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第2回「ヒトゲノム解析研究に関する共通指針(案)」
検討委員会議事要旨

1.日時 平成12年9月5日(火)16:00-18:00
2.場所 中央合同庁舎第5号館(26階)共用第9会議室
3.出席者
委員(敬称略 50音順)
垣添委員長、雨宮、位田、上田、宇都木、小幡、金澤、具嶋、黒木、笹月、地神、
清野、福嶋、丸山、南、山口
(欠席) 櫻井、高芝、町野
オブザーバー
作業委員会(蔵田、黒崎、塚田、二見、吉田)
厚生省 堺審議官、中垣、野口 (福原、岡田)
通商産業省 福島 (山本)
科学技術庁 佐伯 (郡、小郷)
*括弧内のオブザーバーは、討議に参加せず。

4.議題

(1)「ヒトゲノム解析研究に関する共通指針(案)調査」について
(2)作業委員会の状況について
(3)個人情報保護基本法制に関する状況について
(4)自由討議

5.配付資料

資料1 第1回検討委員会議事要旨
資料2 「ヒトゲノム解析研究に関する共通指針(案)調査」ミレニアム指針研究実施状況等調査票(機関長用(2−1)・研究者用(2−2))
資料3 「ヒトゲノム解析研究に関する共通指針(案)調査」の調査対象等について
資料4 作業委員会委員名簿
資料5 個人情報保護基本法制に関する大綱案(中間整理)
資料6 個人情報保護をめぐるこれまでの経緯と今後の予定
資料7 医療の情報化と個人情報保護の関係整理研究班について
資料8 指針の名称について

6. 議事内容

(議事の公開について)

事務局

 第1回の検討委員会の審議の結果を踏まえ、審議を公開することとなり、この第2回検討委員会から公開ということになっている。

<議題:「ヒトゲノム解析研究に関する共通指針(案)調査」について>

事務局より資料についての説明が行われた。

・ ミレニアムプロジェクトの研究者、特にヒトを対象として研究されている研究者には配布されるのか。
事務局
 基本的にそのように考えていただいてよいです。
・ 研究者向けのアンケートの方で、こういう意見もあるという聞き方がしてあるが、アンケートをとる場合は、両方の意見を併記してどういうふうに考えるかという聞き方をすべきである。また、配布先のリストを見せていただくことはできるか。
事務局
 設問の記述方法については、各委員から頂いた意見を極力反映したつもりであるが、今後率直に反省をしながら、とり進めさせていただきたい。配付先リストの提示は可能で、後日お示ししたい。
・ 配布先として医学部附属病院があるが、実際に研究している人たちは、医学部そのものに多いのではないかと考える。研究者の場合も、大学病院の講師と書いてあるが、これも医学部、あるいは医系、生物系の研究所の研究者、今度ミレニアムプロジェクトでサポートされている研究者にこのアンケートを配って声を聞くのが重要ではないかと思う。

事務局

 考え方としては、ゲノム研究している方を1つの集団、もう一つは、特にサンプルをいただく方、すなわち臨床現場におられる方、この2つの集団の意見を聞くべきというご意見を踏まえている。研究をやっている方は、各省庁から研究費を配分しているので、ミレニアム・プロジェクトのゲノム関係の研究費を配分した方を念頭に置いている。臨床でサンプルをとられることがある方ということで、講師レベルを設定した。
委員長
 ミレニアムプロジェクトがスタートして数ヶ月、アンケートによる実態調査を進め、次回の検討委員会に中間報告されるという予定である。

<議題:作業委員会の状況について>

事務局

 作業委員会が設置をされ、活発に意見交換がされている。法律家の追加、産業面の方の追加、外国事例に詳しい方の追加ということで、4名が追加されている。メーリングリストを通じた意見交換ということで、現在130ぐらいまでメールが行われている。メールのご意見を要約しホームページに掲載する。この検討委員会終了後、ホームページが立ち上がる状況である。

<議題:個人情報保護基本法制に関する状況について>

事務局より資料5「個人情報保護基本法制に関する大綱案(中間整理)」、資料6「個人情報保護をめぐるこれまでの経緯と今後の予定」、資料7「医療の情報化と個人情報保護の関係整理研究班について」の説明が行われた。

