00/09/21 第7回健やか親子21検討会議事録         第 7 回 健 や か 親 子 21検 討 会               厚生省児童家庭局母子保健課             第7回健やか親子21検討会議事次第                             平成12年9月21日 (月)                             13時30分〜16時30分                             霞が関東京會館 1 開会 2 委員紹介 3 議事 (1)「問題認識・取組の方向性・具体的取組についての中間報まとめ」について (2)国民・地方公共団体・国・専門団体・民間団体の役割についての検討 (3)目標(値)について (資料) 1 主要4課題の問題認識・取組の方向伊勢・具体的取組についての中間まとめ 2 国民・地方公共団体・国・専門団体・民間団体の役割について (案) 3 目標値(値)の作成について (案) 4 目標(値)の作成について (案) (参考資料) ○ 健やか親子21検討会資料集6 ○椎葉課長補佐  それでは、定刻になりましたのでただいまから第7回「健やか親子21検討会」を開催 いたします。  暑さ寒さも彼岸までと申しますけれども、ここのところ過ごしやすい陽気となってき ているようでございます。先生方には大変お忙しい中お集まりいただきまして、大変あ りがとうございます。  本日は新たな委員といたしまして日本看護協会常任理事の小野光子委員に御出席いた だいております。どうぞよろしくお願い致します。  それでは、以後の議事進行につきましては平山座長にお願いしたいと思います。よろ しくお願いします。 ○平山座長  皆様、こんにちは。今のお話にもございましたが、朝夕は少し涼風が立ちますけれど も、まだ日中は暑い日が続いております。夏のお疲れが出るころかと思いますが、お気 をつけくださいませ。  では、これから第7回「健やか親子21検討会」を始めさせていただきます。  ただいま御紹介がございましたけれども、本日から日本看護協会の小野常任理事に新 委員として御出席いただいております。最初に、小野委員から一言御挨拶をお願いいた します。 ○小野委員  日本看護協会の小野でございます。  私は地域保健を担当してございますので、この委員会の中に加えさせていただきまし て本当にうれしく思っております。また、地域におきましては平成9年度から母子保健 を一貫的に行うように市町村と保健所が役割分担をいたしました。その辺で母子保健計 画を大変きちんと立てて実施しておりまして、このたびの「健やか親子21」のまとめを ちょうど折り返し点として参考または意見を十分取り入れさせていただければという意 見で待っております。大変期待しているのが地域の実情でございますので、またよろし くお願いいたします。 ○平山座長  どうもありがとうございました。よろしくお願いいたします。  それでは、まず事務局から本日配っていただいております資料の御説明といいましょ うか、確認をお願いいたします。 ○椎葉課長補佐  本日の資料ですが、議事次第を御参照の上、御確認いただければと思います。  まず、検討委員会の委員名簿です。  そして、資料ナンバー1「主要4課題の問題認識・取組の方向性・具体的取組につい ての中間まとめ」です。続きまして資料ナンバー2「国民・地方公共団体・国・専門団 体・民間団体の役割について(案)」です。そして、資料3ですが、「目標(値)の作 成について(案)」、玉転がしの絵がついているものです。  そして、資料ナンバーはついておりませんが、2種類用意しています。「主要4課題 に共通する各主体の役割(案)」、1枚めくっていただくと中にA3の折り込みが入っ ているものでございます。もう1部は「目標(値)項目設定の考え方」です。これは全 部で11ページの資料です。  以上が事務局から用意した資料ですが、前川委員から本日御提出の資料がございま す。まず、小児保健医療水準を維持向上させるための環境整備に関する日本小児保健協 会の前川先生からの御意見でして、このたたき台に関して3つほど御提言をいただいて おります。最初に御紹介いたしますけれども、このたたき台の中に最も重要である普通 に生まれた子を健全に育てる視点が欠けているという御指摘がございます。そして、乳 幼児の健全育成の施策の大きな柱が乳幼児健診であるということです。この健診につき まして3つの御提言をいただいておりまして、1つ目が健診の質の向上の問題です。2 つ目が、健診を通じてハイリスク家庭の発見と心の健全育成と虐待防止に努めること。 3つ目が、産院よりのハイリスク家庭情報の収集と支援でございます。また、小児保健 協会の活動の重要性の御指摘もございます。  これに関する資料といたしまして、「タッチケアについて」という資料とパンフレッ トも御用意していただいております。また、「小児科医の進める子育てに役立つ健診ガ イド」、赤い資料です。それから、「心と体の健診ガイド:幼児編」、これは日本小児 科学会、小児保健協会、小児科医会の3医師会がまとめたガイドブックです。これらの 資料を御提出いただいております。前川委員の御提出の意見につきましては後ほど御説 明する中間まとめのさらなる検討に加えさせていただきたいと思います。  以上でございます。 ○平山座長  ありがとうございました。  お手元にそろっておりましょうか。もし足りない部分がございましたら、おっしゃっ ていただければすぐお配りいたします。  それでは本日の予定でございますが、お手元の議事次第にございますように、最初に 問題認識・取組の方向性、具体的取組についての中間まとめについて御報告いただきま す。これは既に先生方のお手元にも届いていると思いますが、後ほど椎葉補佐から御報 告いただきます。その後に資料にございました団体等の役割あるいは目標値についての 検討に入りたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  では、最初の議事(1)になりますが、中間まとめについての御報告を事務局からお 願いいたします。 ○椎葉課長補佐  それでは、資料1です。  前回8月21日の討議におきまして、妊娠・出産・不妊に関する課題と小児保健医療に 関する課題について御議論いただき、また、さまざまな先生から追加の御意見をいただ いております。以前に御議論いたしまして一たん取りまとめました思春期の課題と育児 不安の課題につきまして若干の修正の御意見などもいただきましたので、これらの御意 見を事務局で整理いたしまして、この4つの課題についての問題認識、そして取組の方 向性・具体的取組につきまして事務局で整理いたしまして、最終的に平山座長に御了解 をいただきましたのがこの中間まとめです。  これは、今までの議論の概要を中間的に取りまとめたものでして、このまとめにつき ましては関係者からの問い合わせや御説明の際に今「健やか親子21検討会」ではこうい ったことを議論しているという御説明する際などに使用させていただきたいと思いま す。  なお、この中間まとめにつきましては複数の委員から長いのではないかという御意見 や、いろいろな表現についてまだ修正の余地があるのではないか、課題と内容のダブり が見られる、各課題について整理の仕方が詳しいところとそうでないところなどもあっ てさらなる検討も必要だということもいただいておりますので、今後、事務局で修正い たしまして、次回の会議におきましては最終報告書の体裁にまとめてお示ししたいと思 います。会議の前には先生方のお手元に届くようにしたいと思っております。  以上でございます。 ○平山座長  ありがとうございました。  先生方からいろいろ御意見をいただいたのをもとに直したり、あるいは直し切れてい ない部分は次回の最終へのまとめに向けて事務局で手入れをしていただくことになって おりますけれど、後ほど中間のまとめが出ました機会にこれだけは最終まとめに向けて 言っておきたいという委員がおられましたら、何でも結構でございますが、御発言をお 願いしたいと思います。いかがでございましょうか。 ○田中委員  今回、中間まとめというのですけれども、大きい表題のタイトルは何とするのかとい うことが抜けているのかなと思うんです。「主要4課題の問題認識」ということで中間 まとめというのですけれども、この一番大きい上の紙は「健やか親子21」という課題に なるのかどうなるのかというのをちょっと。 ○藤崎母子保健課長  全体といたしましては健やか親子21検討会報告書ということでおまとめいただくこと になろうかと思います。この主要4課題の柱で一番中核になる部分でございますが、そ の前になぜこういうものが必要かとか、基本的な健やか親子21という考え方の特徴とか 推進方策とか、もろもろのことを書かせていただいて、そしてこの主要課題が来て、そ れから今日御議論いただきます各関係者の役割あるいは目標値等々が入って全体の報告 書になるというイメージで考えております。 ○平山座長  よろしゅうございますか。  そういう形にまとめていただく予定でございますので、よろしくお願いいたします。 ○北村委員  私も審議会等にかかわらせていただく機会があるわけですが、中間取りまとめの段階 でこれをインターネットに提示して国民の意見を広く収集するとか、あるいはそれが時 間的にかなわぬとしても、今日議論されるのでしょうけれども、我々が期待する専門団 体・民間団体に向けてこれを一度送付して、さらにたたいてもらうという過程を経る考 えがないのでしょうか、あるいはおありでしょうか。 ○藤崎課長  結論から申し上げますと、特に今それは考えておりません。それは物理的な問題も一 つはございますが、一応これは国としてのビジョンを示していくということで関係各方 面の先生方にお集まりいただいて、その考え方を取りまとめてとりあえず提示していく ということで考えております。  この報告書が実際に出て、国民運動計画ということで関係者の御努力で推進されるに 当たりましては、その進捗状況の報告なりをインターネット等を通じて逐次お流ししな がら関係者から、あるいは国民の皆さんからの御意見をいただきながらまた考えていく という手順でいかがかなと思っております。 ○北村委員  しばしば話題になるのですが、私も幾つかの関係団体に所属しているのですけれど も、私は関係団体の代表としてここに出席しているという認識が実はないものですか ら、例えば日本思春期学会とか日本母性学会とか、しかし、現実には今日議論される中 で専門団体に対する期待が込められるわけであります。しかし、これを向けられた専門 団体が我々に何ら働きかけも相談もなく、期待だけをぶつけるのはどうしたものかとい うことが起こらないとも限らない。そういう意味で時間的制約が十分ないことを承知し ているのですけれども、そのあたりは大丈夫でしょうか。 ○藤崎課長  関係団体の役割は比較的包括的に書いているわけで、どの会に何をしていただきたい ということではなくて、医療関係団体であればそれぞれの課題に対して考え方の方向性 なり具体的方策がこの中で提示されておりますので、そういうことをこの検討会として は期待している取りまとめになろうかと思います。それをこれから先、具体的に推進協 議会等をつくって御参画いただく中で、むしろそれぞれの団体が自分たちは何ができる のか。もしそれと考え方が違うということであれば、ある意味で御参画いただけないこ ともあり得るのかなとは思います。そういうことはないと思いますが、そういう形でそ れぞれのかかわり方をどのように構築しながらこの運動計画に参画していただけるのか とお考えいただければよろしいのではないかと思っております。 ○平山座長  よろしゅうございますか。  では、そのような方向で今後よろしくお願いします。 ○新家委員  前回、体調を崩しておりまして欠席させていただきましたので、細かいことになると 思いますけれども、今日の資料の10ページの一番上でございます。「剃毛、浣腸、導 尿、仰向けの分娩姿勢、会陰切開などの産科ルチーンや」というところを削除していた だきたいと思います。その他のところまで削除いたしまして、「有効な医療を追求する 観点から、産科技術についてリスクに応じた検討やEBMに基づく見直しを行う必要も ある」としていただければ幸いです。前回の資料は産婦人科の医師の我々の団体の執行 部の連中に対するアンケートがございましたけれども、現在、産科のルチーンとしてや っている人は1人もおりませんでしたので、あとは医師の裁量権とインフォームド・コ ンセントの問題でございますから、こういう細かいことをここに書く必要はないと私は 思います。以上です。 ○平山座長  ありがとうございました。 ○古平委員  第IV章の「育児不安の解消と子どもの心の安らかな成長の促進」で、今、子どもに対 するテレビの影響ということは非常に考えなくてはいけない問題だと思うんです。その ことについてここでは何も触れていないので、私は遅くなったのですが自分の意見を出 したのですけれども、ここに出ていないのでどのように処理していいのかわからないの ですけれども、意見としてはテレビというのは子どもに対する一方的なかかわりしかで きないものだから、この際、母子での読書の習慣を早目につけるという運動も1つ加え ていただきたい。  そのためには、例でございますけれども、ブックスタートの運動というものがござい ます。乳児健診に行ったときにブックスタートバッグという袋がありまして、その袋の 中に赤ちゃん用の絵本、赤ちゃんに対する絵本の読み方のアドバイスとか、絵本のリス トや推薦するような本などのいろいろな資料を書いてある本を渡して啓蒙しようという 運動も最近始まっているようでございますので、そういう点についても触れていただき たいということ。  それから、日本ではテレビ番組について少し批判的な意見はあったりしますけれど も、本当に子どもに見せたくないという番組の場合はそれをカットできるような、アメ リカなどでも最近始められておりますけれども、そういう器具を普及させるとか、子ど もの心に対する影響という問題の研究をどこかでもっと支援して進めていくことを我々 の検討会で盛り込んでいただきたいと思います。以上です。 ○平山座長  ありがとうございました。  古平先生、何か御意見を出していただいてあるのですか。 ○古平委員  出したのですけれども。 ○平山座長  そうでしたらば今日間に合わなかったのだと思いますが、またそれを検討していただ いて盛り込むようになさると思います。ありがとうございました。  ほかにございましょうか。 ○熊谷委員  これから出るのだと思いますけれども、この文章を読んでいますとすぐ思春期に入っ たり、すぐに各論みたいなところに入ってしまいますので、きっと前文があると思って おりますが、基本的な考え方の共通認識をぜひきちんと書いていただきたいと思います のは、人間の子どもをどうとらえるかということとか、育児不安ということをよく使い ますけれども、育児ということの概念みたいなものを前文に書いていただけますと、皆 さんと共通認識のもとにこれを読めるのではないかと思いますので、お願いしたいと思 います。特に人間は自然に育児ができない動物だと思いますので、学習しないとできな い動物というマイナス面もありますので、そういうところを基本で書いてくださると、 この中の文章がわかりやすいのではないかということをお願いしたいのですが、きっと そのおつもりだと思いますけれども、お願いいたします。 ○平山座長  ありがとうございました。そのようなおつもりでお願いいたします。  ほかにございましょうか。 ○小野委員  途中からなのに申し訳ございません。この「健やか親子21」という枠組みでございま すが、これが成文化されて計画が立ち上がるのを市町村が大変待っていると先ほど御挨 拶で申し上げましたが、母子保健計画を平成9年度からしっかりつくって、総合計画の 中で市町村で動き出しておりまして、その中に数字の指標を持ってございまして、かな りいい計画を立てております。