方の提供を受けなければ出産できない、 妊娠できない、そういう夫婦に限って認めていいのではないかという形でここの部分の 議論が展開されてまいりました。前回の段階では一応そういうような形でここの(4)の 「余剰胚の移植」のところを「提供胚の移植」といたしまして今、申し上げた3つの区 分について認めていこう御議論になりましたが、また今後の御議論でどのようになって いくかという部分かなと思います。 ○柴田委員  今の説明だとそれは明らかに、新しく挿入する(1)の3に抵触しますよね。卵子か 精子かどちらかが得られる場合にはここでだめだと言っておきながら後で余剰胚ならば いいよという論理でしょう。これは明らかにおかしいですね。余剰胚はいいよというと 実施はしやすくなることはわかりますけれども、それは果たして治療の範囲というもの に入るのかどうかという根本的な疑問にぶつかります。今3の方を切られたのかと思っ たらそうじゃなくてそちらがここで生きているならば、私はこの3の新しく入れられた 方を生かして余剰胚の移植、つまり胚の移植は認めないというところまでいってほしい ですね。それは代理懐胎を認めないというところにもそのままつながっていくわけで す。だから、私はそのぐらい厳しくていいという意見ですし、矛盾点を緩める方向じゃ なくて本当に不妊で困っている人の治療の範囲に限るんだという線は守っていただきた いとあえて意見を添えて申し上げました。  それで、あとの2点はどうでしょうか。 ○加藤委員  ちょっと確認したいんですが、今の柴田さんの意見で胚の提供がよくないというの は、両親の遺伝的な形質を全く引き継がない形で子どもをつくるのがよくないという趣 旨ですか。 ○柴田委員  そうではなくて、この生殖医療というのは不妊の治療に限るべきだと私は考えている んです。それがこの6項目にもうたわれているのではないかと思うんですけれども、夫 婦で精子か卵子がないから提供を受けようという場合は不妊夫婦の悩みだと思うんで す。  ところが、卵子にも精子にも問題があるという夫婦に全然別の人達の胚を移植して子 どもを持つという、それだったら言葉は悪いですけれども養子をもらってもいいでしょ うし、遺伝的には全くその夫婦とは関係のない子どもを胎内育てたい、育ての親になり たいという欲ですよね。そこまでは認めなくてもいいのではないかというのが私の意見 です。 ○加藤委員  そうすると、やはり両親の遺伝的な形質を引き継いでいない子どもの場合には不妊治 療の範囲外であって、そして養子をもらえばいいというお考えなんでしょうか。 ○高久部会長  柴田委員のお考えは基本的にはそこですね。これはいろいろ意見が出てくるかなり難 しい問題で、議論しても価値観というか、自分のおなかに10か月入れて育てたいという 考えをどうとるかという問題になる。それから日本で養子制度が外国ほど普及していな いということとか、かなり難しい問題がありますが、これは専門委員会でも永遠の議論 になるかもしれません。しかし何らかの結論を出さないと進められないですね。 ○柴田委員  議論し出すときりがないですから議論はいいんですけれども、少なくとも報告書の中 で矛盾してしまうことは避けるべきだと思います。将来の技術を見込んでいけば冷凍受 精卵の問題も出てきますし、それから代理懐胎がいけないという、せっかくそこのとこ ろを非常に強く打ち出しているわけです。いいという論理だったら、では別の人のおな かで育ててもらった自分の遺伝形質を持った子どもを持つことはもっといいではないか という論理に必ずなり代理懐胎の禁止が崩れてしまいます。だから、その点だけ意見を 申し上げます。 ○高久部会長  それでは、この次の議論がまだありますので、これでこの議論は最後にしていただき ます。 ○木村委員  藤崎課長の方からインターネットなどで寄せられたパブリック・コメントをこのよう にまとめていただきまして今日提出されてまいりまして大変にこれはよかったと思うん です。  そこで、私がお伺いしたいのはインターネット等ですのでファックス、書面その他を 含むということでしたけれども、この98年9月23日から2000年の10月23日までのほぼ2 年間にわたるコメントの中で、専門委員会が非常に真剣にこれは注目すべき論議である というふうにして何か特に注目した議論があったのかどうか。