委員長

 このヒトゲノム解析研究に関する共通指針作成と個人情報保護の動きとの関係で、最も意識しておかなければいけないポイントは何か。
事務局
 医療分野は、特定の個人情報、利用方法であるため、厳重な保護を要すると位置付けられている。
 個人情報保護法と別に、例えば特別な法的手当てをするといった検討が求められている。学問の自由との関係で、研究については特別の配慮をしたらどうだろうかといった考え方の整理がされている。個人情報保護法の中では、医療と研究とは違った扱いがされそうである。

<議題:自由討議>

委員長

 これから自由討論ということで、第1回から引き続いている診療と研究の問題だとか、あるいはそもそもこの指針をどういう名称にするかといったことも含めて、自由にご発言いただきたい。
事務局より資料8「指針の名称について」の説明が行われた。

(指針の名称について)

・ 作業委員会の議論の中で、タイトルには倫理問題、倫理という言葉をやはり入れて明確化したほうがいいのではないかという意見があった。このタイトルにゲノムと書こうが、遺伝子と書こうが、指針の中でこういうものを意図しているのだということを定義すれば、研究者にとってはどちちでもよく、一般の市民の方々がこういうものができたということを聞かれたときに、最もわかりやすい言葉を使うべきではないかという意見もあった。研究者の側からは、ゲノムよりも遺伝子ではないかという意見が少し強いように思われた。
・ 染色体の分析は、ゲノム解析に含まれるかどうかという議論は作業委員会で行われたか。
・ メーリングリスト上では出ていなかった。様々な議論の中では、それを含めるか含めないかを明確にしたほうが指針の対象がはっきりするといった意見はあった。どうするかということはまだこれからの問題である。そこまでは多分含めないだろうという意見が強いように思う。
・ 「ヒトゲノム研究に関する基本原則」が我が国でのヒトゲノムに関連する研究の憲法的文書であるという位置付けがされたので、できればこのヒトゲノム研究に関する基本原則の文言と同じ文言を使っていただきたい。倫理という言葉を入れるかどうかは、この指針の直接のターゲットが研究者の方々、もしくは研究機関であるので倫理を入れても構わないと考える。
・ ゲノムか遺伝子かというところは、実際に研究する研究者にきちんと指針を示すという意味では、広い方のゲノムとするべきだと思う。
・ 遺伝子解析研究に染色体の解析は当然含まれていると思う。
委員長
 名称のことに関してはさらに検討させていただいて、報告書がまとまるまでに決めたいと考える。
 前回に引き続いて、診療と研究のご議論をお願いしたい。

(基本原則の反映について)

・ 科学技術会議のヒトゲノム研究に関する基本原則というのが、憲法的文書ということになっている。
 基本原則で示されていて、かつそれが現場に直接何らかの影響があるような問題について、ミレニアム指針をモデルにしながら個別的に問題を議論していただいていると思う。基本原則の観点から言うと、それを少し横断的に議論をしていただく検討課題も考えていただきたい。また、できるだけ基本原則の主旨とか文言、特に文言をできるだけ同じにできるところは同じにしていただいた方が一般の人たちにはわかりやすい。作業委員会の議論でも、基本原則とのすり合わせを行っていただきたい。
・ 作業委員会の作業として、基本原則とミレニアム指針を前提に置いて議論を進めている。横断的に見ておくべきテーマを2、3例示していただきたい。
・ 例えば基本原則の第十六の差別の禁止という問題というのは、直接にその現場で研究資料の提供ないしは解析研究にかかわらないかもしれないが、指針の中では何らかの形で入れていただきたい問題である。また基本原則の第二十に書いてある人の尊厳と研究の自由、第二十一の研究計画の設定、第二十二の研究の手続の設定遵守といった問題についても述べていただきたい。第七の研究の多様性の考慮というところで、インフォームドコンセントの手続、特に説明の手続を緩和する可能性も述べている。最近のメーリングリストの議論を見ていると、既採取試料をどうするかという問題とか、いろんなことがそれぞれ個別に議論されていると思う。研究の多様性ということで、指針の中で全体かぶるような議論ができるのかどうかご検討いただきたい。
・ 共通指針としての細則を作成しているという意識は当然みんな、私も含めて強いと思う。その中で議論を始めると、こういう事例の場合はどうするかというところで議論が進み、それがかつ具体的で実効性の上がる指針になるだろうと、そういう理解をしている。可能な限り、ご意見を取り入れさせていただく。
(差別の禁止について)

