00/11/01 第4回介助犬に関する検討会議事録        第4回 介助犬に関する検討会                   議事録         日時 平成12年11月1日(水)15時30分〜17時35分         場所 厚生省特別第2会議室                (開会・15時30分) 板山座長  それでは皆さん、お忙しい中を第4回の検討会にご出席をいただきましてありがとう ございました。  これから開会をいたしますが、まだ、遅れている方がいらっしゃいますけれども、出 欠状況を含めて資料について事務局からご説明をいただきましょうか。 企画課長  それではまず出席状況についてご報告をさせていただきます。本日は谷口委員はご都 合によりご欠席でございます。  なお、ダイエーの高嶋委員の代理としまして同社の総務企画室のCS企画部地球環境 ・社会貢献課の課長でいらっしゃる谷本さんが代理で出席していただいております。  JR東日本の前田委員の代理として営業部のサービスグループの岩樋さんが前回に引 き続きまして代理出席いただくことになっておりますが、ちょっと遅れておられます。 今、見えました。岩樋さん、今、ただいま、出席いただきました。  金田委員がご出席の予定でございますけれども、少し遅れているようでございます。  なお、本日も運輸省の方から前回に引き続きまして消費者行政課の方、観光部の観光 振興課の担当官にオブザーバーとしてご出席をいただいております。以上でございます 。  引き続きまして、では資料の説明をさせていただきます。 板山座長  よろしくどうぞ。 社会参加推進室長  それでは事務局の方から資料のまず確認をさせていただきたいと思います。  一応、資料といたしましては、資料1の討議事項について。これは3頁ほどの資料。 資料2といたしまして、介助犬育成団体・使用者等の一覧という資料。資料3−1で介 助犬利用者の調査という横の表。資料3−2として縦紙の同じく調査表。資料4といた しまして兵庫県の要綱を用意しております。資料5といたしまして、盲導犬の訓練基準 。 資料6といたしまして、前回の議事録。参考資料といたしまして前回も配付しておりま すが、「介助犬とともに暮らすには」の抜粋を用意してございます。一応、資料、ご確 認、よろしいでしょうか。  それではそれぞれの資料につきまして簡単にコメントをしたいと思います。  まず、資料1の討議事項でございますが、これは本日、議論していただく事項を整理 したものでございます。介助犬の役割、有効性、使用者の範囲、介助犬の定義について 前回に引き続いてご議論いただきたいと思います。また、項目の5番目にあげてござい ます介助犬に求められる資質・要件などについても新たにご議論をいただきたいと思っ ております。  議論の参考といたしまして、次の頁でございますが、第3回の検討会でご討議いただ きました討議内容の概略を添付してございます。波印で囲ったところが高柳委員からご 提案のあった内容、黒丸がそれぞれ各委員からあった意見をまとめてございます。  資料2から資料4でございますが、これは前回、各委員の皆様方から宿題としていた だいているものを事務局でまとめたものでございます。  まず、資料2の介助犬育成団体・使用者等一覧についてご説明申し上げます。これは 日本介助犬アカデミー、及び介助犬育成団体等から聴取いたしまして現在までに把握で きている介助犬育成団体等を一覧にまとめたものでございます。  これによりますと現在、日本には介助犬の育成団体と称する団体が13ございます。頭 数といたしましては18頭ほどが確認されております。団体は東京都と京都府に多くござ います。また、育成団体の中には、まだ、介助犬を育成していない団体もあるようでご ざいます。  次の頁、2枚目でございますが、これは参考といたしましてこれらの国内の介助犬育 成団体の変遷を図にまとめたものでございます。以上が資料2でございます。  資料3につきましては、現在、日本にいる介助犬からリストアップしていただきまし て、いろいろな項目について調査したものでございます。これにつきましてはのちほど 高柳友子委員の方から説明していただきたいというふうに思っております。  次に資料4でございますが、これは介助犬の受け入れを始めている自治体の例といた しまして、兵庫県が制定した要綱でございます。  要綱の名称は1頁目にございますが、兵庫県介助犬同伴利用促進要綱でございまして 、平成12年の9月1日から施行されております。この要綱は肢体不自由者の自立と社会 参加を推進するため、介助犬について広く県民の周知を図るとともに、介助犬の認定及 び登録の制度を創設し、肢体不自由者が介助犬を同伴して日常生活において必要とする 施設を円滑に利用できるようにすることを目的とした兵庫県が定めた要綱でございます 。  要綱には介助犬の定義、あるいは介助犬の認定、登録等が規定されております。介助 犬の認定、登録などの仕組みは次頁以降に書いてございますが、介助犬の認定は県が定 めた介助犬認定基準によりまして県が予め指定した団体が介助犬として認定し、それを 県が介助犬として登録を行います。介助犬使用者には登録カードが交付されまして、施 設を利用する際に施設の管理者等から求めがあった場合には登録カードを提示するとと もに、犬と犬の胴着等に介助犬である旨を表示することとされております。  兵庫県において今回、要綱が制定されましたが、これに伴ういろいろな施策としまし ては、1頁目の2の2にございますが、介助犬の施設等の同伴利用の促進の啓発という ことで、2つほど、事業をすることになっております。  ひとつは県民等に対してポスター、リーフレットによる啓発を行うとともに、県市町 の関係施設や、あるいは飲食店、公共輸送機関等の介助犬を受け入れる施設に介助犬同 伴可ステッカーの貼付の協力を求めるということと、介助犬に係る県民への啓発を目的 といたしまして介助犬シンポジウムの開催することとされております。なお、介助犬の 登録数は現在、1頭というふうに伺っております。  その他、財政支援等については現在のところ、ないというふうに伺っておるところで ございます。  次の2頁以降が具体的な要綱でございまして、目的、定義等が2頁から4頁までそれ ぞれ規定されております。5頁に兵庫県の介助犬認定基準というものがございます。こ れは日本介助犬アカデミーの介助犬認定基準と内容は全く同じだそうでございます。  7頁以降は介助犬登録申請書と様式。10頁に細かい取扱要領。11頁に介助犬同伴利用 のフロー図。12頁に要綱の要旨がございますので、のちほどご参照願いたいと思います 。  資料5でございますが、これは盲導犬訓練基準でございますが、これは本日の議題で あります介助犬に求められる資質・要件についての議論の参考といたしまして、日本盲 人社会福祉施設協議会のリハビリテーション部会盲導犬委員会で平成10年に作成いたし ました「盲導犬訓練施設設置運営基準及び盲導犬訓練に関わる報告書」の中から盲導犬 訓練基準の部分を抜き出したものでございます。  この基準につきましては、全国8つの盲導犬訓練施設がお集まりになりまして、施設 の運営の安定化等を目指しまして盲導犬育成の現状に即して策定した、言わばガイドラ インということでございます。  資料6でございますが、これは前回、第3回目でございますが、検討会の議事録でご ざいます。前回、検討会終了後に委員の皆様にもお目通しをいただいたものでございま す。  最後にさきほどもご説明しましたが、参考資料といたしまして、「介助犬とともに暮 らすには」でございますが、これは前回の検討会でお配りいたしました資料の一部でご ざいます。今回の討議においても有用な資料でございますので、準備させていただきま した。以上でございます。 板山座長  ただいま、資料についての説明をお伺いしましたが、何かご質問等、ございましたら お出しください。 高柳(友)委員  質問ではないのですけれども、ちょっと補足で、兵庫県の資料なのですけれども、介 助犬の表示方法についてなのですが。 板山座長  何頁ですか。 高柳(友)委員  一番最後の頁ですね。 板山座長  資料4の一番最後ですね。 高柳(友)委員  資料4の一番最後、12頁に7番の介助犬の表示というところで、介助犬使用者は同伴 利用の際、介助犬の胴衣等に介助犬である旨を表示するとされておりますけれども、こ れは正確にはもう1枚資料があるのですけれども、兵庫県の方には。指定団体の介助犬 の表示方法をもって表示とするということなっております。 板山座長  指定団体。 高柳(友)委員  ええ、指定団体の登録証も表示することとしております。  と言いますのは、指定団体、今のところ、日本介助犬アカデミーが指定団体になって いるのですけれども、今後はいくつかの団体がなるとしても、その指定団体の登録方法 を表示しないとどんな表示方法でもいいということになりますと、受け入れ側としては どういった場合に介助犬として受け入れ、どういった場合には受け入れなくてもいいと いうことがはっきりしませんので、そのためにそういった項目を付け加えておりますの で補足させていただきます。 社会参加推進室長  それは10頁にちょっとさきほど言いました取扱要領、ここの中で今の高柳委員が言わ れた内容のこと。すみません。説明が不十分で申し訳ございませんでした。 板山座長  10頁の3だね。県が指定した団体が交付する介助犬であることを示す証票。それです な。 高柳(友)委員  はい。そうです。 板山座長  はい。その補足を伺ってください。なお、それ以外にもご質問ありましたらお出しく ださい。どうぞ。 松尾委員  座長さんの方で討議に従って資料を詳しく説明していただいた方がいいと思います。 ざっとやられますと終わったような感じで、ちょっとせっかく座長さんがいらっしゃる から、座長さんの指示に従って、その議題に従って詳しくご説明をお願いしたいと思い ます。以上です。 板山座長  今、伺いながら今日は大変大事な資料を配っていただきましたので、今の県の問題、 基準などもそうでありますが、資料1から少し中身についてご説明をいただいた方がい いと思うのですね。  これはどなたからやっていただくかわかりませんが、討議事項は別にして前回、第3 回検討会での討議、その結果、黒丸等でつけている、そういったことも含めて順番に従 って少し内容を説明してくれませんか。 社会参加推進室長  第3回の検討会の討議ということでございますが、さきほどご説明いたしましたが、 波印が前回、専門家の立場から高柳委員の方からそれぞれご説明いただいた内容でござ いまして、最初に介助犬の役割について介助犬の目的、介助犬の介助項目についてそれ ぞれご説明いただきまして、それについて委員の皆様からご検討、ご意見をいただいた 内容が2つほど、黒丸に書いてございます。  介助犬利用者の対象を肢体不自由者に限定するならば、肢体不自由者のどういう点を 支援するのかという具体的な目的を盛り込んだ方がいいのではないかという意見と、ガ イドラインの果たし得る役割を逆に広げすぎると非常にわかりにくくなってしまうので 、限定すべきではないかといったような意見がございました。 板山座長  今の点については後ほど、高柳さんの方のまたご説明の中にも出てくると。その中で そういうご議論をいただこうと思います。いいですね。 社会参加推進室長  2番目といたしましては、介助犬の有効性について障害者の方への効果といったよう な観点からご説明いただきまして、それにつきましては委員から経済的効果を含め、精 神的、あるいは社会的、機能的な支援効果について第三者を納得させるデータが必要で はないかといったような意見がございました。 板山座長  この点についても後ほど、別な資料で具体的にご説明いただくと、こういうことです な。 社会参加推進室長  3番目に使用者、障害者の方の範囲ということでご説明がありまして、それにつきま しては進行性疾患のある方を使用者の範囲とすると継続的な訓練体制を確保する必要が あると。