00/07/24 精神病床設備構造等の基準に関する専門委員会議事録             公衆衛生審議会精神保健福祉部会        第1回 精神病床の設備構造等の基準に関する専門委員会                                        議  事  録                                                   厚生省大臣官房障害保健福祉部精神保健福祉課             公衆衛生審議会精神保健福祉部会      第1回 精神病床の設備構造等の基準に関する専門委員会議事次第                  日 時 平成12年7月24日(月)10:00〜12:05                   於  厚生省2階共用第7会議室  1 開 会  2 議 事   1.医療法の状況について   2.これまでの精神病床に関する設備構造等の検討状況   3.精神病床の設備構造等の現状   4.今後の日程等  3 出席委員   池上 直己  慶応義塾大学医学部医療政策・管理学教授   池原 毅和  (財)全国精神障害者家族会連合会常務理事   伊藤 哲寛  (社)全国自治体病院協議会   伊藤 弘人  国立医療・病院管理研究所主任研究官  岡谷 恵子  (社)日本看護協会専務理事  金子 晃一  新潟県立小出病院精神科部長  吉川 武彦  国立精神・神経センター精神保健研究所長  末安 民生  東海大学健康科学部看護学科助教授  竹島  正  国立精神・神経センター精神保健研究所精神保健計画部長  西島 英利  (社)日本医師会常任理事  野中 邦子  弁護士(茨城県精神医療審査会委員)  山崎  學  医療法人慈光会病院院長 【重藤補佐】  定刻になりましたので、ただいまから「精神病床の設備構造等の基準に関する専門委 員会」を開催させていただきます。  本日の委員の方々の出席状況をご報告させていただきます。本日は津久江委員がご欠 席との連絡を受けておりますので、委員13名中、12名にご出席をいただいております。  また、私どもの障害福祉部長・今田が出席予定しておりまして、皆様方にご挨拶とい うことでございましたけれども、多少おくれるということでございますので、先に進め させていただきまして、到着次第御挨拶をさせていただきたいと思います。  それでは、ここより進行は吉川委員長にお願いをいたします。 【吉川委員長】  最初は立ってご挨拶をさせていただきます。ご指名をいただきました吉川でございま す。国立精神・神経センター精神保健研究所の所長をしております。  私にこの専門委員会の委員長ということは、公衆衛生審議会精神保健福祉部会の方か らお話がございました当初からのことでございまして、1998年の精神保健福祉法を改正 するための専門委員会、そして、その後の細部を決めるための専門委員会と二度ほど専 門委員会の座長を務めさせていただいたものですから、今回はまさか私のところに回っ てくると思いませんでしたけれども、また、この専門委員会の委員長をさせていただく ことになりました。皆様方のご協力でできるだけ円満に、そして円滑に議事が進むこと を願っております。  それでは座らせていただきます。  今回は、第1回の「精神病床の設備構造等の基準に関する専門委員会」でございまし て、この専門委員会の席で、後ほどまた今田部長の方から、この専門委員会を設けまし た理由等につきましてもお話をいただけると思います。今、今田部長おいでになりまし たので、どうしましょうか。先にいただきますか。  それでは、せっかくでございますので、今田部長がおいでになりましたので、この専 門委員会の設置につきましての御説明も含めましてご挨拶をいただきたいと思います。 よろしくお願いいたします。 【今田部長】  おはようございます。ご紹介をいただきました障害福祉部長の今田でございます。ど うぞよろしくお願いいたします。  きょうは、第1回の「精神病床の設備構造等の基準に関する専門委員会」を開催する ことになったわけでありますけれども、皆さん方には大変お忙しい中、この委員会に委 員としてご就任いただきましてまことにありがとうございます。これまでの精神保健福 祉行政全般に係りますご尽力もさることながら、これからの精神病床の基準のあり方に ついてご審議いただくことにつきまして、心からお礼を申し上げたいと思います。  御承知のように、先般、さきの国会に医療法の改正につきまして、これを審議いただ くことに予定をしておったわけでありますけれども、その内容につきましては、例えば 病床の区分について、精神病床、感染症病床、結核病床、療養病床、一般病床、このよ うな病床の区分を定めまして、これにそれぞれの人的・物的基準を定めると、このよう な仕組みになっている内容でございました。  さらには医療に関係します広告規制の緩和でありますとか、あるいは情報提供などに ついて、これらが盛り込まれていたところでございます。さらにこれに付随というとご 無礼かもしれませんが、これに併せまして、医師法の改正で医師の臨床研修の必修化に ついて、これらもご審議いただく予定だったわけですが、国会が早めに解散になりまし て、結果として廃案になったわけでございます。この廃案になりはしましたけれども、 現下の方、特に健康政策局の方では、この法律を改めて提出をしたいということで、秋 の臨時国会にこれを提出したいということで改めて準備を進めているやに聞いておりま す。  そういう状況もございまして、それぞれの病床区分において、一定の人的あるいは施 設の基準というものを定める内容として、これから、また、スタートするわけでありま すけれども、その中で精神病床において、いかにそういった区分の中でどういう基準を そこに盛り込むべきかという点につきまして、実は皆様方にこれからご審議をいただく こういう趣旨でございます。  この精神病床の人的基準等につきましては、一方で一般の慢性病床を原則とした現状 から、どのような形でこれを組み立てかえることができるのかといった点についてご審 議いただくことが一つの大きな課題かとも思いますけれども、しかし現実には30万人を 超える患者さんが現に現在の医療法の中で治療を受けていらっしゃるという実態もこれ あるわけでありまして、そう簡単に右よ左へということにもいかないかとも思いますけ れども、しかし、今後を見据えまして、あるべき姿、その方向への第一歩としてどうい うあり方がいいかという点についてご審議を賜ればということをお願いする次第でござ います。  なお、ことしの6月に法案が通りました社会福祉事業法等の一部改正におきまして、 社会福祉施設における施設基準あるいはそこにおける施設の中での質的評価、こういっ たものが法にも盛り込まれている現状もございます。そういった意味もございまして、 これからの医療、福祉の方向が、できるだけ患者さんの利用者の立場に立った、そうい うあり方としてどう構成できるかという点が一つの大きな流れではなかろうというふう にも思っております。  こういった面もお含みいただきまして、この精神病床の今後のあり方、あるいは当面 の定めるべき事項はどうあるべきかといった点について、十分なご審議を賜りましてご 報告いただければということをお願いする次第であります。  先ほど申し上げましたように、秋の臨時国会に向けてということでもございますので できれば秋口には何らかのご意見が賜ればということを、私ども勝手ではございますけ れども、お願いをしたい一つでもあるわけであります。これからも、そういった趣旨を 踏まえまして、慎重なご審議を賜ればと思います。  なお、これまで以上に、また今後とも精神保健福祉の業務の充実につきまして、私ど もに厳しいご意見あろうかと思いますけれど、ぜひ、いろいろそういった意見も賜りな がら、今後の精神医療の充実に私どもも努めていきたいと思いますので、よろしくご指 導いただくようお願い申し上げます。  最後になりましたけれども、私、また別の会議で出てしまいますので、若干しかおり ませんけれども、ご容赦いただきまして、私の方からのご挨拶にかえさせていただきま す。どうぞ、よろしくお願いいたします。 吉川委員長  どうもありがとうございました。ただいま今田部長の方から種々今回の専門委員会に 関しまして、期待されていることをお話をいただきました。この専門委員会が設置され ました大きな理由は、先ほど今田部長の話しの中にもありましたように、医療法の改正 ということを考えてのことでございます。これが前国会での廃案になってしまって、今 度臨時国会の中で議論していただくということを考え、この9月いっぱいぐらいまでの 間に、この専門委員会としての結論を出したいということだろうと思います。  こうしたことを踏まえまして、この専門委員会が目的としますことは、主として精神 病床における人員配置の問題、設備基準等の問題に対して議論することであろうと思い ます。これから、この夏休み期間中ではございますけれども、勢力的にこの委員会を開 かせていただきたいと思いますので、皆様方のご協力をぜひよろしくお願いしたいと思 っております。  それでは、事務局の方から、本日の資料の説明の方をよろしくお願いしたいと思って います。 【重藤補佐】  事務局から資料の確認をさせていただきます。本日、お配りしている資料は、資料1 としまして「『精神病床の設備構造等の基準に関する専門委員会』の検討内容等」でご ざいます。  資料2でございますけれども「医療法等の一部を改正する法律案要綱」でございま す。  資料3といたしまして、「『精神病床の新たな機能区分の設定について』の基本的考 え方(公衆衛生審議会精神保健福祉部会)」の答申でございます。  資料4で「精神病床の現状」でございます。  資料5といたしまして「今後の日程」でございます。  