00/09/27 第4回検証会議(1)家族の心情等の把握について   脳死下での臓器提供事例に係る検証会議第4回議事録  日時 平成12年9月27日(水)15時05分〜19時00分  場所 国立感染症研究所2階第1会議室  出席者: 宇都木 伸  川口 和子  嶋  多門  島崎 修次  竹内 一夫       アルフォンス・デーケン   平山 正実  貫井 英明  藤森 和美      ○藤原 研司  柳田 邦男       ○:座長  (略)  藤原座長  本日の議題としましてはひとつはドナー家族の心情等の把握でございまして、2つめ が6例目の臓器あっせん業務の検証作業を予定いたしております。  まず、会議の前半でドナー家族の心情等の把握につきまして前回の会議に引き続き、 ご討論をお願いいたします。次に後半で前回の会議で時間の都合上、議論できなかった 第6例目のあっせん業務について検証作業をお願いいたします。  なお、事前に事務局を通じてご連絡申し上げましたが、前半の議題のドナー家族の心 情等の把握は直接、プライバシーに係わる事項を取り扱うものではないため、公開とい たし、後半の臓器あっせん業務の検証作業につきましては非公開とさせていただきます 。どうぞよろしくお願いいたします。  では、ドナー家族の心情等の把握につきまして検討をいたします。前回の議論を踏ま え事務局が資料を修正した上でお手元に提出してございますので、改めてご説明をまず いただきまして、その上で全体討議をしたいと思います。事務局の方から資料のご説明 をお願いいたします。  大澤室長  それでは事務局の方から資料をご説明させていただきます。その前に一言、ご挨拶を 申し上げたいと存じますが、私、7月24日付で臓器移植対策室長を拝命いたしました大 沢と申します。どうぞよろしくお願いを申し上げます。  それでは失礼して座らせていただきまして資料の1から3につきましてお手元の資料 についてご説明をさせていただきます。  まず、資料の1のドナー家族の心情等の把握について(案)でございます。これにつ きましては前回、ご提出させていただきました資料、そのときの皆様方のご意見を踏ま えまして修正をした箇所を中心にご説明をさせていただきます。  まず、第1の趣旨でございますけれども、ネットワークによるあっせん業務の検証、 家族への精神的支援に加えまして、前回のご議論を踏まえ社会に対する臓器移植に関す る啓発、これを加えてございます。  次の把握する事項でございますけれども、これにつきましても臓器提供手続に関する 家族の意見、感想、家族が臓器提供を承諾した事情、臓器提供から日が経ってからの心 境に加えまして、家族が臓器移植に関して社会に訴えたい事項、これを追加させていた だいております。  次に3点目の把握方法でございますが、これにつきましても文書による照会、面談に 加えまして電話による聴取を追加をさせていただいております。  次に4点目の家族の状況等の把握に当たっての基本的考え方でございます。これにつ きまして1の家族への十分な説明と同意。2の任意性の確保。これは前回と同様でござ いますけれども、3の家族の心情に対する配慮につきましては前回、提出させていただ きました資料では文書による照会を優先し、必要に応じて面談を行うというような言い 方にしておったわけですけれども、前回のご議論を踏まえまして、文書による照会、電 話による聴取、面談。これを並立するような形にさせていただいてございます。  4の守秘義務については前回と同様でございます。  1枚おめくりいただきまして2頁目の5、家族の状況等の把握の具体的方法でござい ます。1文書による、電話による聴取又は面談の承諾でございますけれども、これにつ いては、まず、文書によって照会をするタイミングについてでございますが、そこにご ざいますように臓器提供から1か月以上、経過した後という文言を加えてございます。 その上で文章によって照会する内容について、そこにございますように(1)と(2)を書い てございまして、まず、(1)ではそもそも検証会議からの照会に対して家族が回答するの かどうかという点。2点目では照会に回答していただける場合には文書での回答、専門 家の電話による聴取又は面談。このいずれの方法がよろしいか。この選択のお願いをさ せていただいております。  2つ目の丸では検証会議は文書による回答の結果を踏まえまして、ご家族の選択され た方法によりまして文書あるいは電話あるいは面談、このいずれかの方法によってさき ほど申し上げた3つの事項について把握をするということにしておりまして、また、そ もそも当該文書による回答が得られない場合にはご家族が回答しない意向であるものと して取り扱わさせていただくということにさせていただいております。  次の2の家族との面談。この部分は特に修正は加えておりません。  3の検証会議での検証作業等。これも電話による聴取という文言を加えておりますけ れども、それ以外は特に修正はございません。  誠に恐縮ですが、4の報告書の取りまとめ及び公表では内容的には修正を加えており ませんが、一部誤植がございまして、4のひとつめの丸印に専門家は報告書を取りまと め云々とありますが、これは検証会議はの誤りでございます。お詫びして訂正させてい ただきたいと存じます。  以上がドナー家族の心情等の把握についてのご説明でございますが、続きまして資料 の2、フローチャートについてご説明申し上げます。  この最初のフローチャートの一番目の枠組みでございますが、これは実は前回、ご提 出させていただきました資料ではネットワーク、あるいはコーディネーターにドナー家 族さんの代表者のお名前であるとか、住所であるとか、あるいは検証会議からの照会に 応じていただけるかどうかにつきましての意向を確認をすると。その確認の結果を踏ま えて文書をお出しするというような流れになっておったわけですが、そこを前回のご議 論を踏まえまして事務局からネットワークに対し家族への文書を届けていただくという 依頼の仕方に変更させていただいております。  その枠組みにありますように、※にございますように文書によってそこに挙げており ます3つの点についての照会をさせていただきますと併せまして回答につきましてはネ ットワークを通さずに直接、事務局宛に文書で行っていただくよう依頼をするというこ とにさせていただいております。  そうした上で照会する内容といたしましてはさきほど申し上げたとおり、(1)ではそも そも回答していただけるのかどうか。2点目ではどういった方法でご回答いただけるの か。3点目では文書での回答を選択された場合には具体的な心情等の内容について記入 していただくというようなことにしております。  その下の2では具体的にネットワークのコーディネーターによる家族への文書を届け ていただいて、ご家族からの回答を事務局が直接、郵送によって受理をするという形に してございまして、ご回答によって面談、電話、あるいは文書、その選択肢によって以 下の流れ、3つに分かれていくというような流れにしておりまして、2頁以降は前回、 お出ししたものと基本的には変わっておりませんで、いただいた回答を踏まえて専門家 の方による報告書を作っていただいて、それを検証会議で検証していただき、報告書を 取りまとめいただくというような流れにしてございます。  続きまして資料の3、具体的にはお手紙でございます。これにつきましては実は藤原 座長にもご意見をいただきながら、文章的に多少、前回、お出ししたものとは少し変え てございますので、時間を取って恐縮ですけれども、朗読をさせていただきたいと思い ます。 このたびは、ご家族のご逝去に対し、心からお悔やみ申し上げます。皆様の悲 しみはいかばかりかと、お察し申し上げます。そのような折りに、この手紙を差し上げ ますことをお許しください。  また、先般は故人とご家族の尊いご意思による臓器提供により、病気で苦しんでいた 患者さんに明るい希望がもたらされることとなりました。深く敬意を表する次第です。  さて、私どもの組織は、脳死下でのより良い臓器提供のあり方を定着させるために、 厚生大臣の要請により設けられました。あくまでも中立の立場で、臓器提供していただ いた1例1例について、ご家族への配慮が適切であったか、手続が適正に行われたかど うかを厳正に検証する組織です。会議の活動内容、委員等は別紙のとおりです。  私どもは、このような検証の一環として、臓器提供手続について、また、このたびの 臓器提供をご承諾なさったことについて、ご家族のご心境・ご意見・ご感想・ご要望な どをお伺いし、これを今後の参考にしたいと考えております。  ご協力をお願いするにあたり、この検証会議の役割上、次の点につき、ご家族にご理 解、ご了解いただきたいと存じます。  まず、ご家族のご意見等を述べていただくかどうか等については、全くご家族のご意 向に任されておりますので、強制されるようなものでないことを十分ご承知おきくださ い。 脳死下での臓器提供と移植医療は、個人のプライバシーの保護が最優先ですが、 <第三者間の「命のリレー」>を法律で特別に認めたものですので、社会的に医療内容 の透明性が強く要請されております。このため、検証会議は非公開で開催することとし ておりますが、このような状況から、ご家族からの回答をもとに検証会議で議論した結 果について、ご家族のご了承を得た上で、公表することとさせていただきたく存じます 。その点については、ご回答していただくに当たり、ご了解のほどお願いいたします。  また、ご家族が特定されない形で、回答いただけたかどうかを公表するとともに、い ただいたご意見等についてもご家族のご了解を得た上で公表したいと考えております。 この点につきましてもご理解のほどお願いいたします。  本会議の趣旨にご賛同いただけ、ご意見等を述べていただける場合には、検証会議よ りご連絡を差し上げることが必要となりますので、一部の検証会議のメンバー及び厚生 省事務局にご家族の代表者の氏名、住所、電話番号を教えていただくことになりますの で、あらかじめご承知おきください。  以上の点につきまして、ご了解いただけましたら、本検証会議の趣旨にご賛同くださ り、ご意見等を述べていただけるのかどうか等について、別添の【質問用紙1】にてご 回答くださりますようお願い申し上げます。  【質問用紙1】で、ご意見等を述べていただけるとし、その方法として文書によるこ とを選択された場合には、【質問用紙2】に御回答くださいますようお願い申し上げま す。お答えいただける範囲で回答いただければと存じます。  ご多忙のところ恐縮に存じますが、ご回答を同封の封筒にてこれこれまでにご返送い ただきたくお願い申し上げます。  もし日程に無理があるようでしたら、電話やお手紙等によりご一報いただければ幸い です。  故人のご冥福を心より祈念申し上げます。  日付と座長の名前でございます。  次の頁から質問用紙の1でございまして、ここではまず、問1で現在のご家族の心境 等を述べていただけるのかどうかについて丸をつけていただくことにさせていただいて います。  問2ではその方法について面談がよろしいのか、電話がよろしいのか、文書がよろし いのか、ご家族に選んでいただくということにしております。  次に質問用紙2では文書による回答を選択された場合に、まず、問1で臓器提供に至 る経過、臓器提供後における臓器提供施設、ネットワークの対応など、臓器提供手続に 関連してご意見、ご感想等があったらご教示ください。今後への一般的な提言でも結構 であるということでございます。  次の問2では臓器提供にご承諾をされたことにつきまして、故人とご家族のご決心の 事情、現在のご家族の心境、一般の人々に呼びかけたいこと等をご教示いただくことに しております。  最後に問3ではご家族の代表者の氏名、住所、電話番号のご記入。これは事実関係等 の確認の上で必要でございますので、記入していただくということにさせていただいて おります。以上でございます。  藤原座長  ありがとうございました。ただいま、お聞きのようにこちらの事務局案としましては 、まず、患者家族との接点としましてコーディネーターを介して最初の文書を手渡しい ただくと。そして任意に3つの選択肢を設け、それぞれの流れに沿って進めていくと。 結果は当面は事務局が受け入れになっているという、こんなようなことになろかと存じ ます。また、細かい文言につきましては今、お読みいただいたとおりでございます。  そこで、まず、問題となりますのは、連絡の方法をどうするかということと、ただい ま、ネットワークということでございますが、その他の可能性も含めまして連絡の方法 をどうするかということ。その時期はいつが適切かといった問題。あるいは面談の場合 には面談者はどうするのかと。連絡の方法はどなたが行うのか、こういった問題が設定 されようかと存じます。まず、最初に連絡の方法、前回、こちらで議論になりましたの は選択肢を設けていくのだということといくつかの選択肢を挙げて、これを今回、今、 お話しいただきましたような形にさせていただきましたのですが、この方法に関して、 まず、議論をしたいと存じます。  どなたか、何かご意見ございますでしょうか。どうぞ。  柳田委員  検証会議がメディカルな側面だけではなくて、ドナー家族の心情等の把握ということ に取り組むということは日本の医療システムの中では初めてのことなわけですね。単に 移植医療ということだけではなくて、いろいろな医療行為、治験とか、様々な新しい分 野についての取り組みについて家族の心情というようなことについて公的に取り組むと いうのは初めてなわけです。それだけにこのシステムづくりというのは今後の日本の医 療のあり方に大変大きな意味を持つし、また、影響も大きいと思うのですね。  それだけに過去2回、この会議でいろいろと議論してきて事務局でもいろいろと素案 を練り直して今日、こういう形で出てきたわけですが、この検証の大前提として公衆衛 生審議会の臓器移植専門委員会から引き受けた項目というものがメディカルな検証とも うひとつはネットワークの業務の検証ということがあって、それだけでは本当は不十分 ではないかといういろいろの我々の議論の中からドナー家族の心情等の把握というのが その他の項目として挙がってきて、それが今、全面的にこういう形で漸く形が見えてき たわけです。 その場合に検証というものは言わば捜査当局が過失責任を問うというよ うな意味ではなくて、より良い医療システムのあり方を作っていくためにどういう問題 点があるのだろうか。前向きにこれからより良い医療を作っていくためにはこういう点 はこういうふうにした方がいいとか、いろいろそういう問題提起をしていくのが究極の 目的だと思うのです。 でも、それにしても検証する場合には検証される側が検証する 側と切れていなければいけないというのは、これは民主主義のルールであるし、検証業 務のルールなわけですね。 