その辺で今後、市町村とのかかわりの中でこの「健やか 親子21」がどのようにその計画とリンクするか、またはこれは全く健康づくり運動で別 個ですというふうに、もし地域計画を立てることがございましたら、その辺の概念また は考え方を整理してあげないと市町村は迷うだろうなと思っておりますのでよろしくお 願いいたします。 ○平山座長  ありがとうございました。  この「健やか親子21」ができ上がって発表されたとき、それをどのように使うか、特 に各市町村の母子保健計画作成などにどのようにかかわるかというあたりだと思います が、課長からお願いいたします。 ○藤崎課長  市町村の母子保健計画は平成14年に見直しになるという時期に当たっておりますの で、これが予定どおり10月末にある程度おまとめいただければ、平成13年からこの全体 計画がスタートするわけですが、そういう中で平成14年の母子保健計画の見直しに向け てこの報告書を参考にしていただきながら、各市町村で独自にどの分野に力点を置いて いくか、あるいはどのように進めるかというのはそれぞれの市町村の自主的な御判断で やっていただくことですので、国がこういう方向というかビジョンを示しているという ことを踏まえながら組み入れていただければと考えております。  この「健やか親子21」は「健康日本21」の広い意味でのフレームの中に入ってはいる わけですけれども、生活習慣病対策ということを中心にした従来の枠組みと母子保健は ある意味で独立した要素がございますので、そういう意味で母子保健領域での進め方は 必ずしもすべてがパラレルになるわけではないと思っております。そういう意味では都 道府県計画をつくるという形のことは特にお願いすることは考えておりませんで、この ビジョンを見た上でそれぞれの自治体あるいは関係機関・団体が自主的に創意的な取り 組みを実情に合わせて進めていただきたい。これが私どもの考え方でございます。 ○平山座長  ありがとうございました。 ○前川委員  12ページのIIIの1の上から3つ目の「○」に、乳幼児健診システムの質の向上が必要 あると問題認識のところに書いてあるのですけれども、17ページを見ますと地域保健等 のところに健診の項目が出ていないんです。ですから、これに対応するこれからの取り 組みといたしまして、ここに公的乳幼児健診の水準の維持と質の向上が必要であるとい う言葉を一言加えていただきますと、今回私が提案いたしましたその他の子どもにも結 びつくのだと思いますけれども、よろしく御配慮のほどお願いします。 ○平山座長  ありがとうございました。よろしくお願いします。  ほかにございましょうか。 ○櫃本委員  今の議論の中で幾つか確認というかお聞きしたいことがあるのですけれども、最初に 例の産婦人科の剃毛、浣腸、導尿という部分について産科のルチーンということではな くて、今現在こういうことはほとんどやられていないということですか。 ○新家委員  ルチーンとしてはやられていないと解釈されて結構だと思います。ただ、その状況に 応じて必要な場合は出てくると思いますので、そのときは医師の裁量権であって、それ と患者さんに対する説明で補えると私は思っております。一々細かいことをここに挙げ る必要はないし、まして会陰切開は社会保険の点数表の中に堂々と出ている項目であり ますから、そこを見直せというのも変な話かなと思っております。 ○櫃本委員  私はこの議論で実際に妊婦さんたちがこの件について非常に問題意識を持っていると いうことだったもので、さすがこういうふうにはっきり書いてすごいなと思いながら見 ていたのですけれども、実際の現状の中でどうも産婦人科の先生方と妊婦さんとの間の 意思疎通が図られているのかどうか。もし図られていないのであればはっきり書くべき だろうと思うし、これはただ一部の人たちが言っていることであれば除くべきだろうと 思ったのでそのように申し上げました。 ○新家委員  私どものような小さな診療所では完全に意思の疎通はとれていると私は思っておりま すが、戸田先生がこの前お示しになったデータのように大きな病院になればなるほどイ ンフォームド・コンセントができていないんです。したがって、それを徹していくのは 私どもの会の役割だと思いますし、既に8月号あたりにも私以外の人が同じようなこと を書いておりますので、会があるたびにそれは指導していくということで解決したいと 私は思っております。 ○平山座長  よろしくお願いいたします。 ○戸田委員  新家先生のお話を伺っていて「細かいこと」とおっしゃっていらっしゃることが非常 に心に引っかかりまして、女性の一生の中でも出産の時の浣腸、剃毛というのは、非常 に大きな位置を占める経験です。中でも、浣腸、剃毛、会陰切開ということで自分の希 望が聞き入れられなかったということは女性の一生の中で非常に重いことです。このこ とが十数年間放置されてきた現状を踏まえて、ここで即刻対処していただきたいという 意味では、そういうことで泣く女性がもう一人も出ないようにするためにはきっちり明 記されるべきだと感じております。 ○新家委員  細かい指導はするつもりでおりますけれども、私どもの会の考え方はより安全性が先 に立つと思います。より安全性の上で、さらにより快適性という考え方をしております ので、安全性が損なわれる場合はあり得るということを御理解していただきたい。 ○戸田委員  子どものけんかのようになってしまって申し訳ないのですが、効果がある処置であれ ば安全性という言葉と結びつくと思うのですが、過去20年間のエビデンスの中で全く一 つの研究もこれが効果があると出してきていないのが浣腸、剃毛でございます。これは あくまでも本人が浣腸、剃毛してほしいと言ったときに限って適応があると考えられる ような処置でございますので、あるいは仰向けで寝る姿勢も正常分娩の場合には本人の 希望においてのみ適切な分娩姿勢だという中で、これを安全性という言葉と結びつけて おっしゃられるのは納得がいきません。 ○新家委員  これを論議するときりがなくなると思うのですけれども、私どもは常に安全というこ とが頭の中にあります。したがって、浣腸が必要である場合には説明いたしますし、こ の前も書きましたようにいまだに半剃毛を全例に施行している医療機関もございます。 これはどんな状況が起こるかはお産が終わってみなければわからないわけで、私どもの 考えとしては最悪の事態を考えて対応しているつもりです。ですから、本人が希望した からやるということではなくて、希望しなくてもやらなければならない場合はあると私 は思います。 ○平山座長  このぐらいで終わりにいたしますが、この議論は前からあるようでございますけれど も、最終まとめに向けて厚生省の立場ということもありましょうし、各団体等の御意見 もありますので、その辺は最も適当と思われる表現でこのあたりを書くということで今 日は預かりにさせていただきます。済みませんが、それでよろしくお願いいたします。 ○櫃本委員  こういう議論になると基本的にヘルスプロモーションというか、住民主役という観点 を常に確認しながら議論すべきだろうと思います。先ほどのテレビの問題や読書の問題 も、ともすれば住民に押しつけることにならないように常に考えるべきだろう。その中 に読書が果たして本当にいいのかどうかというEBMも入ってきますし、私自身は古平 先生が言われたように読書を勧めることに関しては賛成ですが、それが本当にEBM的 にどうなのか。あるいは、テレビをカットするといっても実際に出されているものにそ ういう形ができるのかという部分がヘルスプロモーションの考え方の中で、住民は信頼 して、住民の選択意思を重視していくという発想、専門家がこれがいいのだからという 形で押しつけるのは極力避ける形が必要だろうと、この「健やか親子」の検討はこのよ うに思っております。 ○平山座長  ありがとうございました。  ほかにもまた御意見おありかもしれませんが、いずれにしましてもこれは中間まとめ でございまして、今までの4つの課題について検討してきていただいた内容を今の時点 で取りまとめたということでございますので、最終報告に向けてさらに修正を加え、あ るいはほかに御指摘があったように、報告書といいましょうか全体の文章としてわかり やすい格好にまとめていただくような宿題がいろいろありますけれども、この辺は事務 局にお任せいただくということで今日のところはよろしゅうございましょうか。 ○北村委員  事務局にゆだねるにはやや荷が重いかなと私は思うんです。これは基本的に「健やか 親子21検討会」として世に出そうというならば、今のような議論のある部分について は、この検討会の中で多数を占める議論を優先するぐらいの形でやらないと事務局は困 るのではないでしょうか。これは我々の責任で、例えば私も産婦人科の立場で、しかし 私はお産を取り上げるなどという機会もほとんどない中での話ですから、新家委員の言 われていることもよくわかりますし、戸田委員の言われている微妙な思いもよくわかる のですけれども、このあたりのことも含めてこの検討会の総意を出さないと、事務局預 けにしてということでは済まないのではないかという感じがするんです。先ほどの本を 読もう議論も、私は櫃本先生の言われることはよくわかりまして、今までの押しつけ的 な子育て観みたいなものが功を奏さなかったという反省の中でこれが生まれてきている わけですから、幾つか議論のある部分については検討会としてきちんと総意をまとめる 必要があるのではないかと思います。 ○平山座長  ただ、例えばお産のときの実技に属する部分というのは私自身はわかりませんし、委 員の方々のうちの過半数は産科医ではないのでおわかりにならないと思います。この辺 はいろいろな御意見、それぞれのお話は私もわかるのですけれども、例えばテレビや絵 本については私もある考えはありますけれど、これを今、全員の多数決という格好でま とめようと思っても時間的に無理でございますので、とにかく最終まとめは事前につく っていただいて配付していただく。その上で次の会に臨むという予定でございますの で、それをつくるのは大変でしょうけれども、まずそれをごらんいただいて御意見をま た出していただく。この次あたりに、もし差し障りのある部分があれば検討会の全体の 意見として最終的には多数決をとらなければいけない場面があるかもしれませんけれど も、次回までお預けにさせていただいて、荷は重いでしょうが、事務局にお預かりいた だきたいと思います。  それでは、次の議題にもいろいろ時間がかかりそうですし、あるいはいろいろな御意 見があると思いますので、2番目の議題でございます国民・地方公共団体・国・専門団 体・民間団体の役割についての検討につきまして事務局から御説明をお願いいたしま す。 ○椎葉課長補佐  それでは、資料2をA3版の主要4課題に共通する各主体の役割(案)を御参照いた だきながら、説明をさせていただきます。  国民・地方公共団体・国・専門団体・民間団体の役割(案)です。こちらの資料は前 回まで4つの課題についてたたき台ということでお示ししたところがございましたけれ ども、そのたたき台の中の後ろの方に載っておりましたところを抽出いたしまして、そ れから各先生方からいただいた意見などにいろいろ検討を加えまして事務局で整理した ものです。それにつきましては理解をわかりやすくまとめたものがこちらの主要4課題 に共通する各主体の役割と、それからA3ですが、国民・地方公共団体・国・専門団 体・民間団体の役割の例を各課題ごとにそれぞれの各主体にどういう役割があり得るの かをお示しした表です。まず、これをもとに御説明したいと思います。  主要4課題に共通する各主体の役割ですけれども、順番といたしましては1回目の議 論のように国民運動ということで一番上に国民、そしてその次にそれを支援する地方公 共団体、そして国が来て、専門団体、民間団体という順番で整理することにしておりま す。  国民ですが、基本的には4つの課題についてまず認識を深める活動に積極的に参画し ていただく。それと、みずからの健康は自分で守る力を向上させていただく。そして、 これらの課題について地域のものとして受けとめて、関係機関と連携して共同して、そ の解決に向けて努力を重ねていくような役割を担っていただきたいということで整理さ せていただいております。  地方公共団体は、大事なキーワードが「地域特性を重視」というところと、「国民 (住民)が各課題を地域の課題として解決に取り組めるように支援を行う」というとこ ろでございます。そして、地方公共団体の関係部局が連携して積極的に取り組む事項の 例示といたしまして、まず地域における各課題の目標値の設定や評価、計画のフォロー アップ、地域における関係者への研修、また関係団体等の育成、そして地方公共団体は 千差万別ございますけれども、先進的な自治体からの情報提供に基づいた活動の推進と いうものが挙げられるということで整理しております。  国の役割ですが、国はまず国民が地域の課題として共同して解決に取り組めるように 地方公共団体や関係機関が積極的に支援できるよう、必要な情報の収集、そして調査研 究等による科学的知見の集積や健康教育・学習教材の開発などに努め、国としての目標 や方向を提示し、各種制度の整備等の取り組みを行うとともに、関係団体の積極的な参 加を図り、国民運動として展開されるように推進する。かなり欲張って書いております が、いろいろなことをやって関係機関をまとめて1つの方向に国民運動として展開して いくように推進するということでございます。  そして、例示ですが、国レベルの目標値の設定、評価、推進協議会による計画のフォ ローアップ、関係者への系統的な研修などが必要だというところです。後で御説明した いと思いますが、各種制度の整備の取り組みの中に診療報酬などの検討なども含まれる という理解です。  (4)は専門団体ですけれども、専門団体のキーワードは、その専門性を活用して各 課題に関する相談や治療、調査研究、啓発普及、また人材の育成等に積極的にかかわっ ていただきたいということと、また、その専門性を活用して住民の積極的な支援や国や 地方公共団体の施策にぜひとも協力していただきたいということで整理しております。  そして、最後は民間団体です。国や地方公共団体、国民、専門団体間のコミュニケー ションを円滑にするなど、公益的な視点から組織的な活動を行うことに大きな役割を果 たすということから、自主的・積極的に活動を行っていただく役割ということで整理し ております。  そして、各論ですが、次のページをごらん下さい。各主体ごとに分けております。国 民、地方公共団体の中には都道府県から政令市、中核市、市町村、特別区、教育委員会 も入れております。そして、国は来年の1月から省庁名が変わりますので、厚生・労働 省、文部・科学省という名前を入れております。  専門団体、民間団体の例示といたしまして、専門団体は順不同ですが、日本医師会を 初めさまざまな関係学会などこういう団体が入ることになります。民間団体に関しまし ては母子保健関連、また健康保険、いろいろな予防接種や学校保健、事故防止に関係し ている所、メディアや建設業というものや虐待予防、女性労働に関する団体などをこう いう形で例として挙げおります。  また前のページに戻っていただければと思います。そういう各主体を想定いたしまし て、まずIですが、思春期保健の問題に関しまして国民の役割ですが、思春期の子どもた ちに対する適切な応援ができるよう努力していただくことを共通事項に加えて整理して おります。  また、地方公共団体ですが、思春期を過ごすのは主として学校だということで学校保 健の取り組みをかなり入れております。それから地域保健福祉と学校の連携の強化、思 春期に関する地域医療の整備、そしてメディアの有害情報に対する取り組みの強化とい うことでまとめております。  国の役割ですが、性や性感染症、薬物や心の問題に対する対策マニュアルの策定や教 育教材の開発や作成、関係者に対する研修や専門家の育成、国立成育医療センターの児 童・思春期精神科の充実を揚げております。  専門団体は、思春期の外来や病棟の整備、児童精神科医の確保や養成、そして思春期 保健に関する市民講座への協力、また産婦人科医や小児科医の日常診療において思春期 の心に着目した活動の推進を揚げております。  