以上、本日の資料でございます。過不足等ございましたら、事務局までお申しつけい ただければと思います。 【吉川委員長】  それでは、議事に入りたいと思いますが、本日はお顔合わせでもございますので、と もかくの資料に基づきまして、事務局の方から資料のご説明をいただきながら、全体の 把握をしたいと思います。それでは、いかがでしょうか、事務局の方から。 【西島委員】  委員長、ようございますか。 【吉川委員長】  はい、どうぞ。 【西島委員】  資料を先ほど見せていただきましたら、資料1の「その他の事項」のところで、「管 理者の責務規定」と「保護室の取扱」とこの2点が入っておりまして、今回の検討は精 神病床の設備基準、人員配置の基準について案を作成するというのが今回のマターでご ざいまして、この二つは、例えば極端に言いますと、地域医療計画に大きく影響する部 分だろうというふうに思うんですね。しかも精神障害者の定義があやふやなままでこう いう議論をすることは私できないと思いますので、この2項目については、できれば説 明の前に削除をしていただきたいと思うんです。  もう一度申し上げますが、いろんなことを積み残しのままで今回決まっているわけで すから、そういう周辺環境を整備した中で、今後のことは検討すべきだと。ですから今 回のこの検討内容については、この2項目について外していただきたいと私は思いま す。 【吉川委員長】  ちょっとそれでは事務局の方から。 【重藤補佐】  事務局として出させてもらった「その他の事項」というものでございますけれども、 この(1)人員配置基準、2)設備構造と並んで、施行規則に現在盛り込まれている項目で ございますので、それはもちろん現行どおりということであれば、現行どおりという結 論をいただければ、それはそれでということで、施行規則の中で方針を決定すべき項目 として項目を載せさせていただいたということでございます。これは事務局としての整 理でございます。 【西島委員】  ですから、これが今現行どおりであれば、これは載せても構いませんが、ここで議論 するのであれば、話が違うと思うんですね。 【吉川委員長】  議論として進めて、結果として現行どおりということになる可能性が大きいと考えま す。 【西島委員】  それはそれで構わないんですけど、議論すること自体がおかしいと私言っているんで す。 【吉川委員長】  どうでしょう。 【西島委員】  ですから現行どおりということであれば、私は問題ないと思います。 【吉川委員長】  なるほど。ちょっと待ってください。まだ議論にのれない方もおられるのではないか と思うので、少し整理をしたいと思います。資料1のところに(1)人員配置、(2)設備 構造と書いてありまてし、(3)のところに「その他の事項」と書いてありますけれども 今、西島委員の方からお話がありますのは、その他の事項のところの議論というのは、 それこそまだ十分に議論が煮詰まっていない問題がさまざまあるにもかかわらず、ここ で議論をすることは適当ではないのではないかということで、この検討内容として挙げ ておくことに問題があるという、そうした意味ですね。 【西島委員】  そういうことです。 【吉川委員長】  そうですね。そんなふうにちょっとおっしゃっておられるわけですが、まだ中身のこ とがちょっとよくわかっていないのかもしれない。ちょっと簡単に事務局の方から、 「その他の事項」でどういうことを議論してもらうかということを1行程度でお話をい ただけますか。 【重藤補佐】  「その他の事項」で載せております項目について説明をさせていただきますと、最初 に「精神病室の施設基準に関する規定(特別な設備構造等)」ということがありますけ れども、その中で、特に構造等について、壊れにくいというか耐久性のある構造にしな さいということが今施行規則にありますので、これは現行どおり、それをそのとおりと するのか変えるのかというところを結論いただければということで出させてもらいまし た。  それから「管理職の責務規定」ということでけれども、精神障害をお持ちの患者さん については、精神病床以外への一般の病床への入院は禁止ということが、今の施行規則 上ございます。これをそのまま現行どおりとするのか、それともそれについては見直し をするのか、そういうところを方針さえ事務局の方にいただければ、それはそれで施行 規則の方でそのように定めていくということです。  それから「保護室の取扱」でございますけれども、現在保護室も病床の中のうちの一 病床の数としてカウントしてございます。これは現行どおり保護室も病床数のうちとし て、現行どおりとするのかしないのか、そこら辺の結論をいただければ、施行規則に盛 り込めるということでございます。それから、経過措置でございますけれども、一般病 床、療法病床は法律の施行から2年半の間に、療養病床か一般病床かを選択するという その2年半という経過期間がありますけれども、精神病床はどういうふうに考えるのか というのをご議論をいただければというところで、項目がそれぞれ現行どおりなら現行 どおりということであれば、施行規則がつくれるということで、項目として載せさせて いただきました。 【吉川委員長】  今のご説明でいかがでしょうか。皆様方、少しご理解いただけたかもしれません。伊 藤先生どうぞ。 【伊藤委員】  やはりこれはせざるを得ないと思います。というのは二つ理由がありまして、医療法 の施行規則そのものも今回見直すことになるわけですね、医療法の改正に伴って、その ときに一つひとつこれでいいかどうかという議論するのだろうと思いますから、そのと きに、精神病床についてはどうかということを問われたときに、ある程度の方向は出し ておかなければならないのではないか。  もう一つは、法改正の専門委員会が開かれ、そのときの報告書の中には、この収容禁 止の条項と保護室の取扱いについては専門委員会報告が出ているわけです。それは公衆 衛生審議会に上がってきているわけです。そのときにはこの問題はある程度整理されて いるんですが、そのままになっているわけですね。医療法の改正に伴って、専門委員会 報告を生かすのか生かさないのか、それはきちんと議論しておかなければならないと思 うんです。そういう観点から、これは避けて通れない問題だというふうに私は考えてい ます。 【西島委員】  ようございますか。 【吉川委員長】  どうぞ。 【西島委員】  私はこれは火事場泥棒と同じだと思うんですよ。つまり今回のこの検討内容というの は明らかに精神病床の設備構造及び人員配置の基準について検討するということだけで すから、これに絞るべきだというふうに思うんですよね。  しかも精神病床以外の収容禁止の条項とか、地域医療計画の大きな変更点ですよ。も し、これが一般病床へという話であれば、もうオーケイという話であれば、地域医療計 画どうするんですか。そうでしょう。精神病床の意味がなくなりますよ。 【伊藤委員】  ですから、そのことも含めて……。 【西島委員】  ですから議論すべきではないと言っているんです、今回は。 【伊藤委員】  そのことも議論したらよろしいんじゃないですか。 【西島委員】  ですから、それでは話がおかしくなるので、私はだから、これをもし議論されるので あれば、私どもとしては会員を守るという立場からこの席を立たざるを得ないというふ うに思います。 【吉川委員長】  ちょっと待ってくださいね。余り話が結論めいたところにいってしまうとせっかくの 議論する場所じゃなくなってしまいますので、ぜひ皆様方のご意見をいただきたいと思 いますが、どうぞ。 【竹島委員】  すいません、保護室の取扱いのことなんですが、私どもの調査したところでは、保護 室と、それから施錠できる個室とか、患者さんの処遇を個々に沿ったものにしていくた めに、病棟の構造自体が非常に多様化しているという実態があります。その多様化して いる実態ということと、今ここで保護室という形でくくって、そこの議論だけをやって いくことがうまく結びつくかどうかということが出てくると思いますので、その前段と しまして、保護室というものが、どういう性質のものであるかという一定の整理をした 上かで、保護室の取扱いというところへ進まないと混乱してしまうのではないかと思い ます。 【西島委員】  私もそう思います。 【竹島委員】  その点については、やっぱり議論する必要があるのではないかという気がします。 【西島委員】  ですから、ここで議論するべき問題ではなくて、これは新たにそれをつくるのであれ ば、やっぱり委員会をつくって検討すべきですよ。私はそう思います。確かに、日本医 療機能評価機構の評価点の中でもさまざまな隔離室を用意するということが、これから の精神病院のあり方ということにきちんと明記されているわけですよね。ですけど、こ こでは病床として算定するか否かということをきちんと書かれているわけですから、で すからこの二つはどうしてもここで議論するべきではないと私は思います。 【吉川委員長】  議論すべきであるかないかということよりも、議論する必要があることは確かでしょ うね。そうですよね。どこで議論をするかという問題はありますね。 【西島委員】  そういうことです。 【吉川委員長】  議論する必要あると私は思っていますし、そのことに関しては、西島先生も議論する 必要があるということではお認めいただいている。この場でやるべきかどうかというこ となんだろうと思いますが。 【西島委員】  そういうことです。 【吉川委員長】  その辺につきましては、何か事務局の方で、どうぞ。 