00/11/01 生殖補助医療技術に関する専門委員会(第24回)議事録                                             厚 生 科 学 審 議 会 先 端 医 療 技 術 評 価 部 会    生 殖 補 助 医 療 技 術 に 関 す る 専 門 委 員 会                ( 第 24 回 )                議   事   録        厚 生 省 児 童 家 庭 局 母 子 保 健 課            厚生科学審議会先端医療技術評価部会        生殖補助医療技術に関する専門委員会(第24回)議事次第 日 時 平成12年11月1日(水) 14:00〜17:10 場 所 厚生省共用第9会議室  1 開 会  2 議 事   (1)第三者の配偶子提供等による生殖補助医療のあり方について   (2)その他  3 閉 会 〔出席委員〕   中 谷 委員長   石井(ト)委員  石井(美)委員  高 橋 委 員 辰 巳 委 員 田 中 委 員  丸 山 委 員  矢内原 委 員 吉 村 委 員 ○小林主査  定刻になりましたので、ただいまから「第24回厚生科学審議会先端医療技術評価部 会・生殖補助医療技術に関する専門委員会」を開催します。  本日は、お忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございました。  なお、本日は加藤委員がご欠席ということでご連絡いただいております。 それでは、議事に入りたいと思います。中谷委員長、議事の進行の方をよろしくお願 いいたします。 ○中谷委員長  きょうは加藤委員を除いた皆様にご出席いただきまして、まことにありがとうござい ます。 本日の議事に入ります前に、事務局からきょうの資料の確認をお願いいたします。 ○小林主査  本日の資料を確認させていただきます。まずいつもどおり「議事次第」が1枚ござい まして、それから前回提出させていただきました「第三者の配偶子提供等による各生殖 補助医療の是非等について(案)」を、前回のご議論を踏まえて修正させていただいた もの。修正部分については、また見え消しで書いております。後ほど若干ご説明させて いただきます。あと「インターネットで寄せられたご意見」、机上配付資料として10月 3日の段階の委員会のたたき台、ということで配らせていただいております。  それと、今申し上げた資料のほかに、今、お手元の方に専門委員会の会議の日程予定 表(案)というものを配らせていただいていると思うのですが、これについてご説明さ せていただこうと思います。まだ決定ということではないのですが、最終報告に向けて 予定させていただいている案でございまして、最終報告、ここで書いてある案では12月 12日を予定しておるのですが、それまでに本日含めて5回予定しております。  今申し上げたように、12月12日に最終報告という形を考えておりまして、そのために は、その前の回になります12月5日の段階でほぼ議論を尽くしていただくことが必要だ と考えております。時間はいつもどおり3時間ということで18時までということになっ ているのですが、議論が尽きないということであれば延長をしていただいてご議論いた だければと考えております。できましたら、ここの部分なんですが、6時以降も時間を あけておいていただければと考えております。  それで26日は、仮に12日まとまらなかったとき、あるいはその下に日程調整中という ことですが、厚生科学審議会先端医療技術評価部会に対して、最終報告をするというこ となのですが、ここで何らかの意見が出た場合、もう一度開くことがあるかもしれない ということで予備日ということで書かせていただいております。 次に、この委員会が始まったときにもご説明したかと思うのですが、本委員会で報告 書を取りまとめて、その後、親部会である先端医療技術評価部会の方に報告をすること になるのですが、その報告が12月12日と12月26日の間いずれかの日でセットされるとい うことで日程調整させていただいています。  このときに、委員長をはじめとして委員の先生方に何人かご出席いただくということ になるかと思います。日程等についてはまた後ほどご連絡させていただきますが、そう いうことで考えております。  また、11月24日に先端医療技術評価部会の経過報告があるのですが、これも最終報告 を出す前に、一度委員会の中で今このような議論の状況になっていますということを報 告した方がよかろうということで報告させていただくのですが、こちらの方は事務局で 対応させていただくことで考えております。  日程については以上のとおりです。 ○母子保健課長  これはあくまでも先生方に、きょうこれからの日程をご議論いただくという前提で一 応素案としてつくらせていただいたものです。前回、先生方から年内を目途にまとめて いく方向でやったらどうかというご意見も出されておりましたし、私どもももし議論が 尽きなければ来年になることもやむを得ないと思っておるわけですけれども、来年、厚 生労働省ということになって、この委員会の組織も変わることになりますので、実態的 に議論を継続することは何らかの形では可能かと思うのですが、一応今までやってきた 厚生科学審議会医療技術先端評価部会の専門委員会としてご議論いただいた形の中で一 定の報告を出すとするならば、やはり年内に親部会まで上げて了承いただくのが形とし ては一番すっきりはするのかなというふうに思っておりまして、先日のご意向を踏まえ て、このような案を出させていただきました。 これはあくまでも先生方のご判断によるものですので、こういうことでいいのか悪い のか言っていただければと思いますし、11月24日の経過報告につきましては、厚生科学 課の方と話をして、年内にもしまとまるとすれば、部会まで上げさせてもらうことにな るだろうといった話をしたところ、いきなり部会で全くゼロからというよりは、あくま でも経過報告ということで、こちらで出した試案のようなもので、ある程度報告書の案 になっているようなものがあれば、それをもとに現在議論がなされていますというよう なものをご報告させていただいて、そして、もし何かコメントなり、あるいはこういう 意見をというのが仮にその時点で部会の先生からあれば、そういうものも、いい、悪い というよりは、こういう点はどうなんだろうというご質問なりコメントがあればいただ いて、こちらの委員会にまたご報告をして、そして3回あとございますので、そこで議 論していただくと、ある意味で、そういうインターラクションも、介入されるという意 味ではなくて、少しあった形で最終報告案の説明ができるのかなというようなことで、 こういう案を出させていただきましたので、よろしくこの点、ご審議お願いいたしたい と思います。 ○中谷委員長  ありがとうございました。やっぱりできるだけ、こちらでちゃんと練って、ご承認い ただけるようなものにしたいと思いますし、十分こちらで、ワーキンググループの先生 方も何十時間もかけてやってくださったわけですし、それを踏まえながらやっていった らいいのではないかと私は思いますけれども、やっぱり年は越したくないですよね。年 内に最終報告ができるようにしたいものだと思いますが、先生方いかがでしょうか。 ○石井(美)委員  今予定されている日程は、皆さんご出席になれるのですか。 ○小林主査  若干出席できない委員もいらっしゃるのですけれども、なるべく多くの委員の方が出 席できるような日を選んで日程を上げさせていただいております。 ○中谷委員長  第25回は何日になるわけですか。 ○小林主査  12日、次回、日曜日ということで。 ○田中委員  早く終わるんじゃないですかね。最後までいかなくて。 ○小林主査  議論がまとまれば。 ○田中委員 最後までやる必要ないでしょう。 ○小林主査 当然議論がまとまればそういうことになるかと思いますが。 ○中谷委員長 よろしいでしょうか。ほかに何かご希望なりご意見なり。 ○小林主査  そうしましたらこの日程を軸にしましてまた詳細な場所等ご連絡したいと思いますの で、よろしくお願いします。  次に、先ほどちょっと申し上げた、今回の訂正した「第三者の配偶子提供等による各 生殖補助医療の是非等について(案)」について、若干変更点を簡単にご説明させてい ただこうと思います。  まず2ページ目ですが、「提供者の条件」というところですが、前回ここをご議論い ただきまして、当初案では40歳ということになっておったのですが、40歳というより は、イギリスの例等もございますし、55歳という方が望ましいのではないかというお話 があったと思いますので、ここは「55歳」ということで、下の方に書いてある理由づけ も若干変更させていただいております。  次に4ページ以降になりますが、「第三者の精子・卵子・胚の提供における匿名性の 保持」というところですが、前回の事務局の案では、提供者の匿名の例外として、近親 者からの提供を認めないという案をご提出させていただいたわけでなんですが、それは 委員会のマジョリティではなかったのではないかという意見がございましたので、原則 としては、第三者からの提供の場合には匿名とするけれども、一定の場合には近親者か らの提供も認めるというような案で再構成させていただきました。 ○中谷委員長  近親者というのは兄弟姉妹ですか。 ○小林主査  「兄弟姉妹等の近親者」と書かせていただいております。今の案では父母も含む形で 書いておりますけれども、もしそこのところでご議論があるようであれば、変更しても よろしいのではと思いますが。 ○中谷委員長  これまでのご討議の経過では、父母は含まないということだったんじゃないですか。 兄弟姉妹まではいいけれどもという。 ○小林主査  そういうご議論もあったかと思うのですが、一応事務局の方でも、論理の流れとか整 合性というものを考えまして、父母だけを外していくというのは論理構成上どうなのか というところがございまして、今回の案ではそういうご意見があることも承知はしてお りますけれども、こういう形で提示させていただいています。ここの部分はもし父母に ついてはという議論があるのであれば、ご意見いただければと思っております。 ○中谷委員長  4ページ目ですね。「当該兄弟姉妹・父母等の近親者が」ですね。 ○小林主査  4ページ目の囲みの中が結論で、5ページ目の(2)と見出しをつけたのですけれど も、ここ以下が、兄弟姉妹の場合についてどうするかということを論理構成を書かせた いただいた部分になります。 ○母子保健課長  あと、以前のたたき台で、(案1)、(案2)、(案3)とございまして、「父母を 含む」という案を一応あったもので、ここでそういう意味で広く入れさせていただいて おりますけれども、これは先生方のご議論の中でどういうふうにしていただくか、あく までも試案ですので、お決めいただければよろしいかと思います。 ○中谷委員長  その点については、5ページの2つ目の丸、ここに理由が書いてある。これが明らか になっていますから結構だと思いますけど。これがないと何か非常に突出した、ほかの 国のあれとは違ったやり方ですので。 ○小林主査  その次ヘ参りまして7ページになりますが、ここは民法を所管している法務省の意見 も踏まえまして、血縁主義が貫徹されていない場合の例示に嫡出推定制度や認知制度と いうものをつけ加えたということでございます。  さらに11ページになりますけれども、余剰胚の提供の場合の例外ですが、従前は卵子 提供を受けることが困難な場合のみ、卵子提供を受けなければ妊娠できない夫婦も提供 された余剰胚の移植を受けることができる、としていたのですが、今回の案では、精子 提供についても、「対価の供与を禁止する」ということにしていますので、その点に関 しては、卵子提供と条件が同じであるということで、現実的な可能性については、卵子 の場合には身体的なリスクもありますので、精子は不足になるということは余り考えら れないのかもしれませんが、ここに書く規定ぶりとしては精子もイーブンに扱って書い た方が論理整合性を考えるとよかろうということで、精子についても余剰胚の提供の場 合の例外としてつけ加えさせていただいたということです。  それと、これは今回新たにつけ加えさせていただいたものなんですが、13ページ以降 になりますけれども、「出自を知る権利」ということで、前回、匿名性の議論をしてい ただいたときに、この部分についての若干議論があったということかと思いますので、 併せてこの部分もご議論いただいた方がよかろうということで、この部分についても事 務局で案を作成させていただきまして今回添付させていただきました。  資料の説明は以上でございます。 ○中谷委員長  ありがとうございました。 先生方は既にこれをごらんになり、いろんなご意見やご感想もおありだと思いますの で、随時討議に入っていただきたいと思いますけれども、議事の(1)の「第三者の配 偶子提供等による生殖補助医療のあり方について」からやっていきましょう。いかがで しょうか。辰巳委員、どうぞ。 ○辰巳委員  全体の構成のところでちょっとご提案なんですけれども、1番が「被術者の条件につ いて」、2が「提供者の条件について」、3がずっと後で「各生殖補助医療の是非等に ついて」になっておりますが、順番として「各生殖補助医療の是非について」の方が一 番最初に来るべきではないかなと思うんです。そうしないと、先に提供者の条件などの 細かいところがあって、後からこれが来たら、流れとしておかしいような気がするの で、先に。  もとのたたき台では、「被術者の条件について」が1番に来て、2番が「各生殖補助 医療の是非について」となっていたように思いますが、「各生殖補助医療の是非につい て」を1番にして、2番を「被術者の条件」、3番を「提供者の条件について」という ふうに変えていった方がよろしいと思うんですけれども。 ○中谷委員長  それでよろしいんじゃないですか。 ○小林主査  どうしてこういう順番にしたかということをご説明しますと、後ろの方で、「各生殖 補助医療の是非」を書いているのですが、その前提として、被術者の条件こういうふう にします、提供者の条件こういうふうにしますということの下に、それであれば各生殖 補助医療はこういう範囲で認められているという論理構成にしています。 ○辰巳委員  提供を認めるか認めないかわからないうちに、提供者の条件と来るのは、やはり逆な ような気がするんですけれども。 ○石井(ト)委員  対象はだれなのかということがはっきりさせるためには、これの方が私はすっきりく ると思っています。 ○辰巳委員  対象はね。 ○石井(ト)委員  対象ははっきりしますね。 ○辰巳委員  「被術者」というのは、最初に来てもいいのかなと思うんですが、「提供者の条件」 は少なくとも後に持ってくる。 ○石井(ト)委員  そうすると「被術者」は1でよくて、次がどっちに。 ○辰巳委員  3の「各生殖補助医療の是非について」。 ○石井(ト)委員  3の方を持っていらっしゃるということなんですか。 ○辰巳委員  「各生殖補助医療の是非」。 ○小林主査  たたき台の順番。 ○辰巳委員  たたき台の順番。 ○中谷委員長  これを1番にした方がいいというわけですか。 ○辰巳委員  私は3番を1番に持っていった方がいいとは思うんですけれども、1、3、2、ある いは3、1、2という順番にした方がいいと思います。少なくとも2番は、3番が出た 後に持っていくべきではないか。 ○吉村委員  私も賛成です。 ○母子保健課長  先生方のおっしゃるようにこちら変えたいと思うんですが、1点だけ補足しますと、 結局、提供者が、例えば侵襲性を伴うということで、非常に多くの人に負担をかけるの でいけないと仮にご主張があったときに、そういうものが一定の条件の下で、匿名性で あるとか、あるいは対価をもらわないとか、シェアリングの話とか、そういうことを含 めて、その範囲ならば、そういう条件であれば認めるという流れなのかなという感じ で、一応は構成してあります。今度読む側とすると、何が書いてあるんだと、何を認め てどうなんだというふうになると、おっしゃるようにどういう順番かということがあり まして、そこのところを先生方でご判断いただいて、最終的にそういう方がよろしいと いうことであれば、また、少し書き方も若干変わらざるを得ないのかなと。常に上を受 けてという形で、最後の技術に関しての展開がなされていますので、少し前の方も順番 を変えるとか、ちょっとわかりませんが、少し変わるところもあるということはお含み おきいただければと思います。 ○中谷委員長  いかがでしょうか。今、吉村委員からは、3から最初にやった方がいいという。 ○吉村委員  1は最初でもいいと思うんですけど、1の次に3が来て、「提供者の条件」に行った 方が、対価とか匿名性とか具体的なことになってきているので、普通論文からいくと、 多分1、3、2という順番ではないかと私は思うのですが。 ○中谷委員長  矢内原委員いかがですか。 ○矢内原委員  3をトップに持ってくると、少し文章を変えなければいけないのではないかというよ うな感じがしますね。 ○中谷委員長  文章は随時手直ししなければいけないようなところがありました。国語的にどう見て もおかしいというところもありましたし、それはそれで。 ○矢内原委員  「〜是非」を最初に持ってくることは構わないと思います。 ○中谷委員長  辰巳委員はいかがですか。 ○辰巳委員  1、3、2でも結構でございますが、とにかく2が3より前に来るのは、初めて読ん だ人なんかは一体何のことかわからなくなっちゃうんじゃないか。先に細かいことがず っと出てくると。と思いますので。 ○中谷委員長  石井(ト)委員は。 ○石井(ト)委員  私、まず最初から読んで気になるところを解決してから、それでもう一度見直して、 どういう順序で並べたらいいのかというのを考えたいなと思っているんです。というの は、これは理由づけをしてますから、なるほどと納得しながら読んできたんです。そう いう論理構成の下で説明していますので、また、全体的に見てから順序はどのように並 べたら一般の人が読みやすいか考えたいと思います。  これは確かに法律文章で、こう来るのかなと思ったら、逆のことがあって。その手が 多分こういう文章で必要なのかなと思ったんです。  ですから、一通り、先生が気になるところだけきょうはディスカッションしていただ いて、もう一度、文章の流れが一般の人がわかるようにするのに持っていくのか、それ ともこのように論理的にしっかりと矛盾が突かれないような形で持っていくのかによっ て、並べ方が多少変わってもいたし方ないのかなと思っていますので、今は決定できま せん。 ○中谷委員長  石井(美)委員はいかがですか。 ○石井(美)委員  私もトク先生のおっしゃったように、まだ、行える機関とかそういう事柄にもかかわ ってくると思いますので、どこに何を並べたらいいかというのは、もう少し最終的に検 討する必要性はあるだろうと思うんですね。今の時点では、辰巳先生のおっしゃるこ と、私も1、3、2の方かいいのではないかとは思っています。ただ、1について、こ の前、加藤先生が、言葉がこれはよくないという。 ○小林主査  「被術者」という表現ですね。 ○石井(美)委員  ありましたですよね。 ○小林主査  これは確かに変えてもという、ちょっと長くなるかなと思いますが。 ○石井(美)委員  いきなりこれが出てくると、確かに普通の人は何でしょうかと思う気がしました。 ○小林主査  「被術者」という言葉も変えた方が、ちょっと長くなるかもしれませんけれども。 ○中谷委員長  最初から読み上げていっていただいて、皆さんにご意見をいただきますか。それから 内容を確認して、それから順番を考えるとかというふうにしますか。 ○石井(美)委員  ただ、論点で整理できてないところを、特にきょう変えて出されたところを検討した 方がよろしいのではないでしょうか。 ○小林主査  匿名性のところと出自のところとなりますでしょうか。 ○中谷委員長  何ページになりますか。 ○小林主査  匿名性のところは4ページに結論がございまして、下線分のところが前回のご議論を 踏まえて修正させていただいたところです。