事務局
 先ほどの差別の禁止の問題であるが、結婚、雇用、生命保険の問題とか、いろいろ論議されているが、これを細則である指針のほうで具体的に議論していくというのは、かなり難しいのではないかと思う。むしろ、これは法制度的な位置付けと考える。
・ 最初のほうの差別の問題については、具体的に、例えばミレニアム指針を例に取ると、どこの部分に入れろというのは非常に難しいと思う。むしろミレニアム指針を例にとれば1の基本方針にあたる部分に適切な形で書き込んでおくほうがよいかと思う。

(「ゲノム解析研究」と「ヒトゲノム研究」について)

事務局 基本原則の第八では、ゲノム解析研究という言葉が使われ、それ以外のところはヒトゲノム研究という言葉が使われている。違うのか何なのか、教えていただきたい。

・ 基本原則の第八のヒトゲノム解析研究という言葉使いは、これは、ここだけヒトゲノム解析研究で、ヒトゲノム研究と違うんだという趣旨で書いたわけではない。基本原則第八のところには特に研究計画のことを書いているので、ヒトゲノム研究として行われるのは基本的にはゲノム解析研究であろうということで、より正確というか、詳細にというか、そういうつもりでヒトゲノム解析研究を目的としてという言葉使いを使ったと記憶している。
・ 基本原則の中にも、遺伝子診断及び治療に関しては別途国の指針が定められる必要があるということで、除外をしている。しかし、今回の指針の中に含めてはいけないということにはならないと思う。市民の方々から見て、採血、あるいは組織を提出することに関しては、研究も診療も大きく変わるものではない。ところで、今後議論をどのようにまとめていくのか。
(診療と研究について−その1)
・ 素案のたたき台のようなものを次回検討委員会に出して検討をつくしていくことでどうか。研究というのは、研究計画、倫理審査委員会での承認、そういうことが必須である。診療のほうは、インフォームドコンセントを取った上で診療がされるが、そこで出てきたデータを集めて研究をするデータの二次利用、得られた試料の残りを使う試料の二次利用、そこから研究の分野に入っていくと整理できる。データの開示をするしないによって、遺伝カウンセリングの問題が入ってくる。このような整理はわかりやすいが、研究者がどこを研究にして、どこを診療にするか、自分でこの指針を適用するかどうかというグレーゾーン的なところをどうするかという大きな問題がある。また、診療のサンプルをいただくときに、包括的同意を得ておけばいいのかという議論が今度は出てくる。検討委員会で診療の部分をどうするかしっかり議論して欲しい。
・ 診療においては診断の目的や治療方針決定のため、すでに確立された遺伝子解析法がある。そのような解析は別途診断のガイドラインを作成して適用の対象とした方が良い。現在、研究と見なされている遺伝子解析も将来どんどんルーチンの検査として診療の場で使用される。この指針が診療も対象となると対象機関が一般病院、個人病院まで拡がり、医療に支障をきたしかねない。診療を含めることは慎重に考えるべき。
・ 産業界では、より副作用の少ない、より効果のある薬を目指して臨床試験(治験)を厳しいIRBのもとでやっている。今後は治験における遺伝子解析が重要になってくると思う。ミレニアム指針が出て、治験の先生は、研究の倫理審査にかけて持ってきなさいという意見があって、治験が進まない企業がある。治験をどこに置くのか、別にするのか、その辺もぜひ議論していただきたい。
・ どこまではやっていいということを、きちんと明確にすべきだというのが私の意見である。問題なのは、医者の側から診断に使えるからと言って、この検査をやったらどうかということを申し出る場合が問題である。そういうときの規制が全くないということが問題である。遺伝カウンセリングをしないまま、そういう診断にまで至るということに、大きな問題があると思っている。できるだけ診療の部分を含めてほしい。
・ 遺伝子検査のなかには、一般の尿や血液検査の生化学検査と意義がほとんど等しいものもある。そのような検査も、このガイドラインを適用することで医療が混乱することを危惧する。
・ 個人情報保護法の中で、医療と研究の取扱いについて再度説明して欲しい。

(「個人情報保護法」と「診療と研究」について)

