00/11/13 第27回厚生科学審議会先端医療技術評価部会議事録 第27回厚生科学審議会先端医療技術評価部会議事次第 ○ 日 時 平成12年11月13日(月) 14:00〜16:00 ○ 場 所 中央合同庁舎第5号館(7階)特別第1会議室 ○ 出席委員 高久部会長         (委員:五十音順:敬称略)        軽部征夫 木村利人 柴田鐵治 竹田美文  (委員:五十音順:敬称略)        雨宮浩 入村達郎 小澤えい二郎※ 金城清子 廣井正彦 松田一郎                 ※’えい’は偏が金・旁が英 ○ 議  事 <審議事項>   ヒトゲノム解析研究(遺伝子解析研究等)に関する倫理指針の策定について <報告事項>   l.生殖補助医療技術に関する専門委員会における検討状況について   2.異種移植の取扱いについて   3.名古屋大学医学部附属病院における遺伝子治療臨床研究の報告   4.その他 ○配付資料  1.「ヒトゲノム解析研究(遺伝子解析研究等)に関する倫理指針(素案)」 (平成12年10月22日開催第5回「ヒトゲノム 解析研究に関する共通指針(案) 」検討委員 会資料)  2.「ヒトゲノム解析研究に関する共通指針(案)」(事務局たたき台) (平成12年10月12日開催第4回「ヒトゲノム 解析研究に関する共通指針 (案) 」 検討委 員会資料)に対する入村達郎委員の御意見  3. 精子・卵子・胚の提供等による生殖補助医療のあり方についての報告書 (案)  4. 異種移植の臨床研究の実施に関する留意事項等について     (平成12年10月31日厚科第575 号・研第21号)  5. 名古屋大学医学部附属病院からの報告 ○参考資料    ヒト胚性幹細胞を中心としたヒト胚細胞に関する基本的考え方    (平成12年3月6日科学技術会議生命倫理委員会ヒト胚研究小委員会とりまとめ) ○「生殖補助医療技術に関する専門委員会における検討状況」に関する参考資料 参考資料1.厚生科学審議会先端医療技術評価部会生殖補助医療技術に関する専門委 員会について  参考資料2.厚生科学審議会先端医療技術評価部会生殖補助医療技術に関する専門委 員会 委員名簿  参考資料3.不妊治療の種類  参考資料4.生殖技術への対応、各国比較 ○事務局 傍聴の皆様にお知らせいたします。傍聴に当たりましては、既にお配りしております 注意事項をお守りいただきますようお願いいたします。  それでは、定刻になりましたので、ただいまから第27回厚生科学審議会先端医療技術 評価部会を始めさせていただきたいと存じます。  本日は、加藤委員、曽野委員、寺田委員から御欠席との連絡をいただいております。 委員14名のうち、出席委員数は過半数を超えておりますので、会議が成立いたしますこ とを報告いたします。 最初に、本日の会議の資料の御確認をお願いいたしたいと存じます。 (資料の説明と確認)  本日は、事務局の都合によりまして、申しわけございませんが、議事次第の報告事項 の1番「生殖医療技術に関する専門委員における検討状況について」を最初に取り上げ させていただきたいと存じます。その後、審議事項の「ヒトゲノム解析研究に関する倫 理指針の策定について」の御審議をお願いしたいと考えております。よろしくお願いい たします。  それでは、部会長よろしくお願いいたします。 ○高久部会長  議事を始めたいと思います。  ただいま事務局から説明がありましたように、報告事項の1「生殖補助医療技術に関 する専門委員会における検討状況」について報告をいただきたいと思います。  事務局の方から説明をよろしくお願いいたします。 ○藤崎課長  それでは、生殖補助医療に関する専門委員会における状況につきまして、経過報告を させていただきます。  まずお手元の資料の参考資料の綴じでございますが、1から4まで参考資料がござい ます。こちらの方にこれまでの検討会の経過がございますので、それで概略を御説明し た上で、現在提出されております報告書案について御説明をさせていただきたいと思い ます。よろしくお願いいたします。  参考資料1でございますけれども、ここにございますように、検討方針といたしまし て、専門委員会では、第三者の配偶子提供や代理母等生殖補助医療技術にかかる安全 面、倫理面、法制面における諸問題について論点を整理するということで、これは以前 にこの専門委員会ができます前に、当部会におけれまして、生殖医療技術に関する御議 論をいただいたわけでありますけれども、特に第三者の配偶子等の提供による生殖補助 医療のあり方について、より専門的な立場から検討するようにという御下命をいただき まして始められたものでございます。  次にあります「作業スケジュール」という部分がございますが、ここにありますよう に、一昨年の10月21日に第1回の専門委員会を開いており、昨日、一番下になりますけ れども、11月12日に第25回の専門委員会を開催するということで25回の専門委員会での 検討を行っております。また途中にございますように、真ん中辺より少し下に、「ワー キングに議論」ということで、括弧して4日日付がございますけれども、ワーキンググ ループを設置いたしまして、4回こちらの方で御議論をいただいて、たたき台をつくっ ていただいたというような作業過程も含まれております。この25回の専門委員会の経過 中には、国民に対する意識調査を実施いたしまして、また併せて産婦人科、小児科関係 の医療関係者に対するアンケートも実施いたしました。このような調査の実施と併せま して、この議論を進めていただき、かつ、その間に3月11日は特別講演会ということで 「ヨーロッパの生殖補助医療の現状と法制度」、あるいは10月5日から1月26日までは 有識者からのヒアリングということで、宗教関係者、患者等法律関係者、医療関係者等 からのヒアリングを行っております。また平成4月13日につきましては、有識者からの ヒアリングということで日弁連からのヒアリングも行っております。  そして6月6日以降は、ワーキンググループによって作成されましたたたき台に基づ きまして議論を重ね、その後に、イギリスのHFEAの局長さんでありますスザンヌ・ マッカシーさんにお出でいただきまして、イギリスにおける受精・胎児問題管轄局にお ける状況について御説明いただき、日本の状況についての意見交換を行ったということ もございます。そして10月17日、11月1日には、報告書案ということで、それまでの議 論を踏まえまして、中核部分につきましての試案を事務局より提示いたしまして御議論 いただきました。そして昨日、11月12日におきましては、今日お手元にお示しておりま す資料でございますが、報告書案という形で全体の最終報告書案の形で、この試案とい うことで素案を示させていただいたということでございます。  今後の日程につきまして、次回11月28日を予定しておりますが、それを加えまして、 あと3回年内に専門委員会を開催いたしまして、12月12日を現時点では最終回として取 りまとめをお願いしたいというふうに考えているところでございます。この報告書の取 りまとめを専門委員会で行いました後に、その報告書として当部会の方に提示をさせて いただきまして、御議論をお願いするという段取りを考えてございます。 それから参考資料2でございますが、委員名簿ということで、これは既に先生方御存 じかと思いますけれども、10名の専門委員の先生方をお願いいたしております。医療関 係者、看護関係者、生命倫理学の関係者また法学の関係者という構成になっておりまし て、中谷瑾子慶應義塾大学名誉教授を座長をお願いして、これまで検討を進めてきたと いうことでございます。  あと資料3、4につきまして、若干御記憶があれかと思いまして参考につけておきま したが、これは後ほどまた御参照いただければということで、不妊治療の種類と各国の 状況の比較をおつけしてございます。 それでは、時間も限られておりますので、早速、報告書案の御説明に入りたいと思い ますけれども、資料3でございます。この報告書案につきまして、昨日の専門委員会に おきまして、この形で初めて提出をさせていただいたわけでございまして、これに基づ いて議論がなされたということでございます。  この報告書の性格ですが、専門委員会の先生方には、様々な角度から、かつ御熱心に 御議論をいただいてまいりました。いろいろな点におきまして、かなり意見が分かれる ところも議論の過程であったわけでございます。そういうことを様々議事録等の精査も 含めまして、事務局の方である程度こういう形での考え方で先生方の基本的なコンセン サスといいましょうか、大筋の合意が得られるのでしょうかという形でお示しをしてい るものがこの案だというふうにお受けとめいただきたいと思います。 それでまず最初に、この構成を御説明させていただきたいと思います。目次がよろし いかと思いますので、目次をごらんいただきまして、この報告書案がどういう形になっ ているかということでごらんいただきたいと思います。 まず第一に、「はじめに」ということで、本専門委員会による検討を必要とした背 景、さらには、この検討の経緯についてということを記載してございます。そして様々 な見解があります中で、意見集約に当たっての基本的考え方として、原則といいましょ うか、そういうこととして、いわゆる前提になる部分として合意されてきた事項につい て、ここに簡略に記載してございます。 IIIが本論でございます。これにつきましては2つに分かれておりまして、1が「精 子・卵子・胚の提供等による各生殖補助医療の是非等について」ということで、この 間、巷間様々議論がなされてまいりましたけれども、いわゆる生殖補助医療で用いて、 第三者の精子・卵子・胚の提供を受けた生殖補助医療、それらが認められるのか認めら れないのかということ、いろいろな条件があるわけですが、そのことの是非等について というとをこの1で論じてございます。  そして右のページになりますが、2といたしまして、「規制方法及び条件整備につい て」ということになっておりまして、この生殖補助医療技術を認める認めないというこ との部分の前提と申し上げましょうか、そういうこととして、どのようなあり方に関す る規制が行われる必要があるのか、あるいは、そのための条件整備がなされなければい けないのかというような構成になっております。  そして次のページに、大きいIV「終わりに」ということで、今後早急にこの体制整備 が行われるべきであるということ、併せて、それまでは各生殖補助医療技術が実施され るべきではない、それまでは行われるべきではないということを含めた幾つかの附帯的 事項が終わりに掲げてございます。  