【松本課長】  この専門委員会が、先ほど部長の方から申し上げましたように、(1)の人員配置と (2)の設備構造というのを重点的にご議論いただいて、その他の事項につきましては、 先ほど西島委員あるいは竹島委員の方からもお話がありましたように、もう少し別なと ころでもうちょっと定義等詳したところで議論すべきではないかというご意見ありまし たけど、それを踏まえまして、今回の専門委員会としては(1)と(2)のところで重点的 にということで、「その他の事項」について、今後検討するとすれば、どういう点を考 慮すべきかというようなところでご議論いただければと思います。(1)と(2)を重点的 にお願いしたいと思います。 【吉川委員長】  はい、わかりました。私は事前にお話を伺ってはおりましたけれども、私自身は、先 ほどもお話をしましたように、議論すべきであることは間違いないと思っています。ど こで議論をすべきかということだけの問題であったと思う。ちょっと西島先生の方から のお話、ここまで強烈にいただくとはちょっと考えてもいなかったものですから、私の 方も今どぎまぎしておりますけれども、議論をする必要があるということだけはお認め いただいた上で、今課長が言われましたように、人員配置と設備構造に関して、主とし て議論をしながら、その中で(3)のところ出てくるような問題も、あるいは問題として 提出されるかもしれませんので、これを1項目として挙げておくということではなくて 中で議論をすべきことが出てきたときには一緒に議論はさせていただきますけれども、 課長が言われましたように、(1)と(2)を主として、この専門委員会の中では議論をす るという形で進めさせていただきたいと思いますけど、それでよろしゅうございますで しょうか。議論をする必要がないと私は思っておりませんので、いつでもまた議論はし ていきたいと思います。金子先生。 【金子委員】  基本的にはそれで結構だと思います。ただ、10条の3であるとか16条の1の6などの 規定に関しましては、医療法施行規則に載っているわけですから、今回秋の臨時国会へ 出すめどだということであれば、それまでに別の機会を設けてきちんと議論をおこなう ことを確認させていただきたいと思います。 【吉川委員長】  そういうことでよろしゅうございますか。 【西島委員】  ちょっと待ってください。ですから、これは今回の医療法改正とは関係ない部分です よね。確かにそれはあるんだけれども、今回は内容的にきちんとしたいのはまさしく (1)と(2)であって、(3)の部分は別の考え方ですよね、はっきり申し上げて。だから その周辺の環境は全く整ってないまま、今回の医療法改正に向けて議論されるのであれ ば、それは問題だろうと私は言っているんです。 【吉川委員長】  私が今まとめかけたのは、今回の医療法改正に向けて(3)のところを表立って議論を すると言っているわけではありませんで、少なくとも今回はこの専門委員会の目的とす ることは、西島先生が言われるように、人員配置、設備構造だということを確認した上 で、この人員配置ないしは設備構造の問題を議論するに当たって、どうしても避けて通 れない問題として、(3)の問題が出てくる可能性があると。そのときは一緒に議論をし てくださいということをお願いしているのであって、そして、どうしても(3)のところ を特別に議論しなくちゃいけないということがあるならば、それは西島先生がご提案な されたように、別途専門委員会を設けてでも議論すべきであるということだと私は考え ます。  その点までいけば、今の金子先生のご意見と、私はそうずれてないような気がいたし ますけれども、それでよろしゅうございますか。 【西島委員】  はい。ですから今回の医療法の改正の中のこの二つについては検討項目になってない はずなんです。ですから、それは将来に向けての話であれば、これは別の問題ですと、 そういうことでございます。 【吉川委員長】  はい。課長、それでよろしゅうございますか。 【松本課長】  はい。 【吉川委員長】  そんな形で、今の議論はまとめさせていただきます。  それでは、第1の問題に戻ります。「医療法の状況について」、議題1のところでご ざいますが、資料をご説明いただけますでしょうか。 【重藤補佐】  資料2でございます。これは医療審議会の諮問書でございまして、医療法の改正の法 律案要綱でございます。要綱のところからご説明をさせていただきます。資料2の2 ページでございます。先ほど部長の挨拶でもございましたように、さきの国会で解散に よりまして廃案となりました医療法の概要でございます。  要点でございますけれども、「第2 改正の要点 一 入院医療を提供する体制の整 備に関する事項」というところでございます。ここの辺で精神病床の人員配置と設備構 造に最も関連する事項でございます。  そして「1 病床の種別に関する事項」といたしまして、(1)病床の種別を精神病 床、感染症病床、結核病床、療養病床及び一般病床とすることということでございま す。従来は精神病床、感染症病床、結核病床、その他病床という括りでございましたけ れども、その他病床を療養病床と一般病床にして、それぞれ5類型というように病床の 種別をするということでございます。  (2)精神病床、感染症病床及び結核病床について、定義規定を設けること。  (3)精神病床については、精神疾患を有する者を入院させる病床ということでござ います。療養病床としては、病床のうち、精神病床、結核病床、感染症病床以外で長期 にわたって療養を要する病床ということでございます。  (4)一般病床というのは、同じく精神病床、感染症病床、結核病床及び療養病床以 外のものをいうこと。  重要なのは(5)病院は、当該病院の有する病床の種別に応じ、厚生省令で定める人 員を有しなければならないこととされているところでございます。従来につきましては 現行の医療法上、その他病床について、厚生省令で設備構造、人員配置を定めているわ けでございますけれども、それによりがたい場合については別途定めるということで、 精神病床のベッド数が全病床数の8割以上を占める精神病院につきましては別途定める ということとなっておりまして、今、通知の中で設備構造、人員配置を決めているとこ ろでございますけれども、今回、先ほどの(1)の5類型で分けた病床の種別それぞれ について、厚生省令で人員及び設備構造を定めると規定されているところでございま す。  したがいまして、今回この委員会でお願いしております人員配置、設備構造、今まで 通知ということで、その他病床の基準によりがたい場合ということで規定をされていた 精神病床につきまして、新たに精神病床にふさわしい人員配置と設備構造を厚生省令で 定めると。そのための原案というものをこの委員会でお願いをしているというところで ございます。  その考える基準といいましょうか、標準でございますけれども、新たな医療法上の療 養病床と一般病床につきまして、どのような設備構造と人員配置を今考えられているか というところが、この精神病床の基準を考えるときの参考となると考えられると存じま すけれども、その基準でございますけれども、(5)の下の「療養病床」というところ に書いてありますけれども、従前の療養型病床群と同じということでございます。従前 の療養型病床群でございますけれども、これはどういうものかといいますと、医師数に つきましては、入院患者さん48人に1人、看護職員が入院患者さん6人に1人、看護補 助者が6人に1人、薬剤師さんが 150人に1人。  病室の占有面積が1人当たり 6.4m2以上ということ。 廊下幅が 1.8m以上(両側居室 2.7m) というようなところが現行の療養型病床群で ございます。それと同様なものを療養病床ということで定める予定にしています。  それから、一般病床でございますけれども、その人員につきましては、看護婦及び準 看護婦、入院患者さん3人に1人ということでございます。  それから、医師数につきましては、入院患者さん16人に1人ということでございま す。  設備基準は、患者さん1人当たり 6.4m2以上。 新築及び全面改築の病室の廊下幅ですが、1.8 m以上(両側居室 2.1m以上) という ことでございます。 というのが、大まかなところの一般病床の設備構造と人員配置の予定でございます。 そうした療養病床、長期にわたり療養を必要とする患者を入院させる療養病床、それ 以外の一般病床というものの基準がそれぞれとなっておりますので、それを比較した上 で、精神病床、精神疾患に基準としてはどのようなものがふさわしいのかということを 決めていただくということになります。 3ページ目になりますけれども、(6)ですが、施行日から経過期間ですけれども、 2年6カ月以内に療養病床又は一般病床どちらを選ぶかということを届け出るというふ うになっております。したがいまして、私どもの方の精神病床をどのようにしていくの かというところでございます。  それから「医療計画に関する事項」ということですけれども、「必要病床数」の用語 を「基準病床数」に改めるということが書いてございます。  そのほか「病院等の施設の基準に関する事項」ということで、給水施設とか暖房施設 の規制が廃止されたという規制緩和のことでございます。  4の「適正な入院医療の確保に関する事項」ということで、そうした基準を守らない 場合については、医療の停止を命じることができるというような規定を設けるというこ とが書いてございます。  それから、4ページでございますけれども、5の「その他」というところには「収 容」という用語を「入院」と変えるというようなところ。  罰則の規定その他を整備するということでございます。  それが一番の大きな項目でございます。  二の大きな項目としましては、情報提供ということで、広告等の規制の緩和というこ とが書かれてございます。  4ページの下の方、三の「医師及び歯科医師の臨床研修の必修化に関する事項」とい うことで、医師及び歯科医師2年以上、臨床研修を必修化するというような内容が書い てございます。  以上が、医療法の改正の中身でございます。