また、トレーナーは使用者の予後評価ができる人でなくてはならないといった ような意見がございました。  介助犬の定義につきましては、委員からご説明があった後、各委員から第三者が介助 犬として評価できるように、基礎的な動作能力等を入れる方が良いのではないかという 意見、てんかん予知犬とか、あるいは聴導犬なども介助犬として定義づけてほしいとい ったような意見がございました。  その他といたしまして5番でございますが、一般の人に犬アレルギーを持つ人もいる ので、受け入れ側においては十分配慮する必要があるのではないかといったような意見 がございました。以上、主な意見でございます。  今日は前回、十分でないので、今回、また、これについてご議論いただくという前回 の経過でございます。 板山座長  資料2については少しさきほど13団体があると言われましたね。2枚目には介助犬育 成団体がこのように組織的には変化してきていると、こういう話がありましたが、もう ちょっと補足的な説明をしてみてください。せっかくの資料ですから。 社会参加推進室長  資料2でございますが、ここにありますように13団体、日本介助犬アカデミー、各介 助犬育成団体等からの情報をもとに事務局でまとめたものでございます。  一応、県別、所在地としましては岩手県から西は山口県まであるわけですが、さきほ ど言いましたように東京都に5団体、京都に3団体ございます。  次の頁の介助犬育成団体の変遷という表がございますが、一番最初に平成2年、東京 の方ですが、パートナードッグを育てる会が設立されまして、その後、平成7年にそこ の会から分かれて平成7年に介助犬協会と。パートナードックを育てる会が平成10年に 日本パートナードッグ協会ということで名称を変えまして、そこから平成11年にトータ ルケアアシスタントドッグセンター、TACというのが平成11年にできております。 板山座長  これがひとつの流れですね。 社会参加推進室長  流れでございます。京都の方でございますが、平成7年に介助犬育成の会という会が 設立されまして、その後、これもその中の会員の方が出られて平成7年に介助犬をそだ てる会、さらに介助犬を育てる会から出られまして、平成10年に日本介助犬トレーニン グセンターという具合に、京都の方でそれぞれ平成7年にできた団体からそれぞれ分か れて3つほどの団体ができているというのが現状でございます。  各団体があるのですが、将来までわたって活動をできるかどうかと、将来にわたって 今のところあまり活動しないという団体とか、非常にまだ十分、団体の内容がつかめて いないところがあるのが現状でございます。 板山座長  その資料2の1枚目がそれらの団体が現に介助犬を育てている、あるいは使用してい るか、また、その使用者乃至訓練者がおるかおらないか。そういうことがこれに明記さ れてるのですな。 社会参加推進室長  はい。 板山座長  これはご覧をいただきますとだいたいそういう状況がおわかりいただけるだろうと思 うのですね。これが資料の2であります。  資料3以下は後ほど高柳さんから説明を伺いますので、この資料2までで今のところ 、務局が用意いたしました資料についてご質問等、ありましたらちょっとお出しいただ きましょうか。はい。どうぞ。 高柳(哲)委員  日本介助犬アカデミーの調査だと言われたのですけれども、介助犬アカデミーは調査 権が何もないものですから、これはむしろ厚生省の介助犬の基礎的調査研究班がした調 査がほとんどなのです。  ここの今、13団体ですか、ありまして、18頭という報告なのですけれども、私どもが 調べたときにはすべての団体が実際にはつかめていないし、例えば山口県はその後です から、平成10年の調査では山口県はなかったわけで、その後、加わったところもあるよ うに聞いていますけれども、実際はその実態がなかなかつかめない。研究班から調査依 頼をしましても応じてくださる団体は比較的少なくて、我々の研究班としてもその調査 に大変苦慮をしてまいりました。  今年も昨年度から厚生省から調査の話がありまして、実は今年、平成12年6月4日に ワークショップをいたしまして、私どもでつかめている育成団体、すなわち12育成団体 に、この12団体すべてに調査、ワークショップへの参加依頼をいたしまして、実情をお 話しいただきたいということをお願いしまして、そのときに応答がありましたのが実は 6団体であります。実際に演題を出していただいたのが5団体でありまして、実際に発 表のときには4団体となっております。 板山座長  今の4団体というのはどことどこですか。 高柳(哲)委員  それは介助犬協会、5番です。トータルケアアシスタントドッグセンター、6番目で す。SALA Networkという7番です。介助犬をそだてる会。11番目です。日本介助犬トレ ーニングセンター、実は先日ここでお話になった方でございますけれども、その方は実 は演題を出すと言われて全く参加なさいませんで、演題のみに留まって発表はいただけ ませんでした。  そういう実情でありまして、なかなか調査に非常に苦労していまして、後からまたそ の資料3でお話がありますけれども、実際、実情を調べるのに私どもは大変に苦慮して まいりましたということだけ付け加えさせていただきます。 板山座長  そうすると※に書いてあるこの資料は12年、今日現在だとすれば、11月1日現在とな るわけですね。だけれども、それは日本介助犬アカデミーというよりもさっきおっしゃ った研究班の調査というふうにした方が。 高柳(哲)委員  もうひとつ付け加えさせていただいてよろしいですか。日本パートナードッグ協会と いう4番目、この方は実は私の施設までわざわざ訪ねてきていただきまして、その代表 である事務局長さんがお出でになられまして、日本パートナードッグ協会は現在は介助 犬は一切育成はしていないということを私に明らかに申されましたので、その後の調査 はいたしておりません。ですから、そこから介助犬は出ていないというふうに私どもは 考えております。 板山座長  はい。これは大変大事な基礎的な資料ですので、事務局の方でも引き続き、いろいろ な方法を講じて調査をしてもらうといいと思うのですね。  これは将来、例えば事務所はどこにあるのか、あるいは人はいるのか、訓練士がいる のかいないのか、財源的にどうなっているか。あるいは育成した犬は何頭なのかという ことも含めて調査表をうまく工夫をしてカード式にでもして、ずっと作っていくといい と思うのですね。  そうしないと今のように何もやらないのにパートナードッグ協会と名乗っている、こ ういうところもあるわけですから、ぜひ、これは大事な資料ですので、これからも努力 してください。  それ以外に何かご質問、ご意見ありませんか。この資料2までについて。 松尾委員  まず1点は、12団体あって4団体しか参加しないということと、その4団体の東京の SALA Networkというのは犬も使用者もいないという、なし、なしと書いてあるのですけ れども、ここら辺は全然ない人が参加して発表を何かやったのでしょうかね。ちょっと 疑問に思うのですけれども。 高柳(友)委員  これはまず、先に補足しますと、介助犬の研究班が平成10年度に行った調査をもとに 継続調査をアカデミーで行って、それでまとめた表をもとに事務局でまとめられたとい う解釈をしていただければと思っておりますが、研究班が今回のシンポジウムでも、あ るいは平成10年度の調査でもどのように介助犬育成団体を見つけたかと言いますと、対 象群をどのように決めたかということですけれども、基本的にはインターネット上でホ ームページを設けている団体が多いので、これでまず検索をかけました。  そうするとこのSALA Networkも出てまいります。介助犬育成をしたいということだと 思うのですけれども、今後、したいということで、今、苦労しているというようなご発 表をされておられました。  ですから、必ずしも茨城介助犬協会もそうですけれども、作ったばかり、あるいは作 って活動はあまり活発にしないとか、資金難でやりたいけれども続けられなかったとか 、いろいろな理由があるとは思うのですけれども、そういったことで実際にはまだ実働 、実績は伴っていないところが発表をしているというケースもあるということです。 板山座長  松尾さん、よろしゅうございますか。思いはあるけれども、実際には人も。 松尾委 員 いや、こういう実態であって、これ、全部、検討する価値が本当にあるのかという ような率直な疑問があるのですけれどもね。これだけあってこれだけの効用があるとい うことで最初の方はあれだったですけれども、実際、やってみるとこういうことで全然 、まだやっていないけれども、やりたいという程度のことであるのをここで検討をする 価値があるのかなと。そういう感じもしますけれどもね。 板山座長  今のはちょっと松尾さんのおっしゃった趣旨の受け止め方が2通りか3通り出てくる と思うのですね。  要するに介助犬というものの現状は極めて不確かな、曖昧模糊としていると。だから 、この検討委員会そのものが基本的に検討に値するかどうかという問題提起という受け 止め方もある。4団体、あるいは5団体、実態はあるかないかよくわからない。でも、 そのよくわからない団体をリストに上げてそのことについて議論することの意味がある かないか。2つの意味に受け取りますが、どっちですか。どらちをおっしゃっている。 松尾委員  いや、前半なのですけれども。前段、こういう実態で検討する。 板山座長  前のような意味でね。これはむしろ事務局に伺った方がいいね。これはどうですかね 。 これはこの委員会の存立の基礎に関わる疑問ですからね。それはひとつどう考えるか。 課長、どうぞ。 企画課長  確かにまだ育成の実績がある団体は少ないというのはここの表からも明らかにわかる わけですけれども、現に例えば京都府の介助犬をそだてる会においては5頭育てて、実 際に役に立っている。それは後ほど資料3でもっていろいろ説明があると思いますけれ ども、現実に数は少ないけれども役立っておるということだとすれば、やはりまだ少な いうちからやはり検討をしていく必要があるのではないかと。  まだ、数が少ないから放っておいていいということではないのではないかと。徐々に 増えていけば増えていくほど、後からなかなか修正がきかないという問題もありますの で、やはり早い段階から検討をしていく価値はあるではないかというふうに思うわけで す。  盲導犬も一番最初はこういう状態ではなかったのではないかなという気はしておりま して、ただ、団体について育成の実績もないものを育成団体と言うのかどうかというの は確かにそれは問題あろうかと思いまして、こういう表に以後、載せるべきかどうかと いう点は検討の余地があろうかと思いますが、介助犬のあり方そのものを検討する必要 性、価値は数が少ないからと言って必要性が少ないというものではないだろうというこ とで、ぜひ、ご検討をお願いをしたいと思います。 松尾委員  調査をするときに介助犬の審議をこういうふうにしてやっているということは理解を させた上でこういう調査をされたのですかね。全くフリーにやられたのですかね。こう いう検討をしておるから資料を出してくださいと言えば、もう少しは出るのではないか と。3分1ぐらいではちょっと本当に心寂しい感じがするのですけれども。  検討委員会の資料としてこういうことが必要なのだという趣旨をよく説明した上で、 こういう結果になっているのか。全然説明しないでどうだと言われたときの結果である のか。そこら辺をちょっとお伺いしたいのですけれども。 板山座長  これはむしろ調査班の高柳さん、どうですか。 高柳(友)委員  直接、例えば厚生省の方から調査が行った場合と、我々研究班、あるいは日本介助犬 アカデミーが調査をした場合とは結果が異なる可能性はあると思います。 