そうするとこの検証会議がドナー家族に接触する場合に、 検証対象になるネットワーク、日本臓器移植ネットワークがまず窓口になるということ 自体、これは形式論的にはちょっとおかしいのではないかというふうに思うのです。検 証される人が照会の窓口役をするということは、これはちょっとルールとしておかしい のではないかと思うのですね。  便宜的にはよくわかるのです。ご家族と最初から接触し、看取りをし、場合によって は葬儀にも参列されるというような、そういう深い結びつきができている。その関係性 の中で文書の届け役をお願いするというのはわかるのですけれども、しかし、ルールか ら言うとこれは何かおかしいと。ここをどういうふうに解決していくか。そこをちょっ と皆さん、議論する必要があるのではないかと思うのですが。  藤原座長  ありがとうございました。お聞きのように検証される対象が窓口になるのは検証会議 としては筋が通らないという、こういうお話でございますが、ご意見、賜りたいと思い ますが。  柳田委員  前々回のときに小中さんもお出になられていて、何か今後、検証会議がいろいろと家 族の心境等についてコンタクトする可能性があるということはネットワークとしては承 知しておりますかということ、質問しましたら、小中さんは否定的な表情をされて、ま た、そういうところまで業務の中に入ってくることに対してはちょっとネガティブな表 情をされたわけですけれども、こういう役割まで持つことについて厚生省事務当局とネ ットワークそれぞれにどういうふうにお考えになっているのか。そのあたりからまず聞 かせていただければというふうに思います。  藤原座長  では、まず、ネットワークの方からお考えをいただければ、述べていただけますか。  小中コーディネーター  ネットワーク全体としての意見になるかどうかはちょっと今のところははっきりしま せんが、私が今、考えますに、ご家族との関わりを経過してきた中で当初から脳死臓器 提供に至っては情報公開の必要性、以前は昨年度は公衆衛生審議会での検証のことなど 、生じるということで、ご家族に対してインフォームド・コンセントのときに最初から 話を差し上げてきました。  そこで私どもが掌握できるものというのは、行われてみて具体的にどういうことがな されるかということまではわかっておりませんので、非常にぼんやりした説明の仕方に 当初はなったかもしれませんが、それでも非常に難しい言葉、そういう辛いご家族の心 情の中でのそういう説明を追加していかなければいけないという、そのご家族が非常に 大変だなという思い、それをもとにそのために実を言うと私どもはその後も何回も訪問 しているわけなのですが、そのご訪問はご家族が何か困っておられないかなというよう なところでの訪問のはずが、非常にこれを情報提供していいでしょうかとか、こういう マスコミの取材があったから困っているとか、そういう関わりでご家族が悲嘆の経過を 辿っていって、自分たちなりの生活を築くまでの妨げにかなりなっているという認識が あります。  ですから、そういう意味合いでこの検証会議がご家族に直接会われたり、また、新た に何かをなさるということに対して非常に私自身はご家族に多くのご負担になるのでは ないかという思いから、さきほど柳田先生がおっしゃったような多分、表情というふう におっしゃいましたが、多分、そういう思いをお伝えさせていただいたと思います。  藤原座長  したがって、ネットワークが接触するのが良かろうというお考えですか。  小中コーディネーター  結論は、できましたら第三者検証会議の方でしていただく方がいいのではないかなと いうふうに私自身は考えます。  藤原座長  検証会議がやった方がよろしいということですか。  小中コーディネーター  そうですね。現実的にこの会議でこれは絶対やるべきだというふうに言われて、それ を私どもがやっていただきたくないということをするあれも、立場でもありませんし、 もし、必要であればそういうふうに思います。  藤原座長  厚生省のお考え。どうぞ。  大澤室長  まず、申し上げなければいけないと思いますのは、具体的なドナー家族さんがどこの 誰か、連絡先がどうかという情報なのですけれども、これは実はネットワークさんのコ ーディネーターさんしか知らない情報でございます。  それを私どもというか、検証会議事務局という立場で、あるいは検証会議の先生方に お知らせすることにつきましても実はこれはご家族の同意がないとできない話でござい まして、それを、まず、最小限、コーディネーターさんにやっていただく必要があると いうことが、まず、ひとつございます。  今、小中さん、おっしゃっていただいたドナー家族の負担がこれ以上、増えることに ついてのご懸念ということでありますけれども、これは仮にコーディネーターさんが関 わらずに直接、例えば検証会議の先生方から、あるいは事務局の方からお訪ねをすると か、文書をいきなり出すということが果してご家族の負担を軽減することになるのだろ うかということでございます。  私ども、前回、お出しした流れの中では、ネットワークのコーディネーターさんにご 家族の意向を確認をしていただいて、検証会議からの照会をお教えいただけるという回 答があって初めて事務局からお手紙を出すというようなやり方でフローチャートを用意 させていただいたわけですが、ただ、それではやはりある意味で検証会議の検証を受け る、受けないということについて、言葉は悪いのですが、コーディネーターさんの口を 通して検証会議に上がってくるという形になる面があると思われましたので、したがっ て、今回はお出しした資料ではお願いさせていただきたいのは文書をお届けいただくだ けであって、それでご覧いただいたご家族が趣旨に賛同して、もし、ご協力いただける のであれば、その文書に書いていただいて、直接、検証会議の方にご返送いただくとい うような手続きを取ることによって、実質的な検証はネットワークのコーディネーター さんにお願いするのではなくて、直接、ご家族のお気持ちを文書に落とすか、あるいは 直接、お会いして構わないということであれば専門家の方にお会いをいただいて、その ときに心情を聞かせていただくということによって、まさに第三者的な立場での検証が できるのではないかというようなことで、今回、事務局案としてご提示申し上げた次第 でございます。以上です。  藤原座長  ありがとうございます。ただいま、お聞きのように接触の方法がないだろうというこ とと、負担を少しでも軽減させる、乃至は実質的な検証としては別にマイナスに働かな いだろうという、こんなようなことになろうかと思いますが、柳田先生、何かこれにご 意見ございますか。  柳田委員  現実問題として事務局当局がおっしゃったとおりだと思うのですね。突然、検証会議 が手紙を出すなり、電話をかければ、ご家族の方はびっくりして何で私のところの電話 番号を知っているのだということになりかねないわけですね。  そこはよくわかるのですが、ただ、その場合でも、なぜ、電話番号を知り得たかとい うことについて検証会議の何か法的根拠なり、行政的根拠なり、そういうことを説明す れば事後的には同意を得られるのではないかということは思うのです。ただ、それは便 宜的な方法として、ただ、手紙をお届けするだけという、そういう走り使い役をネット ワークが引き受けるというのであれば、これは差し支えないとは思います。  藤原座長  はい。実際問題は私ども、検証の過程でカルテそのものを見させていただきますので 、住所、電話番号等はわかるにはわかりますですね。しかし、柳田先生もいわゆる便宜 的な観点からネットワークにお願いするということであるならば問題なかろうというこ とでございますね。  他にどなたかご意見ございますか。この件に関して。  柳田委員  ちょっとついでですけれども、私が7年前に息子の腎提供をした後、まだ、脳死移植 の段階ではございませんでしたけれども、その場合にコーディネーターの方が一月ぐら いしてでしょうか、大臣の感謝状を届けに来てくださったのですね。当時は大内さんが 大臣だったですけれども、その場合は結局、感謝状というのは厚生大臣からの感謝状で すから、ネットワークの業務ではなくて厚生省の話なのですが、そういう走り使い役を コーディネーターがしたというわけで、ある意味でコーディネーターというのはいつも ご家族との接触、窓口になるのだなという慣例的、慣習的な問題があるので、それをい い意味で受け継いでも構わないとは思うのですが、ただ、あくまでもそれはルールとし てはちょっと外れているかもしれないうというふうには思います。  藤原座長  はい。ありがとうございます。どなたか他にご意見ございますか。よろしゅうござい ますか。どうぞ。  藤森委員 臓器移植をされた家族の方に、もちろんコーディネーターの方、十分配慮 をされて、今までの事例がそうであるかどうかは別にしても、過去の臓器移植をされた 方の経験によるとコーディネーターとの関係性が悪くて、もうコーディネーターそのも のに会いたくないというような意見を持っていらっしゃる方もいるということをお聞き したことがあるので、走り使いというか、情報を届けてくださる役割をすることと、持 ってきた内容とかがリンクしてしまって、それをこちらの検証会議の内容を拒絶されて しまうというような形も懸念内容としてはひとつ考えられるのではないかという気がい たします。  藤原座長  コーディネーターが、ちょっと言葉は悪いのですが、嫌われるという事例もあろうと 、こういうことのようですが、他の先生方、どうぞ。  デーケン委員  私は、例えば日本臓器移植ネットワークというイメージは、例えばドナーの家族はど ういうイメージを持っているかどうか、それもひとつのテーマになると思いますね。  あるいは私はちょっと欧米で調べたところで、結構、後で問題があったのは、2つは よく聞きました。ひとつは、臓器移植は成功したときは一方的に成功したことをよく報 道して、やはりドナーのファミリー患者に無視したということがひとつでした。もうひ とつは、アメリカではいくつかのテレビ番組で脳死状態の患者さんはまた回復したとい う、もちろん無責任な場面でしたけれども、大勢の人、電話して私の父、私のお母さん は本当に死んだでしょうかとか、または回復する可能性があったのじゃないかとか、大 きな危機であったということは、私は今、ちょっと疑問の感じているのは、もしかした ら、そういう危機の状態はある家族はネットワークを非難する可能性あるのですね。  ですから、もしかしたら、私たちは今まで結構、欧米のそういうリサーチは研究、随 分、あったのですね。データがある。それは参考にしてどういう問題があったか。ある いは向こうはどういうふうに何が良かった、何が悪かった。ちょっと参考にして、それ に基づいてもう一度、全体を考えた方がいいと思います。場合によって独立したカウン セリングと言いましょうか、ネットワークでなくて、別な厚生省の中で、あるいはまた 厚生省のプランニング、そういう独立した家族へのカウンセリングのシステムがあった 方がいいかもしれませんね。  ですから、私はあまり今、こうやった方がいいとまだ自信を持っていないのですね。 ですから、私はもう少しこういう全体を考えて、さっきも言いました、欧米のいろいろ な経験に基づいて考え直した方が、例えば電話とか、あるいは文書とか、あるいは場合 によって非常に微妙な状態で面接の方が望ましいケースも多いと思いますね。つまりそ こではっきりいろいろな疑問を出して、その疑問に答えることができるということも望 ましいかもしれません。  藤原座長  はい。ありがとうございます。欧米の例を少し参考にして別のアプローチも案出して みてはいかがなものかという、こういうご意見をいただきましたですが、他にいかがで しょうか。  藤森委員  別のことなのですけれども、5例目までのメディカルなチェックの報告書に関してご 家族の同意を得ていらっしゃるのですね。報告書の内容について。その方法はどのよう にされたのでしょうか。  藤原座長  事務局でお答え願えますか。  大澤室長  報告書案をご家族にお送りをして、問題がないかどうかを電話か文書かいずれかの手 段で確認をさせていただいたということでございます。具体的には電話で5例目につい ては問題ないというご回答をいただております。これは事務局がです。  藤原座長  事務局がアプローチしているということですが、藤森先生、さきほどコーディネータ ーのアプローチに問題、必ずしもないとは言い切れないということで何かそれではどう したらいいかというようなお考えはございますか。  藤森委員  もうメディカルな部分で厚生省が直接、連絡をしているということであれば、事務局 側が連絡しているということであれば、その旨を心理的な側面についても事務局側が行 って何か不都合なことが出てくるのかどうかということをお聞きしたかったのですけれ ども。  大澤室長  ちょっと舌足らずでしたが、もちろん前提として先様の電話番号であるとか、こちら の電話番号であるとか、これはもちろんコーディネーター経由でご家族にはご確認をし た上で作業を進めております。  藤原座長  ということでございますが、いかがでしょうか。どうぞ。  柳田委員  この問題は実はメディカルな検証と家族の心情の検証とこのバランスの関係もあると 思っているのですね。メディカルの検証はこれはかなりスピーディーにできるわけです し、きちんと論理的整合性で検証できるわけですが、家族の心情というものは非常に時 間がかかる問題であるし、論理的な話ではなくて心情的な話ですから、じっくりと取り 組まなければいけない。  そうすると最初から検証をセットしないで分けてやるべきではないかなというふうに 、これは私、はじめからそういう考えを持っておりましたけれども、そういう意味では 5例目、また、今日、後半でやる6例目についてもメディカルなものについてはどんど ん進行させるべきだと思っているのですね。  この心情等についてはじっくりと構えるということは、コンタクトにも関わるわけで すが、メディカルのものについて報告書案ができて、それをご家族に了解を得るために 厚生省事務当局が接触すると。それ以降になることは確実なわけです。この心情等の把 握のコンタクトは。ということは、厚生省が発表するメディカルな報告書についての同 意を得た段階で今後、こういうようなご家族のお気持ちについていろいろと伺いたいと いうことが検証会議の業務としてありますということを伝えることは極めて自然な流れ の中でできるのではないかなと思うのですね。  さきほど事務当局はご家族の住所、電話、コンタクト方法はコーディネーターしか知 らないというふうにおっしゃっていましたけれども、今、訂正されてこういうふうなメ ディカルな面については直接やっているということですから、その流れの中で十分に対 応できるのではないかなと思うのです。  