匿名性の原則の例外として、近親者につい て認める場合を書いたものです。その理由が5ページの(2)のところになります。 ○吉村委員  皆さん読まれて疑問点あるのではないですか、ないですか。 ○石井(美)委員  これについて。 ○吉村委員  私はいっぱいあったんです。 ○矢内原委員  法律のところは本当にわかりにくかったですね。 ○吉村委員  私が初めに。この前の議論では、4ページの 3なんですが、この書き方だと、「第三 者が精子・卵子・胚を提供する場合には匿名とする」。その次に、また同じように丸で このことが書いてあると、第三者が提供するときは匿名であるよと。そうじゃない場合 はそうじゃないよという意味にこれは完全にとれると思うんですね。  この前の議論では、例外があったならそうするということだったと思うんですね。と いうことは、これは全く並列にAとBというものが並んでいるような感じがしますね。 この辺の書き方が、私はこの前の話し合いではこういうふうなことではなかったのでは ないか。内容を読んでみると、確かに書いてある。解説のところではですね。私はその 辺が一番問題点ではないかなと思いました。  もう一個は、丸2の最後のフレーズですけど、「生殖補助医療を行った者は」と書い てありますね。これは「行う者は」と。 ○中谷委員長  すいません、何ページですか。 ○吉村委員  4ページの「匿名性の保持」のところに括弧内に。 ○中谷委員長  一番下、(2)というのは。 ○吉村委員  四角で括ってありますね。その四角で括ってあるところの「兄弟姉妹・父母等の近親 者から提供された精子・卵子・胚を用いた生殖補助医療を行った者は」ということは、 行ってから報告をしなさいと。これも「行った」という表現は、そういう話は出てこな かったのではないか。行う前にやるべきだというような私は理解だった。2つがこうい うふうに長々と書いてあるのですが、丸が1個だけの場合には匿名とするということで あるならば、これは匿名となっていいのだなという感じはもちろんするのですが、丸が 2つになったことによって、第三者の匿名とする場合にはとなると、そういった場合に はそうで、こういった場合にはそうではありませんよという、そういった表記になって くると、匿名性の保持というものが、原則として匿名という意味は伝わってこないとい うふうに私は感じたんです。 ○辰巳委員   3の(1)と(2)という分け方ですけれども、「第三者の精子・卵子・胚の提供に おける匿名性の保持」の中に、兄弟姉妹・父母等の近親者からの精子・卵子・胚の提供 が入っておりますけれども、これは重なっている部分もある。しかし、かなり違う部分 もあるので、 3を「第三者の精子・卵子・胚の提供における匿名性の保持」で、 4を兄 弟姉妹・父母等の近親者からの精子・卵子・胚の提供として分けて話をした方がいいの ではないでしょうか。匿名性で括るというよりも、もっと本質的に違う問題のような気 がするんです。 ○中谷委員長  一般的に言うと匿名性というのが原則であると。それに対して近親者からの提供とい うのは例外的にこういう場合も認めようということですよね。 ○小林主査  そうですね。匿名性の原則があって、その例外の場合になってしまうので、あえて、 ここで議論させていただいたという趣旨です。 ○辰巳委員  でも、これは提供者等の条件の中の1つのカテゴリーですから、その1つとして匿名 性、また別の1つとして近親者というのを持ってきた方が話はすっきりするのではない でしょうか。 ○中谷委員長  田中委員、いかがですか。 ○田中委員  吉村先生がおっしゃったように、匿名性という定義を前回決めましたね。近親者から もらった場合には匿名とにはならないということは自明のこととなります、その時点 で。ですからそれをどうとらえるかが問題となります。夫婦にとっては匿名とならない わけですから、それが非常に重要なことであるならば、質的に違うものとして取り扱っ てはどうでしょうか。ただ、匿名にはならないんだよということで片づけられるのであ れば、それはそれで私はいいと思うんです。  私の印象では、近親者からもらうことは、非常に悪い事をしているようにとられてい ると感じるのですが。罪悪感というか。そうではなくて、提供は提供、近親者も全部含 めて第三者ドネーションと。ただ近親者の場合には匿名性とはなりませんよ、とはでき ないでしょうか。ただ、法律的とか優生学的に考えて近親者はよくないのだという立場 でとらえるならば、別個としてとらえた方がいいかもしれませんけれど、その辺はどう でしょうか。私はさらっと書いていいような気がするんですね。 ○中谷委員長  丸山委員はどうお考えですか。 ○丸山委員  まず、先ほどご意見が出ましたが、匿名性の問題と、提供者としてだれを認めるかと いうのを分けて書いていただいた方がよろしいかと。 ○中谷委員長  先ほどの辰巳委員のお考えに近いわけですか、3と 4に分ける。 ○丸山委員  そうですね、むしろ提供者としてだれを認めるかが先ではないかと思うんですけれ ど。その後で匿名性の問題かもしれないですね。 ○中谷委員長  高橋委員、いかがですか。 ○高橋委員  辰巳委員の意見に大体賛成ですが、ただ、記載の仕方をもう少し変えた方がいいので はないかと思います。具体的に言いますと、第三者の配偶子・胚を提供する場合は匿名 が原則ですね。ただし例外的な場合として、第三者からの提供がない場合は近親者を認 める、というのを1つ段を下げたような形で記載してはどうかなと思います。 ○中谷委員長  補充の原則みたいなものですね。 ○高橋委員  ええ。 ○中谷委員長  石井(ト)委員、何か。 ○石井(ト)委員  別のことでよろしいですか。 ○中谷委員長  今、この議論をしていますので。 ○石井(ト)委員  議論と関連しますが、近親者に対してのみ十分な説明・カウンセリングが必要だと か、公的な管理運営機関に報告と言っておりますが、近親者だけでなくて、第三者の精 子・卵子・胚のことに関してすべてひっくるめて、事前の説明・カウンセリングが絶対 的条件になるし、すべて登録し、実施、報告する、そういうシステムになるのではない かと思っています。 ○小林主査  その部分なんですが、今回はこの範疇の部分だけ説明・カウンセリングも書かせてい ただいたんですけど、全体的な部分は別途ほかの部分で、全体的に書かせていただきま すので、これに限られるという趣旨で書いたわけではございません。 ○中谷委員長  少なくとも原則的なことは事後の報告でもいいかもしれないけれども、例外的な場合 については事前に少なくとも許可を得るとか何かそういうことは必要になってくる。そ れはまた別の段階で考えることだと思います。 ○母子保健課長  先生方のご意見が分かれている中で、どういうのが1つのコンセンサスというと変で すけれども、論理性も含めて流れるのかということで、前回同様かなり小林の方も苦労 しながら、これをつくったわけです。考え方の論理展開として、つまり、先生方が言わ れている流れでは匿名性を担保するということは原則なんだと。近親者について、しか し、こういう意見があるというのがあって、その意見というのはやはりなかなか認めが たい部分があるのではないかと。しかし完全に否定するかといえば、そうではなくて、 やはりこういう観点から認められるケースもあって、そのときには、こういうことを徹 底させてやりなさいと、こういうまず流れになっておるわけですね。  そういう流れそのものが、1つ先生方の、全体の細部をどうやるかは別としまして、 今までのご議論の中で、ある程度全体として、そういう形での流れで、ある程度の意見 集約というのは可能なのかどうかというのが1点でございます。  もう一点、事務局の立場でご説明させていただくと、先ほど吉村先生言われた「行っ た者は」と過去形にしてあるのは、これは前回の先生方で「事前審査」ということを言 われたのを私ども承知しておりまして、それを事務局で考えた中で、事前審査というの が技術的に、あるいは今度制度としてのせたときになじむのかどうだろうかということ を実は勘案させていただいて、ここは「行った者」ということで、事後審査といいまし ょうか、その形にあえてさせていただいた案でございます。  前回事前審査というご議論いただきましたので、それでどうしてもやる前提で考えろ ということであれば、当然それでまた直していくことになるだろうと思いますが、な ぜ、こうしたかということは、個々の事例について、果たして事前に個別医療機関がカ ウンセリングをして、その方から聞いている話を今度はメモにして書いたものをどこか で審査を事前にやることが、現実的に本当にうまくいくのだろうかという点がよくわか らなかったということです。認定機関がやるとすれば、そこはイギリスの例でいけば、 定期的にチェックがかかりますので、そのときにどういう形でやっているかというのは 当然届け出が中央の管理機関の方に来ますので、カウンセリングがちゃんと行われて、 状況をきちんと判断した上でやったかどうかということの判定は、ある程度施設のチェ ックということでできるのかなと思いました。そういう意味から多少現実性も勘案した 案にここはあえてさせていただいております。ここのところはご異論も当然あるだろう と思いますので、それでは緩いということであれば、そのようにご判断をいただければ 修正させていただきます。 ○中谷委員長  近親者からのドネーションを認めるというのは、現実に部分的には行われていても、 それを法の規定やガイドラインに明確に打ち出すのは日本が初めてですよね。だから、 それだけに慎重にやってほしいと私は願うわけです。ですから、それについて、どうし てそういうふうになったかという事情を今度は盛り込んでありましたから、私はそれで よかったとは思いますけれども、要するに法的にそれを明確に打ち出すというのは日本 が最初であるということだけは、先生方お考えいただいて、慎重な表現にしていただき たいというふうに願っております。 ○母子保健課長  吉村先生、ご指摘の第三者ということが、いわゆる近親者は含まないという話になっ ていくのではという点についてですが、これはこういう書き方になって、そういうニュ アンスであれば、表現は先生方のご判断で変えていただければいいのではないかと考え ております。つまり第三者というのが、そういうものを外したものといったことでしか とれないということであれば、文言上の話はわかりやすくすることは可能なのかと思っ ております。以上の点、含めて再度ご議論いただければと思います。 ○石井(ト)委員  兄弟姉妹・父母というところ、父母はかなり異論があったような気がするんですね。 ○中谷委員長  初めは含まないということでしたからね。 ○石井(ト)委員  だからそこも確認した方がよろしいかと思うのですけれども。もし認めたとしても父 母・兄弟。 ○中谷委員長  それは結局いいということになった。 ○石井(ト)委員  なってなかったです。 ○吉村委員  なってないですね。 ○中谷委員長  なってなかったですかね。 ○石井(美)委員  まだ意見は分かれていますね。 ○矢内原委員  年齢的なことで父母はあり得ない。55歳の精子だけですよね。 ○石井(美)委員  ただ、55歳に引上げになりましたから。 ○吉村委員  55歳未満ということになったから、父親もあり得ますよ。 ○矢内原委員  そこだけでしょう、卵子はないでしょう。 ○中谷委員長  母親の場合は35歳。 ○吉村委員  母親は物理的に無理だと思いますけど。 ○辰巳委員  17歳・17歳であり得るかもしれません。 ○矢内原委員  今、委員長おっしゃったこと非常に重要なことだと思うんですね。要するに血縁主義 的なことというのを法律にうたったものはないんですか、どこにも。日本の法律もない し外国にもなし。 ○吉村委員  ないでしょう。 ○矢内原委員  それからもう一つは、私もこういうことをやるときに、次にどういうステップで運営 されていくのかなと思ってしまうんですけれども、実際に事前の協議で行うという場合 に本当に協議ができるかなと。事後になってしまったら、全くコントロールする意味が ない。成功して、それでできてしまったものを、こういうことでやりましたと。一体そ ういう要望者がどのくらいいるか、今調査をしているところなんですけれども、ある意 味で「匿名性」ということと「第三者の提供」ということを第一に認めてしまったと。 だけど例外的にそのすべてがひっくり返るわけですね。匿名性も第三者でないというこ とも、それを同時に並べるということに対して、私は親族も匿名でないということも反 対ですから、ですから「ただし」以降はなくてもいい、全部禁止したいぐらいなんです けれども、「ただし」以降、現実問題となったときに提供者が多分私はないと思うと、 この兄弟姉妹になってしまって、「ただし」以降の例外的なことだけがどんどん実行さ れていくようになってしまうというように思いますね。  それと機構的に、将来そういうものを運営していくときには大変苦労するというか、 よほどうまい運営機構を考えないといけない。将来のことの、後で出てくる子どもの出 自を知る権利や記録の保存ということを考えたら、これは一民間機構には任せられな い。ですから国家機構になりますね。そうすると国家の説明の中に、一番最初に質問し たのは、そういう血族主義だとか血縁主義なんていうのを、今の時代に日本国家・国民 が出していいのかどうか。これは大きな問題になるのではないでしょうか。 ○中谷委員長  その説明がなければ、普通ほかにはちょっと理解しにくいと思いますよ。 ○矢内原委員  逆に言えば、それを認めるだけでは世界にそれをアナウンスするだけでなくて、そう いう国なんだと、日本は。 ○中谷委員長  そうです。 ○矢内原委員  そうなんですか。そこのところがわからない。 ○中谷委員長  だから、そういうことなんだということで私はしようがないと思ったわけですよね。 私自身は先生と同じで、こういうのは反対だったもので。田中委員、どうぞ。 ○田中委員  私の言いたいことは、ここに書いてあることとは少し異なります。私は「血縁主義」 ということは余り主張してないんですよ。私の強くお願いしたいことは、このインター ネットにも出てますが、夫の血が流れてほしいということなんです。決して第何代目の 長男だとかそういう、家を大事にしたいという方は非常に少ないんです。夫の血が流れ た子どもが欲しい。ここなんです、患者さんが一番強く希望されるのは。  そのときに兄弟かお父さんどちらかをする場合には、私はお父さんを勧めると言った ので、決して大上段に書いてある「血縁主義」ということは私は強くは言っておりませ んので、できるならここは書き換えてほしいと思います。あくまでも夫の血の流れた、 血という言葉は同じになっちゃうので、夫の遺伝子(DNA)ですか、遺伝的なつなが りですよね。夫婦というのは、遺伝的なつながりが子どもになるわけですから、あくま でも一部分で夫の遺伝的つながりが欲しいという気持ちを大事にしたいということにし ていただきたい。 ○中谷委員長  そうしますと顕微授精もだめという場合ですか。 ○田中委員  えっ? ○中谷委員長  顕微授精、夫の血というのであれば。夫の方に問題があるとすれば、顕微授精の方が 可能性が出てきますよね。 ○田中委員  自分の夫が全く精子がだめで、顕微もできないような場合に、全く匿名の第三者から もらうよりも、要するにお父さんとか、男兄弟だと半分流れるわけですね、DNAが。 だから夫とのつながりを持ちたいという気持ちを無にしたくないというのが私の趣旨な んで、あくまでも。 ○矢内原委員  それが血縁主義なんですけど、同じように卵子の場合も先生そう思われますか。卵子 の場合も、自分が惚れた女房と結婚して、その人が卵子がなかった場合に、その姉妹と いうこと、それは手に入れやすいからですか、それとも姉妹も女房と同じように愛して いるんですか。 ○田中委員  私の経験からいくと、卵子は余り多くないんですけど、ちょっと違うと思います。 ○矢内原委員  やはり違いますか。 ○中谷委員長  やっぱり家なんですね。 ○田中委員  卵子はやっぱり手に入りやすいというのが一番大きいと思いますね。 ○矢内原委員  私はそれはすごくよくわかりますけど、女性側からすごく反対を受けるのではないか と思います。だからひっくるめてやった場合、ひっくるめないと血縁の話としては解決 していかないように思います。納得できない。 ○田中委員  先生、もう一つ言わせてください。私はどうして血縁者がこういうふうに問題になる かが理解できないんですよ。諸外国、今、委員長がおっしゃいましたように、初めてだ ということは、逆に言うと諸外国では全く問題にしていないのではないでしょうか。要 するにドネーションとドナーという枠の中の一つが近親者であり、それがたまたま兄弟 姉妹であって、その場合には匿名性が守られないというだけであえてこういうふうに分 けて考えるのは逆に日本だけじゃないですか。ということは、逆に日本でどうして、こ れをこれだけ差別して考えなければいけないのか。普通にドネーションということで、 先ほど言いましたように、肉親からもらった場合にいろんな意味で弊害があるなら、例 えば今までこういう事例がありましたと。肉親からもらって、こういう弊害があって、 これは医学的にも優生学上も問題であるというのであれば、私は考えますけど、そうい う事例がない、経験がない以上、どうして第三者、要するに肉親の提供というものを分 けて特別に考えなければいけないか、そこがはっきり言ってまだわからないんですよ。 ○石井(美)委員  2点あると思います。1つは匿名原則に反するわけですね。匿名原則をうたったわけ ですから、明らかに匿名原則が保てないということが1点。  2点目は、やっぱり日本の特殊性というか、儒教の先生がおっしゃったように、血を つなげるということを意識して、子孫を残す、子どもを持つということについて、我が 国ではそれがずっと重みを持ってきたわけですね。その背景があって、まさしく血縁主 義のために子どもを持つということが社会的半強制的な状況というものはいまだあると いろんなところで言われているわけですから、そういうことに利用されるということに 対する危惧を持っているから特別に考えなくてはいけないのではないか。その2点だと 思います。 ○田中委員  後者は余り一般性がないような気がしますけれどもね。 ○矢内原委員  先生の話を延長しますと、要するにAさんとBさんが結婚しますね。結婚式のときに ご親族になりましたと言いますね。つまりそれが一族になるわけです。要するに一族で 子どもをつくっている思想ということが優先していくというふうに思いますね。そうい うふうにとられる。 ○田中委員  とられる。 ○矢内原委員  とられる。 ○中谷委員長  非常にある意味では正直なんですよね。イギリスなんかでも事実上は兄弟姉妹からの 提供もあるというふうに言ってますでしょう。だから、そういうことをうたわないでや っているわけですから、日本ではきちんとそれを規定しようというわけだから正直なん ですよね。 ○石井(ト)委員  そのようにイギリスは書いていませんでした。 ○高橋委員  イギリス。 ○石井(ト)委員  ええ。 ○田中委員  書いてない。 ○石井(ト)委員  親族、書いてませんでした。だけど半分ぐらいはそうだと言ってましたね。 ○中谷委員長  半分とは言わないけれども。 ○石井(ト)委員  精子の方はだんだん少なくなってきている、提供者の匿名の問題から。 ○吉村委員  半分ぐらい。 ○高橋委員  イギリスでは兄弟やいとこを連れてきてそこで提供を受けている例がある、と書いて ます。日本だけでなしに、イギリスでも実際に行われているのです。 ○中谷委員長  実際に行われているわけですよ。ただ、それをうたってないというだけです。 ○高橋委員  文章に入れるか入れないかなんですよ。 ○中谷委員長  それを特別に規定しようというのは非常に正直なんですよ、ある意味では。そこまで しなくても事情上それが可能ならばいいというふうに考えるかどうかですよね。 ○矢内原委員  田中先生、このポリシーのずっと流れてきた中に、1つ幾つかの基本原則をしました よね。