00/09/12 第3回介助犬に関する検討会議事録        第3回 介助犬に関する検討会                   議事録         日時 平成12年9月12日(火)15時00分〜17時00分         場所 厚生省別館共用第10会議室                (開会・15時00分) 板山座長  第3回の介助犬に関します検討会をこれから始めさせていただきます。  まだ、お見えになっていらっしゃらない方もありますが、定刻でありますから始めた いと思います。  まず、はじめに事務局から連絡等ございましたら説明をしてください。 企画課長  それでは私の方から今日の委員の出席の状況についてご報告させていただきます。  まず、ダイエーの高嶋委員につきましては本日は代理として同じくダイエーの高田さ んに代理で出席をしていただいております。日本ホテル協会の満野委員につきましては 代理で大原さんに出席をいただいております。JR東日本の前田委員につきましては代 理で岩樋さんにご出席をいただいております。  なお、ご欠席の委員でございますが、谷口委員は実は残念ながらご都合が悪いという ことでご欠席でございますが、河西委員と高柳哲也委員につきましては、今日は新幹線 がどうも止まっておるようでございまして、残念ながらご出席できないという状況でご ざいます。  本日、東京都の障害福祉部の土本在宅福祉課長さん、初めてご出席いただいていまし て、前任、専通在宅福祉課長さんの後任として在宅福祉課長にご就任されました土本委 員に出席していただいています。 板山座長  よろしくどうぞ。 土本委員  よろしくお願いいたします。 企画課長  なお、今回も前回に引き続きまして運輸省運輸政策局消費行政課と運輸政策局の観光 部観光地域振興課の担当官の方にもオブザーバーとしてご出席していただいております ことをご報告させていただきます。以上でございます。 板山座長  お聞きのとおり、大雨の影響などがこの委員会の委員の出席の方にも出てきているよ うでありますが、しかし、運輸省からオブザーバーですが、ご出席をいただき、大変に 関心を持ってくださっているわけでいいことだと思いますね。  それでは議事に入りたいと思いますが、まず、事務局から本日の資料等の説明につい てお願いいたします。 社会参加推進室長  それでは事務局からお手元に配付してございます資料の確認をさせていただきたいと 思います。  まず、資料1でございます。1枚のペーパーものでございますが、討議事項というこ とで、これは本日、議論していただく事項を整理したものでございます。  次に資料の2−1と書かれているものでございますが、これは高柳友子委員が介助犬 の効果と目的等についてまとめられたものでございます。  同じく資料の2−2でございます。これは前回の検討会において日本介助犬アカデ ミーから配付された小冊子『介助犬とともに暮らすには』からの抜粋の資料でございま す。  参考資料といたしまして同じく高柳友子委員がこれまでの研究結果を踏まえ書かれた ものを用意してございます。  最後に資料3がございますが、これは前回、第2回の検討会の議事録でございます。 前回の検討会終了後、委員の皆様にお目通しをいただいたものでございます。  以上、本日、用意した資料でございます。資料のご確認をいただきまして。 板山座長  お手元に皆さん、資料、ありましょうか。 社会参加推進室長  以上でございます。 板山座長  はい。ありがとうございました。それではこれから議事に入りたいと思いますが、本 日は今の資料1にありますように介助犬の役割、介助犬の有効性、使用者の範囲、介助 犬の定義、こういったものについてご検討をいただくわけでありますが、はじめにとり わけ介助犬の役割と有効性という問題について厚生科学研究で介助犬に関する基礎的調 査研究をされました委員の高柳友子さんからご説明を少しいただいてご協議を願いたい と思います。高柳さん、よろしくお願い申し上げます。 高柳(友)委員  よろしくお願いいたします。介助犬の基礎的調査研究班の研究構成員として、日本介 助犬アカデミーという介助犬の情報機関、普及を目指す、育成はしておりませんが、情 報機関として収集してきた情報をまとめたすべてを、結集した形でいろいろと情報提供 を、まず、させていただいて、先生方にはご検討いただくチェックポイントをご理解い ただければというふうに思っております。  スライドに沿ってお話を進めていきたいと思っておりますが、お手元に見ていただき たい資料は資料2−1でございます。資料2−1がレジュメですので、これに沿ってご 説明をさせていただきます。  この介助犬とはということなのですけれども、これを今、敢えて、まず、議論をして いただく必要があるということです。と申し上げるのは、これはおそらく盲導犬の最初 に始まった頃とは大きく違うのではないかと思うのですけれども、介助犬が最近、メディ アで取り上げられる機会というのは大変に多くなっております。ところがそこで取り上 げられている介助犬というものは決して一定な基準を満たした犬ではなくて、いろいろ な犬が介助犬としてメディアでは取り上げられているというのが現状なものですから、 そのあたりをこの検討会では明確にしてから議論を進めるべきであろうと。そこが一番 重要な点であろうと思っております。  私ども、日本介助犬アカデミーでは少ないながらも10数頭は介助犬が日本に実働して おり、それに伴って介助犬使用者、主に肢体不自由者、主にというか、日本では肢体不 自由者しかありませんけれども、その方が社会参加を介助犬によって果たそうとしてい るという現状を見て、ただ、今、申し上げたように介助犬の定義、基準がはっきりして いない。  そこで私ども、介助犬の普及を目指すものとしても介助犬と聞いてすぐに応援するわ けにはいかないという苦しい現状がありまして、それで介助犬の定義と基準をあくまで 獣医学的に、公衆衛生学的に、かつリハビリテーション医学的に検討したときに何が介 助犬であるかということをまとめて基準を設け、それに伴った審査を、大変おこがまし いとは思うのですけれども、審査をさせていただいて、その基準に合った介助犬及び介 助犬使用者に関しては社会参加の全面的な応援をしたいということで、この介助犬資格 証明発行事業というものを始めました。  それのもとになっているのがこの介助犬の定義と基準です。この定義と基準に関しま しては資料の2−2の6頁から7頁に書いてございます。これは大きく分けて、まず、 読み上げると「介助犬とは然るべき知識と経験を有する訓練者によって訓練された犬を 、犬と共に訓練を終了した肢体不自由者が使用する場合に介助犬という」というところ で、これに介助犬の目的が抜けておりますので、あとでそれは補足しますけれども、こ の細目に関しましては次のスライドをお願いします。  要するに使用者の適性資格と公衆衛生基準ということで、犬の健康管理と行動管理に 関する基準、介助犬としての介助訓練基準という3つに大きく分かれるというふうにま とめました。これは資料の2−2の9頁に書いてございます。介助犬訓練基準に関して は次のスライドをお願いします。  介助犬と盲導犬、あるいは聴導犬の一番大きな違いは、このように介助項目が個々の 障害者によって違うということです。障害が多種であるということから、個々の障害者 に合わせた評価、それに伴った、それに基づいた介助訓練が必要であるということが他 の盲導犬、聴導犬とは大きく違うところですので、こういった意味からより専門的な知 識と技術が介助犬トレーナーには求められると言えると思います。これはあとで見にく いのでお手元の資料でご覧いただければと思います。スライドをお願いします。  用語説明ですけれども、定義よりももう少しかみ砕いてお話をしますと、最近、よく 間違った使われた方をしているという例を挙げながらご説明をしたいと思います。  老人ホームや精神科治療、リハビリテーションの現場などで、リハビリテーション医 療の現場などで犬などを連れて、この場合、犬ですけれども、を連れてボランティア活 動として治療やレクリエーションの補助をするという活動が最近、急速に日本にも広が っております。これは動物介在活動とか、ふれあい活動とか、いろいろ呼び方がありま すし、あるいはこれを治療に用いる場合には動物介在療法というような分野に発展して おりますけれども、ここで用いられる犬は介助犬ではありません。  ところがメディアではよくこういう犬が介助犬、要するに治療者、セラピストの介助 をする犬として介助犬という言葉で使われていることがありますので、そこは誤解をし ていただくと困ると思います。あくまで下に書いてあります介助犬の介助の対象は使用 する障害者本人のみであり、家族や医療従事者ではないということ、これが大事な点だ と思います。スライドをお願いします。  介助犬の呼び方ですけれども、これも我々の調査でも世界的にも公的な定義、基準、 資格制度が明確にあるところというのはひとつも今のところありません。ただ、アメリ カでは一番普及していると言われておりまして、その中ではサービスドッグという言葉 が一番頻繁に、あるいはアシスタンスドッグという言葉が頻繁に使われております。ア メリカの法律、ADA法の中ではサービスアニマルという言葉が使われておりますし、 州レベルの法律の中ではサービスドッグという言葉が最も頻繁に使われていると思いま す。  日本でもパートナードッグ、インディペンデンスドッグ、介護犬など、いろいろな呼 び方が今、されておりますので、こういった用語の統一も必要だと思います。  もうひとつ誤解を招きやすいのが、この介助犬対セラピー犬、またはコンパニオン犬 というところなのです。最近、癒し犬なんていう言葉も出てきて、何だか訳わからなく なってきましたが、これは明確に違います。このことを明確に位置づけをするというこ とは、今後、法的な位置づけ、介助犬における法的な位置づけを考えていく上で大変重 要なことです。  介助犬は盲導犬と同様に障害者の自立を目的に、かつ個別に介助訓練を受けていると いうことです。常に使用する障害者の体の一部として同行をしている犬でありますが、 そういう点が治療のお手伝いをするとか、あるいは施設で入所者の心のケアをするとか といった社会的役割を有する犬、いわゆるワーキングドッグとは異なる点です。これは とても重要な点です。  資料2−1に書いてあるのですけれども、ご覧いただければと思いますが、介助犬で はないが誤解を生じやすい使用例というのをいくつか挙げてみました。例えば老人ホー ム等の福祉施設で職員の手助けをしたり、入所者の心のケアを目的として飼育されてい る犬。これは介助犬とは考える必要がないというか、法的位置づけとしては変わってく ると、違ってくると思います。  2番目の子どもや痴呆高齢者、寝たきりで自ら犬に指示を出して犬の行動管理ができ ないが、家族によってしつけや管理は行き届いており、新聞など手元に持ってくる等の 訓練はされている犬。これは第三者が介在した状況で介助をするということから、介助 犬とはまた違うというふうに扱っております。  3番目、病院で患者の治療の一環として行われる動物介在療法に用いられる犬。さき ほど申し上げたとおりです。スライドをお願いします。  介助犬の目的ですけれども、大きくこの3つに分かれると思われます。1番目、障害 者の日常生活動作を介助し、自立を助け、社会参加及び社会復帰を推進する。