また、コーディネーター側としてはむしろこういうことは心情としてやりたくないの ではないかというふうに思うのですね。これは何も私、悪意で言っているのではなくて 、やはりネットワークの業務が検証の対象になるということは、ネットワーク自身とし ては私たちは一生懸命やって、精一杯頑張って、混乱の中で乗り越えたと。そこでやは りネットワークの方は休んでもらっていいと思うのです。後々まで走り使い役までお願 いしなくていいのではないかと思うのですね。  藤原座長  そうしますとさきほど先生がおっしゃっていたコーディネーターを走り使いみたいな 形ならやむを得ないかなというお話よりも、むしろこちらの事務局がやる方がまだよろ しいということですね。  柳田委員  今の厚生省のメディカルな接触があるということを聞きましたからね。それだったら もうその流れの中でやる方が極めて自然な流れではないかと思いますけれども。 藤原 座長 他の先生方、ご意見ございますか。事務局、今のことに関連して何か。どうぞ。  大澤室長  何と言いましょうか、ことさら事務局がしたくないと申し上げているわけではないの ですが、コーディネーターさんがこのことだけのための使い走りをしていただくという ことではおそらくなくて、提供された後、折りに触れ、お訪ねになるなり、電話で連絡 するなり、機会がございますので、そういう機会を捉えてそのついでと言っては申し訳 ないのですが、そのときにこういうこともあるのでお電話番号を事務局に教えてもらえ ないかとか、あるいはご協力いただけないかとか、そういうふうにさせていただいた方 がご家族にとってのご負担が軽かろうというふうに思っている次第でございまして、メ ディカル、あるいはあっせん業務の検証について報告書をお届けをし、ご回答はいただ いているわけですけれども、それはあくまでも検証会議で検証をされた結果について、 もし、間違いがあるといけませんので、ご家族のご確認をいただきたいということでご ざいまして、それを超えて面談をさせていただく、電話をかけさせていただくというこ とになりますと、やや、次元の違うことになりますものですから、したがいまして、日 頃と言いますか、ドナー家族さんと接触する機会をお持ちのコーディネーターさんに、 今回の場合ですとそういった趣旨を書いた文書をお届けいただいて、よくお読みをいた だいて事務局の方に返送してくださいということなものですから、電話とか、連絡先を 聞いた上で事務局がお届けするのも、それはそれで構わないとは思うのですが、何度も 何度もお訪ねするのもどうかということで、そういう流れにした方がご家族にとっては 負担が軽くなるという趣旨でございまして、いただく回答の内容は文書による回答であ るとか、あるいは面談、電話というような、もちろん検証会議としてこれはもうコーデ ィネーターさんの手を離れてやっていくわけなので、先生方がおっしゃっている趣旨と 私どもがやらんとしているやり方とはそれほど大きな違いはないのではないかなという 気はちょっとしているのですが。  藤原座長  いかがでしょう。私もあまり大きなずれはないので、便宜的な意味ではコーディネー ターさんがたまたま手渡していただくということでも全く問題はないし、場合によって はコーディネーターさんが忙しくて手があかないときには事務局から直接ということも あり得るということで、あまりこの問題は私はどちらでも、原則としてはコーディネー ターさんにお願いしましょうという程度で留めたいというふうに思うのですが、いかが でございましょうか。  考え方、ルールとしては確かにおかしいことはもうそのとおりですけれども、便宜的 な点でいかがでございますか。どうぞ。  宇都木委員  実質的な問題はさきほど藤森先生が言われたコーディネーターと家族の間の具合が悪 くなってしまっている場合ということが問題なのだろうと思うのですが、それが入口の 問題だから、私も手続的にはと思っていたのですが、その問題があるとすると、やはり 届けるということをどういうふうな形で処理するかは家族に余地があると思うのですが 、やはりコーディネーターを通さないでやった方がいいのではないでしょうか。実質的 な問題が関わる可能性があるとすると、私はちょっと抵抗を感じちゃうのですがね。  藤原座長  確かにそういった事例は問題も生じようかと思うのですが、柳田先生、何かございま すか。  柳田委員  ちょっと違う角度から個人的な感想的な言い方になりますけれども、私がさきほど言 いましたように厚生大臣の感謝状をコーディネーターの方に届けていただいたときの感 想を言いますと、何で大臣の感謝状をコーディネーターが持ってくるのだろうなと思い ましたね。やはりこれは厚生省の誰かが持ってくるのが筋ではないかなというような感 想は抱きました。  藤原座長  はい。これはちょっと堂々巡りをしているようですので、いずれかの方法ということ になろうかと思うのですが、原則としてどっちをとるかということですね。確か筋論と 言えば厚生省から、事務局から検証会議として届けるという、それが一番原則で、それ をたまたまコーディネーターに依頼する場合もあるという程度に留めるのではまずいで すか。そのようにさせていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。  柳田委員  その場合は厚生省がネットワークにお届け役をお願いするのではなくて、検証会議が ネットワークにお願いするという、こういう話ですね。  藤原座長  わかりました。考え方はそのとおりでございます。厚生省が仮に連絡する場合もこち らが依頼しているのだという、その延長線上でたまたまこういうこともあるという、そ んなことになろうかと思いますが、よろしゅうございますか。はい。ありがとうござい ます。  問題はその次にではどういう形で接触を図るか。事務局案はもう文書でやるというこ とでありますのですが、最初は。これについてはいかがでしょうか。そして文書の中か らお答え願えるとすればどういう形かという選択肢は置いておくという、こういう流れ になってございますが、いかがでしょう。  最初から電話という選択肢はいかがなものかという話も出たように私、記憶しており ますが、最初の第一歩は文書でどういう形で対応していただけるかということをするの だということで、この事務局案が出ておりますが、いかがでしょうか。  家族の負担というようなこと、あるいはこの趣旨を説明するということで言いますと 、電話、かなり難しいというのは私の印象でございまして、最初はやはり文書でご理解 願った方がというふうに思うわけでございますが。どうぞ。  柳田委員  この問題はタイミングの問題と非常に微妙に絡んでいるのではないかなと思うのです ね。これは私自身の体験を申し上げますと、25歳の青年である私の息子を亡くして脳死 状態、つまり救急入院してから脳死状態、亡くなるまで11日ありましたけれども、その うち半分ぐらい、後半半分ぐらいが脳死状態でした。  その後、1か月ぐらいはほとんど私自身もすべてに対してネガティブで鬱的な状態で したね。外部との接触はしたくない。仕事もしたくないし、する気もない。ほとんど何 か籠もったきり。ただ、ちょっと近場に買い物に行くぐらいというようなことでしたね 。  たまたま家族構成も特殊でして、家内も家内でちょっと長年、精神疾患があって実質 的にそのときにはもう意思表示ができないような状態だったですし、もう一人の息子は ウイルス脳炎の後遺症でしょっちゅうてんかん症状を起こしたという、そういう状況の 中であったものですから、非常にその後、すべてを拒否するような気持ちというのが強 かったですね。  ですが、一月、四十九日過ぎた頃から、これではいかんというような気持ちも出てき て、亡くなったのは8月20日ですが、10月に入ってからだったと思いますが、ある雑誌 に頼まれた座談会に初めて出たのですが、そのとき、社会的な接触をした最初になった と思うのですが、そのときに座談会のある大学の先生から非常に傷つけられるようなこ とを言いまして、こちらも感情が非常に過敏になっていまして、ちょっとした言葉にも の凄く傷つく、拒否反応も出てくるという、それは非常に細かな些細なことだったので 本筋には関係ないのですが、そういう心理状態にあって、そういうことが一般の方々で 非常に繊細な方ですともう半年ぐらいはもう社会に出られないのではないかというぐら いな傷つき方をするわけです。  たまたま私は根性が悪いのか、なにくそと思って、負けるものかというような気持ち もあって、却ってそれを逆手に取ってそれだったらもう思い切って向こう張って仕事を しようかというような気持ちも一方で出てきたわけですね。でも、それは私の特殊な事 例かもしれません。  体験を外部に話そうとか、あるいは社会に向けて何か発言しようかというのは本当に そういう気持ちが出てきたのは年が明けてからです。1月、正月明けてからですね。と いうことは9、10、11、12、4か月ぐらい乃至5か月かかっているわけです。それでも 早い方だと思います。私の場合。  その後の変化を見ますと、一旦、自分のものを外に出しますと、逆にどんどん喋り出 したい、喋りたい、あるいは書きたい、アピールしたいという気持ちが逆に強くなって くる。翌年の94年だったと思うのですが、衆議院の厚生委員会で参考人として呼ばれた ときに発言をしました。  そういう流れを考えますと、コーディネーターの方が脳死状態の中で接触をし、臓器 提供があり、看取りをし、見送りをしというような、その流れの中でコーディネーター の方が印象を抱くのは、やはりこれ以上、ご家族にはそっとしておいてあげたいと思う のは当然だと思うのです。ですから、検証会議なんかがどかどかとそこにさらに割り込 んでくることに対してコーディネーターの方が拒否感を持つのは自然だと思うのです。  だけれども、かと言ってそれでいいのかというと、私はそう思わないのですね。やは り移植医療というものは全く無関係な第三者間での命のリレーであるし、社会的な命の リレーの行為であるわけですから、予て言われているように公明性とか、あるいは社会 的な検証に耐え得るものでなければいけないという、そっちの要請もあるわけですね。 ご家族としても落ちついた段階でやはり何か話したいということもあるし、話すことが またご家族にとっての癒しにつながり得るのだろうと思うのです。  例えば私がこういう体験をしたこともあって、いろいろなご家族から接触があったり 、お手紙をいただいたりしますけれども、あるご家族ですとご子息がやはり自ら命を絶 って、ご主人は絶対、これは親戚にも口外しないというので、奥様も口止めして、奥様 は本当に母として辛くて、誰かに聞いてほしいのだけれども、10年間、我慢したと。10 年目に私に手紙をくださって、初めてそのことを外に出したというのですね。書いたこ とによって初めて自分の心が癒されたというふうにおっしゃったのですね。それくらい 家族の中でも非常に難しい問題を抱えかねないわけです。  しかし、それはむしろ語るとか、匿名性であっても表出するということが本当は、臓 器提供するということは社会行為ですから、また、それと気持ちをやはり社会的にオー プンにするということはセットになっているはずなのですが、やはり事件の直後におい てはなかなかそこまで踏み切れない。喪失体験の混乱の中にある段階では無理だろうと 思うのです。  そういう意味でも例えば日本で言えば三十五日とか、四十九日とか、納骨とか、そう いう段階を過ぎてやっとあるひとつの踏ん切りがついてくる最初の段階を過ぎたら何か 接触するのがいいのかなというふうに思うのです。  そうなりますと例えば四十九日過ぎるというともう二月目に入っているわけですから 、電話であっても手紙であっても本質的にはそれほど違わないかもしれないなと思うの ですね。いきなり電話というのを直後にやったら、これは大変反発を食う恐れがありま すけれども、2か月ぐらい経っていれば接触方法というのは本質的にはあまり関係ない かもしれないなというふうに思うのです。  藤原座長  はい。では、こちらの事務局の案の形でスタートするということについてはご異存ご ざいませんですか。  柳田委員  細かいところについてはいろいろまた議論がありますけれども。  藤原座長  どうぞ。  デーケン委員  2つのポイント、ひとつは今、柳田先生がおっしゃったこととタイミングのことは私 は今、1週間前、ヨーロッパから戻ったばかりで、そこで9つのホスピスを見たのです 。各ホスピスはやはり遺族へのケアのプランを持っています。そこで柳田先生がおっし ゃったことは凄く大切と。  つまりタイミングと言いますと例えば1か月後で考えなければ、あと、はいはいと言 われます。あと6週間、2か月待たなければいけないです。次に最初に皆、凄く苦しん でいるだけ、忙しいとか、お葬式とか、いろいろなこと。ですからタイミングはとても 重大です。私たちはもしかしたらワンパターンでいけないですけれども、2か月とかは 向こうはいいと言われていますけれども、それはとても重大なポイント。  第2のポイントとして私はずっと今、20年間で何千人の死別体験者の話を聞いた上に 最近は凄く感じているのは、最近は病院と医者に対する批判がもの凄く強いのです。怒 り。ですから、私の解釈では医者、悪いとか、病院、悪いということではなくて、極端 に苦しんでいる人は誰かを責めるのですね。自分を責めるか、あるいは相手を責めるか 。やはり一番は病院とか。  ですから、私は基本的な疑問は例えばコーディネーター、いいと思いますけれども、 どうもその中で結構、やはり後で苦しんでいるから誰を責める、一番適当な、一番相応 しいのはコーディネーター、あるいは組織ネットワークであるが、ですが、私はずっと 考えているのは、それは可能であるかはわかりませんけれども、どっちかと言うと組織 から離れているやはり市民運動としてドナー家族の会があれば、そこでドナー家族の会 で別にやはり責任じゃなく、それは皆、ある意味で同じ体験のある方、つまり、自分の 親戚がやはり臓器を提供したということは、そこでお互いに話して、そこで例えば2か 月後で手紙を送ってこういう集まりがあります。これは市民の運動です。皆、体験者で す。そこで自由に話すことができる。自分の怒りを表してもいいし、話すことができる 。そこでできるだけやはり専門のカウンセラーもいてほしいのですけれども、誰よりも やはり体験者同士。それが例えば自由に参加できるということ。  私が今、そういう何千人の話を聞いて、お互い同士の分かち合いによって、支えあい によって立ち直る人が非常に多いのです。自分の怒りをも乗り越える道になれるのでは ないかと思いまして、ですから、これも別にやって、しかし、プラス、もしかしたらそ ういうことができれば。  