それに関連して、私ども の先端技術評価部会ではパブリック・ヒアリングといいますか、関連する団体の方、生 殖医療補助医療技術に関連して例えば障害者の団体の方とかいろいろな関係の方々をお 呼びしてヒアリングをやったことがございましたけれども、専門委員会ではそういうよ うなヒアリングは一切なかったのか、あるいはあったのか。その場合に、御意見をいわ ば述べられた方々に実際に来ていただいて御意見をお伺いするというようなことがあっ たのかどうか。その点について、これは大変に国民の重要な関心事でございまして、そ ういう観点からやはり今、提出されましたような意見を厚生省の方でまとめて、それが どういうふうに反映されるかというふうなこともそれなりに大変注目していると思うん です。先ほどのお話では、それぞれこれは資料として配付されているので個々の委員の 各氏がお読みいただいているということですが、厚生省側でそれについて、例えば全体 的な傾向であるのかということもやはり私どもとしては資料として、例えば男性が何人 いて女性が何人いてどういう職業の人が、基本的にはどういうような意見がこの2年の 間にあったかというようなことを本来的には資料として付けていただけると大変にあり がたいというふうに思いました。この3点につきまして御質問申し上げたいと思いま す。 ○藤崎課長  まず、この意見につきましては資料として配付させていただいておりまして、私は1 年ちょっとのこの間の任期でございましたが、特にこれを元に議論されたということは なかったかと思います。もし私の記憶が間違っていればまた加藤先生に御訂正いただけ ればと思いますが、そのような扱いで基本的にはございました。  そして、この集約につきましてはそれぞれのコメントがいろいろあるんだろうと思う んですけれども、いわゆる代表性の問題とか、そういう面に関しましては、アンケート 調査を別にしてございまして、前回の経過報告のところで御説明致しました国民世論の 調査というのがしてございまして、それらについてはいわゆる代表性を持った形でどの ような御意見かというのはいただいております。こちらの方につきましてはいろいろな 考え方がおありになる中で、そのような提示されたものを委員の先生にお示しをして、 そのような御意見も踏まえながら専門委員会としての御意見を集約していただくのが 我々事務局の使命かなと思っておりましたのでそのようにいたしました。  ただし、こちらの部会の方でせっかくこれだけあるんだから男女別とか、おおむね賛 成か反対かとか、何か大枠だけでも意見として出されたものについてある程度整理をし ろという御指示であれば、これはまた私どもの方で作業をいたしまして、この評価部会 の方にお示しすることはできるだろうと思います。  それから、実際に障害者の方たちをお呼びして意見を聞いたかということでございま すが、やはり前回の経過報告で申し上げましたように、参考資料の1でございますけれ ども、ヒアリングをいろいろとさせていただきました。参考資料の1に記載がございま すけれども、宗教関係者、患者等、法律関係者、医療関係者、あるいは日弁連、イギリ スの局長さん、こういう方々においでいただいておりましたが、具体的に障害者の方を 今回のヒアリングでお呼びしたということはございません。そして、こちらの評価部会 の方で既に御議論いただきました1年余りの御議論の経過と、そこでいろいろいただい た資料等々につきましては資料として委員の先生方にお配りをいたしております。当部 会の中でいろいろそういうヒアリングがされた、あるいは議論がされたということにつ いてのある程度の状況は御理解いただいていたのではないかと感じております。 ○高久部会長  興味があるというか、詳細にご覧になりたい方はご覧になればいいので、男性はどれ ぐらい、女性がどれぐらいでというのを聞いても私は余り意味がないと思います。加藤 委員、どうぞ。 ○加藤委員  特にこの専門委員会で、この親委員会でやった後の詰めを引き受けたという形になる ので、いろいろな意見を出された中でどうしてもこの人の意見は聞いてみたいという人 はこの委員から指名して来ていただくことができたんですね。それで、一応いろいろな 意見がある中でこことここのポイントだけは押さえるという押さえ方はできたと思って おります。 ○木村委員  それは大変よかったと思っています。