2番目に 障害者のQOL、生活の質を向上する。3番目に介助者、介護者の負担を軽減するとい うことで、この1番目の障害者の日常生活動作を介助し、自立を助け、社会参加及び社 会復帰を推進するというのが大変、今後の日本においては重要な点になってくるだろう と考えております。  次に、介助犬による効果ということなのですけれども、先に資料を見ていただきたい と思います。資料2−1の2頁目ですが、これは介助犬というものがメディアに出てく るときにどんな役割がありますかと聞かれた際、精神的にこの子がいると安心しますと いうようなことが一番クローズアップされて出てくることが多いのですね。これは確か に犬特有の効果ですし、とても重要な点なのですけれども、もし、精神的な効果だけと するのであれは、それはペットと同じであるという位置づけをされても仕方がないとい うふうに考えます。ということで犬が人にもたらす効果というのと、介助犬の効果とい うのと別々に考えなければなりません。  犬が人にもたらす効果とはペットと共通する効果で、これに関しては1970年代から欧 米を中心に人と動物の関係学というところでいろいろと研究が進んでまいりました。大 きく分けて3つの効果があります。犬が人にもたらす効果としては精神的な効果、社会 的な効果、機能的効果と3つがあります。この精神的効果としては、飼い主としての役 割感、責任感、ストレス緩衝作用、安堵感というのが挙げられました。これはこれまで の文献学的な考察、文献学的な検索をまとめたものです。  社会的効果としては社会的潤滑油効果と呼ばれるものですけれども、犬を連れて歩い ていると人が話しかけやすいと。今まで、普通だったら友達にならなかったような人と お友達になるきっかけができる。回りからも話しかけやすくする要素を持っているとい うことで、交流範囲の拡大につながる。そして会話の増加。もうひとつは安全確保とい うところ、これはあとで触れたいと思います。  機能的生理的な効果としては犬の世話という責任が発生しますので、必ず餌をやらな ければいけないとか、散歩に行かなければいけないという、この責任感から動作が増加 し、かつ犬と話をしたり、号令をかけたり、指示を出したりということで、発語の増加 があるというふうに言われております。  介助犬の介助項目に関してのご説明をしたいと思います。これは資料2−2の9頁の 方に項目は書いて挙げられておりますので、それを見ながらスライドの写真を見ていた だければと思います。  まず、主に介助犬が行うのは手や腕、主に手ですね。手で行う動作です。このように 落としたものを拾って渡すということが一番頻度としては多いです。落としたものの重 要度によって、その介助内容というものの重要度、あるいは緊急度というのが決まって きます。このフロッピーディスクとか、リモコン、あるいは尿器なのですけれども。  この右側の尿器を拾ってもらっている筋ジストロフィーの方は介助犬が来る前は24時 間、見守り介助も含めて24時間、必ずヘルパーにいてもらいました。それはこの尿器を 落としてしまったときに排尿したいと困ると。その不安ひとつでやはり見守り介助を入 れないとどうしても不安でいられないということから、24時間、入れていたわけなので すが、介助犬がいることによって数時間ではありますけれども、かなり重度の方ですの で数時間ではありますけれども、全くプライベートな時間を過ごすことができるように なったということで、落としたものと、たかだか落とすものを拾うと言っても、その内 容によってはかなり障害者の生活を変える要素を持っているということです。スライド をお願いします。  これは電話の子機を持ってきているのですけれども、電話の子機、あるいは携帯電話 を持ってくるというのは緊急時の連絡手段確保のためには大変重要な項目になってきま す。 我々の障害者の調査でもやはり緊急時の連絡手段が確保されていれば不安なく外 出できるとか、不安なく自分で乗り移り、トランスファーをトライできるとか、そうい った声が多く聞かれました。スライドをお願いします。  これは前回、介助犬使用者として参加された、ヒアリングに来られた木村さんの映像 なのですけれども、これはフロッピーディスクを落としてしまうことで仕事が中断する 。 こは木村さんに限らずこういった落としたことによって、例えば家事の最中でもそうだ と思うのですけれども、包丁を落としてしまったから、そこでもうお料理が中断してし まう。それを介助犬が拾ってくれれば、そこで中断せずにそのまま動作を続けられると いうのは生活においては大きな違いになると思われます。スライドをお願いします。  とにかく何でもものは覚えさせて持ってこさせることは可能です。一応、補足してお きますけれども、介助犬の介助内容が不確実であるというふうに犬を知らない方で考え られていらっしゃる方が多いと私も最近、認識したのですけれども、取ったり、取らな かったりということをするのでは介助犬ではないと考えております。必ずTakeと言った ときに取る。必ず教えた動作は確実に行う。でなければ介助犬ではないということを前 提にお話しております。スライドをお願いします。  家の中の動作を先に中心に見ていただいております。冷蔵庫を開けて中から物を取り 出すことによって、一人でいるときにはジュースを飲めなかったのが、一人でもジュー スを飲めるようになった。あるいはお水を飲めるようになったということで、これまで 、人がいないときには我慢をしてそれなりに生活をしてきたのが便利になったという声 は聞かれております。これは冷蔵庫に限らず、洗濯機の中の物の出し入れ、当然、乾燥 機にもできますし、引出し等でも行うことができます。スライドをお願いします。  これは着脱衣というか、靴であったり、靴下であったり、あるいはズボンも、上着も できます。これは脱衣だけですけれども、着衣の介助もすることができます。スライド をお願いします。  これはまだ日本ではこういったケースは私どもの調査で知る限りではまだ日本にない のですけれども、アメリカの方ではこういった車椅子の方だけではなくて、歩行のため に介助犬を使用している方、そういうケースもたくさん見られます。この方、多発性硬 化症ですけれども、座位から立位への介助として台の役割をします。普通は台を必要な ところに置いておけばいいのですけれども、言ってみれば介助犬はいつでもどこでも必 要なときに向こうからやってきてくれる台ということで、そういった点が大変便利であ ろうと思います。スライドをお願いします。  これは起き上がり介助。座位から立位というのとはまた違って、起き上がりがこの方、 同じ多発性硬化症の方で、背筋が弱いですし、自分で起き上がりはできないので、これ までは家族が起き上がり介助をしてきたのですけれども、介助犬がこのようにつかまり やすい位置に立って後ろに下がることで上半身を上げて起き上がることができるという ことです。スライドをお願いします。  これは若年性関節リウマチの方の座位から立位への起き上がり介助をしているところ で、関節硬縮による起き上がりの介助と筋力低下による起き上がり介助ではやはり違う と思われますので、介助犬トレーナーには知識と技術が必要であろうということは言え ると思います。スライドをお願いします。  これは転倒時からの起き上がりの介助です。スライドをお願いします。本人がつかま りやすい位置にまず伏せて、このように今度は立った位置でじっとして本人が上半身を 屈んだぐらいの位置になるまで我慢をしています。スライドをお願いします。  これはちょっとわかりにくいのですけれども、頭を押し上げているところです。犬が 自分の頭で、鼻でと言いますか、鼻で使用者、障害者の頭を押し上げることで、その反 動で起き上がることができると、屈んだ位置から立ち上がりができるということです。 スライドをお願いします。  最後に杖を渡すということで、この起き上がりの写真は参考資料の、私、書きました 文献の中にも介助犬の現状と課題という文献の中にも写真がいくつか入っておりますの で、あとでご覧いただければと思います。スライドをお願いします。  これは見にくいですけれども、今度は外に出ていく動作を見たいと思います。これは ドアを開けております。スライドをお願いします。  これはエレベーターのボタンを押しているところなのですけれども、確かにたくさん 並んでいる中で5階を押せと言ってもなかなか5階と3階と7階と全部一度に押してし まう可能性は高いのですけれども、それでもエレベーターの中に何時間も誰も人がいな かったために閉じ込められてしまったという障害者のお話も聞くことが少なくありませ ん。そういう中でとにかく緊急でも何でもいいから、緊急時の非常ボタンでも何でもい いから押せるということを確保していることで障害者の外出への安全感が変わるという ことであろうと思います。スライドをお願いします。  これは前回の木村さんのお話にもありましたパーキングチケットを取るということな のですけれども、パーキングチケットは本当に1例で、要するに今まで取ることができ なかったから次の動作ができなかったということなのですね。これもパーキングチケッ トが取れない、後方車に頼むことができるときには後方車にわざわざトランスファーを して、もう一度車椅子に乗り移って、後ろに行ってその後方車に頼んで、もう一度戻っ てきて、また車に乗り移るという動作をしてかなり時間がかかって駐車場に入ったり、 高速道路に入っていたわけなのですけれども、これをいつでもやってくれるということ で、円滑に例えば高速道路に乗るとか、高速道路を使うとか、駐車場で自動のこういう 機械しかない駐車場も利用することができるようになったということです。スライドを お願いします。  これは陳列棚からの物を取るということなのですけれども、これも障害者が自分で取 れないものを、もちろんお店でも介助サービスというのは随分、普及してきましたけれ ども、できればやはり自分でゆっくり物を選んで買い物をしたいという欲求を満たすに は、大変便利な項目です。  ただ、これは社会での受け入れ体制のことから見ると、どうしてもやはり商品の破損 まではいかないまでも、唾液がつくとか、鼻がついた商品を買いたくないとか、そうい った社会でも受け入れ体制に関しては考慮する、大きな盲導犬との違いであろうと思い ます。スライドをお願いします。  これはカウンターに置くことができない方はこういったカウンターに物を置くという こともできるという例です。スライドをお願いします。  これも日本ではまだ例がありませんが、歩行介助をするということで、これも歩行器 と同じような役割をしています。スライドをお願いします。  これはさきほどご説明をしたことです。スライドをお願いします。  こういったことをお話をするときに、なるべく感情論を入れないでお話をするべきだ ということは重々、承知をした上で、でもやはり人的介助、あるいは機械の介助と犬が 何が違うのか。なぜ、介助犬なのかというときに、この感情を抜きに語ることはできな いということで、このスライドをちょっと入れさせていただきました。  犬が言っている言葉がまさにこの犬がもたらす、人に犬がもたらす効果なのであろう と思うのですけれども、「To you, he is a dog, to him, you are everything.」