ただ、研究 班、特に日本介助犬アカデミーという任意団体ではなく、研究班として調査の一環とし てのご協力をいただきたいということでは、何度もこの13団体に最低3回はお便りをし ておりますけれども、なしのつぶてのところが3分の2以上という現状があります。  私も松尾委員がおっしゃるとおり、今後、調査をする上で例えば決算報告書、役員名 簿、設立趣意書とか、そういった団体として設立するにあたって必要な書類を全部出す ようにということで初めて介助犬育成団体のリストを作るということにしてもいいと思 っておりますし、そういったことをしていかないと今、現状としてはこのように個人で いつでもどこでも誰でも始められる介助犬の育成の現状というものがございますので、 そういったことを早く打開してちゃんと準備をしてから介助犬育成を始めなければ始め られないのだということを早く整備をしておくことで、今後はちゃんと実績を伴った育 成ができる団体のみが生き残っていくだろうということを期待しております。 板山座長  松尾さん、いかがですか。よろしいですか。 松尾委員  これはもう厚生省は全然手を出していないわけですね。 板山座長  今まではね。 松尾委員  いや、この調査に関しても。 板山座長  一部。 松尾委員  一部、出したわけですか。厚生省では全然。 社会参加推進室長  もちろん厚生省として厚生科学研究費ということで、その中で研究班に調査をお願い しているという形と、その後、育成団体からの一部、内容聴取した内容含めた今回の資 料2でございます。 松尾委員  直接はしていないわけですね。 社会参加推進室長  直接に調査表を各団体にばらまいて調査ということはしておりません。 板山座長  ただ、松尾さんの出された問題、大変大事なことなので、委員共通のご理解をいただ いておく必要があると思いますが、要するに今も話が出ましたが、介助犬というものは 現実にこの日本の社会の中で何頭か存在している。しかも、その存在している介助犬は 一定のルールや養成訓練課程を経ているかどうかもわからない。現実に肢体不自由者等 、障害者の人たちがその介助犬を頼りにしている現実があると。その結果、どのような ことがもたらされるか。大変クエスチョンマークもある。将来、介助犬に対する期待は じわじわと大きくなっていく。そういうことを標榜し、そのことを目指す団体が生まれ てくるかもしれない。  そんなときにさきほど課長もお話がありましたように、今のうちからそのことについ て受け入れ側のご意見なども含めて利用者の立場に立っていかなる介助犬が求められて いるか。どういう養成訓練課程が最も良いか。そしてそれを供給、提供するとすれば、 どのような仕組みを作っていくか。既に兵庫県などでもトライをしておるわけでありま すから、中央としてそういうことについて取り組んでいきたいと。これがこの委員会設 置の大きな目的である。かつ、やや政治的な動きもあるというようなことが相伴ってこ の委員会設置になったと私は理解をいたしておるわけです。  今、その点についてもう一度、委員の皆様方のご確認をということで、松尾さんから 問題提起をいただいたのですが、そんなご理解でこの委員会は引き続き検討をするとい うことでよろしゅうございますか。松尾さん、よろしいですか。 松尾委員  はい。もうひとつだけ。質問ですけれども。前回もいわゆる障害者のために私どもの 会のためにいろいろやっていただいて大変ありがたいのですけれども、その名前が出れ ばその人に問い合わせることもできるからということで、できれば名前を調べてほしい という要望もしたつもりだったのですけれども、ここには全然上がってきていないので すね。  これはプライバシーの問題があると。障害者自身がシャットアウトしたのですかね。 これは非常に自分たちが問題だから積極的に名乗りあげてもやはり前進すべきではない かと。そうすれば自ずとこの問題も積極的に結論が出やすいのですけれどもね。障害者 自身の名前は全然、出てきていない。  しかも、団体については消極的だし、これをよく見ますと兵庫県に設置要綱等がある けれども、兵庫県のここには名前は出てきていないと。ちょっと調査表から見ても、そ こら辺がもう少しやはり使っている障害者自身がこれだけのメリットがあるのだという ことを名乗り上げていくような方法は取れないものかと思うのですけれどもね。 板山座長  その点は前回、前々回ですか、使用者の方のご意見も頂戴をいたしていますからね。 これは研究班の方で個人、利用者本人についてお名前、あるいは使用している犬、それ を上げることについては調査をされたのでしょう。 高柳(友)委員  はい。 板山座長  そのことについてプライバシーを侵すものなんていうご意見はなかったのでしょう。 その点、ちょっとお聞かせいただけませんか。 高柳(哲)委員  もちろん研究班としては実際に調べまして実際、調査に赴いて実際にしております。 ですからつぶさにかなり詳しい調査をしていますけれども、それにかなり人数の制限が あったということと、程度がある程度、限られた人もあったということでありまして、 具体的にはもちろんつかんでおります。 板山座長  今、松尾さんがおっしゃったようなプライバシーを侵すことだと言って調査を拒否し たと、あるいは名前をあげることを拒否するというような雰囲気ではないのですね。そ の点だけ。 高柳(哲)委員  患者さんのところに実際に伺って調査しておりますので、もちろんそれに応じられな い方のところには訪問しておりませんから、具体的につかんだ人については非常に具体 的に的確につかんでおります。 板山座長  必要があればお名前と犬の名前、その方にこの委員会としてアンケート調査でもしろ よということが出れば。 高柳(哲)委員  後で資料3に出ておりますけれども、これについては具体的になっておりますから、 現在は松尾さん、おっしゃいましたようにABCDになっておりますけれども、これは 具体例でありますから、個人的に何か詳しくご存じになりたいということであればもち ろん可能ですけれども、これはやはり個人のプライバシーがございますので、その点は よくお考えいただきたいと思います。 板山座長  調査班としての判断でこうやったわけですな。だから、今の松尾さんがおっしゃって いるのは。 高柳(友)委員  よろしいですか。研究班の方として調査をできているのは、報告書に報告できている のは実は3名だけなのですね。それはなぜかと言いますと、後で資料3の方に入ってい くと思うのですけれども、3の方では10名の調査結果で出ています。これは名前は入れ ませんでした。  まず、なぜ、3名で今回、10名になっているかと申し上げますと、もっとたくさん98 年の時点からおそらく10名弱は介助犬使用者、いらっしゃいましたから、なるべく多く の方への調査に行きたかったのですけれども、窓口は育成団体しかないのです。我々に とって。どこの誰それ、住所がどこでどういう方が持っているということをつぶさに把 握する方法はありませんので、育成団体の方に研究班からこういった調査にご協力いた だきたいので、使用者の方をご紹介していただきたいというお願いの手紙を出しており ますけれども、また、それも返事がないものですから、唯一、返事があった、唯一とい うか、2団体しか返事がありませんでしたけれども、その当時は。そのときにご紹介い ただけた3名のみの調査に終わってしまったわけなのですね。  今回、それから2年経って使用者の方たちがやはり、松尾委員おっしゃるとおり、自 分たちの手で何とかしなければいけないと。育成の現状がこんな状況ではアフターケア 、後でお話しますけれどもアフターケアもほとんどないというか、全くない。自分の障 害は進行していく。もっとちゃんとした訓練をしてほしい。だけれども、育成団体に言 っても応えてくれない。もうそれだったら誰が何をしてくれるのだということで、漸く アカデミーの方に連絡をしてくださるようになって、それで漸く住所とか連絡先がわか って調査ができることになったので、この10名の調査が出たということではあるのです けれども。  もう一度、お名前を出して、例えば公表するような形になるのであれば個別にいいか どうかということを確認してからでないと、私たちとしてはせっかく調査にご協力いた だいた方にご迷惑をかけることはできないと思います。 板山座長  はい。わかりました。松尾さん、出されている問題、大変基本的な大事な問題ですか ら、いずれ私はさっきの資料の2、この裏、2枚目を見てもおわかりのように育成団体 というものは個人的な感情を含めて様々な紆余曲折の上に現在の13団体があると理解を しているのです。  だから、例えば高柳さんがアカデミーの立場で調査をお願いすると出てこないという こともあるかもしれない。そこでいずれ適当な時期にこの委員会として、検討会として 、あるいは行政サイドから今後における有り様を検討するための基礎的なデータとして その使用者の現象を、ぜひ、調べたいということでお願いをすることも一案ではないか とこう思っていますので、また、いずれそのことについてお諮りをしたいと思うのです 。  今、お話の中に個別のお名前は出ないけれども、ABCという形ではあるけれども、 実ケースについて10人の使用者の状況について資料が今、用意されておりまして、資料 3以下、ちょうど話がそれに入ってきましたので、高柳委員からご説明をいただいて、 さらに今の問題を深めていったらをどうかと、こう思いますが、よろしゅうございまし ょうか。 何かどうぞ。はい。どうぞ。 土本委員  私も松尾委員と同じような気持ち、見解を抱いております。都として団体がこれだけ あるのは初めて今、知りました。都としては全く実情の情報は持っておりません。した がって、この資料を見てこの分裂の状況を見ていったいこれは何だろうというのが率直 な感想でございまして、行政の立場ということであれば通常だとコメントのしようがな いというような感じを抱いている面がありますけれども。  いろいろ将来に向けて厚生省から説明がありましたので、そういう意味では継続して 審議していくべきなのかなと思っていますけれども。 板山座長  わかりました。このような実情にあることに問題が実はあるのですね。ばらばらの形 でやっていっていいかどうか。利用者の立場に立って考えると、あるいは犬の立場に立 ってもまさにそういう問題が存在していることを物語っている数字だと、データだと思 いますので、それでは高柳さん、資料3に基づいてお話を少しいただきましょうか。 高柳(友)委員  資料3−1と3−2なのですけれども、AからJまで10名が表になっておりまして、 そのAからJと、この資料3−2のABCDEFは一致した方たちです。ちょっと見に くいかもしれませんけれども、一度に表にしてしまうと却って見にくいと思いましたの で、こういった形にさせていただきました。  まず、調査方法ですけれども、さきほど少し申し上げましたが、日本介助犬アカデミ ーで介助犬のいわゆる認定事業のような介助犬資格証明発行事業というものを始めまし て、要するに介助犬育成団体の基準がそれぞれいろいろな基準があるものですから、社 会参加をする上で受け入れ側としては一定した基準を設けてあり、それに則った介助犬 のみが受け入れられる状況でなければ安全な介助犬とは言えないので心配であるという ことがありまして、そういった背景の中からアカデミーとして当面、これは暫定策と思 っておりますけれども、公衆衛生上、安全でしっかりした管理がされた、かつ、介助犬 訓練を受けた犬を介助犬として認定をする事業を始めました。  この10名の方は介助犬の資格証明をした、要するに認定をアカデミーでした、あるい はこれからするように申請をされている方々です。その中で連絡がちょっと1週間ほど しか時間がなかったものですから、大急ぎで連絡が取れる方に限られておりますので、 今度は研究班の方ではもう少しちゃんとした調査をしたいというふうに考えております 。  この表では年齢・性別、障害・診断、主に自助具とか、介助者の状況、職業の有無、 認定や卒業がどうなっているか。以前、宿題がありました訓練機関と継続指導が同じか どうかということも情報として入れております。