特に私どもの本委員会でお願いするとこ ろと関連の深いのは、2ページにあります第2の一の「入院医療を提供する体制の整備 に関する事項」ということで、精神病床をそれぞれ厚生省令で、設備構造と人員配置基 準を定めるところで、この委員会にお願いをしたいというところでございます。  資料1に戻りますけれども、資料1の検討内容というところで「医療法改正に向けて 同法の施行規則に盛り込む精神病床の設備構造及び人員配置の基準についての案を作成 する」というところで、先ほど西島委員の方から出ましたので、(3)は削除ということ でございますけれども、(1)人員配置、(2)設備構造というところを、本委員会でお願 いをするということでございます。  以上でございます。 【吉川委員長】  どうもありがとうございました。ちょっとわかりにくいところがおありになったかも しれませんけれども、今、御説明をいただきましたのは、医療審議会あてに出しました 諮問書を中心にしてご説明をいただいたわけでございます。この諮問書の中に書いてあ ります医療法等の一部改正をする法律要綱でございますが、この中に書いてある今回の 医療法改正の要点というところを中心にして説明していただきました。  本日のこの検討を進めなければいけないところは、この中身でございますが、先ほど もとお話が出ましたように、人員配置と設備構造というところが問題になるのはその理 由でございまして、ぜひ第一、皆様方から、今のご説明の中身についてで結構でござい ますし、改めてこの諮問書を目を通していただきまして、何かご質問等がございました らばいただきたいと思います。いかがでございましょうか。 【金子委員】  先生。 【吉川委員長】  どうぞ、金子先生。 【金子委員】  一つ、この法律案要綱の中身について確認をしたいというか、私がよくわからない部 分があるのですが、病床区分は一応この5区分でいくということが既に確認済みではあ るわけですね。  そうすれば、病床区分ごとに基準を設定することが必要だという議論にはなるわけで すね。  もう一つ、病院の規模に応じて病室ごとの基準をとる。 100床以下の病院は病室ごと の基準をとれると書いてございます。それ以上のところは、病棟を単位とすることを原 則とすると書いてございますが、必要な人員、例えば医師の配置であるとか看護の配置 は、病棟を単位とするというのは、5区分全体に共通するコンセンサスを既に得ている のでしょうか。そこがよくわからないので確認をしたいと思います。 【重藤補佐】  5区分といいますと、精神、感染症、結核、療養病床、一般病床それぞれ基準を定め て、例えば一つの病院の中にそれぞれの病棟があるというような病院については、それ ぞれの病棟の算定式によって算定をした必要人員を足し合わせて、病院として足りてい るか足りていないかというところになるというふうに聞いております。 【金子委員】  つまり病院全体として基準に適合するかどうかということで、例えば指導を受けるか 受けないかということが決まるということですか。 【吉川委員長】  金子先生がおっしゃったのは、総合病院を頭に置いてらっしゃるから、そういうご質 問なんですね。 【金子委員】  そのとおりでございます。 【重藤補佐】  そのように聞いております。 【吉川委員長】  よろしいですか。 【金子委員】  今のところは事実確認だけにとどめます。 【吉川委員長】  ここではお答えにくいところ、お答えにくいというよりも、答えられないところもあ ると思いますので、それはまた少し事務局の方にも勉強していただくことにして、ほか に何かご質問、御意見ございますでしょうか。どうぞ、野中先生。 【野中委員】  よくわかりませんので申しわけないんですけど、これは一般病床というのが、今、私 たちがふだんかかっている病院になるのでしょうか。 【吉川委員長】  ふだんかかっているといっても、今ここに分けましたものの中を除けば、そういうこ とにはなります。ふだんかかっているという意味では。 【野中委員】  療養病床というのと一般病床というのが新しく分かれたわけですね。 【吉川委員長】  はい。 【野中委員】  そうすると療養病床で長期に入院というと、高齢者のいろんな施設がありますね。そ れらが入るんですか。 【吉川委員長】  医療施設という意味ですか。 【野中委員】  高齢者の病院。 【吉川委員長】  医療施設。 【野中委員】  はい。そういうのを予定してのあれですか。「長期にわたり療養を必要とする患者を 入院させる」というのは、どういうわけで療養病床と一般病床と分かれるのですか。す いません、本当に素朴な質問なんですが。 【重藤補佐】  病院の中で、機能分化ということで、要するに積極的に集中的な治療をやっていくの が必要な患者さんの群と、それから先ほど先生がおっしゃられたように、高齢者を中心 とした療養中心で、医療の中身についてそれほど高度なものといいましょうか、そんな 積極的に施設中心なものが必要じゃないような療養を中心とするけれども、でも医療が 必要で、在宅には戻せないような方がいらっしゃると。  一方では、非常に集中的な治療をし、一方では集中的な治療ではなくて、療養を中心 としながらケアをしていくというような分野の患者さんがいる。そういう機能分化を図 るために、例えばがんの手術をして、2〜3週間で退院とするのをどんどんやっていく ようなイメージのところから、3カ月とか4カ月とか療養になるような人たちと、病室 とか病院の構造とか必要なものがやっぱり違うのではないかということで機能分化を図 っていこうということで、今回、医療法の中で一般病床の中から療養病床というものを つくって、そうした患者さんの病態にふさわしい医療を提供していこうということで機 能分化を図るということでございます。 【西島委員】  ちょっとようございますか。 【吉川委員長】  西島先生の方が。 【西島委員】  ちょっと混乱していると思うんですね。やっぱり重藤さんの説明の仕方が混乱に結び ついたと思うんですが、あくまでも療養病床と一般病床というのは別枠ですよね。今回 精神病床をどうするかという話ですから、その中で医療計画のところでも、療養病床と 一般病床の区分することは2年半云々という話をされましたが、精神病床はこれと関係 ない話でございまして、ただ、そのあたりちょっと整理しないと、そのあたりで混乱が 起きて、金子委員からもああいう意見が出たのかなというふうに思うんですね。例えば 100床未満病院については、病室単位で区分することが云々というのは、これは例えば精 神病院を急慢に分ければこの話が出てくるだろうと思うんですが、これはないという話 でございますし、ですから、そういう意味で、これは外した中で考えていかないといけ ないのかなと思うんですけど。 【吉川委員長】  西島先生のご説明でも、恐らく皆さん方はよく理解がいかないのではないかという気 がいたしますけれども、もうちょっとうまい説明がないでしょうかね。全く素朴に考え てみれば、きょうここで議論をするということそのものではなくて、今、野中先生の方 に対してご説明をしなければいけないものとして考えれば、この医療法の改正の根本的 な理念としては、先ほど重藤さんがお話になられたように、確かに医療を必要とすると いっても、濃厚な積極的な治療をどうしても必要とする部分と、それから療養というよ うな意味合いの医療を必要とする部分とがどうしてもあるだろうということで、今まで のような分け方ではなくて、病院を一般と療養という二つの区分に分けてみようという ことだけなんですね。そこのところが大きな問題で、きょうここで議論するのは必ずし もそのことではなくて、ここにあります精神病床、感染症、結核という、従来からある ような分け方のプラス、今の説明としては、療養と一般に分かれるという話であって、 ここでは精神病床ということが問題なんだというのが、西島先生がお話になられている 部分なんですね。  ですから全体の問題として考えなくちゃいけないという説明のために、今、医療法の 説明をされたということ。大体の枠組みとしてはそういうふうにお考えいただける。こ こが、ちょっとみんなでのっていかないと、精神病床だけの話をしてもなかなか、恐ら くほかはどうなっているのかという話が出てくるといけないので、やはり医療法全体と してはこういうような改正をもくろんでいるのだということをまずわかっていただくと いうことで、第1のところで説明をさせていただいているわけです。  それでよろしゅうございますでしょうか。私の説明でもおかしいですか。よろしいで すね。 【重藤補佐】  はい。 【吉川委員長】  大体そんなふうに考えていただければよろしいかと思います。  それでは、医療法の改正のところの問題点はそれでよろしゅうございますでしょう か。次の問題にいきましょうか。次の問題で、これまで「精神病床に関する設備構造等 の検討状況について」ということでご説明をさせていただきます。それでは事務局の 方、お願いいたします。 【重藤補佐】  それでは、資料3をもとに説明をさせていただきます。資料3でございますけれども これは「精神病床の新たな機能区分の設定について」ということで、平成12年1月25日 公衆衛生審議会の答申書でございます。  これはどういった性格なものかと申しますと、先ほどご説明をいたしました改正医療 法を提出するに当たりまして、基本的に法律事項について、精神病床をどうするのかと いうようなところで意見を出して、公衆衛生審議会から医療審議会の方に精神病床に係 る医療法の改正の法律の中身というものについてはこんなふうに考えていますというの をお示しをして、それに基づいて医療法の改正案がつくられたそのもとになったもので ございます。