とい って、犬というものが人に接するとき、自分が絶大なる信頼をおいた飼い主に対して接 する態度というものが、まさに介助犬を作り上げたわけで、あなたにとっては単なる犬 かもしれないけれども、彼にとってはあなたがすべてなのですよという態度を全面的に 示せる動物、それが犬であろうということを感じております。だからこそ、盲導犬や介 助犬、聴導犬という役割が社会に発生しているのだろうということを忘れるわけにはい きませんので、敢えてこのスライドを入れさせていただきました。スライドをお願いし ます。  これによって、では犬が人にもたらす効果に加えて介助犬としての介助項目、これが 常に確保されていること、これが介助犬の違いです。介助項目が常に確保されているこ とによる不安の解消ができるということなのですね。これに加えて犬が人にもたらす効 果、例えば飼い主としての役割感や責任感とか、あるいは会話が増加したとか、そうい ったことによって自立心や自尊心の改善、介助者、介護者への精神的負担の軽減ができ るということを本人が感じるということ、これも大事な点です。外出頻度及び時間の増 加、社会参加、交流範囲の拡大、プライバシーの確保というのが介助犬の効果であろう ということを示してきました。  不安の解消がされると言いましたが、ではここで言う障害者の不安というのは何かと 申し上げると、例えば財布や鍵など、大切なものを落として拾えない。またはそこで盗 まれてしまう。これは本当に多くの障害者が外出時に経験をしていることだというふう に我々の調査でもわかっております。  あるいは移乗時のトランスファーをするときの転倒。これは本当に頻度が多い事故で すので、このときに転倒して誰か回りに助けてくれる人がいなかったらという不安が拭 いされないから外出できないという方も少なくありません。段差や障害物、踏切で動け なくなる。これも大変に危険です。時によっては本当に死活問題になるようなケースも 少なくないと思いますので、こういった危険なときに介助犬の手助けが常に受けられる ということでの不安の解消。  これは本当に私も調査をして考えさせられてしまったのですが、スリや痴漢などの犯 罪に合う障害者が少なくないという現状があります。そういったことから特にアメリカ でよく聞くのですけれども、大型犬を連れていることでこういった犯罪に合う頻度が大 変減ったということで、もちろんそういうことで例えば危険な人に飛びつくような警察 犬のような訓練というのは普通はしていないのですけれども、大型犬がついていると、 あるいは大事なお財布などは車椅子の後ろに入れるのではなくて介助犬が背負っている バックパックに入れておくと。それによってすられる機会がぐっと減るというようなこ とはあると聞いております。  緊急時の連絡手段がないということ、さきほど申し上げた、いつでも必ず携帯電話を 何かの方法で取ってきてくれれば誰かに連絡がつくと。その確保というのは一番大きい というふうに感じております。スライドをお願いします。  介助犬による介助と人的介助の違いですけれども、これはあとでこの資料を見ながら 介助犬の希望動機というところでも触れたいと思いますが、まず、作業遂行に対する認 識として一番違う点は人にお願いして、例えばすみません、それを取ってください、あ るいはすみませんと言わないまでも家族に取ってと言って取ってもらったものは人に頼 んでした動作なのですが、介助犬に「Take何とか」、「何とか取って」と言って介助犬 が自分の手元に持ってきたものというのは自分で取ったものだという、そういう認識を 介助犬使用者は持っているのですね。そこが圧倒的な違いだと思います。介助犬による 介助は自分で行った行為であるという認識。気兼ねがないということ。主人としての役 割感、責任感。これは介助者に対して主人としての役割感や責任感を持っている方とい うのはあまりいらっしゃらないと思いますので、そこが違う。  もうひとつは愛情を注ぐ対象であるということ。そして介助者はすべてそういう研修 の中で喜びを持った介助ができるようにという目標を持っていらっしゃるとは聞いてお りますが、なかなか難しいであろうと思う点なのですが、犬、介助犬は喜びを持った介 助が確実にできる存在であるということが人的介助とは違うのであろうと思います。ス ライドをお願いします。  資料の介助犬の希望動機というところを見ていただきたいと思います。この介助犬の 希望動機をこちらで調査をしたり、あるいはこれまで介助犬がほしいという相談を受け てきた中でのまとめをしてみました。資料2−1の2頁目ですけれども、介助犬の希望 動機としては大きく分けて6つあります。  まずは自立度の改善ということで、これは機能的な自立度の改善として一人でできる 動作を増やすということ。動作時間を短縮する。あるいは介助度を軽減する。完全に介 助犬で代替できるものではないけれども、介助犬がいることで例えば3人で今までトラ ンスファーを手伝ってもらっていたのを2人でできるとか、あるいは1人にかける時間 が減るとか、そういった介助者の軽減が行われます。介護者、介助者の負担軽減という ところで、人的介助費用及び時間の軽減。これは上のところにもつながりますけれども 、援助依頼をする頻度を削減したいということ。家族や介護者の精神的負担の軽減。こ れはとても大きくて、家族に介護してもらっているからそれでいいと思っている方はと ても少ない。やはり家族だからこそ、自分のために束縛されてほしくないという思いを 持っていらっしゃる方はとても多いです。  犬によるリハビリテーション効果を最初から介助犬に期待をしている障害者も少なく ありません。発語が増加するであろう。あるいは毎日の散歩を必ず課せられれば自分も 外に出る気になるのではないかというようなこと。外に出ることによって健康維持がで きるのではないかという期待。筋力及び関節可動域保持又は改善に関しても、犬という モチベーションがあれば自分も頑張れるのではないかということが介助犬の希望動機に つながっているケースが少なくありません。  社会性の改善。社会参加。社会復帰。外出頻度。範囲及び時間の増加。犬を介した会 話による他者との交流の促進。精神的安定としては犬の飼い主としての責任感を持つ。 生き甲斐を持つ。愛情を注ぐ対象がほしい。その他にさきほど申し上げた安全確保とし て緊急時の助け、スリや痴漢から身を守るということが挙げられます。  次に介助犬使用者の適性に関してお話をしたいと思います。適応障害及び適応疾患は 主に肢体不自由です。欧米では血液疾患とか、あるいは呼吸器疾患、心疾患等で介助犬 を必要とする人もいるという話は聞いておりますけれども、私どもの調査の範囲、私ど もの交流範囲の中ではそういったケースは見たことがございません。ですので、一応、 調査の範囲で経験した例を中心に書きました。  主にやはり神経疾患、筋疾患、骨関節疾患です。実例としては頸髄損傷、脊髄損傷が 多く、それ以外には脳外傷、脳挫傷の後遺症、筋ジストロフィー、多発性筋炎、脳性麻 痺、脳血管障害後遺症、多発性硬化症、パーキンソン病、パーキンソン症候群、脊髄小 脳変性症や関節疾患として慢性関節リウマチ、あるいはその他の膠原病というケースを 見てきました。  ただ、以前に介助犬使用者に求められることというのは、社会に参加をするわけです から、社会に犬という存在とともに参加をするわけですから、介助犬の行動及び管理に 全責任を持つということが要求されます。それだけの責任を持つだけの知的、精神的、 情緒的、機能的能力を有するということは条件付けをされても仕方がないであろうと思 っております。介助犬によって社会に公衆衛生上の不利益がもたらされるということは 決してあってはなりませんので、いくら素晴らしい介助ができたとしても、まずは社会 に迷惑行為がない、公衆衛生上、安全であるということを確保することが大事です。ス ライドをお願いします。  ざっと介助犬の実態のお話をさせていただきたいと思います。スライドをお願いしま す。実態としては、まず、介助犬使用者の実態ですけれども、主に肢体不自由者です。 さきほど挙げたような疾患が主で、今のところ頸髄損傷の方が一番多いと言っても3、 4例ですけれども、多いです。一応、我々の把握している限りでは13から20数頭、定義 によって異なってくるものですから、これだけ幅が出てしまいますけれども、9から10 頭は少なくともおり、もう少し数えると20数等なのかもしれないということで、なかな か把握は困難であります。  実働状況としてはペット化をしている介助犬も数多いのではないかということも推察 されます。数名は介助犬の理解と普及に対する積極的な社会活動を行っていますが、そ れ以外の方に関してはなかなか把握をするのが困難であるという状況、障害者に対する 介助犬の有効性や実態、育成の可能性などの情報が不足しているというのは、我々の調 査でもわかっております。社会参加には各自が個別交渉しておりまして、これはかなり 各使用者の負担が大きいということは言えます。スライドをお願いします。  今度、育成の実態ですけれども、育成団体も登録制度がありませんので、把握はなか な困難ですけれども、わかっている範囲で13から15団体あります。年々増加傾向にあり まして、育成状況の把握は極めて困難です。  運営は寄附によるところがほとんどですけれども、犬の業者によって運営されている 団体が半数近くというふうに把握しております。公益法人はまだ1団体もありません。 専門施設、あくまで専門の施設を持つところも我々の知る限りではほとんどないという ふうに把握しております。育成方法の統一性はなく、団体間の連携もほとんどないと思 われます。100 万円以上の費用を訓練費用として要求する例も我々の方では把握してお ります。スライドをお願いします。  介助犬トレーナーの実態ですけれども、背景は多種多様です。警察犬訓練士、家庭犬 訓練士、この家庭犬訓練士は特に資格制度はございませんので、家庭犬訓練士というの は、これも背景がばらばらだということです。ブリーダーとか、警察犬訓練士が多く、 また、介助犬を使用する障害者自身がトレーナー及び団体を代表する場合も多いです。 教育背景とか、リハに関する知識、技術とか、全く統一性はございません。団体の運営 上、介助犬育成に専念することはできず、副職又は無償で育成に従事をしているという のが現状です。スライドをお願いします。  見にくくて申し訳ないのですが、ここで提案なのですけれども、この介助犬は海外の 状況、要するに普及に数千頭とか、少なくともアメリカでも千頭以上の介助犬がいると 言われ、あるいは他の欧米諸国でも介助犬を見るという中で、かつ、この調査、我々の 調査でも少ない頭数ではありますけれども有効性はあるということはもう明らかですの で、これから普及をしていくであろうということには疑いの余地はないと考えておりま す。  そういうことから、ただ、盲導犬と違うのは、まず、障害が多種であるということ。 それに伴う介助内容も多様であるということ。だから、より高い専門性、障害の評価、 あるいは指導に関する専門性が要求されるであろうということ。大きな違いは盲導犬育 成が始まったときとは明らかに始まり方が違うということなのですね。  