藤原座長  はい。将来の問題として、また、それはいずれ、ここでまた検討しなければいけない 課題かと存じますが、とりあえず今、さきほど来、検討しておりますどういう形でアプ ローチするのか、手紙かどうかということで、柳田先生は時間、十分取って手紙でも電 話でもあまり本質的な違いはないし、手紙でもよかろうというご意見のようでしたが。 どうぞ。  柳田委員  ちょっと追加させてください。我々はプライベートなことを含めて検証会議でどうい う家族の中でどういう提供したり、看取りをしたかというのはある程度、知り得ている わけですね。そうするとこのご家族の場合は電話の方がいいかなとか、タイミングは一 月じゃなくて二月おいた方がいいだろうなとか、ケースバイケースでかなり判断できる と思うのです。  そういうことを含めて私は電話なり手紙なりどちらでもいいというのは、無鉄砲にど ちらでもいいというのではなくて、そのケースをよく考えて、この家族の場合は文書で じっくりやろうとか、このご家族の場合は電話でいいのではないかとか、それを面接を するであろうそういう担当者を中心にして検討して判断していけばいいというふうに、 そういう意味です。  藤原座長  はい。ケースバイケースで考えてはいかがかということですが、他にどなたか。柳田 先生、具体的には例えば医学的な検証をしている中でこの症例についてはこういうふう にいきましょうというふうにここで決めればどちらか選択になるわけですね。先生のお 考えで。  柳田委員  いや、ここで決めるという、こんな大きな会議の中で決める問題というよりは、実際 に今後、面接をしていく場合に、それなりの専門家、例えば藤森先生とか、平山先生と か、デーケン先生とか、こういう本当にグリーフワークなり、悲しみの癒しのプロセス についてよくご存じの方が少人数の、言わばワーキンググループのような形でそういう ものを判断して対応していくということであって、こういうところで合議するテーマで はないのではないかというふうに思いますけれども。  藤原座長  はい。というご意見をいただきましたが、他の先生方、いかがでしょうか。どうぞ。  宇都木委員  これ、手続的にはどういう、時間間隔もあるのですが、検証会議は今まですと医学の 検証、小委員会のが終わって、それがここに報告されて、ここで検証して一段落という 形を取っていたわけですが、これとは別にこの点について検証会議が開かれるというこ とになりますでしょうかね。  藤原座長  いや、同じ日にできればもちろんそれに越したことはないわけですが。最初の段階で 3つの内容を検証することに加えて、3つめの括弧の中に入れたものは非常に重要だと いう、それも同じ重きで検証しましょうという話になったわけですが。  宇都木委員  そうすると柳田先生のご案は医学検証のための小委員会があって、心情についての小 委員会もまた別に作るという、そういうお考えでいらっしゃるのですね。  柳田委員  これはもうちょっと議論詰めてから提案しようと思っていたのでございますけれども 、第1回のこの検証会議においてそれに近いことを私、発言しましたら、事務局の方で メディカルな作業班は作るけれども、こういうメンタルな方は作らないという事務局の 考えが提示されたわけです。  そこでちょっと萎んだわけですけれども、実際、議論を始めてみたら、実際にご家族 と接触したり、何を聞いたりとか、その結果、どういうものを学びとったり、また、ど ういふうに社会に対してアピールしていくかというのは、これは相当、専門的な作業に なると思うのです。これはほとんど臨床心理に近いような問題です。  そうするとメディカルな作業班と同じようにこうした家族の心情把握に関するワーキ ンググループがないと、ワーキンググループって言葉はあまり好きじゃないですけれど も、実質的に少人数の専門グループを作らないとこういう大会議で一般論をやっていて も始まらないという、こういう考えなのです。  ですから、具体的に言いますとさきほど言いましたように悲嘆の分かち合いについて 長年、20年近くおやりになってきたデーケン先生や、あるいは悲嘆のプロセスについて の専門家である平山先生とか、あるいは災害、突然死などについてのメンタルケアを実 践的にやっておられる藤森先生というのは、こういう方を中心にしてどういう接触や質 問をしたりとか、あるいはそこから何を聞き取るのかということを詰めていただければ 、そしてまたそういう人が中心になって今後の1例ずつ、対処していけばというのが私 の提案なのですけれどもね。  もし、許されるなら、私もそういう小グループの中に体験者として入ることができる 。ただ、私は面接者にはなってはいけないと思っています。私自身は。やはり作家とし ての癖がありますから、物書きの癖の質問をしがちですから、やはりそれは臨床心理の 専門の方にやっていただかないといけないと思っています。  藤原座長  どなたがどういうふうに会うかというのは次の問題としても、この問題をきちんと審 議するこの委員会の中での小グループを考えてはどうかという、こういうご提案ですね 。  柳田委員  はい。  藤原座長  他の先生方、いかがでしょうか。先生、よろしゅうございますか。そうしますとその グループのとりあえずの機能としては、さきほど来、どういう形で最初に接触するのか 、手紙なのか、電話なのかということも含めてケースバイケースで考えていく考え方で あり、そのプロセスも含めてたたき台を作るという、こんなようなことになりましょう か。  いかがでしょうか。他の先生方、ご意見ございませんか。具体的に今、名前、既に挙 がっております藤森先生とか、デーケン先生、平山先生。柳田先生もたたき台作りには 加わろうかというお話でありますが。何か、島崎先生、医者の立場ではいかがですか。  島崎委員  もう、別に小グループを、私自身は別に小グループを作ってまでというような感じは 持っていなかったのですけれども、全体の流れでそういう方向がいいというのであれば 、ある種の提供されたご家族というのはPTSDだと思うのですよ。そうしますとやは りメディカルな、どなたかそういう専門家の方が内容をある程度、吟味した質問等を含 めて出せるような形の先生を入れておかれた方がいいのではないかという気がしますけ れども。  私はむしろこの検証会議の中である程度、そういう意見が出て、各論的にもし必要な らそういうアプローチがむしろ取った方がいいのかなというふうに考えていたのですけ れども、最初からそういう形でやるというなら、それはまた話は別だというように思っ ています。  藤原座長  他にいかがですか。ちょっと事務局にお伺いしますが、小委員会のような形で今、メ ディカルなものがございますが、さきほどちょっと柳田先生も触れられておりましたが 、新たな小委員会みたいなものは具合悪いというお話もあるやに聞きましたが、例えば 今のようなものをこの中の何人かがたたき台を作るといったものというのは、考え方と してはどうなのでしょうか。  大澤室長  これまで前回と今回を通じまして今日、ご提案させていただいております方法論につ いてご議論をまさにいただいているわけですが、ちょっと私、理解不足なのか、今回、 提案させていただいている、これ自体を小委員会という場でご議論されようとしている のか、あるいは症例毎に、これは極めて一般的な方法論ですので、例えば意思確認のと 言いますか、文書をお出しするタイミングも一応、原則として提供以後、1か月以上経 過した時点というふうにしておりますけれども、柳田委員、ご指摘のように1か月は短 い場合があれば2か月、4か月という場合もあるでしょうし、あと、電話がいい場合も あれば、むしろ悪い場合もあるというお話がありましたけれども、そういう症例毎のお 話をされようとしているときに、小グループでご議論していただこうとされているのか 、それがちょっとよく理解が、理解不足で申し訳ないのですが、ちょっとわからないの ですけれども。  いずれにいたしましても私ども、第1回目以降、そういうようなお話があったように 承っておりますけれども、基本的にはこの心情把握については方法論について検証会議 で合意が得られれば、出てくるご回答が文書であればその文書をまさに精神的ケアの専 門家の方にお読み取りいただいて、それで精神的なケアの専門的な立場からの分析を加 えて、この検証会議に報告をしていただいて検討いただくと。  あるいは面談なり、電話の場合はまさにご専門の方が直接、お会いいただくなり、電 話をかけていただくことによってまさに心情等を把握していただくというようなことで ありますので、それ以上に小グループを設けて作業をするというようなイメージがどう もわからなかったものですから、そこら辺、ちょっと。  藤原座長  どうぞ。柳田先生。  柳田委員  その点、具体的にそれでは提案申し上げたいと思うのですが、今日はこちらで事務局 が提言してきた把握案についてずっと議論すべきだと思っております。それを受けてこ の中で訂正すべきこともあるでしょうし、それをもっと実践的にそれではどうするかと いう取り組みの方法もありますから、今日はこの事務局案をもとにもう少し先まで議論 をして、それを受けて最後に今日、そういう小委員会なり、検討グループを作って委託 して、今日の議論をまとめる役をまずやっていただいて、事務局も当然加わって結構で すけれども、その延長線上で今後は具体的な症例についての取り組みもそのメンバーで やっていくという、こういう二段構えの作業をその小グループにお願いするという、こ ういう形ではいかがかと思うのです。  藤原座長  はい。では、話をちょっと戻しまして、とりあえず、この事務局案に関してもうちょ っと審議を進めてみたいと思います。  今、柳田先生がおっしゃったとおり、最後のまとめのところで果して本当に小グルー プが必要かどうかという形になろうかと思いますが、まず、最初のこの手紙を出すのか 、電話でアプローチするのかということ、事務局案は最初は文書になっておりますが、 ここもそれではとりあえずまず問題点として残しておくという、こういうことになりま すですかね。  そしてその先は選択肢がいくつかあると。3つあって、それはあまり問題なかろうか と存じますが、その先はではどういうふうになるかということに関して、とりあえずご 意見いただきたいと思いますが。それぞれの選択肢の流れの中で、このフローチャート の問題点がもしございましたら。どうぞ。  岩崎補佐  患者さんへの、ドナーファミリーへの接触の方法については電話もありというような ことで今、話は進んでいるのでしょうか。ちょっとそこら辺の論旨がややよくわからな いのですけれども。  藤原座長  いや、スタートの段階で文書だけにするのか、電話もあり得るのかということについ てはさきほどの議論にありましたように、ちょっとまだこのフローチャートの最初のス タートのところだけではまだ問題も残ろうという、こういうことに理解しておりますが 。よろしゅうございますか。  岩崎補佐  基本的には電話の問題というのはこの前も随分、ご議論された部分だと思うのですけ れども、ひとつは電話だと非常にストライキングな部分は患者さんの任意性がきちんと 確保されているのかというところの証拠が残らないと。さきほどデーケン先生がおっし ゃったように、かなりドナーファミリーがアグレッションを持っている場合には、その アグレッションの対象というのがどんなところに飛んでくるかわからないというような ことで、非常に電話の場合にはそこら辺のやりとりが残らないので、極めて危ういと言 いますか、非常に不安定な状況になり得るというのが予想されます。  そのようなご議論、確か、前回、あったと思うのですね。電話の暴力性が非常に問題 ではないかというようなところがありまして、ちょっとこれ以後、議論したからといっ てそこが変わるというような認識は少なくともあるのかなというふうなことです。  藤原座長  はい。もう一度、話を戻す形になりますが、電話ではやはり問題が多かろうというご 意見ですが、柳田先生、藤森先生、さきほどのご意見等を含めましてちょっとこの点に ついて。  藤森委員  はい。もちろん電話の持つ危険性もありますし、だからと言って文書に危険性がない とは言い切れないわけですね。最初の話に戻りますと、コーディネーターなり事務局な りが接触を持つ段階でかなりの状況が把握されているということがわかるのであれば、 どちらの手段を用いても家族の状況というのがだいたいわかっているという前提の中で 話が進んでいくとすれば、いきなり電話でアグレッションが爆発してしまって云々とか 、文書だと大丈夫だとかということでは、もうそうすると身動きが取れなくなってしま うということなので、どちらも考える余地があるという段階で残しておいてはいかがで しょうか。  藤原座長  これは他の先生方のご意見をいただきましょうか。医師の立場で竹内先生、何かござ いませんか。最初の段階で電話で連絡するということもいいのではないかと。手紙より は、文書よりはいいのではないかという、こういうご意見なのですが。 さきほど柳田 先生も時間が経っているのだから、文書であってもそんな大きな違いはないというご意 見もさきほどおっしゃっていたのですが。  柳田委員  一人の体験を一般化して普遍化してはいけないのであまりこだわりませんけれども。 これは場合によったら電話でもいいということであっても、原則的には一応、こういう フローチャートとしては文書が最初がいいのかもしれません。というのはやはり届ける という最初の業務が電話の場合は曖昧になるわけですね。ですから、最初はやはり厚生 省事務局にしろ、コーディネーターにしろ、届けるという作業においては最初に文書。 ただ、その文書の内容が問題で、それはあとのまた議論になりますけれども、文書とい うことを原則としながら、しかし、電話はいかんということも何も敢えて決める必要は ないと思いますね。  藤原座長  これは私も頭、単純なものですからなるべくすっきりしたいということで、最初の窓 口は文書でやってマイナスであるという点があるとすればそれは何でしょうか。2回目 以降は選択肢があって電話はもちろんあるわけですね。他の先生方、いかがですか。ど うぞ。  平山委員  いろいろな功罪があると思うのですね。電話の場合は問答無用で相手が出るわけです けれども、文書の場合は忘れてしまったり、あるいは紛失ということはないけれども、 誰かがどこかに知らない人が捨ててしまったり、何かそういう受け取ったという確証み たいなものがどういう形で検証できるかという、そういう功罪がありますよね。電話で すとやはりその人が、当事者が出てきますからね。そこのところはどうなのかというこ と。  あと、話が飛びますけれども、面接の場合は複数でやるのか、単数でやるのか。  