民間団体ですが、各種の相談や情報、若者委員会の開催、またピアカウンセリングの 実施、民間団体の思春期保健活動の推進、またマスコミの有害情報の自主規制といった ことを揚げてございます。  次の妊娠・出産・不妊の問題ですが、これは国民の役割をかなり揚げておりまして、 妊産婦に対する優しい社会の実現やひとり親や若年妊婦、障害を持つ妊婦への支援・配 慮、また働きながら出産でき、再就職が可能な社会の構築、父親が育児に気軽に参加で きる企業風土の育成、また不妊治療を受けている人への配慮という優しい世の中にして いただくための役割をかなり入れております。  地方公共団体でございますが、基本的に保健所や市町村保健センターと医療機関の連 携を強化していただくことと、妊婦に優しい社会環境づくりを推進していただく。ま た、周産期ネットワークの整備、そしてリスクを持つ親に対する支援、また産褥期ヘル パー、不妊に関する相談センターの整備を揚げております。  国の役割ですけれども、快適な妊娠・出産を支援するような予算措置の制度、また労 働省でやっております母性管理健康指導事項連絡カードの普及、また各種の調査研究、 国立成育医療センターの整備を揚げております。  そして、専門団体ですけれども、主として産婦人科関係の団体と看護婦関係の団体で まとめさせていただいております。産婦人科関係ですが、医師の研修や分娩のQOLの 向上、EBMに基づく産科医療の推進、また地方公共団体が行う周産期医療ネットワー ク整備への協力や産後うつ病、心のケアの推進、また正常分娩対応や不妊治療に関する ガイドラインの策定、また小児科との連携の推進を挙げてございます。看護関係として は、助産婦の研修や助産婦活動のガイドラインの策定、また看護関係の分娩、出産、産 褥におけるメンタルヘルスケア体制整備とまとめさせていただいております。  そして民間団体は、妊娠・出産・産褥への支援や育児支援、不妊相談・カウンセリン グという民間団体としての役割を書いております。  そして3番目は、小児医療保健水準です。国民に対しましては、事故防止や予防接種 についての理解を深めていただく。それから、小児の病気や治療について理解していた だくことと、小児医療機関の適切な利用についても理解を深めていただく役割を担って いただく。  そして、地方公共団体ですが、地域保健の分野におきましては事故やSIDS予防対 策を推進する。病後児保育と言われる乳幼児健康支援一時預かり事業の推進や予防接種 センターの整備、自治体立病院の臨床研修病院での研修、小児科医師の確保対策や救急 体制の整備を担っていただく。  また、国といたしましては障害児の早期発見と療育の整備や医学部の卒前教育の小児 科教育の充実、各種ガイドラインの整備、成育医療センターの小児医療の整備を行うな どを揚げております。  そして、専門団体は、小児科・新生児科を中心にまとめてさせていただいております が、小児科医の確保や女性医師の対策、施設のクオリティ・コントロールや小児医療供 給体制整備への協力、また学校保健等への協力、親に対する小児科受診マニュアルの作 成についてまとめさせていただいております。  民間団体でございますけれども、主に慢性疾患児の家族支援や家族に対する宿泊施 設、患児への支援、カウンセリング、事故防止の対策を担っていただくというふうにま とめております。  最後のIVの育児不安と子どもの心の安らかな成長の促進ですけれども、国民に関して は、みずからの育児力を向上させる役割を担っていただく。  地方公共団体ですが、育児支援情報の提供や虐待予防対策の推進や心の問題に留意し た健診の実施、母子保健における虐待予防などを展開していただく。また、相談窓口な ど、サポートネットワークをつくっていただく。  国といたしましては、地方の支援といたしましてモデル事業や先駆的事業の情報提 供、育児不安や虐待の実態把握、健診のいろいろな手法の開発、マニュアルやガイドブ ックの作成、そして成育医療センターの心の充実をまとめさせていただいております。  そして、専門団体ですが、産科医、小児科医の日常診療において親子の心の問題に対 応できるようなカウンセリング機能の向上とハイリスクの妊産婦や極小未熟児などに対 するフォロー体制整備への協力ということでまとめております。  最後の民間団体ですけれども、虐待の分野で公的機関にはない異なった形で関係者の ニーズに対応していただくことと、親子の心の問題への取り組み、心を意識した活動を 推進していただくというふうにまとめております。  以上でございます。 ○平山座長  ありがとうございました。  各団体等の役割分担でございますが、B4のマトリックスの表でわかりやすく整理し ていただいております。ただしこれはあくまでも役割の例ですから、あれが落ちてい る、これが落ちているという話になるとまだまだいろいろ出てくると思いますけれど も、この中に入れておく必要があることがあるかもしれませんし、その他いろいろな御 意見があろうかと思います。この役割分担の問題につきまして御意見、何でも結構でご ざいます。お願いいたします。 ○田中委員  「役割」という表現が本当にこれでいいのかどうか、ちょっと押しつけがましいのか なという、その辺の配慮があった方がいいのか。何かお上から押しつけられたという感 じを受けないのかなという心配が少しあって、この部分を最終取りまとめの中に入れる のがいいのか、推進会議体で盛り立てていくのがいいのかということについて検討する 必要があるのかどうか、余り頭の整理ができないのですけれども、役割ということで検 討会が大上段に言ってしまうことが本当にいいのかという気がして、問題認識について は検討会で検討したということでいいと思うのですけれども、次のステップに対しても う一歩何かあった方がいいのかと思って、例としてはこういうものがありますよという ことを検討したのはいいと思うのですけれども、これをしなければいけないのではない かという誤解を受けることになると、各団体から反発を食うのではないかということを 危惧しています。その辺のことについて大丈夫ならそれでいいのですけれども、どうな のかを皆さんでディスカッションしたらいいのではないかと思います。 ○平山座長  ありがとうございます。  これは先ほどの藤崎課長の御発言の中にもありましたけれども、我々の仕事ができ上 がった上で健やか親子21の推進協議会的なものを各分野・団体の方々に集まっていただ いて年間計画あるいは定期的な相談をしながら国民運動として広げていくことを1つの 筋道としてお考えだと思うのですけれども、役割と言われると押しつけることになるか しら。どういう表現がいいか、またさらに考えることにいたしまして、今のお話に関係 があってもなくても結構ですが、御意見をどうぞ。 ○櫃本委員  かねてから私は「自分の健康は自分で守る」という言葉がもうひとつピンと来ないの ですが、地方公共団体・国・専門団体・民間団体はみんな集団なんですね。国民だけが 単数で、確かに単数で力を入れていくことはあるのですけれども、これらの問題を地域 のものとして受けとめ、関係機関というのは1人では現実にはなかなか難しいので、自 分たちの健康は自分たちで守るという表現は国民の中でも−−私はNPOとかボランテ ィアとか地区組織はこれから非常に重要なキーを持つと思うんです。以前も申し上げた のですけれども、国民の役割という言葉はちょっとあれですけれども、この中で集団と いった表現がもう少しとれないか。  それと地方公共団体もですけれども、NPO等の育成ということになると、これは基 本的に住民の自主的なものに対する支援ならいいのですけれども、育成というと保健委 員をつくるみたいなイメージにとられないか。偏った見方になるとそのようにもとれる ので、育成という表現は何かほかの方法はないかなと思ったんです。 ○平山座長  ありがとうございます。育成と支援ではニュアンスが大分違いますから、実際につく るときには言葉に気をつけなければいけないですね。  ほかにございましょうか。 ○前川委員  IIIとIVですけれども、まずIIIで感じますのは、これでは小児科医は病気のことばか りやっていればいいということで、小児保健のことが1つも入っていないんです。です から、ぜひこれは小児保健協会ではなくて、小児科医としてのこれからのビジョンとし てぜひ小児保健のことを加えてほしい。まず、国民のところに事故防止や予防接種、さ らに乳幼児健診についての理解です。先ほど櫃本委員がおっしゃったように、これから は個々の認識に基づいた予防接種なり健診が必要ですから、ぜひ国民の人々にそのこと を理解してほしいということが1つ。  それから地方公共団体のところに先ほど私が申し上げた「乳幼児健診の水準の維持と 質の向上」という言葉を入れてほしいということが1つ。これはこれからの子どもの健 全育成において疎かにされては困ることですので、ぜひ入れてください。  それから、(4)の専門団体のところに「○」として、小児科医のやることとして 「小児保健(乳幼児健診、予防接種、乳幼児健康支援など)への積極的な協力」という 言葉をぜひ入れてほしいと思います。  次のIVの育児不安の解消の小児科医のところにでも、小児科医の育児支援とかハイリ スク児への支援の積極的参加など、ぜひそういう言葉を入れてほしいと思います。ぜひ お願いいたします。  もう一つ、これは厚生省の方々にお願いですけれども、専門団体のところを見てくだ さい。私の健診ガイドブックもそうですが、日本を代表する小児科の団体が3つあるん です。日本小児科学会、日本小児保健協会、日本小児科医会。これは歴史上で3つの団 体を並べるときには必ずこの順番で並べるというのが私たち3団体の歴史上の約束でご ざいますので、厚生省としても日本小児科学会、日本小児科医会、日本小児保健協会と いう並べ方は非常に困るのでございます。ですから、仲間割れがしませんように、ぜひ その規則はお守りいただきたいと思います。以上です。 ○平山座長  よろしくお願いいたします。  前川先生、今おっしゃったことはメモで事務局に出してください。メモし損ねている といけませんので、よろしくお願いいたします。  ほかにございましたらどうぞ。 ○徳永委員  民間団体のところで日本子どもの虐待防止研究所となっているのですが、こういう研 究所があるのでしょうか−−ないですよね、JaSPCANのことだと思うのですが、 研究会ですよね。  それと、子どもの虐待について民間団体としては社会福祉法人になっている子どもの 虐待防止センターは保健所と市町村の育児支援や虐待防止の活動にかなり協力しており ますので、子どもの虐待防止センターをここに位置づけていただくとありありがたいな と思うのですが、よろしくお願いします。 ○平山座長  この専門団体・民間団体は例として挙がっていますが、これは多分それぞれの存じ寄 りの方から言うと落ちがあると思いますので、これも本当に全部を網羅できるかどうか は別として、こういう例を挙げるときにこの団体なりをぜひ入れておいてほしいという ご希望がありましたら、これも事務局の方へメモで送っていただけませんでしょうか。 よろしくお願いいたします。 ○巷野委員  子どもの問題を考えるときに今、全国で保育所が2万 2,000カ所あって、約 200万人 近い子どもが入っているわけです。その団体がここに載っておりますが、私はその中で 特に保健の問題をやっておりますので、追加していただきたいのが日本保育園保健協議 会でございますが、よろしくお願いします。  もう一つは、特に子育て支援ということを考えたときに、順序が逆ではないかとかね がね思っています。育児不安の解消と子どもの心の安らかな成長。子どもの安らかな成 長のために育児不安を解消するという方ではないでしょうか。子どもが健康に成育する ためにはどうするかということを考えていく。それには子どもの立場になって世の中を 考えていくことが基本です。そのためには、基本的に例えば家族の問題、親の問題が中 心になるのではないかと思うんです。それができないときに保育所に入るとか福祉があ るわけでございまして、どうもその辺が近ごろ逆で、保育所に入るために家庭がどうす るかという考え方について小児科医としては残念に思っております。したがって、IVの 前文を書くときなど、子どもの成育にとって何が必要なのか、どういう環境が必要なの か、例えば親、家族です。この間、文部省が近ごろ小学校のPTAの会に父親が出席で きないために教育休暇をやってはどうか、父親が会社を休めるようにということがあり ますが、子どもの場合には病弱の場合に家庭でできるような、病気のときにお母さんが 休めるような育児看護休暇ということも成育の中の基本的なところではないかと思うわ けです。そういったことから前文かどこかに「子どもというものは」と言うことで、子 どもの成長にとって何が必要かという基本を挙げて、そして世の中がこうなっているか らこうしましょうという論理を展開していただけたらと思うわけでございます。 ○平山座長  ありがとうございました。  先生のお話があったところで伺って済みませんけれども、IVの柱の言葉遣いです。子 どもの心の安らかな成長の促進という「成長」という言葉をここに使ってありますね。 普通、心みたいなものというとディベロップメントだから「発達」を使うのかなと思う のですけれども、子どもが健やかに伸びるというと若芽の絵を描いてあったりするんで す。そういう感じから言えば成長なのかなと一般的には思うかもしれないのですが、こ の場合、言葉として「心の安らかな」の次に来るのは「成長」がいいのでしょうか、 「発達」がいいのでしょうか。 ○清水委員  医学的な厳密さを求めるのであれば、やはり「発達」だと思います。「成長」は体の 計測可能な形態面に主に使うもので、心を中心とする場合は「発達」だと思います。 ○平山座長  ありがとうございました。 ○巷野委員  私ども小児保健の中では体が大きくなるのが「成長」、木が成長するとか、時には水 晶のような結晶も大きくなっていくのを成長と言っているそうでございますが、要する に大きくなっていくのが「成長」。そこにいろいろな機能とか何かが未熟から成熟にい くのが「発達」で、その両方を合わせて「発育」。ところが、発育というのは英語では ないのだそうですね。ですから、よく「成長と発達」という言葉で使っておりますけれ ども、発育というのは全体を合わせて言いますけれども、時には発育というのが発達だ けを含むこともあるし、体が大きくなるのを含めないで発育と言っているところなども あるようですが、その辺はどうですか。私はそのように解釈しておりますけれども。 ○平山座長  私もそのように教わっておりますが、母子健康手帳の後ろの方に体重のグロスカーブ がございますが、あれは発育曲線と書いてあるんですね。ただ、あれには体の成長の曲 線と同時に、下にお座りがいつからいつごろできるという発達の部分が載っていますか ら、両方書いてあるから発育でいいと説明して今まではごまかしてきたのですけれど も、心の場合、発達の方がいいのでしょうか。ほかの小児科関係の先生方、いかがでし ょうか。 ○柳澤委員  この点に関して、IIIの最初の案の課題名もその点を含めて直していただいたのです が、IVについても成長と発達に関しては今議論があったのと全く同じことを私も前に発 言したことがございます。成長と発達、英語ではグロース・アンド・ディベロップメン トと言いますけれども、成長はサイズ(大きさ)の変化、大きさに伴う形の変化をい い、発達は、機能が成熟に向かって変化していくことをいいますから、これは厳密に言 えば「心の安らかな発達」の方がふさわしいのですけれども、言葉遣いが余りなめらか でなくなるかなという感じがしないでもないです。 ○熊谷委員  一番最初に私が基本的な考え方の共通認識を出したのは実はそのことがありまして、 言葉がいろいろに使われると理解できないので、前にお話がありました例えば「心」と いうときに認識形成とか、そしてその中で脳の発達というお話がこの前ありましたけれ ども、そういうことを考えますと、我々実践する側としては理解が学習そのものであり ますので、先生方の基本的に共通した言葉の概念はぜひ総論の中で押さえていただけれ ば読みやすいというのが、実は最初に出した問題が今ちょうど出まして、そこら辺が例 えばヘルスプロモーションの概念から言うと、考えてみると主体的にプロセスを踏むこ とをすごく大事にしますね。方法論ではなくて考え方というのが出ましたけれども、そ ういうところも含めて言葉の中に「させる」というようなことがちらちらと出てくるの で上から下というので、基本的な考え方はどこを読むかということだけは言葉を統一的 にとらえるという意味でもすごく大事だなということを読んでいて思いましたので、先 生方によろしくお願いしたいと思います。そういう意味です。 ○平山座長  ありがとうございました。 ○北村委員  この一覧表はもちろんかなり落ちているところもありましょうし、ややくどい感じも します。できるだけ重要なポイントだけを書く形にするのがという感じがします。例え ば産婦人科関係でEBMに基づく産科医療の推進−−EBMに基づく医療というのは産 科に限ることではないわけでありまして、すべての項目に関係していることです。あた かも日本の産科だけがEBMに基づく医療が行われていないかのような印象を与えるの はどうしたものかなという感じがします。これは共通項目の中にまとめて、あるいは医 師の研修の実施などは共通項目でいいのではないかという気がします。  それとIIの妊娠・出産の部分は、不妊治療を受けている人への配慮とまで書くなら ば、私は不妊の当事者や産まないことを決めた人への配慮ということまで書けると大変 成熟した社会、国もさすがだなという評価を受けるのではないかという気がします。少 子化が話題になる中、産まないことを決めた人への配慮が殊のほか足りないというのが 今リプロダクティブ・ヘルス/ライツの部分で大きな問題になっておりますので、そう いう書き方ができたらいいなという印象を持っております。 ○平山座長  ありがとうございました。参考になる御意見でございます。 ○小林委員  細かいことはまた書いて送らせていただきたいと思いますが、2つ大きなことで、1 つはIVの育児不安の国民のところが子育てしている親だけの責任のようなことになって しまうと思います。子育ては社会全体、みんながサポートして育てるという意味では、 2つ目の妊婦さんへの優しい社会のような内容をぜひ盛り込んでいただきたいと思いま す。  もう一つは、小児保健水準のところですが、小児医療機関、これはハードの面もマン パワーも診療報酬の面でも、もっと充実しないと進まないと思いますので、きちっと盛 り込んでいただきたいと思います。  以上です。 ○平山座長  ありがとうございます。 ○小野委員  先ほどから出ていますように枠組みが難しいと思うのですが、例えば保健所・市町村 保健センターという言葉を書きますと事業運営みたいな感じになるのかどうか。例えば 地域保健福祉と学校との連携強化という言葉と合わせると、同じことを言っているのか どうかということも疑問になります。そして、市町村の保健センターというくくりは、 私は言葉として市町村と地域でよく申していますが、保健センターはまだ 2,200ぐらい しかない。そうすると、この辺のくくりは建物の名称で申すとすれば、国と市町村の連 携が正確かと思います。そうしますと、例えばIVに育児不安の解消などになりますと、 育児不安の母子手帳交付から一連の乳幼児健診まで育児不安、マタニティブルー関係で 仕事をしているのが市町村または保健所の実態であるものですから、こういうところも 同じくくりになると言葉が全部あやふやになってくるのではないかと思っております。 気づいたところとしまして、具体的にはまた後でメモを事務局に差し上げられればと思 っております。  それから、IIの妊娠・出産に関する安全性の部分のくだりですが、母親教室から今は お父さんを参加させる取り組みに市町村は大変苦労して、いい仕事としてやっておりま すので、もし専門団体などの研修機関の関係でしたら助産婦の研修−−病院には助産婦 さんはいらっしゃるでしょうけれども、地域での研修を本当に保健婦にしていただかな ければならないと思うのは出産の絡みの心の問題を取り入れた研修、そして育児不安を 心を取り入れた保健婦の研修など、この新しい時代にはぜひ入れていただければ助かる と思いますので、その辺をよろしくお願いいたします。 ○平山座長  ありがとうございました。  ほかにあと1人か2人、お願いできますか。 ○雪下委員  専門家のいろいろな御意見があるわけで、気づいたところを二、三お話ししたいと思 います。  先ほどから熊谷委員が、総論的なものが必要ではないか、私もこれは大賛成です。と いうのは、前にこのメンバーの方も何人か一緒に出ておられました婦人手帳をつくる会 議に出席した時に、いきなりコンドームと性病の話がくる。まず総論的に、例えば結婚 というものがどうなのか、あるいは性と生殖の問題はどうなのか、子どもというものを どのようにとらえるのか、あるいは家庭と社会生活の意義、そういうもののコンセンサ スがないからいろいろな専門の方が、おのおのの見方でばらばらになってしまうのかな というのをこういう会に出ていつも感じております。少なくともその辺のところで総論 的なものがどうしても必要ではないかというのが1つ。  それから、今の例えば専門団体のところで、私も専門団体の一つに属しておりますの で、感じたことですが、確かに専門性ということで、医療に関しても、例えば児童精神 科医、あるいは新生児の小児科医の養成はぜひとも必要で、これは医療の立場からどう しても増やしていかなければいけないということは思っているわけですが、でも、これ は幾ら頑張っても来年、再来年から対応できる数ができるかというと、それはとてもで きるわけではありません。実際に対応するにはどうしてもかかりつけ医というか、地域 で直接仕事をしておられる産婦人科の先生、小児科の先生あるいは内科の先生がそれな りの問題に対応できるような対策。これは医療側の問題かもしれませんが、特に児童精 神科医や新生児小児科の専門の先生方からいろいろ講習を受けたりしながら、実際に現 場の先生方がカウンセリングを含めてできるようなものに持っていかなければいけない のではないかと現実的には考えているのです。  もう一つは、前々回からも問題になっていた安全性と快適性のことです。これはかな り抵抗して直していただこうと思ったところですが、なかなか直されない。いろいろな 事情があるようですが、先ほどから新家先生も言われているように、医療にとって安全 性は絶対的なものでありまして、安全性と快適性のほどよいバランスなどということは あり得ないのです。例えば、経済性と快適性のほどよいバランスということならわかり ますが、これは安全性と快適性のほどよいバランスではない。安全性は絶対性だという ことです。したがって、絶対性は抵抗があるのだと思いますが、これは医療サイドの問 題でありますが、おのおの専門の先生方は団体で努力されているわけで、その辺は何と か信用してもらって、必ずしも快適さだけでは解決されないという問題もあり得るとい うことを理解していただければと思います。  先ほどからこういう3つのことを感じながら聞かせてもらっていました。以上です。 ○平山座長  ありがとうございました。 ○藤内委員  総論の話が出たところで、まだ総論がつくのがなさそうですが、総論の部分で先ほど 来何度か出ましたヘルスプロモーションの理念を明記していただけるとありがたいと思 います。 ○平山座長  ありがとうございました。あとお1人ぐらいありますか。これもきりのないところで すが、後にもう一つこれも時間のかかりそうな議題がございますので、課長から。 ○藤崎課長  今いろいろ御指摘いただきまして、いつもの会議の進め方のように第1回目はまだ完 成度から少し遠いものをお出ししていると御理解いただきながら、また次に進めていく というパターンでありますので、この点についてはぜひまた御指摘いただきたいと思い ます。大小さまざまいろいろばらつきもございますので、なるべく絞り込んだ項目にし たい。しかし、大事なものは入っているという形で具体的な役割については考えてまい りたいと思います。  ちょっと確認といいますか、ここである程度御判断いただければと思うのですが、先 ほどIVの柱のタイトルの部分でございまして、成長については以前から何度も御指摘を いただいて我々も十二分に承知していて、私が大学で余り教科書を読まなかったことに も起因するのですが、この「成長、発達」を言葉の感覚といいましょうか、そちらをや や重視して「心の安らかな成長」がいいのではないかと最初のスタート時点で悦に入っ ていたもので、何とかそれで押せないかときたわけですけれども、今日の先生方の御専 門の立場からこれは「発達」だということであればそのようにさせていただきますし、 もう一つ、巷野先生がおっしゃられた逆にした方がいいのかということ。もし逆にした 方がよろしければそのようにさせていただきますし、むしろそこはかなり本質的なお話 になりますので、ここである程度御判断いただけるとありがたいと思います。 ○平山座長  ありがとうございました。  このIVのタイトルですね。先ほど来小児科系の先生からのお話がありましたように、 厳密には成長より発達の方がベターというのは大体共通していると思いますが、順序の 件はいかがでしょうか。確かに巷野先生がおっしゃったように「子どもの心の安らかな 発達と育児不安の解消」というようにひっくり返した方が筋合いからするといいのかな と私も感じますけれども、いかがでしょうか。 ○藤内委員  以前、岩永委員が指摘されたことですが、育児不安の「解消」というのはあり得ない のではないか。育児不安はある程度あるものなので、育児不安への「支援」とか育児不 安の「軽減」とか、むしろ「解消」というのは改めた方がいいのかなと思うのですが。 ○平山座長  あって当たり前と言われればそうですね。わかりました。大体その辺でこの辺の表現 をお願いいたします。  それから、今いろいろ御意見をいただきまして、総論的な御意見についてはメモをと り切れていると思いますし、後で議事録もできますけれども、このマトリックスの表と 民間団体等の例についてはお気づきの点をメモで事務局に送っていただきますと間違い がなくて、しかも整理上ありがたいと思いますので、改めてお願いを申し上げます。  それでは、また手直しができた時点でもう一回たたいていただくことにいたしまし て、次の本日の最後の議題である目標値についてでございます。事務局から最初にこの 目標値について御説明ください。 ○椎葉課長補佐  それでは、資料3でございます。あわせて、資料3とともに目標(値)項目設定の考 え方もごらんいただければと思います。  資料3の1枚目につきましては前回御説明したとおりですので、今回は省略させてい ただいて、2ページ目からお開きいただければと思います。基本的な枠組みは前回と同 じですが、前回お示しした資料に御意見が若干ございまして、それに基づいて訂正して おりますので、そこを含めて今回御説明したいと思います。  まずIの思春期保健に関しましては、基本的に変わったところが保健水準の指標という ことで揚げていた薬物乱用や喫煙、飲酒率を住民みずからの行動の指標に項目の場所を 変えております。  その他、変わったところは、4の薬物乱用の有害性について正確に知っている者。前 は薬物乱用者数という形だったのですが、薬物乱用の有害性について正確に知っている 者の割合としております。  それから、9に外部講師による性教育を実施している小中学校の割合がございます。 これは外部講師も含めて性教育を実施しているとしていたのですが、それならばほとん どの小中学校もやっているということですので、外部講師によるとに限定させていただ きました。  また、12ですが、思春期外来(精神保健福祉センターの窓口を含む)と変えておりま す。  簡単に御説明いたしますと、従来の自殺率につきましては、目標(値)項目設定の考 え方にございますとおり、「健康日本21」におきましては自殺について約3割減らすと いう目標を設定しているわけです。これを踏まえますと、ここには書いてありませんけ れども、思春期について3割減らすという項目が入るかなということで考え方の中には 約30%減を掲げております。  目標の性格ですが、これは思春期の心の対策の取り組みの効果の指標という形で出し ております。  そして、2の十代の人工妊娠中絶の実施率については、目標の性格といたしまして学 校や地域保健、医療機関における性教育の取り組みの効果の指標ということで、またそ の設定の理由については望まない妊娠の予防ということで揚げております。  従来の性感染症の罹患率は前回と同じでございますが、この指標といたしましてはあ くまでも関係機関の性教育の取り組みの効果の指標ということで出しております。  そして、次の住民自らの行動の指標でございますけれども、薬物乱用につきましては 学校や地域保健、警察など薬物乱用防止の取り組みの効果の指標ということで掲げてお ります。  それから、十代の喫煙や十代の飲酒につきましては目標値を、平成8年の未成年者の 喫煙行動に関する全国調査などで中学生、高校生が現に喫煙や飲酒をしているという データがございますけれども、これを2010年にはなくす。これは「健康日本21」と同じ でして、それに準拠して今回設定しております。  7は、避妊法を正確に知っている者の割合。これは学校や地域保健、医療機関におけ る性教育の取り組みの効果の指標ということで揚げております。  8のSTDを正確に知っている者の割合ですが、これも同じように性教育の取り組み の効果の指標ということで、思春期に関しましては学校や地域保健、医療機関が行うさ まざまな性教育などの効果の指標としての項目を設定したいと考えております。  そして、最後の行政・関係機関等の取り組みの指標ですが、基本的には主体の努力指 標ということで揚げております。外部講師の性教育の小中学校の割合は学校と地域保 健、医療機関の努力の指標、10のスクールカウンセラーの小中学校の割合は学校の努力 目標、11の地域学校保健委員会を開催している自治体の割合は学校間の努力目標、そし て12の思春期外来は医療機関の努力目標、思春期病棟も同じです。そして、14は性をも てあそぶテレビ番組、雑誌、ビデオの自主規制は思春期を取り巻く社会全体の努力目標 ということで、それぞれ目標を国民に対して押しつけるものではなくて、あくまでも教 育の効果を判定するための指標、それぞれの主体が行う努力目標ということで目標値の 意味合いをはっきりさせ、そして推進していこうと考えております。  続きまして、次のページです。妊娠・出産・不妊関連でございます。これは前回お示 ししたものとほぼ同じですが、新たに加わったものが4でして、出産の医療機関を決め るための情報が十分だと感じた者の割合を新たに入れております。  9は、母性健康管理指導事項連絡カードを知っている妊婦の割合。これまで普及とい うことで書いておりましたが、このカード自体を知っている妊婦の割合と変えていま す。  以下、簡単に御説明いたしますけれども、まず1の妊産婦死亡率です。これは実は数 値目標も入っておりますが、10年間で出生10万人対 7.1を半減したいと考えています。 目標自体は世界的な指標でございますが、この目標値を出した根拠は、生涯を通じた女 性の健康施策に関する研究会報告書に載ったということです。  2の総出生児の占める早期産児の割合ですが、これは妊娠期間中の妊産婦を取り巻く 環境のいろいろな状況の指標となり得るのではないか。早産の予防を図るための指標と いうことで入れてみたということでございます。  3は妊娠・出産について満足している者の割合、いわゆる産科医療機関の快適さの指 標としてどうかということで提出させていただいています。これについては乳幼児身体 発育調査及び病院調査を10年置きにやっておりますが、この項目が入っています。  そして4は、先ほど申しました出産の医療機関を決めるための情報が十分だと感じた 者の割合。