これほど多くの個人が、あるいは民間団体が1年のうちに数団体生まれるほど、育成 が広がっていったという現状はおそらく盲導犬の始まった頃にはなかったのではないか と思いますので、この有効性が明らか、普及することも間違いないであろうという今、 今から一定の整理をつけないと社会も危険な犬を受け入れてしまうかもしれないという リスクを抱えておりますし、障害者の精神的、あるいは経済的被害にもつながりかねな いということ、まずは本当に有効な障害者の自立のひとつの手段になり得る介助犬が普 及をしないというのは大きな問題ではないかというふうに我々は考えておりますので、 そういった点でこの検討会では介助犬の定義と基準を明確に設置をしていただいて、そ の基準を、ただ、書面でするのではなく、既存の介助犬の評価方法と認定方針を含めて 今後、どう評価をしていったらいいのかということをきちんと明確にしていただきたい。 それによって現在、介助犬とともに暮らしている方が社会参加を支障なく行うことがで きますし、受け入れ施設も安全に公衆衛生上の不利益を受けることがなく介助犬使用者 を受け入れることができる。  今日も電話がありましたが、やはり今、それぞれの企業で、特に交通機関、JRさん も今日はいらっしゃっていますけれども、それぞれテストをしなければいけないもので すから、それぞれで犬の足を踏んだりとか、いろいろな検査をさぜるを得ないという状 況があってやっていると我々は認識しております。ちゃんとこういった検討会で明確な 基準ができ、評価方法ができれば、各企業がそんな嫌な思いをする必要もないであろう と。  介助犬育成の今後の方針を検討していただきたい。育成者、介助犬トレーナーの資格 要件、教育項目も盲導犬をもとに明確にできると思いますし、育成施設の基準を障害者 にとって安全で有効性の高い介助犬が普及することを目標に設置することは十分可能で あろうと。それに基づいてこの結果を周知、啓発をすることでより健全に育成をすると ころがこれからも健全に育成を続け、営利目的、あるいは今後、責任を持って介助犬育 成ができないところは今の時点で整理をしていくことができるであろうというふうに考 えております。ありがとうございました。 板山座長  高柳さん、ありがとうございました。大変明快にわかりやすい調査結果、研究結果を お話をいただきましたが、はじめにしばらくの時間、ただいまの高柳委員の厚生科学研 究に基づく調査研究、あるいは海外等の情報を踏まえてのご報告に対する質問を中心に しばらく10分程の時間、取らさせていただきたいと思いますが、どうぞ。ご自由にお出 し、問題、ご質問をしてください。どうぞ。何かありましょうか。どうぞ。 高田氏(高嶋委員代理)  ダイエーのバリアフリー全般を担当しております高田と申します。よろしくお願いい たします。  ダイエーの方では99年の7月19日にダイエーの方で独自の基準を設けまして、ダイ エー他グループ各社8,720 店舗で介助犬の受け入れを行ったわけなのですけれども、実 は介助犬を受け入れるという新聞報道を行った、その1週間ぐらい経って、浜松市にあ る、あるお店にてんかん予知犬という犬を連れたユーザーが来たわけなのですね。  てんかん予知犬と言うと当然、お店の人間はてんかん予知犬と言われてもいったい何 のことやらということで非常に戸惑ったのですけれども、こちらに電話がありまして、 実際にアメリカではてんかんを予知するいうことでてんかん予知犬が活動しているとい うこと、私自身、知っていましたので、しかし、それがもうこの日本にいるのかという 疑問が非常にあったわけですけれども。  それを連れてきた方が自分自身がてんかんの患者であると。この犬は要は自分と常に 行動を一緒にしていて、自分がそのてんかんになりそうなのを予知して、要は薬、予知 することによって自分がてんかんを抑える薬を飲むとか、危険な場所から離れたところ に移動する。そういう意味ではこれは介助犬であるということを非常に言われまして、 それでこちらとしても果しててんかん予知犬自体が介助犬であるのかということで、非 常に確かに盲導犬、聴導犬というのはそれぞれ介助犬とは別なジャンルということで、 こちらもわかっておりましたけれども、新たなるてんかん予知犬というものを、では介 助犬、確かに内容的に見るとすべて介助犬の要素が入っていると思うのですね。  ただし、それをでは介助犬としての定義として入れて、これから考えていくのか、や はり盲導犬、聴導犬と同じようにまた新たにてんかん予知犬という別なひとつのワーキ ングドッグとして考えていかなければいけないのかということで、今、まさに介助犬の 定義の中に今後、てんかん予知犬たるものがどの程度、日本に入っているかというか、 育成されるかというのは非常にこれからの問題ですけれども、ぜひ、今後を考えたとき にそこまで含めて介助犬というものの定義を行うかどうかということ、その点について 。 板山座長  ご質問。てんかんの予知犬というのは外国にそういう例があるのですか。 高柳(友)委員  ございます。ただ、アメリカのことしかまだわかりませんけれども、アメリカでもま だ7頭から8頭しかいないというふうに聞いております。これは訓練方法もまだ明確に はわかっていなくて、要するに、なぜ、てんかんを予知するのかというメカニズムがわ かっていないのですね。犬の行動学的にも、あるいは訓練学的にもどうしたらてんかん 予知犬の候補犬が導入できて、どうしたら育成できるのかということがまだ確立してい ないというのが現状ですね。  そういった中で確かに要素としてはその人のてんかんを持っている方の社会参加の上 では重要な役割をてんかん予知が明確にできるとすれば果たせるであろうと思いますけ れども、現実問題としては今の段階でそのことが立証されていませんので、そういった 意味では私ども日本介助犬アカデミーの方ではそういう意味から肢体不自由に今は限ら せていただいているということです。 板山座長  はい。介助犬の定義の議論で整理をする段階でひとつの問題点ではありますから、ご 指摘は問題提起として伺っておきたいと思います。  ただ、今、科学的に医学的にまだ確立されていないと。これは初山先生あたり、医学 的にてんかんの予知が犬を通して可能かどうかですね。非常に難しい問題ですから、ご 感想だけでも結構ですけれども。 初山委員  私も伺ったことございます。てんかんというのは本人は、あるいはまわりの家族は、 前兆を予知できるそうなのです。感情の起伏があったり、あるいは周辺の天候が左右し たり、それと同じようなことを犬が予知するのではないかというような説もあるようで す。 板山座長  ひとつの問題提起ということで、お考えおきくださいましょうか。その他、どうぞご 質問、ございませんか。どうぞ。 初山委員  2つありまして、ひとつは定義の中で大変わかりやすくご説明いただいたのですが、 これはあくまでも正規の訓練士が訓練をした犬だと、そして肢体不自由者に対して使用 されるのだということまでは決まっておりますけれども、第三者がその犬を見たときに 普通のペットと介助犬と確かにこの点が違うのだというような動作なり、さきほど言わ れましたけれども、たまには物を拾ったり、たまには拾わないということはないのだと 。 何かそういうコンスタントな第三者が評価できるような犬自身の持っている動作という ものをひとつ何か定義づけが入るといいのではないかということ。  もうひとつは、さきほどお話がありました、少し定義から、さっきのご説明の中から でもよろしいですか。 板山座長  どうぞ。 初山委員  資料の2−1の3頁、使用者の適性という、病名が書いてありまして、さきほど実際 の経験では頸髄損傷、脊髄損傷、筋ジストロフィー症と言われましたけれども、拝見し ますとかなり進行性の疾患があるのですね。例えば筋ジストロフィー症であるとか、多 発性硬化症であるとか、パーキンソンであるとか、脊髄小脳変性症、こういう疾病は間 違いなく進行してまいりますので、おそらく障害像が変わってくると思うのですね。  さきほど介助犬というのは個々の障害に合わせてトレーニングしてできるのだという お話でしたけれども、手を使って支えてもらうと立てるようになると、そういう障害者 がだんだん重くなってそれもできなくなったというときに、介助犬としてどういう対応 をするのかというようなことも入れてみた方がいいと思いました。 板山座長  わかりましたか。どうぞ。 高柳(友)委員  まず、1点目の介助動作を入れるということに関しては我々もかなり頭を悩ませたと ころなのですね。と申し上げるのは、例えば、では持ってくるということ、どこまで確 実にできるかということをチェックをすることに意味があるかどうかということなので すけれども、これは結論から申し上げると我々の検討した中ではそれをチェックするこ とにはあまり意味がないであろうというふうに考えました。  と申し上げるのは、では持ってくることがその障害者の生活においてどれほど必要な ことかどうかというのは、例えば初めて会った人が判断できることかというと、それは かなり難しいことですので、そういった意味でまず私たちがやれることというのは今の 段階では、まずこれからの育成に関してはちゃんと障害者の自立に関して、あるいは障 害介助に関しての必要性をわかった人たちが訓練できるように、その人たちしか訓練で きないようにしていく、それによって確実な介助動作ができるということを確保する以 外にないのではないかと。ちょっとうまく説明できないですけれども、というふうに考 えて、今の段階では今の介助犬の整理に関してはこの介助訓練に関してのチェックは入 れていないということです。ちょっと説明不足かもしれませんが。  進行性の疾患に関しては、初山先生、おっしゃるとおりで、ちょっとさっき説明、一 番最後にし忘れてしまいましたけれども、資料の2−1の一番最後、3頁の介助犬の有 効性が発揮されるためにはということを書きましたが、介助犬トレーナーが希望者の障 害と予後及びニーズ等に関して十分把握した上で介助方法を実地訓練し、介助犬による 介助にこだわることなく、自助具や援助依頼の方法を考慮し、希望者が介助犬による介 助を適切に受けることができるよう指導、かつ介助犬の実働期間を通じて、これがだい たいが8年から10年ですけれども、終生、継続指導をしなければならない。障害者にと って安全で有効な介助犬訓練が行われるための必須条件としては以下のことが挙げられ ます。  候補犬導入の際の正しい獣医学的、行動学的適性評価。誘導法または養成強化法によ る訓練。強制訓練では肢体不自由を持つ障害者には負担が生じます。十分な合同訓練と 終生の継続指導体制ということで、初山先生がおっしゃる点に関しては、まず、最初に 正確な予後評価ができているということ。終生の継続指導体制を確保するということ。 それによって継続して介助犬が使いこなせるような状況を作る必要があるというふうに 考えております。現実にはそこができないからトラブルになっているケースが多くアメ リカにも見られております。 板山座長  よろしゅうございますか。 初山委員  はい。ありがとうございます。 板山座長  今の初山委員のご指摘の中には大変大事なことがひとつある。それは介助犬というの は一人ひとりの個別障害者のニーズ、あるいは動作能力によって皆、違う能力を持つ犬 だと考えるのか。客観的に第三者がこの犬は介助犬であるというためには、共通的な基 礎的な動作能力、生活支援能力がある犬であるというふうになるのか。また個別的なも のなのか。そういう問題提起をされているのですよ。第三者の評価基準が、これは介助 犬であると定義するときの評価基準というのは何なのかということを今、問うておられ るのですね。  さっき説明された資料2−2の9頁、介助犬の介助項目として何を希望しますかと書 いてあるのは、これは希望ではなくてすべての介助犬はこのような役割を果たせますと 、そういう犬を介助犬と言うというふうにならないといけないのではないかという意味 も込めたご指摘なのですね。  