そして別添といたしまして、この検討委員会の中の比較的初期に多胎・減数手術につ いての議論がされておりまして、それについては昨年7月の時点で概ねの合意が出てお りますので、これについても、最後もう少し議論していただいた上で別添としてつけら れればとということになっております。  恐縮ですが、もう一度目次に戻っていただきまして、IIIの「本論」、あるいは規制方 法、条件整備についてがどのような構成になっているかもうちょっと目次に沿って御説 明したいわけですが、この是非等についてというIIIの「本論」の1についてですが、ま ず最初に、「精子・卵子・胚の提供等による生殖補助医療を受ける者の条件について」 と。どういう方にこれが適用されることになっていくのかということについて。  次に、それぞれの技術を用いて、第三者の配偶子等を用いた適用の状況がここに掲げ ましたような5つのパターンに分けまして、AID、いわゆる提供精子による人工受 精、それから提供精子による体外受精、提供卵子による体外受精、これは「余剰卵」と なっております。ちょっと間違えております。「余剰胚」でミスプリントで申しわけあ りません。余剰卵の移植、そして(5)として代理懐胎(代理母・借り腹を含む)と、こ ういうことになるわけです。これらについてどうなるのかということを論じていただい ております。  そして(3) としまして、精子・卵子・胚の提供者の条件等ということで、提供者にか かわる様々な条件等について以下について、(1)から(10)までこういうふうな形であるべ きであるというようなことが論じられておりまして、具体的には提供者の条件から対価 の問題、匿名性の保持の問題、兄弟姉妹等からの提供の問題、書面による同意並びに十 分な説明といった部分であります。  さらにはカウンセリング機会の保障、提供された情報の保存、それから同一の者から 提供された精子・卵子・胚の使用数の制限の問題、子宮に移植する胚の数の制限と、こ ういうことが具体的に提供者の条件として論じられています。  2の「規制方法及び条件整備について」の構成でありますけれども、最初に規制方法 ということで、これはいわゆる法的に罰則なども伴う規制として、重いものとしてどう いうものを考えるか、あるいはその前提として、こういう規制というものをどういうふ うに考えたらいいのかということについて議論がされております。いわゆる、そういう 規制の部分と併せて、(2) で条件整備ということで、こういう第三者の配偶子等を用い ました生殖補助医療技術が適用された場合に、社会的な整備と申しましょうか、条件的 な整備といいましょうか、あるいは行政的な条件整備と申しましょうか、こういうもの が必要だという観点から、以下のものがここで論じられております。  まず第一に、親子関係の確定の問題ということで、従来の民法で想定していなかった ような親子関係というものが生まれてまいるわけです。そのときに、子どもの福祉の観 点から、身分関係が非常に不明確では、その安定が望めないということを含めまして、 これをどう確定していくのか。あと出自を知る権利ということで、自分自身がどういう 親からの遺伝子を受け継いでいるか等々、どのようなことを知りたいかということであ りますけれども、そういう出自を知る権利に関してはどうなのだろうか。さらに3番目 といたしましては、第三者の精子・卵子・胚を用いた生殖補助医療を行う者の指定とい うことで、これまでの議論では、ある程度指定を行うべきではないか、実施できる期間 を限定すべきではないかという中で、その指定のあり方についての部分であります。そ れから(4)は、これを法的整備を含めて実施された場合に、この実施にかかわる体制をど う整備していくのかということで、具体的には、こういう問題に対するガイドラインの ようなもの、あるいは新しい問題に対応して審議ができるような、公的な審議機関のよ うなものと、それから生殖補助医療が実施されるに当たりまして、全体として管理運営 していくような公的な機関と申しましょうか、そういうものを何らかの形でつくってい くべきではないか、こういうようなものが書かれてございます。  これが全体の構成になっております。時間の関係で、今日はこの細部については言及 できませんが、次回24日にまた少しお時間をいただけるようですので、至らない部分は また若干補足をさせていただきたいと思います。 それで、昨日の議論の状況だけ簡単に御報告を申し上げたいと思うわけですけれど も、今のような構成で、これまでに議論していただいたことを踏まえて作成いたしまし た、この報告書案になるわけでございますが、昨日は目次のIIIの「本論」の部分の1 を概ね御議論いただいたということであります。そして2の「規制方法及び条件整備に ついて」の(1) 規制方法のところまで議論をいただいたということであります。特に1 の方につきましては、この最終報告書の形になる前に、既に試案といたしまして、中心 部分の各生殖補助医療の是非、あるいは受けるものの条件、あるいは提供者の条件等に ついて既にそれまでにある程度の御議論がなされていたわけでありますが、そういうこ とも含めまして、この最終報告書の形で1の部分について集中的に議論いただいたわけ であります。  その中で幾つか修正がございましたり、内容の変更ということがございました。そう いう意味では、この報告書案ではなく、またこれが修正された形で次回の専門委員会の 方には提示されることになりますが、概ねこういった方向での試案が委員の先生の現時 点での御議論としては大勢を占めたかなというふうに私ども感じておりまして、特に1 の(2) の各生殖補助医療の是非につきましては一番焦点となる部分でございますけれど も、(2) の(4)の余剰胚の移植のところを、余剰胚に限らないということで提供胚という 修正の部分が入っておりますけれども、基本的にこれらの技術を認めていくということ については概ねの合意が得られたのかなというふうに考えております。ただ、これは幾 つもの条件がついておりまして、本日までのマスコミ等の報道はいろいろとございます けれども、この専門委員会の先生方の御意向といいましょうか、御意見といたしまして は、これは何度も議論を、前から後ろまで条件との関係で、こういう条件がすべて満た されれば、こういった技術が認められてもいいのではないかということでありまして、 アプリオリにこれらがいいという意味ではなくて、これをまた詳しくお読みいただくと その辺の意が伝わるかと思いますけれども、この規制及び条件整備というものがきちん となされて、親子関係の確定がなされるとか、様々な実施施設の条件でありますとか、 罰則規定も含めた担保の問題でありますとかそういうこと、あるいは提供者、あるいは 受ける者の条件、こういったものがきちんと遵守されるという中において、倫理的な問 題からも、社会的問題からも、安全性の問題からも、こういう個別技術というものをあ る程度許容していっていいのではないか。こういう意味での、今の時点での、昨日の時 点での概ねのコンセンサスというふうに私ども受け止めておりまして、まだ3回専門委 員会の議論がございまして、この条件整備につきましても、2の(2) 以下の条件整備に ついてまだ議論が十分されておりませんので、こういうものが十分であるかどうかとい う判断によってもまた、生殖補助医療の是非についてということの見方といいましょう か、それが許容し得るのかどうかということについてもフィードバックされていく可能 性がある。したがって、最終報告がまとまるまでは決定ではありませんということが、 専門委員会の先生方の御意向でありますし、引き続き残りの部分を議論した上で、また 最初の「はじめに」から全体を見て、これかトータルの専門委員会の報告書として整合 性、論理性、様々な角度からの十分な検討というものを踏まえてまとめていかれたい と、こういう御意向でございます。  一応昨日の専門委員会での議論を踏まえまして、私ども記者クラブ等にレクチャーも してございまして、そういうことを経て、様々な報道が今日の夕刊も含めてなされるだ ろうと思っておりますけれども、その専門委員会としての意向また状況というのは、た だいま私が申し上げましたような条件を踏まえたものであります。特に実施に当たって は、3年以内にこの条件整備をするようにというふうに求められる案になっておりまし て、その条件が整うまではAIDを除いては実施すべきではないということが強く専門 委員会の先生方から強調されているところでございます。  時間の関係で大分簡略な御説明になりましたが、以上でございます。 ○高久部会長  どうもありがとうございました。今、非常にわかりやすく、厚い報告書の 案の内容を御説明いただきましたが、どなたか御質問、御意見おありでしょうか。 ○木村委員  どうもありがとうございました。いろいろな報道が行われている折から、今の時点で 大変詳細に御報告をおまとめいただきましてありがとうございました。全体的な方向と して、これを報告書という形で最終的にも出てきて、そしてこの審議会でまたそれを討 議して、厚生大臣に何か文書を出すという形になるんですか。全体の方向性、したがっ て、例えば生殖補助医療に関する立法というようなことにつなげていく御構想であるの か、そこら辺のところが、これはどういうことで始まったかということをもう一遍私た ちに教えていただければありがたいと思うんですが。 ○藤崎課長  今後の手続といたしまして、専門委員会としての報告書をおまとめいただいて、これ はこちらの部会に専門委員会の報告書としてお示しをいたしまして、それをこの部会と して御承認いただけるのかどうかという御議論になるのかなというふうに考えておりま す。そういう形になれば、これは厚生科学審議会として、こういう方向での専門家によ る検討、あるいは審議会の検討を経たという形で大臣に提出、そこの手続論につきまし ては、今後また担当課の厚生科学課の御判断もあろうかと思います。いずれにしても、 そういう形で一応のオーソライズがされた形で行政側に預けられるんだろうと思いま す。これを受けまして、年内中にこの部会の方で御了承をいただければ、年が明けてか ら、この報告書を受けまして、どのような行政としての対応ができるのかということを 具体的に検討していくことになると思います。その際に、この報告書の中に盛られてお ります事項で、法的な整備を含む時間が恐らく出てくるだろうと思いますので、そのこ とについても検討していくことになるだろうと思います。 ○金城委員  いろいろありがとうございました。大変詳細な御報告で、もっと詳しく読まなければ いけないんですけれども、大いに妥当な結論の多くが出されているのではないかと思い ます。ただ一つ確認をしておきたいんですが、AID以外は制度の整備がなされるまで は実施されるべきではないということで、3年以内に実施整備をする。