これは産科医療機関の情報提供のモニタリング指標ということで今回入れて おります。  5は不妊治療ですけれども、不妊治療実施医療機関の情報提供や相談体制などの状況 の指標ということで揚げております。  その次は、住民みずからの行動の指標の中で妊娠の届け出率でございます。これは妊 産婦の努力目標で、できるだけ早く11週以下に届けていただくという目標はどうか。こ れは妊娠・出産の安全性の確保の観点から妊娠の時期を早く知る、そして必要ないろい ろなサービスを受けるということから設定したものです。  7、8は同じようなものですが、喫煙と飲酒につきまして「なくす」ということで、 どちらも妊産婦の努力目標です。喫煙の方は早産や低出生体重児の予防、アルコールに つきましては胎児性アルコール症候群の予防ということで掲げております。  次の母性健康管理カードでございますけれども、これは職場と産婦人科医療機関の努 力目標ということで、職場や産科医療機関で周知することによって妊婦が知るという連 携促進のためにもよろしいかなということで揚げております。  あと、行政・関係機関等の取り組みの指標です。周産期ネットワークでございますけ れども、これは新エンゼルプランのものをそのまま引いています。  また、母子同室制の割合や家族滞在型の分娩施設数は医療機関の努力目標として、妊 娠・出産の快適さの確保の観点からの目標ということで掲げています。  13、14は不妊に関するものですが、13は専門相談センターで、これは新エンゼルプラ ンに載ったものをそのまま出しております。  14は不妊についてのカウンセリングを提供する施設数ですが、相談体制の指標という ことでこういうものを挙げたらどうかということで掲げたものです。  15は、産褥期のホームヘルプサービスがある自治体の割合。これは市町村の努力目標 という形で掲げております。産褥婦のケア、特に産褥うつ病の予防などの観点からこう いうものを挙げています。これは後で申しますけれども、乳幼児健康支援一時預かり事 業の中にこういう事業があるわけでして、これと連動するということでございます。  あとはガイドラインですけれども、16、17と専門団体の努力目標ということで掲げ て、1つは周産期の救急システムの整備のためのガイドライン。17は不妊治療の安全性 や快適さの確保のためのもので、これは今私どもの所管している子ども家庭総合研究で 実施しております。2ヶ年計画で平成13年度中に作成するということで動いていますの で、これを目標の中に入れています。  続きまして、IIIの小児保健医療水準です。これも変わった点は4の小児の誤飲事故の 数を入れたところです。11のBCG接種は1歳6カ月とあったのを6カ月までにと期間 を短くしております。  それでは、まず1の乳児死亡率ですけれども、これはこのまま文句なく入れておりま す。  2は乳児のSIDS死亡率で、これもSIDSの発生の指標で予防のために入れると いうことで揚げております。  また、不慮の事故につきましても文句なく入れております。  そして、4の誤飲事故ですけれども、厚生省の生活衛生局で家庭用品にかかる健康被 害病院モニター報告を行っております。そちらの報告例が毎年 800件から 700件ぐらい 来るわけですけれども、この小児の誤飲事故の数を減らしていこうということで発生の 指標ということで揚げております。  5が、小児救急に安心感を抱いている親の割合。これは小児救急医療体制の整備状況 の一つのモニタリングの指標となり得る、またこういう調査をすることによって小児救 急医療体制の整備促進が図れるのではないかということで揚げております。  それから住民みずからの行動の指標ですが、かかりつけの小児科医を持つ親の割合。 これは地域の小児医療供給体制のモニタリング指標ということで揚げております。  7と8が連動しておりますが、事故防止対策を実施している家庭の割合、心肺蘇生の 方法を知っている親の割合で、それぞれ家庭もしくは親の努力目標ということで90%と いう数字を仮に入れております。これは乳幼児健診の受診率が約9割でして、来た方は 全員知っているという意味合いで9割と仮に入れております。  9と10ですが、育児期間中の両親の喫煙を目標としてはなくすということではいかが かということで揚げております。これは特に親の努力目標とさせていただいて、その理 由は乳幼児の誤飲事故の約半分がたばこでありまして、これをなくすことと、SIDS の予防にもつながるということでどうかということで揚げております。  10は、うつ伏せ寝を実施している親の割合です。これも親の努力目標としてうつ伏せ 寝をなるべくなくしていく方向に持っていこうということでございます。これはSID Sの予防です。この10は乳幼児身体発育調査で実施項目に入っております。  11から13までは、予防接種の目標です。すべて市町村の努力目標とし、それぞれの病 気の予防ということで、95%という目標値を設定しています。これはその地域において 感染抑止力が確保できる値ということで仮に設定しています。  そして、行政・関係機関等の取り組みの指標です。14は小児救急ネットワークを有す る都道府県の割合で、都道府県の努力目標ということで掲げています。  15、16ですけれども、いわゆる長期に入院する患児や家族のためのものです。どちら も医療機関の努力目標として長期入院児の家族の支援や、病棟保育士については長期入 院児の入院環境の改善ということから揚げています。  17が病後児保育でして、これは市町村の整備目標で、新エンゼルプランに載っており ます。  18は市町村における事故防止対策をやっているかということで市町村の努力目標で、 親に事故防止対策のことを言っておりますので、市町村の方から教えるということで掲 げております。  19が大学小児科医局の新規入局者数で、小児科医の確保ということで専門団体の努力 目標ということで掲げております。  20はお風呂場での溺死予防ということで、親に対して注意せよというばかりではなく て、本質安全の観点からノブを15センチ上げるだけで予防できるという御指摘もござい ましたので、建築業界の目標ということでどうかということで掲げています。  最後ですが、育児不安の解消と子どもの心の安らかな発達の促進でございます。これ は主に育児不安と虐待について掲げておりまして、1が育児不安のモニタリング指標と いうことで子育てに自信を持っている母親の割合、2が子どもを虐待していると思う親 の割合ということで、こちらに載っているような性格のもので出しております。これは 身体発育調査で今年実施しまして、10年後も実施しようという項目でござまして、こう いう指標がとり得ます。  3は、今回の児童虐待防止法に基づき児童相談所などに報告があった虐待児数は完全 に把握できることになりますので、こちらは抑えていきたいということでございます。  住民自らの行動の指標でありますが、育児サークルに参加する母親や子どもとゆっく り過ごせる時間がある母親、次の6の相談相手がいる母親の割合、こういうものについ ては母親の育児状況のモニタリング指標ということでどうかということです。  出生後1カ月の母乳育児の割合ですが、これも育児状況のモニタリング指標と、SI DSの予防にも母乳がいいということもあることなども勘案して一応ここに入れており ます。これはいずれにしても乳幼児発育調査で調査する項目に入っております。  最後は、行政機関などの取組です。周産期医療施設の退院児のフォロー体制は都道府 県の努力目標、また育児支援に重点をおいた乳幼児健診を行っている自治体は市町村の 努力目標、また10の児童精神科医のいる児相や情短施設の割合は都道府県の努力目標、 そして最後の子育て支援組織を持つ自治体の割合は市町村の努力目標ということで地域 の育児力向上の支援ということで仮に考えおります。  以上でございます。 ○平山座長  ありがとうございました。  そういうことで現状から10年後を目途にしていろいろな指標を考えていただいてあり ますので、1時間ほどの間で御意見を伺いたいと思います。  1つだけ最初に伺いたいのは、今ベースラインの入っていない部分は一部は改めて 早々にでも調査しなければわからない部分がかなりありそうですね。それは調査してで も来年に向けて入れていこうと理解してよろしいのですか。 ○椎葉課長補佐  はい。 ○平山座長  ありがとうございました。  これからI、II、III、IVの各柱別に御意見を伺いますが、前々からこういう指標づく りや何かでいろいろ研究をなさっているのは櫃本先生や藤内先生だと思うのですけれど も、議論の前に何かおっしゃっていただくことがあったらお願いしたいと思います。 ○藤内委員  では、それぞれの領域ごとの指標の議論の前に、まず指標の考え方、厚い方の目標 (値)項目設定の考え方で目標の性格として効果の指標あるいはモニタリング指標という 表現と努力目標という大きくわけて2つの目標の性格に分けていただいたのは大変よか ったことだと思います。これは「健康日本21」のときに議論になったように、国民の生 活習慣とか保健行動を何%こうしろああしろというのはいかがなものか。これはあくま で好ましい生活習慣が達成できるような健康教育だったり基盤整備であったりという環 境や社会資源の整備によってそういうものが達成できるようにするのをモニターする指 標ですと。それが努力目標、例えば喫煙率を国民の努力目標にしてしまうとそういう議 論が起こるのだろうと思います。そういう意味で効果の指標とかモニタリング指標とし て保健水準の指標や住民みずからの指標とされたのはよかったと思います。行政・関係 機関等の取り組みの指標がいわゆる努力目標ということになるのだろうと思います。た だ、その中で例えば妊娠届の時期とか妊娠中の喫煙という部分が妊産婦の努力目標にな ってはいるのですが、これは場合によってはそうした妊娠中の女性への健康教育の効果 のモニタリング指標と考えた方がいいのかもしれませんが、おおむねそういう形で2つ の指標で考えていただいたのは大変よかったと思います。  先ほど来エビデンスということがずっと話題になっているわけですけれども、確かに 設定理由とか目標値の根拠は空欄のものも大分多うございますが、目標値の根拠を議論 する際にエビデンスのことを余り強調しますと、確かにエビデンスがあって、これをこ れだけしたらこれだけいける、例えば先ほどの予防接種の95%という接種率の数字が達 成できれば地域における疾病の蔓延を抑止できるというのは根拠がある程度あります が、それ以外の数値はこれだけになったからどうなるかというエビデンスが余りないの が多かろうと思います。そういう意味で、この目標値の根拠のところでエビデンスに余 りとらわれずに、むしろこの目標値あるいはモニタリング指標をきちんと設定すること によってこういう取り組みをしたらこれがこういうふうになった、その結果、さらに上 位の健康指標がこれだけ改善されたという形で新たなエビデンスをこれからの10年間こ ういう指標をきちんと設定して見ていく、情報を集めていくことも重要ではないか。E MBが確かにクローズアップされるのですが、それに余り振り回されないと言うと言い 方がおかしいのですけれども、そういう配慮も必要かなと思われます。  とりあえず以上です。 ○平山座長  ありがとうございました。 ○櫃本委員  おおむね藤内先生からお話がありましたので多少重なりますけれども、モニタリング という言葉です。「健康日本21」のときと欧米のヘルスビブロというものと比較して、 日本は基本的にそういう地域レベルでの情報収集が今まで非常に弱かった。それをいき なり目標数値、EBMという格好で無理やり持っていくのは「健康日本21」は生活習慣 病に限られているからまだできたものの、「健やか親子」がこれだけ広い範囲で扱って いる以上は、むしろモニタリングすることが重要だということを言って、今の繰り返し になりますけれども、EBMの部分でわかる部分はわかるようにすればいいのですけれ ども、先ほど座長がおっしゃられていたようにとりあえずアンケートでわかるものもあ るのですけれども、これからまた1年、2年かけて調べていくものも含めて、この際恐 れずに入れていくのが必要だろうというのが1つあると思います。  それと、QOLの部分が随分入っていますので、上げるとか下げるということが書け ない部分が大分あると思うんです。学校が楽しいと感じている子どもの割合といった ら、毎日学校がお祭りしていれば楽しいのかもしれませんけれども、あるいは育児が楽 しいといっても本当に楽しいわけがないという話もあるし、そういうものについては上 げる下げるではなくて、それはあくまで見ていく指標として上げてもいいのではない か。それが上がればいいとか下がればいいではなくて、現状を把握する上のものとして ある程度こういうものを押さえれば状況がわかるのではないかというのを積極的に入れ るべきではないかと思っております。  これは最初にヘルスプロモーションの説明があって、I、II、IIIがあるのですけれど も、I、IIについてはかなり国レベルといいますか、「健やか親子」レベルで共通したも のを出す必要があるのですが、IIIについては例えば思春期相談教室を設けるというよう なことを余り言ってしまうと、その事業がひとり歩きして、それを各自治体に補助金で やらせるというスタイルになるので、IIIの部分は先ほど小野委員も言われていましたけ れども、地方の役割の中でむしろ地方レベルでこの部分も非常に具体的に盛り込んでい く。ここに書かれているような国全体で盛り込むような大まかな環境整備はここでうた うにしても、基本的にIIIを勝負していく。これは「健康日本21」の戦略や執行にもあっ たのですけれども、指標で余り整理されていなかった。それをあえてこちらで整理する と「健康日本21」以上のと言ったら語弊があるのですけれども、指標になるのではない かと考えております。  以上です。 ○平山座長  ありがとうございました。  具体的には行政等の部分はどういう表現になるのでしょう。項目はこういう項目でい いとすると、表現としては増やす減らすという表現でしょうか。どういう表現でまとめ ればいいのでしょう。 ○櫃本委員  3番目の行政・関係機関の取り組みは比較的ノルマをかけられて、増やすという表現 をとれると思うんです。あるいは実際問題ある程度の数を設定することは可能だと思う のですが、I、IIについては余りそういう表現をとらない方が、見ている部分については 明らかに増やせばいいというものはそうすればいいのでしょうけれども、あえてそれを つけなくても指標として認めていただきたい。「健康日本21」みたいにその辺を余りは っきりしない方がいいのではないかという考えでおります。 ○平山座長  ありがとうございます。  全体の考え方をお2人の先生から伺いましたけれども、ほかに全体としての御意見は 何かございますか。 ○田中委員  目標値の設定は大変いいと思うのですけれども、この目標値が何を意味するかという 説明を前文にしておかないと、ただ数値だけが出てきてわからないものになってしまう のではないか。  もう一つは、目標値に達しなかったときにどういうことなのかと言われると思うの で、今のような議論のことを前文に、この目標値はこういうものですよということを説 明しておいた方がいいのかなという気がしました。  もう1点は、10年後に見直すというのですけれども、それまでにモニタリングして数 値がどうなっているのかを調べて、うまくいっているのかどうかをチェックしていくこ とも必要なので、10年後で見るというだけでは、必ずしも正確な数字ではないかもしれ ないのですけれども、動きはつかんでいく必要があって、この「健やか親子21」をフォ ローアップすることが10年後ではなしに必要なのかなと思いました。 ○平山座長  ありがとうございました。 ○北村委員  前回出席できなかったので、ひょっとしたら聞き損じているのでしょうが、資料3の 中で従来の母子保健、ヘルスプロモーションという図は私も十分理解できないのです が、御説明いただきたいと思います。