あるいは継続指導がない方の方が多い のですけれども。負担した訓練費用。譲渡までの期間。合同訓練の方法、日数。年間の 犬の管理費。やはり肢体不自由ですので、犬の世話自体に介助を要する場合が多くあり ます。どういった犬の世話に介助が必要かということ。本人の満足度。現在、困ってい ること。希望、不満等。これはこの後の3つは委員の先生方からのご質問であった点で すが、一般のペットと違う点は何か。介助犬に不可能な介助は何か。生活中に上達した 点。人的介助との違いといったことをまとめております。  あまり時間がないようですので、大まかな説明をさせていただきますと、この10名の 方は大きく3つ、まず、頸髄損傷の方が2名です。頸髄の5番の方が1名。6番が1名 。 下位レベルの脊髄ですね。胸髄、あるいは腰髄の損傷の方が3例。筋ジストロフィーが 3例。脳性麻痺が1例とポリオ後の障害が1例ということの10例になっております。  主にやはり手に全く、上腕に全く問題のない下位レベルの脊髄損傷、あるいは胸髄損 傷、あるいは腰髄損傷の方と頸髄損傷の方では全く介助犬の使い方が違うということが 言えると思います。それは資料3−2の方を見ていただけるとわかるのですけれども、 あっちこっち見ているとちょっと時間がなくなりますので、先にまとめを申し上げます と、この資料3−2に介助内容の表がございまして、自分の介助犬がどんな介助をして いるかを丸をつけてくださいという表です。  これはアカデミーの方で資格証明、認定を申請されるときに書いていただく書類なの ですけれども、これでまず、全例、10名が丸を打っていたのが、落としたものを拾うと いうことと、手の届かないものを取って渡すということでした。次に多かったのがドア の開閉と衣類や靴等の着脱介助です。これで7名で、この3名、丸を打ってない方は下 位レベルの脊髄損傷の方でした。  次に多かったのは9例で、緊急通報システムとか、電気のスイッチ、要するにスイッ チ操作とカウンターや手の届かない場所で物を渡すというのが10名中、9名、9名でし た。  次に多かったのが今、申し上げたドアの開閉と着脱衣、あるいは靴の介助。半分の方 、5名が丸を打っていたのが、一番下の特定の物や人、場所を探すということと、冷蔵 庫や引出し等の中から飲食物などを取り出して渡す。これは手の届かないものを取って 渡すというのと犬の動作としてはほぼ一緒ですけれども、これが5名。車椅子を引くと いうのが6名でした。後は3名とか4名で。 板山座長  車椅子を引く。真ん中辺ですな。 高柳(友)委員  全く丸を打っている方がいらっしゃらなかったのは洗濯物を洗濯機から出し入れする という、これはアメリカではよく見かけたケースなのですけれども、これは日本の今の 10名の中ではいらっしゃいませんでした。  皆さん、やはり30代から40代前半の若い方で、職業がない方はお1人だけで、皆さん 、活発に社会参加をなさっている方が多いという印象を持っております。  ちょっと補足で申し上げておかなければいけないと思っておりますのは、資料3−2 では介助項目と次は介助犬の希望動機と達成度というものを書いてもらう表になってお ります。ちょっと見にくいかもしれませんが、まず、介助犬の希望動機として大きく項 目として自立度の改善と機能的な改善、介護者の負担軽減、QOLの向上、社会性の改 善、精神的安定という大きな項目に分けまして、自立度の改善の中で1人で外出したい 、あるいは1人で家にいられるようになりたいというようなこと、機能的な改善として 1人でできる動作を増やしたいとか、動作時間を短縮したい、介護者の負担軽減として 人的介助者の費用を減らしたい、あるいは家族や介護者の精神的・時間的負担を減らし たいというような項目にしております。  これは全般的に申し上げると、やはり介助犬に機能的なことを求めるのであれば上の 自立度改善、機能的改善、あるいは介護者の負担を軽減することがないとなかなかこの 下の3つ、QOLの向上、社会性の改善、精神的安定ということだけでは前回、ご説明 したようにペットと同じということになりますので、この上の3つの項目の中でどれか がなければなかなか介助犬としての位置づけをもらうことは難しいのかなというふうに 考えております。  実は調査でわかったことなのですけれども、この下位レベルの脊髄損傷の方たちがB とFとGの方なのですけれども、この方々はお聞きしますと介助犬の希望動機というも のがあって、例えば1人で外出したいとか、1人でできる動作を増やしたいということ で介助犬の育成団体に申請をしたのではなくて、介助犬育成団体から頼まれて持ってみ ないか、持ってくれないかというふうでもって広めてほしいという意味合いで頼まれて 、実は僕は最初は自分で手で何でも拾えて何でもできるからいらないと断ったのだけれ ども、でも、自分と同じ障害を持った人たちに広めるためには自分で経験しないといけ ないなというふうに思って他の人に進め、自分でも持ったという方がこの3名でして。 板山座長  Bと。 高柳(友)委員  BとFとG。胸髄の12番、10番、腰髄の4番という方たちです。  この方々はお聞きしますと、随分、社会参加も活発にしておられ、例えば障害者テニ スとか、あるいは海外旅行もどんどんしている方たちで、介助犬がいて余計、もちろん 明るくなったのでそれは素晴らしかったとは思うけれども、我々が使う介助犬と頸髄損 傷の方が使う介助犬では違うと自分たちでも思うということをおっしゃっておられまし た。  そういった意味でこの希望動機というものが、それが達成できているかというのは大 変重要な点だというふうに考えております。  あと申し上げておかなければいけないのは、この介助犬の訓練機関名というのが上か ら8番目に出ておりますけれども、この介助犬を育てる会、介助犬を育てる会、パート ナードッグを育てる会、なしというような形に書いてありまして、ただ、よく見ていた だきたいのはその下の下、継続指導の有無というところで、なしがほとんどだというこ と。ほとんどとは言いませんけれども、やはり分裂をした後にはそこのトレーナーが所 属団体に残っていない場合には継続指導を受けられないという状況が実はありまして、 3頁目のIの方、真ん中辺がちょっと抜けてしまっておりますけれども、この方は典型 的な会の分裂によってフォローアップを受けられなくなった重度な障害者で介助犬を持 っていらっしゃる方なのですけれども、まず、ちょうど訓練が終わるか終わらないかの ときに会が分裂しました。それによってトレーナーはもともとの会に残らなかったので 、フォローアップがされなかったという状況があります。  この方、後から返答が、回答が来まして、補足をしますと現在、困っていることとい うのが新しく必要な介助動作を訓練してほしいと。25歳になっていますけれども、今、 27歳になられて、デュシャンヌ型の筋ジストロフィーですので、進行をかなり2年間で している様子です。そういった中で新しく必要な介助動作があるのだけれども、それを 訓練してもらえる人がいない。アフターケアがないということに一番困っているという ことです。 ただ、訓練をしてほしいという思いがありますし、介助犬の点としては75 点になっていますけれども。 板山座長  75点ってどこに書いてある。 高柳(友)委員  Iの満足度。真ん中辺の。 板山座長  別紙の3−2の方。 高柳(友)委員  いえ、3−1の今の表ですね。満足度ですね。 板山座長  満足度。真ん中辺ですな。75点。はい。 高柳(友)委員  ご本人はやはり介助犬が来たことで交流が多くなったし、とても自分としては役に立 たないからいらないとは全然思っていなくて、ちゃんとした訓練をもっとして自分とも っと密にコミュニケーションが取れるようにしてほしいと思うのだけれども、そのフォ ローアップが受けられないという不満が一番強いということでした。  費用としては1名を除いて介助犬の育成団体を通して介助犬を貸与されておりますの でほとんどの方が負担した訓練費用はなし、あるいは数万円なのですけれども、このD の方、資料3−1のDの方が180 万円というふうに書いてありますが、これはご自分で 犬を購入してビジネスとして介助犬の訓練をしてほしいということを警察犬の訓練士に 依頼をしたために、これだけ高額になっております。この方もフォローアップは全くな しです。  ただ、一貫して言えることは、おそらく介助犬の効果としては一番下の人的介助との 違いと生活中に上達した点ということだと思うのですけれども、人的介助との違いで皆 さんがおっしゃっていたのは、人にはどうしても遠慮がちになり気兼ねをする。でも、 犬には気兼ねをしなくていい。あるいは介助犬がした動作というのは自分がした動作と して認識されているという、この作業遂行能力の向上ということ。  資料3−1の2頁目のEの方のコメントにあるのですけれども、人的介助との違いは コスト面で、次に介助されているのではなく自分で遂行している感覚というものの次に 、待機時間の気兼ねがないということです。実際には介助者の滞在時間の8割が待機で 、有料であれば却って仕事を作らなければと気を使うのが、介助犬であれば気を使わな いのでゆったりと自分の時間が持てるというようなことをおっしゃっていたのと、やは り忠実に介助をしてくれて、精神的負担がないということが人的介助との大きな違いだ というふうに思われました。  その上の生活中に上達した点という点なのですけれども、これはいろいろと項目はあ りますけれども、総論的に申し上げれば、やはり判断力や応用力が向上する。これが機 械とは全く違う点だということを皆さん、感じておられたというふうに思います。  この方々の中には介助犬の現状を変えたいので、名乗りを上げて現状を伝えていきた いという方と、介助犬育成団体にとても嫌な思いをした、あるいはトレーナーに対して 凄く嫌な思いをしたので表には出たくないという方と大きく2つに分かれるというふう に感じました。一応、以上にしておきます。 板山座長  はい。ありがとうございました。さきほど来、お話が出ていましたように具体的な利 用者の個別の意見、あるいは動機等を含めましてその効果、感想、そういうものがこの 3−1と3−2を組み合わせてご覧いただきますとよくおわかりいただけるだろうと思 うのですね。  今、時間がなくてちょっとはしょった説明でありましたが、お聞き取りをいただきま してご質問、ご意見等ありましたらひとつお出しください。  なお、次の調査ではこんなふうなこともというようなこともありましたら付け加えて ください。どうぞ、前田さん。 岩樋氏(前田委員代理)  脊髄と頸髄で動作面というのは実際、どこが違ってくるのですか。不自由な点という のは。 板山座長  どうぞ、初山先生。 初山委員  首のところが頸髄、胸のところが胸髄、腰のところが腰髄と言います。脊髄損傷とい うのは本当は頸髄、胸髄、腰髄の損傷になるわけですが、川の流れと同じで悪くなった ところから下はきかないということです。そうしますと、頸髄ということになりますと 手と足が不自由になる。胸髄になりますと両方の足とお腹、背中の筋肉がきかなくなる 。 腰になるとだいたい両方の足がきかなくなる。それが一般的なものです。あとは何番目 が傷めつけられるかによって麻痺の高さが違います。だから、ここで言う頸髄損傷の皆 さんは、手足が不自由、上下肢が不自由だというふうに考えていただいていいと思いま す。 板山座長  岩樋さん、よろしいですか。どうぞ。 松尾委員  まず、本人に書かせたのか、聞き取り調査でされたのかということと、達成度という のが3であって、満足度150 点と。これは100 点満点とは違うのですか。150 点とある 。 100 点以上150 点とか120 点。しかし、達成度というのは3の評価をされていると。  ここの辺が関連が全くないのか。ただ、当てずっぽうに満足しているから150 点と書 かれたのか。そこら辺はいわゆる詳細な調査を見ると達成度は3だというふうに書いて あるのですけれども。 