さっきの症状の進行については同様なことがあるのです。障害の進行度合いによって はそこは介助犬は無理だよと。そこ以上は。というものもあっていいのではないかとい うふうにも今、受け取れるご指摘ですね。この9頁の表1というのは希望するというよ りも、介助犬というのは基礎的、基本的にこういう能力を持つ犬であるというふうに定 義する、具体的な表ではないかと思って僕は見ながら今、初山委員のご指摘を聞きなが ら感じていたのです。それが共通的にないと定義、あるいは評価基準、訓練基準という ものが出てこない。これは大変大事な問題でありますから、今のご指摘をこの9頁の表 と関連させながら定義の問題にも、ぜひ、これを生かして議論をしていただきたいと思 っています。  その他、ご質問ございませんか。どうぞ。 松尾委員  さきほどの説明で普及することは疑いなしとか、経済的に有効性は明らかだというふ うにおっしゃったけれども、これは誰がこういうふうに判定をしたのですかね。誰がそ ういうふうに判定したのかなと。経済的というのはどの程度の経済的効果があるのかな と。 板山座長  今、資料で言うとどこですか。資料2−1の2枚目の介助犬による効果、ここに関連 してのご質問ですが、これはどうですか。 高柳(友)委員  まず、経済的効果に関しては日本での調査では我々の調査でまだそこまで出ておりま せん。書いた経済的効果に関しては96年の『Journal of American Medical Associatio n』という医学雑誌なのですけれども、そこに人的介助費用の削減というのが論文に出て おりまして、一応、文献学的な結果ということで挙げさせていただきました。  普及と有効性に関しては疑いの予知がないというふうに申し上げた最後の私のコメン トに関しては、日本介助犬アカデミーの見解でございます。 板山座長  よろしいですか。 松尾委員  明らかに断言されたから、私はこれはもうどこかの調査か何かされて、しかるべき基 礎があって発言になったのかなというふうに考えたものですから、わかりました。アカ デミー協会の見解ですね。 板山座長  だけれども、これは介助犬制度をこれからどう持っていくか、位置づけていくか。さ ら最後に行政的な判断をされるときの重要な要素ですから、今のご指摘の2点、経済的 な効果、あるいはここに書いてある精神的、社会的、機能的な支援効果、こういったも のについてはもうひとつ第三者を納得させるデータでできるのか、文章でいくのか、あ るいは具体的事例でもって考えられるのか。この辺はこれからこの委員会として議論を していただかなければいけない大変大事なことをご指摘いただいたと思いますね。  どうぞ、その他。それでは今のご説明に対する質問はこのぐらいにいたしまして、こ れからはさきほど資料の1で討議事項のところにありますような、ただいまのご報告を 頂戴をいたしまして、その説明を踏まえながらこの項目に従って少しご審議、ご協議を いただきたいと思うのでありますが。  まず、今もお話が既に出ておりますが、第1に介助犬の役割、介助犬そのものが持っ ている機能、役割、目的。それは2の有効性にも係わる、関係いたしますけれども、あ るいは介助の内容、さきほど資料の2−2の9頁で私は希望ということよりもこういう 機能があるのだというふうに申し上げました、この9頁の項目なども踏まえながら、介 助犬の目的、それをさらに裏付ける意味で介助の内容、あるいは2番目に書いてありま す有効性とも関連をいたしますから、併せてご意見を頂戴をいたしたいと思いますが、 どうでしょうか。  高柳さんもさらに補足したいというようなことがありましたらどうぞおっしゃってく ださい。土本さんあたり、いかがですか。 土本委員  まだ、ちょっと勉強させてもらいたいと思います。 板山座長  はい。満野委員の代わり、どうですか。お話を伺っていて、初めての方、却ってご質 問しやすいかもしれません。意見を出しやすいかもしれません。 大原氏(満野委員代理)  今の介助犬の役割についてという話とちょっとずれるかもしれませんけれども、もし かして過去に出た話であったら申し訳ない話なのですが、例えば利用者の方が介助犬を 利用したいというふうに思ったとき、実際に料金的に自分、わからないと思うのですよ ね。どこかに申し込んで来てもらうに際して、想像がつかないと思うのです。介助犬を 自分がこれから使うことになったとして、経済的負担というのが。その点というのはア メリカとか日本とか、そういう比較とか、そういうお話が、もし、聞ければと思うので すが、いかがでしょうか。 板山座長  どうぞ。 高柳(友)委員  アメリカでも日本でも基本的には同じ状況なのですけれども、自分で育成団体を探す しかないですね。その情報収集手段としては実はペット関係の雑誌が一番多いというの が現状です。これはアメリカでも日本でもあまり変わりません。  ただ、アメリカでも介助犬の情報機関というのが出てきて、各州にどこにあるのか。 どういう障害を対象にしているのか。この資料の2−2の9頁に書いた育成組織のチェ ックリストのような内容をまとめたリストを作ったりしている団体がありまして、実は 私どもはそこと連携をしてやはり日本もおそらくアメリカと同じような現状が生まれる だろうからということで、情報機関としての機能を果たそうという思いで発足をした次 第で、今の段階では自分の地域にあるのかどうか。いくつあるのかどうか。どういう人 がどういう訓練をしてくれるのかということを把握するのはかなり難しい状況になって おりますし、料金に関してもそれぞればらばらな体制を取っております。 板山座長  これは大原さん、要するにまだ全国に10頭、さっきの説明で10頭いるか、あるいは10 頭から20頭ぐらいだと、こう言われている状況なのですよ。盲導犬も昔はそうだったの だけれども、アメリカでも1,000 頭を超えたぐらいのところ、まして況んや、制度化さ れていないのですね。だから、もし、これを利用したいという障害者の方がおられても 、どこにアプローチしたらいいかわからない。  そこで厚生省はこういった問題について制度的に、もし、利用したい人がいるならば それに応えられるような仕組みが作れないかと今、この検討会を始めたと、こういう段 階なのですね。どうぞ何かご意見。 初山委員  この資料2−1の2頁の目的のところですか、大変立派な目的だと思うのですが、1 の障害者の日常生活動作を介助し自立を助け、社会参加及び社会復帰を推進する。2の 障害者のQOLを向上する。  これをこのまま読みますと、もし、これ人間であるとリハビリテーション専門職の定 義になってしまうと思うのですね。犬でリハビリテーションドッグという定義というの かもしれないと思います。介助犬が肢体不自由者を中心としてやるならば、何かここに 聴覚障害者とか、視覚障害者とは違った肢体不自由の人のこういう点を支援するのだと 。 そういう何か具体的なものを入れていただけると、もう少し焦点が絞れるのではないか という感じがします。 板山座長  これは高柳さんに対するご質問でもあると同時に、この委員会としての議論をもうひ とつそこを深めていかないと目的とするのには不適当ではないかというご指摘ですね。  まず、高柳さん、どうですか。この今のようなご質問についてどう考えられますか。 高柳(友)委員  そうですね。おっしゃるとおり、それを入れられればより介助犬ということの整理が つきやすいであろうと思います。  実はこの介助犬の目的というのは、このまま視覚障害者、聴覚障害者にあてはめても 何ら問題のない目的ですから、おっしゃるとおりだと思います。そこを検討していただ けるととても助かります。 板山座長  いや、そのとおりですね。さっきあなたは肢体不自由者がとりわけその中でも3枚目 に書いてある、主に肢体不自由者で運動障害、感覚障害、平衡障害、失調性障害等は、 適応疾患はこういうものだと書かれているわけで、ならばそれを障害者という言葉の代 わりに何か別な、もうひとつ限定的と言うか、介助犬が働き得る障害の対象者を明確に した方がいいという、こういうご指摘でもあるので、それについてご意見があればお出 しをいただきたいと、こういうことです。どうぞ。 金田委員  素人だからあまりよくわからないのですけれども、さきほどの資料の2−2の9頁の 表の1のところで介助犬の介助項目というので、手指の代償機能というのはとてもわか りやすいのですね。確かに、ですから、肢体不自由でも手指の機能がわからない方には 。 姿勢移動とか移乗支持とか歩行関連介助というのはまだ日本であまり例がないとおっし ゃったので、実際に実感していてもとてもわかりにくい。  ただ、そこまでは多分、訓練すればできるのかなという気がしまして、その後の1− 1から1−6まで、3、4というふうになっていて、段々、漠然としたニュアンスのも のというのはわかりにくい部分もあって、この介助犬の定義のところに内部の専門家向 けの部分と多分、一般の人向けに介助犬はこういうものですよというPRの部分とちょ っと質が全然違うのだろうと思うのですけれども。  さきほどちょっとあったように一般的に介助犬と言ったときに最低限、こういうこと はやるのですよとか、こういうイメージなのですよというときには、もう少し手指の代 償機能とか、肢体不自由者でもこういう形という形を出さないととてもわかりにくいな と。適応疾患にしても神経難病のこういうところまでと範囲を拡大すればとか、もっと 介助犬の機能とか訓練とかいろいろな条件が揃えば凄くできますというのまで全部入れ ちゃうと、とてもわかりにくいなという気は伺っていてしました。 板山座長  大変大切なご意見ですから、これからの審議の中でもうひとつ深めていきたいと思い ますが、今、おっしゃったことは介助犬の果たし得る役割、それをあまり広げてしまっ てはどうかと、こういうご指摘ですね。  さて、そこでこれは研究者の高柳さんに伺いたいのだけれども、一番進んでいる国と 言われるアメリカ、そこにある介助犬の定義というときは、これはこの資料の中に入っ ていませんね。アメリカではどういう定義を使っているのでしょうかね。これをちょっ と皆さんに。 高柳(友)委員  参考資料の介助犬の現状と課題という文献の中に入れておいたのですけれども、1頁 です。はじめにの次ですね。介助犬の定義。3行目にADA法において介助動物の定義 があるがというところなのですけれども、2段目になりましてADA法によれば「介助 動物とは障害者の個々の必要性に合わせた役割を果たすよう訓練されたあらゆる動物」 なのです。もう何でもありというのが実はアメリカの定義で、障害に関しても定義があ って、「障害とは一つまたはそれ以上の生活活動を制限するすべての身体的、精神的障 害をいう」とされておりまして、実はあまり触れたくはなかったのですけれども、アメ リカで言うサービスアニマルというものの適応障害は何でもなのです。肢体不自由だけ でもないし、精神障害も情緒障害もすべて入る。 板山座長  ここで伺いたいのは、アメリカで言うサービスアニマルという、ここにある介助動物 とは盲導犬も聴導犬も、今、私たちが議論しようとする介助犬も含まれていると考えて いい。 高柳(友)委員  そうです。 板山座長  そういうものなのでしょう。だから、ここの違いをサービスアニマルはイコール介助 犬だとは考えてはいけないのですね。 