藤原座長  それはちょっと後に回していただきます。  平山委員  そういう問題もちょっとあります。  藤原座長  はい。それはおそらく複数でやらざるを得ないと思うのです。こちちでもそういうふ うになっておりますが。  平山委員  ちょっとそこのところを確認して。  藤原座長  それはこれから先になるのですが。先生、よろしゅうございますか。  平山委員  ええ。ですから、功罪をやはり挙げてみて、そこで皆で討議をしてみてどうするかと いうことを決めた方がいいと思います。  藤原座長  藤森先生、どうぞ。  藤森委員  あるドナーの方にお会いしたときに、ドナー家族の方ですね。ドナー家族の方にドナ ー家族のご案内を差し上げたところ、ご主人はそれを読んで破って捨ててしまって奥様 がそれを拾って初めてその連絡が来たということがわかったということがあったという 事実がありますので、代表者ということでお送りしたものが果してドナー遺族のどの方 に渡って、どういう形でリスポンスが返ってくるかというのは、また非常に難しい問題 が残ってくると思います。  藤原座長  他の先生方、いかがですか。どうぞ。  デーケン委員  もし、電話すれば、私の体験から言いますとやはり怒りの電話も、怒りの返事もある ので、そのとき、その場合は私は望んでいるのは、やはり今日はこういう怒りの状態で 、つまりうまくできなかったら騙されたとか、何かそういうことを言いますと、やはり そういうようなゆっくりそれについて話すやはりチャンスを提供しないと危ないですね 。やはりその場合は、ではいろいろな誤解とかあるときはやはり面接のチャンスを提供 しなければいけないと思いますね。そうでないとそのままで怒りの状態で切るのはやは りちょっと危ないですね。  藤原座長  電話より文書がよろしいですか。  デーケン委員  いや、私は電話でいいと思います。今の藤森先生もおっしゃった、やはり誰か家族で 怒りで手紙を捨てるということもあるのですけれども、やはり電話でもいいと思います けれども、そのときはもし、必要ならやはりゆっくりと面接のチャンスを提供しなけれ ばいけないと思います。  藤原座長  電話でもこちらが名乗った途端にうるさいと言って切られることもあろうかと思うの ですが。貫井先生、何か。  貫井委員  心理学的なことよくわかりませんけれども、一般的に言ったら手紙の方が僕はいいと 思います。ゆっくりと考えて、最初の選択肢だけ考えるわけですから、答えるか、電話 で回答するか、文書か、面談かですよね。まず答えるか答えないか。そういうのを電話 でいきなり来た場合に即答しなけばいけなかったり、破られるのはどっちでも一緒です ね。電話、受けた人が伝えなければ同じですから、一般的に私はそう感じます。  藤原座長  はい。どうぞ。  嶋委員  私は原則的にはやはり電話は避けて文書と。文書の後、今度はアプローチする、実際 に面談するなり、お会いするなりという筋道を踏むべきだと思いますね。  私どももこれではありませんが、いろいろなケース、例えば尊厳死の問題とか、いろ いろなことがご相談を受けることがあるのですが、やはり膝と膝を突き合わして話をし ないとお互いの理解が進まない。今、文書のお話もございましたが、文書をただ郵送す るというのではなくて、そんなたくさんあるわけではございませんので、何かの方がお 持ちになって文書を差し上げて、さらに説明を加えるということで、その次のアプロー チにつなげるという形の方がいいのではないかと。原則として電話は避けるべきではな いかなという気がしております。  藤原座長  川口さん、いかがですか。  川口委員  はい。私はレシピエントという立場で出席しておりますけれども、やはりドナーの方 の前向きな、これからご家族、残されたご家族が前向きに生きようという中でのやはり ドナー提供でないと私たちもいただいた側も生きるということに対して前向きにならな いと思います。  今、お話の中でいろいろなご意見が出て、そういうところがきちんとなされるという ことが一番の基本ですので、それでやはりお手紙ということが一番、届けるという形を 取っていただきたいと思います。郵送という形は、ぜひ、なさらないでいただきたい。 どなたが、やはり厚生省の方でもどなたでも結構ですから、やはりお礼を兼ねてご挨拶 という形で届けていただきたい。その後はケースバイケースでお電話なり、何なり、接 触をしていただきたいと思います。  藤原座長  はい。ありがとうございます。竹内先生、ちょっとこの問題は全員のご意見を伺いた いと思いますが、先生、どういうふうにお考えになりますか。  竹内委員  今、いろいろご意見を伺っていまして、私も嶋先生言われるのが現場の感覚ではない かと思うのですね。そんなに症例が多くないのですから、やはりいきなり電話でという 形は避けた方がいいと思います。  藤原座長  嶋先生もだいたい同じですね。だいたい、全員のご意見、やはり文書、柳田先生も必 ずしも全部反対というわけではないというふうに私、伺いましたので。こういった問題 は、必ずしも多数決が正しいというふうにはならない問題かとは思いますけれども、現 実にものを進めなければいけないという側面もありますので、これはやはり最初は文書 でやるということで今日は決めさせていただきたいと思いますが、よろしゅうございま すか。事務局の方も。  時間もだいぶ迫ってまいりましたので先に進めますが、この文書をいただいて、さて 、選択肢が3つ出てきたと。そしてその先はこちらのフローチャートにあるような形で 進むわけでございますが、これに関して何かご意見、ございますか。  もし、面談を希望したとする場合にはいったい誰が会うのか。さきほどちょっと平山 先生からもご質問ありましたように誰が何人で会うのかとか、誰と会うのか、またどこ の場所で会うのかとか、そういったいろいろな問題あろうかと思いますが。  平山委員  私はやはり面接をする場合は中立性と言いますか、一人が会いますとやはりどうして もそれが解釈が入ったりするのではないか。だから、やはり証人というか、複数で会っ て、その内容が正しく検証委員会に反映されるというのがいいのではないかというよう な私は気がするのですが、いかがでしょうか。  藤原座長  他の先生方も複数で会うというのはよろしゅうございますよね。2人乃至はそれ以上 という、特に問題ないと思いますが。また、どんな形で会うか、あるいは場所はどうす るかと、細かい問題もございますが、これについて事務局で何かお考えありますか。  大澤室長  ご提案申し上げている資料の1、あるいは2のフローチャートに書き落としていると おりでございまして、これ以上でもこれ以下でもございません。  藤原座長  はい。どうぞ。  柳田委員  他の問題ですが、資料1の4の3、家族の心情に対する配慮の中の黒ポチの2つめ、 面談の回数は最小限に止めるとなっていますけれども、これは書く必要はないと思いま す。これはケースの中で判断していけばいいことで、別のところにも面談は1回に限る と書いてありますが、これは何か最初から自己規制的なことを書く必要はないと思うの ですね。  これは場合によりますと逆にご家族の方が、私なんかのまた別の経験ですが、1時間 の予定でお会いしていたら、もう本当に止まるところなく話出して3時間も4時間も言 葉切れずに涙ながらに語るということはあるわけですね。その後、また、時間をおいて 喜んで2度でも3度でも会ってくださる方というのがいらっしゃるわけです。回数は1 回限りとありますが、半年ぐらい経ってから、また何らかのチャンスでその後の心境の 変化とか、これからこういう形でまた新しい前向きな生活が出発できましたとか、いろ いろな話が出てくるわけですね。本当はそれが大事なのだと思っているのです。ですか ら、最初から何か面談の回数を少なくすべきだとか、1回に限るとかとしてしまうのは 本筋から離れるように思うのです。  それは資料1の2枚目の5の2の2つめの丸、面談は原則1回に限り行うとあります けれども、何か非常に事務処理的な項目になっているわけです。これはやはり削除した 方がいいと思います。  藤原座長  いかがでしょうか。他の委員の先生方。どうぞ。  嶋委員  今、おっしゃるとおりだと思います。やはり1度きりで済む問題ではございませんし 、長い期間かけていろいろ山あり谷ありのところがございますので、やはりある期間を 、ある期間というのはおかしいですけれども、1回に限らないで折りを見て何度も繰り 返していくと。場合によってはご意見が今までと違ってくることもあるのですね。ご家 族が。  ですから、そういういろいろな状況がありますので、今、柳田先生がおっしゃったよ うに1回ということではなくて、数回、あるいはあまりそういうことを書かないで、と にかく長い期間をかけてドナー家族の心情を十分つかんでお慰めするという姿勢が必要 なのではないでしょうかね。  藤原座長  はい。他の先生方、ご意見。今、問題になっていますのは資料1の1頁の3の2つめ のポツのところですね。これを削るということと、2頁の真ん中程の2の面談は原則1 回、この2つを。  小中コーディネーター  先生、すみません。ひとつ教えていただいても、ちょっとこの立場でご質問していい かどうかわからなかったのですが、お教えいただきたいのですけれども。  この検証会議のなさる役割というのがどのあたりか私、ちょっとわからないので、さ きほど私どもがお届けするということが多分、ネットワークに直接、ご依頼があるかと は思うのですが、もし、そのようなことになったとした場合に、どういうふうに判断し たらいいのかなというふうに迷うものがひとつあるのですが、ひとつは、趣旨の中に私 どものあっせん業務の検証というのはよくわかります。それは当然ながらしていただか ないといけないことかと思うのですが、ご家族への精神的な支援という部分がどういう ものなのかというふうにお考えなのかということと、それが多分、今、お話しなさって いることになるのかなというふうにずっとここでケアをしていっていただけるのか。  藤原座長  はい。わかりました。これは第1回目のときにもその話が出ていまして、いつまでも ネットワークにそれを依頼するというのはおかしいだろうと話は当初から出ております ので、この接触する場合に何回かなと、いったいその先はどうなるだろうかといった問 題はネットワークとは別の形だろうと私は考えておるのですが。どうぞ。  岩崎補佐  この話題になると割と混乱があるのかなというふうに思っておるのですけれども、基 本的にはドナー家族の心情を把握するというのが基本的なスタンスだと思うのですね。 精神科的なケアを本格的に行うとなると、病的な悲嘆反応の場合には数年かかるという ふうなことをお伺いしていますけれども、数年間、では、追っ掛けてから検証するのか という非常に非現実的なことがあるのではないかなというふうに思います。  もうひとつは、治療関係が必要だというふうに判断された場合には、それは何回かに 渡ってからというのではなくて、はじめの段階でむしろ長期的な治療関係が結べるよう な医療機関を紹介するというのがむしろ正しい姿なのではないかなというふうに私ども としては事務局としては考えております。  3番目は、ご家族の基本的な負担をできるだけ軽減するべきだと。検証会議に1度、 会うからいいよというふうに言った瞬間に、もうその家族は検証会議とずっと未来永劫 、付き合わなければならないというようなデューティを負うというのはちょっとこれは 趣旨とは離れますので、基本的にはもう最小限のもので検証に非常に必要な部分だけを プロの方がお会いになるということなので、それも可能ではないかと。ですから、必要 な場合には1回乃至2回ということになるでしょうけれども、可能な限り、最小限とい うのがこれはかなり原則的な話なのではないかなというふうに考えております。  藤原座長  今、お聞きのようなことですが、確かに1回目のときにもいったいいつ会うのだとい うときに半年はいかがなものかと、デーケン先生が1年という話もある、いろいろな話 が出たのですが、柳田先生、1か月乃至は2、3か月ということで、ではそこで何か大 きな問題が出たときはまた何かを紹介してあげるのだということ、そこ止まりというよ うな理解、例えば精神的にいろいろな問題を抱えた人が発生した場合、こういう場合に はこういうところにご相談してはいかがですかということをサジェストするところで止 まると。この検証会議としては。そのような理解でいたのですが、確か事務局、そうで したですね。  ですから、今のような形でずっとその先も引きずるということは私はこの検証会議と しての仕事ではないというふうに理解しますが、柳田先生、どうぞ。  柳田委員  今の事務局の発言、PTSD状態で専門のカウンセリングが必要だという場合に、そ のカウンセリング業務まで検証会議が請け負うということでないことはこれは第1回の 会議で確認したことでして、ただ、面談をする方がこの検証会議の中の専門家であるな らば、そういうことについての面談の中での助言行為というのがあっていいだろうと思 いますね。助言というのはカウンセリングそのものではなくて、こういうところにご相 談なさるといいですとか、そういう問題。これは第1回の会議で確認しているわけです 。  できるだけ少なくというのは、これはもう原則だと事務局の考えですが、そこはちょ っとニュアンス、私、違うのですが、事務局というのは早く片付けたいという気持ちは わかるのですね。ですが、この問題は早く片づける問題ではなくて、やはりある程度、 時間的スタンスを置く中で実態を把握するというのがとても大事だなと思うのです。  それはずるずると何回でも際限なくやるとかという意味ではなくて、やはりご家族と 例えば2か月後に会ったときに、まだ気持ちが整理できないな。もう1回ぐらい聞いた 方がいいかなというようなことだってあり得るわけですね。それが半年後になったら非 常に前向きで積極的にいろいろなことを発言してくださるというようなことがあるわけ です。  また、そういう発言が大事な肉親を喪失した後、臓器を提供した後の生き方としてこ うだということが、また、社会的に知らされることが移植医療にドナーとして参加する 人が増えるとか、あるいはなるほどそういうことなのかというふうに一般の人々の理解 を得ていくという、非常に大切な問題だと思うのですね。我々は事務的に早く処理して 、皆、すべて、はい、次、はい、次というのでやるのが目的ではないと思うのですね。  藤原座長  要するにカウンセリングの助言のところまでは第1回目にありましたし、今の先生の ご発言でもそこまではやるべきだろうというお考え。ただし、その場合に1回会っては っきり心情も把握もできないこともあり得るから、だから、1回に限るというのだけは 削りなさいという、このような理解でよろしゅうございますか。