高柳(友)委員  達成度のところは資料3−2の達成度はちょっと見にくいかもしれませんが、表の上 にこれは3段階評価です。3が介助犬によって達成できた。2がどちらとも言えない。 1ができていないということで、3が最高点です。  150 点、120 点と言っている方がいらっしゃるのですけれども、どうしようかと思っ たのですけれども、本人の気持ちの表れと思ってそのまま書かせていただきました。 板山座長  これは100 点満点でしょう。 高柳(友)委員  100 点満点だと申し上げても150 点と言いたいということで。 板山座長  素晴らしいということかもしれませんよ。 高柳(友)委員  そうなのですね。もうひとつ補足を、すみません、させていただければ、このように 満足度というものは犬に対する満足度です。  要するにアフターフォローがなくてそれに関しては不満だけれども、やはり皆さん、 可愛くなってしまうと、この子に何の落ち度もないということを凄く言いたい気持ちが 伝わってくるのですね。この子は悪くないのだけれども、でも自分は今、もうちょっと 育成に関してはこうなってくれれば良かったなというか、そうなってくれないと他の障 害者に勧める気にはならないという、だから、育成に対する満足度ではないというふう に受け取っていただかないとちょっと間違った情報になってしまうと思います。 板山座長  もうひとつ、これはヒアリング。 高柳(友)委員  まず、電子メールで質問表を送りました。この表に書いてある質問項目を。返ってき たものに対して補足の電話調査をしました。ご本人の談です。 板山座長  調査表を送って送り返してもらって、あと、電話での口頭でアンケート調査、こうい うことですな。はい。どうぞ。 高柳(哲)委員  調査のAからJまでの10人の中にも日本介助犬アカデミー、あるいは研究班と非常に 密接な連携を取っておいでになる方と、今回、調査されたのといろいろ濃淡がありまし て、その内容はそれぞれまちまちにな点も実際あるわけですね。  もうひとつ、私が申し上げたいのは、上の方に障害・診断というところがございます けれども、概して私、長年、介助犬の使用者を見ていまして、私、神経内科の医者なも のですから、そういう観点で見ますと神経学的な解析が非常にプアーな方が多くて、そ ういう点では恵まれない方だと思うのですけれども、診療が非常に医療不信と言います か、ということであまりそういうことを好まれないという方が多かったですね。  実はCという方も最近、やっと精神神経センターに入院していただいて解析をしてい ただいたというような方でして、なかなかいろいろな脊髄損傷とか、筋ジスとか、そこ にも脳性麻痺なんて書いてありますけれども、果してどの程度、信頼性があるか。今後 、こういう方のいろいろ今後の対策としてもやはりその辺は神経学的にも十分な解析を して予後判定をしていかないといけないのではないかというふうに思っています。 板山座長  ただいまのご説明に対して質問、ご意見等ありましたらお出しください。 満野委員  今、いろいろ訓練のお話等あったのですが、後のアフターケアありとかなしですね。 今、日本で13団体ございまして、実際、動いているのは4乃至5団体と。今、お話を伺 っていますと犬を1回、介助犬として利用の方が受け取ってしまうと、後はほとんどア フターケアがないと。  やはり私ども、ホテルの業界ですけれども、責任持って逆に介助犬を受け入れようと しますと、逆にそういった団体の方がやはり逆に私どもの責任が生じる以上は犬をお出 しになる方の方も共通した訓練項目をきちんとやりまして、お互いが相互にフォローし ていくとか、団体を全体ひとつ作って基準をこういった委員会ができる前に本来、決め るべきではないかと思うのですね。  それがあって初めて私どもが検討できるのであって、今、見ていますと、何か転々ば らばら、もう支離滅裂、非常にこれを拝見してもよくわからないのですね。そうすると 私どもで例えば対応しろと言っても、では何をどうするのですかと。これはおそらくこ の後、そういうことになると思うのですけれども。 板山座長  おっしゃるとおりです。 満野委員  そういった事例というのはやはりかなり細かくご説明いたただくなり、事例研究をさ せていただきませんと、交通機関の方もいらっしゃいますし、我々、ホテルというのは 洋室だけではなくて和室もありますし、レストランも食堂もあるわけですから、どうい う対応が本当に必要なのか。どこまですべきなのか。どこまでしてはいけないのかとい う問題がやはりこれから出てくると思うのです。  そのあたりのためにもぜひ、いろいろな実地の、もちろんプライバシーあると思いま すが、実際にご利用の事例とか、そういったものの検証をしていただくのが、ここで個 人と犬の関係がほとんどですから、次は対外的な問題としてどういうニーズがどの程度 なのかというのをぜひ、お願いしたいと思います。 板山座長  これは次回、次々回以降、受け入れ側の、今のようなご意見、ご要望、問題点、こう いったことをお伺いする時間を作りたいと思いますが、今の資料3の1の今のお話に関 連して、現在、困っていること、希望、不満等と、この欄をぜひ、ちょっと補足説明し てほしいのですよ。  ここにさきほど来、出ている抽象的な言い方だけれども、いろいろな育成団体の持っ ている問題、利用者が不満に感じていること、それがここに出ているのです。ちょっと これAからずっと高柳さん、悪いのですけれども、説明をしてくれませんか。 高柳(友)委員  それではAの方から。1日も早く公的認定によりどこで一緒に行けるようになってほ しいという、この背景はこの方、最近、公共交通機関の試乗を終えたばかりなものです から、この方、京都の方なのですけれども、関西方面でJRだけではなくて、例えば阪 急とか、近鉄とか、いろいろな交通各社がありますと、それぞれの例えばJRでしたら JR東日本、西日本と東海では全く別々に試乗試験、あるいは申請をしなければいけな いという現状がありまして、そういった中でこの間の木村さんの方からも話がありまし たが、使用者はもう疲れ果ててしまって、これではもう車で出掛けようかなという気に なってしまうということがあります。  Bの方は育成団体から犬を取り上げられる不安がいつもあるということで、貸与とい う形になっているものですから、盲導犬もそうですので、ちゃんと育成団体と密な連絡 が取れていて、お互いの信頼関係があればこういった不安ということだけを感じること はないと思われるのですが、おそらくその辺の連携がうまくできていないことがこうい った言葉に表れているのではないかというふうに思います。  何か育成団体に文句を言ったり、あるいはこういうふうにしてほしいという希望を言 うと、あなたは使用者として不的確だからということで犬を取り上げられないかという 不安があってあまり育成団体には寄りつかなくなってしまったということをおっしゃっ ておられました。  同伴不可のところが多いというところの補足としては、盲導犬可としているところは 介助犬が最近、メディアによく登場したり、割と理解をされる傾向があるので同伴して 良いと言われるところが多いのだけれども、盲導犬でも駄目と言われるところが依然と してあって、そういったところでは衛生上の問題があるから盲導犬だろうと介助犬だろ うと何だろうととにかく動物は駄目だと言われると。それは何とかならないのかという ようなお話でした。  訓練士が自分に対して教育をしてきたことに、例えばおしっこをするとあなたが大変 だから、なるべく水をあげないようにという教育をされていたけれども、それを獣医師 に言ったらとんでもない間違いだというふうに指摘されたとか、あるいは犬の股関節、 私たちの日本介助犬アカデミーの資格証明を発行するのに当たって犬の診断書を出して もらいまして、ラブラドールには股関節が悪い犬が多いものですから、股関節のちゃん としたレントゲン写真も提出していただいています。この方の犬もかなり酷い股関節の 形成不全がありまして、頻発する内耳炎を持っている犬だということで、これが何とか 治してあげられないかということ。  実はもうひとつこの方が一番今、困っていることは、困っているというか、苦慮して いることは、この犬の訓練士がかなり強制的な訓練をする方だったので、自分はそれは いけないことだと、叩く必要はないということを感じていたので、そういうふうに教え られても犬を叩いたり、蹴ったりということは、元々蹴れないですけれども、叩いたり 痛い思いをさせることはしないようにしているのだけれども、一言、ノーと言っただけ でもの凄く反応が大きく、ごめんなさいという表情をする。それを見るともう自分はど んなにこの子にかわいそうな思いをさせてしまっているのかということで傷ついてしま うので、あの犬のトラウマを何とか取り除いてあげられないかということが実は一番本 人が苦しんでいることのようです。  社会参加に関しては一応、この方も京都府の方なのですが、京都府の登録カードでど こでも行けるのだけれども、やはりアカデミーの資格証明を受けようと思った経緯とし ては、さきほど満野委員からもありましたように、いろいろな人が介助犬と言って、そ の中には質が確保されていない、衛生上問題があるような犬もいるということで、やは り第三者機関の評価をちゃんと受けた上で自分も自信を持って社会参加をしたいと、そ のきっかけにしたいということで認定に申請してこられたという経緯があります。  Cの方ですけれども、交通機関の利用をほとんどこの方はしていません。それはなぜ かと言うと、さきほど来からあったようにあまりにも申請が大変なのでそれをやる自信 がないということで、もっと円滑に認めてくれればいろいろなところに出掛けていきた いという思いがあります。  犬が結構、よく言えば元気、悪く言えば落ち着きがないところが、もう少し落ち着い てほしい。この方、脊損の方のように手で制御するということが全くできませんので、 上肢はかなり弛緩性の麻痺が強くてほとんど制御することができませんので、もう少し 落ち着きのある状況になってくれないとちょっと困ることがあるということです。  Dの方ですが、犬にアレルギーがあって、これは最近、よく問題になっておりますけ れども、アレルギーの治療を頻回にしなければいけないということで困っているという こと。この方の地域では社会参加はほとんど問題がないということでした。  この方、ご自分で個人でビジネスとして介助犬育成を依頼した方で、介助犬育成には 2度と関わりたくないという思いをされたようですけれども、そういったことで育成体 制の整備を望むということをおっしゃっておられました。  Eの方ですけれども、この方は研究班が一番最初にモニターとして出した介助犬と暮 らしている方です。C5の頸髄損傷で、先日、来られた木村さんよりも麻痺の程度は重 度ですけれども、ドクターです。  この方は困っていることとしては、困っていることというか、今、開発発展途上とい うような感じで、例えば介助犬の作業の能力はいろいろあるのだけれども、作業をより 実用的にするためには住環境整備やグッズが必要で、それらがもっとあれば自分もこれ まで24時間体制のヘルパーの派遣を受けていたけれども、介助者なしの時間が持てると いうふうなことをおっしゃっていました。  例えば緊急時の通報システムですけれども、今、ある既存の研究時の通報システムと いうものはもの凄くたくさんボタンがあって、その細かいボタンをひとつ指して介助犬 に押せというのはちょっと難しい。ただ、大きなボタンにして、とにかく連絡がつくよ うにするだけのためのボタンを犬でも押せるように開発してくれれば、自分も安心して 1人の時間が持てるといったようなことで、介助犬の作業が実用的になるための整備が できればもっと1人で過ごせるというようなことをおっしゃっていました。  