高柳(友)委員  そうですね。違います。 板山座長  だけれども、アメリカで言う介助動物というのかな、サービスアニマルという中には 盲導犬も聴導犬も介助犬も入っていると。アメリカでは介助犬はそういう意味の位置づ けはちゃんとされていると。  そこでもうひとつ突っ込んで本当はほしいのは、アメリカで言う介助犬とは何だと。 この定義を明確にここにADA法ではだけでは漠然としたものなのですよ。そうじゃな くてあなたの研究しているこのレポートされようとしている中にあるアメリカの介助犬 協会。 高柳(友)委員  いろいろたくさんあります。 板山座長  その定義がこれが最も相応しいなという定義がどこかにあると、この委員会で議論す るときの大変参考になるのですがね。これは役所の方ではそういう何か資料、持ってお られないですか。 社会参加推進室長  持ち合わせておりません。 板山座長  いずれそういうデータをアメリカの。今、これ、アメリカの例なのだ。現在は。海外 のと言ってみてもアメリカだけだから、アメリカの介助犬に関する民間団体であっても いいですよ。各州の定義ぐらいはここに出さないといけないと思いますね。これ、ぜひ 、役所の方でも考えてください。  大事な問題が出てきましたが、その他、いかがでしょうか。大原さん、今、大変出さ れた質問、そういう全く知らない方が出す質問、いいのですよ。今、金田さんの出され た質問、そういうご意見なんか大変いいことでありますから。秋山さん、何か。 秋山委員  本当に話が一番重要なところに差しかかっていまして、1点、ちょっと幼稚な質問な のですけれども、させていただきたいと思って、どこかのところでさせていただこうと 思っていたのですが、当社でも実績があるのですけれども、いろいろな方の質問、プレ ス関係の方の質問とか、いわゆる犬が嫌いな方はひとつには犬と言うと不衛生というよ うな固定観念を持って、不衛生ではないのですかという質問があるのです。  健康な人が健康で大丈夫なように犬も健康な犬なら大丈夫ですよというようなお答え をしているのですけれども、1点だけわからないのが、私、犬アレルギーがあるのです 。 犬の毛があれするととか、近づくとというのがあって、そういうのがちょっとどちらの 先生がよろしいのかあれなのですけれども、実際、医学的にあるものなのでしょうか。 板山座長  お医者さんは先生、お一人かな。 高柳(友)委員  一応、私も医者です。確かにあります。犬の毛というよりはフケなのですけれども、 アレルギーはあります。  アレルギーと一言に言ってもちょっと目が痒いぐらいから喘息発作まで起きてしまう まで様々ですから、一概にお話ができないのですけれども、ただ、原則としてはやはり そうおっしゃられたからそこで喘息発作を起こされても大変困るので、なるべく、まず 、原則はフケや毛が飛び散らないようにちゃんとお洋服を着たりして、かつブラッシン グをよくしている犬ですから、余程の接触がない限りは飛散するということは少ないは ずです。  あるいはブルブルとするようなことはないように訓練されていなければいけませんか ら、ですからそのリスクはかなり低いということは大前提にあるところで、やはりそう いうお客様がいらっしゃったときには、自己申告をされてきたときにはやはり受け入れ 側としてはなるべく席を離すとかといった対応は必要になるかもしれないと思います。 秋山委員  こちらのいわゆる犬の適性というところでは使用者の方も公衆衛生ですか、ちゃんと 綺麗に衛生に保っておくというのは、消極的なというか、原則的なひとつの定義のとこ ろと、私どもですとか、鉄道、ホテルのように一種、密室と言うのでしょうか、そうい うところで素人が考えましても、アレルギーの方みたいなところは外でいるよりはそう いうことを感じやすいのかなと。  そういう先生、ご参考に意見、おっしゃっていただいたのですけれども、今後、具体 的に始める、本格的にするときにそういう私どものようなところについてはそういうこ とをちょっとしっかりQ&Aのようなものを作っておかなければいけないのかなと思っ ております。 板山座長  盲導犬のときにもその問題がありました。だから、倫理綱領じゃないけれども、使用 者のモラルということをまず考えなければいけないという議論がありました。  同時に、現場においては受け入れ側もそういった犬のアレルギーを持つような人々と の関係調整ということを具体的に考えなければいけない。こういう議論がなされました 。 盲導犬も同じ経過を辿っているわけですから、これは障害者にとっても犬を使いたい、 犬に支えてもらいたいという犬を好きな人と、あんなの嫌いという障害者もいるわけで すから、これは介助犬にしても盲導犬にしてもそうですが、ひとつのメニューとして制 度的に用意する。使うか使わないかは障害者の個別な自主的判断に任せると。  ただし、受け入れ側との関係においては一般の中にアレルギーを持つ人もいないわけ ではありませんから、そこは現場で十分に調整をしなくてはいけない。こういう問題で すね。秋山さんのご質問、ご指摘であります。これはこれからの議論、最後にまとめる 段階ではそういったことも若干、つけ加えなければいけないことだと思いますね。  その他、どうぞ。 高田氏  また、さきほどの話にもちょっと絡んでしまって、反対にこういうことが可能かどう かなのですけれども、こちらの参考資料の5頁のところにも書かれていますけれども、 こちらの資料の2−2の方にも書かれていますけれども、一応、介助犬の訓練内容の中 にその他、てんかん発作の予知等ということで、一応、この書面を見る限りはてんかん 予知自体も訓練内容としては入っているということで、さきほど言いましたようにアカ デミーとして反対にこれは受け入れ施設としては介助犬の中に入れていただくとありが たいのだと思うのです。てんかん予知犬を。てんかん予知犬についてもトレーニングし て他の今、一般的に言われる介助犬と同じようにできないものなのだろうかというのが 反対にこちらとしてはお願いとしてはあるわけですね。  というのは今、ダイエーの方も店頭に盲導犬のシール、聴導犬のシール、介助犬の シールと3つ貼ってあるのですけれども、やはり受け入れ施設としてはいろいろな定義 の犬がいろいろありますと、やはりアルバイトの人間、パートの人間おりますので、非 常に識別するのもそうですし、トラブルが起こりやすいというのもありまして、ある意 味でてんかん予知犬自体も介助犬としていただくと、ある意味でそこで2つがひとつに なることによってこちらとしても識別しやすくなるというのもありますので、てんかん 予知犬自体も介助犬としてできないものでしょうかというのが反対にお願いなのですけ れども。 板山座長  これは高柳さんに言っても無理ですから、いずれこの検討委員会で介助犬の定義を整 理する段階で、今の問題はもう一度、議論させてもらいましょう。  ただし、さっきアメリカのADA法にありますようにサービスアニマルというのは幅 広いと。そのひとつの中に盲導犬も入っていれば、聴導犬も介助犬も入っている。てん かん予知犬は入ってないでしょう。 高田氏  入っています。 高柳(友)委員  入っています。 板山座長  入っている。 高柳(友)委員  すべて入っています。 板山座長  そうなるとこの検討委員会はとりあえずは介助犬ですから、介助犬というふうに限っ ているのだけれども、介助犬の定義をそういったサービスアニマルとでも言えるような 、この中に盲導犬も包摂した議論をしますということになってしまうのか、その整理を これからしないと今の問題提起については答えられないですね。  日本の場合にてんかん予知犬までこの中で議論して定義をして養成過程、プログラム なども作って定義するということにするかしないか、最終段階での整理をするときの議 論として残しておいてください。今、ここですぐ出すわけにはいかないと思います。ど うぞ。 高柳(友)委員  結局、問題は社会でこのサービスアニマルを受け入れるということでの問題、あるい は整理の目的が違うのだと思うのですね。ADA法ではどうしてこうなったかというと 障害者が社会参加をする上で障害があることによって妨げられることがあってはならな いという範疇から決められたことですから、あくまで社会参加をするためにということ を目標に掲げているわけで、ですから、この検討会の中でも社会参加をする上では盲導 犬も聴導犬も介助犬も、もしかしたら他の障害の介助をする犬も全部共通すること、公 衆衛生上の基準は共通して当然だと思うのですね。  ただ、育成ということになると、では、どういった特異的な点があるのだということ が全く違ってきますから、そこを一緒に議論をすると双方にデメリットが出てくるので はないかというふうに思います。 板山座長  さきほどの定義も、初山委員からもお話があった定義のところも障害者というふうに 言うとADA法の今のことにいっちゃうと。ひとつ対象をもうひとつ限定して議論がで きないかと、こういう話がありました。これはこれからのこの介助犬という定義そのも のの問題と関連しますから、これからの論議の中で少し結論の段階でそれを整理しまし ょう。  とりあえずは、てんかん予知犬までは広げた議論ではないと。とりあえずは介助犬と いう範囲に限った議論をしていくということにさせていただきたいと思います。  さて、どうでしょうか。前田さんのところは。先生、どうぞ。 松尾委員  検討事項で介助犬の有効性とか使用者の範囲とあるのですけれども、日本で10頭とか 20頭ですから、これのリストアップをして、そのもののいいとか悪いとか、問題点とか 、そういうあれはでないのかということと、使っているところが何か兵庫県とか、いろ いろな条例があるとか、要綱があるとか、そういうあれがあった場合、そういうものも 一番最初のときに私も質問をしたのですけれども、それはなかったような、出されない ような感じだから、そういうものを私どもが議論するときにまず現状はどうなっている のだと。  いわゆる当事者が実際、使っている当事者が20頭おるなら、20頭についてのリストア ップぐらいしてこうしないと、私どもから全然関係のないのがああでもない、こうでも ないと、関係ないと言うとおかしいですけれども、実際、使う人ではない人が主体にな って言う以前に、そういう基礎的なデータが出て、その上で判断を私はしていかないと 間違った方向にいく可能性もあるのではないかと。  こういう資料、行政が当然出しておかなければいけない資料だと思うのですよ。20頭 なら20頭あれば、どこにどういうあれがあって、どういう問題点があるのだと。どうい う点がいいのだと。だから、こういうふうに認めたいというふうなことにならないと、 身体障害者団体連合会としては、会長としては実際の問題を、当事者の意見というもの を尊重しなければなりません立場だから、ぜひ、ひとつ、その点は出していただいて、 それをもとに議論するという方向がいいのではないかと、そういうふうに考えます。 板山座長  今の問題は前回も出まして、前回、実際に介助犬を使っておられる人の立場でのお話 を伺いました。そのことの意味が今のようなことにあったわけですが、今、もうひとつ 踏み込んで、今、10頭乃至20頭という、その介助犬のリストアップができるかどうか。 現状を整理することができるかどうか。それについてどんなことを項目を中心にして整 理するか。これは事務局、どうですか。 