よろしゅうございます ね。だから、最小限度ということの意味もそれと同じような意味で削るという、こうい うことですね。  柳田委員  ちょっと補足しますと、具体的で申し上げるといいと思うのです。これは前にもちょ っとだけ紹介しましたけれども、自分の息子さんの臓器を提供した。これは死後腎提供 の方ですけれども、その直後、しばらくの間、非常に神経症的症状を示したわけです。 というのは息子の臓器を提供したけれども、レシピエントがどこでどうなっているのか わからない。コーディネーターからの連絡も不十分であるという中で、言わば行方不明 体験のような、災害による行方不明体験のような、そういう神経症症状を示したわけで すね。  ところがあるきっかけで半年程してから、いや、息子の臓器はあそこでしっかり生き ているというのがあるときわかって、それが解消していって、それから逆に今度は非常 に積極的に社会的活動されるようになったわけです。そうするとその方の面接が直後に 行った場合と半年後に行った場合とで内容が全く逆転するわけですね。  ですが、その逆転こそを把握するのがとても大事だと思うのです。というのは直後の 混乱した状況だけを把握して、臓器提供というのはこんなに辛い思いを残すのですよみ たいな形だけで実態を把握したと思ったら、それは思い違いになっちゃうわけですね。 やはり時間の中で乗り越えていって、ああ、やはりあれは良かったのだと思うのに半年 かかったと。そのことがとても大事な情報だと思うのです。  藤原座長  回数もケースバイケースでということで、しかし、それはずっと引きずっていく内容 ではないと。その辺のどこで線を引くかということが、まず。  柳田委員  それは10年間、フォローしろとか、そんなことではありません。  藤原座長  考え方が違ってこようかと思うのですが、どうぞ。  岩崎補佐  何回か議論した話なのではないかなと思うのですけれども、今、柳田先生がおっしゃ ったように、私どもは特に早く終わらせたいからという趣旨ではなくて、基本的にはか なり私どもが把握している中でも、ドナーファミリーはいろいろいじくられて嫌だとい うふうに非常に苛まれている状況にあるというふうにお伺いしています。  その中で社会が必要だからという理由から何回も何回も会わせろと言って会うのです かというような、そんなような趣旨でこのような自己規制的な文言を入れるべきではな いかというふうに考えています。  2番目は、いわゆる通常の急性悲嘆反応でもだいたい1年間ぐらいかかるというふう に専門家の方からお伺いしておりますので、この検証会議ではほぼ1か月とか、2か月 の段階でお会いになるというふうに議論が進んでおりますので、その中で会えば当然、 その後の心理的状況というのも変わるに決まっているわけで、その変化は当然のもので はないでしょうか。  当然のものの中で仕方がないので、非常にここでは2か月というふうにお決めになれ ば、その時点での情報というようなことで受け取るというのが基本的なスタンスではな いでしょうか。それ以降、当然、追っ掛ければ変わるものを変わったからと言って、そ れを敢えて検証するということはややドナー家族に対する負担というのは重すぎるとい うことと、この検証会議が求めているものとは若干、違うのではないかと。  そういうものが必要ならば、例えばさきほどデーケン先生がおっしゃったような、今 はもう既にドナーの家族の会ができつつありますので、そのような中で非常にどんどん アピールしていっていただくような話なのではないかなというふうに考えております。  藤原座長  はい。最小限度の捉え方の違いのようにも。  柳田委員  全面的に反論したいと思いますけれども、直後に1回やればいい、あとは当然変わる というのはそれはちょっとおかしいのではないかと思うのですね。本当の実態把握とい うのは本当に調べなければわからないことであって、これは何も全員について何回も何 回もやろうと言っているのではなくて、それは本当に専門の方が面接するわけですから 、ああ、この方は今、こんなふうに苦しんでおられるけれども、半年ぐらい経ったらど うだろうかなとせめて2回ぐらいはかなりの時間を置いて調べること、これがこのドナ ー家族心情把握の趣旨の中の家族への精神的支援も含めての話としてとても大事な問題 ではないかなと思うのですね。  2か月目に1回会ったら、そのときの状況として検証会議は終わるのだという、それ も考え方としてはあり得ると思うのですが、私の希望する検証作業というのはそうでは ないというふうに、この日本の新しい医療を定着させる上でもう少し丁寧なフォローと いうものをやるべきではないかなというのが私の考えですね。  デーケン委員  ずっと今、いろいろな話を聞きながら、基本的なジレンマを感じています。つまりあ る意味で四角と丸をどういうふうに合わせるか。もちろん不可能ですね。ですから、も しかしたら私たちはやはり出発点はドナーファミリーの精神的なニーズから出発します と、やはりそれは一般ルールによって決めるか、例えば1回限りとか、そういうことは 不可能ですね。非常に個人的なプロセスです。  私は今、長年の経験がある人は死別体験上、半年経ってから立ち直る。1年かかる。 2年かかる。ですからどうしても私たちは2つのレベルの考えでなければ。一方では事 務的に決めなければならないでしょう。例えばエンドレスのことはあり得ないですね。 しかし、他方ではどうしてもやはりニーズ、本当の個々のニーズを考えますと、また、 そういう話すチャンスが必要だから、やはりさっきも言いましたドナーファミリーの会 があって、そこでまた自由に話すこと、例えば2年間でもまた話すことはできるチャン スが必要ではないかと思います。  柳田委員  もう1点、事務局からドナー家族会ができたから検証会議はそんなにフォローしなく ていいという話が出ましたけれども、ちょっとそれは全然筋違いの話だと思うので。ド ナー家族の会はできました。だけれども、その会に入る人は限られた数なのですね。全 体のこれからやっていく中で。限られた数で入れる人は問題ないのです。ある意味で。 そういう会に。むしろそういうところに入れないで孤立した人とか、あるいはそういう ことをまだよく知らなくて入っていない人とか、それを均等に検証するのがこの検証会 議の役割で、ドナー家族の会ができたからもう検証会議はそこまでフォローしなくてい いよという、これは全然筋違いな話なのですね。その点は事務局がもし本気でそのこと を考えているとしたら訂正していただかなければいけないと思うのですね。  藤原座長  何か意見ありますか。  岩崎補佐  私が申し上げたのが少し誤解されて私の説明がきっと悪かったのだろうと思うのです が、要は長期的なフォローの内容については当然、この検証会議の範囲外になるので、 その部分についてはドナー家族会のような比較的長期にフォローできるというか、家族 が関与されるようなところでのご意見ということがあり得るのではないかというふうに 申し上げただけで、この検証会議でできない部分、この検証会議で全部、未来永劫、患 者のドナーのご家族の心理的状況を把握できるものではないというのが基本的にはこの 会での当然の認識としてあるというふうな前提で申し上げました。  藤原座長  よろしゅうございますか。  柳田委員  ええ、そのことは私も最初から異存ないところなのですが。  藤原座長  他にございますか。どうぞ。  平山委員  これ、どうなのでしょうか。さきほど事務局の方が何度も何度もしつこくすると非常 にいじくられて大変な負担になるという、それも確かにそういうことはあると思うので すが、やはり横断面的、縦断面的というか、やはりグリーフプロセスというのはやはり プロセスが非常に大切なわけで、やはりさきほど柳田先生がおっしゃったようにしばら く経って、それもエンドレスというふうではなくて、半年乃至1年なり、どうしても話 したいという人もいるかもしれないのですよね。非常にそういうことで、ですから、あ まりそこで楽を、1回というふうに切らないで、含みをやはり残しておいた方がいいの ではないでしょうかね。  藤原座長  他にございますか。例えば原則1回ということは削って、最小限に止めるということ の最小限の解釈を将来の何年かに渡るケアまでを担当するのではないのだ、そういう意 味での最小だという、こんな理解で残しておくというとまずいですかね。  柳田委員  いや、回数、書く必要ないのじゃないですか。  藤原座長  回数はですから外すと。  藤原座長  面談の回数は最小限なんていう表現はいらないのだと思うのです。何でこれを書く必 要があるのかなというのがわからないのです。  宇都木委員  最初の文章のところが精神的に家族の負担を軽減するためにというのがついているの ですね。ですから、厚生省の言うことも僕は一理はあると思うのですね。最小限に止め るという文章は残しておいてもいいような気はいたします。実質的にどう違うのかはよ くわかりません。  柳田委員  いや、これは回数でなはなくて、面談による負担を最小限に止めるという書き方なら わかるのですけれども。  藤原座長  他にどなたかご意見ございますか。厚生省の考え方も基本的にはそういうことですね 。  大澤室長  私どももさきほど岩崎が申し上げましたように、この方法論というのは実は公表され ますので、そうしますとこれからドナー家族候補となるような方々も当然、ご覧になる 。検証会議っていったい何をやるのだということをご覧になることを前提に私ども、心 配をしておりまして、したがって負担を軽減する観点から面談はお願いするかもしれま せんが、それは最小限に止めますと。  これは何も確かに原則1回に限りと申し上げますと、会いたいと言っているものを拒 否するというような感じが、もし、持たれるとすれば、それは我々の本意ではございま せんので、ご家族が例えば限られた期間、1回、2回というふうにおっしゃれば、それ はそういう柔軟に考える余地はあると思うのですが、ただ、座長がおっしゃっていただ きますように、1枚目の4の3はそういう趣旨からここはぜひとも、事務局としては負 担を軽減する観点から回数につきましても最小限に止めるというのはできれば残してい ただいた方がよろしいのかなという気がいたしております。  藤原座長  私もそういう気がするのですが、2頁目の1回に限りというのはこれは私はなくても いいのかなという気はいたしますが、原則としてというから2でも3でもいいのだとい うふうにも取れますけれども、だったらこれはつけなくてもいいのかなという気がいた しますが、これつけないと今のおっしゃったような観点から具合悪いということありま すか。  大澤室長  いや、基本的に最小限に止めるということで合意していただければ、これはケースバ イケースだろうと思いますので、ただ、これはその都度、またご相談させていただきた いというふうに思います。  藤原座長  柳田先生、そういうようなことなのですが、よろしゅうございますか。そうしますと 、この2頁の面談は原則1回に限り行うというところだけを削除して、あとは残すとい うことでよろしゅうございますか。やはりいろいろな角度から考えますと、必ずしも無 制限にやっていいという捉え方をしては具合悪いという面もあるのだという、こんなよ うな理解ができますが、よろしゅうございますか。  さて、そうしますと、いかがでしょうか。だいぶ時間も迫ってまいりましたのですが、 この3つの選択肢ということで面談のところまで進んで、また戻ったような、面談の回 数の問題は今のことでよろしゅうございますね。  誰が会うのかという、この問題は複数だろうということはさきほどほぼ合意いただい たと思うのですが、誰かということ、前回は臨床心理をよくわかっていらっしゃる専門 家がよろしかろうという話まではきておるのですが、このフローチャートにある専門家 というのもそういった意味であろうかと思いますが。何かご意見。どうぞ。  菊地コーディネーター  先生、すみません。ひとつだけもう一度、理解不足かもわからないのですけれども、 確認させていただきたいのですけれども。  趣旨の1番の丸の3つのところなのですけれども、日本臓器移植ネットワークによる 臓器あっせん業務の検証と、次の家族への精神的支援というのは、この会が精神的支援 を行うのか、コーディネーターのご家族への精神的支援内容を検証するのか、その辺が 少しまだ理解できて、私自身が理解できていないのかと思うのですけれども。  精神的支援をこの会がやっていただくという意味なのか、私どもが行ったご家族への 精神的支援の内容を検証をするという意味なのかというのが。  藤原座長  いや、これは精神的な支援はこちらの問題というふうに理解していますが。  菊地コーディネーター  ご家族への精神的支援をこの会で行うということ、検証会議が行うということですか。  と言いますと、先生、ひとつ、私どももコーディネーター、力不足ながらご家族の支 援を私たちなりに勉強しながら行っているわけで、かなりオーバーラップするところが 出てくるように私自身はそう思うのですけれども。これはそう言いますとご家族への精 神的支援を行うというふうに捉えてよろしいということですね。この会が。  藤原座長  確かに具体性に若干、欠ける点があるかも。どうぞ。  事務局  すみません。本日の会議、この後、また6例目のあっせんの関係もありますので、ち ょっと休憩を入れさせていただいて、今回の議論はまたちょっと今後、また、させてい ただくというか、そういう形で次の議題の方に移らせていただきたいのですがよろしい でしょうか。  藤原座長  ちょっとお待ちください。柳田先生、今の問題。  柳田委員  今日、かなり煮詰まってきましたので、もうしばらく。そうですね。あと20分ぐらい このまま議論を続けたいと思うのですがね。  藤原座長  私もあと20分ぐらいは。  柳田委員  また、次回になるとということなしに、そして残ったものを私が最初に提案しました ように小グループで最後の細かい文言とか、方法論の細かいところについては詰めてい くということで、もう一度、次回の2か月ぐらい経ってしまうかもしれない次回まで持 ち越すというのは少し間延びすぎるような気がしますが。  藤原座長  事務局はいかがですか。一応、時間としては6時まで取ってございますし、後半の部 分についてももちろんしっかりしたことをしなければいかんのでそれなりの時間を要す ることでございますが、この問題、前回から引きずっていますので。どうぞ。  大澤室長  今日はどうしても6例目のあっせんの部分は行っていただきたいので、その時間を残 していただくという前提でもうしばらくご議論いただければと思います。  藤原座長  はい。それでは継続いたします。柳田先生、ちょっと今のネットワークからのご質問 。  