次にFの方ですが、この方がさきほどお話したもともと犬を持ってくれないかと頼ま れて自分はいらないと断ったという方なのですけれども、実はこの会社員という方の会 社は福祉機器等の製造販売をしている会社なものですから、自分が関わる障害者の方た ちに介助犬の良さ、悪さを伝えられればということで介助犬を持った方で、介助犬に関 わる活動が犬中心に動いている気がするということ、人間的に信頼できる訓練士がいれ ば継続指導を頼みたいけれども、それがいないから今のところ継続指導がなしというこ とで、この方も常に犬を取り上げられる不安があるということをおっしゃっていました 。  Gの方ですが、転勤をされて、転勤をしてからは近くに育成団体もないものですから 、地域、自治体としての動きは全くないということと、近くに介助犬使用者として連携 のできる方がいないということで、転勤してからは買い物などにも一緒に介助犬を連れ ていかなくなったと。犬にストレスにならない訓練方法を学びたいと。自分が受けてき た訓練方法の教育というものがいろいろ勉強をしてみると必ずしもそれだけの方法では なかった。できれば犬にストレスにならない、叩いたり、痛い思いをさせる訓練ではな い方法を教えてほしいということをおっしゃっておられました。  次にHの方ですが、この方は木村さんなのですけれども、この間、来られたので名前 を言っていいと思いますが、現在、困っていることとしては公共施設へのアクセス、交 通機関利用時の事前審査の負担の大きさ、育成機関からの十分な継続指導が受けられな い。  これは介助犬協会という東京にある団体で、木村さんが宝塚市におられる関係ですぐ に来てもらうということができないという範疇の継続指導が十分受けられないで、他の 方の全くないとはちょっと相対的には違うということを申し添えておきます。  次の介助犬を受け取れる保証がないということで、もうそろそろシンシアが6歳です ので、次の介助犬を考えなければいけない時期にもうすぐなるのですけれども、その保 証がないのでいつも不安を抱えておられます。  Iの方は今、困っていることとしては、さきほど申し上げた新しく必要な介助動作の 訓練をしてほしい。アフターケアがないということで、継続指導を望むが無理だと思わ れるので頼めない。新しく必要な介助動作の訓練が難しい。トレーナーの訓練を受けた い。訓練期間が短い。維持費が大変。アフターケアがないに等しい。介助犬がどこまで 介助可能なのかを教えてもらい、今、以上にできるのならトレーニングしてほしいとい うことを回答してこられました。  次にJの方ですが、困っていることとしてはこの犬も股関節がかなり悪くて、股関節 脱臼による痛みが心配でどこまで介助動作をさせていいのかどうかがわからないという ことを不安に思って心配しておられます。  あるいは公共交通機関利用の確保ができないということ、周囲の人たちの無理解と勝 手に撫ぜる等の行為。これは犬がいるとワッーと寄ってきて、何も本人に聞かないで可 愛いわねと撫ぜくりまわすという場面に出くわすことがよくあるらしくて、それを断る のに四苦八苦していることもあるので、そういったことが困ることがあるということで す。 板山座長  ありがとうございました。ただいまのご説明を聞きながら介助犬の利用者にとってこ んな問題がある、あるいは介助犬育成の訓練のあり方等をめぐる問題、費用の負担の問 題等、様々な問題が出ておりますが、今日の実は討議事項、検討会における討議事項の 中で介助犬の役割、目的、介助の内容等、あるいは介助犬の有効性、障害者への効果、 そういったものについてはこれはのちほど兵庫県の事例等も含めて整理をしていただき たいと思います。  あるいは使用者の障害の範囲、犬の管理能力、年齢の制限、それらを含めて介助犬の 定義ということになっていくわけですが、ただいまのご説明などを、調査の結果などを 伺っていただきながら、次の兵庫県の認定でたったひとつの県が作った、この要綱とい うものを少し見ていただいて、これはさきほど事務局の説明によりますと、認定基準、 その他はアカデミーの作ったものをほとんどそのままだと、こういうお話もあったので すが、少し今日の討議事項との関連もありますから、兵庫県の要綱をもう少し説明をし てくれますか。事務局で。  あるいは補足をしていただく、高柳さんの方からね。補足をしていただけるならそれ をまたやっていただくと。簡単にこれ、説明してくれますか。室長の方で説明をしても らえればありがたいと思うのですが。 社会参加推進室長  さきほど一応の仕組みはお話したのですが、フロー図が11頁にございまして、真ん中 に障害者の方と介助犬というところがございまして、育成団体、訓練団体と書いており ますが、そこで訓練が終わると修了書というのが障害者の方に渡されまして、予め指定 された団体、これは兵庫県では日本介助犬アカデミーになっておりますが、そこに認定 依頼、さきほどの申請書というのがございますので、認定依頼を団体にしまして認定書 を団体でそれぞれのさきほどの介助犬の認定基準という、これはさきほど言いましたよ うに日本介助犬アカデミーで作っている認定基準と一緒でございますが、この認定に基 づいて介助犬として適当かどうかということを判定いたしまして、これを認定書を出し て、障害者の方はそれをもって県の方に、さきほどの登録申請書というものを、介助犬 登録申請書、7頁にございますが、ここに必要事項を書いて県の方に登録申請をすると 。 県の方はその指定団体は予め指定してございますので、そこで認定されたものについて は県の方で登録し、障害者の方には登録カードを交付すると。障害者の方は県下の施設 、あるいは店舗、あるいは交通機関を利用する際には必要に応じて登録カードを提示す るとともに、さきほど言いましたように犬に指定団体で決めたマークと言いますか、そ れをつけて店舗を利用するというのが全体の流れでございます。 板山座長  2頁に定義がありますね。兵庫県の定義、ちょっとこれ、読んでみてくれますか。 社会参加推進室長  兵庫県の方はここに書いてございますが、この要綱において「介助犬」とはと書いて ありますが、「肢体不自由者の自立と社会参加を支援することを目的として、被介助者 である肢体不自由者の障害の状況に応じて日常生活における動作を介助するよう訓練さ れて当該者が使用する犬で、公衆衛生上安全であるよう管理されているものをいう」と いうことで、一応、肢体不自由者というところに限っておるのが介助犬の定義というこ とです。 板山座長  はい。高柳さん、介助犬の定義について兵庫県ではこういう定義を使っておりますが 、この点について研究班等で議論になった点がもしあれば補足してほしいのですが、僕 はこれ、今、聞いていて肢体不自由者という定義、これは初山先生もいらっしゃいます けれども、肢体不自由者以外は駄目なのか、この前、てんかんとか、何とかというお話 もありましたね。ちょっと。 高柳(友)委員  最初は肢体不自由者を身体機能障害者と最初のたたき台ではしていたのですね。ただ 、それは何をもとにしたかと言いますと、アメリカの唯一の介助犬という、介助動物、 あるいは関連のものが書いてある世界的な法律として唯一のADA法をもとに障害者を 身体機能障害者として入れたわけなのですけれども。  ただ、前回の座長からのご指摘もあったように、アメリカで言うサービスアニマルと いうのは盲導犬も聴導犬も、その他の介助犬、あるいは例えば情緒障害をサポートする ような犬もすべて含まれておりますので、そういったすべて含むというのは日本では実 情に合わないということ。  我々の方で、研究班の方で、まず、調査をした介助犬使用者の障害、あるいは海外向 けに調査をした、これも電子メールを通じて障害者団体に呼びかけたわけですけれども 、した調査としてやはり盲導犬、聴導犬を外してどのような障害を持った方がサービス ドッグを持っているかということをもとにしますと、肢体不自由者というものが最大公 約数というふうに考えまして、少なくとも前回も申し上げましたようにてんかん予知犬 、あるいはメディカルアラートドッグと言われていますけれども、例えば心臓発作、い わゆる心筋梗塞になるかもしれない、狭心症発作を予知はしないのですけれども、起こ りかけたときに人を呼ぶように走らせるよう訓練された犬とか、そういったものもアメ リカにはおりますけれども、それを果して訓練士が今、ちゃんと訓練できる状況かとか 、実例数がどれぐらい把握できるかということを考えたときに、少なくとも我々のとこ ろで今、まだ、全く把握できておりませんので、それもすべて入れる根拠は今のところ ないであろうということで省いております。 板山座長  今日の討議項目の介助犬の定義につきまして、今のような兵庫県の事例も含めながら 研究班のお話から肢体不自由に限る。その介助にあたるものを介助犬という。もちろん それに一定の訓練養成課程を経た、その他、条件が入っておりますが、さきほどの兵庫 県の要綱の2頁の定義、介助犬、1です。この辺についてご質疑をちょっといただきた いと思いますが、どうでしょうか。どうぞ。 土本委員  定義に関わるのかどうかちょっとわかりませんけれども、このような肢体不自由者と いう定義、普遍的な介助ができるような文に読めてしまう。しかし、実際は犬を管理で きる、あるいは希望して、かつ、その上で管理できる人でないと有効でないという面が 実態としてあると思うのですね。  だから、これで読むと何か非常にいろいろな肢体不自由者にでも有効なというふうに 読めてしまうのですが、ちょっとやはり盲導犬も同じような面がありますけれども、そ の辺の問題はどうなのかなと。 板山座長  下の2に、これはちょっと説明をしてください。介助犬使用者。 社会参加推進室長  介助犬使用者の定義を兵庫県の例、ここに書いてございますが、「「介助犬使用者」 とは、自己の日常生活における動作の介助のために当該者とともに訓練を受けた介助犬 を常時使用している肢体不自由者をいう」というふうに兵庫県の要綱では定義しており ます。 板山座長  今のご意見はこの使用者、肢体不自由者と単なる定義、一般的な定義ではなくて、介 助犬の使用が可能な意思能力、管理能力などを持つ人ということをもうちょっと具体的 に言わなければと、こういうご指摘でしょう。 土本委員  そうですね。 板山座長  そういうことね。この辺はどうですか。研究班。 高柳(友)委員  まず、それはこの定義のところの一番最後から2番目の公衆衛生上安全であるよう管 理されているものをいうということで、公衆衛生上安全であるよう管理され、管理でき る人しか持てないという意味合いなので、要するに第三者が、あるいは極端な話、トレ ーナーがいつも管理をしていなければいけないような犬は介助犬ではないし、あるいは 本人が何かあったときに置いて逃げ帰ってしまうような犬は介助犬であってはならない し、ちゃんとした衛生的な管理と定期的な健康診断とワクチン接種等ができている管理 者が持つ犬でなければ介助犬とは言えないという意味合いです。  ひとつ、申し上げおきたいのは、この定義と基準というものの目的なのですけれども 、最終的にはこれはすべての介助犬に、例えば5年後、10年後にはすべての介助犬に当 てはまっていくようになると思うのですけれども、今、既存のこういう育成の状況、現 状がこれだけばらばらでこれだけ実はちょっと平たく酷い言い方をしてしまうといい加 減な状況、でもちゃんとやっているところもある、そういう千差万別な育成から生まれ た介助犬の整理の仕方と、今後の介助犬育成のあり方を考えるのと別々に考えないと多 分、整理がつかないだろうと思いますし、あるいは今、本当に介助犬を必要としている 障害者の方たちもすべて切り捨ててしまうことになってしまうのではないかというふう に我々は心配しております。  ですから、今、介助犬が実際、いる。その介助犬が本当に介助犬として社会参加を応 援していい存在かどうかということを、まず、整理をする上での定義、基準というふう に受け取っていただければというふうに思いますけれども。 板山座長  いかがですか。どうぞ。 