私はせっかくの開かれた厚生省のこういう専門 委員会なり、部会なりがせっかくインプットがありながらそれをただ聞いていくだけで はなくて、それを指名しておいでいただいて意見を述べる機会があったということは大 変にいいことだと思うんです。それで、これは今、部会長の高久先生からお話がありま したように、あるいはそういうことにつき、この委員会で必要ないということになるの かもしれませんけれども、私としては国民への責任という観点からこれだけの人数が一 応インターネットを通して、あるいはその他の文章でこういうところにこういうふうに レスポンスしてきたというような事実上の資料を事務局としてはやはり把握しておく必 要があるのではないかという意味で申し上げましたので、本当はホームページでこれだ けの人が来て、そしてこうなって性別はこうで、内容的にはこうだということが国民へ のレスポンスとしてあるのが望ましいと私は考えておりますので、一言申し上げた次第 です。 ○柴田委員  2点お答えだけいただけますか。医師への罰則と書面の出し方、出す時期の問題で す。 ○藤崎課長  まず医師への罰則の問題ですが、基本的に罰則規定を含めこれからの立法化する過程 で検討していくことがいろいろとありますので、現時点で私どもが詳細にわたってどう こう申し上げる話ではないのですが、罰則につきましては、これは私の私見ですが、実 施した場合には指定施設であってもなくても基本的には罰せられることになるのではな いかと理解をしております。  それから、指定施設以外の施設がここで言う罰則を伴わない形での第三者の配偶者を 用いた診療行為を行った場合についてどのように扱うかにつきましては、やはり何らか の制裁措置の担保といいましょうか、つまり指定制度をとるわけですので、その指定を 受けていない医療施設で行った場合、それを抑制するような何らかの措置は必要なのだ ろうと思いますし、具体的にどういうふうな形になるかは今、申し上げられませんが、 そのことは考慮されていくのだろうと私は考えております。 ○柴田委員  それは提出だけでいいと思います。同意書ですから、同意したということだけで。た だ、同意書を後で形だけ整えるようにつくらせるということはまずいと思うんです。だ から、先に同意書というのは出してからやりなさいということだと思います。それだけ です。 ○藤崎課長  その点については、委員会の方に報告させていただきたいと思います。実務的な問題 はどうかとか、そういうお話もあるのかなと思いますが、この点は先生の御指摘という ことで御報告させていただきます。 ○高久部会長  パーセンテージの問題もあると思うのです。書類が山ほどあって結局行われなかった という問題もある可能性があると思います。  あとは、柴田委員がさっきおっしゃった80年というのは理論的にはわかるけれども余 りに非現実的。恐らく多くの医療機関が80年たったときにはつぶれている可能性がある という厳しい時代ですから。今のは冗談ですが。  それでは報告事項の2の疫学的手法を用いた研究等云々で事務局から説明をよろしく お願いします。 ○事務局  それでは、資料3をご覧いただきたいと存じます。疫学的手法を用いた研究等におき ます倫理の在り方につきまして、この部会から専門委員会に検討するようにということ で専門委員会で御議論をしていただいているところでございます。専門委員会は、専門 委員会におきます作業を円滑化するために専門委員の一人である丸山先生を中心とする 研究班をつくりまして、その丸山先生を中心とする研究班から出されましたのが本日資 料3でお配りしております「疫学の研究等に関する倫理指針(仮称・案)たたき台(未 定稿)」というものでございまして、これに基づきまして11月20日に専門委員会で議論 を賜ったところでございます。  今後、来月の初めに専門委員会でまた再度ディスカッションをするということになっ ておりますので、専門委員会での議論がまとまった段階でこの部会においてまた議論を 願い、この部会におきます議論を踏まえた形でパブリック・コメント等の手続に入って いきたいと考えておりますけれども、まだまだ議論が専門委員会の方でも煮詰まってお りませんので、現在こういう動きをしておるということの御報告に今日はさせていただ きたいと存じます。よろしくお願いいたしたます。 ○高久部会長  今、事務局から報告がありましたように、現在専門委員会で非常に議論をしていまし て、このたたき台もかなり変わる可能性があると思います。