これにつきまして、法律の中身でございますので、これから委員の方々に この委員会で検討していただく施行規則の中身までは触れておりませんけれども、ただ 施行規則に盛り込むべき基本的な考え方については多少触れられておりますので、資料 として用意をさせていただきました。  この関係するところでございますけれども、2ページでございます。2ページのとこ ろの真ん中辺下の2.のところの「具体的な医療法における位置づけ」というところの 最初のマルと2番目のマルのところが最も今回のところと関係するところですので、こ このところを読み上げさせていただきます。 ○ 医療法上、精神病床は、精神疾患の特性によって精神病院以外の一般の病床とは別 の病床として定められているところがあるが、今回の見直しに当たっても精神疾患の特 性について十分配慮をし、医療法における病床の種別は、「精神病床(精神疾患を有す る者を入院させるための病床)」とすることが適当である。なお、精神病床の設備構造 及び人員配置基準の基準については、一般の病床とできるだけ格差のないものとするこ とが求められる。 ○ また、精神病床の機能分化を進めるために、医療法上に精神病床の機能の区分を病 床の種別として規定することについては、一般的の病床においては既に機能分化の積み 重ねがあることは対して精神病床においては機能分化が実態として進んでいない現状を 踏まえると、現段階で直ちに法律で定める状況にないと判断される。しかし、現在の精 神医療の実態、また救急医療、薬物中毒等に対する専門医療、重篤な合併症を有する患 者の医療等のための体制整備の必要性を踏まえ、精神病床の機能分化及び療養環境をさ らに向上させ、一般の病床との格差を是正する観点に立って、別途、必要な基準を設定 することが求められる。  ということでございまして、「別途、必要な基準を設定する」というところが、今回 の基準というところで、先生方に議論をしていただければというところでございます。  以上が主な点でございます。 【吉川委員長】  これで少し本日のこの専門委員会の意味がおわかりいただけたかと思います。先ほど ご説明いたしましたように、医療法という全体の枠の中で、どんな動きがあるのかとい うことと、そして本年の1月25日でしたか、公衆衛生審議会精神保健福祉部会でどのよ うな検討がされ、そして、このような案が出たというか、正式には答申というのでしょ うか、それが出たことを踏まえて、具体的に検討するこの専門委員会が設けられている ことになります。  現在、公衆衛生審議会で議論されましたことを蒸し返すことはちょっと控えさせてい ただきますけれども、ここの公衆衛生審議会で議論されたことに関して、ご説明が必要 であれば、ご質問いただければ、ご説明を申し上げたいと思います。いかがでございま しょうか。西島先生、このときの議論の中でつけ加えていただくことはございますか。 【西島委員】  いえ、特にございません。できれば、5年間の間に、周辺環境のさまざまなものを見 直して、そして将来的な精神病床のあり方をそこから考えるべきだという議論がこうい うような報告書になったと思います。ですから、できれば精神障害者の定義の見直しと かそういうことも含めてということだと思います。 【吉川委員長】  西島先生も、この公衆衛生審議会の委員として議論に参加しておられましたので、特 に今精神障害者の定義の問題について、そのときもご発言がありましたので、今加えて いただきました。ほかに何か、会の中に一緒においでになった方はおられませんです ね。伊藤先生おられるか。伊藤先生何か。 【伊藤委員】  できるだけ一般病床に近い方へ持っていく、将来的にということで、その第一歩を今 回踏み出すということ。公衆衛生審議会ではそこで終わっているわけです。今回この委 員会で具体的な一歩をどのように進めるかという議論だろうと思いますけれど。 【吉川委員長】  はい、わかりました。ほかにはないでしょうか。では、どうぞ、何かご質問があれば 野中先生、今手を挙げられた。 【野中委員】  今そこだったんです。「一般病床との格差の是正する観点に立って〜」といいますの で、格差が今非常に多いのでしょうか。 【吉川委員長】  現状の問題ですね。それは次のところで、また実情に関してご説明はいたします。ほ かに何かご質問ございますでしょうか。池原先生、何か加えられることあります。 【池原委員】  先ほどの伊藤先生のご意見と同じで、格差がないというところに多少議論があって、 それは時期の問題を言っているのか、つまり格差がない状態というのをなるべく早く実 現しましょうと、そういう趣旨の議論がなされたという記憶です。 【吉川委員長】  ちょっとですよね。 【池原委員】  はい。 【吉川委員長】  それでは、もしご質問がないようでございましたらば、その先に進めさせていただき ますが、よろしゅうございますか。  3番目のところへいきましょうか。事務局の方からちょっと。 【重藤補佐】  それでは資料4をご説明させていただきます。資料4「精神病床の現状」というとこ ろでございます。まず1ページでございます。1ページは病床の種別ごとの設備構造と 人員配置の基準についての現状と将来ということなんですけれども、病床の種別として は、上の方に書いてありますけれども、精神病床、感染症病床、結核病床、療養病床、 一般病床ということでございます。  精神病床につきましては現状を書いてございます。療養病床、一般病床については、 今案として考えられているものを掲載させていただいております。  それぞれ項目ですけれども、定義、隔離の必要先生、平均在院日数、人員配置基準、 病床面積、廊下幅、必置施設等、医療計画、病床数ということで書いてございます。そ の中で関連の深いところだけご説明をさせていただきます。  上のカラムからの4段目のところの人員配置基準というところでございます。精神病 床の現状でございますと、医師数が入院患者さん48人に対して1人、看護職員の方は入 院患者さん6人に対して1人、薬剤師さんが 150人に対して1人というところでござい ます。 それに対しまして、一番右端の一般病床というところでございますけれども、 医師数が、入院患者さん16人に対して1人、看護職員3人に対して1人、薬剤師さん70 人に対して1人というところでございます。  右から2番目、療養病床につきましては、医師数48人に対して1人、看護職員が6人 に対して1人、看護補助者が6人に対して1人、薬剤師さんが 150人に対して1人とい うところでございます。  それから、次の段に移りますけれども、病床面積でございます。精神病床のところ、 一番左端でございますけれども、 4.3m2以上ということでございますが、一般病床一番 右端でございますが、 6.4m2以上、療養病床 6.4m2以上ということが予定されている床 面積でございます。 次の段、廊下幅でございますが、精神病床一番左でございますが、 1.2m以上、両側 居室が 1.6m。一番右側が一般病床 1.8m以上、両側居室が 2.7m。療養病床が 1.8m 以上というところでございます。 それから、必置施設等ということでございますが、左側でございますが、一般病床の 施設の他、外部に対して危害防止のための遮断等という設備構造が必要だというふうに なっております。右側の方でございますが、一般病床、各科専門の診療室、手術室、処 置室、X線装置、調剤所、消毒施設、分べん室及び新生児入浴施設。療養病床ですけど 一般病床の施設の他、機能訓練室、食堂、談話室、浴室ということでございます。  以上が、主な精神病床、一般病床、療養病床それぞれの比較でございます。  2ページでございます。2ページは、先ほど説明をしましたものが医療法上の最低基 準といいますか最低標準なんですけれども、それが一番上の段に書いてありますとおり なんでございますけれども、ただ、医療法ではなくて、診療報酬上、要するにこれだけ のものをそろえたら、もう少し点数が上がるといいましょうか、厚く報酬上みられると いうようなもので、精神病床の急性期A、B、療養A、療養B、痴呆疾患治療病棟、痴 呆疾患療養病棟という、それぞれの専門病棟について、診療報酬上、健康保険上の費用 がそれだけ厚く算定されるための基準としてそれぞれが設けられている基準なんでござ いますけれども、急性期Aが医師数が48:1、看護要員数が2:5:1、看護補助者が 10:1、床面積が 4.3というところでございます。 急性期Bでございますけれども、医師数が48:1、看護要員数が3:1、看護補助者 が6:1、病床面積が 4.3。 療養病棟Aが、医師数が48:1、看護要員数が3:1、看護補助者なし。病床面積が 5.8、病棟面積が18m2。 療養Bというところでございますが、医師数が48:1、看護要員数が5:1、病床面 積が 4.3。 痴呆疾患治療病棟が、医師数48:1、看護婦・准看護婦数が6:1、介護職員数が5 :1、病床面積が6.0 、病棟面積が23.0というようなところでございます。  これは医療法の基準とは別に、診療報酬上の基準として適用されているものでござい ます。 3ページ目でございます。これは医師等の充足率でございますけれども、平成10年度 の医療監視の結果からでございますけれども、一番上の段の表でございますけれども、 医師の病院種別・充足率別病院数ということでございます。精神は上から2番目でござ います。医師の充足率区分が50%未満、要するに法定の医療法のそろえるべき医師数の 基準から50%未満しか医師がいない病院が37、50%〜60%が14、60%〜70%が51、70% 〜80%が43、80%〜90%が98、90〜 100%が 103、 100%以上が 847というということ でございます。一番右端、必要な基準の総数等から医師数の基準を80%以上満たしてい る病院が87.8%がクリアーしているという状況でございます。 それから、看護婦の病院種別・充足率別病院数でございます。