このめどは立つ のでしょうかということです。例えば親子関係についての民法の改正一つをとりまして も、これは法制審議会を通らないとだめなのではないかと思うんです。そうしますと、 最近の民法改正なんかでも、5年ぐらいかかって、しかも国会に上程できないというこ とになっておりますので、この制度の整備ということについてのめどが立たないと、第 三者から提供による体外受精については実質上禁止になってしまうわけですね。そうい うこともも含めまして、法制化、整備制度のめどはどのようにお考えになっているのか 伺いたいと思います。 ○藤崎課長  この点につきましては、ワーキンググループにおけるたたき台を作成する過程で出て きた御意見だったわけで、これについて特段詰めた議論はございませんが、一応今のと ころはそれを受けて、報告書案の中にそのまま入れてあるわけでございます。実施可能 性については、民法改正ということなるとかなり時間がかかるのではないかということ は、その時点でも議論がなされておりまして、実施可能性が民法の場合にあるのかどう かということを詰めた上での提言では必ずしもなくて、いわゆる今の時代の流れからし まして、3年以内には整備するぐらいの必要性があるということでやっていくべきでは ないか。こういう意見を受けて出てきているということでございます。そういう意味で は、今、金城先生が言われましたような視点で、もしこれが長引いたときに、それが実 質禁止になるのではないかという御指摘があったということについては、専門委員会の 方に御報告をさせていただいて、そういうことも含めたフィージビリティということを 含めてどう考えるのかということも御議論を願おうかなというふうに考えております。 ○金城委員  私は制度整備というのは非常に重要だと思うんです。ですから、むしろ3年以内とい いますけれども、そちらの制度整備はもっと早い方がいいと思うんですけれども、それ を何とかきちんとできるようなことをして、そして整備制度はきちんとしてからやると いうのが原則だと思います。そこはお含みおきいただきたいと思います。 ○高久部会長  廣井先生どうぞ。 ○廣井委員  大変よくまとまって追加することもないんですけれども、確認したいのは、多胎の減 数手術、減胎手術とも言っているんですけれども、これをあくまでも別添とするのか、 本論の(2) の中の5番とか、6番の中に将来もっていくつもりなのかというところと、 罰則の問題なんですけれども、刑事罰を加えるとか、いろいろ程度はあると思います が、どの辺まで議論されたのか教えていただければと思います。 ○藤崎課長  まず第1の減数手術、あるいは減胎体手術の方でございますが、これは今のところ、 主たる専門委員会の議論の対象が第三者の配偶子等ということでの適用による生殖補助 医療技術ということでありますので、本論的にはそちらの方で整理していくのかという ふう思っております。それで一応この試案ということで出させていただいております が、これは専門委員会の中でまたどういう御議論になるか、これから先生方の御判断に なると思いますけれども、ある程度事務局的には峻別して出した方がわかりやすいのか なという感じは持っておりますが、これはあくまでも専門委員会の御議論です。  それから罰則の問題ですが、その罰則の重い軽い、どの程度にするか、罰金なのかど うかということにつきましてはまだ詰めた議論はございません。第三者の配偶子を用い ました生殖補助医療を、このような条件のもとで、きちんと実施できるようにすること を担保するためには、ある部分の行為については、やはり罰則を持った規制でないと実 効性が担保できないだろうということで、その部分についてはかなり限定をした形で必 要なのではないかという議論で、その対象をどういう行為にするかという議論に現在の 時点では終始いたしておりまして、量刑等につきましては、今後この報告書をいただい て、立法を考え ていく過程などでより詳しく議論されているのかなというふうに考えております。 ○高久部会長  今の罰則のことですけれども、24ページに、「職務上知り得た人の秘密の漏洩」とい うのは、必ずしも生殖補助医療ではなくても罰則の対象になるのではないですか。ここ にわざわざ書かなくても。 ○藤崎課長  そういう議論もございますし、また一応ということもございますが、部会長からのそ ういう御意向ということで報告をさせていただきたいと思います。 ○木村委員  今ぱらっと見ただけなんですが、私の見た範囲内では、26ページ、真ん中のところで すけれども、○のついているところですね。「本専門委員会としては、上記のより罰則 を伴う」云々というのが書いてありまして、「ある程度の罰則による規制を課すものを 除き」と書いてあるので、ある程度それを想定してやっているのかと思うんですが、そ の後の方をずっと読んでいきますと、「罰則を伴う法律による規制を課すことは適当で はなく、法律に基づく指針等規制の実効性を担保できる他の態様の規制を課すことが適 当であるとの結論にした」と。これは真ん中にいろんな文章が入っていますけれども、 要するに罰則の可能性もあり、そういう法律をつくる可能性もあり、柔軟な対応をする 可能性もある、いわば将来への含みを残したというような文章にとっておいていいんで すか。 ○藤崎課長  ここは、この○の上の方に、罰則を課すような必要がある著しい反倫理性を伴うもの とかそういうものを書いておりまして、それ以外のものについては、そこまでの罰則を かけるべきではないかという専門委員会の見解ということでございます。 ○高久部会長  柴田委員どうぞ。 ○柴田委員  もともとこの生殖補助医療の問題は当部会に最初諮問を受けたテーマなので、我々と して重大な関心を持っていまして、むしろ、なかなか結論が出てこないということに多 少を心配をしていたんですけれども、どうやら今年じゅうにということなので、まず非 常に難しいテーマをおまとめたいただいた専門委員会に敬意を表したいと思うんですが 内容については、今日初めていただいたので、ゆっくりこれから考えて、この次の機会 にでも御意見を述べたいと思うんですけれども、ちょっと質問だけで、今の御説明の中 にある、例えば3年の整備機関、モラトリアムといいましょうか、この問題はそもそも スタートしたときに、98年の夏、長野県の産婦人科医が第三者の卵子を使った生殖補助 医療を実施して、しかも産婦人科学会から除名されているにもかかわらず、自分は断固 やるという宣言を社会的にもしているわけですね。恐らくその後もどんどんやっている に違いないわけです。そのときも言われたことですけれども、明るみに出たのがそれだ けだけれども、まだほかにもあるのではないかというようなことはかなり言われたと思 うんです。そういうことから考えて、今現在進行中のものについてどういう判断を下さ れる予定をされておるのかというのが質問の第一点。  もう一点は、御存じのとおり、医療に関してほとんど規制のないと言っていいアメリ カへ行って、いろんな形で受けている人というのはたくさんいるんですね。そういう人 に対してはどういう対応を考えていけばいいのかという点です。そういうことについ て、専門委員会の中では当然議論されたと思うんですけれども、その辺のところをちょ っと質問としてお聞きしたいと思います。 ○藤崎課長  進行中のものについてどうかという御質問ですけれども、これについては、法的な整 備がなされるまでは、基本的には強制的な抑制力はないということになりますので、こ れは個々の医師なりの判断にならざるを得ないだろうと思います。ただ、この報告書が 公表されて、この会でも御了承いただければ、そういう形で世の中に出てまいりますの で、厚生省の審議会としてまとめた報告書では、そういう条件整備ができるまではやる べきではないということの見解を明らかにしたということで、従っていただければ、そ れなりの効果はあるのかなと思いますが、法的な拘束力は従来同様特段ないと、こうい うことになろうかと思います。  それから外国で現在やられている問題につきましては、ちょっと私の記憶はあれかも しれませんが、ヒアリング等でいろいろあっせんをしておられる方々などのお話は伺っ ておりますけれども、外国との関係でどうしていくのかということについては、日本国 内でできないという形の方々がアメリカなりでやられる。これを特段どうのということ については、この専門委員会としての特段の意見はないというふうに私自身は理解いた しております。基本的には、国内における法の適用なり規制、あるいは実施のあり方と いうことになりますので、代理懐胎のあっせんなどにつきましては、国内において、あ っせんを行うということは基本的に禁止するという方向になっていくというのが現在の 考え方でございます。 ○雨宮委員  やや内容的なことになろうかと思うんですが、卵子とか精子・胚提供された場合の匿 名性の保持ということが出ていまして、一方においては出自を知る権利というのが出て いるですが、これはこれで一つのコンセンサスが専門委員会の中にあろうかと思うんで すが、片一方では匿名性というような秘密を保持し、片一方は知る権利を議論するとい うのは、ほかの分野のガイドラインにも影響が大きいことのように思うんですが、この 辺は専門委員会の中でどんなふうな御議論があったんでしょうか。 ○藤崎課長  基本的に出自を知る権利ということにつきましては、ここの中にもございますけれど も、ある程度現時点では制約的な考え方があるわけですが、それは別といたしまして、 匿名性の原則ということと、出自を知る権利というのは、制度的には矛盾をしないとい う理解かなと思います。というのはどういうことかと申しますと、匿名性というは、提 供した方が誰に行ったかわからない。どなたに自分の提供した精子なり卵子が使われた かわからない、あるいは提供受けた、この場合は夫婦になるわけですが、そちらが誰か らもらったがわからないと、こういう当事者間の状況を基本的に想定しておりまして、 この中で想定されております公的管理運営機関におきまして、各医療施設から上がって きた本人にかかわる情報については管理をいたしておきます。当事者間に提示はされま せんが、その子どもが大きくなって出自を知りたいということになったときに、もし出 自を知る権利を幅広く認めるということであれば、その機関が情報を管理しております ので、そこにアクセスができるという形での整理は可能なのかなということでございま す。現時点での出自を知る権利につきましては、まだこれから先議論はあろうかとは思 いますけれども、本人を特定はできないという範囲である。そして近親婚については、 近親婚なのかどうかということについては知ることができる。