これをご覧になりましても し御意見がありましたら、事務局の方に御意見を言っていただければと思います。今日 は時間の関係もありまして議論は差し控えたいと思いますので、よろしくお願いしま す。  では、次に報告事項として岡山大学医学附属病院における遺伝子治療臨床研究の報告 について、これも事務局の方からよろしくお願いします。 ○事務局  資料の4をご覧いただきたいと存じます。岡山大学医学部附属病院の遺伝子治療に関 係します報告がなされておりますので、これを御報告させていただきたいと思います。  研究の内容は、p53 遺伝子をアデノウイルスベクターを使って腫瘍局所に投与すると いうものでございますが、この資料4で報告されておりますのは、7月4日に腫瘍に投 与されておりまして、8月10日に退院し、地元の病院でフォローされておったのですけ れども、10月27日にお亡くなりになられたというものでございまして、この報告が来て おります。 それともう一つは、11月18日にファックスで各先生にお送りさせていただ きましたけれども、12年の4月に遺伝子治療を行った患者さんが12年の11月にお亡くな りになられたということでございまして、これについては詳しい状況を現在調査中でご ざいますので、改めて御報告をしたいというふうに考えております。以上、2点でござ います。 ○高久部会長  これについて御質問はおありでしょうか。それでは、次に進ませていただきます。  実は、本日は「異種移植における現状と課題、その将来性について 人工肝臓の現状と 問題点−特にウイルス感染を中心に−」ということで九州大学医学部第二外科の杉町教 授にわざわざおいでいただいています。杉町先生、それではよろしくお願いいたしま す。 ○杉町教授  ただいま御紹介いただきました杉町でございます。どうぞよろしくお願いいたしま す。  今日はこの人工肝臓につきまして、現在世界で人工肝臓がどの程度進んでいるか。あ るいは、この人工肝臓につきましてどの程度いろいろな問題があるか。こういうことを 少し私が知っている範囲で御説明させていただきたいと思っています。ただ、私は外科 医でありましてウイルスの専門家ではございませんので、そういう点では非常に表面的 な知識しかございませんが、私の知っている範囲で問題提起をさせていただきたいと思 っております。  人工肝はどういうことでこの開発が進んでいるかと申し上げますと、このように肝不 全になった場合の唯一の治療は肝臓移植でございます。しかし、なかなかこの肝臓移植 もドナーが足りないということで進まないのが現状でございまして、何とかこの肝臓移 植を減らすことができる。あるいは、肝臓移植までの橋渡しの治療として人工肝臓が何 か役に立たないだろうかと、こういうことでこの人工肝臓の開発が進んでおります。で すから、大きく分けますと移植までの橋渡しとしての人工肝臓、あるいはこの根本的な 治療としての人工肝臓、これはどういうことかといいますと、劇症肝炎の場合には肝臓 の中の細胞はほとんどだめになりまして、特に急性劇症肝炎の場合には50%が亡くなり ます。亜急性劇症肝炎の場合には90%の方が亡くなります。しかし、1週間か2週間し ますと肝臓の細胞というのはかなり再生いたします。ですから、何とか1、2週間の間 この人工肝臓でもたせたら、このような急性の劇症肝炎の場合でも移植をすることなし に助かるのではなかろうか。そういうことで、この人工肝臓が開発されつつあります。  この肝臓には非常に多くの機能がございます。代謝する機能、解毒する機能、あるい はいろいろな分泌をする機能、ここにこれだけ書いておりますが、これ以外に無数のと いっていいぐらいの機能がございまして、大体500 種類くらいの機能があると言われて おります。そういう意味では、腎臓の機能に比べまして非常にこの肝臓は複雑な機能を 有しております。  この肝臓の機能を補助するものといたしましては、非生物学的に例えば血液透析をす る腎臓の場合にはこの血液透析だけで腎機能のすべてを賄うことができるわけですけれ ども、これだけではとても肝臓の機能すべてを賄うことはできません。それで、生物学 的なものと非生物学的なものの中間といたしまして、現在盛んに行われております血漿 を変えてやるとか、あるいは血液を交換してやるとか、こういうものがございます。し かし、これでもすべての肝臓の機能を賄うことはできませんので、どうしても実際に生 きた肝臓の細胞を使って肝機能を補ってあげる必要がございます。