社会参加推進室長  まず、2つあったと思うのですが、兵庫県の要綱は9月から施行になっておりますの で、これは次回のときに、ちょっと今日、間に合いませんで大変申し訳ございませんで した。用意したいと思います。  現在、稼働している介助犬の件について、行政の方でも厚生科学研究費で高柳委員の 方でまとめていただいた研究結果を持っていますので、その中でもう一度、精査しまし て次回、ご用意できればもう一度、資料を出したいというふうに考えております。 板山座長  よろしいですか。 松尾委員  研究結果に基づいてというようなこと、行政独自で10頭なり20頭という分布というの はできないのですかね。例えば兵庫県が中心なら兵庫県にどれだけおってどういうふう になっている。そうしないと研究所の結果というのはもう既に出ているのだろうから。 板山座長  要するにリストアップを事務局でやると。データというのは厚生科学研究の方で整理 されたものが基礎になると。こういう意味ですね。 社会参加推進室長  そういうことです。 板山座長  行政の責任で出しますからそれはいい。もうひとつ、全国で初めて介助犬についての 要綱を作ったのが兵庫県だそうですから、ただし、1頭のために作ったのだそうですよ 。 1頭しかいないのだそうですよ。現に働いている犬は。兵庫県では。その要綱は次回、 出していただく。もし、必要があれば、これは厚生省の方で兵庫県では、なぜ、それを 作ったか。その目的、趣旨等について担当の係長さんあたりからご説明をいただくのも 、これはどうですかね。必要があればやった方がいいかもしれませんね。 松尾委員  それは、ぜひ、たった1頭のために作ったということですから、相当、思い切った処 置だと思うのですよ。 板山座長  これは一度、あるいは厚生省の方でまた兵庫県の方と相談をしていただいて、可能な らばそういうことをこの席上で説明をしていただくのも意義のあることだと思うのです ね。これはご検討ください。 社会参加推進室長  はい。 板山座長  どうぞ。 高柳(友)委員  今後、まだ、最終年度で我々、調査をしておりますし、私たちの活動の中でも参考に させていただきたいと思っての質問というか、ご意見を頂戴したいのですけれども、今 、松尾先生、ご指摘いただいたリストアップをするときに、各使用者にどういう点を聞 いてほしいかというか、どういう点をリストの中に入れるかという、その項目で、例え ば年齢とか、性別とか、障害とか、基礎疾患とか、それはもう当然、リストの中には我 々の持っている中で入れているのですけれども、あるいは職業とか、本当は私たちが一 番知りたいのは本当に介助犬を持ってどこまで社会参加をしてくれているかなというと ころが本当は聞きたいのですけれども、では何を聞けば、それがわかるかというと、全 部訪問調査をしない限り、あるいは結構、時間を長く過ごさない限り、見えてこない部 分というのは多いように感じるものですから、限界はあると思いますけれども、どうい った点に関しては必ず聞いておいてくださいというところがあればご意見を頂戴したい と思います。 板山座長  今、高柳さんがこれから調査研究のデータを整理して、リストアップした20頭か何か 知りませんが、リストを作るというときにどんな項目を入れて整理をしたらよろしいか 。 これは委員の皆さん方のご意見をちょっと伺っておきたいということですが、何かご注 文がありましたらお出しください。  あるいは今日、今、すぐ答えを出せというのが無理でしたら、事務局の方にこんな項 目は入れて整理してみてくれよという項目を、メモで結構でありますからお届けいただ くようにすると。もし、今、ご意見がありましたら出してください。どうぞ。 初山委員  ひとつは一般のペットとはこういう点が違ったということを使用者の人が感じたら、 それをぜひ、出していただきたい。一生懸命やったけれども、どうしてもこれは限界だ と思ったと。どういう動作が限界か。  もうひとつは、最初に一緒になったときはここまでしかできなかったけれども、半年 なり、1年やっているうちにこういう点が、使用者も訓練してうまくなったのでしょう けれども、介助犬自体が上達したと。そういう点があったら記載していただきたいです 。 板山座長  どうぞ何かご要望がありましたら項目等で。これは例えば盲導犬のときに一部の目の 不自由な障害者団体から反対があったのですよ。盲導犬を飼うことは、飼育することは 本人にとっていいことだけれども、犬の寝起きする場所、そのために必要とする医療費 や生活費や飼育費、お金、ときに病気もする。そんなことも含めた経済的な負担が大き くなる。行政的にこれを制度化して利用できるようにニーズに応えられるように仕組み を作れば、それに対して公的な援助が必要になる。その理由はこうだというようなこと も、そんなことの負担を役所がやってくれないで、ただ、そんなものを作られても困る と、こういう反対もあった。  一方、そんなことやるよりも人を、ヘルパーを派遣した方がいいではないかと。ガイ ドヘルパーを派遣すれば一番安心ではないかと。それと比べて盲導犬はどうなのだとい うような経済的、さっきの効果の問題等についても意見があった。犬を育ててサービス 提供のための仕組みを作るなら、では、ガイドヘルパーやホームヘルパーの人的サービ スは後退させるのかなんていう批判もあった。だから、反対だということだったのです ね。それははじめはそういうことをおっしゃる。  そんなふうな意味の要素も含めた調査項目等、今、初山先生からお話がありましたが 、そういう方についてご要望がありましたら、事務局の方に今日、急に出されてもご無 理でしょうから、お考えいただきまして、こんなことを入れたリストを作ってくれよと いうご要望を、いつまでかな、ちょっとメモで今週いっぱいぐらいで事務局の方に、こ れは吉田室長宛でいいですか。 社会参加推進室長  はい。結構です。 板山座長  吉田社会参加推進室長宛にちょっとお出しいただきましょうか。どうぞ。 高柳(友)委員  第1回だったと思うのですけれども、松尾委員の方から経済的な負担が大きいという 、どのぐらい大きいのかというご質問があったかと思うので、そのとき、お答えできな かったので、今、わかる範囲でお答えしたいと思います。  初年度の調査ではまだ3例しか訪問等の調査を行えなくて、その範囲ではありますけ れども、介助犬に伴う負担として、まず、年間、年平均ですけれども、食費としては9 万6千円から12万円。医療費が6万円から12万円。合計15万円から24万円、年平均かか っているというふうに出ております。 板山座長  はい。これを今度は20頭の個別にどんなふうに状況かもちょっと数字として項目があ れば、入れていただければいいと思いますから、リストアップのときに整理を考えてお いてください。  では、今週いっぱい、来週の月曜日ぐらいまでにちょっとメモでリストに載せてほし い項目のご要望がありましたら、社会参加推進室の吉田室長宛にお出しいただくという ことにさせていただきましょう。それ以外もどうぞ。 松尾委員  お願いなのですけれども、日身連は各都道府県、市町村まで支部があるものだから、 もし、そのリストアップができて、よければ私ども支部にそれぞれ調査を、聞き取り調 査ぐらいはさせて、本当にどうなのかと。現場で現場の団体が見て、また団体が行って 調査をして、そういう方法もできるので、何か所かそういう点があれば、例えば兵庫県 ではどうだとか、どこではどうだと、何か所か取れればそういう点もはっきり出るので すけれども、そういうのが出るかどうかということと、もうひとつは、盲導犬の医療費 を公費助成せよという日身連の要望書が出て、出しているのですよ。厚生省に。だから 、これをどういうふうにご回答いただくかという問題が、来週、ご回答いただくことに なっていますけれども。その問題も併せて介助犬のときもそれをひとつの参考になるの ではないかと。 板山座長  団体要望としては団体折衝の中でまたひとつ、あとでまた参考に聞かせてください。 松尾委員  はい。 板山座長  ありがとうございました。さて、今までの高柳さんのレポートを中心にして介助犬の 役割、その中の目的、介助犬の内容等、資料についてご協議をいただいてきましたが、 また、その経済効果とか、生活動作の援助効果などに、そんな断定的なあれができるの かなんていうご指摘もあったのですね。介助犬の有効性というようなことについてもう 少しちょっとの時間だけご議論いただきましょうか。  さきほどの参考資料でお出しいただいておる高柳さんのレポートの中の5頁あたりに 盲導犬と介助犬を比較しながら全体像が書いてあるのですね。これなどもひとつご覧い ただきながら、障害者への有効性、障害者の社会参加なり、生活動作等を援助する介助 犬というものの有効性、家庭内外の存在、まず、地域での生活動作への効果、あるいは 精神面、これはもうかなりお話をされておりますけれども、何かご疑問なり、ご意見な りありましたらお出しくださいませんか。 松尾委員  いわゆる訓練機関として盲導犬はこういうふうに書いてありますけれども、民間育成 組織、日本の場合にどれぐらいの組織があって、そういうお互いの連絡とか、組織とい うのはできているのか、個人的なあれになっているのか、そこら辺が。そういう組織が できておれば、もう少し今、説明をされている他の組織からのいろいろな意見も聴取が できるのではないかと。 板山座長  大変大事な問題ですが、さきほどレポートの一部に入っておりましたが、もし、今の ご質問について、高柳さん、ちょっとお話しいただきましょうか。 高柳(友)委員  我々の把握している限りで13から15団体。 板山座長  育成団体と考えていいですな。 高柳(友)委員  はい。育成団体と一応、一応と言っては申し訳ないのですけれども、称しているとこ ろはそれだけ数ありますが、98年度には介助犬育成の実態調査も研究班でしておりまし て、ほとんどのところが団体とは言っているのですけれども、個人で、要するにトレー ナーが代表で、機関というよりはやはり個人ボランティア活動という範疇を出ないとい う実態であるというふうに把握しております。 板山座長  これは参考資料の4頁にかなり書いておられるのですよ。特にこの中程に介助犬育成 はすべて民間育成組織によって行われているため、対象者の年齢や適応、条件、訓練法 や譲渡方法、かなり違うと。質もかなり違うと、こういうことが書いてあります。 高柳(友)委員  連携に関しても、ここにも少し触れてはおりますけれども、資料にも。あるところも それだけたくさんありますから、連携をしているところも少ないながらありますけれど も、それと同じぐらいの数、かなり仲が悪いところも多いのが現状です。 板山座長  ちょっとあなたの個人的な意見でもよいですが、13団体ぐらいある、それらの組織に ついて、なぜ、ばらばらでそのように違うのか。それをもし、大雑把に分けてみたらど んなグループ、どんなグループ、さっき動物育成団体、ペット育成団体というふうな性 格のものとその他、何かおっしゃったね。その分類をしてみたらどんなふうになります か。 高柳(友)委員  大きく分けて3つだと思います。ひとつはペット関連業者。犬関連業者とでも言いま しょうか、ペット業者とまた警察犬訓練士さん、家庭犬訓練士さんを一緒にすると怒ら れるかもしれませんけれども、両方を一応、業者、仕事でそういう仕事に着手している という人を。 板山座長  警察犬も含めてね。 高柳(友)委員  そうですね。犬の業者さんと障害者自身ですね。