それ以外の提供者にかか わる情報につきましては、本人が提供の時点で了承したものについては、承認したもの については本人の希望によって提供を受けることができる、こういうのが今の段階での 専門委員会の案となっております。その場合に、その記録を保持しておくことによって 本人が成人して希望したときには、提供できることは公的管理運営機関の責任になりま すが、提供の際に誰にあげたかわからない、あるいは誰からもらったかわからないとい うことについては匿名性が担保される。今のところ、一応こういう構成になっておりま す。 ○木村委員  これは要望なんですけれども、専門委員会の方にお伝えいただきたいんですが、この 生殖医療の問題というのは、社会的かつ文化的・歴史的にいろいろな問題とつながって くると思うんです。子どもさんがほしい夫婦に回りからプレッシャーがかかるとか、こ の文章をつくるに当たって、そういう差別の問題とか、心理的プレッシャーの問題がな るたけかからないような用語にして、あるいは生まれていらっしゃる方も含めて、例え ば具体的に言いますと、5ページの一番上のところの「片親が」ということは、差別の 用語として使われたケースもありますし、むしろ、こういうときは「両親の一方が最初 から存在しない」というような表現とか、それから左側の「本論」のところにいきます と、初めのところですけれども、これは専門家の先生方にぜひお伺いしてもらいたいん ですが、「子を欲しながら不妊症のために子を持つことができない」と、「不妊症」と いうのが、これは産婦人科学の用語できちんとあると思うんですが、フェミニストのグ ループからのいろんな問題提起によると、助成のメリタリゼーションのターミノロジー として「不妊症」という言葉が非常にスティグマを持っている。そういう観点から、こ の文章を全体的に見てみると、もう少し日本の文化的・社会的背景に応じた用語を使う ように我々はきちんとした対応をすべきではないか。  したがって、そういうことについて、これは医学上の用語で、こうこうこういうこと であるということでしたら、ここの多胎妊娠のところにも書いてありますが、諸外国の 文献では、本指針で使われた用語の解説みたいなものを小さく書いてあったりするの で、そういうことを含めて、この「不妊症」という言葉は医学的には、こうこうこうい う意味であるというようなことを言えばいいわけですので、そういう用語みたいなもの をつけることも御検討いただくこともお話し合いいただければというふうに思いまして 提案させていただきました。 ○高久部会長  どうもありがとうございました。いろいろまだ御意見あると思いますけれども、ほか の議題もありますし、また次回のこの部会でも御検討いただくことになっておりますの で、この案についてはこれで終わらせていただきますけれども、最後に一つだけ、この1 3ページのところで、「統一的な結論を得るには至らなかった」ということがあります ね。これはある程度結論を出していただかないと困りますので、もしどうしてもだめな ら、この部会で結論を出すのかどうかということを、これはかなり重要な問題だと思い ますので、できれば結論を出していただければありがたいと思います。 それでは次に、審議事項であります「ヒトゲノム解析研究(遺伝子解析研究等)に関 する倫理指針の策定について」、これについて御審議いただきたいと思います。まず事 務局の方から説明をよろしくお願いします。 ○事務局 それでは、資料1に基づきまして御説明申し上げます。  ヒトゲノム解析研究(遺伝子解析研究等)に関する倫理指針を4省庁で作成をすると いうことについては、もう既にこの部会においても数回にわたり御説明をしてきておる わけでございますけれども、この倫理指針の素案を検討するために設けられました国立 がんセンター中央病院長の垣添先生を中心とする検討会での審議状況を本日は御報告さ せていただきたいと思います。  資料1でお配りいたしておりますのは、先月末に委員の先生方には別途郵送させてい ただきましたけれども、10月26日に開催されました検討会において議論をしていただき ましたペーパーでございます。このペーパーをもとに、10月26日御議論していただきま して、また今月の16日に次の検討会を予定されておりますので、そういう意味では、検 討俎上の案であるということをまず御了承願えればありがたいと思います。  特に本年の初めに御検討いただきましたミレニアムプロジェクトに関します遺伝子解 析研究の指針というのがこの部会で御検討いただいたわけでございますけれども、これ を下敷きにして、すべての遺伝子解析研究に適用する指針をつくるという観点から御審 議をいただいているものでございます。また次の11月24日に予定させていただいており ます本部会において、改めてディスカッションをお願いをするわけでございますけれど も、本日検討途上の案ということを念頭に置いていただいた上で御説明し、また議論を していただければというふうに考えております。  まず前文でございますけれども、科学研究の推進とヒトの尊厳、あるいは人権の保 障、そういうものがうたわれておりますし、関係する4省庁で共同で作成して、提示を するということがうたわれております。  次の基本的考え方でございますけれども、基本方針として、1ページの下から2行 目、(1) から次のページの(5) まで5点が上げられております。また2以下に「本指針 の適用範囲」からあるわけでございますが、この点につきましては、具体的に先ほど申 し上げましたミレニアムの指針との相違点を中心に御説明をしていきたいと思います。  まず第1点が2ページの一番下にございます<指針作成前の研究に関する細則>とい う点でございまして、ミレニアムの指針というのは、ミレニアムプロジェクトが今年度 一斉に始まるということを前提にしておりましたので、この指針策定前から行われてい る研究をどうするのかということを考えなくてよろしかったわけでございますが、この 指針の場合には、指針策定前に始められている研究について基本的には適用しないけれ ども、可能な限り、本指針に沿ってやってほしいというようなことが述べられておりま す。  また3ページ目の上から3行目でございますが、<海外との共同研究に関する細則> というのも、そういう意味では目新しい項目でございます。  次に、ローマ数字IIの3でございますが、すべての「研究者等の基本的な責務」とい うことで、研究を実施する方、あるいは研究責任者について共通する責務というのを(1) から(5) まで掲げております。 次の4ページでございますが、ちょうど中ほどに(2) の下に<個人情報保護のための 細則>というのがございまして、スタンドアロンのコンピュータにするなど個人情報を 厳重に管理する手続、設備、体制を整備しなければならないというのがミレニアム指針 に比べて新たに書き起こしております。 次の(3) でございますけれども、<倫理審査委員会の設置に関する細則>の2番目で ございますが、2番目の後半部分、公益法人または学会によって設置された倫理審査委 員会というのをこの場合においては認めたらどうだろうかというような意見が出ており ます。すなわち、ミレニアムプロジェクトの場合には大きな研究機関、例えば私どもで 申し上げますと、がんセンターであるとか、循環器センターであるとか、こういうとこ ろが中心となって共同研究機関があるにしても、中心となるのは大きな機関であったわ けでございますが、そういうわけにもまいりませんので、公益法人、学会というのがこ こで一つ挙げられております。 さらに、<共同研究の取り扱いに関する細則>ということで、倫理審査委員会におけ る審議状況、あるいは研究計画の承認状況、インフォームド・コンセントの状況、そう いうものをやりとりをするということが書かれております。また(5) でございますが個 人識別情報管理者の業務と申しますか、その業務を行うための組織といたしまして、分 担管理者あるいは補助者、こういうものを明文化いたしております。  次に、5ページから「研究責任者等の責務」ということでございますけれども、この 点について大幅な変更はないかと考えております。7ページ目に、「個人識別情報管理 者の責務」、また7番として「倫理審査委員会の責務及び構成」ということになってお りますけれども、個人識別情報管理者については大きな変更はございませんが、倫理審 査委員会につきましては、8ページ目の(3) の<倫理審査委員会の構成に関する細則> のところで、倫理審査委員会の構成について、ミレニアム指針の場合には、外部の有識 者を半数以上ということで明文化したわけでございますけれども、小さな機関あるいは 地方等においては、外部有識者の確保というのが非常に困難だというような事情も聞い ておりまして、検討会においては半数以上が望ましいということは言うまでもないけれ ども、その確保が困難な場合、少なくとも複数名というようなところで議論が進行され ているところでございます。  次に、ローマ数字IIIの「試料等提供者に関する基本姿勢」でございますけれども、8 のインフォームド・コンセントの規定については大きな変更はないかと考えておりま す。ただ、10ページでございますが、10ページの下から五、六行目のところに、(8) と いたしまして、他の研究実施機関から試料等の提供を受ける研究責任者、すなわち、例 えば採取された血液等の提供を受けて研究を行う研究者、これらの方々も、その試料に 関するインフォームド・コンセントの内容を確認するというようなことが新たに盛り込 まれております。 次の9の「遺伝情報の試料等提供者への開示」のところでございますが、ここも基本 的な考え方としては、ミレニアム指針と同じ考え方で貫かれておりますが、11ページの (2) 試料等提供者が遺伝情報の開示を希望しない場合、開示しないということでござい ますけれども、この場合は開示を希望していない場合でございますけれども、それであ っても、提供者の生命に重要な影響を与える、かつ有効な対処方法があるというときに 倫理審査委員会の意見を聞いて、協議をしていく手続というのは、ミレニアム指針の中 にも書かれておるわけでございますが、そのときの検討事項として、ポツが4つ並んで おりますけれども、試料等提供者の血縁者の生命に関する影響であるとか、そういう検 討事項というのをこの中に掲げております。  次が12ページでございますが、遺伝カウンセリング、あるいは「試料等の取扱い」の ところの11番に「既提供試料等の研究利用」ということで、13ページに掲げております けれども、ここがミレニアム指針と異なりまして、ミレニアム指針の場合には、指針を 策定する前と策定した後、この2つを論議すれば足りたわけでございますが、今回の指 針におきましては、例えば10年後、2001年に指針ができるとしますと2010年に研究を開 始する。