事務局

 個人情報保護法は今月末の大綱案にならないと、詳しいことは言えないが、医療分野と研究分野を区別して考えているようである。遺伝子検査をどう考えるのか。学会からの要望もあり宿題ではあるが、研究に関する基本原則の指針を作る立場が良いと考える。
・ 個人情報保護法の大綱案では、研究については適用除外になる可能性がかなり強いと思う。ただ、個人情報保護法は、およそすべての個人情報について網羅的に使うという基本法をつくろうというである。
 ここで議論しているようなヒトゲノムのようなものは、そこの中で横並びにできるレベルのものではない。ヒトゲノムのようなものについては、例えば差別の禁止であるとか、法制度として整備していく必要があると思う。これはヒトゲノムというものについて、研究とか、診断とか、そういうものの垣根を越えて、ヒトゲノムに関するものについての基本法のようなものが本来は要るのではないかと考える。
 また、きちっとした指針をつくっておくということは、実は研究者が守るということは当然のことながら、一般の方に対してこういう指針ができているのだということを言っていくということは大事なことと思う。研究に協力する方、あるいは診療を受ける方、一般の方々にとって漏れのないような形でガイドラインを定めていくということが望ましいと思う。
委員長
 ここから出される共通指針に従って診療なり研究を行えば安心して行える、そういった共通指針が打ち出されるのを現場では待っていると思う。この共通指針は研究者、あるいは臨床家が主な対象と思うが、一般の方の理解が重要である。一般の人に対する、海外でも既に出されているような「ゲノムとあなた」といったようなわかり易いパンフレットをつくる努力も必要である。

(「診療の指針」、「関係学会のガイドライン」について)

・ 第1回目の検討委員会で、あるいはさらにその前から、診療の指針は別途厚生省として検討するという話があったので、この共通指針は研究でいくと理解していた。今回、健康政策局の方からご説明をいただけるのではなかったのか。
事務局
 その準備はしていない。申しわけない。但し、基本原則は研究であり、その指針を作るということから、まず、研究の指針について御議論頂きたい。
・ 診療用のガイドラインに関しては、この5月に6学会、すなわち日本人類遺伝学会、臨床遺伝学会、遺伝子診療学会、小児遺伝学会、先天代謝異常学会、家族性腫瘍研究会の6つの学会が、ガイダンスなしの商業ベースの遺伝子診断のようなものに対して、何か対策をとらないといけないということで、厚生省で共同記者会見をした。本年度末をめどに6学会共同の診療に関するガイドラインを出そうとしている。
・ ある程度ガイドラインというのが多少なりともある。そういうものをこういう中に取り込んででも急がなくてはいけないというのが私の基本的な気持ちである。診療は別だとすると、いつできるかわからないと思っている。何とか中に取り込んで、整合性のあるものをつくっていただきたい、つくっていきたいと思っている。
・ 大枠として遺伝子解析、あるいはヒトゲノム解析の指針をつくる。その中で研究に関してはきっちりしたものをつくりましょうと、診療に関しては人類遺伝学会のガイドラインを参考にするなり、既にこういうものができてますというような紹介の形で触れておく。議論の中心は研究でよいが、その大枠のところ、遺伝子解析に関しては、きちっとした診療でも研究でもこういうガイドラインがあります、ですから、国民の皆さん、安心して受けていただいて大丈夫です、そういう姿勢を示すべきと思う。

(臨床と研究について−その2)

・ 研究のガイドラインをつくっても、臨床のこともそこに紹介しておくというぐらいの親切さが少しあってもよいのではないか。
・ 今、人の材料というのが一番重要な研究材料になってきている。診断のためにとった材料、あるいは医療のためにとった材料というのはすぐに研究に使える。あるいは、診断か研究かわからないようなことが現場で行われている。2つを分けて、共通指針は研究だけにすると、現場で非常に混乱が起きる。
 これさえ守ればきちんとしたことができるんだという、研究者も安心してできる、国民も安心する、そういうガイドラインをつくるべきだと思う。最初から難しいと思うからできないわけで、やろうと思えばできると思う。

(研究の自由と人の尊厳、試料等提供者の人権について)