例えば「正しい子育て」、こういう言葉は非常に 気に入らない言葉であります。あるいは「妊娠・出産・育児を押していくと豊かな人生 が得られる」というのは、こうなりますと不妊の女性に対する配慮などと極めて矛盾し た書き方をしているわけでありまして、これは資料はどこから出てというあたりを含め てお話しいただきたい。 ○藤内委員  これは私が資料として提出したものを母子保健課がそのまま縮小コピーして使ってい ただいたものです。考え方として、「従来の母子保健」と書いてしまうと確かに気に入 らない部分があろうと思います。これはイメージとしては私たち自身、母子保健に携わ る者としての自戒を込めて、やや誇張してこういう表現にしています。実際は上のよう なものを下のような考え方に変えていこうというのがヘルスプロモーションであった り、あるいは「健やか親子21」で議論されていることではないのかなと思います。  今、御指摘いただいた妊娠・出産・育児という玉を押していくと豊かな人生というこ とは子どもを産まない方への配慮がないと確かにおっしゃるとおりなので、そういう意 味ではこの絵をどうしようかということにもなりますが、これは坂道の勾配を緩やかに する取り組み、あるいは後から何人か押していますが、こういう取り組みをしないと今 までの健康教育の主体とした取り組みは住民あるいは母親にああしなさい、こうしなさ い、こうした方がいいですよということを一生懸命伝えるだけの取り組みだけだったの ではないか。あるいは、究極の目標が確かに産まないという結論も含めて家族あるいは 夫婦で豊かな人生を送っていく、あるいは結婚しないという選択もあるとするならひと りでもというのがあるかもしれませんが、要するに豊かな人生を送っていくための1つ の条件であったり、手段として妊娠・出産・育児があるという考え方をこういう絵にあ らわしたものです。  確かに今御指摘いただいた部分はひっかかかるので、その辺が辛くあるのですが、坂 道の勾配ということでそういう環境を変えていく。先ほど何度か出たように国民の役割 や地方公共団体の役割にあるように妊娠・出産・育児に関する周りの支援であるとか、 まさに産みやすい環境づくりがこの坂道の勾配を下げることであったり、NPO、関係 団体、住民組織等で一緒にそれを押していくような体制づくりがこの後押しする絵で す。それをイメージするためにこういう玉を押す絵を作成しました。本当に言いあらわ したいことをこの簡単な絵で全部示すのはどうしても限界があろうと思いますが。 ○平山座長  ありがとうございました。出どころはそういうことだそうです。 ○櫃本委員  私も「従来の」というのは非常に評判が悪くてやめた方がいいという話をしていて、 実際にはヘルスプロモーションを比較する上でこれからこういうふうに変化していくこ とがヘルスプロモーションの推進ですよという意味で、既に下のやり方をしている市町 村は全国でたくさんありますし、当然、医療などは住民を主役にした格好でかなり展開 されている利用もどんどん増えてきているわけですから、これは変えるべきだろう。た だ、わかりやすくしているということと、玉そのものですけれども、私も玉についての 理解が玉そのものを運ぶことが豊かな人生であるというか、要するにこの玉が課題であ って、本当は玉がなければすっといけるのでしょうけれども、いろいろな課題があるも のをこうして豊かな人生ということで、そういう意味では妊娠・出産・育児の諸問題と いう意味で、妊娠することではなくて、諸問題を解決して、あるいはそれをうまくクリ アしていきながら豊かな人生に向かっていく。先ほどから話が出ていますけれども、必 ずしも出産することをただ応援することが目的ではないという意味です。非常にわかり やすい図だと思うのですけれども。 ○北村委員  やはり「豊かな人生」にしなければ、例えば「快適な妊娠・出産・育児」ではだめで すか。近未来的ではなくて、もっと長期的な目標がヘルスプロモーションの中では掲げ られるものですか。 ○櫃本委員  要するにQOLを意識したものだということです。例えばここに乳幼児死亡率を下げ るとしてしまうよりは、「豊かな」という言葉をつけることによって健康だけではなく て、むしろ楽しいだけではないけれども、苦しみもあるけれども振り返ってみていい人 生だったと思えるようなQOLの部分、生きがい的な部分が含まれているということで こういう表現をしているんですね。だから、余りそこを端的に細かい目標にパンとして しまうと、それは一つ一つが含まれると思うんです。例えばここで押したときに先生が 今言われたような方向にいけば、それは豊かな人生の1つの部分を押していることにも なるのではないでしょうか。 ○北村委員  これはかなり誤解を生むものですから、注意した方がよろしいのではないかと思いま す。 ○熊谷委員  私も実は、本当はヘルスプロモーションという概念を学習しなければいけないと思う んです。それが図式になってしまうと、現場の我々ですけれども、これイコールという 形で自分の貧弱なとらえ方でこれをとらえているところが結構ありまして、かえってヘ ルスプロモーションの基本的な文章を読んだ方が「ああ、そうなんだ」というので、図 というのはわかりやすいためにつくるのと、逆によりわからなく勝手に自分で解釈でき るという要素の2つがあるのかなととても難しいなと思って、正直言って私はできまし たら基本的なところにヘルスプロモーションの概念を書いていただいた方が学習にはな るかなと思ったのですけれども、これは私の意見ですので。 ○櫃本委員  この図については、いろいろなところで出したらすごくわかりやすいという話はあっ た。ただ、それは私たちがヘルスプロモーションの話をしてこの図を出してですから、 当然、両方がないと難しいのだろうと思います。むしろこの図そのものは指標を3つに 分ける上で玉を転がして矢印の方にいくのが1番であって、押している人の行動が2番 であって、そして坂道の角度を下げるような作業とか後ろから押しているのが3番であ るというふうにヘルスプロモーションの指標を3つに分けて、むしろ我々は3番の方に ノルマをかけてしっかりやっていかないと、個人に1や2のことを頑張れ頑張れとやる よりは、まず3だろうという意味合いのやり方という整理です。それを説明するとわか りやすいというのは言ってもらうのですけれども、これだけだったら誤解を……。 ○熊谷委員  わからないですね。 ○平山座長  その辺を作成に当たりまして入れましょうね。 ○清水委員  私は前回、藤内委員の御説明を聞きながらこの図を拝見したのでよくわかったのです けれども、今、一部の方がひっかかっていらっしゃることは何だろうと考えますと、母 子保健課と言いながら、実は「母」だけが先行しているわけです。子どもはお添えもの という発想であって、母子保健ですから子どもの視点で物を考え直すことがとても大切 で、とりわけ児童の世界にあっては大切なのではないか。  そうしますと、この押し上げる丸は「子どもの育ち」とすればよろしいのではないで しょうか。子どもの育ちとなれば抵抗はないし、子どもを産まない市民も子どもの育ち はサポートしているわけですし、そうでなければいけない。それから、子どもの育ちを サポートすることで大人も豊かになるという発想であれば、非常にスムーズな表現がで きるのではないかと思います。 ○平山座長  ありがとうございました。新しい発想で、参考にしていただきたいと思います。 ○多田委員  今日の資料1の16ページの2つ目の「○」にあります境界児を含めた障害児への支援 などはかなりディスカッションされてきたのですが、目標値というところでいわゆる関 係機関といいますか、国という部分よりは、むしろソフトな部分の国民とI、IIの目標値 的なところがかなり多くなってきています。そうすると、この目標値と今までのディス カッションがどう合ってくるかなと疑問に思っています。確かに先ほどのようなヘルス プロモーションをすることによって全体の指標が上がっていくいい面もありますが、逆 に医療面等の整備あるいは療育の面を整備することによって、まさに坂の問題なのかも しれませんが、それはかなりできることなので、これはぜひ国などにもやっていただき たい。地方自治体もそうだと思いますけれども、やっていただきたい面がかなりあると 思うのですが、そこが指標の項目に十分出てきていない部分があるのかなと思いまし た。  具体的なことにはこれから入っていくのだと思いますけれども、例えば小児科医を増 やすというのは関係団体の努力目標かもしれませんけれども、結局、国の医療費などい ろいろなものが変わってこないと増えないという部分があるものですから、その部分を 除いて小児科学会なり何なりが努力しろとだけ言われても、なかなかできないようなこ とがあります。  もう一つは私が前にちょっとお話ししましたスクリーニングの問題でも、耳や目をス クリーニングされた子どもたちが障害があるならあるなりにきちんとした療育が受けら れて家族も満足して人生を豊かに送っていることが目標値になるのがいいと思うのです が、必ずしも今、子どもたちがそういう療育を受けるところが全国にあるかというとな かなか整備できていない。そうすると、医者の数や児童相談所の数、児童心理の方の数 といろいろなこともあると思うのですが、そういう施設を整備することは国の事業の中 でぜひある程度やっていただきたいと思うんです。その部分を何となく除いてしまっ て、ソフトな部分だけになってきつつあるのではないかと最終目標のところで思ったも のですから、ぜひその辺も検討していただければと思います。 ○北村委員  今のこととあわせてですけれども、例えば思春期の部分で十代の自殺率と書いてあり ますけれども、本文中を今ずっと流して見たのですけれども、自殺の問題は恐らく触れ ていないんですね。これではまずいわけで、もし自殺の問題を目標値として定めるなら ば、本文中に自殺に関してきちんと記述する必要があるだろう。そういう意味での整合 性を整えていかないと何だということになってしまうのではないでしょうか。 ○平山座長  わかりました。整合性がまだとれていない部分が全体を通してあると思いますので、 これは宿題にさせていただきたいと思います。大変ごもっともな御意見であります。  それでは、各論のところでまた御意見をいろいろ出していただきたいと思いますが、 2ページのIの思春期の部分は1から14まで項目を考えていただいてあります。この部分 について何か御意見がございましたらお願いいたします。 ○雪下委員  行政・関係機関等の取り組みの指標の9、10、11、12、13、その辺のところですが、 例えば外部講師による性教育を実施している小中学校の割合は、これをどういうふうに 活用されるのか、これが多いのがいいのか少ないのがいいのか。私たちの団体としまし ては、小中学校における性教育の実施は基本的には、学校医が受け持つこととしている し、しかも、そのために専門校医として産婦人科の先生等に入っていただきながら体制 をとっているわけで、そういうことが知られている上で外部講師による性教育の実施と いう数をとられるのかどうか。ここのところは大変疑問に思います。  スクールカウンセラーも同様でありまして、私たちの団体としては小中学校における カウンセリングは学校医と養護教諭が現場で行う。もちろんそれについてカウンセラー の専門家、その他の人たちからの指導とか講習を受けながらそういう力を養って現場で 当たるという指導をしているわけで、この辺もそういう点では納得できないのです。  それから、11の地域学校保健委員会というのは何を意味しておられるのか。学校保健 委員会というのは各校単位につくることが公的に決められていて、それが現実には郡市 単位、その上は各地区ブロック、関東甲信越静ブロックなどそういうブロックで組織さ れ、全国大会という阻止区ができているわけで、地域学校保健委員会とはどんな枠組み を想定しているのか判らない。  3ページですが、思春期外来につきましてももちろん先ほど申し上げたとおり専門性 の必要性はわかるわけです。しかし、そういう機能は思春期外来という専門家の窓口を 全部配置して、それでやってもらうことは夢のまた夢でありまして、現実にそれにかか わっておられる先生は産婦人科の先生、内科の先生、精神科の先生、いわゆるかかりつ けのようになっておられる先生方で、実際はその先生方に機能していただかなければい けないわけです。そういうことから考えると、この思春期外来は私たちの団体では特別 認知されている言葉でもないのし、その下の思春期病棟ももちろ同様に思いますし、そ の辺をもう一回よく考えていただきたいと思います。 ○平山座長  ありがとうございました。これはとりあえず何かお答えはありますか。 ○椎葉課長補佐  それでは、雪下先生の御質問でございますけれども、外部講師の性教育を実施してい る小中学校の割合などです。これは実は中間のまとめの4ページの下から2番目の 「○」に、保健所と学校保健の連携強化のために専門職の派遣の推進、学校保健委員 会、地域学校保健委員会への参加推進を図るというくだりがございます。まず外部講師 の性教育ですけれども、これは文部省からいただいた平成9年9月に出された保健体育 審議会の答申に、学校医も含めてですが外部の専門家に教壇に立って教育をしていただ く。それまでは教員免許を持った人しかだめだったようですが、平成9年度以降からは 外部のいろいろな専門職が教壇に立てるようになったということで、特に性に関するも のについては外の産婦人科の先生や助産婦などの方がより充実した教育をやっていただ けるだろうということで設定しております。  スクールカウンセラーにつきましても、平成9年の保健体育審議会の答申の中に載っ ておりまして、文部省でも設置を進めているということで今回こういうものを入れさせ ていただきました。  地域学校保健委員会ですけれども、これは地域にある幼稚園や小中高等学校の学校保 健委員会が連携して地域の子どもたちの健康問題の協議等を行うための委員会だそうで ありまして、確かにこれを設定しているところは少ないという御指摘がございまして、 この促進に努めるというのが保健体育審議会の答申に出ておりまして、これを引いて、 なるべく個別の学校だけではなくて学校全体の問題としてこういう委員会を開催して、 子どもたちの健康問題の協議等を行ってほしいということで今回ここに揚げておりま す。  また、思春期外来、思春期病棟につきましては特に専門の外来を設けて思春期の子ど もたちの性や心の問題などについての診療や入院治療の窓口が増えることが望ましいか なということで、特別な用語ですが、思春期外来もしくは思春期病棟という形で揚げて おります。これにつきましてはいろいろ御議論いただければと思います。 ○雪下委員  今の御説明はわかるのですが、例えば9の場合に外部講師というのが学校医が講義す ることは認められていなかったのです。それを学校医の方からずっと講師として認めろ ということを言ってきて、やっと去年認められたということです。だから、学校医が正 式に学校で子どもたちに教えたりいろいろすることが法的にできるようになったという ことで、この外部講師はもちろん主体が学校医だということならわかりますけれども、 これだけではそういう意味にとれないということがありますね。  地域学校保健委員会というのも今説明されましたが、それはそのテーマによって臨時 的につくって、それは一向に構わないと思うのですが、郡市の医師会には学校保健委員 会が全部あって、これは実際に機能しているんです。その単位で機能していることで不 都合があるのかどうか。一番問題なのは、各学校の学校保健委員会が完全な形で実施さ れているところが少ないのです。実施しているかと質問すると、子どもたちと先生たち だけでやっているという答えまでを含めますと、数字の上では65%から85%がやってい ると出てきますが、この間も文部省の方に申し上げたけれども、全国の実際の現場では 半分もやっていないんです。校医も入って養護教諭ももちろんのこと、薬剤師、栄養士 あるいは保健所の先生方、父兄も入って、正規に認められている各学校単位の学校保健 委員会はやられていないところが多いのです。