柳田委員  ネットワークから第2項の家族への精神的支援、我々もやっているのでオーバーラッ プするというようなことをおっしゃっていましたが、ネットワークが最近、非常に熱心 に取り組んでいることは仄聞しております。ですが、具体的にどの程度、精神的支援に 関わるようなことをおやりになっているのか。ちょっと簡単で結構ですけれども、その 踏み込み方の程度をちょっとお知らせいただければと思うのです。  小中コーディネーター  今、現在、行っていることを申し上げますと、個別の対応というのが1年までは行っ ていこうということて、最初の1事例からにしますともう1年過ぎていますので、実を 言いますとそのままずっと個別の対応を続けております。  それは実際に一番最初にインフォームド・コンセントに関わったコーディネーターが 必要に応じて個別に関わっていくという、今日は公開ですので詳細についてはちょっと お話はしにくいこともございますので、そのあたりについてはご了承いただきたいとい うふうに思います。  ですから、個別にどの程度、関わったかと言いますと、やはりさきほどお話しいたし ましたようにご家族の不安の除去ということが主になるかと思うのですが、通常の提供 していただいたご家族よりもやはり情報公開の部分、マスコミ取材や報道に関するもの の問い合わせなど、そういうことの関わりが多いですので、通常の心停止後の提供いた だいたご家族との関わりよりも頻度はかなり多いです。  あと、どこかで個別だけではなくて、もう少し違う形をというふうに今、現在、考え て検討中でございます。脳死でのご提供のご家族についてはそういう関わりをさせてい ただいておりますし、また、私どもが関わらせていただいた上で私どもだけでは非常に これは不十分だなと思いますと、他へのご相談を差し上げているというのも現状でござ います。 あと、心臓停止後の関わりが個別を一応、原則、基本的に1年間、その後、 慰霊祭、及び家族同士の交流会ということを年に1回、開始しておりますので、その部 分をプラスさせながら動いているというのが現状ですので、脳死後のご提供の方に対し ても今、検討中で、今後のことはまた多分、近々、どうするかを私どもの中でコーディ ネーターの意見をまとめながらネットワークとして考えて、皆様にお話しできる時期が くるかとは思いますが。  藤原座長  家族との交流会ですか。  小中コーディネーター  家族間の、これは心停止後の分ですけれども、年に1回、今年も6月に行っておりま すけれども、年に1回、ご家族間の交流会と、その前に多くは慰霊祭という目的がござ います。ですから、慰霊祭をさせていただいて、その後、ご家族間の交流を目的として コーディネーターも一緒に入っているという。  藤原座長  ということでございますが。  柳田委員  従来の心停止後の腎臓、その他の提供と、脳死下での提供と、そのご家族との接触の 仕方は違うのですか。  小中コーディネーター  ええ、さきほど少し申し上げたと思いますが、訪問する必要性がやはりかなり多くご ざいますので、頻度はかなり多いです。柳田先生、おっしゃったようにやはり半年まで の間というのはご家族の心情もかなり辛い心情が強いということもございますし、あと は情報公開などの必要性に迫られてご訪問をするという余分な、ご家族にとっては余分 なことでの関わりをしているというのが現状です。  藤原座長  今のネットワークからの実情をいただきましたのですが、それに関連して家族への精 神的支援という趣旨を、果してこれは誰がやるのか。つまり私の理解は検証会議がこれ を定着させるためには、やはり一定時間経った後の家族の心情を把握しながら、場合に よっては何か別のものを助言するとか、そういうところまできちんとやれば、将来に向 けてプラスになるだろうという最初の話を私はこういうふうに捉えておるのですが。こ れを精神的支援というふうに私自身は取っているのですが。  ですからネットワークがおやりになっていることをこちらが検証するのだとか、そん なような考えは私にはないのですが。柳田先生、私、理解が間違っておりますですか。  柳田委員  私ばかり度々、発言してすみません。大変結構な取り組みだと思うのですね。ですが 、検証というのはそういう一生懸命やっている方はさらに屋上、屋を架すという意味で はなくて、やはり客観性の維持とか、新しい医療のスタイルというものを第三者的な視 点でウォッチする必要があるという意味で、この精神的支援の項目も入っているのだろ うと私は考えるのです。また、私もそういう意味で提案したのですね。  ですから、重複するということはないと思うのです。それでうまくいっているという ことがわかれば、検証はそれで済むわけですね。そのままいってくださいということで いいわけです。だけれども、10例中、例えば1例でもあったらやはりそれに対して何ら かのいろいろな発言をしなければいけないということが生じるかもしれません。それが 検証だと思います。  小中コーディネーター  すみません。ひとつ懸念いたしますのは、私どもも私どもが考えたなりの動きで行っ ているわけなのですが、例えば双方から支援という関わりをいたしますと、間のご家族 は一家族ですので、双方の関わりで逆にご家族にご負担をかけないようにする調整など も必要ではないかなというふうに思っております。そのあたりが難しくなるのではない かなというふうに思います。  藤原座長  内容的にバッティングすることがあり得るということですね。  菊地コーディネーター  お互いの情報の交換がなければお互いが互いのケアをするということはやはり少し違 うのではないかなと思います。  宇都木委員  今、柳田先生がおっしゃったと思うのですが、これは文章がおかしいので、本来は家 族への精神的支援の検証という項目だと思うのですよね。この検証会議の。ただ、その 検証の過程でいろいろな問題が生じてくることについて我々は我々の責任はきちんと負 っておくと、そういうことだと思うので、バッティングするという問題はないと思うの です。  柳田委員  私もそう解釈しますけれども。我々は検証作業であって、家族が問題を抱えていない かどうかを検証して、抱えいたならばそれなりに専門家が助言するとか、ネットワーク にこうすべきであるというふうに言うとか、これは我々が進んで出しゃばってお世話を するという、そういう立場にはないわけです。  藤原座長  よろしいですか。  菊地コーディネーター  ですから、私どももそう感じた場合に、情報の交換がなければお互いがお互いのとこ ろ、違うところを紹介したり、そういったことも、小中の方がさきほど言ったのは生じ ている可能性があるのではないかということだと思います。  一方はこちらを紹介する、一方はこちらを紹介すると同じようなことと心理的なこと を判断した場合にはそういうことが起こり得る可能性があるということです。  柳田委員  いや、それはないと思います。というのは検証するときにいろいろ質問して、そんな お困りでそれでどこかに相談なさっていますかとか、ネットワークからどういうご支援 をいただいていますかというのは当然、質問するわけですから、お蔭様でこういうとこ ろにカウンセリングを受けていますということになれば、我々がではそっちよりこっち の方がいいですとは、そんなことはあり得ないわけですね。  菊地コーディネーター  ですけれども、ご家族はお一人だけではございませんので、私どもの関わるご家族は 対1名ではございませんので、複数名、関わることになります。  柳田委員  その問題はまたちょっと別問題ですね。  藤原座長  この問題はちょっと議論ずれていますけれども、要するに窓口を誰にするかという問 題はちょっと今日、今、ここでまだ審議していませんので、それは先に。よろしいです ね。今の問題については。それでは第三者として検証し、その中で支援していくのだと いう、こういうことですよね。よろしゅうございますね。  そうしますと面談の仕方、どこで何回、どうするかといった問題も含めてまだ具体化 した内容は出てございません。その先になりますと、このフローチャートの報告書、検 証会議に内容の報告がきて検証し、その先、報告書を取りまとめて公表していくという 、この辺はあまり問題ございませんですね。よろしゅうございますね。  そうするといくつかの課題、こちらから出されたものがあろうかと思うのですが、今 日はそのことについて最終的に詰めるのは若干、時間が足らないかと存じます。この文 書が資料の3ございますが、これについてちょっとだけご意見いただきたいと思います 。  柳田委員  ちょっとその前にもう時間もないことなので、このフローチャートの中で残った最大 の問題は誰に質問するかという窓口の問題ですね。それについては全くまだ議論してい ないので、その問題が残っているということと、資料3の文書の問題は文言の議論う始 めますとまたいろいろ時間がかかると思いますので、基本的に触れていないとか、ここ は触れるべきだとか、この表現はおかしいという、基本に関わるようなところだけの議 論で、文言、もうちょっとこうした方がいいという、てにをは的なことはむしろ小グル ープにお任せするような方向でやった方がいいと思うのですね。  なるべく私としてはまたこの続きを次回やるということではなくて、最初に提案しま したように小グループを作って最後の詰めをするということがいいのではないかなとい うふうに思っております。  藤原座長  はい。それではこの文言についても今、細かいことを検討する時間、とてもございま せんので、大筋においてどうなのかと。著しく欠落している問題、あるいは逆に余計な もの、そういうものはないかどうか。それについてご意見いただきたいと思います。  特にございませんか。それでしたら基本的にはこれを下敷きにして若干、文言の修正 はあり得るということになろうかと思いますが、よろしゅうございますか。そうします と以上、だいたい、今日、時間の中でできましたことをまとめますと、ひとつは。どう ぞ。  島崎委員  質問内容の用紙の中身はもうよろしいですか。これはまだこれからやるのですか。同 時に。  藤原座長  用紙の中身。これも含めてちょっと今、ご質問。私、文書としていかがなものかとい う中に質問の用紙も含めて。どうぞ。  島崎委員  では、5頁の質問2、問1の中でこれはやはりレシピエント側、あるいは提供臓器に 関する意見も入れておいてもらった方がいいと思うのですよ。これだけ見ますと提供側 だけの問題を意見として出してくださいというような形になっているので。  藤原座長  これはドナーの方のことですから。  島崎委員  ですから、ドナーがレシピエント側の問題をどう考えるかというような意見も入れて 、さきほどちょっと柳田先生、おっしゃっていましたですけれども。その意見は全くこ の質問の中には入ってこないのですよ。特定されたレシピエントというのではなしに、 一般的にそういうことに関する問題点なり、意見はございますかというのが入ってない のです。  藤原座長  ドナーの側から見たレシピエントに対する感想ですか。  島崎委員  そうです。それが一番おそらくご家族は関心持っておられるのではないかと思うので すけれどもね。  藤原座長  他にございますか。  柳田委員  今のこと、とても大事だと思います。手続的なことだけの質問に偏っているので、手 続でなくて本当に提供した臓器がどうなっているかというの一番の関心事なので、今の 問題提起、とても大事だと思うのです。  藤原座長  これは扱いとしては質問になりますでしょうか。質問用紙の2の。  島崎委員  別にあればいいのですけれども、なさそうなので。  藤原座長  呼びかけたいことなど。問2ですね。問2の中で扱いますかね。質問用紙2の中の問 2。はい。ありがとうございます。他に何か全般に渡ってご意見ございますか。どうぞ 。  宇都木委員  さきほども話になっていたのですが、面談をする人の決定というものをどういう手続 でするかということをちょっとお考えおきいただくと。専門家というふうになっている のですが、これは2人でも3人でも、さっき意見が出ていましたが、要するに誰がどう いうふうに専門家を選定するのかという手続きが全然入っていないのですね。  藤原座長  これは前の議論の中で臨床心理をおやりになっている方をという話は出ておったので すが。  宇都木委員  ですから、内容的にはいいのですが、誰がどこでどういうふうに選定するのかという 手続が全然入ってないのです。  藤原座長  それは今日、ちょっと決めきれないので。  宇都木委員  今度。  藤原座長  はい。先送りということにさせていただきます。他にございますか。なければこの文 書については基本としてこれで。  柳田委員  一応、回答が質問1、問1と問2というふうに大枠、2つ作ってあるわけですが、2 つ考え方があると思うのですね。こうやって幅広く大枠を作っておいて何でも書けるよ うにする方法と、より答えやすくするためには、例えば問2なんかについて現在の心境 と一般の人々に呼びかけたいことというのは別にした方がいいのではないかというふう に私なんか思うのですけれども。  社会的提言というのと現在の心境というもの、密着しているところもありますけれど も、回答としては何か別にした方がいいとか、こういうアンケート様式を取る場合には なるべく一問一答形式に答えやすい質問の仕方というのが大事だと思うのですね。どち らを取るかというのはやはり合意が必要なような気がするのですけれども。  藤原座長  具体的には問2の中で家族のご決心の事情、現在の心境、一般の人々に呼びかけたい こと、レシピエントに対する感想というようなふうに項目を区切って、そこに書いてい ただくという。  柳田委員  ええ。それぞれ質的に違う問題ですね。決心した状況、事情というのと、現在の心境 と社会的アピールと、これは皆、質的に違う問題ですね。そういうものを別々にきちん と項目を取った方が答えやすいのではないか。  だけれども、それに対して反論があり得ると思うのです。質問はなるべく少ない方が いいとか、あまり多くなると面倒臭くなるとか、うんざりするとか、負担が大きくなる とか、そのバランスを考えながらどうするかということがあると思うのですが。もうち ょっと分けた方がいいように私は思います。  藤原座長  分けた方が。いかがでしょうか。今のご意見に対して。他にどなたか。どうぞ。  藤森委員  それも、もし、よろしければ小グループの中である程度の質問項目の枠組み、面談の 質問項目に沿った形のものが、もし、文書の場合にも同じような情報が得られるような 形での質問項目立てをして、なおかつ、自由記述という形で補えるというような質問項 目を作るのが、それこそドナーのご遺族の方たちに負担の少ないという意味で質問項目 づくりも考えておりますが。  