夫婦に限るとしてますでしょう。それは日本の子どもの福祉を考えたときに、夫 婦というものがこういう技術を使ってまで子どもをつくろうとしているんだから、そこ に夫婦というものを出していますね。それはノルウェーのこの間の王様の話じゃありま せんけれども、戸籍の問題を考えたときに夫婦じゃない人が子どもを持つということは 日本ではまだ一般的じゃないですよね。そういう社会にこういうものをぱっと夫婦じゃ なきゃいけないと言っているのに、これを追い打ちをかけるみたいにして、今度一族と いう考え方になってしまうというところが私は怖いんです。 ○田中委員  一族とすぐおっしゃいますが、私は一族ということは余り気にしてないんですよ。あ くまでも夫の。 ○矢内原委員  だれでもいいだろうと。 ○田中委員  いやいや、そうじゃないんですよ、先生。実際はこういう患者さん少ないんですよ。 マイノリティーなんです。 ○吉村委員  先生のおっしゃることは、私も日本人ですし非常によくわかります。 ○矢内原委員  同じことを私たちも考えています。 ○吉村委員  私もそう思うんです。しかし、これを実際に許可されて、条件を満たした場合に必ず ただし書きしかないんです。ただし書きしか行われないと思います。特例と認めている ただし書きしか私はないと思う。卵子を提供してくれる人なんていやしません。これは 初めからわかっていることです。 ○田中委員  そうですね。 ○中谷委員長  シェアリングの場合に。 ○吉村委員  シェアリングもあるかもしれませんけど、多分日本の人はいないと思います。 ○田中委員  私もそう思います。 ○吉村委員  アメリカではいろんなものを読んでみましたけど、きょうも出てましたが、“ファイ ナンシャル・インセンティブ・イン・リクルートメント”これを私は読んでみた。8月 号の倫理委員会から出ているものを読んだんですけれども、これは日本でやる場合には ただし以下しかないんですよ。特例がすべてなんですよ。といった場合に、これをこう いうふうにして認めてしまうということは特例でしかできなくなるわけです。 ○丸山委員  そのただし書きしかできないというのは。 ○吉村委員  またもとに戻っちゃうんですけど、だから、このただし書きだけはちゃんと真剣に考 えて、どういうような形で書いていくかということは、私は非常に大切だと思うんです ね。完全に「第三者が精子・卵子、胚を提供する場合には匿名とする」、これは有名無 実になってしまうと思いますよ。 ○石井(美)委員  精子は残る。 ○吉村委員  精子は残るかもしれませんけど。 ○石井(美)委員  胚も残ります。 ○石井(美)委員  胚も残るかどうかそれはわかりませんが、卵子に関しては有名無実。そうなってくる と、この書き方を非常に考えていかないと、卵子に関しては姉妹からもらうしかないで すよ。 ○田中委員  一番多いでしょうね。 ○矢内原委員  精子は私はわかるんです。夫婦ということは、あくまで法律上の夫婦ですよね。その 妹からもらうと。もし離婚が成立したときには他人と同じとなりますね。そうすると第 三者の他人のものが匿名ではなくなるわけです。だから、得やすいというだけでは私は 理由にはならないように思いますね。多分そういう形でなければ、むしろ親友の方がも っと来るかもわかりませんし、兄弟姉妹がない人は、逆に初めから差が出たスタートに なる。 ○中谷委員長  矢内原委員、今の核心とちょっとずれますが、先生は法律婚でなければだめだとお考 えになっていらっしゃるわけですね。 ○矢内原委員  今の日本では法律婚、そういうふうに決まりましたから。 ○石井(美)委員  決まりましたよね。 ○矢内原委員  それをもとにして話をしています。 ○中谷委員長  それにご意見はないんですね、皆さん。私は別にシングルマザーでもいいし、スザン ヌ・マッカーシーさんに言わせると同性愛でもいいのだとおっしゃっていましたけど、 商業主義に至らなければ、それは構わないと思いますけれどもね。例えば事実上の夫婦 というのは住民票やなんかで確認はできますよね。きのう、きょう愛し合うようになっ たというのではだめだけれども、ある一定の証明があれば、それでも構わないと思いま すけれども、皆さん割合にあれですね。 ○高橋委員  私も先生の意見と同じで、シングルマザーでも同棲者でも正式に戸籍に入ってなくて も、将来は必ずそういうような時代が来るかもしれないので、外国でも一部認めている のであれば日本でもそういうものを余り規制する必要はないと思います。 ○中谷委員長  私もそういうふうに思うんですね。 ○高橋委員  規制するとか禁止とか。 ○矢内原委員  ホモとかレズビアン同士というものもカップルと認めて。 ○中谷委員長  カウンセラーの問題が非常に重要になりますね。 ○矢内原委員  将来的に日本もそういうふうになっていくということに関して。 ○田中委員  次の次のジェネレーションでは。 ○高橋委員  それは本当に例外的な少数だと思うんです。将来は同棲という型が増えるかもしれな い。シングルも増えるかもしれない。ですので、正式に婚姻している方々以外はいけな いという禁止条項はつける必要がないという意見です。 ○中谷委員長  私もそう思いますね。 ○矢内原委員  今の戸籍法みたいなものをそのまま置いておいてもそうなんですか。戸籍のない外国 たくさんありますでしょう。 ○石井(ト)委員  私は最初の皆さんの同意と同じように、法律婚で出発したいと思っています。という のは、今の日本の民法はやっぱり結婚してなければ子どもは保護されてないわけですよ ね。生まれた子どもの福祉と考えたからには。結婚した夫婦でもって、初めて子どもの 福祉が保障されているのであって、今みたいな、もちろんそういう考え方も知ってます けど、私たちの委員会はあくまでも子どもの福祉を考えたらば、今の日本の民法を考え たらばやはり法律婚じゃないでしょうか。 ○吉村委員  通常の体外受精、これは結婚している必要はないと思います、別に事実婚であって も。だからパートナー同士が、一緒に同棲している人が体外受精して子どもをつくりた いと言ったらこれはいいと思うんですけど。ただ、それではない人からまた配偶子をも らう場合には法律婚でないと困ると。これは複雑になってしまいますから。  だから京都大学が昔なさったように、事実婚であって、体外受精は認めてもいいと、 私は思います。 ○中谷委員長  内縁を認めていい。 ○吉村委員  内縁を認めてもいいと、それはいいと思うんです。 ○中谷委員長  昭和60年代ですよね。 ○吉村委員  そうそう、それはいいと思うんですけど。 ○矢内原委員  ドネーションするほどまで頑張るならば、結婚ぐらいしなさい。 ○吉村委員  結婚ぐらいしなさい。 ○矢内原委員  まさにそう言っていた。 ○石井(美)委員  もとに戻しませんか。 ○高橋委員  戻しましょう。 ○石井(美)委員  一応、ただし書きにするかどうかというのは意見のあるところだと思いますけれど も、匿名性の問題だけではないので、辰巳先生がおっしゃったように、ここのところ を、最終的案でどうするかは別として、項目として1つ取り上げてきちんと議論を詰め て答えを出してという形にした方がいいのではないかと思うんですけど。 ○高橋委員  賛成です。 ○中谷委員長   3は「匿名性の保持」ということだけで、ただし書きは別途。 ○石井(美)委員  別途。血縁者の問題をどうするかということについて、ここでの委員会の結論をきち んと出すということをした方がいいのではないかという気がするんです。○中谷委員長  そっちが明快ですね、少なくとも。 ○小林主査   3は、1つ目の囲みの中の丸だけにして、これとは別に分けて、今(2)としている 部分について、結論も理由も別途、 4にするんですかね。 ○石井(美)委員  多分1、3、2という形の構成で書いていくとまた違ってくる可能性も出てきますよ ね。先ほどのね。それで、課長さんの説明はわかったんですが、私は吉村先生がおっし ゃったように、先週ほぼ多くの人が賛成された事前審査制を何とか実現した方がいいの ではないか。やっぱり持っている問題性を考えると、それが実際は多数になるという片 方の意見と、実際はそんなにないという田中先生の意見とあるわけですけれども、症例 からいったら、どうしても提供精子・提供卵子でやらなければいけないという人の数そ のものが少ないというふうにこの間の話では前提されていると記憶しますので、事前審 査制というものもとれるのではないか。それだけ慎重な手続、要するに提供する当事者 ももらう当事者も時間をかけて決定するというためにも事前審査の方がいい。事後では 結局今の産婦人科学会のはすべて報告制なわけですが、報告ということでは生まれた子 どもはどうしようもないわけですから。 ○中谷委員長  そうするとどうしても許認可機関という独立の機関をつくらなければならないと。許 認可機関とさらにこの間のブリティッシュ・カウンシルみたいに、さらに行政機関とし ての何かも出てくるということなんでしょうか、どうでしょうか。 ○石井(美)委員  審査手続そのものはどの程度厳格になるかというのは、当初はひどく厳格なのがルー チン化して問題なくなれば、書類審査も簡単に済むという方法になるのかもしれません し、逆にもっともっと厳格な手続というものが求められるのかというのはやってみない とわからないことなのではないか。 ○中谷委員長  それは許認可機関でライセンスを与えるときの条件にすればいいわけで、一定の条件 を満たすということが必要で、それにはカウンセリングがどうしても必要でといういろ いろな宿題は残りますけれども、でも構想としてはそういうふうになるのだろうと思い ます。 ○石井(美)委員  提供者がいないという場合も、そこの施設にはいないかもしれないけど、ほかで得ら れる可能性があるとか、そういう可能性もないわけでもないと思いますので、一機関だ けの判断でするということにしない方がいいのではないかと思うんです。そして、後で することになると思うんですけれども、出自を知る権利などの方でかなり知られるとい うことの問題性を強調しているわけですよね。それでいながら、兄弟姉妹等々について は認めるということを簡単に言っていいのだろうかという気がするんですよね。  そして規定の仕方としては、「父母等の近親者」というあいまいな言い方になってい て、近親者というと相当広い。 ○丸山委員  「兄弟姉妹・父母等の近親者」。 ○石井(美)委員  でも「等の近親者」。 ○中谷委員長  「兄弟姉妹・父母等の近親者」。 ○丸山委員  ここでも最大限兄弟姉妹に限っていたんじゃないですか。 ○石井(美)委員  いや、親を。 ○丸山委員  親もですか。 ○田中委員  父親。 ○中谷委員長  姻族は含まない。 ○高橋委員  「兄弟姉妹等」で、解釈の仕様では「近親者」とも受け取れますし、親も含むという ように考える方もいるかもしれません。やはり法律はある程度の幅を持たせて、解釈に よってはこういう場合も違法ではないのだというようなとり方をさせてもよろしいので はないでしょうか。 ○小林主査  何でこういうあいまいな書き方をしたかというと、確かにこの委員会で議論されたの は、基本的には兄弟姉妹と父母だけだと思うんですが、血縁主義ということを、後ろの 方で例外として認めていいという理由の事の起こりみたいなことを書いてまして、そう なると、例えばいとことか、そういう人も血縁主義という意味では入ってくると思うん です。何でいとこはだめなんだと言われたときに、この理屈がなければ、やっぱりそこ の範疇に入れていかなくちゃいけないのではないかというところでなかなか理屈が立ち にくいと思います。 ○中谷委員長  いとこは結婚はできますから。 ○田中委員  できますね。 ○中谷委員長  四親等になりますね。 ○丸山委員  先ほど田中先生のおっしゃった最初のところになるんですけれども、私も兄弟姉妹等 から配偶子をもらうのは血縁主義ではないというふうに思うんですね。仮に血縁主義で あるとしても、それはカップルの中での血縁主義であって……。 ○中谷委員長  何ですか。 ○丸山委員  カップル、依頼人・被術者、夫婦の中での内なる血縁主義であって、血縁主義という と、今もご発言ありましたけれども、血族と血族で子どもをつくるというふうなとらえ 方もされるんですね。そういう意味での血縁主義では、私は決してないと思うんです ね。依頼人・被術者の一方、亭主だったら、亭主の方の遺伝子の何らかのものが共通し ている、そういう配偶子をもらいたいという、その場合でしたら女性側ですね。女性側 の希望だろうと思うので、それを血縁主義と呼んでもいいのですが、ここで兄弟姉妹・ 父母等からのドネーションを認めてもらいたいという血縁主義は、家族対家族で子ども をつくりたいという血縁主義とは性格が違うと思いますね。 ○中谷委員長  家族対家族の血縁なんていうのは考えますか。 ○丸山委員  今、矢内原先生のおっしゃった、血族と血族で子どもをつくる。だから、亭主がだめ なら弟さんという考えを言っているのですが。 ○矢内原委員  そういうふうにならないと言っているんです。 ○丸山委員  その点は私はなるのではないかと思うんですが。 ○矢内原委員  だから父親の方だけにそういう血の流れというものを入れて、しょせん戸籍上で親族 になった、全くの他人が匿名でなくなるということは、第三者の提供が匿名でなくなる のと同じではないですかということ。 ○丸山委員  離婚した場合ですね。 ○矢内原委員  離婚してしまう。だけど、そういう危険は裏腹にあるわけですから。 ○吉村委員  ただ、この血縁主義ということに対して最も関係があるのは、父親の精子だけです。 あと、ほかの卵子に関しては、もらいやすいからというだけです。この兄弟姉妹を認め るということは、ただ単にそれだけのことです。それ以外の理由は何もつける必要はな いんですよ。血縁主義というのは、父親の遺伝子をもらうということです。 ○矢内原委員  その裏腹にもらえなかったときの恨みは強くなる。 ○丸山委員  それは移植のときも言われることですけれども。 ○田中委員  それは多分ないと思いますよ。妹と姉さんに「何でくれない」なんていう人は私はい ないと思うけどね。 ○矢内原委員  「あげないわ」って、このごろの子だったら言うかも。 ○石井(美)委員  この間、女子学生に聞いたら、もらうと一生負い目を負うことになるから姉妹間はや めた方がいいんじゃないか。自分が不妊手術をやっていると、そのつらさというのはよ くわかるから、それをもらったということの負い目を一生負うことになるから。 ○田中委員  その学生は独身でしょう。やっぱり結婚すると違いますよ。 ○矢内原委員  まだ親友なんかの方がいいかもわからない。同じように負い目を負うのでもね。 ○吉村委員  でももらった方はそれほど感じないと思いますね。私はあげた方だと思いますよ。や っぱり与えた方の人が、あれは私の卵子なんだ、私の子なんだと。もらった方は、子ど もできて、うれしくてうれしくてという感じですよね。カウンセリングが必要なのはあ げた方ですよ。何かにつけて、その子どもが成長していく過程で、よくなるにしろ悪く なるにしろ、悪くなったら私のせいじゃないかと、よくなったら……。 ○矢内原委員  やっぱり私のせいだと。 ○吉村委員  そういうことですよね。 ○石井(美)委員  「血縁主義」という言葉を。 ○吉村委員  でも、これは親子の血のつながりを重視する血縁主義的が根強く存在しているという のが事実ですし……。 ○田中委員  それも事実だけど、それはあくまでも私が主張したのは一部で、やっぱり夫とのかか わり合い、つながりを持ちたいというのが圧倒的に多いと思うんですよ。 ○石井(美)委員  血縁主義を認めて、ここでそれを認めるわけではないということですよね。これを例 外的に認める理由は。 ○吉村委員  そうですね。 ○丸山委員  ここの案では、血縁主義が根源にあるという書き方なんですね。 ○田中委員  だから、ここの文章を少し変えてほしいんです。血縁主義が唯一の、血族からもらう 理由みたいになっているので、あくまでも夫とのかかわり合いを持ちたいと、夫婦間の つながりを持ちたいというのが。 ○中谷委員長  それは血縁主義じゃないんですか。 ○田中委員  だから、そういうふうに全部とられると、先ほど言った家と家とのああいうふうにな るので。 ○石井(美)委員  限定するんですね。「〜等の近親者」みたいに無限に広げる可能性はないと。 ○田中委員  一番いいのは、インターネットの一番最後に来ていますよね。さっき読んだんですけ ど、この方の意見よくわかると思うんですよ。インターネットに書いてありましたよ ね。 ○吉村委員  書いてありますね。 ○矢内原委員  自分の主人の精子の入ったあれが欲しいというんですね。だから卵の提供を認めてほ しい。 ○田中委員  「夫の血を受け継いだ私達の子供が欲しいのです」、2ページですね。 ○小林主査  今のところなのですが、血縁主義という意味は、家と家との関係とかそういう意味だ けではなくて、当然田中先生がおっしゃられたように、ご主人の遺伝子なり血を引い た、そういうのが少しでも欲しいというのを含めて書いたのですけど、これがそういう 考えというふうに見られると象徴的な言葉になってしまっているということであれば、 修正するということでもよろしいかと思います。 ○吉村委員  私はこれは別に何ら問題ないと思いますけれどもね。 ○田中委員  血縁主義で、精子をお父さんからもらいたいという人はいませんかね。 ○小林主査  この言葉が刺激的だということであれば、親子の血のつながりを重視する考え方、と 変えるということでもよろしいのかと思います。 ○田中委員  夫婦のつながりですよ。 ○中谷委員長  小林さん、もう一回おっしゃってください。 ○小林主査  親子の血のつながりを重視する考え方が根強く存在している。「血縁主義的な」とい うのを削るということですね。これが象徴的な意味合いを持ってしまうということであ れば、誤解を招くという、そういうつもりで書いたということではないんですが。 ○矢内原委員  「主義」という言葉はやめた方がいいかもしれないですね。同じことだけど。 ○田中委員  「親子のつながり」と言いますと子どもとお父さんとのつながりですね、妻はつなが りますので。もう一つは「夫婦のつながり」があります。妻が自分と夫とのつながりを 求めるということもあるんです。 ○石井(美)委員  親子になる。夫婦で血が混じるわけではない。 ○田中委員  親子でいいんだ。 ○吉村委員  これでいいんですよ。 ○田中委員  そうですか。 ○矢内原委員  今までのインターネットの中でこの逆ありますか。夫が妻の血縁を求めて子どもをつ くる。 ○吉村委員  それはないです。妻がこういうことを言うこと自体、これは本当にやらせのような感 じがしますね。何か恣意的に感じますね。 ○矢内原委員  個人名を出して持ち上げているところを見るとね。 ○田中委員  それは全然思わなかった。 ○吉村委員  確かに田中先生のおっしゃるように、父親の精子が欲しいと言われる方は、少数です けどおられるかもしれないですね。 ○矢内原委員  いると思う。 ○吉村委員  ただ、これが実際に運用される場合にはドナーが得やすいから、頼みやすいからとい うことが一番多いと思いますよ。 ○丸山委員  それが卵の場合に言えるというのは、逆に言うと、卵の場合には入手することが非常 に難しいことがあると。精子はほかでもいくらでも手に入る。 ○吉村委員  そういうことですね。 ○丸山委員  だけど、卵の場合でも、入手が難しいという要素を取り去ると、奥さんの遺伝子と共 通している部分がある卵を欲しいというのも見えてくるかもしれないじゃないですか。 やっぱり卵の場合ないですか、そういう要素は。 ○辰巳委員  4人ほど、私、早発卵巣不全の患者さんに聞いたんですね。1人はできたら、近い人 からもらいたいというふうに言われました。それは深い考えはないんでしょうが、そう いうふうな考えも根本的に少しあるのはあるのではないのでしょうか。 ○中谷委員長  例えば親友からという人はいませんでしたか。 ○辰巳委員  親友はいませんでした。 ○吉村委員  やっぱり他人に対して迷惑をかけるという考え方が強いと、姉妹だったら、そういう 苦痛をかけても共有できるのではないかとか許してもらえるのではないかとか、負い目 も少ないのではないかとか、そういうことではないですか。 ○丸山委員  それと血縁主義にこだわるのは、5ページの中ほどなんですね。丸でいくと4つ目の 丸のところなんですが、血縁主義に基づいて配偶子を選別するのは優生思想につながる と、ここまでやっぱり書かれると、かなり広い血縁主義をお考えではないかというふう に思いまして、さっきの私が受ける印象の内なる血縁主義では、ここまでは及ばないな という感じがするんですね。 ○母子保健課長  例えば2つ目の丸の「血縁主義的な」をとって、ここの「しかしながら」のところ も、「上記のような考え方に基づく」にして、「血縁主義的な」をとりますか。そうす るとよろしいでしょうか。 ○辰巳委員  今のおっしゃっている4つ目の「しかしながら」と7つ目は要らないのではないか。 ○母子保健課長  4つ目と7つ目が要らない。文章全体がですか。 ○石井(美)委員  優生思想のこれはしつこいなと思いましたね。 ○小林主査  1つあるとすれば、7つ目の丸で「近親者以外に存在しない場合に」ということを言 っているので、ここをとると、近親者以外存在しない場合に限る、という縛りがなくな ってしまう。 ○辰巳委員  どこかに入りませんか。 ○田中委員  本当は提供者がいようといまいと、肉親から欲しいというのが本心だと思うんです ね。そうするとだんだんしばりが弱くなるのでつけておいた方がいいんでしょうね。 ○石井(美)委員  田中先生がさっきからおっしゃっていることには反すると。 ○田中委員  私が言っているのは、純粋にその人が提供者が欲しいという気持ちです。ほかにいて も。逆にそういう人たちは要らないと言うんです。つながってなければ要らないと言い ます。 ○矢内原委員  でしょうね。 ○石井(美)委員  要らなければやめてくださいと。 ○田中委員  そうなんですよ。だから非常に身勝手な人ですよね。やっぱり夫婦の気持ちとして は、夫のが少しでも流れたいという気持ちは理解してあげたい気がするんですよ。女性 としてどうですか。 ○石井(ト)委員  痛いところを突かれた、先生。 ○高橋委員  私のところに来た無精子症の人たちは、自分たち夫婦間で子どもができないのは夫の 無精子症のためだということを自分の親にも兄弟姉妹にもだれにも教えたくないのでA ID、第三者からもらいたいと言ってますが、これが普通だと思いますね。父親や兄弟 から持ってきたらどうかという人も、例外的には、中にはいたということです。  例外というか、あるいは言葉のあいまいな表現は適切ではないかもしれませんけれど も、すべてを網羅した完璧な規則というのはないので、委員会が認めるとか、あるいは ある管理機関の機能が働いてそこで許可されたら認める、それでいいのではないかと思 います。  事前報告というのは、この間の委員会で出た意見でしたよね。ただ、委員会の構成員 次第では、ほとんどをはねつけられる危険性があると思います。 ○矢内原委員  逆だと思いますね。 ○高橋委員  そうでしょうか。 ○矢内原委員  ほかにだれもいませんから、妹がくれるというのでと言って申請してくるのがほとん どですよ。それに対してこちらが、それではだめです、理由になりませんと言ったら、 それではそちらで卵を用意してくださいと言われる。 ○高橋委員  なるほどね。ですからこれは例外的な、非常にわずかな例だと思います。先ほどの議 論に戻りますけれども、兄弟姉妹等の血縁というのを含めても私はおかしくない。何と なく「父母」と表現するとちょっと抵抗がありますけど。 ○中谷委員長  何かちょっと抵抗感じますね。私なんかもそうですね。昔はお姉さんには子どもはで きないけれども、妹さんのところは次々とお子さんが生まれる。この次、生まれた子 は、お姉さんのところの、藁の上の養子じゃないけれども、実子として最初から育てて いるという、そういうことをやってましたよね。だから、そういう意味では、卵子の提 供ではなくて、その人に産んでもらった方がいいような気もしますけれども、それも難 しいし。 ○母子保健課長  ちょっと確認させていただいてよろしいでしょうか。 ○中谷委員長  はい。 ○母子保健課長  血縁主義的な部分がいろいろご議論があったわけですが、2つ目の丸のまず「血縁主 義的な」というのをとるということが1つあったと思います。  それから、4つ目の丸と7つ目の丸、これを辰巳先生は外したらいいのではないかと いうことで、血縁主義の問題と優生思想とあるわけですが、優生思想の点から問題にな るというご議論が全然要らないのであれば、この2つは落としても、論理構成というと 変ですけれども、これは流れていくのかなというふうに思いますので。 ○中谷委員長  幾つ目ですか。 ○母子保健課長  5ページの。 ○吉村委員  4つ目の「しかしながら」、7つ目の「しかしながら」。 ○中谷委員長  どちらも「しかしながら」。 ○母子保健課長  これは事務局的な論理の流れとしてはあって、優生思想というのも反対理由にあるの かなというふうに思って一応入れてはあるのですが、あえて、そのことには言及しなく ても、ここの最後の結論に流れるあれが、先生方よろしいのであれば。 ○中谷委員長  優生思想というのは少なくとも避けた方がいいです。 ○母子保健課長  そうですか。それでは4つ目の丸と7つ目を削除させていただいて、2つ目の丸の 「血縁主義的な」のを消していくと。あと、もしそれでよろしければ、こういうふうに 流れていって、兄弟姉妹・父母等の範囲をどういうふうにされるか、もしはっきりして いただければ、そういうふうにまた書き直させていただきたいと思います。  もう一点、確認で恐縮です。匿名性と近親者を分けると、先ほど 3、 4と分けるとい うことでやって、事前申請にすべきというご意見が大体大勢のようですので、これはま たどういう表現かわかりませんが、とりあえず事前審査の体制で適否を判断するという 形の、一番最後の方になりますけれども、チェックの仕方になるというふうにさせてい ただくということで、このあたりまではとりあえずよろしいでしょうか。  それでよろしければ、そこの兄弟姉妹あるいは父母等の範囲限定をどういうふうにさ れるか、ご議論いただけるとありがたいなと思うんですが。 ○中谷委員長  父母を含むことについては多数だったんですか。 ○吉村委員  いえ、少数です。 ○中谷委員長  父母を含むは少数だったような気がしますけど、これ、父母まで含めたのはどういう 意味ですか。 ○吉村委員  そういう意見があったので、案ですから、ここでもう一回議論してくださいという意 味で出されたのだと思います。 ○中谷委員長  改めて確認いかがでしょうか、父母まで入れるのか、それとも父母は。 ○小林主査  例外を認めるというのを一番最初の議論のところで、親子の血のつながりを重視する 考え方を出してくるわけですから、そうすると当然父母も範疇に入ってくるということ になると思いますから、この論理構成からいくと父母を外す理屈はどう考えるのかとい うことを考える必要があるかと思いますが。 ○吉村委員  母というのは現実面としてあり得ないですので、父親ですよね。だから精子をもらう 場合ですよ。それを入れる。だから、そのためには「父母」と書かざるを得ませんもの ね。「父」としか言えませんが。 ○小林主査  ただ、17歳・17歳があるかもしれないという、少しでも可能性がある以上、落として しまうのはいかがなものでしょうか。 ○吉村委員  そうですね。 ○小林主査  「父」と「母」は並びで考えなければならないのではないでしょうか。 ○中谷委員長  事実上、「母」の方は意味がないということで。 ○辰巳委員  ゼロではないですよね。 ○中谷委員長  ゼロではない。 ○辰巳委員  17歳の娘さんに、34歳のお母さんが卵をあげるということはゼロではないです。17歳 は結婚できないんですか。 ○丸山委員  もうその段階で、不妊というのを確定診断できるのかなという疑問があるのですが。 ○辰巳委員  卵がない……。 ○吉村委員  ターナーの子どもだったなら、14歳でもうわかりますから。そしたら、その子は、私 は母親絶対やるんだと思えば、できないことは全然ないですよ。 ○矢内原委員  結婚して。 ○吉村委員  早く結婚しなさいとか言って。それはあり得ます。私があげるからということはあり 得ますから。 ○石井(美)委員  凍結ができるようになると可能性は出てくることもね。 ○吉村委員  日本の第一人者の人に、世界でどのくらい未受精卵の凍結ができるかと、それを聞い てみたんですね。これは農学部の先生なんですが、人間を集めてくれたんですけど、世 界でもまだ6人しか生まれてないです。しかも、87年から97年までほとんどだれも成功 してない。 ○矢内原委員  ということは、97年から3年間で5人できたわけでしょう。 ○吉村委員  97年から4人しかできてない。 ○矢内原委員  4人できたわけでしょう、逆に言えば。 ○中谷委員長  卵子の凍結ができたのは去年の暮れと言ってましたよ。 ○矢内原委員  10年間できなかったのが、最後の3年で4人できたわけでしょう。 ○吉村委員  だけど、これは先生、現実面として非常に難しいみたいですよ。だから、この10年間 何もできなかったというのは、何もしてなかったわけじゃなくて、みんな一応に研究は していたわけですね。それはヒトにおいてですから、動物においてはもっと難しいみた いですから。 ○石井(美)委員  5人ですか、6人? ○吉村委員  86年からチェンさんから、6人。2000年入れて7人。 ○中谷委員長  卵子ですか。 ○吉村委員  未受精卵、卵子の凍結保存。 ○中谷委員長  凍結の保存ができるようになったのはそもそも、87年なんていったって、そのころは できなかったのだから問題はないわけですから。 ○石井(美)委員  第1例はそのころにあったんじゃないですか。 ○辰巳委員  チェンさんは何年ですか。 ○吉村委員  チェンさんは1986年に成功しているんですよ、一番初めですね。 ○中谷委員長  どこですか。 ○辰巳委員  フリンダース大学、オーストラリア。 ○中谷委員長  オーストラリア。 ○矢内原委員  86年、14年前。 ○石井(美)委員  生まれたんですね。 ○辰巳委員  生まれてます。 ○吉村委員  生まれたのは……。 ○石井(美)委員  産んだの。 ○中谷委員長  オーストラリアで87年で何人? ○吉村委員  10人生まれています。 ○中谷委員長  何年から何年までで。 ○吉村委員  要するに今までにヒトで生まれた人は2000年までで10人。 ○中谷委員長  全部オーストラリアですか。 ○吉村委員  違いますね。これは国はちょっとわからないんですが、外国です。 ○丸山委員  日本はないんですか。 ○吉村委員  日本はありません。 ○丸山委員  新聞で加藤レディスクリニックか、見たことがあるような……。 ○吉村委員  あれは凍結してないんですよ。未受精卵を成熟させてやったんじゃないですか。 ○丸山委員  培養ですか。 ○吉村委員  田中先生、凍結未受精卵の成功はないと思います。 ○田中委員  日本ではないです。 ○丸山委員  何か凍結保存があったんじゃない。別に未受精卵の培養法を読んだ記憶もあるんです が、凍結の記事もあったような気がするんですが。 ○田中委員  旭川の石川先生のところかな。 ○吉村委員  それはないと思います。 ○丸山委員  少なくとも学会レベルの報告はない? ○田中委員  学会レベルはないと思いますよ、未受精卵は。 ○吉村委員  学会レベルでできるということは、これはまだ一般応用に関しては10年、20年かかり ます。要するに、これはみんな症例報告しているわけですから。1例を症例報告という ことを一般的にできると思われたらこれは大きな間違い。 ○田中委員  そうですね。分母は非常に多いですね。 ○吉村委員  チェンさんとかやったのが、10年間もこのまま報告されてないということは、最近に なって、この4年間ですら、確かに言われるように5例ですか、ありますけれども、こ れがこのときに関係できるとはちょっと思えないですけどね。極めて難しい。 ○矢内原委員  できたということが、私はすごく重視するんだけれども。 ○石井(美)委員  97年以降は、10年前とはかなり違うんじゃないですかね。それを前提にイギリスも認 めるという方向に。 ○吉村委員  でも、そんなに方法が10年前と変わっていると思えないし、たまたまできたのかもし れないし。 ○矢内原委員  今までのこのルールの中では、いけないとは何も書いてないわけだから、できるよう になったら。 ○中谷委員長  イギリスは去年だと言ってましたからね。 ○矢内原委員  20例と言ってましたね。 ○中谷委員長  凍結できたのは。 ○田中委員  日産婦は未受精卵の凍結は認めているんでしたか。 ○矢内原委員  何も書いてない。 ○吉村委員  何も書いてないから。 ○田中委員  やってもいいんですか。 ○吉村委員  やってもいいと思いますけれどもね。 ○中谷委員長  可能ならば。吉村委員はなさったことがありますか。 ○吉村委員  やってますけれどもね。だから、もうそれはあきらめまして、卵巣フォールで凍らせ るとか、そっちの方に変わってそれをやらせていますけど、なかなか。 ○石井(美)委員  卵巣を摘出したときに。 ○吉村委員  マウスでまずやってますから。ヒトはなかなかそんなことはできませんので。 ○石井(美)委員  すいません。私が余計なことを言ったので話がずれてしまいましたが、兄弟姉妹じゃ なくて父母を認めるかどうか。 ○丸山委員  さっき高橋先生がおっしゃったような、兄弟姉妹等。 ○石井(美)委員  兄弟姉妹と近親者。 ○田中委員  その言葉が一番いいじゃないですか。 ○石井(美)委員  現実は審査のところで審査する。 ○中谷委員長  「父母」をとって「兄弟姉妹等の近親者」。 ○石井(美)委員  近親者というのはとっても広いですから、ここでは基準としては、原則は兄弟姉妹。 ○田中委員  だからいとこまでいいんじゃないですか。 ○丸山委員  家族。 ○石井(美)委員  夫の血が入っている、いとこまで言うわけ。 ○丸山委員  「兄弟姉妹等」というと同じぐらいの近さに限定しますよね、普通。 ○石井(美)委員  そうするとほかにいないんじゃない。 ○丸山委員  だから、それより近い父母はあり得るかもしれない。いとこはちょっと例外、普通は 認められないというんじゃないですか。 ○石井(美)委員  そういう意味なんですね。兄弟姉妹が限度ということですね、ニュアンスとして。 ○矢内原委員  いとこが認められないというのは……。 ○中谷委員長  いとこは近親結婚にならないわけですから、結婚できるわけですからね。 ○石井(美)委員  近親じゃないから。 ○中谷委員長  近親じゃないんですよ、四親等。 ○石井(美)委員  民法で言ったら六親等まで親族ですからね。 ○中谷委員長  六親等内を血族と言いますからね。 ○辰巳委員  いとことか友達はだめなんですか。 ○中谷委員長  友達はだめですよね。 ○辰巳委員  友達だめなんですね。 ○石井(美)委員  近親者ではない。 ○中谷委員長  近親者ではない。 ○辰巳委員  匿名性が保てないからだめ。親友はだめ。 ○石井(美)委員  兄弟姉妹というと、それこそ……。 ○高橋委員  そこまで言ったら難しいですよ。 ○石井(美)委員  親がだれかを養子にすれば、兄弟姉妹になるわけですよね。 ○田中委員  匿名性という意味においては、近親者も友人も匿名にならないですね。 ○中谷委員長  近親者の場合は匿名にならない。 ○田中委員  友人もならない。ただ、近親者ではないと。 ○丸山委員  友人も認めると匿名性はなしということですね。 ○石井(美)委員  有名無実ですよね。お友達ですと連れてくればいいということです。 ○石井(ト)委員  だから、一般は匿名ですけど、親族は匿名じゃない。 ○辰巳委員  ブリンスデンが来たときは、友達とか親族が提供に来たときは優先順位を上げると言 ってましたよね。その人たちの卵を使うのではなくて、ウエイティングリストの前に持 ってくるというふうな言い方をピーター・ブリンスデンはしていた。この間、マッカー シーさんは、そのまま使っているような言い方みたいだったんですけれども、ブリンス デンはそういうふうな言い方でなくて、ウエイティングリストの先の方に持ってくると 言ってました。 ○石井(美)委員  提供者。 ○丸山委員  提供者を増やしてくれた。 ○田中委員  いや、そうじゃなかった。兄弟姉妹は、余り例はないけどいいことではないかと言わ なかった、ブリンスデンは。 ○辰巳委員  ウエイティングリストの先に持ってくるというふうな言い方をしていました。 ○吉村委員  先に持ってくると聞いたけれどもね。 ○田中委員  そうですか。 ○矢内原委員  イギリスは何も触れてませんでしたかね。 ○中谷委員長  マッカーシーさんがいらっしゃったときは、直接それには触れられませんでしたね。 ○吉村委員  余り考えないんですか、近親者からもらえばいいじゃないかということなんでしょう ね。 ○田中委員  だれだれはだめという言葉を書かないで、望ましいにしておいて、例外として認めら れるようにしておかない、友人はそもそもあると思うんですね。 ○石井(美)委員  兄弟姉妹を例外として認めるのだということははっきり。 ○丸山委員  友人までやると、さっき消したはずの優生思想が出てくるんじゃないですか。 ○田中委員  優生思想は関係がないでしょう。 ○丸山委員  バンクでいい精子を選んで、友人だと言って連れてきて、やってもらうということ は。 ○田中委員  でも、そのときお金はあげないんですよ。 ○石井(美)委員  お金が行かないという保証をどこでとるかということ。長いつき合いが出てくるとい う……。 ○丸山委員  友達になってしまう。 ○田中委員  私が言っている友人というのは、姉妹と同じぐらい、その人に対して、報酬なしでや っていけるよという、そういう親友という意味なんですよ。だからお金がなくて提供す るという人は本当の親友しかいないと思いますね。実際には年齢的な、こういう卵の提 供受ける人は年いっていますから、親友というのは多分いないと思うんですよ、みんな 年いっていますから。 ○矢内原委員  親友も年取っちゃっている。 ○田中委員  若い人もいるでしょう。 ○石井(美)委員  友達までは認めない。 ○田中委員  その認めないという……。 ○石井(美)委員  書かないですけど、これは当然わかるわけですよね。 ○田中委員  審査して。 ○吉村委員  私は兄弟姉妹というのは本当はやらない方がいいと思ってますけど、兄弟姉妹がよく て友人はいけないという根拠もまたないですよね。 ○田中委員  ないと思います。 ○高橋委員  ない。 ○矢内原委員  卵子の場合はない。 ○吉村委員  親友がドネーションをやりたいと言っていて、それを禁止するような……。 ○丸山委員  説明のところに、「血のつながりを重視する考えが根強く」というのが入るんでしょ う。だから友人には血のつながりはない。 ○中谷委員長  血のつながりがないから、匿名性の原則に反してもいいというわけですか。 ○辰巳委員  匿名性は、最初の6つの原則ではないですよね。絶対的なものではないですから、例 外があっても……。 ○吉村委員  兄弟がよくて友人がいけないいう理由はない。私はかえって兄弟より友人の方がいい と思いますけれどもね。家族関係も複雑にならないし。 ○田中委員  そうですね。 ○辰巳委員  本当のボランティアですね。 ○吉村委員  ボランティア。その方が全然、何で兄弟がよくて友人がいけないのというのは全然合 わないと思います。 ○田中委員  合わないですね。 ○吉村委員  それだったら、初めから兄弟やめた方がいいですよ。友人もやめた方がいい、匿名に した方がいいです。 ○田中委員  匿名性にこだわらなければいいと思うんですよ。 ○吉村委員  そうじゃなくて、兄弟を許すんだったら、友人がどうしていけない根拠はもっと難し いんじゃないですか。 ○田中委員  吉村先生、だから先生の論理でいくと、認められないということはおかしいですよ ね。 ○吉村委員  おかしいですよ。 ○田中委員  だったら、匿名性をそんなに気にしなければいいじゃないですか。 ○中谷委員長  匿名性は原則ですから。それでは兄弟姉妹等の近親者及び友人としますか。 ○田中委員  外国みたいに、匿名性の中にたまたまそういう人がいた場合には匿名性はなくなるだ けで、それでいいような気がする。 ○矢内原委員  うたっている中で、匿名でなくてもいいと言っている国はないですよ。 ○田中委員  匿名でなくてもいいというんじゃなくて、匿名性としておいて。 ○小林主査  事務局でこの案をつくっているときに今と同じような考えがあって、友人についてと いうのもあったんですが、やはり友人の場合には、今、同じような意見があったと思う んですけど、便宜上連れてきて裏でお金をあげるとかそういうのが結構考えられるので はないかと思いまして。 ○吉村委員  そういうことを言ったら、今までのことは全部そうですよ。 ○高橋委員  全部。 ○吉村委員  今の皆さんの考え方は、加藤理論が皆さんに行き届いていて、これは禁止するまでも ないんじゃないかという意見で大勢が流れているわけですよ。でも、その場合に友人を 連れてきてだめだというようなことは、こういう理由で、確かにありますよ。自分は全 然関係ないのに、友人だなどと言って連れてくると。 ○石井(美)委員  そんなことはないと思います。 ○吉村委員  そうですか。 ○石井(ト)委員  卵子はしなかったですよね。 ○田中委員  そういうことを防ぐために審査機関があるわけでしょう。だから、そういう規制がな ければ、お金をあげてはいけないと言いながら、裏であげればできるわけですよね。そ れを防ぐために1つひとつ症例を報告して審査を仰ぐわけですよね。そういう手枷足枷 があれば、そういうものは消えていくと思うんですよ。だから、国に準ずる審議機関が できて、そこが全部監督するというシステムができあがれば、円滑に進むと思います。 ○石井(美)委員  ボランティアベースで提供する人がいて、それをもらって埋めるようにする、そうい うのが本来のシステムとして考える。それを前提として、ただ、例外的に、現実には我 が国の場合、ボランティアで提供する人をなかなか得られないだろう。そういう場合 に、我が国の実態としては、無料でも、兄弟姉妹、ごく身近な人はその人のために提供 しましょうという、いろんなときにありますよね。そういうことが考えられるから、そ ういうものにおいては例外的に認めましょうというだけであって、すべてを認めましょ うと、そういうことではないはずです。 ○吉村委員  それはわかります。それは言葉のあやで言ったので。兄弟姉妹を許して、友人がだめ なんだという理論は非常に難しいということを私は言っているんです。 ○石井(美)委員  兄弟姉妹は、もう一つは、田中先生や丸山先生の、血のつながるという、そういう希 望ももう一つあるのだから、認めましょうということ、2つの理由がある。 ○吉村委員  血のつながりを重んずるのは精子を提供する場合だけなんですよ。 ○石井(美)委員  それはわからない。 ○吉村委員  卵子を提供する場合、卵子は血のつながりがないから困るなどということはないと思 うんです。しかし精子は、それは非常にマイノリティーだというのは、精子は匿名性を 持っており、ドナーのものは手に入りやすい。しかし卵子は手に入れにくい。卵子は手 に入れにくいからこそこういう兄弟姉妹が許されてくるのだろうと思うんです。だから その場合に、卵子は得にくいという前提があるから兄弟姉妹を考える。そしたらば、そ の場合に友人を連れて来たということでそれを禁止するということについては、非常に 整合性がない。 ○石井(美)委員  友人がいるんならば、本人にあげないで、そういう友人をたくさん募って、提供者を 増やせば、いくいくは行きますよ、そういうシステムです。 ○吉村委員  なるほど、それは理想的ですね。 ○石井(美)委員  先の順位を上げる、すいません、丸山先生の。 ○中谷委員長  卵子の場合でも、夫のお姉さんとか妹からの提供ということだってあり得ますよね。 ○石井(美)委員  それは近親婚ですよ。 ○田中委員  それはないですよ。 ○矢内原委員  まさに兄弟。 ○吉村委員  近親婚。 ○矢内原委員  ボランティアが実際にストックされた卵がないと。そうすると患者さんの方はボラン ティアしてくれる人を連れてくる、親友ですと。そのときに、そこに金銭の取引があり ませんねという罰則規定があったとしたら、本人が連れてくるということを認めるべき になっちゃう、近親者に限らない。そういうことでしょう。 ○吉村委員  そういうこと。 ○矢内原委員  そのかわり、そこに商業主義的な金銭の取引があったとしたら、それを厳重に罰則し ていただくと。 ○吉村委員  そういう罰則規定はやっぱりできないでしょう。医療サイド関係者に対してはそうい う罰則規定はあるかもしれないけれども、ボランティアの人に対して罰則するというこ とはこれは事実上不可能。 ○矢内原委員  石井先生は、罰せられるのはドクターだけだと言ってましたから。 ○小林主査  今のお話なんですが、一番最初のページの3つ目の丸なんですが、罰則の話を若干書 いています。 ○母子保健課長  1ページ目の最初の3つ目の丸。 ○小林主査  3つ目の丸のところで罰則の対象にするとしているものの1つには「営利目的での精 子・卵子・胚の授受・授受の斡旋」と書いたのですけど、この場合は、これをやっても 医者だけでなくて、お金をもらって提供した人、あるいはお金をあげて提供してもらっ た人も入るという、臓器移植法でも同じような罰則のつけ方をしています。 ○矢内原委員  そうなんですか。 ○小林主査  そういうことです。 ○中谷委員長  刑法でなければだめというわけでなくて、どういう法律の中にもできるわけですか ら。 ○矢内原委員  受ける側も提供する側も、お金の授受があったということが証明されたら罰せられる わけですか。もし、そういう決めをつくればね。 ○小林主査  臓器移植法ではそういうような書き方をしています。 ○中谷委員長  臓器売買についてですね。 ○石井(美)委員  でも臓器移植も知り合いを連れてくるというのは原則認めてないですね。 ○丸山委員  生体は認めます。死体は匿名。 ○石井(美)委員  生体は認めています。 ○中谷委員長  心臓はだめだけど、それ以外だったら。 ○石井(ト)委員  腎臓も。 ○丸山委員  先ほどの吉村先生のご発言に対する遅れた反論ですが、やっぱり卵子の提供がそれほ ど危険が伴わない、負担がない、あるいはたくさん第三者の卵があるような状況になっ ても、それでも姉妹の卵を欲しいという人はいるかもしれない。 ○吉村委員  いると思います。それは得やすいからですよ。それ以外の理由はないですよ、卵子を 入れるときに。だれだって他人に迷惑をかけたくないんですよ、やる人間にとっては。 ○丸山委員  ですから、それは今負担が非常に大きいということを前提としているのですが、負担 が大きいということがなくなっても、遺伝子が共通している卵をもらいたいという希望 があるかもしれない。 ○吉村委員  いや、どうですか。それは非常に……。 ○丸山委員  仮定の話ですから、どちらとも言えないんですけれども。 ○吉村委員  あるかもしれません。 ○高橋委員  あるでしょうね。 ○田中委員  卵が幾らでも手に入る時代は来ないと思いますね。やっぱり卵1個に何億という精子 が集まって子どもができる現状を見ますと、1対何億ですからね。イクラみたいにたく さんあればいいけど。 ○石井(美)委員  友達も防げないというのだったら、その段になったら兄弟姉妹を認めるかというの は。 ○矢内原委員  何でもかんでもオーケイということにするか。 ○丸山委員  何でもかんでもいいことにしても、匿名性ということに関してはやっぱり違いが出て くると思うんですね。ドナー側がアノニマスなら提供しますというドナーもいるし、兄 弟とか友人の場合はアノニマスでなくても提供しますと。ですからまったくの第三者か らの提供の場合は匿名性というのは維持する必要があるし、それなりの重要性があると 思うんですね。ですからだれでもいいとしても、即アノニミティ(匿名性)の問題が出 てこないというわけではない。 ○吉村委員  それは私もそう思います。精子に関しては匿名性をちゃんと持っていった方がいい。 精子は比較的ドナーが得られやすいから。卵子に関しては、卵子が得にくいから兄弟姉 妹という考え方になってくるんでしょうね。 ○丸山委員  前回、私がいないときにお決めになったと思うんですが、精子に対しても報酬なしに したんですね。 ○吉村委員  報酬なしではないですよ、実費。 ○石井(美)委員  実費。 ○丸山委員  実費というのは交通費に限るんですか。 ○小林主査  それだけではないです。もし通信費とかかかるのであれば、それもありますし。 ○中谷委員長  それによって、もし給与が得られなかったような部分とかそういう。 ○石井(美)委員  そこまでは入れないんじゃないですか。 ○高橋委員  所得保障ですか。 ○石井(美)委員  所得保障は入らないですね。 ○高橋委員  それは入ってなかったですね。 ○石井(美)委員  出したお金に対する支払い。 ○高橋委員  実費。 ○吉村委員  まだ進んでないです。 ○中谷委員長  でも臓器移植の1991年のWHOのガイドラインだと、それまで含むんですよね、交通 費だけではなくて。 ○吉村委員  父母は含まないんですか。 ○石井(美)委員  父母は除いて「等の近親者」にするかどうかということですね。兄弟姉妹よりも近い 者なら認める。 ○中谷委員長  罰則に関するところですけれども、1ページの3つ目の丸、この文章、もうちょっと 何とかなりませんかね。 ○小林主査  この部分なんですけれども、今回、各生殖補助医療の是非についてというところを決 めるに当たって前提条件として決めておかなければいけないというのがあったのであえ てここに書いたのですが、この前も課長から申し上げましたが、秘密を漏らした場合も あると思いますから、罰則の考え方については、ほかのところに別途項目を立てて、最 終的な報告書では書こうと思います。確かにこれは読みにくいというのはあると思いま すので。 ○中谷委員長  文章が悪過ぎるの、ちょっと考えてほしいの。それで秘密漏洩に関するものは刑法に 規定がありますから、それによればいいわけですし。 ○小林主査  この部分は今、措置されている部分もありますので、もし何か他にあるのだとすれ ば、それ以外の部分で措置するということになると思います。 ○中谷委員長  それはそれでよろしいんですよ。これで棄捐するのはいいけれども、表現がちょっと まず過ぎますから、ちょっと直してください。 ○小林主査  別途、また場所を移して、表現も整理させていただきます。 ○吉村委員  進んでない、父母はどこ。 ○石井(美)委員  父母は明記しないんです。 ○吉村委員  兄弟姉妹等。 ○石井(美)委員  逆に「兄弟姉妹・父母」で、「等の近親者」は除くか。 ○田中委員  「父母」という言葉を書かないで、「等の」ということで含ませる、高橋先生の意見 で私はいいと……。 ○吉村委員  「近親者」だけにするんですか。 ○中谷委員長  「兄弟姉妹等の近親者」。 ○吉村委員  友人はだめということですね。 ○中谷委員長  はい。 ○石井(美)委員  兄弟姉妹、より近い人という趣旨だと。「等の近親者」、いとこ、はとこまで認める わけではない。 ○田中委員  「及び友人」と入れたらどうですか。 ○石井(美)委員  だめ。 ○矢内原委員  そこまで友人という定義はないじゃないですか。 ○田中委員  そうですか。 ○中谷委員長  兄弟姉妹等の近親者及び友人等ですか。 ○石井(美)委員  そしたら、無制限に近い。 ○田中委員  みんな友達になっちゃう。 ○辰巳委員  しかし友人がだめというのは匿名性が保たれないから。 ○田中委員  1つはそうです。 ○辰巳委員  ということですね。匿名性を必要とする理由は下の5つの○ですよね。友人が提供者 となった場合これらの○に問題が出てくるかを考えてみると、1番は全く関係ないです ね。第三者が友人の場合、プライバシーを守る必要はないと自分で言ってくるわけです から、2番がひっかかる可能性があるわけですか、後々家族関係で。2番、3番がひっ かかる可能性があるんですが。余り大きな問題はないような気がするんです。4番、5 番は全く関係ないですね。だから2番、3番だけがひっかかってくる可能性があるとい うことなんですけど、そんなに友人がだめと、匿名性の方が大事ということにならない のではないでしょうか。 ○田中委員  この前言ったように、匿名性というのは二面性あるんです、意味が。要するに、自 分、提供者のドナーのプライバシーを守るという匿名と……。 ○辰巳委員  それは今回関係ない。 ○田中委員  その場合、守られないですね。 ○辰巳委員  はい。 ○田中委員  もう一つは子どもに対する匿名、社会に対する匿名性は、本人が黙って、家族が黙っ ていれば守られるんですよ。そこだけを広義にとって匿名性が守られるとするならば余 り問題ないと思うんです。ところが育てる夫婦にとっては、だれかわかるので、そうい う意味では、患者さん夫婦にとっては匿名性は守られない。これは父親がだめというの と同じ理論ですよね。だれだって、世間に向かって、私は提供しましたという人いませ んから、親友にしろ肉親。ただ、その面から見た場合の匿名性は守られないということ で、匿名性が抵触するということで。 ○辰巳委員  それがその理由。 ○田中委員  私がさっきから言っているように、匿名性というのはそんなに問題がありますかとい うのは、そこを言っているんです。だから、ドナーの中で、こういう場合には匿名性が 守られなくなりますと、それだけで済まされないのかなと。 ○丸山委員  友達選びますからね。 ○辰巳委員  3番は確かにひっかかってきます。でも、それは選ぶのは友達であって、自分が選ぶ のではないのですから。 ○石井(美)委員  自分が選んで、友達として選んでくるんです。美人で頭がよくて、私はああいう人に なりたかった。 ○高橋委員  少し曲解しますと、その人が、私はボランティアです、友達でも何でもありませんと 言って条件を満たせば、そのままになっちゃいますよ。ですから友人とかそういうこと を表現する必要はないと思います。このままでいいと思います、私はボランティアです と。 ○矢内原委員  つまりクライアントがボランティアを連れてきた場合には……。 ○高橋委員  いや、連れて行かないんです。ボランティアが同情し、私が提供しますと言って…。 ○矢内原委員  あの人にでしょう。 ○石井(ト)委員  それはできない。 ○高橋委員  いいえ。 ○矢内原委員  それはできない。だったら、それは根本的ないわゆる提供になりますよ。 ○田中委員  ボランティアベースですね。 ○辰巳委員  あの人ならあげるというんじゃないでしょうか。 ○矢内原委員  私はそうなると申し出てくると。 ○吉村委員  そうね。 ○高橋委員  ボランティアが特定されても、本人が言わなければわからない。いろいろな解釈をす ることができると思いますよ、そういう点で。友人や親友などはいけないとあえて表現 する必要は一切ないと思います。親友でもない、友人でもないといえば、それまでの話 で。 ○矢内原委員  ボランティアを連れて来るのではなくて、指定するんじゃないんですか。この人はボ ランティアになってくれましたと言って患者さんが連れてくる。 ○高橋委員  連れて行かないで、その人が……。 ○矢内原委員  ボランティアが名乗り出てくる。だからその卵を、それは普通の提供になるわけでし ょう。その卵がどこに行くかわからないんですよ。 ○高橋委員  裏で示し合わせておいて。 ○矢内原委員  でしょう。 ○高橋委員  だからあまりに、これはだめ、これは禁止と言っても抜け道がたくさんあるのだか ら、特別そういうことを議論する必要はないのではないか、友人がだめとか……。 ○矢内原委員  私らがこういうことをしなければならないというのは、ある技術を応用したときに、 ある特定の人たちが応用するから、根津先生がやるから大丈夫だというのではなくて、 これがいいとなったときには万人ができるわけです。生殖補助医療やっている人たち は。いろんなその中にもいると。みんながやって、安心だということでなければいけな いと思うからつくっているわけでしょう。だからドクターがうまいぐあいに、その辺の ところはうまくアレンジしてやりましょうと、今の先生の方式ですよね。幅広くしてお いて。そしたら、逆に言えば、それを悪用する、悪用と言ったらおかしいけれども、精 神をつがないで、いろんな応用をする人がどんどん出てくるんじゃないですか。  そのときの問題を、国家がこれに関与してますから、この委員会がこういうことを決 めたから、こういうふうになったんですよということになりますよ。 ○高橋委員  逆に親友とか友人にお願いしてやるケースなんて非常に少ないと思います。自分の友 達に提供した場合にせっかくの友人関係が将来壊れるのではないかと思うから、本当に 稀なケースだと思います。しかしどうしても欲しいといったら、そういう方法も中には 選択されても仕方ないのではないか。親友とか友人は匿名性が保たれないから、提供か ら外すということを入れる必要はないのではないか。 ○田中委員  あえて「友人」というのを書かなければいいですね。さっきそういう意見が出ました が、それもないことにすればいいんじゃないですか。  それと矢内原先生、おっしゃることは本当に正しいと思うんですけれども……。 ○高橋委員  先生のおっしゃるとおりです。 ○田中委員  そのために、今言っているこの機関ができるわけですから、そこでしっかり監督して 審議していただければ、ある程度は、 100%とは言えませんけど、正しい医療ができる と私は思うんです。そういう機関をしっかりつくっていただいて。 ○中谷委員長 あえて、「親友」はここには書き上げないということでよろしいですね。 ○田中委員 書かない。 ○中谷委員長 よろしいですね、「兄弟姉妹等の近親者」。 ○石井(ト)委員 それでは確認します。この言葉で言うと、「近親者」という言葉は兄弟姉妹と父母と いうことですよね。兄弟姉妹・父母以外にまた近親者がいるという意味ではないですよ ね。この文中で見ると、対象の近親者という意味は、あくまでも兄弟姉妹と父母のみと いうことですね。 ○中谷委員長 そうならないでしょう。 ○小林主査 事務局が考えたのは、先ほどもちょっとご説明しましたが、兄弟・父母がこの委員会 では議論されてましたが、それ以外にもあり得るのではないか。昔で言うところの血縁 主義というのを理屈にするのであれば、兄弟・父母以外を抜かすという理屈もなかなか 出てこないのではないかと思いまして。もし限るのであれば「兄弟姉妹」ときちんと書 く必要があるかと思います。 ○石井(ト)委員 これは限定してもらいたいですね。2つの意味にとれるんです。日本語で見ますと、 兄弟姉妹・父母等の要するに近親者、近親者というのは、兄弟姉妹に限定するのか、あ るいはそれ以外のがまだあるのか、2つ意味がとれるんです。日本語的にはどうなんで すか。 ○田中委員  いとこも含めるんでしょう、この場合は。 ○小林主査  これは目だしみたいなものですね。こういうものを中心とした近親者という意味合い で書いたのですが。 ○石井(美)委員  とすれば,やっぱり除いた方がいいんじゃないですかね。 ○吉村委員  何を? ○石井(美)委員  「等」の近親者というと、やっぱり。 ○石井(ト)委員  外した方がいいと思うんです。 ○高橋委員  私は「等の近親者」でいいと思います。 ○石井(ト)委員  そうすると無限になるんじゃないですか。 ○矢内原委員  妻・奥さんのいとこでもいいわけでしょう。 ○石井(美)委員  いや、それは……。 ○石井(ト)委員  だから、いとこからはとこから。 ○高橋委員  解釈の仕方だと思います。 ○田中委員  近親者だけにしたらどうですか。 ○矢内原委員  どうしてだめなんですか。エッグのドネーションの相手が、兄弟以外じゃなくて、奥 さんのいとこであってはいけないんですか。 ○辰巳委員  匿名性が保てないから。 ○田中委員  それは一緒でしょう。 ○高橋委員  同じですね。 ○吉村委員  匿名性が保てないんだから。 ○矢内原委員  むしろ妹の方が、その子どもと、いとこ同士の結婚を許されるから、近親婚というこ とだって心配ですね。 ○田中委員  そういう意味では遠くなりますね。 ○矢内原委員  遠くなった方がいいわけでしょう。 ○高橋委員  そうそう。 ○丸山委員  いとこというのは、本人との血族を意味しているんですか。相手方の血族でしょう。 ○矢内原委員  夫のいとこということでなくて、これはだめにしても……。 ○石井(美)委員  卵の場合です。 ○矢内原委員  卵の場合。精子だっていいわけでしょう、姓が違った場合はぐあい悪いですね。 ○田中委員  血が薄くなりますよ。だからいいじゃないですか、薄くなるからいいんですね。 ○吉村委員  卵もらうのだったら関係ないですよ、いとこでも何だっていいです。理論的に言え ば。 ○矢内原委員  私もいいと思います。自分のあれじゃない、お姉さんの卵。 ○吉村委員  なぜ兄弟がよくて、何でいとこがいけないのという、だったら、初めから全部認めな い方がいいということになりますね。 ○田中委員  そういうことですね。 ○吉村委員  だからこういうものは、何かやるかやらないかですよ。認めるのだったら、近親者全 部をよくしないとおかしいですよ、理論的に。 ○田中委員  そのとおりですね。 ○吉村委員  だから、やらないならやらない。 ○田中委員  だから、先ほどの母親の可能性がゼロじゃないということがわかったわけですから、 このままでいいじゃないですか。 ○中谷委員長  兄弟姉妹・父母等の近親者。 ○石井(ト)委員  解説するときにきちんと書かないと、2つの見方がありますよと。 ○田中委員  だって、母親の、さっきカウンセリングありましたね。 ○吉村委員  親戚といわれている人からもらうんだったら、兄弟からもらおうが、いとこからもら おうが、はとこからもらおうが。はとこがいけなくてどうして兄弟がいいんですか、と いうことになりますよね。 ○矢内原委員  兄弟に負担がかかる。だったら、何もやめて「近親者」にしてはどうですか。「等」 なんて書かなくて。 ○吉村委員  そうなっちゃいますよ。何かこれを認めるからおかしくなるので。 ○丸山委員  広げて弊害があるから全部禁止しよう、というレトリックは使えないと思います。何 とか工夫をして、その限定……。 ○吉村委員  だから、いろんな問題点がないわけではないんだから、何で決めるかということにつ いては非常に難しいですよ。 ○石井(美)委員  人間関係において、父母と兄弟姉妹というのは家族共同体、親族じゃないんですよ、 家族共同体でね。本来は大人になってお嫁に行ったり何かすればそこは切れるけれど も、もともとは小さな、いわゆる核家族の範囲内で育った環境のものですよね。要する にお互いのことがよくわかっている関係の者。そういう者の間で、相手の痛みもよくわ かるから提供しましょうという、そういう関係足りうる、それだけの近い関係にあるも のだから、それは匿名性を排除しても、ほかにはいなかったら、提供するという、そう いう人足りうるのではないか。それを認めてもいいのではないか、そういう考え方。近 親だからすべて認めようというのではなくて。 ○吉村委員  いとこだったらどうしていけないんですか。 ○石井(美)委員  通常は、いとこ関係というのは、今の通常の関係では家族単位としての中では入らな い。昔のような家という広い近親、親族ではない。 ○矢内原委員  切れないわけでしょう。 ○丸山委員  ですけど、今の核家族の範囲内ということの1つのあらわれとして、当然の扶養義務 は直系血族と兄弟姉妹にしか及びませんので、そういうところが挙げられると思いま す。 ○吉村委員  そういうのがあればしようがないですけど、何かおかしいと思う。 ○矢内原委員  扶養義務とかというのは兄弟までなんですね。 ○丸山委員  兄弟までは、当然お互い助け合って扶養し合いなさいという。 ○吉村委員  だから丸山先生がおっしゃったけど、それを全部認めてはいけないという理論は成り 立たないんだとおっしゃるけど、近親者を認めることによって、いろんな起こってくる 弊害は想像できるわけですから、それを認めないという意見も1つの議論としてあって いいと思いますよ。 ○石井(美)委員  認めないって。 ○吉村委員  兄弟姉妹がよくていとこがだめだという、そういう方がもっとおかしいと思います。 ○田中委員  要するにいとこは友人に近くなるという感覚ですね。だんだん血が薄くなる分だけ、 みんな家族の、そういう先生のお考えですね。はっきり線引きしたいということです ね。 ○矢内原委員  丸山先生の説明で私よくわかりました。 ○丸山委員  決め手ではないんです。決め手は今石井先生のおっしゃった方が。 ○矢内原委員  法律第6章。石井先生のおっしゃる。 ○中谷委員長  矢内原委員、何がおわかりになったんですか。 ○矢内原委員  要するに兄弟といとこの違い。そこに直系家族及び兄弟姉妹は互いに扶養する義務が あると書いてある。 877条、そこで線が引かれている。法律にも血族という言葉が出て いる。 ○石井(美)委員  扶養義務の中に提供することが……。 ○中谷委員長 丸の7の最後はどういうふうにすればいいんですか、丸山委員。 ○丸山委員 私は最初から高橋先生のおっしゃっている「兄弟姉妹等の近親者」でいいと思いま す。 ○中谷委員長 兄弟姉妹・父母等の近親者以外に存在しない場合に兄弟姉妹……。 ○石井(美)委員 「等」は入れなくてもいいんじゃないですか。「兄弟姉妹」として書いておいて、そ れであえて事前審査になるわけですから、そこに出てきたときにどうするかというの は、審査のところで、原則はだめだけど、裁量の余地はそこの委員会にはあるというこ とになるんじゃないですか。「兄弟姉妹」と書いておけば、それでいいんじゃないです か。 ○高橋委員  私は「等」はつけた方がいいと思うんです。 ○田中委員  私もつけてほしいですね。 ○高橋委員  おばさんでもおじさんでもいろんなケースを考えた場合、自分よりも若い叔母さんも いるし、叔父さんだっているわけですよ。この間のマッカーシー局長さんのお話ではな いけれども、いろんなケースがその時その時に飛び込んでくるので、厳格すぎると解釈 が難しくなるから、やはり「等」という言葉は必要だと思います。 ○中谷委員長  そうすると父母を除いて「兄弟姉妹等」ですか。 ○高橋委員  「等」で。 ○中谷委員長  等の近親者以外に存在しない場合に、「〜等の近親者からの精子・卵子・胚の提供を 受けることは」云々というふうにするわけですか。 ○丸山委員  3と4を、別途4をつくるとすれば、匿名の第三者からの精子・卵子・胚の提供が得 られない場合には依頼者の兄弟姉妹等の近親者から精子・卵子・胚等の提供を受けるこ とができる、というふうな文章にしたらいいと思いますけど、うるさく言うと、精子・ 卵子、胚は別ですけど、精子・卵子が得られない人の血族たる兄弟姉妹等の近親者でし ょうけれど、そこまで書かなくてもわかるでしょうね。 ○石井(美)委員  それは説明に書くんですね、恐らくこの下の。 ○丸山委員  相手方の方から求めないでしょうね。奥さんが奥さんの兄弟、そういうことはないと 思いますね。 ○母子保健課長  「兄弟姉妹等」と書かれて、その範囲は明確にしないということですか。ある程度こ の委員会としてどこを想定しているかというのは、一応持っていただく必要があるのか なと思います。「兄弟姉妹等」という文言はそれで結構だと思うんですが、一応どこま でというふうに申し上げたらいいのかなということですが、それは特に限定はしない で、いわゆる近親者という、血がつながった範囲のものを広く指していて、個々にその ケースが適当かどうかということは、事前審査で判断するのだと、こういう見解だとい うことでよろしいのでしょうか。 ○丸山委員  個人的には、私はそれほど手放しに認める趣旨ではなくて、先ほどもちょっと言いま した兄弟姉妹と同じぐらいの近さ、血縁関係がある者に限定する。ですから兄弟姉妹、 せいぜい父母。さっき高橋先生のおっしゃいました、伯母さんというのは本当の例外、 審査委員会が例外的に認める余地がないわけではない、ぐらいの例外的な感じでさっき の「兄弟姉妹等の近親者」という言葉を申し上げたつもりなんですが。 ○辰巳委員  いいですか。 ○中谷委員長  どうぞ。 ○辰巳委員  ここの部分は「兄弟姉妹・父母」に限定しておいて、匿名性の方に例外の可能性、そ れをまた審査するという、あらかじめ審査を受けて、匿名性が崩れる場合も認めるとい うふうにして、そちらに友人とか伯母さんとかを入れたらどうでしょうか。  3の例外も、また審査しうるということにして、そこに兄弟よりもっと離れたような 親戚は入れていったらどうでしょうか。 ○丸山委員  私が理解したところでは、公的管理運営機関は匿名性について審査するのではなく て、だれからもらってよいかを審査するのではないかと思うんですが、ですからやは り……。 ○辰巳委員  兄弟以外の人になった場合には何が問題がなるかといえば、匿名性が問題になるわけ ですよね。 ○丸山委員  少なくとも私は違う、そういう遠い関係の人、あるいは血縁関係がない人からもらう ということは、第三者からの提供以外は認めてはいけないと私は思いますけど。 ○辰巳委員 根本的に。 ○丸山委員 ええ。 ○石井(美)委員  私は兄弟姉妹、父母についてもというだけでもいいのではないかとは思うんですが、 原則は匿名原則、ここでの原則はそこで言って、ただ、議論の過程で、従来も兄弟姉 妹・父母については希望があると。それについては認める余地があるのではないかとい うふうにこの委員会は考えたから、ただし、それは問題も多いので、特別な手続を持っ て、それらについて認めると。それをあえて書いたのであって、だから、この例外がい っぱいあり得るということではなくて、原則は原則、唯一の例外として、今までこうい う希望があるということが委員会でわかっていたから、それを配慮する趣旨ではないと いうことで例外的な手続をここに設けましょうと、そういうものであるという形にした 方がいいのではないでしょうか。 ○丸山委員 それならそこを踏まえて書いて切ってしまう。 ○中谷委員長 そうしますと、4ページの括弧内の表現はどういうふうにしますか。 ○石井(美)委員  「兄弟姉妹・父母」、父母を皆さんが認めるのであれば父母。 ○中谷委員長  事務局としては「ただし〜」を正確に表現すれば、どうなりますか。 ○田中委員  父母まで入れて、「〜等」を外しちゃうんですね。 ○石井(美)委員  「等の近親者」は外す。 ○丸山委員  「等の近親者」は外す。 ○石井(美)委員  父母はよろしいんですか。 ○中谷委員長  「〜第三者が兄弟姉妹・父母等の近親者」……。 ○石井(美)委員  父母までで「等の近親者」を除く、少なくとも。 ○石井(ト)委員  「等の近親者」は外す。 ○中谷委員長  そうしますと、「当該兄弟姉妹・父母等の近親者」、「〜等の近親者」、これを外す わけですね。 ○小林主査  よろしいでしょうか。そうなると例外の場合が、兄弟姉妹と父母に限られるのですけ れども、今度はなぜ近親者のうち兄弟姉妹と父母だけに限られるのかという理屈がもう 一つ必要になってくるかと思います。 ○石井(美)委員  家族共同体が1つであり、現実に田中先生から、今までの経験からいって、そういう 希望があるということもわかっているから、それについては例外的に認めるということ を、この委員会では考えた。 ○小林主査  理念的に言えば、おじいさんもあると思うんです、18・18であれば。 ○田中委員  おじいさん。 ○小林主査  18・18でやっていくと、54歳。 ○田中委員  そうやっていくときりがないですね。 ○石井(美)委員  そこまで、でもあり得るとしても認めるかどうかですよね。そこまで認める必要性は ないのではないかとも言えるわけですね。 ○田中委員  少なくとも私もそう思いますね。 ○母子保健課長  まず一義的には限定的に考えるべき話だろうと。しかし例外的なものとして、父母と 兄弟姉妹については、この間言われていた、具体的なそういうニーズといいましょう か、そういう要望が現実にあるという話であったと。また補強的には、先ほど丸山先生 が言われたような、扶養義務ということもありですか。 ○石井(美)委員  扶養義務の規定は問題が多いと思いますけれども。 ○母子保健課長  よくわからないんですが、この委員会としては、兄弟姉妹・父母に限定をするという 立場で1つ決めるというご意見ということでしょうか。 ○中谷委員長  そういうふうにする場合には、あらかじめ公的管理運営機関に報告ではなくて事前に 諮問しなければならないとか何とかにしなければいけませんね。 ○母子保健課長  いずれにしても事前審査ということは、先ほどのご意見では言われていますので、そ れはつけるということにしたいと思うんですが。 ○辰巳委員  友達とか親戚はもうペケ。 ○石井(美)委員  ペケ。 ○辰巳委員  もう逃げ道がなくなりますね、そうすると。 ○田中委員  ボランティアの中に含まれない、友達というのは。 ○辰巳委員  友達が匿名性のところにひっかかっちゃうんでしょう。 ○石井(美)委員  そうです。 ○丸山委員  ボランティアは必ず匿名で選べないという。 ○田中委員  そうですね。 ○辰巳委員  外国なんかではあるんでしょうね、友達がやりたい。 ○田中委員  あると思いますよ、友達というのは。 ○高橋委員  何かこういうふうな決め方をしちゃうとフレキシビリティがなくて、いろいろな委員 会で討議するときに、これはだめ、これはいい、非常に狭い規定の下で判断するように なると思うんですよね。 ○中谷委員長  マッカーシーさんがおっしゃっていましたね。規定というものはなるべく弾力的なも のでなければいけない、それをお考えになっておられた。 ○石井(美)委員  法でどこまでを定めるかはまたあれだと思いますけれども。 ○高橋委員  これは大きな反対にはならないと思いますけれども、「父母」という言葉を表面に入 れた時、社会的な反響を考えた場合どういう反響が来るかわかりません。これは大変な ショッキングな発表、新聞の見出しになるのではないかなと思います。 ○丸山委員  そういうことになりますね。 ○石井(美)委員  だから兄弟姉妹だけの方がいいのではないかと思うんですけれどもね。 ○高橋委員  そして「等」をつけた方がいいと思う。 ○石井(美)委員  「等」をつけないで兄弟姉妹。 ○矢内原委員  兄弟姉妹に、扶養の義務以外に卵とか配偶子の提供の義務が生ずるような感じがしま せん? ○石井(美)委員  義務はない。 ○丸山委員  ですから、これを直接引用するのはそういう点でまずいんですよ。石井美智子さんの さっきの、自分ではよく説明できませんけど、あの説明がいいと思います。 ○矢内原委員  この背景にあるのはそういう精神なんですね。 ○丸山委員  1つのあらわれかもしれない。 ○矢内原委員  なるたけ厳しく締めないで、イエス、ノーでもう決めてしまった方がいい。あとはフ レキシビリティにおきたいんですけどね。 ○中谷委員長  「兄弟姉妹等の近親者」としてもまずいですか。解釈の指針としては、これにはいと ことかはとことか、そういうものを含むものではないと。 ○丸山委員  それをどれだけ……。 ○高橋委員  あとはいろんな委員会でその都度……。 ○田中委員  私もそっちに賛成ですね。 ○石井(ト)委員  報告書を出すときはある程度きっちりした形で表現しないと、いくらでも解釈が無限 になると思うんですね。ですから一応ここで、今、私が気になっているのは、兄弟姉妹 プラス父母まで含まれるかというところです。そこで、先ほど石井(美)委員も言って いましたけど、機関がありますよね。公的な機関で、ケースごとによってそれを審議す るということをただし書きにしておいてもらいたいです。 ○中谷委員長  それはうたうんですよ。 ○石井(ト)委員  うたうからこそ、ここをはっきりと限定する必要あると思うんです。 ○中谷委員長  そうすると兄弟姉妹だけ。 ○石井(ト)委員  そこは皆さんの意見どうなのかなと思って気になっているところです。 ○田中委員  審議やるんだったら、決めない方がいいんじゃないですか。フレキシビリティを持っ ておいて……。 ○丸山委員  私も決めない方がいい。 ○田中委員  最初からマスの目を余りきつくしないで。 ○石井(ト)委員  そういうものではないんじゃないですか。私は解釈、いくらでも運用できるというよ うな文章はよくないと思うんですよ。これが無限になっていく。友達から何から全部な ってくると思うのです。 ○田中委員  いくらでもというのはないと思うよ。無限大ではないと思います。 ○中谷委員長  丸山委員はどうお考えですか、兄弟姉妹云々の表現としては。 ○丸山委員  ですから私は公的管理運営機関の判断にある程度委ねていいと思っていますので、兄 弟姉妹等の近親者……。 ○中谷委員長  「〜等の近親者」、「父母」をとってね。 ○丸山委員  だけど、はっきりせよと言われると、兄弟姉妹と父母ということにならざるを得な い。だけど、父母、となると私はちょっとためらいますね。ですから兄弟姉妹だけにな ってしまう。そうなるともう例外的に父母が認められる余地がなくなってしまう。そう なるとまたもとに戻って、「兄弟姉妹等の近親者」がいいかなという感じがするんです けれどもね。例外的に認めてよいかどうかは、公的……。 ○中谷委員長  生殖補助医療を行おうとするものですか。 ○丸山委員  文言は「精子・卵子・胚を提供する第三者が得られない場合には、被術者の兄弟姉妹 等の近親者が公的管理運営機関の承認を得て、精子・卵子・胚を提供することができ る」というような。 ○石井(美)委員  近親者はやめましょうよ、「兄弟姉妹等の家族」。 ○丸山委員  いいですね。 ○母子保健課長  実態的には「父母」が入るということですね。 ○石井(美)委員  入る余地があるということなんですよ。 ○母子保健課長  最大限で「兄弟姉妹・父母まで」と。原則は「兄弟姉妹」ということですか。私ども 言っているのは、聞かれますので、範囲が実態的に何を指しているのか、うんと広いの か、どこまでかだけを先生方決めていただければ、表現はね。 ○中谷委員長  近親者というよりも「家族」といった方がずっと法的なものから離れますよね。 ○石井(ト)委員  家族の定義っていろいろあるんじゃないですか。 ○石井(美)委員  近親者もみんな定義はないですね、そういう意味でね。法的定義はない。 ○石井(ト)委員  そうじゃなくて、家族は血縁で結ばれた親族だとか、またそれ以外の家族の定義もあ ります。 ○中谷委員長  表現としては明確性を欠くような気がします。 ○田中委員  そうですか。 ○小林主査  1つあると思うんですけれども、例えば、これを今後指針や法律などに書いていく場 合に、近親者と書くだけではだめで、もうちょっと限定しないといけなくなってくると 思うんですね。その際に、ここの委員会の中で兄弟姉妹・父母以外にもあり得るという ことであれば、ここでは近親者ということにしておいて、今後そういうのを決めていく ときに別途検討委員会ができるのかもしれませんけれども、そういうところでここの議 論を紹介し、そこに沿った形でもうちょっと詳細な書き方をしていくという考え方もあ るのかなとは思いますけれども。 ○石井(美)委員  ここでは兄弟姉妹という形で限定しておいて、現実にするときにはどうするかという ことは、その範囲を委員会は考えていたということを前提に規定をつくっていっていた だく方がいいのではないかと思いますけど。 ○丸山委員  ラインにのったら、明文がないものが認められる可能性は余りないのではないです か、まったくというか。それで「等」なんかを入れたい。だからこそ行政のつくられる 文にはよく「等」が入っている、それは明文がないものの入る余地がないからではない ですかね。 ○石井(美)委員  兄弟姉妹に匹敵するもの、例えば生命侵害のときに挙がってなくても、それに匹敵す るものについては認められる、そういう形だと思うんですけど、私は無限に広がるので はなくて、その人にとって兄弟姉妹に等しい、そういう関係にあるものについては認め られる。そういう形なんじゃないかと。 ○吉村委員  ただ、ご議論は法律的、家族的、それは結構なんですが、実際にやるとかそういうこ とを考えた場合、今、兄弟姉妹がお見えになる方が非常に少ない。そして母親が卵子を 提供できるといったのは、先ほど言ったようにターナーとか特殊な例しかない。大多数 の方はそういうことの症例ではない。そういったことを考えた場合に、もし兄弟姉妹を お認めになるならば、いとことか友人とかそういうことも考えていかないと、なかなか ドナーとしては集まりませんよということですね。  同じように、卵子を提供できる姉妹がいる人というのは非常に少ないだろうと。高齢 の方が非常に多いということになってくると、そういうことも難しいとなると、ドナー の確保ということから、精子はこのままで結構ですが、卵子の提供ということを考える と、やっぱりいろんなことを考えていかないと、せっかくこういうものをつくっても実 際にやれる人はいないなどということになってしまう。  いろいろ考えても、実際にできる症例がなかったら、これはしようがないわけですか ら、そういう症例がなかったら、やらなければいいという意見もあります。本当にそう いうことをするのだったら、兄弟はやっていとこはだめ、それは理論的にはそうかもし れないけど、やってほしいと思われる方にとってドナーが集まらなければできないわけ ですからね。限られた方しかなくなってしまう。 ○中谷委員長  丸山委員、何か。 ○丸山委員  水かけ論ですので。 ○石井(ト)委員  今、先生、精子の場合だったらオーケイですよというような話、多分、精子といつも 卵子が一緒になって論じられているから、精子と卵子はリスクの面で全然違いますから ね。 ○吉村委員  卵子はそれぐらい難しいということですね。 ○石井(ト)委員  そうですね。やっぱりここは別個にいろいろと考えてもいいのではないかと思うんで すよね。1つひとつ、精子の場合とか卵子の場合ということで。ただ、こっちは簡単に 書いておりますけれども、そうではなくて、匿名の問題だとか提供者のドナーに関して も、個別にちょっともう一度考えてみたらいかがですか。それによって構成の仕方も違 ってくると思うんですけれども、ここで一緒になってすべてやろうとするから無理が来 ていると思います。 ○吉村委員  不妊の卵子がない方に何とかしたいというスタンスで、ずっと私は流れてきているよ うに思うんですよ。そういうことを考えると、例えば、姉妹だけに限るということは、 それは確かに家族ということを考えればいいかもしれないし、ただ、実際にそれで恩恵 を受ける人が、せっかくこういうことまで決めておいて、恩恵を受ける人が全くいなか ったら、これは何のために決めたのかということにもなってしまう。○丸山委員 全く いないという見通しをおっしゃいますけれども、全くいない……。 ○吉村委員  非常に少ないということですよ。 ○丸山委員  臓器移植法で8例、あれぐらいは出るんじゃないですか、3年で。 ○吉村委員  先生、私が言っているのは、8例出てもいいかもしれないけれども、もうちょっとあ ると思いますけど。 ○矢内原委員  もっと多いと思う。 ○丸山委員  3年後を目途として検討することを付記するという。 ○矢内原委員  これは全体そうなんですけど、もっといると思いますよ。今までたまっている人たち がどっとですからね。最初はすごく多いですよ。 ○辰巳委員  丸山先生の、友達やいとこなどはだめという強い理由がちょっと私わからないんです が、教えていただけますでしょうか。 ○吉村委員  兄弟がよくてね。 ○辰巳委員  兄弟がよくて友達とかがだめと。 ○丸山委員  やっぱり遺伝子共有部分が多いからじゃないですか。 ○辰巳委員  それだから兄弟はいいと。 ○丸山委員  というふうに認識するカップルの希望は満たそうというか、そういう希望には応じよ う。 ○中谷委員長  多分辰巳委員のご希望に沿うためには、近親者を除いて兄弟姉妹・父母等とすれば。 ○辰巳委員  そこはこちらが大変になると思うので、匿名の問題でひっかかるのかなと思ったんで すね。 ○丸山委員  そうではないんですね。私は、遺伝子を共有したいという、ここにまさにどういう背 景をお持ちなのかしれないですけど、意見を出されている37歳の主婦の方の意見、血を 受け継いでいる受精卵で出産したいという。 ○辰巳委員  アノニマスだったらよくて、友達だったらだめというところの違いはどこにあるんで すか。 ○丸山委員  それは匿名性というか、純然たるドネーションの卵ならいいけれど、そうでない場合 にはさっきの、選べるという点が問題になります。兄弟は選べないんですよね。その点 友人というと、下手をすると無限に選べますよね。ちょっと危ないんじゃないかと思い ますけど。 ○田中委員  いいですか、先生。 ○中谷委員長  はい。 ○田中委員  やっぱり堂々めぐりの意見なんですけど、極端に言えば、禁止しようというか、第三 者、肉親を含めたドネーションはやめようという根強い意見をお持ちの先生と、やっぱ りなるべくニーズに応えたいという意見と、その後は、程度違いでいろんな意見がある んですね。これはまとまらないですね、多分ね。だから、もしもこの会が卵子の提供含 めた第三者の配偶子を認めるのであれば、この会は二十何回やっている会ですから、や っぱり受け皿を大きくしたいんですよ。ここでなるべく狭く狭くして、上に上がる。上 に上がって、広くなることはまずないでしょう。 ○石井(美)委員  そんなことないです。 ○田中委員  違いますか。もっと解釈が寛大になるということは考えられないと思うんですね。だ から、ここではなるべく寛大に、広くしておいて、上で狭くならない方がうれしいんで すけど、だから、もしも一応この会として卵子の提供認めるのであれば、もう一つ、審 議機関が別途にできるということがありますから、なるべく私は柔軟にしていただきた い。 ○石井(美)委員  いちいち個別審査にはしないんですね。産婦人科学会がすべて、前に新聞に流れたの では、個別審査で提供卵子認める、そういうシステムは考えてない。 ○矢内原委員  疾患別です。 ○丸山委員  あれは着床前診断でしょう。 ○吉村委員  違いますよ。 ○石井(美)委員  産婦人科学会の倫理委員会の中間答申。 ○吉村委員  あれはまだ決まってないですよ。 ○田中委員  そうすればいいじゃないですか、1例ずつ申請する。 ○吉村委員  多分産婦人科学会は父母・兄弟は認めないということになると思います。 ○辰巳委員  丸山先生、さっきのアノニマスと友人の違いは、匿名性ということであれば、それは 個別審査のところでカバーすることはできないんですか。個別審査、アノニマス・匿名 ということに対して例外的なものの場合には、これも運営委員会に下駄を預ける。そこ でどう考えても、これはもとからの友達で何とかしたいということで本当のボランティ アだなと思ったらそれはオーケイする、そういうものでもだめですか。 ○田中委員  友人だったら、本当のアノニマスにならないでしょう。 ○丸山委員  ならないですね。 ○辰巳委員  だからまた、それも個別的に運営委員会に任せるという形はだめですか。 ○丸山委員  先ほどの、遺伝子が共通ということとは違う問題なんですけど、繰り返しになるんで すが、石井(美)委員のおっしゃった頭がよくて何とかでという、私はこういう人にな りたかった、ということで親友関係を持っているというような場合もあるのではないか と思うんですね。そういう動機でドネーションしてもらって生まれた子どもというの は、さっきの丸2、丸3のところとの関係でどうかなと思うんですね。 ○田中委員  それは現実的にはそういうことはあり得ないですよ。小説の世界ではあるかもしれま せんけれども、卵を採るということは大変なことなんですよ。注射打って採るというこ とは。だから、フィクションの世界ではあるかもしれないけれども、実際にその人に卵 を採らせてくれというのは物すごいことを頼むわけですから、まずないですよ。 ○石井(美)委員  とすれば、認めなくてもよろしいんじゃないですか。 ○田中委員  えっ? ○石井(美)委員  まずないんでしたら。 ○田中委員  何をですか。 ○石井(美)委員  認めなくてよろしいんじゃないですか。 ○田中委員  何を認めないんですか。 ○石井(美)委員  そういう例を認めるための規定にしなくてもよろしいんじゃないですか。 ○田中委員  だから、先生が言ったように、友達といってもそういう人を連れてくるということは まずあり得ないと言っているんです。 ○矢内原委員  逆に言えば、姉妹にそれを強いることになりますよ。 ○田中委員  だからこそ姉妹はやってくれるんですよ。そういうことをやってくれるのは姉妹しか いないんですよ。だから、さっきも言ったように、認めるならばできるようにしてほし というのは私の最初からの。全面却下ならそれでも構わない。認めるならば、絵にかい た餅ではなくて、できるようにしてほしい。そこでさんざん皆さん今まで悩んできたわ けですよね。  今、もうまとめる段階に来ているので、私はまとめるのだったら、なるべく広くフレ キシブルに認めてほしいと。 ○中谷委員長  原則は匿名性。だけど、例外的なものとして、どこまでを書き上げるかということで すね。 ○田中委員  私は高橋先生が言われた意見がいいと思います。 ○母子保健課長  事務局の提案です。我々もずっと先生方の熱心なご議論をお聞かせいただいて、今の この1点に関しては、何か本質的に分かれている部分があるような、事務局として調整 しようがない分かれ方というのでしょうか、つまり同じことを違う角度で言っているの ではなくて、本質的にどこまでを例外として認めるかということがかなり分かれている という印象があります。いわゆる一番近いところを軸にしてどこまで広がるか。その幅 はここでは決められないと。例えば、兄弟姉妹に限定する案から、場合によってはいと こぐらいまでの幅広い近親者まで認めるべきではないかという案があったと思います。  しかし一定程度の例外については、先ほどのような理由と限定を全部つけた上で認め てもいいのではないかという点は一致している。ただ、どの範囲かということでは意見 が分かれたということで、これを最後整理させていただくというのも1つはあるのかな と。  私ども、繰り返し、一本にまとめていただくのが一番ありがたいと申し上げてきたわ けですが、この点については、これだけ分かれているのであれば、止むを得ないと。あ とは部会の了承を得て、行政が検討する中で、それはどの範囲かということについて は、個別審査に委ねるのかガイドラインである程度決めるのかという検討に委ねるとい うこともあるのかなと思いますが。 ○中谷委員長  事実上は個別審査に委ねるよりは仕方がないような気がしますけれども、いずれにせ よ、今のところは基本的に対立があるわけですから、今、課長さんが言われたような形 で整理していただいたらいかがでしょうか。よろしゅうございますか。石井(美)委員 何かご意見ありますか。 ○石井(美)委員  もう少し限定するということがあってもいいのではないかなというのと、極端な場合 には多数意見と少数意見という形まで整理できるならそこまでして、兄弟姉妹で区切る かどうかというところで意見が分かれるとすれば、2つの案でというような形にして、 今のあれだとかなり、後でどうにでもなってしまうような書き方になってしまうこと は、こちらでおっしゃっていた先生方も、本当の例外的に広がる場合があるというニュ アンスだったものですから、そこのところは残るような形の方がよろしいのではないか と思うんですけど。 ○母子保健課長  そういうふうにしていただければ、多数と少数でも結構です。いずれにしても……。 ○中谷委員長  それではいかがですか。「兄弟姉妹」だけに限るという方。 ○吉村委員  そういう先生、意見になると、匿名だけに限るという人もかなり根強いですから、そ うなってくると……。 ○丸山委員  匿名はみんな認めるんですね。 ○吉村委員  だから匿名だけにして、兄弟姉妹は認めないという……。 ○石井(美)委員  例外は認めないという。 ○中谷委員長  匿名は原則ということはみんな認めているわけですから、例外を全然認めないのか、 それとも例外を認めるにしても、兄弟姉妹に限定するのか、父母を含むのか、父母以外 の近親者も含むのかという、3つぐらいに分かれますね。 ○吉村委員  そうですね。 ○石井(美)委員  そういう形に書いていただいた方が逆にいいのかもしれませんね。例外を認めないと いう方はいらっしゃるというならば、例外は認めないと。 ○中谷委員長  例外は認めないという方は挙手していただけますか。 ○吉村委員  私はもしそういう意見だったら、3つだったらそれですね。認めるのだったら、兄 弟、いとこは全部いいですね。父親というと非常に問題だと思いますけど、いとこであ っても友人であっても私はいいと思いますね、認めるのであるならば。ですから、その 書き方があるんですから、私はもしただし書きをちゃんとしていただけるのならば、要 するに「兄弟姉妹・父母等の近親者」でいいと思います。 ○中谷委員長  「父母」を入れますね。 ○吉村委員  「父母等」を入れていただいてもそれは。 ○中谷委員長  「兄弟姉妹等」にするのか「兄弟姉妹・父母等」。 ○吉村委員  「父母等」、これがただし書きでするのであるならば。 ○中谷委員長  矢内原委員はいかがですか。 ○矢内原委員  吉村先生に近いですけれども、2つ問題点があると思うんですね。今、例外規定を決 めるのだったら、これはうんと広くしてしまって、ただ、公的機関にそれを任せるとい う、公的機関が本当に運用できるかどうかということをうんと心配しますね。ですから 次の段階のことまで考えると、ここの段階では例外規定は広くして、公的機関に後は任 せましょうと。だけど、公的機関に対処できないぐらい初年度は殺到すると思います。 ○中谷委員長  丸山委員いかがですか。 ○丸山委員  私は原則はもちろん第三者の匿名でよろしいと思います。それ以外の場合も認めて、 表現は「兄弟姉妹等の近親者」がいいと思います。 ○中谷委員長  田中委員いかがですか。 ○田中委員  「兄弟姉妹等の近親者」。 ○中谷委員長  辰巳委員は。 ○辰巳委員  「兄弟姉妹等の近親者」。 ○高橋委員  私も同じですね。 ○石井(美)委員  私は近親者よりは「家族」の方がいいと思いますが、私は「兄弟姉妹」に限る方がい いと思います。 ○石井(ト)委員  私も「兄弟姉妹」で限って、特例のところで、ある程度対象の幅を広げる、そういう 考え方です。 ○中谷委員長  表現としてはどうなりますか。 ○石井(ト)委員  「兄弟姉妹に限る」と。それで、特例として運営委員会に任せるものが幾つか出てき ますね。父母とかいとこ、はとこだとか。 ○辰巳委員  すいません、石井(美)先生、家族というと、何か別所帯になっちゃっていると、私 ら一般人の印象から言うと家族じゃないような気がするんですが、家族なんですか。ド ネーションする妹さんはもう子どももいて、別の家族でしょう。それは別の家族になる のではないかなと思うんですけれども。 ○石井(美)委員  そう言われると、核家族の範囲外ではそうだと思います。だから「兄弟姉妹」という 言葉は入れないといけないんだと思うんですね。 ○中谷委員長  私は「兄弟姉妹等」にしたい。近親者も入れないで「兄弟姉妹等」だけ。 ○丸山委員  兄弟姉妹等からもらうことができる。 ○吉村委員  ということは、先生、具体的には兄弟姉妹……。 ○中谷委員長  親友なども入る。 ○吉村委員  親友なども入る。私もそれでいいです。「兄弟姉妹等」。父母だっていいわけです か。 ○中谷委員長  ええ。 ○吉村委員  そうですよね。 ○石井(ト)委員  「等」といったときに、「等」はどこまで含むのかというところで多分質問が出ると 思うんです。ですから、そこをやっぱり皆さんで合意しておかないとまずいと思うんで す。そこが気になっているんです、それを聞きたいんです。「等」というのを皆さんが どこまで考えているのか。 ○丸山委員  身も蓋もない話をいたしますと、みんな違うことを考えて、文言だけが同じで、合意 ができるということも少なくないので、余り詰めてしまうと、文言でならできる合意が できなくなってしまうのではないですか。 ○高橋委員  そうですね。 ○母子保健課長  表現は最後どうするかはともかくとして、実態的にどの範囲を先生方が考えておられ るかを明らかにしていただきたい。私はさっきそれを違う形で書こうというのはいかが ですかと申し上げたんですが、それをどう違うかを明確にしようというような意向でや っていただいたわけです。私どもはどのような形でも一向に構いませんので。 ○中谷委員長  私は「兄弟姉妹等」という場合は父母は含まないんです。 ○母子保健課長  つまり兄弟姉妹といとことか伯父さん、伯母さん、兄弟姉妹のみですか。 ○中谷委員長  近親者も入れないんですから。 ○母子保健課長  兄弟姉妹のみということですか。 ○中谷委員長  「〜等」、親友みたいな……。 ○矢内原委員  「等」の中に親は含まない。だけど、はとこ、いとこは含む。伯父さん、伯母さんは ……。 ○吉村委員  含まない。 ○矢内原委員  そうですか。 ○吉村委員  先生は、そうすると、兄弟姉妹と親友。 ○中谷委員長  みたいですね。 ○石井(美)委員  さっきのを撤回しますと、これだけばらばらになったら、それは無理だろうと思いま す。ただ、例外を認めないという方もいらしたわけですから、例外を認めるという者が 多数であったと。しかし、それはごくごく例外的なものであるということを強調してお いていただきたいということですね。そうですね。そこは皆さん……。 ○吉村委員  そうであればいいです。私もそれで納得します。 ○高橋委員  症例としてごくごく少数。 ○石井(美)委員  それをだから事前審査ということはかなり限定的に認められるということに示して。 ○吉村委員  要するに 3ができましたですよね。 4を、本当にこれは例外なんですよということを 言っていただければ私はこの案に賛成できますが。 ○中谷委員長  そうですね。 ○吉村委員  その場合には、私は親友なんかも認めてあげていただきたいと思うわけです。その例 外的な規定においても。 ○石井(美)委員  という人もかなりいたということですね。 ○辰巳委員  「兄弟姉妹等」。 ○石井(ト)委員  実態として親友というのはどのくらいあるんですか。 ○吉村委員  私はわかりません、やったことないから。ただ、兄弟なんかより、かえって多いんじ ゃないか。その親友の定義もありますけど。 ○母子保健課長  例外のところ、一応今の流れは近親者というか、血がつながっているところを前提に これは構成されているんですが、 4として、そこのところを書くこと、別立てになるわ けですが、一応それはよろしいですか。つまり、血のつながっている者の例外というこ とで、先ほどの血族主義や血縁主義は落としますが、親子の血のつながりを重視する と。それから、提供者は得られない場合があるということで例外を認めるのだとして、 極めて限定的な例外だということで、その上で、例外の幅について、いわゆる兄弟姉妹 に限定すべきというものから、もう少し広く、それをさらに広げていくべきだという意 見までいろいろありますと。これについては結論の一致を見出せなかった。今後の検討 に委ねたいと、こういうことでよろしいでしょうか。 ○中谷委員長  そういうことですね。 ○石井(美)委員  兄弟姉妹が認められるのだったら、ほかのものが認められる余地もあるのではないか という意見ですね。 ○吉村委員  そういう意見なんです。 ○母子保健課長  それで結構です。兄弟姉妹に限定すべきだという意見から、兄弟姉妹が認められるの ならば、それ以外の血縁関係者にも認められるべきではないかという意見まであったと いうことですね。 ○中谷委員長  そういうことです。 ○田中委員  いいですか。 ○中谷委員長  どうぞ。 ○田中委員  精子の提供の父親もだめという方は何人おられて、父母を一律に外されると、私は精 子の提供の父親というのを前から認めてほしいと言っているので。 ○母子保健課長  今のは外れないんですが、つまり、兄弟姉妹。 ○矢内原委員  私は父親は反対。 ○中谷委員長  私も父親は反対。 ○吉村委員  私も父親は。 ○石井(美)委員  私も反対。 ○石井(ト)委員  私も反対です。 ○田中委員  兄弟はいいけど、父親はだめ、精子は。 ○中谷委員長  精子も卵子も。 ○石井(美)委員  父、母はだめ、父母は入れないと。 ○高橋委員  私はケースによっては、審議の上認めてもいい。 ○石井(美)委員  半々ですね、そうすると。 ○母子保健課長  私の方で整理した案は、兄弟姉妹に限定すべきというところから、それを認めるなら ば、それ以外の血縁にも広げていいのではないかという意見まであったという書き方で すので。 ○丸山委員  血縁まででとどまらないんでしょう。友人も構わないという。 ○母子保健課長  友人もこの場合は含むんです。つまり血縁主義というところからスタートしているん ですが、この場合の例外に友人まで入れるということになるんですか。 ○丸山委員  中谷先生もそういうご意見。 ○石井(ト)委員  そうなるとおかしいですよ。 ○丸山委員  ですから内容的には説明は、今課長おっしゃったのでいいのでしょうけど、文言とし ては「兄弟姉妹等の近親者」というふうに、近親者のしばりをかけるか、「兄弟姉妹 等」と言ってしまうか、2つの案なんですね。 ○中谷委員長  「近親者」が入れば血縁主義というのはそこに生きてくるわけですけど。 ○丸山委員  「兄弟姉妹等」というと友人にも及びうるという。 ○母子保健課長  表現はそうなんですが、実態的にこれは意見がまとまらなかったということで書くわ けですので、つまり「近親者等」と書けば、これはどこを言っているかわからないわけ ですから、実態はどうなんですかと聞かれますね。そうすると委員会としてはまとまっ ていませんと私は言わざるを得ないわけですね。つまり兄弟姉妹に限定すべきだという 方から、いとこまでいいのではないかという方までおられますと。 ○石井(美)委員  いとこだけじゃなくて友人まで。 ○母子保健課長  友人までということですね。もし、ここの中で友人まで含むということで書いて、整 合性がちょっと崩れるんですが、もういいと。とにかく、ここのところで、例外で血縁 主義から始まって議論したところが、最後は考えてみたら、友人まで広がるのではない かという意見もあったということで、ここは合意に至らなかったということでよけれ ば、最後のところは、兄弟姉妹に限定すべきという考え方から、兄弟姉妹を認めるなら ば、兄弟姉妹等にまで……。 ○小林主査  それ以外の者について。 ○母子保健課長  それ以外の者まで認めるべきではないかという意見まであったと、これでよろしいで すか。 ○丸山委員  繰り返しになりますが、文言としてはさっきの2種類で、さっきの2種類の分布をと っておかれた方が説明しやすいと思う。 ○小林主査  どっちにするかと決めておかないと、兄弟姉妹等にするのか……。 ○丸山委員  「兄弟姉妹等の近親者」か、「兄弟姉妹等」というので、暗黙のうちに友人を含む意 見か。 ○母子保健課長  明確に書けばいいんじゃないですか。つまり兄弟姉妹しかだめというのは、明らかに 近親者で兄弟姉妹だけの話でしょう。 ○中谷委員長  兄弟姉妹等・近親者という場合は父母も含むわけでしょうし、いとこなんか、そんな ものも含むだろうと思いますけれども。 ○母子保健課長  幅が。 ○丸山委員  幅は確かに、内容的にはそうなんですけど、表現としたら2種類で集約できると思う んですけど、違いますか。 ○母子保健課長  具体的にどういうふうに書くということになりますか。 ○丸山委員  「兄弟姉妹等の近親者」というグループと「兄弟姉妹等」というグループ。 ○石井(美)委員  「近親者」という言葉を入れるか入れないか。 ○小林主査  「近親者」という枠をつけるか、枠なしとするか。 ○母子保健課長  もし「〜等近親者」と言った場合には、「兄弟姉妹」という限定された部分がスター トというニュアンスにならなくて、「兄弟姉妹と近親者」という範囲から始まって、そ れから、それ以外のいわゆる友人も含む関係という、この幅の中での議論だったという ニュアンスになるわけですよね。 ○中谷委員長  そういうことですね。 ○石井(ト)委員  そうじゃなかったですよね。 ○石井(美)委員  「兄弟姉妹」というのと、「兄弟姉妹等」……。 ○中谷委員長  「〜等近親者」。 ○矢内原委員  議論の発端は、確かに血縁主義だから「兄弟姉妹」という言葉が出てきたので、「兄 弟等」という中に友人を入れるのは、その前文としてはぐあい悪いわけですよね。 ○小林主査  理屈を通すという意味ではどうでしょうか。 ○矢内原委員  理屈を通っていくとだめでしょう。だから「等」で、友人ということは、難しいので はないか。 ○丸山委員  余り実質論ばっかりしていると歯どめがなくなるので、こういう文言が、こういう意 見比率でというのは示した方が。 ○矢内原委員  百歩譲って私の意見は、特殊な例外として兄弟姉妹等を含むと。どこまでですかと言 われたら、これは目下議論の最中ですということでいいんじゃないですか。そこしか言 えない。 ○石井(ト)委員  そこら辺をまだディスカッションできるのですか。 ○小林主査  とりあえず次回、文言を直すときに、今、丸山先生のおっしゃったように「兄弟姉妹 等」としておくのか「兄弟姉妹等の近親者」としておくのかというのがあると思うんで すね。もし「兄弟姉妹等の近親者」、近親者という最低限の枠をつくるのも、そこも意 見があるので、最後のところで、幅広い議論があったということにするというのであれ ば、「〜の近親者」というのはやっぱりとるべきなんでしょうし、広がりすぎてしまう とまずいので、「近親者」という最低限の枠はここでつくりましょうということであれ ば、「〜の近親者」と入れるのだと思うんですが、そこは決めていただけると、事務局 としてはありがたいところですが。 ○母子保健課長  ちょっと私は不安なので。 ○吉村委員  お困りになると思います。 ○母子保健課長  要は何を申し上げたいかというと、私の方としては議論の幅が、実態的に委員会がど うだったかということをお示しできればそれでいいのです。その幅がいずれにしてもほ かに委ねようという合意はされているわけですから。この委員会でまとまらないわけで すから。 ○吉村委員  こうされたらどうですか。3つありますと、提供できる人には。「兄弟姉妹に限る」 という方、「兄弟姉妹等の近親者に限る方」、「兄弟姉妹等友人も含む」、この3つの 意見がありましたという意見でいいじゃないですか。 ○母子保健課長  それでよろしければ、非常に明快ですし、私の方は事務局的には非常にやりやすい 話。 ○吉村委員  やっぱり困りますよね。 ○丸山委員  それで意見分布とっておいたらどうですか。 ○母子保健課長  それでは一応多数決を。 ○丸山委員  多数決というか、大体これぐらいの。 ○母子保健課長  多数決じゃなくて、意見を。 ○矢内原委員  その3つで今決とってみない。 ○吉村委員  いいですよ。 ○石井(美)委員  そこまで言う必要ないわけでしょう。 ○矢内原委員  彼は言わなくてもいい。 ○吉村委員  大体どういう意見、ニュアンスを理解されていたか。 ○田中委員  3番目は何でしたか。 ○矢内原委員  友人等。 ○吉村委員  友人等です。 ○田中委員  一番広いやつですか。 ○矢内原委員  一番広い。 ○石井(美)委員  兄弟姉妹等。 ○丸山委員  兄弟姉妹等。 ○高橋委員  父母は入らない。 ○田中委員  父母は入らないの。 ○中谷委員長  父母は入らない。 ○吉村委員  父母は入らないです。 ○中谷委員長  兄弟姉妹と友人。 ○丸山委員  父母は2番目から入るんでしょう。 ○中谷委員長  兄弟姉妹と友人。 ○田中委員  一番広くないじゃない。 ○石井(美)委員  広いか広くないかはわからないけれども……。 ○辰巳委員  父母を入れないとも限らない。もういいんじゃないですか。入れる、入れないはそれ ぞれの判断で。 ○吉村委員  判断で。 ○石井(ト)委員  それでは困るんですよ。 ○田中委員  もう一回。 ○矢内原委員  兄弟姉妹、兄弟姉妹等の親族、近親者。 ○田中委員  友人が入らないだけですね。 ○中谷委員長  父母が入る、いとこやなんかも。 ○矢内原委員  2プラス友人。 ○田中委員  一番最後が広いですね。 ○吉村委員  3は、先生、いとこも入ってもいいんですか。いとこは入っちゃいけないんですか。 ○石井(ト)委員  3は全部入るんです。 ○田中委員  3は全部入る。 ○石井(美)委員  3は全部入るんです。 ○高橋委員  父母も入るの。 ○田中委員  父母も入ります。 ○石井(ト)委員  それ以外の分け方、先生おっしゃったのは親友まで入るんです。 ○田中委員  親友。 ○石井(ト)委員  その言い方は。 ○石井(美)委員  だから個別審査に委ねるということですね。 ○高橋委員  要するに個別審査に委ねる。 ○田中委員  2が友人がない親族全部。 ○石井(ト)委員  友人以外の親族すべて、2は。 ○田中委員  全部じゃなくて、父母も入るということですね。 ○中谷委員長  3は。 ○石井(ト)委員  3はいとこまで含んでいるのではないですか。 ○田中委員  3は2プラス友人ですね。 ○石井(ト)委員  2はいとこもはとこも全部入って、それで3は……。 ○丸山委員  そこはグレーゾーンでしょう。2は多分父母が入るんでしょう。いとこ、はとこまで 入るかどうかはグレーゾーンだと思いますけど。 ○高橋委員  そうですね。 ○矢内原委員  親族だから六親等でいいんじゃないですか。 ○石井(ト)委員  3つに分類するとそうなるんです、必然的に。だからそれをはっきりしてください。 ○石井(美)委員  だったら兄弟姉妹・父母、それ以上と言ったほうが、3つの分類は正しいんじゃない ですか、丸山先生の。 ○辰巳委員  委員長はどっちだとお考えなんですか。 ○吉村委員  委員長はちょっと。 ○石井(美)委員  父母は入らない。 ○矢内原委員  世代が変わるということに対しては、私も反対。 ○中谷委員長  父母も入る説もあったわけですよ、もちろん。 ○吉村委員  先生は、兄弟姉妹等で父母は入らないんですよね。 ○高橋委員  そうそう。 ○吉村委員  だから委員長はちょっと違うんですよ。 ○田中委員  1番ですね。 ○矢内原委員  私も委員長に近い。「兄弟姉妹等」が入っていて、父母は含まない。 ○田中委員  それは何番ですか。 ○中谷委員長  近親者は入らない。 ○吉村委員  父母は含まない。 ○矢内原委員  だけどいとことかそこはいい。 ○中谷委員長  「兄弟姉妹等・近親者」なんですよ。ただし、父母は入らない。 ○高橋委員  3番目は父母が入らないんですか。 ○石井(美)委員  父母は入らない。 ○中谷委員長  全く別なカテゴリー。多分、吉村先生と私はあれなんですね。 ○丸山委員  無理みたいですね。 ○石井(美)委員  無理ですね。 ○吉村委員  無理ですか。 ○丸山委員  考えていることが違いますね。同床異夢ですね。 ○中谷委員長  それぞれ個性的なんです。 ○吉村委員  やっぱりだめでした。 ○母子保健課長  今の3つでもやはり確定できませんか。きょうはその範囲についてはいろいろ議論が あって、集約には至らないということがほぼ合意されたということでよろしいでしょう か。あとは文言で、その幅は何かというと「兄弟姉妹」に限定する先生もおられたし、 友人まで入れてもいいのではないかという先生もおられて、そういう広い中で分かれて ましたというふうに報告させていただきます。  それで、報告書でどう書くかは文言の話ですので、こちらにお任せいただいて、また 次回お示しするということでいかがですか。 ○丸山委員  一言だけ。こういう意見分布だと1説も2説も3説も、今はもう流れましたけど、兄 弟姉妹は入っているんですね。となると吉村先生は、不本意でしょうが兄弟姉妹は認め てよいということになりませんか。 ○吉村委員  だから、先生。 ○石井(美)委員  認めるなら。 ○吉村委員  こういうことが、例外的に認めるならば、私は友人も入れてもいいという考えです。 ○丸山委員  友人も入れてもいいけど、兄弟姉妹は……。 ○吉村委員  兄弟姉妹も入れていい。 ○石井(美)委員  無限定なんです。 ○吉村委員  これはみんなのコンセンサスですから、これは一人が匿名性だけで行きましょうと言 ったって、これはしようがないことですから。 ○丸山委員  失礼しました。 ○中谷委員長  原則匿名性です。 ○吉村委員  だから匿名性をなるべく重視していただきたい。 ○矢内原委員  匿名ドネーション。 ○石井(美)委員  ごくごく例外を認めるという、その例外の範囲内については意見が分かれている。 ○石井(ト)委員  中間報告ということで、最終的にはきっちり決まる可能性もあると思うんですよね。 ○石井(美)委員  そうそう、最後には。 ○母子保健課長  何らかの基準がないとこれは適用できませんので。 ○小林主査  そうですね。本当に運用するときには、逆に言えば、あいまいにはできませんから、 ちゃんと決めますよね。それは法律用語に従ってきちんと決める。 ○中谷委員長  みんなで努力いたしまして。 ○石井(美)委員  最後に、先ほど吉村先生も課長さんもおっしゃったんですけど、もともとの題が「第 三者の配偶子提供等による」という、この「第三者の」というのは必要なんですか。要 するに提供配偶子による提供胚、だから配偶子提供等による、提供配偶子でもどちらで もいいんですが、「第三者の」というのは要らないのかもしれないと思い出したんです けど。 ○母子保健課長  そうですね。つまり夫婦間ではないという……。 ○中谷委員長  配偶子の提供……。 ○石井(美)委員  ないということは、提供ということでわかりますのでね。 ○中谷委員長  提供ということでね。 ○母子保健課長  従来、そういう表現にしておったのですが、いまので統一しろということであればそ れはもう。 ○石井(美)委員  「近親者」という言葉が出てくると、確かに「第三者」というのは近親者と区別され た言葉のような気がしますですよね。 ○母子保健課長  「提供配偶子等」になりますか。 ○吉村委員  ちょっと待ってください。厳密に言いますと、胚は配偶子とは言わないんですよ。 ○石井(美)委員  「等」で入っています。そういうことではないですか。 ○吉村委員  提供に対する「等」でしょう。 ○石井(美)委員  だから「提供配偶子等による」じゃないんですか。 ○吉村委員  提供配偶子……。 ○小林主査  精子・卵子・胚の提供とか、3つ並べてもいいわけですね。 ○石井(美)委員  そうですね。 ○吉村委員  その方がいいかもしれないですけど。 ○小林主査  「第三者の」と入れるのは必ずしも必要ないと思います。 ○吉村委員  厳密に言うと接合子になりますので、胚は。 ○石井(美)委員  接合子と胚はどう違うんですか。 ○吉村委員  胚は厳密に言うと、もう少し経ったものを言うんですよね。接合期で前核があると き、雌性前核と雄性前核があるときを接合子と言うんですよ。これが1細胞でも1個に なるとこれは胚と言っていいんです。 ○矢内原委員  分割しなくてもいいの。 ○吉村委員  いいんです。12時間と18時間ぐらいの違いで。そういうことですから、厳密には。 ○矢内原委員  そこは受精卵で分割が始まったら胚になるんじゃないの。 ○吉村委員  融合すれば胚でいいんですよ。1細胞は胚と言ってもいいわけですから、分裂しなく ても胚と言っていいです。 ○矢内原委員  それは受精卵というんじゃないの。 ○吉村委員  受精卵でもいいですし。 ○石井(美)委員  受精卵は接合子とどう違うんですか。 ○吉村委員  同じ意味。 ○石井(美)委員  受精卵は、まだ核が2つある状態。 ○吉村委員  受精卵というと、受精の定義は2細胞核と2極体ですから、受精卵と接合子は同じ意 味でいいと思いますよ。 ○辰巳委員  接合子から後はずっと受精卵でいいんじゃないんですか。胚も受精卵。 ○吉村委員  胚も受精卵です。 ○辰巳委員  だから接合子以後。 ○吉村委員  そういう意味で言えば、受精卵はみんないいですね。 ○石井(美)委員  4つ……。 ○辰巳委員  4つも8つも全部も受精卵。 ○吉村委員  受精卵でいいです。 ○石井(美)委員  余り使わないとおっしゃっていたから、普通は胚というから。 ○吉村委員  初期胚は2細胞期胚ぐらいから、でも1細胞期胚から胞胚までぐらいを初期胚といい ますね。 ○中谷委員長  初期胚という言葉に限定する先生もいらっしゃいますね。福祉のカズマサさんなんか そうですけどね。 ○石井(美)委員  この状態が接合子ね。 ○矢内原委員  分割始まってから胚と言った方がいいんじゃないの。 ○吉村委員  分割始まらなくてもいい。 ○石井(美)委員  言葉の定義の中に、胚の中には接合子も含むとか何とか。 ○辰巳委員  接合子の段階の治療はないんじゃないか。 ○石井(美)委員  混ぜただけで入れるとか。 ○石井(ト)委員  受精しなきゃ。 ○辰巳委員  接合子を凍結していることもありますよね。 ○吉村委員  あります。 ○辰巳委員  接合子も入るわけですね。 ○吉村委員  ええ。 ○小林主査  胚ではなくて受精卵の方が正確なのでしょうか。 ○石井(美)委員  でも胚移植と言っている。 ○吉村委員  胚でいいじゃないですか。 ○矢内原委員  わかりやすいから胚の方がいいです。 ○吉村委員  「精子・卵子・胚の提供による〜」の方がいいんじゃないですか。 ○石井(美)委員  「等」をつけておいたら。 ○吉村委員  「提供等」。代理母のとこも言及してますから。 ○中谷委員長  「配偶子の提供等による各生殖補助医療の是非等について」、これ「等」が要るんで すかね。 ○石井(美)委員  「等」がみんなついている。 ○母子保健課長  これは全体の報告書の中に減数手術の人が入ってくるのかなということで、随分前に ご議論いただいたものは、最後は入れないといけないかなと思っておりますので、これ が「等」なのかなということになっております。 ○中谷委員長  「等」、「等」で。 ○母子保健課長  あと1点申しわけありません。また、最後、締めは委員長にやっていただきますが、 次回以降のことで大変恐縮なんですが、一応今回「出自を知る権利」も含めて出させて いただいて、次回にはできれば最終報告書の形にした、中身はまだ議論いただくとし て、形がどうなるかを示したものでご議論いただきたいと思っております。少し時間の 効率化のために、ほとんど他はまだ議論されてないんですが、本試案は、中身は基本的 にはよくできているというお褒めもいただいておりますので、どの点に例えば異論があ るというのを少し早めにいただけるようお願いします。それをまた先生方にファックス でお配りして、というようにして早めにその辺の議論の……。 ○吉村委員  今、ちょっと言っていいですか。 ○母子保健課長  結構ですが、時間がちょっと。 ○吉村委員  シェアリングのことなんですけど。 ○小林主査  中谷先生がおっしゃった、国語の問題でおかしいとか、そういうところもあると思い ますので、私のところにファックスで送っていただければ、随時直します。 ○中谷委員長  皆さんの時間を拘束するのは申しわけないから。 ○母子保健課長  また早めに各先生方にディストリビュートしますので、そういう形で。○小林主査  また、何々先生からこういうご指摘がありまして直したと、私の方からご説明します。 ○中谷委員長  どうぞよろしく。 ○母子保健課長  どうもありがとうございました。   照会先:雇用均等・児童家庭局 母子保健課 03−5253−1111(代) 椎葉(内線:7933) 小林(内線:7940)