その指針ができてから、研究を開始するまでにとられた試料がまたあるわけで ございまして、この試料をどうするかというのが一つの論議になっております。すなわ ち、今回の共通指針におきましては、指針策定前の試料をどうするかのかというのと、 指針が策定されてから、研究が開始される前までにとられた試料をどうするかのかとい う2つの点を論議すべきではなかろかというような議論がなされておるわけでございま して、基本的な考え方といたしましては、13ページの(1) 、(2) でございますが、試料 の提供時に、ヒトゲノム解析研究での利用が明示されたインフォームド・コンセントを 与えられているもの、これについては同意の範囲内で利用することができる。(2) でご ざいますけれども、ヒトゲノム解析研究での利用が明示されたインフォームド・コンセ ントが与えられていないものについては、新たにインフォームド・コンセントを得ない 限り、ヒトゲノム解析研究に利用してはならないという、この2つの柱については、ミ レニアム指針と全く同様でございまして、その下の細則の中で、1番、2番、3番とご ざいますけれども、1番、2番というのは、指針策定前に行われた、指針策定前に提供 されたもの、すなわちミレニアム指針ではB群試料と呼んでおりましたけれども、B群 試料の考え方と同様でございますし、2番目の指針策定前に提供された試料であって、 試料収集時にインフォームド・コンセントがないもの、これを仮に指針前のC群試料と いうふうにここでは言っておりますけれども、これの取り扱いをミレニアム指針と全く 同様でございます。  そういう意味では3番が新しくなっておりまして、本指針の策定後に集められたもの であって、試料等の収集時にインフォームド・コンセントが与えられていないもの、こ れを指針後にとられたC群試料というふうに考えていますが、症例数が限られており、 かつ緊急に研究を実施する必要がある場合など倫理審査委員会が真にやむを得ないと認 めた場合にはヒトゲノム解析研究に利用することができる、いわゆる2番目に述べてお ります指針前のC群試料よりももう一段厳しい規定になっております。  次が14ページでございますが、試料等の保存、廃棄、あるいは見直しの規定、この規 定というのはミレニアムと同様でございます。なお、ミレニアム指針の中では1群から 4群までに試料等提供者を類別化し、1群がいわゆる単一遺伝性疾患、2群がそれ以外 の疾患の患者、3群がいわゆるコントロールとしての健常者、4群がコホート研究を中 心とする疫学研究という形で類型化した上で話を進めていったわけでございますけれど も、今回の共通指針におきましては、どのようなものが出てくるか類型化が甚だ困難で あるということから、その考え方というのは採用しておりません。そのために、例えば カウンセリングの問題でありますとか、情報の開示の場合のカウンセリングの問題等に おきましては、単一遺伝性疾患の場合には、このような形にしましょうとかいう形で書 き分けた形になっております。  またもう一つ大きな議論になっておりますのは、15ページの3番のヒトゲノム解析研 究の定義の問題でございまして、ミレニアムプロジェクトにおきましては、ミレニアム として補助金を交付された研究という非常に明確な定義があったわけでございますが、 今回はそのような手法が取り得ませんので、抽象的な概念としてヒトゲノム解析研究を 定義をするということで、ここで書いておりますのは、注の案1と案2が示されており ますけれども、案の1と案の2の違いというのは3番にございまして、生殖細胞系列遺 伝子解析研究、すなわちジャームラインの解析研究を適用とするのか、あるいは注の2 でございますが、体細胞遺伝子解析研究、ソマティックと言われておりますが、ソマテ ィックとジャームラインと両方を対象にするのかということでございまして、この点に ついてはまだ議論が集約化されていないという状況でございます。  主な点というのは、今御説明申し上げたところでございますけれども、まだまだ検討 途上でございまして、倫理指針の案の名称におきましても、ヒトゲノム解析研究(遺伝 子解析研究)等に関する倫理指針ということで、10月26日に御議論願ったわけでござい ますが、検討会における御議論の中では、「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理 指針」にした方がスマートではないかというようなことで意見が出されるなど、指針の 名称すらまだ動いている現状でございますので、その旨御容赦願いたいと思います。あ りがとうございました。 ○高久部会長  どうもありがとうございました。これはまだ議論が行われているところですし、恐ら く他の省庁でも議論が進んでいると思います。今事務局の方から説明がありましたが、 どなたか御質問、あるいは御意見がおありでしょうか。 ○松田委員  まず2つ、というのは意見を述べるのと、もう一つは確認といいますか、実際の研究 を行うとき、どのようにこの部分を解釈するのかということの2点あります。  最初の意見は、12ページの遺伝カウンセリングのところです。最初の事務局案では、 (2) のところで、「遺伝カウンセリングは遺伝医学に関する十分な知識を有し」という ふうに書いてあって、「重篤な遺伝性疾患の場合には」というのが入っていないんで す。これが議論の途中入ったと思うんですけれども、遺伝カウンセリングというのは何 も特別な重篤な遺伝病の場合にするわけではございませんので、この分はない方がいい のではないか、最初の事務局案の方がいいのではないかと思います。 さらに、この「重篤」という言葉について、下の方に細則がありますが、ここが大き な問題でして、例えばWHOの指針がありますが、これを読むというと、患者さん本人 に重篤かどうか、もしくは親権者に決めさせるべきであって、医学的、社会的、法律的 に重篤さの定義を想像するのは危険であるというふうにも書かれています。この「重篤 な遺伝性疾患」という言葉の意味が大変難しいいろんなものを含んでいますので、あえ てここで触れる必要はないのではないかというのが私の考えです。  それから先ほどのインフォームド・コンセントの問題なんですけれども、これは基本 的にインフォームド・コンセントをとるのは当然なことなんですが、この2ページにあ る「既に提供され、保存されている試料等を研究に利用する場合には、それを研究計画 書に記載し」云々と書いてあります。その次のページの基本的な責務というのがありま すが、その2番目に、「すべての研究者等は、試料提供者からのインフォームド・コン セントを受けていない試料等を用いてヒトゲノム解析研究を実施してはならない」とい うふうに書いてあります。そうすると、もしももう既にとられていて保存されている試 料というのがありまして、それを研究に使う場合に、改めてインフォームド・コンセン トをとらなければいけないのかとか、そのときにどのように対応するのかという問題が 出てくるのではないかというふうに思います。  具体的にはどういうことがあるかというと、マススクリーニングというのがありま す。これは生まれてすぐの赤ちゃんから血液をとります。大体今まで2,800 万の患者さ んのスクリーニングが行われているわけですけれども、この血液がかなり残っていま す。これは外国ではバイオバンクと呼ばれていたり、名前のところを外してしまって、 血液のロシ血だけのでありますと、これを遺伝疫学に使っているわけです。十分に使わ れているわけです。そのときはインフォームド・コンセントも何もないんですけれど も、もちろん名前は全然わかりません。完全に血液のスポットだけで提供されるわけで すけれども、そのような場合には、マススクリーニング学会のガイドラインが数年前に できているんですが、そういう場合には、医学的に非常に大事な研究であって、しかも 名前は全部外されてしまって血液のサンプルとしてだけしか存在していないというもの について疫学研究をやることは、倫理委員会の議を経ればできるというふうに我々は決 めているわけです。そういうことに対してどのように考えられるのか。先ほど大変詳し く説明いただきました一番後ろの13ページのところの話を聞かせていただくと可能のよ うにも思いますし、前の2ページ、3ページのところだけ読むというとちょっと難しい のではないかというふうにも思いますので、その辺のところはどうお考えなのかという ことをお伺いいたしたいと思います。 ○金城委員  ちょっと関連してなんですけれども、遺伝カウンセリングなんですが、遺伝カウンセ リングが重篤な遺伝性疾患等の場合には必ず行われなければいけないということです ね。そしてそのほかの場合で、提供者または家族がやってほしいといったときには実施 しなければいけないということで、ここの「重篤な遺伝性疾患の場合には」という言葉 が入ったことによって、遺伝カウンセリングがどういうときに必ず行われなければいけ ないかということが明確になったと私はそう思うんですが、その点についていかがでし ょうか。その点も含めてお答えいただきたいと思います。 ○高久部会長  中垣さん、よろしくお願いします。 ○事務局 まず最初に、遺伝カウンセリングの方から御説明をしたいと思います。最初に、私の 説明の中で触れれば一番よかったなと反省をしておって、先生方にまず謝らなければい けないわけでございますが、10の(2) の実施方法のところの「重篤な遺伝性疾患等の場 合には」というのは、実は検討会の委員とお話をしてこういう修文をしたわけでござい ますが、どうも私たちが誤って理解をしてしまって、この修文についておしかりを受け ておる現状でございまして、ここは訂正になります。その委員がおっしゃった真意とい うのをもう一回ここで御説明をしておきますけれども、細則にございますような治療方 法がまだないような遺伝性疾患、しかも精神障害、あるいは知的障害を伴うような疾 患、こういう疾患について遺伝子の研究を行うときには、どういう影響がもたらされる のか、その研究が有益なものであるのか、特に厳正に研究責任者、あるいは倫理審査委 員会は審査しなければならんというような御趣旨だと聞いておりまして、そういう形で 修文を図るというふうに御指示を今のところ受けております。 2番目の金城先生から御質問をいただいた一定の場合に義務づける、義務づけないと いうのは、一定の場合というのを切り分けるというか、概念化するというのが非常に難 しいと思っておりまして、倫理審査委員会の中でインフォームド・コンセント、あるい は最初の説明をする、研究計画の審議を行っていただく中で、カウンセリングをやる必 要があるのかどうかというのも含めて、倫理審査委員会の中に研究責任者の考え方を出 していただきますし、その考え方をもとに、倫理審査委員会で御議論願うということに したいということを、今のところ事務局としては考えております。 