ですから今、世界で 人工肝臓として実際に使われておりますのはすべてハイブリッド型と言いまして、この ような非生物学的なものと生物学的なものを一緒にしたような人工肝臓でございます。  私どもは、10年前からこの人工肝臓の開発に取り組んでおります。それで、最初にこ のポリウレタンの中に肝臓の細胞を流し込みましたところ、スフェロイドと言いまして かなり肝臓の細胞が円形の固まりをつくるということを見つけました。そして、これを 使って最初はラットとかマウス程度の小さな人工肝臓のまねごとをしておりましたが、 これがかなり面白い機能があるというところでスケールアップいたしまして、イヌとか ブタに使えるぐらいの人工肝臓を完成いたしました。それで、この人工肝臓に使ってお ります細胞がブタの肝臓の細胞でございます。したがいまして、ブタの肝臓の細胞を使 っておりますので、レトロウイルスが感染の可能性があります。ですから、これに非常 に大きな問題がございます。それで、私どもといたしましては昨年の7月にこのブタの 肝臓の細胞を使った人工肝臓を実際に臨床に使いたいということで、九州大学の中にあ ります倫理委員会に申請いたしました。もちろんこれは非常に大切ないろいろな問題が ございますので、倫理委員会ではこのウイルスの専門家もいらっしゃいませんので、倫 理委員会が更に今度は下の小委員会をつくることになりまして、倫理委員会の下に肝細 胞を実際に異種移植した場合、どのような問題があるかということを検討する小委員会 をつくりました。そして、後ほど御説明させていただきますけれども、約1年かけまし てそのガイドラインのたたき台が現在できております。それで、この間、約10年かけま して約4億円程度の研究費をいただきまして人工肝臓をつくってまいりました。  私どもとしては、これが九州大学の中の工学部と医学部の共同研究でございます。た だ、ブタの肝臓を使った人工肝臓ですので非常に大きな問題がございますので、実際に この倫理委員会の方にもブタの肝臓で云々ということを申請してはおりますけれども、 同時に私どもではブタの肝臓ではなくてヒトの肝臓を使えるような人工肝臓はできない だろうか。こういうことも今年から科学技術庁のミレニアムプロジェクトにアプライい たしまして認めていただいておりますので、3年かけてヒトの肝細胞を使うような人工 肝臓をつくりたいと、こういうことも研究を進めております。  それで、世界にこれまで臨床に使っている人工肝臓は3つでございます。1つはアメ リカのデミトリエらが使っている人工肝臓でございます。これは、このような細いホロ ファイバーの中に人間の血液を流します。血液と言っても血球成分を除いた血液を流し まして、膜の外側にこのような、これはブタですけれども、ブタの細胞をホロファイ バー外腔にばらまいて、ホロファイバー内腔に血液を通すというふうな人工肝臓でござ います。それで、輪切りにしますとこういうところに血液を流しております。これも実 際に臨床で54例使用されております。成績はまた後ほどお話しします。  次は、アメリカのサスマンらがつくった人工肝臓です。先ほどの人工肝臓はブタの肝 細胞を使っておりますけれども、これはヒトの肝臓がん細胞を使っております。それ で、これもホロファイバーの内腔にヒトの肝臓がん細胞を培養して、ホロファイバー内 腔に血液を流すというシステムです。  これはドイツのゲルラッハらがつくっている人工肝臓ですが、これもこのような細い ホロファイバーの中に血液を流すわけですけれども、このホロファイバーを縦横、網目 状といいますでしょうか、非常に複雑な構造をした中に血液を流しております。これも ブタの肝臓の細胞をホロファイバー外腔で培養するというシステムです。  これが私どもの人工肝臓ですけれども、私どものはポリウレタン発泡体の中にブタの 肝臓の細胞を流し込みます。この細胞を流してから24時間培養いたします。しかも、培 養するときにじっと動かさないのではなくて、これを回転して培養いたします。そうし ますと、ポリウレタンの中に均一に細胞の固まりであります円形のスフェロイドをつく ります。そこで、この中に血液を流すわけでございます。ですから、このようなスフェ ロイドでの培養関係、あるいはこの回路、こういうことで現在2つは特許を取っており ますし、また3つ目の特許も間もなく下りるのでなかろうか、そういう特許もつくって おります。  