精神が同じく2番目の 段でございます。同じく50%未満の病院が1で、60〜70が3、70〜80が6、80〜90が17 90から 100が26、 100%以上が 1,140ということで、80%以上の必要数を満たしている 病院数が99.2%ということで、80%以上ということであればほぼ全病院がクリアーをし ているというところでございます。 それから、薬剤師の病床規模別遵守率でございます。精神が同じく2番目でございま すけれども、20床〜49床の病院が、これは病床規模別しかございませんので、それぞれ 病床規模別にどれだけ守られているかという表で、ちょっと上の二つの表とは違います が、右端のところでございますけれども、守られているところが72.8%というところで ございます。  それから、4ページでございますが、先ほどのものは医療監視からのものでございま すけれども、これは診療報酬上の看護基準、先ほどいろいろ急性期病棟A、B、療養病 棟A、B、痴呆疾患療養病棟A、治療病棟ということでそれぞれの看護基準別に医療法 の規制とは別の観点の標準をご説明しましたが、それぞれとっていく中身でございます けれども、病院区分別に2対1看護、2.5 対1看護、3対1看護、 3.5対1看護、4対 1看護それぞれについての病院数でございます。6対1看護基準以上というような厚い 看護基準のところがほとんどの病院になっているというところでございます。  それから、5ページでございます。これは「臨床研修指定病院における人員配置の現 状」というところでございまして、総合病院は医療法改正によりましてなくなってしま いまして、一覧表の入手がちょっと難しかったものですから、それに代用するものとし て、臨床研修指定病院というものについて、それぞれ看護基準と医師数の表をつくって みました。縦軸が看護基準、横軸が医師数というところで、医師数の標準が16人以下の ところ、16人より多いところとそれぞれ出しております。医師数16人より多いところが 127施設中77施設、看護基準ごとそれぞれ2対1看護から6対1看護までそれぞれのとこ ろをとっているという状況でございます。  以上、本日、議論いただければというところで、こちらの方で用意しました基本的な データでございます。 【吉川委員長】  ありがとうございました。やはりちょっとわかりにくいかなと思うところが、最初に 見ていただきました病床種別の一覧のところはともかくとして、その次の2ページ目の ところに出していただきました医療法上の規定と診療報酬上の規定というのがちょっと わかりにくい方がおられるかもしれません。本日ここで検討するのは医療法上の問題で ございますので、医療法上でどうするかということで、現実には診療報酬をどの程度を 差し上げるかというときには、医師の数や看護者の数がたくさんいるところには診療報 酬をたくさん差し上げようというのが、要はこの下の方の2ページの診療報酬のところ に書いてある急性期Bというようなところに書いてある意味でございまして、医療法上 最低基準はこういうところだということは示してあっても、それ以外のより高い充足率 のあるところには診療報酬は厚く差し上げるというような規定がされていると、そんな ふうに大まかに見ていただければよろしいかと思います。  そうしたもののほかに、ご説明いただきましたのは、現在の精神病院の中における状 況を全体として見ていただくための資料でございましたけれども、これもまた議論の中 に入れていただければ結構でございます。  ここまでのところで何かご質問なりご意見なりございましたらばいただきたいと思い ます。いかがでございましょうか。伊藤先生どうぞ。 【伊藤委員】  資料の中で5ページ「臨床研修指定病院における人員配置の現状」というのがありま すが、この16人より多い、16人より少ないというデータは、精神科ではなくて病院全体 の人数ですね。 【重藤補佐】  精神科です。 【伊藤委員】  精神病棟に関するデータですか。 【重藤補佐】  はい。 【伊藤委員】  わかりました。そうしますと、外来の算定はどうなっていますか。 【重藤補佐】  外来の算定もしております。 【伊藤委員】  そうすると外来に必要な医師数を除いて、そして病棟に専任に配属されている医師と して推定した数。 【吉川委員長】  ちょっと待ってください。これは竹島先生から出たデータです。 【竹島委員】  この16人というのは、外来の数というのは、月単位でしかデータの中に含まれており ませ。外来患者数を含めると非常に難しいので、単純に入院患者数を常勤の医師数で割 った数でございます。とりあえずの参考数値としてということです。 【吉川委員長】  山崎先生どうぞ。 【山崎委員】  3ページのデータなんですけれども、医師とか看護婦の充足率の問題なんてすが、こ れは公立と民間と分けたデータはないんですか。 【吉川委員長】  公立? 【山崎委員】  公立病院も民間病院も全部含めての医療監視の結果なんですか。 【重藤補佐】  はい。 【山崎委員】  そうすると、こういうデータを提出する場合、民間と公立を分けてもらわないとはっ きりしないと思うんですね。平成10年の医療監視の結果で、私が持っているデータとい うのは、ドクターが日本の全国平均で71.0%なんですね。そうするとここの数と16.8% まで違っちゃっているんですね。この数字で精神科の病院というのはこんなにもドク ターがいるのかというふうな検討の数字になられちゃうと困るんですけれども。 【吉川委員長】  そうすると民間と公的な病院とを分けてデータを出せと、そういう意味ですね。 【山崎委員】  看護婦さんもドクターも。それとあと、前回までは、地域別というかブロック別の データを厚生省が発表していたんですね。したがって、こういうパーセントでなくて、 地域別、ブロック別の公立、民間というふうな分け方で一回整理したのがほしいんです が。 【吉川委員長】  それは資料としては出ますか。 【重藤補佐】  医療監視結果につきましては、私ども所管してなくて、別な資料であれば、そのよう な加工はできるかと思いますけれども、医療監視の結果から分析するとすると、それは 当課ではなかなか難しい。ですので、別のうちの調査の数値をベースにして、どの程度 確からしく出せるかは別として、出せると思いますけれども。 【吉川委員長】  医療監視のデータではなくて、精神保健福祉課が持ってらっしゃる資料の中から加工 はできるということですね。 【重藤補佐】  はい。 【吉川委員長】  それは出していただきますでしょう。よろしいですか、山崎先生。 【山崎委員】  それとあと看護婦さんの場合、正看と準看の比率、これもほしいんですけれども、と いうのは、精神病院協会の方のデータですと、看護婦さんの準看比率が6割超している んですよね。そうするとやはり看護婦さんの需給計画とかそういうものを考える場合に その比率の現状がどういうふうになっているかということもやっぱり考えてやらないと いけないと思うんですね。 【吉川委員長】  なるほど。それも出ますか、看護婦と準看護婦との。 【末安委員】  あります、データ。 【重藤補佐】  ありますか。 【吉川委員長】  末安先生、あります。それでは、別な恐らく調査だと思いますけれども、そういうも のもできるだけ出して、そして検討の材料にしたいと思います。よろしゅうございます か。 【山崎委員】  もう一つなんですが、精神保健指定医の正確な数と勤務別、年齢別、性別のデータが 出ているのがないというか、発表されてないんですよね。これのデータもできればほし いんです。 【吉川委員長】  そうですか。勤務別というのは勤務様態ですか。 【山崎委員】  総合病院の精神科……。 【吉川委員長】  勤務場所別ですね。 【山崎委員】  単科の公立病院、民間の単科のクリニックとか大学病院、そういうふうな別なデータ があればいただきたいんですけれども。 【吉川委員長】  それは今回のこの委員会には必要でしょうか。判断の中に必要でしょうか。 【山崎委員】  というのは、ドクターの配置の場合、精神科医の数がはっきりしていないんですね。 何人いるかどうかというのが、指定医、非指定医、精神科医の数というのが。 【西島委員】  ようございますか。 【吉川委員長】  西島先生。 【西島委員】  今回、医療法上の施設基準、人員基準を決める話でございますから、余り現実的な データが出てまいりますと決められなくなると思うんですよ、はっきり申し上げて。で すから、今、先生がおっしゃった資料については、私、この場では必要ないと思うんで すけれども。 【山崎委員】  ただ、実態の数がはっきりしていないのに、法律でこういうのを決めちゃうというの も変な話だと思うんですね。足りているのか足りていないのかというふうな実態がわか らないで、法律で数を決めちゃうというのは、下手すると違反病院をつくるということ にもなるわけですから。 【吉川委員長】  ただ、医療法上の今の議論の中には、指定医、非指定医の問題は入ってこないような 気がするんですね。 【西島委員】  入ってないからですね。 【吉川委員長】  それで私は反論したのはその意味なんですね。 【山崎委員】  診療報酬上の問題だということですね、それは。 【吉川委員長】  精神保健福祉法上の問題。 【山崎委員】  診療報酬上の問題だということですね。 【西島委員】  いや、これは精神保健福祉法の問題でございますから、医療法の問題ですから、そこ まで言及しちゃうと、議論が全くできなくなると思うんですね。 【吉川委員長】  そう思って、私はそこのところでちょっと反論したんですけれども。 【竹島委員】  ちょっと話が動いてしまうかもしれませんが、資料の1ページのところの平均在院日 数のところでございますけれど、ここでは平均在院日数が平成8年の調査で 436.2日で 精神科が一番長いという日数になっておりますけれど、私どもの少しデータを見させて いただいた分では、新たに入院した患者さんについては、平均入院日数と別に言葉をか えさせていただきますけれども、73日程度という結果が出てまいります。 