藤原座長  はい。こういうご意見をいただきましたが。  柳田委員  こういう質問をする場合に、多くの場合、面倒臭がるとか、負担をかけるとかという ので自己規制的になりがちなのですが、死別体験した場合にはある程度、時間が経ちま すとやはりそれなりに発言したいとか、あるいは聞いてほしいとかというのが出てくる 方が多いと思うのですね。それは拒否する方も当然、それはいらっしゃるとは思うので すけれども。  ちなみに7、8年前に厚生省の統計局の方で働き盛りの癌死で家族を喪失した場合の 世論調査をやったのですね。自由記述欄というのがやはりこれぐらいのスペースがあり まして、そんなところあまり書かないのではないかと思ったら、回答2,000 例のうち、 1,000何例ぐらいがびっしりと書いてあるわけです。やはり大事な肉親を失った後の家族 の心情というのは、ある場合にはもう医療に対する恨み辛みが書いてあったり、ある場 合には悔いや別れの悲しみが書いてあったり、いろいろなことがとにかく必死に書いて あるのですね。  そういうことを考えるとやはりあまり負担かけないようにしようというのを取りすぎ て自己規制しない方がいいと思いますね。やはり書きたい人のためのスペースというの はきちんと作ってあげるということは大事だと思います。  藤原座長  いまのことに関してどなたかご意見ございますか。確かもうちょっと書きやすく、ま た、実際的に組み換える必要があるだろうということになろうかと思いますが、それで はだいぶ時間が経ってまいりましたので、今までのことをまとめさせていただきますと 、まず、誰が送るのかという主体はあくまでも検証会議、そしてそれを代行するような 形で厚生省から送っていただくのを原則とするけれども、場合によってはコーディネー ターの方に持っていっていただくこともあり得るという、これがひとつあったかと思い ます。  原則として文書として最初、まず、お伺いを立てるということです。回数については 、原則1回ということだけは削除しましょうということかと思います。いくつか問題、 残っておりまして、例えば窓口を、相手の窓口を誰にするのかといった問題、あるいは 手紙の細かい文言、てにをはと言い回しですね。質問項目をもう少し変えたらよかろう ということ。  面接者は具体的に複数ということまでは決まったわけでございますけれども、では誰 がどういうふうにやるとかの問題も若干、残ろうかと思うのですが、そんなところが主 な本日の内容かと存じますが、何か、私、落としておりますでしょうか。  大澤室長  今、整理していただいたことの中で第1点目のところが確かに差出人は検証会議、さ らにはその事務局でございますけれども、文書をお持ちいただきたいのはやはりネット ワークのコーディネーターさんにその文書をお持ちいただきたいと考えます。  あと、さきほど来、小グループでさらなるご議論をということで今、座長から総括が されたと思うのですが、これは確かに精神的ケアの問題が中心であろうとは思うのです が、一方では医療現場、あるいは法律上の問題、様々な問題にもはねると言いますか、 そういう立場からのご意見もあるいはあるのかもしれないと思われますので、事務局と してはただいま、ご議論があったことを踏まえて各委員、それぞれ思われることをメモ という形で事務局にお寄せいただいて、それでそれを集約する形で座長ともご相談をさ せていただいて、第2案と言いますか、改正案をお作りいたした上で、さらにフィード バックをして調整をするというようなやり方の方が、小グループでお集まりいただくに しても、そのメンバーが今、申し上げましたように精神的ケアという部分に限っていい のかどうかというところがやや不安が残りますので、そういう各委員からのメモをお出 しいただくというような手続きを私どもとしてはご提案をさせていただきたいと思うの ですが。  柳田委員  厚生省ができるだけコントロール下に置こうという意思はよくわかるのですけれども、 何も小グループを作ったから厚生省を無視してやるという意味ではなくて、当然、その 中に事務局も参加していただいて、その合議の中で詰めていくという、そういう提案で ございまして、厚生省を切ってこちらだけでやるという、そういう意味ではないのです 。  検証会議はあくまでも主体的に第三者機関として機能していくべきですから、それぐ らいのことはやらせていただいていいのではないかと。メディカルな面についてあれだ けしっかりした作業班を作っておいて、ドナー家族の方のフォローについては小グルー プを作るのを断固阻止するというのはどういう意図かよくわからないのですけれども、 私としてはメモのやりとりというよりももうちょっと実際に生の言葉で小グループで議 論して、事務局も当然、加わって詰めるのがいいのではないかというふうに思うのです ね。  ちなみに、いろいろな文言にしても非常に役所の文書になっているわけで、これをも う少し砕いた方がいいのではないかとか、質問用紙の作り方もいろいろと心理面接上は こういうふうにした方がいいとか、そういう中でやるにはちょっとメモのやりとりとい うのはあまりにも却って煩瑣であるし、一緒に議論している中で詰めた方がいいのでは ないかというふうに思うのです。いかがでしょうか。  藤原座長  いかがですか。どうぞ。  大澤室長  私どももメモのやりとりで案をと言いますか、やり方、決定するつもりは全くござい ませんで、広く各委員からメモを集めさせていただいて、改正案を作り、さらにおそら く次回のこの会議でさらに了承していただかないと多分、先に進まないと思われますの で、そういう意味では合議の上、決定をしていただくことを前提に、おそらく小グルー プでお集まりいただきましても多分、いろいろご意見をいただくのは全くよろしいので すけれども、まとめようがないという部分もあるかもしれませんので、具体的な私ども が提案させていただいておりますこの案についてここがこうおかしいからこう直してほ しいというような具体的なものを、ぜひとも、お教えいただいて、それを私どもとして は何をかい摘んでどうこうという気持ちは全くありませんので、それを率直に整理をさ せていただいて、そしてご議論をいただくということの方が、時間の制約などもありま すので建設的ではないかというご提案をさせていただく次第でございます。  もちろん会議のもち方につきましては事務局の立場ですので、必ずこうしてほしいと いうことではありませんけれども、審議の進行を考えた場合にはそうした方がより建設 的ではないかということを申し上げている次第でございます。  藤原座長  柳田先生のお考えでは専門家数人集まって細かい問題を詰めていくという、こういう ご意見ですが、事務局の立場は心情把握だけ課題でないだけに、全員の意見も入れなが らたたき台をこちらで作りたいという、こういうようなご意見なのですが、いかがでし ょうか。  例えばこういうことは可能ですか。先生方がある程度、たたき台を作っていただいて 、事務局の方に送っていただいて、事務局がそれも十分に考えた上で、また、たたき台 を作って、皆の意見を聞くというような、そういう形が可能なものかどうか。何かそこ で具合の悪いこと、ございますか。もし、妥協案と言いますか、両者のご意見、いずれ にしましてもこれは理想的なものはなかなか今、すぐ立ち上がれないということは重々 、承知してございますけれども、少しでもいい形で、また、現実に進めていこうという 立場でございますので、どこかで妥協せざるを得ないという気は私はいたしますが。柳 田先生、何か。  柳田委員  ええ。今、おっしゃったような形で、個人個人で事務局に意見を出すというわけです ね。だから、それを何人かのグループでそれを個人に変わるものとしてやったって同じ ことですね。ですから、今の妥協案でいいと思いますけれども。  藤原座長  事務局、いかがですか。よろしゅうございますね。私、結果的には同じことだと思い ます。1人でやる場合と、あるいは何人か一緒で4人が同じ意見を出すという、そうい う違いですので。  柳田委員  ただ、違う点は1点だけだと思います。それは小グループを事務局承認、つまり厚生 省承認で作りますと、会議のアレンジメントをしなければいけないわけですね。日程調 整をして会議の場所を決めて、会議費として手当てを出さなければいけないと。しかし、 そういうふうに勝手にやるグループについてはどうぞおやりくださいと、その違いだけ だと思います。  藤原座長  はい。それはいかがしましょうか。どうぞ。  大澤室長  すみません。私ども、そういう事務的な作業をやりたくないと申し上げているわけで はなくて、ぜひとも、具体的な修正案をお出しいただきたいと。それは精神的ケアの専 門の方々に限らず、今日、お集まりの方々すべてについて私どもが提案しているものに ついてご覧をいただきまして、何かありましたら、ぜひ、文書でお寄せいただければ、 私ども、それを最大限、反映した形で改正案を作りたいということでございますので、 事務的な作業をあれしたいという気持ちではございませんで、その点はどうぞご理解を いただきたいと思います。  藤原座長  よろしゅうございますか。  島崎委員  今の話ですと、結局、小グループで具体的にやられるということになるのですか。そ れともならないのですか。  柳田委員  ならないです。  島崎委員  ならないのですか。  柳田委員  ですから、小グループを作るのは勝手にやっていいけれども、他の小グループに入ら なかった先生方は個人でやってくださいと、そういう意味です。  島崎委員  いやいや。小グループを作ると、この検証委員会が決められるのですか。それは決め られるというのは、そういうのを承認されて今から作るのですか。それをお聞きしたい のですが。  藤原座長  いや、この検証会議としての結論はいかがなのかということですね。私はさきほど申 し上げたのは、確かにオフィシャルに認められた、厚生省の方から認められたものとす るのかどうかという違いはありますけれども、本質的には例えば4人の先生方に何らか のたたき台を作っていただいて、それを事務局に挙げるし、また、私どもも別の観点で 意見を出しますけれども、事務局は全体を見て、おそらく4人の先生方の意見は相当重 視されるだろうと私は思うのですが、それをまた、皆さん方にお諮りするという、こん なプロセスになると思うのですね。  島崎委員  わかりました。そのときに私が心配しておりますのは、さきほど事務局の方から話が ありましたように、ある面では精神的なケア以外のメディカルな問題のものとか、精神 的ケアも含めてメディカルな問題がおそらく出てきて、それがPTSDになる可能性が あるので、そのケアが必要だろうというようなチェックも含めた質問事項とかもこれか ら作られるわけですよね。  ですから、そのときにできればメディカルな、どなたかの専門家が入っていただいた 方がいいかなと。いろいろな意味でそういう気はいたします。それがこの検証委員会の 方かどうかはそちらであれしていただければいいと思いますけれども。  藤原座長  ちょっとずれますけれども、私、できたらこういうものはどんな形にしろ、やはりこ の委員の中でやるべきだろうというふうに考えております。と申しますのは、やはりプ ライバシーの保護ということを最大目的としていますので、したがって、あまり外部の 人というのはとりあえずは入れない形で進めるべきだろうというふうに考えております 。今の4人の先生方以外にメディカルの方を入れてはいかがなものかという意見が出さ れておりますが。  藤森委員  島崎先生のおっしゃるPTSDのメディカルな専門家というのはどういう方をイメー ジしていらっしゃいますか。  島崎委員  例えば質問内容を作る場合に、おそらく臨床心理学的な立場から先生方、やっておら れるわけですけれども、メディカルな面でのPTSDを側面からある程度、チェックで きるような質問内容になっているかどうかを見ていただけるような先生ということです ね。  あるいは今、言った、事務局がちょっと言ったような家族の精神的支援以外のいろい ろなメディカルな問題、メディカルなものに対する問題が出てきたときに、それをチェ ックしていただけるような方が、その小委員会が、まず、チェックされるわけでしょう 。  藤森委員  ですから、そういう例えば鬱であるとか、PTSDの疑いがあるとかということあれ ば、ある程度、標準化された、構造化された面接もありますし、質問項目もありますの で、それはコーメディカルの人がやってもメディカルの人がやっても客観的な判断がで きる質問項目は現在、日本ではある程度、準備されております。  島崎委員  そういうことであれば結構ですけれども。医学的にある程度、ちゃんと担保できるも のであるかどうかさえはっきりしていただければ結構だと思います。  藤原座長  はい。それはまたいずれにしろ、たたき台、できた段階で私ども、目に触れますので 、そこで修正していただくということもあり得ますですね。よろしゅうございますか。  そうすると今の小グループという件に関しましては、4人の先生方でたたき台を作っ て事務局に上げていただくということと、我々ももちろん意見があったら上げていくと。 そして修正をしていただいたものに関して、また、皆で審議するという、こんなプロセ スになろうかと思いますが、具体的にそうしますとこれは継続審議の形になりますでし ょうか。  大澤室長  これは最終的な今後の予定のところでまた確認をさせていただきたいと思っていたの ですが、いずれかの時点までにメモの提出期限を切らせていただいて、おそらく次回に それを確認をしていただくというような段取りが必要になろうかと思います。  柳田委員  段取り、そのとおりだと思います。ただ、座長、今、おっしゃった4人のグループと いう言葉が入りましたけれども、これは客観的には承認されなかったわけですから、公 的には4人のグループは存在しないわけです。あくまでも4人がグループで相談しても 、それは私的な相談であって、公的な検証会議のグループではないわけですから、この 4人、私が提案した4人が合議するかしないかは全く私的なレベルの問題になるわけで すね。そういうグループだけで公的にやるというのは事務局としては困るということな ので、これは潰れたわけですから、結局は個々人の提案ということだけが残ったわけで す。  藤原座長  そういう認識になろうかと思いますが、何かこれに関連してご意見ございますか。  それでは時間がだいぶ迫ってまいりましたので、さきほどのまとめと、今のグループ というものの考え方に関して以上でございます。これで前半を終わらせていただきます 。 どうもありがとうございました。 (略) 問い合わせ先:厚生労働省健康局疾病対策課臓器移植対策室 電 話: 03−5253−1111 担 当: 小森(2362)、衣笠(2366)