土本委員  今の説明はあれですが、この目的のところにも肢体不自由者の自立と社会参加を促進 というふうに非常に広い概念で目的が書いてある。ほとんどのいろいろなことがこうい う趣旨にいろいろな活動が解釈できる。  しかし、非常におそらく全体から見れば少数の人に対する効果がある。そういったも のはたくさんいろいろな社会的には存在すると思うのですが、社会的に規制するなり、 行政が関与するなり、その辺の役割、有効性と言いますか、いろいろな普遍的サービス の関係、位置づけをやはり押さえないとどのような関与が適切なのか。  自主的な民間的な活動、自主規制なり、責任ある活動をやはりもう少しできるように なってからというふうに考えるのか。また、そうなるように行政が誘導するという考え 方に立つのか。その辺をいろいろとやはり押さえる必要があるのかなという感想をちょ っと持ちました。 板山座長  今のご心配はこの5頁、今の兵庫県の要綱の5頁に兵庫県介助犬認定基準というもの がある。この1の基本事項の2に介助犬使用者というものを、アでは「所有又は管理し ている者であること」と、イに「介助犬が社会に公衆衛生上の不利益をもたらすことの ないよう」、これは公衆衛生上の不利益だけ書いてありますけれども、ここに。「ない よう介助犬の行動に全責任を持ち管理できる者」。これが今、ご指摘のところだと思う のですよ。大変大事なことだと思います。  単なる肢体不自由者ということではなくて、もうひとつこういう条件が入っている。 これも作る認定基準などで介助犬が公衆衛生上の不利益をもたらすことのないようとい うだけでいいかどうか。それは利用者の生命とか、いろいろなことにも関わりますから 、あるいは命令、指示、そういうことがちゃんとできるかどうか。  この前、研究班のレポートもありましたが、そういったことを含む表現が公衆衛生上 だけで、さっきあなたが公衆衛生上とおっしゃったけれども、それだけでいいかどうか 。 この辺は議論が実はあるところですね。今、ご指摘のとおり。この辺をちょっと検討し てみる必要があると思いますね。どうぞ。それ以外にも。どうぞ。 高柳(哲)委員  今日は定義に入るきっかけなものですから、こういう非常に総括的なお話だと思いま すけれども、やはり定義があって使用者基準があるということで、定義だけでは最もこ れは動かないと思いますから、その辺の縛りは十分いろいろな基準を設けて使用者に対 しての枠をはめるということで、さきほどからの質問には答えられると思うのですけれ ども。  自立と社会参加というものは非常に漠然としておられるという話もありましたのです けれども、実は介助犬と称して介助犬を持つために自立とか社会参加が全くどこかにい った話で、動物介在活動とか、動物介在療法というようなものもすべてこれは介助犬で あるというような巷では実際はそういうふうな常識ならざる常識が実際は働いていると いうふうな現在の社会情勢なものですから、そういうことも実は十分、この介助犬の定 義、基準を設けるときにはそれに対しての縛りをかけないといけないと思います。  今回、肢体不自由ということを言いましたのは、もう既に日本では盲導犬がかなり活 動しておられて、いろいろな法的な整備も着々とされているわけですけれども、介助犬 の肢体不自由については全くこれは初めてですから、そういうことでかなり介助犬とい う意味をかなり縛って狭義に取って私ども介助犬の研究班もやってまいりましたし、今 までの介助犬の活動がそういうふうにされていたのですけれども、いずれは将来的には これは聴導犬も含めてやはり介助犬の広義としてやはりもう一度、将来的には見直す時 期が実際は来るであろうと私は思っています。  今回はやはり非常に狭義な介助犬について検討するという段階ではないかと。それは 厚生省ももう既にここでおっしゃっておりますので、今回についてはやはり肢体不自由 中心に介助犬ということを検討していくという段階ではないかと思います。 河西委員  盲導犬の方からの経験ですと、今の基準という部分ですが、これは施設の基準もない といけないわけですね。例えば盲導犬がどんな基準だったとか、また、訓練士の認定だ とか、そういうものがないと非常にここに書いてあるものは施設は認定していないので すよね。だから、施設を認定しないと。  今、13団体あると言いますが、これからもうどんどんこの団体、増えると思います。 これは規制もないのと、愛犬家の人たちが、またそれに関わる人たちが、言葉のリズム がいいのですよね。自分もやってみようという興味本位が非常に多いと思います。  そういった中で何の基準もない中でそれが介助犬としてどんどん世の中に出るという ことがありますから、ひとつはそういったひとつの団体、盲導犬ですと連合会とか、日 盲者協で盲導犬部会があるように、なるべく早く全部の団体が同じ共通点に立って基準 を作るとか、または窓口を一本化して将来的にいろいろなところへの受け入れという部 分でお願いするならば、そういった窓口の一本化というのも必要でしょうし、今、これ は介助犬アカデミーが一生懸命やっているので、非常にそれ自体はいいのですが、やは り兵庫県の認定であっても、今度は他のところでは認定されないという部分では反対に 共通の基準を作って全体的な認定基準というものにしていかないと。  これははじめ盲導犬協会もあったのですが、他の団体名を使ってやはり当時の国鉄等 に申請をしなければいけないとなると、他の団体にとっては自分のところの名前で出し たいというある意味のプライドがあったり、そういったものがあるものですから、やは りそういった面では皆さんが共通の問題を早く同じテーブルに立ってやっていかなけれ ばいけないことだと。それからやはり規制というか、ひとつの基準をお互いに作ってし まうということが、これはこういう検討会と別に現場の人たちが入り、作っていかなけ ればいけないことだと思います。  アフターケアの問題は、これはケースバイケースで全くアフターケアがなくてもうま くいく。反対に生活の中でうまく教えて盲導犬がそのことを覚えていく、学習していく という部分が非常にあるのですね。反対に今度はどちらかの原因で、例えば使用者の原 因だったり、または犬の原因だったり、または社会的な環境の原因でうまくいかない場 合もあるのですね。この場合にはやはりアフターケアというのは非常に大事なことです から、早く元の基準に戻すという部分ではこのアフターケアという部分も早期にやる必 要があると思いますね。  ただ、これは非常に個人でやっているとか、そういった弱小な部分がありますから、 やはりその部分でアフターケアができない。または遠距離で交通費がないとか、我々も そうですが、訓練士がたくさんいない中では遠くへなかなか行けない。そこに行ってし まうと今度は現場に人がいないというふうになるのですね。ですから、そういう意味の 将来的に渡った充実が必要でしょう。  個人ではなくて団体としての組織化をするということは早く必要だと思いますね。盲 導犬協会でも中部で5年かけて財団法人にしましたけれども、連合会とか、そういうも のは3年ぐらいで。発足してから。その当時、6団体ですけれども。早めにそういった ことを作ってやはりいろいろな共通問題を効果的に、皆でやれば非常に効果的ですから 、そういった意味のことが得られましたね。  やはり使用者の立場としていけば、やはりどこにでも行ける。これは盲導犬でも未だ に多少、まだネックがあって、前よりはだいぶ良くなりましたが、やはり断られる例と いうのはたくさんあるのですね。視覚障害者には本当に迷惑かけないという部分で盲導 犬協会自体に宿泊の訓練でもその辺を十分にやってはいるわけですが、そういった中で 盲導犬、または介助犬がどこにも行けないというのは反対に行動規制されますから、そ れは非常に社会的な問題としてこれから早く解決する、検討すべきですね。問題だと思 います。以上です。 板山座長  ありがとうございました。さきほど、今、お出しいただいた問題というのは大変大事 な問題なのですね。ひとつは、現在ある、例えば13団体というふうに育成団体があると すれば、これらの団体がばらばらにいろいろなことをやる前に一度、自主的でもいいし 、どこかが肝入りをして協議会でも、あるいは連絡協議会でもいいですが、作る。そう いう動きを始めなければいけないというご指摘があったと。  この委員会が作られたことのひとつの意味はこうしたものを公的な制度に発展させて いこうという社会的な、あるいは行政上の必要性があるということ、そういう動きが始 まったわけですから、これを受けて有名無実かどうかは別にして、13団体あたりが一緒 に話し合う場を持つ。そこで何を議論するかなんていうことを含めて、これからのあり 方について協議する。そういう場を早く作った方がいいという今、ご指摘でありますが 、これについてはこの委員会がそうした肝入りの役割を果たした方がいいか。行政サイ ドが一度、声をかけてそうした集まりの機会を作るということがいいのか。この辺につ いて少しご意見を頂戴したいと思うのですね。これは次の大きなステップの意味を持っ ていると思うのですね。  もうひとつご指摘のあったのは、定義、あるいは使用者、これから議論するでありま しょう、次回あたりから始まります介助犬に求められる資質、要件、養成課程なんてい うことになるわけですが、施設というものも、その養成訓練をする、飼育し、養成訓練 をする、その施設というふうなものについての最低基準というふうなものもまた必要だ よと。  さきほど来、公衆衛生上のという言葉が出てますが、そんなことを含めて、というこ とは同時に育成団体が持つべき最低の基準、超えるべきハードルというものはまた議論 されることになるわけでありますが、そんなご指摘が今、ありました。大変大事な問題 でありますから、これは事務局、よくしておいてください。次の将来における検討課題 のひとつにそれを入れてほしいです。  もうひとつ、私、高柳さんの方に伺いたいのですが、この研究班は今年でおしまい。 結論が出るのですか。ちょっとその辺を。 高柳(哲)委員  私、班長をやっているものですから、ちょっとお答えしたいのですけれども、今年3 年目になっています。私どもの調査としてはできる限りのことは今まで3年の限度内で はできたというふうに私は思っているのですけれども、まだ、この調査に実際、応じな いような方は実際、宿題として残っているわけですけれども、そこまで実際に調査をす る価値があるのかどうか。実際に非協力的な人まで巻き込んでこの問題をさらに発展さ せなければいけない問題なのかどうか。その辺は大変、私は疑問に思っているのです。  一応、3年として私どもの定義とか基準というのは、これはやはり時代の流れに応じ てどんどん変遷していくものですから、最終的な結論というのはいつになっても出てこ ないと私は思いますけれども、3年目の結論としては一応、出せるというふうに私は思 っています。  ですけれども、研究班ですから、いろいろ研究するためにさきほどもちょっと話が出 ましたけれども、いろいろ犬の遺伝の問題であるとか、管理の問題とか、それは非常に 大きな問題として発展して、これは日本の犬の文化に関わるし、今までこういった研究 班で獣医学的な見地、あるいは医学的な見地、トレーナーとか、コーメディカルの方が 入っていただいたような研究班は、初めての組織でありますので、そういう点でたくさ んの宿題が残りますので、これは何らかの形でまた発展的にしていただきたいと私は班 長としては思っているわけで、たくさんの宿題が残っております。  ただ、介助犬を今後、社会的に定着させるための宿題としては一応は3年で終わるの ではないかというふうに、私は軽いかもしれませんけれども思っております。けれども 、たくさん宿題が残っております。 板山座長  最終的とも言える報告はいつ頃、出せる。 高柳(哲)委員  私は後からちょっと申し上げたいと思っていますけれども、12月の9日にワークショ ップをいたしまして、それは先生の方のリハビリテーション協会の方の後援でして、1 月の終わりに研究班の総会をいたしまして最終的な研究発表をしていただくわけです。 