・ 研究か診療かという、既提供試料の取り扱い等で生じている混乱の原因を探っていくと、最終的には基本原則の第二十に行きつくと思う。ここには科学研究の自由は尊重されるということと、人の尊厳と人権を十分に尊重するということが併記されている。この2つは、ユネスコ宣言では別条に挙がっていたことだったと思うが、ここでは並んで入っている。第三項で、尊重して行わなければならないというとき、どちらを最終的に優先して考えるというのか。この点が明らかになれば、あとはすべて手続であり、方法論になると思う。
・ 基本原則第二十に3つまとめて入っているのは、実はもともとは3つの条文であったのを、あんまり条文が増え過ぎるとかえって誤解を生じるというので1つにした。第二十の1.というのは、人の尊厳に反する研究を行ってはならないというのが一番重要だという認識である。2.に科学研究の自由が尊重されると載っているのは、科学研究の自由が研究者の人権であるという意識である。3.でヒトゲノム研究とその応用が、人の尊厳と人権等を十分に尊重して行わなければならないというのは、研究の自由という人権と、研究試料提供者等の人権、これはある場合にはぶつかることもがあるが、必ずどちらが優先するということは言い切れないという観点から十分に尊重して行わなければならないという、少し抽象的な形で処理をしている。理論的には2つの人権がぶつかる場合には、そのコンテクストによっていずれかがより重視される、もしくはいずれかが少し抑えられるということはあり得ると思う。

(研究者のメリット及び被験者のメリット、人権について)

・ 研究、あるいは研究者のメリットということと、患者、あるいは被験者のメリットということを必ずどこかで天秤にかけなければならない。その場合には、被験者、患者、提供者のメリットの方を優先するという姿勢を確立すれば、だれしも安心できるのではないか。あとはどの程度それの折り合いをつけるかという、その手続になると思う。
・ 研究者のメリット、あるいは研究のメリットですが、やはりゲノム研究の持っているポテンシャルというのは非常に大きいと思う。これは将来、人類の福祉、我々の福祉、健康のために非常に役立つことを含んでいるから、そのために我々は研究をしているわけで、それを妨げることがないということが1つある。片方には、もう1つ人権を妨げないということがあると思う。その2つを両立させる道を探るというのが、この指針としては非常に大事なことだろうと思う。研究をきちんと発展させて、それが人類の福祉に役立つんだということを理解していただくということも非常に大事だろうと思う。
・ 全く同意見です。二律背反のようにお考えだとしたら、それは間違いだと思う。確かに現実問題としては、例えば新しいものに挑戦することができない人たちとか、あるいは能力が劣っている人たちを目標に遺伝子解析をすると、これは相反することになるかと思うが、現実にはそれ以外のことがほとんどであるから、両方に良いことを目指すものにしなければいけないと思う。
委員長
 この検討委員会で、1回目から議論されているポイントは、研究を推進するということと、それから被験者なり、あるいは患者さんなりの人権を守るということのバランスをいかにとるかということで、それが結局、今の研究と診療をどうこの共通指針の中に取り込むかという議論にもつながっている話ではないかと考える。

(関係学会のガイドライン、作業委員会委員の追加、バイオサイエンス部会からの意見の通知について)

事務局

 先生方からご紹介いただいた日本人類遺伝学会ほかでやっている指針をこの場でご紹介をして、それを最終的なレポートの中に取り込むのか、それともそれを紹介する形にするのか、そういう形で進めさせていただきたい。
・ 診療の場面での問題というのをあまりはっきり把握していないので、そういう資料を紹介していただきたい。
・ 作業委員会のメンバーのことに関して、一般病院の臨床医の方が少ないような気がする。この指針ができた場合に、やはり大きな役割を担うのは現場の主治医である。現場の臨床の先生方の意見というのは非常に重要だと思う。一般病院の臨床の先生方も、できれば追加していただきたいと思う。
・ この場でご了承いただければ、さらに追加したいと思う。
・ 私はもう1つ抜けているメンバーとして、農林水産省の方を入れる必要はないかと思っている。オブザーバーでも結構だから、出てもらった方がよいと思う。
事務局
 今後、検討委員会のオブザーバーとしての参加をお願いする。
・ 文部省の学術審議会のバイオサイエンス部会の未定稿はどうなったか教えてください。
・ 8月31日に、基本的には科学技術庁さんの基本原則を遵守し、ミレニアムプロジェクトについては実施してくださいという形で、各大学に配布したところである。

7.今後の日程

 第3回 平成12年9月18日(月) 10:00-12:00 中央合同庁舎第5号館(26階)共用第9会議室
 (10月に2回開催予定)

以上


照会先
厚生省大臣官房厚生科学課
課長補佐 野口尚
電話 [現在ご利用いただけません](内線:3804)


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