ということで、やはり 436.2日というのが、こちらの療養病床と一般病床のところで 分かれているように、精神科の中にもこの療養を長くせざるを得ない患者さんと、退院 期に退院していく患者さんが2分が一緒に混じってこの日数になっている。 436.2日と いうところに、入院日数の中心があるのではないのですが、平均在院日数というときに えてしてそういう誤解が生じてしまいますので、ここではやっぱり平均在院日数という ものと平均入院日数という概念をこれから少し分けて使っていく方がより議論するのに スムーズにいくのではないかと思います。よろしかったら、今後そういうこともお考え いただけたらと。 【吉川委員長】 はい、わかりました。竹島先生のご指摘に関しては、従来からかなり言われてきてい ることでございますけど、なかなかこういう使われ方がされなかったと思います。この 平均在院日数という言い方であっても、それでも 436まで下がってきているとは確かに 言えるわけでございますけれども、そうではなくて、むしろ病床全体で見れば、回転の 早い群と回転の遅い群があるということも前から言われておりまして、それをごっちゃ にして、一つの平均在院日数という考え方をとることは必ずしも正しくない、要するに 現状を見るという意味では正しいのではないんじゃないかということがずっと言われて きていることだと思いますが、今、竹島先生から改めてその点について指摘があったと 思います。 【伊藤(弘)委員】  今、山崎専門委員から指定医のことについてご指摘がありましたので、実は私資料を 少しつくってきたので、もしよろしければ配らせていただければと思います。 【吉川委員長】  どうぞ、それでは事務局の方、お配りいただけますか。 【伊藤(弘)委員】  私自身、研究者ということで、この委員会での役割というのは、中立的な立場から議 論の検討に資する根拠とかデータというのを提示することであるというふうに考えてお りまして、実は次回以降、御提示しようと思ってました。ただ、予定を見ますと、次回 以降は当事者の方やご家族の方からのご意見の聴取ということなので、今回少しお時間 をいただいてご説明をできればと思いまして、配らせていただいております。                  (資料配付) 【吉川委員長】  よろしいですか。それではどうぞ。 【伊藤(弘)委員】  今、2枚お手元にあると思います。一つが「必要医師数に関する推計」というのと、 もう一つが「看護職員の従事状況」というものであります。まず、必要医師数について でありますが、結構いろんな数字が並んでおりますが、一番皆さんにご参考になるのは 2のところだと思います。これは精神保健指定医の数で、昭和63年から平成10年までは 実数です。これは先ほど山崎専門委員がご指摘された点の数字であります。これの数字 がかなり直線的に伸びているということもありまして、これを回帰式といって、直線で 近似をしますと、年間304.75人ずつ増えているという計算になります。これは寄与率が 99.4%とかなり確からしいということは言えると思います。 それで各年度で括弧の中に載っているのは実測値及び推計値であります。上の方は、 平成10年に実務経験5年未満の推定の医師数が 1,524人というデータがありましたので これを加えると、平成10年までが実数なんですが、11年ですと、1万 2,046人、12年で すと、1万 2,351人ということになります。  次に、1の方に戻りますが、もう一つは、平成10年の6月30日の調査によりますと、 在院患者さんの数は、大学病院では 4,036人、精神病床6割未満の一般病院では、3万 775人ということで、平成10年6月30日現在33万 1,870名入院をされています。これを現 行で、この数に必要な医師数を計算をします。すなわち大学病院及び精神病者8割未満 の一般病院では16対1、8割以上は48対1で割りまして、あと病院における外来患者さ んに必要な医師数と診療所における外来患者さんに必要な医師数を考慮して、これは今 計算をしました。そうしますと、現行の在院患者数に必要な医師数というのは、現在1 万 2,835名ということになります。これに年間 304人ずつ増えていくと計算にしますと 必要数を充足するのは平成14年6月ぐらい(3の真ん中で)に、もし16:1をすべてに すると、平成55年1月ぐらいという数になるというわけであります。  最後に参考というのがありまして、これは先ほどの遵守率に関するものでありますが 平成9年の医療監視結果に基づいていますが、非遵守の施設というのが、医師数を80% 充足していると仮定をすると、充足するのにあと2年5カ月ぐらいかかる。もし非遵守 の施設の充足率が50%であると仮定をすると、あと6年かかるという推計の値でありま す。  もう一枚の「看護職員の従事状況」でありますが、まず6月30日現在の常勤が9万 5,900人、非常勤を常勤の換算しまして、9万 8,257名ということになります。この看護 職員数には病院の外来の方に対する看護スタッフも含まれていますので、患者調査から の外来患者数が8万 6,100人を30分の1にしまして、それを引いた数であります。合計 9万 5,387人です。これを現在の在院患者さんの数で割りますと、3.48ということで、 参考というところにありますが、現在9万 5,387が入院患者さんに対する看護の皆さん の数ということで、 3.5:1前後というのが、計算をした結果です。推計にはさまざま な計算の方法があると思いますので、その点については先生方にお伺いしたいと思いま す。今回のご検討の資料になれば幸いであると思います。 【吉川委員長】  ありがとうございました。少し数字がごちゃごちゃと飛び交いますけれども、私ども 今回の医療法の改正に当たりましても、基本はやっぱり数字の問題になってくる。どう いう数字を使いながら、どういう数値にしていったらいいのかということだろうと思い ますので、伊藤先生にも資料を提出していただいたようなわけでございまして、今後の またご検討の材料にしていただければと思っております。  この資料に関して、ご質問ございましたらばお受けしたいと思いますが、いかがでご ざいましょうか。 【伊藤委員】  よろしいでしょうか。 【吉川委員長】  どうぞ。 【伊藤委員】  今の2ページ目の看護職員の方ですけれども、外来に必要な看護職員の推定数という のは、これは診療所も含めて全部推計したんですか。 【伊藤(弘)委員】  ではなくて、病院のですね。 【伊藤委員】  病院の。 【伊藤(弘)委員】  そうです。この従事者自体が病院の方々の常勤の数でありますので、その中から病院 の外来に必要な数を引いたものと。 【伊藤委員】  病院スタッフというふうに限定してよろしいんですね、このデータは。 【伊藤(弘)委員】  はい。 【吉川委員長】  ほかに何かございますでしょうか。 【池上委員】  必要医師数の充足に関する予測というのは、これは具体的にどうやったわけでしょう か。 【伊藤(弘)委員】  3でしょうか。 【池上委員】  はい。 【伊藤(弘)委員】  これはどうしたかというと、1に戻りまして、現在の在院患者数というのがありま す。これがすべて16:1になるとしますと、すべての患者さんを16で割り、2万 5,512 人が必要であるということです。この2万 5,512人に達するのを、今の指定医師数の増 加の割合で計算をするとこれだけの年になるというものであります。 一方、48:1のことにつきましては、1万 1,385ですから、これは実測値は平成10年 までしかありませんでしたので、9年ぐらいには、48:1については、もう既に充足を していると。 【池上委員】  それはわかりますけれども、私が申し上げたいのは、これは充足が、この上の1の必 要医師数の推計という、この構成比を考慮してでの推計なんですか。つまり…… 【伊藤(弘)委員】  構成比とういのはどういう……。 【池上委員】  精神病者8割以上のところの方が充足率が仮に少ないとしますと、そこにおける状況 を加味したのでしょうか、それともこれを全部合わせての話なのか。 【伊藤(弘)委員】  合わせての話です。 【池上委員】  それは予測しては適当ではないんじゃないですか。というのは、8割以上の病床が一 番充足されてないわけですから、そこにおける充足の、これまでの経緯を見た上での充 足にしないと、分母全体として見てこうなったから、しかもこれは非常に遠い先の話を 含めて、こういう予測を出すというのは非常に危険だと思いますので、この予測は適切 でないと思います。  それから、もう一つは、ここに参考としてあります医師の充足率ですけど、これも同 じように、遵守されてないところが、遵守されているところと同じペースで医師数が増 えるという前提でされていますので、今のような傾斜配分されている医師の充足状況か らしますと、これをそのまま回帰上、同じ分母で引っ張ってくるということは適切な推 計と思えない。 【伊藤(弘)委員】  先生のおっしゃるとおりであります。ただ、今回この委員会で具体的な数値というの を検討していかなくてはいけないという場合に、何らかの資料というものができないも のかということで考えてきたものであります。先生のおっしゃる、8割前後の遵守の状 況というもののデータは、残念ながら、私の知る限り手元にありませんでした。また、 精神保健指定医の増加の割合が病院の特性によってどう違うかということについても残 念ながら手元にありませんでした。  