これをまとめてみますと、最初のこのデメトリエらの人工肝臓では、小さくて恐縮な んですけれども、機能の維持時間というのが本当に短くて、せいぜい平均十数時間しか もたない。それで、これでも臨床成績では54例やっていまして、その中で救命率が69% というふうにかなりいい成績です。ただ、これの欠点は我々と同じようにブタの肝臓の 細胞を使ったということです。  次のサスマン、これはせいぜい2日ぐらいしかもたないような人工肝臓です。それ で、これは23例に使っていまして救命率が61%です。ドイツのゲルラッハたちのは8例 しか使っておりませんけれども、これもせいぜい2日ぐらいしかもたない人工肝臓で す。私たちの人工肝臓は数週間もつような機能を持っております。ただ、残念ながらブ タの肝細胞を使いますので、そういう点で大きな問題がございます。たまたまアメリカ の学会で発表したデメトリエたちが一緒に研究をやりたい。100 万ドルの資金を提供す るから一緒にやりたいとか、そういう話もいただいておりますし、ドイツのゲルラッハ は九州大学に実際来まして一緒に共同研究をしたいとか、そういう申出が我々のところ に来ております。  これからが本論なんですけれども、このレトロウイルスの感染があると、こういうこ とが1997年に発表になりました。これはインビトロでヒトの細胞にレトロウイルスが感 染したという報告です。一方、1999年にはサイエンスに実際にブタの組織の移植を受け た160 人の患者さんでいろいろ調査した結果、全くレトロウイルスが感染したという証 拠は何もなかったという発表がございます。一方、今年ですけれども、今度はスキッド マウスに腎臓の被膜下にレトロウイルスが感染したという報告もございます。  これは、そのスキッドマウスにレトロウイルスが感染したという報告でございます。  これは、160 例にいろいろフォローアップしてみたけれども、このような感染があっ たという証拠は得られなかったという論文でございます。  これは、その利用する肝細胞の種類がヒトの場合と、特にブタですけれども、こうい うところでいろいろな問題があるということを書いております。ヒトではもちろん全く 問題がないわけなのですけれども、ヒトの肝臓の細胞というのはなかなか培養が難しゅ うございまして増殖も困難でございます。  それで、現段階での異種移植の危険性ですけれども、やはりいろいろな危険性がござ います。ここに書いていますけれども、異種移植の危険性は完全には否定できないわけ です。対策といたしまして、SPFを用いるとかという対策もございます。一方、この レトロウイルスがインビボでヒトに感染するかどうかはヒトで調査するしかなかなか実 際に研究する方法はない。実際に臨床でやってみてプロスペクティブに見るしか方法が ないか。  これは、異種移植に関しますガイドラインでございます。これは1996年にアメリカの パブリックヘルスサービスでできておりまして、これが改定されまして今年の5月に出 ております。それで、日本の移植学会でも主にこれにのっとったガイドラインが出てお りますし、九州大学ではほとんどこの内容は同じなんですけれども、こういうガイドラ インが近々できそうでございます。  これはアメリカの今年5月にできたガイドラインの内容をお示しいたしております。 非常に高いハードルがございます。  これは、九州大学のガイドライン案でございます。この資料も詳しいのを添えており ますけれども、いろいろと移植に用いる動物はどうすべきであるとか、インフォーム ド・コンセントをどうすべきであるとか、それから移植後のフォローアップはこうしな ければいけないとか、こういうことがかなり厳しく書かれております。  差し当たり私どものところといたしましては、1つにはこのレトロウイルスを通さな いような膜、これを使えないだろうかという対策を考えております。もう一つは、ブタ の肝細胞ではなくてヒトの肝臓の細胞が使えないだろうか。こういう研究をいたしてお りまして、先日の倫理委員会でヒトの肝臓の細胞をこういう研究に使っていいという許 可を得ております。  それで、このような人工肝臓ができたら21世紀にどのような貢献ができるか。医療 界、工学、経済界、こういうことを考えております。  これをまとめてみますと、確かにこのような潜在的な危険性がございます。