3番目の松田先生から御指摘をいただいた3ページ目の基本的な責務の(2) インフ ォームド・コンセントを受けていない試料等を用いてヒトゲノム解析研究を実施しては ならないという項でございますけれども、この項は「基本的な責務」と書いております ように、役人言葉で通常、我々「原則として」を入れるとか、「等」を書くとかいうよ うなことをすればするほど先生方のおしかりを受けますので、そういう意味では、ここ はずばっと言い切ったわけでございますが、確かに後の中で申し上げますと、既提供試 料等の取扱いというところで、綿密に幾つかの状況を挙げて、さらに倫理審査委員会で 議論をすることによって例外的に用いることはできるという条項があるわけでございま すので、そういう面から申し上げますと、ここは基本的な責務ということで原則として も書かないで、ずばっと書いたということでございますが、そういう誤解を与えるとい けませんので、また「原則として」を入れるという方向での修文というのを考えてみた いと思います。  なお、1点申し忘れたのでございますけれども、先月末検討途上の案をお送りさせて いただくときに、事務局の方に御意見等があれば御連絡くださいということで書かせて いただきましたところ、本日資料2で配らせていただいておりますけれども、入村委員 の方から意見が提出されておりましたので、これを紹介するのを失念いたしておったこ とを、入村先生ほか先生方に謝るとともに紹介させていただきます。どうもありがとう ございました。 ○高久部会長  小澤先生どうぞ。 ○小澤委員  「指針」という言葉で括ってありますけれども、一体これをどのような形で決定し て、最終的にどのような形で交付されて、どれだけの拘束力を持つのかということにつ いてお聞きしたいと思います。例えば、それは私企業なんかの場合にまで、懲戒処分を サジェストするというふうな格好に読めるというようなことがあって、そこまでのこと になってくると、これはかなり公権力のバックが必要であろうけれども、どういうふう に考えておられるのか。 ○高久部会長  私企業も当然入る。しかしガイドラインですから罰則はないと思います。社会的な批 判を受けるということは十分にあるでしょうが。 ○小澤委員  「懲戒処分」という言葉が出てきましたので。 ○事務局  前回資料で御説明したかと思いますけれども、4省庁の中で合意に達しておりますの は、指針、いわゆるガイドラインとして、これを世の中に広く知らしめる。それを厚生 大臣告示とするのか、あるいは並行して各省大臣告示と、いわゆる告示という形態をと るのか、それとも通知その他という形態をとるのかというのは議論のあるところだろう と思っておりますけれども、いずれにしても、広く周知徹底する方向をとりたいという ふうに考えております。また、国の機関あるいは国の補助金、委託費を受けて行う研究 については、これを義務化する、遵守を義務付けるということを考えております。 ○小澤委員  研究費のことが出ましたので、これだけの会議をきちっと形成するには、相当な経済 的な基盤が必要になりますけれども、研究費については、こういうような人件費、会議 費の項目を恒久的に設けなければやっていけないと実際には思うんですけれども、そう いうことは含んでおられるんですか。 ○事務局  そのために研究費が増えるかどうかという話になりますと、私も自信を持っては言え ませんので、課長に答弁していただいた方がいいのかもしれませんが、例えば研究費が 1億円あると、その1億円の配分をその方向に回すというのは当然に必要になってくる んだろう、ただ、1億円が1億1,000 万円になるかという話でございますと、それはな かなかほかの事情もあって難しいかもしれませんという答えにならざるを得ないと思い ます。 ○小澤委員  3番目に、この指針ですと疾病研究ということであって、しかも疾病からDNAを調 べるというスタイルのことを想定してあるように思います。しかし、逆にDNAの研究 をしている間に、疾病研究というふうな形にいくこともございます。それからさらに、 人類遺伝学的な非常に広い範囲において特別に疾病を予想しない状況でDNAの検索を することが必要になることもございます。そういったものをカバーする上において、こ の指針は、そういうことを想定しておられないように読めたんですが、違いますでしょ うか。 ○事務局  その点につきましては、15ページの(3) ヒトゲノム解析研究、先ほど御紹介したとこ ろの定義をごらんいただきたいと思いますけれども、先ほど説明を失念した中で申し上 げますと、例えば注1、あるいは注2、双方とも同じでございますが、5番目に教育目 的で実施される生物実習まで実は想定しておりまして、先生の今御指摘いただいた純粋 生物学的な遺伝子解析研究まですべて念頭に置いて策定をしてきておるものでございま す。 ○小澤委員  私が先ほどの御説明にもかかわらず申し上げたのは、コントロールのとり方というの がDNAの解析では非常に重要でありまして、例えばちょっとした遺伝子異常が、これ が正常で存在するものか存在しないものか、これはミレニアムプロジェクトの中で当然 出てきた話でありますけれども、例えば現在でしたら、実際のポピュレーションで200 例ぐらいは調べなければ世界的に認められない。それからさらには、それでも、そうい った異常がプレバレントの場所における検索が必要というようなことが非常に強く言わ れていまして、実際に報告が取り消されることすら現在ではございます。ところが、こ の場合だと、例えば疾病のある人からしかとれないとかそういうような感じになってき まして、その辺が非常に抜けているんじゃないのかというような、私の誤解でしょう か。それでしたらよろしいんですが。 ○事務局 少なくとも、疾病を有する方、患者さんからとったサンプルということのみを対象に したつもりは全くございませんで、先生御指摘のコントロール群、ミレニアム指針でい うところでは3群に当たる方に当たるんだろうと思いますけれども、それはもとより、 今回は各省庁共通ということでございますから、いわゆる生物学的な、端的に申し上げ ますと、今年の5月、6月にアメリカの大統領、あるいは森総理も声明を出されました けれども、ゲノムシークエンス的なもの、こういうものまで念頭において作成をしてお るところでございます。 ○高久部会長  ほかにどなたか。 ○木村委員  私どもの何回かの討議を踏まえて、事務局の方でいろいろまとめていただきまして大 変ありがとうございました。前文も結構で、全体的によくできていると思うんですが、 二、三提案したいところがございますもので、まだこの指針の全体が固まってはいない ということですので、御検討いただければと思って提案させていただきますが、前文の 真ん中のパラグラフの一番最後の方ですけれども、2行目「人権が保障され」、ここに 「保障」という文字を使って、我々この委員会で「保障」という文字を使おうというこ とを踏まえて、「提供者の尊厳が尊重され、人権が保障され、研究が適正に実施される ための具体的な指針の作成が望まれてきた」、これは大変重要ないい文言が入ったと思 うんです。それを踏まえて、その次のところの基本指針の総論のところを見てみます と、ちょっと前文の方と沿っていない書き方になっているので、これを私、提案して直 すことができればと思いまして、まずその点を指摘しますと、総論の下の2行のところ ですけれども、ここを読んでみますと、「本指針においては、ヒトゲノム解析研究の特 質を踏まえ、人の尊厳及び人権の尊重と適正な研究の推進との両立を図るため、以下を 基本としている」、この文章は人間の尊厳と人権の尊重というのが一つにあって、研究 との両立を図ると、それとそれとが拮抗関係にあって、何か研究を推進すると人権が損 なわれそうだから、その両立をうまく図って調和するためというふうに読まれかねない 文章なんです。したがって、これは前文の真ん中でちゃんと書いてありますように、 「人の尊厳及び人権保障の原則に沿っての適正な研究の推進を図るため」というふうに 文章を直した方がすっきりするのではないか。両立というのは、極めて片方に人権尊重 があって、片方に研究があってというような書き方になるのではないかというふうに思 いましたものですから、その点について提案させていただきました。  それからその前の2行のところですけれども、初めのところでございますが、「本指 針は、ヒトゲノム解析研究に伴う倫理問題に対応するための一般的な指針であり」、そ の次のところなんすが、今の小澤先生のお話ともちょっと関係してくるんですが、「研 究現場で守られ」というんですけれども、この研究の現場が臨床と関連してくることが あるという御指摘もあるわけでして、「研究・臨床の現場で守られることを意図して作 成され」、それからその次の文章が非常に大事な国民に理解されるということが入って きたわけで、これは大変ユニークな文章だと思うんですが、はっきりとこういう形で国 民に理解されることが目的としているというふうにやったのは大変にいいことだと思う んです。3ページを見ますと、確かに本指針の3ページは、診療において実施されてい るもの、それから診断治療等におけるヒトゲノムの解析はという形で、本指針の対象と しないと書いてあるので、恐らく総論のところで「臨床」という言葉を入れるよりも、 研究で統一した方がいいんじゃないかというお話でしたが、臨床と研究というのはいつ もつながっているというふうに私は理解しますのもですから、これをむしろ「研究・臨 床」という言葉を入れた方がいいんじゃないかというふうに思いました。 2ページのところにいきますが、もし差し支えなければ、2ページの上の(5) 番です けれども、「研究の透明性の確保」、これはそのとおりだと思うので、これも非常に大 事なことだと思うんです。したがって、本指針の中にはっきり明示されているように、 「研究計画及びその成果の公開並びに透明性の確保」という言葉の方がいいのではない かというふうに提案させていただきます。 それから、その次の(研究実施に即しての留意点)というところで、「基本的な流れ は」、これは用語としては流れなんですが、これを見てみますとプロセスですので、む しろ「基本的な過程は」とか、プロセスの方の「過ぎる」という字と程度の「程」、 「流れ」という言葉はやや世俗的に過ぎるのではないかというふうに思いました。 それからもう一つ、5ページでございますが、今これを拝見していて、ちょっと気が ついたんですが、5ページのずばりと研究責任者の責務が書いてありまして、2番のと ころでございますけれども、2行目のところで「自由意思に基づく研究への協力・非協 力の決定」というのですが、これは協力・非協力というよりも、むしろ研究への主体的 な参加ということの方が用語としてはいいんじゃないか。