全日本の大会も各ブロック大会、郡市大 会も盛んですが、それを末端につなぐ肝心の学校の保健委員会がないことが一番問題で す。その辺は文部省は実態を知らないからそういうことを言っているわけです。  スクールカウンセラーについても、これは例えば神奈川県などの場合はモデル事業と して数名のカウンセラーが来ておりますが、それが何をやっているか、それが現場で校 医の間では、物すごく評判が悪いということです。だからその辺が問題で、四、五人の カウンセラーで何ができるかという問題。先ほどから申し上げているけれども、実際に は現場で何万、何十万という学校医たちが対応しているわけであって、専門家が幾ら 二、三人育っても対応することはできないんですよ。だから、その辺のところを現状に 合わせて考えてほしいと思うわけです。 ○平山座長  ありがとうございました。 ○美濃輪委員  雪下先生の発言には反対したい部分がありまして、産婦人科の医師が校医をしている 学校は横浜市でもそんなになくて、たまたまなってしまって困っているような実態もあ ります。お医者さんが学校に年がら年じゅう来てくださるようなことはありませんし、 学校保健委員会も耳鼻科・眼科の先生などはなかなか出てきてくださらなくて非常に困 っています。養護教諭と医者で本当に健康相談ができるとかカウンセリングができるな んて、実態を知らなすぎると思います。  そういう意味では専門家であるスクールカウンセラー、守秘義務の問題もありますけ れども、専門家に入っていただかないと困っているのが実態です。スクールカウンセ ラーをぜひ配置してほしい。あとは養護教諭の複数配置や、保健学習が充実できるよう な体制が整っていないわけで、そういう目標もぜひここに盛り込んでほしいですし、保 健相談室等の設置率も非常に低い状態ですので、その辺も盛り込んでいただければと思 います。  あと、「外部講師による」ではなく「外部講師を含む」ということを入れていただい た方がよろしいのではないかという気がしますけれども、いかがでしょうか。 ○平山座長  ありがとうございました。 ○櫃本委員  実はこの指標をつくるときに我々の仲間でいろいろ検討してこういう形にしたのです けれども、一番のねらいは地域保健と学校保健とが連携することに一番重きを置いてい るということです。だから僕らが学校医に期待するのは、自分がやらなくていいから地 域の資源をコーディネートしてもらったらいいということです。みずからがやって、そ こをクローズにするよりはいろいろな人を学校医が連れてきて引っ張ってきてほしいと いうのが基本的な学校医への期待です。だから、そういう意味からいくと「外部講師を 含む」ではなくて、あくまで外部講師を学校に受け入れるスタイルでいろいろな人の情 報を学校に入れていく。地域資源を使うというねらいでこういうものがあるということ です。  スクールカウンセラーという響きは定義の問題、これは思春期病棟もそうですけれど も、我々としては学校の先生方や養護の先生など学校の中にいる人たちがそういうこと を聞く時間がなかなかない。立場が違う、子どもたちが話しにくい中で、スクールカウ ンセラーが臨床心理士でなければいけないと言っている今の状況は必ずしもいいと思っ ていないのですが、ある程度聞けるような人たちが学校に入って、そういう時間帯に例 えば親が離婚してどうというような話を聞けるような人たちを学校に確保していくこと がすごく大事です。これもある意味では外の人たちを入れていくことが大事だという気 持ちです。  地域学校保健委員会もまさにそうで、学校だけの問題にせず、もっと地域レベルで話 し合っていこうということで、そんなにだれだれの立場がどうとか、そういう話ではな くて、学校をもっとオープンにしていこうという意味の指標である。だから、今の雪下 先生の話を聞いていて、確かに切り口から見ると印象が悪いかなというイメージがあっ たのですけれども、実際はそこにねらいを置いているという意味を御理解いただけたら と思うのですけれども。 ○藤内委員  これは前回、第3回の検討会でも出た話ですが、「外部講師による」とすると、受け 入れる学校側から見るといきなりやってきて、今の子どもたちや学校の実情もわからず に話をしてさっさと帰って、後のアフターケアが大変だということが本当にあろうかと 思いますので、ここは例えば「外部機関と連携した」という表現に改めて、外部機関と 連携した性教育を実施している小中学校の割合という形にしてはいかがかと思います。  先ほど美濃輪先生の御指摘にもあったように、これは性教育に限ったことではなく て、保健学習全般についても総合的にこういう形でやれるようなものも少し盛り込めた らいいのかなと思うのですけれども。 ○雪下委員  この問題だけではありませんけれども、外部講師をお願いするのも養護の先生とか学 校医が相談した上で選んでやってもらうことが実際は多いわけです。だから、外部講師 がどうこうということではないのだけれど、去年までは学校医でさえ外部講師ができな かったという時代だったんです。やっと去年認められて、学校医も学校へ入っていける ようになった。先ほど先生が言われた横浜の健康相談は保健室で毎月やることに法的に 決まっているんです。けれども実際問題として行けるかというと、校医が行っても座る 場もない。学校医にも問題がありますけれども、そういう状態です。だからそういう環 境を整えていかなければだめなので、そういうものをだんだん校医の方も整えていって もらいましょうということです。例えば性教育の問題で産婦人科の先生がそんなに来る かと言われましたけれども、外部講師も大体は産婦人科の先生に頼んで来てもらうわけ です。  そこで例えば先生は横浜ですか、横浜も神奈川もそうですが、今、専門の校医をつく りたいけれども、なかなか配置できないのでグループをつくって、その中で精神科と産 婦人科と皮膚科、整形科の先生がグループになって学校群に対応していく組織をつくろ うということで、これは一部実現しております。そういう形で専門の先生方に性教育や 心の問題等に対応してもらおうとしているわけです。学校医に対しての期待が余りない のかもしれませんが、その辺は別に学校医の権利がどうこうということを言っているわ けではありませんが、これは後で厚生省といろいろ話をさせていただこうと思っており ます。 ○平山座長  ありがとうございました。  文部省の領分は、どうも話がまとまりにくい感じですが。 ○北村委員  改めて総論的な視点からこれをお尋ねしたいのですけれども、資料3によれば、まず 保健水準の指標があるわけです。保健水準の指標が1つ提示される中で、2と3が保健 水準を達成するための保健行動や生活習慣に対する指標あるいは行動目標、行政・関係 機関の取り組みの指標となっているわけですから、それぞれにきちんと保健水準の指標 を達成するため、これがこれに役立つ、これがこれに貢献するという組み合わせがなけ ればいけないのですけれども、そういう意味ではその関係がきちんと明確にされていな い。  例えば唐突に十代の喫煙率が出ているけれども、この喫煙は保健水準の目標の何に該 当するものなのかという関係をきちんとつくっていく必要があるのではないかという気 がするんです。そういう意味で避妊法を正確に知っている者の割合とあるけれども、人 工妊娠中絶というものがここにある以上、避妊をきちんと実行している者の割合とかS TDの罹患率が目標水準にあるとしたら、このあたりは知識の問題かもしれませんが、 あるいは性教育というのは余りにも漠然としていてとらまえどころがないというのがし ばしば話題になるわけで、男の子と女の子のつき合い方も性教育ですし、命の尊重も性 教育です。しかし、ここでは保健水準の指標に中絶や性感染症があるわけですから、要 するに避妊教育を実施している割合、あるいはSTD予防教育をこういう幾つかの項目 を決めて、それを達成している学校の割合という関係をつくっていかないと、やや論理 的ではない。これも整合性の問題でしょうけれども、その議論が必要ではないかという 気がします。 ○平山座長  先ほど来の御議論もそうですけれども、いずれにしても何の目的でどういう内容の質 問なのかという説明をつけないと理解していただけなかったり、誤解されて損をしてし まったりということがあるかもしれませんので、この辺は今日この場で決める時間はあ りませんけれども、指標それぞれについての意味合いの説明を入れて整合性もとりなが らということで手直しをしていただきたいと思います。  時間の関係で、ほかの項目の柱立ても見ていただいて御意見をいただいてしまいたい と思いますので、3ページにわたりますIIの妊娠・出産のところ、不妊への支援を含め まして、この1から17まで質問といいますか、項目を挙げて考えていただいております けれども、ここについての御意見をいただますよう、どうぞお願いいたします。 ○北村委員  私は不妊の問題がこういう形でまとめになると治療に終始することに対して非常に残 念な気持ちを持つわけでして、高度生殖医療をもってしても結果的に妊娠・出産に至れ る割合は20%に満たないという中で、不妊の当事者のさらに8割の人たちが実は妊娠し 得ないわけであります。しかし一方ではいろいろな選択なのか、不妊治療がどんどん前 面に出て、その方法をとらない人は怠慢であるという家族・親族からの批判を受け苦し んでいる不妊の女性たちを大勢見ているわけです。そういう意味で、治療が目標になっ てしまうのはやや不十分ではないかなという感じがするんですね。例えば不妊治療につ いて満足している者の割合が一方であるならば、例えば不妊である自分を受け入れてく れる人たちの割合。自分は不妊だということを堂々と表明しても世の中がそれを認めて くれる人たちが大勢出てくることが、例えば不妊の女性たちにとってはとても重要なこ とだろうと思います。  5ページですけれども、そういう中で14、不妊についてのカウンセリングを提供する 施設数というところでは、治療ではなくて不妊の当事者に対する相談体制。上に不妊専 門相談センターというのがありますから、治療をとって「不妊の当事者への相談体制の 整備」という文言に変えていただくことが必要ではないかという気がします。そういう ことからすれば、17にあります不妊治療ガイドラインの作成も治療にとどまらず、不妊 の当事者、治療に至り得ない人たちへのサポートガイドラインもぜひつくられていくべ きではないだろうかという印象を持っております。 ○平山座長  ありがとうございました。  ほかにお願いいたします。 ○渡辺委員  この項目に限らないのですけれども、いろいろなところで議論がぶつかる背景には、 それぞれのアイデンティティの違いや自分たちのフィロソフィーの違いやいろいろなこ とがあると思うのですけれども、そのギャップが非常に激しいですね。それから立場の 違いがどうしてもぶつかってしまう時代に生きていることが私たちの1つの現実だと思 うんです。その中で私たちが何をしようとしているかというと、これは「健やか親子 21」なので、親子の願いがどこにあるかということを私たちが明確にとらえて、21世紀 に向けての親子の願いがどこかというところに焦点を絞っていく形の流れになっている かどうかということがすごく大事だと思います。  私どもを産んだ母たちの世代の「健やか20」かわからないけれども、その時期はとも かく子どもが産まれてほしい、病気にならないでほしいというのが願いだったんです。 今はそれと全く違って、どういうふうに違うかというと、出産・育児をするときに夫に いてほしい、あるいは安心して温かい人々、近所づき合いがあって、そしてみんなに相 談に乗ってもらったり助けてもらったり、あるいは自由に自分がやりたい育児を選べた り、その辺の問題だと思うんです。ですから、その辺のQOLを出そうとしているこの 会ですけれども、指標になるとどうしても具象的な数値にしなければいけないというす ごく難しいジレンマに遭遇していると思うんです。  けれども、例えば卑近な例ですけれども、結婚に関して今の女性は大体自分から選ん でいると思います。親が選んだ相手と結婚している人がどのくらいるかと、自分から選 んだ人というとはっきり出ると思うんです。自分から選んでいることが今の若い世代の 結婚のすごく大事なクオリティになっているわけですね。それと同じように、例えば出 産の形態を自由に自分から選べる選択肢があるのかとか選べていてよかったか、これも また抽象的ですね。その辺の願いを明確にして、それがわかった上で現時点の日本社会 で提示できるオプションはどれくらいあるのか。都会の場合と田舎の場合と各都道府県 で特殊な場合はオプションが違うと思うんです。そのオプションをそれぞれが個別に持 って、この地域ではこういうものを提案できる。そこから自分なりに選べて、それがど うだったのかという流れをもう少し入れていかないといけないと思うんです。  例えば少し前にさかのぼりますけれども、思春期の世代はやがて妊娠・出産につなが ってくるわけですから、私たちは母体とか脳の発達を心配すると喫煙率や飲酒率はすご く大事になってくるのですけれども、これももしかすると戦後の「産めよ、増やせよ、 健やかな世代をつくる」という古いバージョンの観点がかなり色濃い感じがするんです ね。今の喫煙率とか飲酒率を見た場合に、なぜ子どもたちが妊娠するのか、なぜ子ども たちが飲酒をするのかというと寂しいから、あるいは行きたい学校に行けないから、部 活で選手に選ばれなくてドロップアウトしたからという子どもの願いがかなえられてい ないところで起きている問題がこういう形で出ているのではないかという感じが高いん です。  今日は遅れてきて本当に申し訳ないのですけれども、私が外来で診ている子どもたち の診察で何をやるか。子どもは子どもの願いを親に言わないので親の願いと子どもの願 いが余りにも深いギャップの中にあって、子どもが本音を言わない。そこまでひどい家 族機能不全が起きていて、世代のギャップが起きていて、私たちの世代の子ども像と子 ども自身が考えて願っている子ども像とが全然違ってしまっているわけです。その辺の 子どもの願いをもう少し反映した統計になっていくといい。例えば子どもが自分の選び たい思春期の活動、生活が送れているかどうか。  私は具体的にどういうふうにかはわからないのですけれども、例えばイギリスの学校 だったら合わなければ1学期でかわっていいわけです。日本ではそれだけの選択はない とか、受験をしたくない子どもがした場合はクオリティ・オブ・ライフが下がって子ど もは精神的に不安定になりますから、そこから拒食が始まったり、あるいは性的な逸脱 行為や親に対する反抗などいろいろ起きるわけです。ですから、子どもの願い、あるい は妊婦の願い、あるいは小児の願いがもう少し親に届く形の、親の願いと子どもの願い の両方にそれぞれ出したような思春期、妊娠・出産期、小児期という感じにしていった らいいのではないでしょうか。そうでないと、例えばこのマトリックスの中で思春期の 子どもへの応援が適切にできるような努力というのですけれども、みんなが努力するか ら子どもたちが自殺したりするんですね。思春期の子どもへの応援が適切にできないま ま、夫がいなくて寂しいから、単身赴任をしているから、あるいは残業が多いから相談 したくても相談できない。そういう努力をして願もいから遠いというあたりの問題があ るので、私は国民という主体の中に親子のシステムとしての願いがもう少しきちんと出 るような指標にしていけないものかと思います。 ○平山座長  ありがとうございました。  この部分でほかにございますか。 ○小野委員  妊娠・出産に関する中で行政・関係機関の取り組みをこの枠組みの中でするという御 提案ですが、母親教室などの中では本文の中にもありますように父親の参加、そして仲 間づくり、支え合うという育児の基本みたいなものをつくるように努力している自治体 が多うございます。そういうところを入れて母親教室への父親の参加、または友達、支 え、そういうものがあるかどうかというのも1つ入れていただけると指標が助かるなと 思います。  