ウイルス 感染という非常に怖い危険性がございます。一方では、確かにこのような恩恵もありま す。肝移植でなくてはできないような方が、場合によっては人工肝臓でよくなる可能性 もあります。ですから、規制と、それから恩恵、このてんびんといいますか、バランス が非常に大事ではないかと思っていますし、下の方に書いていますように一定の規制は 必要ですけれども、規制のみではなかなかこの先端医療というのは生まれない。国民の 理解と支援を得るための我々の努力も必要ではなかろうかと、このようなことを考えて おります。以上でございます。 ○高久部会長  杉町先生、どうもありがとうございました。せっかくの機会ですから、委員の皆様方 からいろいろ御質問を受けたいと思います。どうぞ。 ○軽部委員  大変面白いお話を伺いまして大変現実が近くなっているなという感じを受けたのです が、先ほどのウイルス感染関係なのですが、例えば体細胞クローンなどを使うことによ ってウイルス感染の少ないブタをこれから積極的に、もちろん飼育なども完全なクリー ンルームか何かで無菌室で培養するような形になるんですけれども、植物の世界では成 長点を取りましてウイルスフリーの細胞培養をしましてそこから分化しているんですけ れども、動物でもそういうようなことが体細胞で完全にウイルス感染していないのを見 つけるというのは非常に難しいんでしょうけれども、すごい増殖の早いような、例えば 肝臓の細胞か何を取ってみるとウイルス感染が遅れてくる可能性がありますね。そうい うところからクローンのブタをつくって、それを無菌室で培養するみたいな、飼育する ようなことというのは考えられるんでしょうか。 ○杉町教授  将来的には十分考えられると思います。ただ、できましたらブタの細胞ではなくて人 間の細胞を使うと本当にいいんですけれども、現実的には人間の肝臓の細胞というのは なかなか試験管の中で増殖しにくいんです。非常に弱いんですね。  それからもう一つ、人間の肝臓の細胞を培養したのを使ってみますと、ブタの肝臓の 細胞と人間の肝臓の細胞を試験管なりで分けていろいろ機能を見てみますと、ブタの肝 臓の細胞の方が肝機能としては人間の肝臓の細胞の3倍ぐらいよく働くんですね。です から、人間の肝臓の細胞を使いますと、大きな人工肝臓を使わなくちゃいけないが、ブ タの肝臓を使うと3分の1で済むとか、そういうことも現実的にございまして、なかな かまだ人間のところはできていないのが現状です。 ○柴田委員  ブタがやはり一番いいんですか。何かもっといい動物を探すということないんです か。 ○杉町教授  ブタが一番いいということではありません。ほかにももっといいのがあるかもしれま せんけれども、手っ取り早いといいますか、ブタの肝臓の細胞は非常に手に入りやすい というところで実験しやすいとか、あるいはSPFで無菌的にブタを飼育することがで きるとか、そういうことがありまして、もしブタの肝臓の細胞を使うことができました ら、やはり非常に普及しやすいといいますでしょうか、臨床でやりますときにはコスト のこととかいろいろなことがありますから、余りとてつもないような動物を使いまして も大変高い人工肝臓になる可能性もございますので、一応ブタで実験をやっています。 その前にはイヌとかですね。イヌは雑種ですからなかなか大変なんですけれども、マウ スとかラットとかやっていたんですけれども、ブタの肝臓の細胞はかなり増殖力が強い といいますでしょうか、元気がいいようです。 ○木村委員  大変に有益な御報告を伺いまして教えられることが多かったんですけれども、このブ タの肝細胞の場合ですね。人間にそれを使う場合には人間が元来持っていた肝臓を取っ てしまってやるんですか。人工的なものをそこに入れ替えてやるということになるんで すか。それともそれは置いておくわけですか。 ○杉町教授  いろいろな使い方ができると思います。例えば劇症肝炎の場合には本当に1週間か2 週間、何とかその人が生きていたら、自分の肝臓の細胞が再生しましてまた助かる可能 性があるわけで、1週間か2週間何とか人工肝臓でもたせておけば移植もしなくて済む という状況が臨床的にあるわけです。ですから、1週間か2週間、血液を人工肝臓の方 を通して、もちろんその人の肝臓は置いたままで肝臓の再生を待つとか、そういうこと もできますし、あるいは1週間か2週間は人工肝臓をしながら、劇症肝炎などの場合に 肝臓が再生するのを待ちながら、どうしても再生しない場合には仕方がありませんから 肝臓移植に持っていくとか、そういう橋渡し的な治療にもつながると思っています。 ○木村委員  関連の質問なんですが、1964年ぐらいから異種間移植で特にチンパンジーの心臓を使 ったり、それからまた84年にはバブンの肝臓を使ったりとか、いろいろつまり臓器その ものを、今の先生の肝細胞とかそういうのとまた違った発想で動物の臓器そのもの、ブ タでも今いろいろやっているというお話なんですが、日本の現状ではそういう動物の臓 器そのものを全部使って移植するというような方向での研究をしているようなところは 現在ありますでしょうか。例えば、九州大学などはやっているんでしょうか。 ○杉町教授  私のところはやっておりませんし、私が知っている範囲ではそういうことをやってい ることは知りません。  ただ、アメリカでガイドラインが出ていますけれども、その場合には先生がおっしゃ るようにある臓器を全部体の中に入れるというのも異種移植ですけれども、このように 細胞を培養してそこを体外還流する、それも異種移植の一つというふうに考えているも のですから、私たちが考えてやっているのはやはり異種移植に入るだろうと思ってこう いうことを話したわけです。 ○高久部会長  大阪大学でやっておられますが、それはイギリスのイムトランという会社と技術提携 ということでトランスジェニックのブタの肝臓を使うという事です。実はイムトランと いう会社が潰れたと聞いております。ヒトの肝臓を使う場合に、その肝臓の細胞はどこ から手に入れるわけですか。 ○杉町教授  それは倫理委員会でいろいろディスカッションしていただきまして、我々は肝臓がん の場合には肝臓を取るわけですけれども、ただ、その肝臓がんの場合は大体90%近くは 肝硬変なんです。ですから、周りの細胞も使いものにならないものですから、転移性の 肝がんといいまして、例えば大腸がん辺りで肝臓に転移した場合、その場合はがんを取 りまして、その周囲の肝臓に正常細胞がたくさんございますので、それを使わせていた だくということで倫理委員会の了解を得ております。 ○高久部会長  ほかにどなたか御質問はありますか。  それでは杉町先生、御多忙のところ、しかも遠方から来ていただき貴重なお話を聞か せていただきどうもありがとうございました。この問題はこの部会でも引き続きいろい ろ検討することになると思いますが、本日のお話でいろいろ私ども勉強することができ ました。どうもありがとうございました。  それでは、事務局の方から次回の開催について連絡していただけますか。 ○事務局  次回の開催について御案内する前に1点、本日議事の1番目で議論していただきまし た倫理指針の原案につきまして、若干字句の正誤がございましたので座上に配らせてい ただいたわけでございますが、その配らせていただいた正誤にも誤りがあったというこ とで、再度お配りさせていただいております。上から5行目、右隅に「11月24日現在差 替え」と、この「差替え」の3文字のあるものが最終版でございますので、よろしくお 願いを申し上げます。  次回の開催につきましては12月中旬を目途に開催をさせていただいて、生殖補助医療 を中心に御議論を願おうというふうに考えております。つきましては、机の上に配付さ せていただいております予定伺いによりまして御予定を事務局にお知らせいただきます ようお願い申し上げます。  なお、あらかじめ12月7日に予備として取っておいた部会でございますけれども、こ れについては開催を取りやめさせていただきまして今、御報告させていただきましたよ うに12月中旬を目途に開催させていただきたいと考えておりますので、年末のお忙しい 中とは存じますけれども、よろしく御協力いただきますようお願い申し上げます。あり がとうございました。 ○高久部会長  お手元に予定表がありますので、もし今お書きいただけるならば事務局の方にお渡し いただければと思います。  本日は週末のお忙しいところお集まりいただき、活発に御議論いただきましてありが とうございました。また、今年もう一回開かれるようですので、そのときにはまたよろ しくお願いしたいと思います。どうもありがとうございました。 問い合わせ先 厚生省大臣官房厚生科学課 担 当 野口(内線3804) 電 話 (代表)03-3503-1711 (直通)03-3595-2171