ですから、「自由意思に基づ く研究への参加」、あるいは「非参加の決定」という言葉の方が内容にふさわしいので はないか。協力・非協力というと何か言葉としては違った意味合いになりかねないので はないかということを感じました。その他いろいろございますが、一応上記の点につき まして指摘させていただきました。 ○雨宮委員  実は全般的なことなんてすが、ミレニアムの指針が出て、今これは検討されておりま すが、これはいずれも遺伝的な問題を人権的な問題につなげた考えのもとにつくられて いるものと私は理解しております。ところが、こういうものがだんだん世の中に知られ ていきますと、これの波及効果というのでしょうか、影響力というのは結構大きいとい うことがございます。例えば、今までにも関係ないかもしれないし、DNAの検索をす るわけでもないといったような研究についても、これに従わなくてはいけないといった ような感じが徐々に生まれてきた。大変いいことではあるんですが、同時にそこまでい ろいろする必要のない研究もあろうかと私は考えておりますので、余りこれが全般的に すべての網をかけてしまうんだというふうな理解になってしまうと、どうも研究する者 が硬直化するのではないかというような心配があります。そういうことがないようにす るにはどうするか。少なくともこれはヒトゲノム解析に関する倫理指針というふうに書 いてございます。この中に出てくるものは全部そういうことで理解されるべきであり、 それ以外の研究は、それぞれにまた考えていくというのが当然のことだと思うんです が、ただ、用語として、そういうことがはっきりわかるように中に入れていく必要があ るんじゃないかと考えております。  例えば14ページに「試料等」というのがありますが、「研究に用いる血液」云々と書 いてありますと、そこだけ見ますと、すべての研究全部を含めてしまって、この指針以 外のものも該当するということになりかねないような感じがいたします。その辺は屋上 屋上を重ねるというふうに思われるかもしれませんが、やはりどういう研究に用いる、 そこのところにヒトゲノム解析の研究に用いるというような、そういうような内容を割 とはっきりとそこに明示しておく必要があるんじゃないか、そんなふうに実は考えてお ります。これは非常に影響が大きいというふうに、私は考えております。それだけ指摘 させていただければと思います。 ○高久部会長  金城委員どうぞ。 ○金城委員 倫理審査委員会について一言申し上げたいと思います。このガイドラインでは、倫理 審査委員会というのは大変重要な役割を担っていることになっているわけです。基本的 方針の総論の中で、(1) 、(2) 、(3) 、(4) 、(5) とありまして、(4) では倫理審査委 員会の審査による研究の適正確保ということで、研究が適正かどうかということについ て審査をするものですから、倫理審査委員会というのは大変重要な役割を担っているわ けです。これはこれからどんな研究が出てくるかわからないということを考えれば、こ ういう様々な問題が出てくるときに、倫理審査委員会がそれを審査をして、その適正を 確保という、これは大変妥当だと思うんです。そうしますと、あくまでも倫理審査委員 会は大変重要な役割を担うわけですから、やはり倫理審査委員会が、それなりの役割を きちっと担えるような構成にしておかなければいけないしということを考えるわけで す。そうしますと、先ほども御説明がございましたけれども、ミレニアム指針と違って いるところは、倫理審査委員会について半数以上は外部委員にするというところが非常 に違っているという御説明がございました。それについて、どういうことからこうなっ たのかなと思って議事録なんかを読ませていただいたんですが、産業界からの指摘で、 審査委員会は外部委員半数ということではとても対応できないということがかなりあっ たようでございます。しかし、倫理審査委員会の委員というのはいろんな人を選任でき るわけです。必ずしも法律の専門家だとか、倫理問題についての専門家だけではなく て、自然科学方面の有識者だとか、市民の立場からの方というようなことまで非常に広 範な人から選任できるわけで、人がいないということにはならないと思うんです。特に 大学なんかですと余り問題はないと思うんですが、産業界などでは内部委員だけでは、 これは研究の適正を担保するということを考えると非常に難しいと思うんです。まさに 企業についてこそ、やはり外部委員をきちんと置いて、そういう人たちが研究の適正さ を評価するということが非常に重要だと思います。ですから、そういう意味で外部委員 を半数以上ということは望ましいんだけれども、困難な場合には複数名ということで は、これでは不十分なのではないかというのが私の意見でございます。ぜひ半数という ようなことはミレニアム計画と同じような形で残していただきたいと考えております。 ○高久部会長  どうもありがとうございました。柴田委員どうぞ。 ○柴田委員  私も審査委員会の重要性のことだけ一言と思ったんですが、私は半数以上というよう な形の問題よりは、本当に審査委員会がちゃんと機能するかどうかだと思うんです。こ の問題がミレニアムとの一番の違いのところで、例えば製薬会社というような具体的な ことを頭に浮かべると、外部委員を半分以上というような形を整えるのは何でもないこ とだと思うんです。むしろ非常に怖いのは、そういう形骸化といいましょうか。形だけ は整っているというのが一番怖いと思うので、私は、むしろ複数入れればいいというよ うな、あるいは小規模なところだったら、ほかの学会や公的な審査委員会で代行できる という部分、これは結構だと思うんです。むしろ、それを積極的に奨励してもいいとさ え思うんですけれども、それと同時に、研究機関でつくられた審査委員会について、も う少し公的なところで審査して、これが本当に機能するのかどうかについて、何かある 種の審査をするような、あるいは勧告でもいいんですけれども、これはちょっとまずい んじゃないかというような形の審査ができるような、当然、委員やなんかを公表するこ とは、この規定の中に入っているわけですから、委員と構成が全部公表されるわけです から、それについて、例えばあの審査委員会で大丈夫かというような形が、そういうチ ェックが何らかの形で働くようなことを考えていただくのがいいんじゃないか。私、全 部比較していないんですけれども、ミレニアムとの比較の中において、一番の心配は審 査委員会の重要性であって、この審査委員会の審査が形骸化されないかということが一 番心配なので、金城委員の意見と若干違う部分はあるかもしれませんけれども、趣旨は 同じことだと思うので、ちょっと関連して意見を申し上げました。 ○高久部会長  どうもありがとうございました。 ○事務局 まず、倫理審査委員会の構成で、金城先生の御発言の中で、産業界から半数という話 がありましたけれども、これは産業界だけではございませんで、大学はもちろん、検討 会の中ではありとあらゆる先生がこの規定は難しいというようなことをおっしゃってお られますことをまず申し伝えたいと思いますし、また、検討会にも柴田先生、金城先生 の御意見は伝えたいと思いますけれども、現在の検討委員会での御議論の中では、詳し く説明いたしますと、まず8ページの<倫理審査委員会の構成に関する細則>というの は、先ほど御説明したような文章になっておるわけでございますが、柴田先生がおっし ゃったのとほぼ同趣旨だと思いますけれども、これをチェックするための透明性の確保 が重要なんじゃなかろうか、まず1つには、7ページ目の下から五、六行目、<組織に 関する細則>の2番目のポツでございますが、委員の氏名、所属、その立場、これを公 開しよう、すなわち、どういう人が、その倫理審査委員会で審議に加わっておるのか、 これはミレニアム指針に加えた新しい規定になっているかと思いますし、それと同趣旨 で8ページ目の<議事内容の公開に関する細則>でございますが、ミレニアム指針では 「要旨の公開」と書いておったわけでございますけれども、非常に簡単な要旨ですと公 開というところに当たらないのではないか、それが明らかとなるような具体的な公開、 すなわち、この2点で倫理審査委員会の透明性を上げるということがパラレルに論議を されておるというところでございます。  なお、先ほどの柴田先生の御意見の中で、倫理審査委員会を審査する審査委員会、あ るいはリコメンドする審査委員会という議論というのも、一部の方々から御意見を賜っ ておりますが、倫理審査委員会を審査するというよりは、先ほど申し上げました倫理審 査委員会の透明性、そこに携わっている委員、こういうものを含めて透明性を上げるこ とによって、おっしゃっている御趣旨のような倫理審査委員会の厳正な審査、的確な審 査というのを担保していこうというような流れに現在のところなっております。 ○高久部会長  まだいろいろ御意見があると思いますが、時間も大分過ぎまして、この指針につきま しては、現在まだ検討中ですし、また今後も議論する機会があると思いますので、これ で終わらせていただきまして、次に、異種移植の臨床研究の実施に関する留意事項等に ついて、これも事務局の方から説明していただけますか。 ○事務局 資料の4に基づいて御説明申し上げます。異種移植の臨床研究につきましては、9月2 2日に開催いただきました本部会において御検討いただいて御意見を取りまとめていた だいたわけでございますが、その趣旨を公にするとともに、徹底しますために、資料4 にございますように、ちょっと時期的に遅れましたけれども、10月31日付で都道府県あ るいは私ども国立病院部、あるいは大学を所管します文部省に対して連絡をするための 通知を発出させていただいたところでございます。  内容といたしましては、資料の2ページをごらんいただきますと、「異種移植の臨床 研究の実施に関する見解」として、本部会の高久部会長にまとめていただきましたとお り、異種移植の臨床研究実施に当たっては、米国の厚生省公衆衛生局による指針の案な どを踏まえ、大学等の倫理委員会において慎重に対応すべきだというような趣旨の見解 を示させていただいたところでございます。 以上でございます。 ○高久部会長  次回は、前回の部会でも御要望がありましたが、九州大学第二外科の杉町圭蔵教授に 来ていただくのですね。 ○事務局 はい。申しわけございません。前回、9月の部会で専門家の御意見も聞いてみたいと いうような御意見がございましたので、部会長と相談をして、杉町教授に来ていただい てお話をしていただく、現状を御説明願うという予定にさせていただいております。 ○高久部会長  今、事務局の方から異種移植の臨床研究の実施に関する見解ということで、事務局と 私の方で相談をして、9月22日付でお手元の資料にあるような文書を出しました。何か 御意見、御質問はおありでしょうか。  もしないようでしたらば、この件については、このようにさせていただきたいと思い ます。 それでは、次の報告事項として、「名古屋大学医学部附属病院における遺伝子治療臨 床研究の報告」について、これも事務局の方からよろしくお願いします。 ○事務局 資料5をごらんいただきたいと存じます。名古屋大学医学部から報告がございまし て、既に先生方の方にはファックス等で送らせていただいておったと思いますけれど も、悪性グリオーマのリポソームを用いたヒトβ型インターフェロン遺伝子治療の臨床 研究でございますけれども、9月24日の日に研究の第1例目となられた方がお亡くなり になられております。  9月24日というのは、1ページ目の中ほどよりちょっと下にございます「重大事態の 内容及びその原因」の欄を見ていただきたいのでございますが、「2.これまでの経 緯」というところをごらんいただきますと、本年の4月3日から1か月にわたって研究 を実施した。2か月半ぐらいまで良好な経過をたどった。7月8日御退院いただいたと いうような経過をたどっていっておるわけでございますが、8月に入って患者の容体が 悪くなり、9月24日にお亡くなりになられた。病理解剖は御家族の反対で承諾いただけ なかった。  名古屋大学としては、その原因というは、腫瘍による死亡であるというふうに判断を したということで、この件につきまして、資料5の3ページ目にございますとおり、本 部会の下に設けられております専門家からなるワーキンググループにおきましても、腫 瘍の進行による腫瘍死ということで議論をいただいたところでございます。  また、この臨床研究につきましては、研究計画の変更をしたいというような申し出が きておりまして、具体的には液剤から乾燥剤、あるいは凍結剤に変える、あるいは投与 量を変更する、あるいは追加治療の実施を可能とするという3点でございますけれど も、この3点についても、併せてワーキンググループ・作業委員会の中で御議論を賜っ ておりますので、その結果がまとまり次第、また、この部会に報告をしたいというふう に考えております。 以上でございます。 ○高久部会長  今、事務局の方から説明がありましたが、どなたか御質問、御意見おありでしょう か。 ○雨宮委員 結局、病理解剖できなかったということのようなんですが、非常に残念だったな思う んですけれども、これは何とかならないものなのでしょうか。やはり反対されたらだめ なんでしょうか。 ○事務局 何ともならないと思います。 ○高久部会長  非常に難しいと思います。  ほかに御質問は。  それでは、名古屋大学で行われております脳腫瘍に対する遺伝子治療研究についての 報告をこの場でお認めいただきたいと思います。  事務局の方からほかに連絡事項はありますか。 ○事務局 1点御報告をさせていただきたいと存じますが、参考資料と名打った「ヒト胚性幹細 胞を中心としたヒト胚研究に関する基本的考え方」という本年3月6日に科学技術会議 の生命倫理委員会のヒト胚研究小委員会でまとめられたものをお配りさせていただいて おりますけれども、このヒト胚性幹細胞、ヒトES細胞の取扱いについて御説明をさせ ていただきたいと思います。  これは3月6日に科学技術会議でまとめられたものでございまして、本文の1ページ をごらんいただきますと、「はじめに」というところでございますけれども、この3 ページ目に、この科学技術会議の中のクローン小委員会、ここでヒトクローンの個体産 生について禁止すべきだという報告をまとめたというのは、この部会にも前にも報告さ せていただいたわけでございますが、この小委員会においては、ヒトES細胞の樹立に ついて、あるいはヒトES細胞を用いた研究について考え方を取りまとめたということ でございます。基本的な考え方については8ページ目をごらんいただきたいんですが、 8ページ目、第2章として「ヒト胚の研究利用に関する基本的考え方」として、「1. 基本認識」、「2.ヒト胚の位置づけ」、「3.ヒト胚の研究利用に関する基本的考え 方」というふうになっておりますけれども、この3番の最後のパラグラフ、すなわち8 ページの下から4行目くらいからごらんいただきたいんでございますけれども、「ヒト の生命の萌芽として尊重されるべきという要請を考慮した上で、医療や科学技術の進展 に重要な成果を産み出すための研究の実施が必要とされる場合には、不妊治療のために 作られた体外受精卵であり廃棄されることの決定したヒト胚(余剰胚)を適切な規制の 枠組みの下で研究することが、一定の範囲で許容され得ると考えられる」。  こういう立場に立って、9ページ目の(1)から(8)、すなわち、新たに受精によるヒト 胚を作成しない、提供者による廃棄する旨の意思決定というのが、既に別のところで行 われておる、科学的な必要性と妥当性がその研究に認められるというような(1)から(8) までを基本として考え方がまとまっております。  どのようなことを考えておるかということでございます。21ページをごらんいただき たいます。まずヒトES細胞の樹立ということと、ヒトES細胞を用いた研究の2つに 分かれておりますが、ヒトES細胞を樹立する手続きといたしましては、ヒト胚の提供 というのがある。これは先ほどごらんいただいたように余剰胚を用いる。ここに樹立機 関というのがあって、樹立機関のIRBで議論をする。さらに、それの計画について国 の専門委員会で御議論をしていただく。すなわち、この部会でも御議論いただいている ような、ヒト遺伝子治療の枠組みに似たような手続きを考えておるわけでございます。  さらに研究につきましては24ページでございますが、24ページは、この樹立されたヒ トES細胞を用いて研究をするときの枠組みでございますけれども、これもほぼ同様の 枠組み、すなわち研究機関のIRB、国の専門委員会という形で検討がなされておりま して、この3月6日にまとめられました科学技術会議の小委員会のレポートを踏まえ、 現在、科学技術庁を中心に、この枠組みを遺伝子治療と同じような指針にするというこ とで検討が進められておりますので御報告をさせていただきたいと存じます。ありがと うございました。 ○高久部会長  今、参考資料について説明がありましたが、どなたか御質問、御意見おありでしょう か。  この専門委員会は、まだ具体的にはつくられてはいないんですね。 ○事務局 まだつくられておりません。 ○高久部会長  つくらないと、申請が来たときに困るのではないかと思うのですが、どなた御意見は ございますか。 ○雨宮委員  24ページのところ、「ヒトES細胞を使用する研究の手続き」という絵がかいてござ いますけれども、この下の四角の中に「研究機関」というのがあるんですが、この研究 機関というのは、国立も公立も民間も含めた研究機関という議論でされているんでしょ うか、そうじゃないんでしょうか。 ○高久部会長  これは遺伝子治療の場合と同じで、すべての研究機関だと思います。  御質問は。 ○木村委員  ちょっと関連してくるかと思うんですが、1つだけ。今日の報告の中で、精子・卵 子・胚の提供等による生殖補助医療の在り方についての報告書の御説明を一番最初のい ただいたわけですか、これについて岩尾課長が以前に、創薬との関連でヒト組織の審議 をいろいろしたときに、非常に積極的にパブリックコメントを得たことがあったんです が、今回の生殖補助医療は国民の関心が非常に大きいんですが、今までパブリックコメ ントみたいな形でやったのか、これからやるのか、それから現在この案の段階でイン ターネットかなにかに載っているのか、そこら辺の見通しについてぜひお伺いしたいと 思うんです。それに関連していいますと、専門委員会自体が公開されているのかどうか ということも含めて、これは大変な注目を浴びて、マスメディアも大変に関心のあると ころですので、岩尾課長が以前に創薬のときにおやりになられたような、ああいう形で のパブリックコメントがファックスでいっぱい来たわけですが、それはヒト組織の利用 についてのことでしたけれども、今後の方向としてそういうことも考え、もしやってい ないのだったら考えていただければというふうな提案ですけれども、関連しますのでお 伺いします。 ○事務局 担当課長が最初にお断り申し上げましたとおり、別の会議に出るために退席させていた だいておりますので、私が知っている限りで御容赦願いたいと思いますが、まず、専門 委員会はすべて公開で行われ、公開という意味は議事録でございますが、議事録はすべ て厚生省のホームページに載っております。また一般からのコメントの募集というの は、厚生省のホームページを開いたいただきますと、1番最初のページに、生殖医療に 関するコメント、何でも御自由に持ってきてくださいというようなことで、たしか数か 月以上にわたり開設されたままになっておりまして、出されたコメントについてはすべ て専門委員会の方へ出され、御審議され、それを議論した議事録がまたインターネット に載るというような一連の回転するシステムになっておるというふうに聞いておりま す。 ○木村委員  そういう資料も含めて、部会の方も、パブリックコメントはどういうのがあったかと いう簡単なまとめ、どこら辺にポイントがあってどうなったかというような、全部とい うわけにはいかないでしょうから、そういう資料を整理されたものがあれば大変ありが たいと思いますけれども、御検討いただければと思います。 ○高久部会長  それでは、事務局から次回の開催についてお知らせください。 ○事務局 どうもありがとうございました。次回の開催につきましては、ヒトゲノムの倫理指 針、この検討会の審議状況、あるいは生殖補助医療に関する専門委員会の検討状況の報 告、さらには先ほど御紹介させていただきました異種移植の問題についての御意見を聞 くという形でやらせていただきたいというふうに考えておりまして、具体的には今月の2 4日午後4時から6時という予定でございますが、この会議室で予定させていただいて おります。よろしく御協力方お願い申し上げます。ありがとうございました。 ○高久部会長  それでは、次回は24日になっていますので、よろしく御出席のほどをお願いします。  本日の厚生科学審議会先端医療技術評価部会はこれで終わらせていただきたいと思い ます。どうもありがとうございました。 (了) 問い合わせ先 厚生省大臣官房厚生科学課 担 当 野口(内線3804) 電 話 (代表)03-3503-1711 (直通)03-3595-2171