以前、平成6年度ぐらいに国の特別事業でプレネイタルビジットをモデルでやったこ とがございます。これは小田原という地域ですけれども、そのときにも大変いい結果が 出たことがございますので、そういう指標がここに1つ、産婦人科と小児科の連携など の指標が出ると1つの指標が出るのではないかという2つ、健全な方の提案としてさせ ていただきたいと思います。 ○平山座長  ありがとうございました。いい項目を教えていただきました。 ○藤内委員  先ほどの渡辺委員の御指摘といいますか、これは本当に国レベルの議論で親子の願い がどこにあるのかということを果たして私たちがここで議論できるのだろうかというの はすごく荷が重いなと感じました。逆に、ここで決めたものを国民に提示できるのかと いうと、また難しい。実はこれを国レベルで議論し、そして大事なことは自治体レベ ル、地域レベルでこういう議論をされるべきかなと思います。そういう意味で本当にそ れぞれの地域で、それこそ農村地域であったり都市部もあるでしょうが、地域で今の自 分の市の親子の願いは何なのかということを当事者を入れて議論する場を、来年度のこ の「健やか親子21」を受けたそれぞれの自治体での母子保健計画の見直しでぜひやって いただきたいと思うんです。  それから、小野委員から今御指摘としてあったのは、これを達成するための個別の事 業、プレネイタルビジットも含めて、そういったものは多分それぞれの地域で、うちの 地域はこういうやり方に効果があるからそれを指標にしようという取捨選択があると思 うので、その具体的な部分はむしろそれぞれの地域での議論にゆだねてもいいのではな いかと思うんです。ただ、国としてガイドラインの作成とか、どうしても譲れないも の、ここにきちんと書くことで各業界への政策誘導が図れるものは当然ここに書き込む べきですが、それぞれの自治体でそれぞれの実態に合った事業なり対策は考えてもらわ ないと、逆に国が細かくつくってしまって、あと市町村はそのままやるというのが一番 まずいかなと思うので、そういう議論をぜひ自治体にしていただくよう、これはまた保 健所の役割でもあるのですが、それを喚起したいなと思います。 ○平山座長  ありがとうございました。  大変大切な基本姿勢だと思いますので、よろしくお願いします。 ○櫃本委員  確かにこの指標を出すときに我々のグループでもいろいろなものを出したのですけれ ども、その一部がこの中に入っているわけで、そういう意味では入れたいものがたくさ んあるんです。それにどういう順番をつけていくかはそれぞれの価値観が違うので非常 に難しいところがあります。実は先ほど小野委員が言われていた父親参加の話も出たの だけれども、母親ひとりの家も当然あるわけです。そういう中で父親参加という言葉を 果たして入れていいのか。北村先生の不妊の部分の、それは受け入れられるから絶対に それは入れるべきだろうと思ったのだけれども、実際にそれをどうやって聞くかという ことになるとまた難しい。だから、果たして指標を完璧にできるのか。むしろこれは指 標を考えるプロセスを伝えて、むしろ地方レベルでかなり具体的に、結局は勝負は3番 目のノルマを各地域でどう、先ほどの住民の本当の声を聞いた中で、結局はヘルスプロ モーションで私自身が持っているキーワードは情報の収集と提供、それと受け皿整備と いう2本が基本的には住民を主役に置いてどうするかという発想になるので、藤内先生 の話もありましたけれども、そういう意味で指標は地方で考えるべきだということを基 本に置きながら、先ほど雪下先生のお話を聞いていると思春期のところに学校医の役割 について国レベルできちんと位置づけた方がいいというものはあるのですけれども、そ れは各委員からこれから再度出してもらって、あとはどこかで絞り込まないと、入れた 方がいいのはあれですけれども、それはそれでもしできるなら絞り込んだものは参考資 料に置いていただいて、これも参考でその中から一応こういうものを選びましたという 形にすれば、父親参加の部分も実は入れていた、でも全体には入っていないという形の 二本立てにすると先生方のいろいろな意見が入って、それをどう地域でとらえるかとい うふうになると思うのですけれども。 ○平山座長  ありがとうございました。だんだんイメージができてきましたが。 ○小野委員  繰り返しますが、行政という枠組みのマイナスの問いが多うございますので、工夫し ているところが本文では大分あるものですから、せめて母親教室の工夫みたいなものが 指標に入ればなと思っただけでございます。 ○多田委員  私も同じような問題として先ほど発言しましたのは、例えばプレネイタルビジットみ たいな問題など具体的なことは先生がおっしゃるように努力目標にして、背景にあるも のとするのならば、それとしてきちんと書いていただかないと、一般の方はこれだけ見 てもプレネイタルビジットがいいということは何にもわからないという問題になってし まう。ですから、先ほどのような行政などいろいろなところが努力できる部分を具体的 に示すかということがないと、漠然とした形になってしまうような印象を持つというの が、私が先ほど発言した趣旨です。  例えばここにも母子同室制とありますけれども、ただ母子同室制にするということに はならないんですね。それをするためには人とかスペースとかいろいろなものが関係し てくると思うので、先ほど先生がおっしゃったような次の段階がきちんとあるという前 提があれば書かなくてもいいのですけれども、逆に書いておかないと、そういうことは 飛ばされてしまって何年たっても何にも変わらなかったということになってしまう。私 はそう考えたわけです。 ○平山座長  ありがとうございました。いろいろ出していただいて、参考になりました。  時間が迫ってきておりますので、3本目の柱、小児保健医療水準の維持向上させるた めの環境整備の部分についてお願いいたします。 ○田中委員  乳児死亡率があるのですけれども、幼児死亡率も重要だと思います。乳児死亡率は非 常にいいのですけれども、1歳から4歳は世界でも余りよくないという結果が出ていま すので、幼児についても入れた方がいいのではないか。  それから、4の誤飲事故の報告数です。これは経験病院が非常に少ないので、ここに 入れるのに適当かどうかは疑問に感じました。  それから、8です。心肺蘇生だけでいいのか、応急手当も入れる必要があるのか。  20に関しては新築のときにお風呂場のノブを15センチ、これだけが溺死対策ではない というので、これよりもむしろ浴槽での溺死対策の実施率とか、そのようにした方がい いのかなと思いました。 ○平山座長  ありがとうございました。 ○前川委員  保健水準の指標のところですけれども、これを全部見ても健やか親子が育つとは思わ ないんですね。例えば乳児死亡率は今世界一です。これを減らして一体何の意味がある のかということです。私たちが学生とかほかで講演するときに、今の日本の小児保健で は乳児死亡率が水準を余りあらわさないと話しているんですね。恐らく厚生省の方々も それを思っていると思うんです。そういうことよりも、むしろ今の子どもたちが健やか に育っているという指標があれば一番いいと思うんです。例えばその一つとして学校の 不登校の率や超未熟児の就学時のインタクト・サバイバルの率、ハイリスク要因を持っ た家庭の率など、子どもが育つために必要なソフト的な指標が何かあったらいいと思う のですけ、この点はよろしくお願いします。  以上です。 ○平山座長  ありがとうございました。  ほかにございましょうか。 ○巷野委員  確かに日本の乳児死亡率は非常によくなりましたので、さらに減るかどうか。減った 方がいいですけれども、昔から乳児死亡率は一国文化のバロメーターという言葉があり ます。ですから、この数字が出ること自体に意味があると思うのですが、乳児死亡の中 でも新生児死亡と後の乳児死亡は性質が違うわけです。新生児死亡といいますと、生ま れつきの病気や低出生体重児の問題が入ってまいりますので、昔からのアルファ・イン デックスというのがあります。新生児死亡と新生児死亡後の死亡とを分けている考え方 です。新生児死亡の後ですと、そのときの社会情勢や県別で随分違うわけです。そうい う意味で新生児死亡の数字も入れて10年後を見たならば、かなりいいデータが出るだろ うと思います。  もう一つは17の乳幼児健康支援です。私は今、保育園保健ということで仕事をしてお ります。保育園が乳幼児を預かったとき保母さんがどういう仕事をしたらいいかという ことで子育て支援の一環として前向きに検討しておりますが、一方、先ほど渡辺先生が おっしゃったように子どもの立場で考えたときに、病気のときに保育所に入るのはどう かなと思っております。子どもの立場から言えば、そういうときこそ家庭で見るような 福祉体制があっていいのではないか。病気のときに子どもが願っているのは家庭で母親 の胸の中にいることではないかと思いますし、その方が治りも早いし、そういう機会が あればこそ母と子が結びつくのではないかと思うわけです。  そういうことから、例えば東京でもゼロ歳児は家庭でということで江戸川区などでは 保育所ではなくて保育ママさんが家庭で保育する制度。保育所は今でもゼロ歳児をやっ ておりませんけれども、それぞれ自治体によっても考え方が違うわけです。ですから、 病児保育事業をする市町村が増えていくことが果たしていいことなのかどうか。もしこ れを載せるならば、その辺も基本的に考えた上で出た数字を解釈していただきたいと思 います。何かほかに子どもの立場から、子どもが困ったときにどうするかといった指標 があればと思っておりますが、私は今思いつきません。よろしくお願いします。 ○平山座長  ありがとうございました。  まだ例は少ないのですが、このごろ一時預かり事業も派遣型というものもできたよう ですし、またよろしくお願いいたします。  それでは、時間の関係で済みませんが、最後の4本目の柱の心の部分についてぜひと いう御発言がありましたらお願いいたします。 ○北村委員  保健水準の目標の1で子育てに自信を持たれてしまうと困るような、これは例えば子 育てを楽しいと感じている母親なのか、あるいは父親なのかわかりませんけれども、そ ういうものではないでしょうか。あるいは、乳幼児の身体発育調査は十分存じ上げてい ないのですけれども、こういう自信を持っている母親が出てくるのですか。あなたは子 育てに自信を持っていますか、そうすると「はい」「いいえ」などと出てきてしまうの ですか。 ○櫃本委員  だから入れているので、これを挙げるのがいいのかと思われると表現があるので、こ れはモニタリングになるだろうなと思いますと。楽しいというのも本当に子育てが楽し いと言えるのか。辛いけれども、それは振り返ってみればよかったなというのはあるけ れども、子育てが楽しいというのは難しいですね。 ○北村委員  私は自信を持ったことは一度もないのですけれども。ですから、これは乳幼児身体発 育調査の調査項目を変更することは可能ですか。できるわけですね。ですから、このあ たりを十分踏まえた指標を知るための調査項目の変更をしたらよろしいのではないかと いう気がします。例えば育児サークルに参加する、これは参加すればいいというもので はないですね。このあたりはいろいろ議論が必要ではないでしょうか。 ○櫃本委員  育児サークルの概念が、サークルというイメージを抱く人によって随分違うんです。 物すごく幅広く受けとめたら、これ自身はとにかく人の集まっている公園にでも行けば いいという解釈なんです。だから、育児サークルという概念ができ上がりのこういうも のだとしてしまうと、表現がちょっと。だから、言葉の概念が結局とらえ方だと思うん です。 ○北村委員  あとは住民の行動で、父親が不在になっているのが、最近は話によるとシングルフ ァーザーがいろいろと話題になっているのだそうであります。ですから、母親が父親不 在で子どもを育てると同時に、父親だけが育てている例もあるようですので、父親不在 はまずいだろうと思います。 ○平山座長  この辺はまたいろいろあるかもしれませんが、最後に多田先生。 ○多田委員  8の周産期医療施設の退院時のフォロー体制が確立している二次医療圏の割合も、何 をもってフォロー体制ができている二次医療圏かというのは非常に難しいので、むしろ 具体的に何を見るかは別といたしまして、フォローしている割合、あるいは療育機関と 緊密な連絡ができている地域など、何かで表現しないとわかりにくくなってしまう。そ ういう意味で先ほどのような発言をしましたのは、むしろ療育体制が整備されている三 次医療圏とか二次医療圏ということを入れていただく方がいいのかなと思いました。  前にさかのぼりますけれども、IIIの10のうつ伏せ寝を実施している親の割合は指標と していいのでしょうか。私はよくわからないのですけれども、子どもが自分でうつ伏せ 寝になってしまう時期もありますので、むしろSIDSについてよく知っている親の数 というような指標にしていただかないととりにくいのかなという気がいたしました。 ○平山座長  ありがとうございました。  まだ御意見はあると思うのですが、本当に時間がなくなってしまいました。先ほどマ トリックスの表と関係団体名についてメモをくださいというお願いをいたしましたが、 あわせて4つの柱についての目標値の項目についても御意見あるいはよりよい表現等々 につきまして、これも事務局へお知らせいただけますと大変ありがたいので、今日御発 言の時間がなくて申し訳ありませんでしたが、そういう先生方もぜひ御意見をお知らせ いただきたいと思います。  最後が脱兎のごとくなってしまって申し訳ございませんでしたが、この次の予定と最 後に課長から御挨拶をいただいて終わらせたいと思います。よろしくどうぞ。 ○椎葉課長補佐  それでは、事務局からお知らせいたします。次回第8回につきましては10月12日(木) で、時間と場所につきましては今回と同様でございます。できれば先生方の御意見な ど、特に目標値の御意見は根拠、資料なども記載した上でいただけると大変助かると思 いますので、よろしくお願いします。 ○北村委員  これはいつまでですか。 ○椎葉課長補佐  来週の水曜ぐらいまでお願いいたします。 ○平山座長  1週間以内ぐらいですね。お忙しいところ申し訳ありませんが、そういうことでよろ しくお願いいたします。 ○藤崎課長  最後に一言御礼を申し上げます。本日、大変重要な関係団体の役割と指標について御 議論いただきました。これは本当に大事な部分でありまして、もっと時間をかけなけれ ばいけないところですが、毎回こういう事情でございますので、御斟酌の上よろしく御 協力をお願いいたします。  私が思いましたのは、これまでとにかく4本の柱を中心に具体的に議論してきたわけ ですが、この指標の問題、役割を考えますと、また本質論に戻って、それぞれ自分たち は何のためにこれをやっているのかという話に戻らざるを得ない状況になってきており ますし、時間との戦いもございますので、そのことも考えながら今後やってまいりたい と思います。  1つお願いですけれども、本日、総論部分のところでいろいろと定義の問題も含めて 記載するようにという御指示がございましたが、これは事務局の能力もございまして、 能力というのは私の能力でございますが、至らないもので、何人かの先生に申し訳ない けれどもこの点について書いていただけませんかというお願いがきっといくだろうと思 いますので、そのときにはぜひ御協力をお願いしたいと思います。  その点をお願い申し上げまして、御礼にかえさせていただきます。本日はどうもあり がとうございました。 ○平山座長  どうもありがとうございました。あと2回でございます。どうぞよろしく御議論いた だきたいと思います。                       (了) +--------------------------------------------------+ | 照会先:児童家庭局母子保健課  椎葉(内3173)| +--------------------------------------------------+