板山座長  1月の。 高柳(哲)委員  1月28日です。それをまとめて出すのが、実は4月のはじめでありますから、そこで は今年、今年度の研究報告と3年の総括の報告ということをいたします。  板山座長 ありがとうございました。研究班のこれからのスケジュール、今、おおよそのところを 伺いましたが、これ、一度、次回、事務局の方で整理して研究班の方のスケジュールを 伺った上でまたこの委員会にも簡単なペーパーでいいですから出してください。そうし ていただくとありがたいと思います。  今日の3時半からちょうど2時間になろうとしています。休憩も取らないで。だいた い会議は2時間が限度でありますから、ぼつぼつ終わりたいと思いますが、5時半にな りますから、十分な議論があったとは思いませんが、今、研究班がこういう個別ケース 検討も含めてかなりのピッチで論議をしてくださっている。その結果などがこの検討会 の審議に反映をさせていただけると大変にありがたいと思っておりますので、その状況 も睨みながらこれからの議論を進めていきたいと思います。  今日、お出しいただきました資料、かなり基本的な資料でありますから、これを次回 でもまたお持ちいただきまして、引き続き次回、今日の審議事項でありました、討議事 項でありました役割とか有効性とか障害者の範囲とか定義、あるいは次に残っておりま す介助犬に求められる資質、要件などを使用者の声、今、困っている問題などとも関連 させて次回、引き続き、もう一度、ご議論をいただきたいと思うのです。  なお、その際に今日、必ずしも十分にご説明をいただかなかった資料、こんなものに ついても補足的なご説明を頂戴しながら討議を進めていきたいと、こう思っていますの でよろしくお願いしたいと思うのです。  それでは事務局からもう時間がありませんからこれからのスケジュールについて少し お話をいただきましょうか。 社会参加推進室長  次回、本日、予定どおり、全部は済んでおりませんが、一応、次回にできますれば公 共交通機関、あるいは施設への周知、及び協力要請について介助犬を受け入れる側から のご意見も、もし、第5回目でお時間がありましたらそういったものも議論していただ きたいというふうに事務局の方で考えておりまして、今、事務局の方からお手元の方に 調書と言いますか、お配りさせていただきましたが、介助犬を受け入れる立場から介助 犬、あるいは使用者に対して望むのはどのようなことかということを介助犬を受け入れ る立場の委員の先生方からできますれば予めご意見をまとめていただきますれば、私ど もの方で次回までに資料をまとめたいと思っておりますので、大変恐縮なのですが11月 の17日ぐらいまでに事務局の方にご返信いただければというふうに考えておりますので 、どうかよろしくお願いしたいと思います。 板山座長  はい。これはお願いでありますが、ダイエーさんとか、あるいはJRのサイド、東日 本旅客鉄道、あるいはホテル協会等から受け入れる立場からご注文、ご意見というよう なものをお出しいただきたいと。これは項目列挙でいいですね。あまり細かい文章は。 社会参加推進室長  はい。あとでご説明のときに説明いただければ。 板山座長  はい。詳細な文章でなくて結構でありますから、ぜひ、お知恵を頂戴をしたいという ことであります。  次回は今日の討議事項も視野に入れながら受け入れサイドから求められる介助犬の要 件とか訓練の有り様とか使用者の態度、そういったことについてのご要望を伺いながら また討議事項の議論をしていただけたらと、このように思っていますのでよろしくお願 いを申し上げたいと思います。  なお、この機会に何かご意見ありますればどうぞ。秋山さん、何かありませんか。 秋山委員  はい。1点だけ、兵庫県のこれはご参考にされて、もちろんこのとおりではなくて、 これをひとつの参考とされようということで、私も交通機関の立場と関係ないあれでち ょっと気になりましたのは、介助犬使用者のところで介助犬の行動に全責任を持ち管理 できる者、例えばでは子どもとかお年寄りは駄目なのかというふうな大事なことがある のかなという気がするのですけれども。  もう1点は定義の介助犬使用者のところで常時、使用している。もちろん犬との信頼 関係とかいろいろなものがあるでしょうけれども、常時でなければ必ずしも、将来的に 例えば育成団体等が一時的な貸出とか、そういうことというのはあり得るのかどうかな のか。 そういうものも視野に入れておいた方がいいのかという2点。ちょっとこの兵 庫県のこれを見ていまして気になりましたもので提案と言いますか、申し上げます。 板山座長  問題点ね。はい。これまた次回以降、そういったご議論を頂戴したいと、深めていき たいと思いますが、大変大事な問題でもあります。特に高齢障害者、あるいは障害児な どについてどう考えるか。この辺のこと、大変重要なご指摘を今、頂戴しました。 ど うぞ。何かございませんか。どうぞ。 土本委員  この中に年齢18歳以上ということで書いてあったりもしますが。 板山座長  その点の問題、この委員会として、検討会としてどうするか、また、ご協議をいただ きたいと思いますが、何かございますか。どうぞ。 岩樋氏  受け入れ側の立場としてこの兵庫県の要綱についてコメントさせていただきたいので すが、さきほど来、公衆衛生上安全であるよう管理されているということは要件になっ ておりますが、抹消とか登録のところ、登録とか取消、抹消の部分で、要はその要件に 合致しなかったときに、積極的にというか、こちら、認定を行った方から取り消します よというような項目が入ってないので、その辺も入れられたらいかがかなと。 板山座長  はい。今日はもうあれにしましょう。大事な問題ですね。はい。その他、どうですか 。 どうぞ。 土本委員  さきほど言ったことと関連するのですが、この兵庫県の要綱について管理できる者、 管理できる障害者を行政が認定する。その事務を委託するとなっていますね。  そういった認定は兵庫県のように行政がすべきことなのであるかどうかですね。兵庫 県の要綱、ちょっと若干、検討の余地があるのかなという、その前提にはやはり適切な 団体、社会的に信頼できる団体がベースにないとどうなのかなという気がいたします。 板山座長  そういうことですね。はい。おそらく今、委託団体はアカデミーと予定しているから こういう書き方にしたのだろうと思うのですけれどもね。この辺も大変大事な問題です ね。どうぞ。 谷本氏(高嶋委員代理)  今回、初めて参加させていただいたものですから、私どもでは介助犬協会さんとずっ とお付き合いがあったものですから、結構、こういった団体、育成団体、うまくいって いるのかなと思いましたら、いろいろな問題点がやはりあるようでございまして、前回 、てんかん予知犬の方もということで私どもの方から発言させていただいたようですけ れども、やはり問題絞り込んでやっていかなければならないなということで、今日のご 議論のとおり、やはり介助犬の対象を絞り込んでガイドラインというのですか、基準を 作っていくということが必要ではないかなというふうに思っております。 板山座長  ありがとうございました。どうぞ。内容的なことはまた次回以降に。 高柳(哲)委員  ちょっとPRを。案内をさせていただきたいと思いますけれども、さきほどちょっと 私、申し上げましたのですが、12月の9日に先生のところの日本障害者リハビリテーシ ョン協会の後援で、研究班が「介助犬とともに生きる」というシンポジウムをいたしま す。  これはスーザン・ダンカンというアメリカの優秀な介助犬使用者であり、介助犬研究 者ですけれども、その方に来ていただいてご講演をいただくことと、「介助犬への期待 、不安、そして生活とは」という題で介助犬使用者、木村さんを始め、多くの方に集ま っていただいてそれぞれ自分のことを喋っていただくという大変使用者のお話でござい ますので、この検討会の先生方に聞いていただくと大変為になると思いますので。 板山座長  パンフレットありますか。皆さんに後でお配りしてください。 高柳(哲)委員  はい。ここにございますのて後で入口のところに置かせていただきますので持ってい っていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 初山委員  これも後ほどご検討いただきたいと思うのですが、介助犬についてはいろいろ制限事 項がございますけれども、使用する肢体不自由者の方で肢体不自由なら誰でもいいのか ということでなくて、やはり使用者側の障害や何かをある程度、きちんと認定するよう な、付則でも結構ですから、検討していただきたいと思います。 板山座長  そうですね。いや、これは次の次ぐらいの大きな検討事項ですから、使用者に関する ひとつモラルもありますから、大変大事な問題だと思うのですね。どうぞ。 高柳(友)委員  とても大事な検討会の役割として大事な点だと思うので補足させていただきたいので すが、今、本当に介助犬が今後、どうなっていくかという時期ですので、盲導犬が今、 確立してしっかりある状況に持っていけるかどうか、持っていくためにはどうするかと いう暫定時期で、暫定措置がありながら全うな方向に持っていくようにということを考 えなければいけないというふうに思っております。  一番最初に何かの制度を作るときには、一番最初、始まったときと今、あるところと いうのは措置が違うことが当然起こると思いますので、今の整理と今後のあり方という ものを別々に考える必要があるというふうに強く思っております。 板山座長  議論のあるところですが、これは後にしましょうね。どうぞ。先生、何かございます か。よろしいですか。 満野委員  兵庫県の基準を見ますと介助犬の犬側のビヘイビアパターンについての評価は全く書 いてないですね。ですから、どういう資格が必要か。これをぜひご検討をいただきたい と思います。 板山座長  これはもう基本的な問題ですね。 満野委員  ええ。非常に基本的な問題ですけれども。 板山座長  おっしゃるとおりですね。これは兵庫県の要綱はアカデミー、委託団体にもうすべて 任せちゃった。丸投げみたいなものなのだ。これは丸投げではいかんと。これから作る あれはいけないと思いますので。 高柳(哲)委員  アカデミーの認定基準は極めて厳しいですから。 板山座長  それを丸投げしちゃってるのだ。そこでそれでいいのかどうなのかが実は問われてい るわけです。 高柳(哲)委員  なかなか合格しませんから。 板山座長  だから、要綱そのものはご指摘のようにおっしゃるとおりです。  それでは5時半になりましたので、2時間、みっちりとご議論をいただまして、どう も事務局の方で次回。 社会参加推進室長  時間の日程でございますが、先日、各委員の皆様から日程表をいただきまして集計い たしましたところ、12月8日金曜日の午後3時からが最も都合がよいということになっ ておりますので、12月8日の金曜日午後3時から。場所については追ってご連絡したい と思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。 板山座長  12月8日というのは何だ。聞いたことがありませんか。 初山委員  開戦記念日。 板山座長  開戦記念日。いやいや。3時。はい。今日は3時半でありましたが、今度は3時です から5時には終われるようにご協議をいただきたいと思いますが、それでは次回、12月 8日にお目にかかることにいたしまして、今日の会議はこれをもって閉じたいと思いま す。ありがとうございました。 企画課長  どうもありがとうございました。                (閉会・17時35分) 照会先 社会・援護局 障害保健福祉部 企画課 社会参加推進室 社会参加係               新 城 TEL 03-5253-1111(内線3075) 直通 03-3595-2097 FAX 03-3503-1237