障害者自身が介助犬を使用し、かつ 、自分がトレーナーであるという団体がわかっている範囲でやはり3分の1ぐらいあり ますから。最後はこの間、ここに来られましたけれども、在宅介助の経験からトレーニ ングをしているという、これはとても今のところは少数派です。  なぜ、仲が悪いかと言うと、これは科学的データは取れませんけれども、やはりひと つの要素はひとつの団体が2つに分かれ、2つが3つに分かれという現状がありますの で、最初の会に谷口委員の方からもお話があったように、例えば京都市内に3つ団体が あったり、東京都内にも3つか4つ団体がありますし、それはもともとひとつでやって いたところだというのが各地にあるのですね。そういったもともとひとつでやっていた というところはやはり双方相容れない部分があるということがひとつ。  もうひとつは、私どもの考え方としては各地に同じ質の介助犬育成機関、あるいは介 助犬トレーナーが分散をしているのが使用者、あるいは障害者にとっては一番いいとい うふうに考えておりますけれども、いろいろ実態調査をすると育成団体の中には自分の ところから全国へという考え方を持っているところも少なくありませんので、そういっ たところはなかなか相容れないであろうというふうな現状があります。 板山座長  さきほどのリストアップなどを通して、また、そういったことがどういうグループで どのように団体が係わっているのかというようなこともわかってくると思いますから、 そのようなこともちょっと入れていただくといいですな。どこが養成した犬かという。 高柳(友)委員  養成して、どこがフォローアップしているか。 板山座長  そうです。それが大変大事かもしれません。どうぞ。 松尾委員  障害者自身による育成団体があるという、これがもしわかれば、私どもももう少し積 極的に支部を通じてやりたいということと、これについては厚生省あたりはもうそうい う全然関係なく、無関係に本人たちが希望すれば何ぼでもできるというようなことに現 状はなっているわけですかね。 社会参加推進室長  まだ、制度としてございませんので、今、そういう実態を厚生省として厚生科学研究 費の中で今、実態調査と言いますか、調査研究を今、厚生省で平成10年から11年、今年 度、3か年で今、研究調査をしていると、そういう状況でございます。 板山座長  これはもうおっしゃるとおり、何の制度的な裏付けもありませんから自由に作れる。 松尾委員  動物愛護とか、何とか、そういうあれでも全然ないのですか。 板山座長  ないですね。今。 松尾委員  全くフリーに。 板山座長  そうです。 松尾委員  そうするとばらばらにやるというのはかなり儲かるというあれがあってばらばらに。 板山座長  これはちょっと誰か業界に通じていないと、儲かるから作っているというふうには。 松尾委員  そうでなければ作らないでしょう。 板山座長  いやいや、でも、そうでもないですよ。やはりさっきの障害者自身がトレーナーにな って、そういうことも自然発生的にやっていらっしゃる人もいるし、アメリカで勉強し たから俺はやるのだという人もいるでしょう。あまり儲かるか、儲からないか、係わり なく、だけれども、いずれ儲かるかもしれないと思っているかもしれない。これはひと つ。どうぞ。 高柳(友)委員  私も個人的に最初はこれは決して儲かるものではないから、余程の物好きか、余程の 犬好きか、余程、障害者のことを考えて介助犬のことをやりたいという人か、何かその 3つの何かでないと始めないであろうというふうに考えいたのですけれども、そうでも ないということが見えてきて、こういうことを言うと私も怖い目に合っちゃったりする のであまり言わないのですが、結局、営利に、なぜ、つながるかということをご説明す る必要があると思うので説明させていただくと、結局、例えばブリーダーさんが自分の ところから介助犬が出たということになると、宣伝効果はあると思います。  あるいは自分は介助犬トレーニングもできるというと、家庭犬の訓練のお客さんも増 えるだろうという背景はあるのですね。それは実際の現実のお話としてしておりますけ れども。どこの団体がどうとかということは申し上げませんが、そういう背景があると いうことで。  もうひとつは、犬のトレーニングができる方に対しては結局、自分の今までやってき た技術的なことが人の役に立つというのはやはり言ってみれば興味深いと思うのですね 。 ですから、より重度な方に何ができるかをやってみたいという、そのトライ精神という か、チャレンジ精神を駆り立てるものというのがもうひとつ要素にはあるのだと思うの です。ですから、トレーナーだから介助犬トレーニングをしてみたいというのはそこに あるのだと思うのですね。  そこだけに純粋に関して言えば営利目的ではないのでしょうけれども、ただ、現実に はなかなかそれだけで食べていけないという背景もあるものですから、介助犬トレーニ ングをしているというと、他のお客さんが来たり、他の自分の普段の職業につながって いくということがひとつあるのですね。  障害者自身のトレーナーに関する問題点をひとつ指摘させていただくと、やはり障害 者ご自身でしかわからないことはたくさんあると思いますので、そういう意味では、す べての障害者、介助犬使用者が自分の犬に関してはトレーナーである、自分が自分の介 助犬のトレーナーであるというぐらいの自覚ができる必要はあると思うのですね。  ただ、その方が他の障害者に対して個々の障害の評価をしたり、予後をちゃんと把握 して介助犬トレーニングができるかどうかというのは別問題だと思いますので、確かに ピアカウンセリングのような形で障害者の社会での受け入れに関する共通点の問題とい うのは、一番把握しているトレーナーになるのだろうと思うのですけれども、これだけ 基礎疾患が多様ですし、障害も違いますから、例えば自分が頸髄損傷であったときに筋 ジストロフィーの方が来たときにどこまでちゃんと把握できるのかということは、やは りトレーナーである以上は専門的な知識と技術をしっかり持っていただかないといけな いという点は十分に認識しておいていただかないといけないのだろうと思っております 。 板山座長  さきほど、若干の議論をしたのですけれども、今日、実は予定の協議事項の中には使 用者の範囲というものがあったのですね。定義の問題は最後に整理することですからい いといたしまして、使用者の範囲、障害者の範囲、犬の管理能力とか、今の問題なども 含めて、あるいは年齢制限などという問題もご指摘の中に、レポートの中にありました が、こんなことも議論を最終的に詰めなければいけません。  ちょっとお考えおきいただきたいと思うのですが、今日は時間がありませんので、そ こまで踏み込んだ議論できませんでしたが、ただいまの高柳さんのご説明の中にも出て きましたように、客観的に見て介助犬とは何か、何ができる犬を介助犬と言うか。個別 障害者の障害の種類や癖や好みでコントロールされ、訓練されたものが介助犬なのか。 そうではなくて、この検討委員会でこういうことができる、最低限できる犬が介助犬な のだと。あと、一人ひとりの障害者とうまが合うとか、その障害者の持っているニーズ に応えて、どのようなことがさらにできるようになっていくかという問題はあるとして も、ここで制度的に言う介助犬とは何かという定義を、これからこのご審議を通して最 終的に明らかにしていく努力をしてお互いにしたいと思っております。  そういう能力を持った犬を養成、訓練、育成していくためにはどういう条件が必要な のか。どういう専門家が必要なのか。どのぐらいの期間を要するかというようなことに ついて、段々にご議論を進めていただきたいと思っております。  今日は時間がぼつぼつ参りましたので、このぐらいにいたしたいと思いますが、今日 は高柳レポーターのお話をベースに議論をいたしましたが、この辺で今日の議論は終わ りたいと思いますが、次回以降のスケジュールをちょっとだけご相談を申し上げたいと 思いますが、今日、障害者に対する介助犬の役割とその有効性、一部議論いたしました が、さらに次回も引き続きましてその問題を整理をさせていただきたいと思うのですね。  さきほど来、お話がありましたように現に働いている介助犬は何頭、どんなふうにな っているのかということについてリストアップをして、皆様方の目の前にその姿を全体 像を見ていただく。10頭なのか20頭なのか、わかりませんが、厚生科学研究の方で調査 いたしましたケースを中心にして皆様方のメモでいただいた調査項目などを加えてリス トを整理して、次回、ご提示を申し上げたいと思うのですね。そういう中の議論を通し て介助犬の有効性と役割というようなものが整理できると思います。  もうひとつ、次回は介助犬に求められる資質、どんな能力を介助犬に求めるか。ある いは要件というようなものについて、さきほどの客観的に見た場合において介助犬の最 低限の能力というのは何だというようなことも関連をさせて少しご議論をしていただき たいと思うのです。  もうひとつ、第5回目になりますが、第5回目になりますと、これはむしろ今日、ホ テルのサイドとか、JRのサイド、そういった介助犬を受け入れる立場、さきほどのダ イエーの方からお話がありましたが、いろいろな立場から介助犬を受け入れる立場に立 つとこういう要件、あるいはこういう訓練を受けた犬でなければ困るというふうな、あ るいは使用者はこういうモラルを常識を持っていてほしいというようなことも含めて、 第5回目にこういった問題をひとつご議論をいただきたいと思っているわけであります が、さきほど兵庫県の条例もできているなら、それもひとつ出してほしいというような ご注文もありました。  次回以降、第4回はさきほど申しましたように介助犬の役割とその有効性をさらに詰 めていただきますとともに、求められる資質要件というようなものを中心にお話し合い をいただきたい。第5回目以降、今度は受け入れ側のご意見等を頂戴をすると。次回は 、しかし、リストアップをした資料を中心にして兵庫県の条例などもコピーをして出し ていただく。将来、必要があれば兵庫県の説明を聞く機会も作るというようなことにし て、これからの会議を進めていきたいと思いますが、よろしくご協力をお願い申し上げ たいと思います。  さて、次回以降の日程をひとつ事務局から説明をしてください。 社会参加推進室長  はい。先日、各委員の皆様方から今後の日程をいただきまして、集計したところ、一 応、全員が出席される日ということで、一応、11月の1日、水曜日になるかと思います が、時間もちょっと委員の皆様方の時間調整でスタートが30分遅れまして3時30分から 5時半ということでお願いできたらというふうに思っております。一応、全員の委員さ んの出席していただくということを前提にそのようにいたしたいところでございますが 、いかがでございましょうか。 板山座長  11月1日水曜日、午後3時半からの開催という提案でありますがいかがでしょうか。 よろしゅうございましょうか。それではそのように取り運びをさせていただきます。  本日は以上をもって第3回の介助犬に関する検討会を終わらせていただきます。ご協 力ありがとうございました。                (閉会・17時00分) 照会先 社会・援護局 障害保健福祉部 企画課 社会参加推進室 社会参加係               新 城 TEL 03-5253-1111(内線3075) 直通 03-3595-2097 FAX 03-3503-1237