もしそれらのデータが存在するのでしたら、それでやるべきだと思いますが、そうい った限られた現在の数の中で何が言えるかというものを検討してきたものでありまして 先生がおっしゃる限界というのはこの推計値にはあるということをご認識の上、資料の 一つにしていただければというのが、今回提出した趣旨でございます。 【池上委員】  こういう推計を出す意味はあると思いますけれども、先ほど山崎先生がおっしゃって いますね。公私別ということを抜きにしたこの数値だけで充足率を議論するのは適切で ないと同じように、これは公私どころか、精神病床の場所による、例えば大学病院では 極めて医師が充足しているという状況と、そうでない単科の精神病院の両方を一緒にし た状況における回帰式でとるということは、これをもって充足すると言えるかどうか。 もし、全国平均ということからすれば、看護婦数については充足されているわけですか ら、その限界を確認した上での数値ということであれば、これは資料として非常に貴重 なものだと思います。 【吉川委員長】  ありがとうございました。 【伊藤(弘)委員】  今の限界をもしこの中に考慮するとすると、恐らく8割以上の精神病床のところの充 足率はもっと時間がかかる可能性があるという、つまりどちらの方向に動くかというと もう少し時間がかかるという方向に動くというのが、今の限界から考えると出てきま す。そうしますと、この予測というのはもう少し伸びるという側にずれる可能性がある ということを念頭に置かれてはどうかなと。 【吉川委員長】  ちょっと待ってください。余りここでとまっていますと、学問的な議論に近い議論に なってしまいますので、やはりここは現実的な問題として考えていかなくてはいけない ことだと思いますので、今お出しいただきましたものはあくまでも参考でございますし それから、今、御指摘いただきましたような意味からいっても、そして、先ほど山崎先 生からの話もありましたように、それぞれ内容をもう少し検討してみなければ、医師数 その他についても言えないわけでございますので、これはこれとして、こういうような 算定の仕方が可能だということをまた見ていただくということと、先ほど伊藤先生が一 番最後のところでちょっとお話になられたように、これはご指摘のとおりで、例えば一 般的に言う精神病床8割以上の精神病院といわれているところの状況だけを考えれば、 充足率はもっと先へ伸びていくだろうと。そして大まかなものとして、少なくとも把握 できるとは思いますので、その意味で参考にしていただければと思います。  伊藤先生何かございますか。 【伊藤委員】  このデータ、非常に貴重だと思うんですが、一つはこのデータに、在院患者数が少し ずつ減少傾向にあるというデータをここに加味、積み重ねがないものですから、減りぐ あいがまだはっきりしません。長期予測を立てる場合には、そのデータも加味しなけれ ばならないということだけをつけ加えたいと思います。 【吉川委員長】  わかりました。よろしゅうございますでしょうか。私の方から一言だけ、専門委員の 伊藤(弘)先生へのお願いは、1のところで、必要医師数と言っている必要医師数と2 のところで言っています精神保健指定医数というのは、これは精神保健指定医ではない 当然医師がいるわけでございますので、ここのところが一緒になって計算するとちょっ とおかしいかなという。 【伊藤(弘)委員】  括弧の中が指定医の数でありまして、その上段にある数字は、それに実務経験5年未 満の指定医師数を加えたものであります。 【吉川委員長】  わかりました。いずれにしても、その辺のところを計算をして、また考えていかなく ちゃいけないかもしれません。資料としては、また、より充実したものをおつくりいた だくことは大変ありがたいことだと思いますので、伊藤先生にもこれからよろしくお願 いしたいと思っています。  とりあえず私どもがここのところで用意いたしましたご説明の資料については、ほぼ これで終わったんでございますけれども、全体を通じて何かご質問なりご意見なりいた だいておきたいと思いますが、いかがでございましょうか。どうぞ、金子先生。 【金子委員】  率直な今までのデータを拝見しての意見でございますが、人員の配置におきましても 大学病院を中心としてかもしれませんが、医師が濃密に配置されている病院もある。そ れに対してそうでないところもあるといった実態が一つわかりました。  それから、もう一つは、先ほど竹島専門委員の方からご提示がございましたけれども 最近の入院の患者さんの平均入院日数で見ますと七十数日ということでありますから、 医療機能としての実態として急性期の濃密な治療と慢性の快適な療養というふうに区分 をされているのではないかという実態も確認されたと思います。  そこで、治療と人員配置がどうリンクしていくのかというのが今後の議論の的という か焦点になろうかと思いますけれども、ぜひ濃密な治療には濃密な人員配置をというふ うにお願いできればと思っています。以上です。 【吉川委員長】  ほかにご意見ありますか。 【西島委員】  ようございますか。 【吉川委員長】  どうぞ。 【西島委員】  これは確認なんですが、資料の4の1ページに「病床種別一覧」ございますけれども 一般病床が既設が 5.0m2/床以上、これは括弧書きですけれども、これは現行 4.3だと 思うんですね。ですから、これは訂正を。 【吉川委員長】 もう一度。 【西島委員】 「病床種別一覧」というところで、精神病床、感染症病床云々と、一般病床のところの 病床面積というのがございますですね。一般病床が 6.4m2/床以上、これは新しい新築 改築に伴ってこれということですが、既設が 5.0m2/床以上となっているのは、現行 4.3でございまして、 5.0という数値はないということです。 【吉川委員長】 岡谷先生、何かございますか。 【岡谷委員】  私も前に精神病床の区分等のことについて検討している委員会に出ていたんですけれ ども、そこでも話題になったんですが、やはり精神医療を充実させていくためにも、さ っき金子先生がおっしゃったように、本当にインテンシブに治療やケアが必要なところ にはそれなりにきちんと人員配置するということをやはり考えていくべきではないかと 思いますし、できるだけ早く一般病床並みの格差をなくしていって、一般病床並みに近 づけていくということを推進していかないといけないのではないかというふうに思って います。 【池原委員】 意見というよりも、もし資料があればということでお伺いしたいんですけれども、前 末安先生からちょっと伺ったような気がするんですけど、例えば看護の人員配置数と患 者さんの在院期間の関係とか、あるいは医師の配置人員数と在院期間の関係とか、病床 の設備と患者さんの病棟内でのQOLを判断できるような、何かそういう資料というの は、あるいは調査というのは何かないんでしょうかね。 【吉川委員長】  どうでしょうか。 【末安委員】  岡谷先生の所属されています日本看護協会の方でも大規模な調査をやっています。厚 生省の科研でも前にやらせていただいたことがありまして、精神病院に在職している、 さっき伊藤(弘)先生のデータも関係してくるんですけれども、在職している常勤職員 の数と在院期間のリンクというのは調査をかけていまして、この後の委員会でまたご報 告したいと思います。  それと看護の立場から言わせていただきますと、公衆衛生審議会の機能区分の設定の 中の文言にもありますけれども、重篤な合併症を有している患者さんの医療の整備とい うことが、ここでは直接在院患者さんの質について、平均的にどういう方が多いかとい うのはなかなか議論しにくいと思うんですけれども、その人たちが合併症を有する率は 非常に高まっていまして、その場合、どういうサービスを提供するかということが構造 上の問題と非常に大きくリンクしていると思うんです。もちろんそれが法律や通知に盛 り込めるかどうかは別なんですけれども、人の数だけではなくて、人の能力などに対し ても配慮したご審議をいただけるとありがたいと思います。 【池原委員】  QOLについて直接判断できるような資料というのはないんですか。 【末安委員】  その基準がなくて、それを何とか工夫できないかと思ってやっているんですけど、こ この議論に耐えうるものになるかどうかわかりませんが、それに近いものは出したいと 思います。 【吉川委員長】  それでは、次回、資料として出していただければと思います。 【野中委員】  話題がそれてしまうかもしれないんですけれども、いつも回ってくる診断書を見てい て気になるんですけれども、少年が精神病院に入ってくるときの、いろいろ施設とも関 係するかもしれませんけど、あの人たちに別な病棟に入っているんですかと聞くんです けど、そうでもなくて大人の人と一緒に入っていたりするんですけど、そういうのとい うのは何か問題にはならないんですか。  ちょっとごめんなさい、全然話が別で。 【吉川委員長】  事務局の方から、何かその辺のところで。 【重藤補佐】  今回の検討項目としましては、そこまで細かい規定はありませんので、それは病院の 中で児童思春期病棟というのを設けて、そこで受け入れている病院もありましょうし、 大人・一般と同様のところで治療されている病院もあります。ただ、そこのところの評 価というので、診療報酬上も児童精神病床に関する評価というのもまだないという状況 でございまして、ただ、その事項まで細かくは施行規則で盛り込むということにはなら ないかと思います。 【吉川委員長】  この会の審議対象ではありませんけれども、実際に現状として、今、重藤補佐の方か ら話がありましたようにいろいろと各病院とも工夫はしておられるようですね。1972年 だったと思いますけれども、私が厚生省にいる時代の調査でも、児童病棟を今後どうい うふうにしていかなくちゃいけないのか、30年ぐらい前に調査をしたことがありますし そういう時点でも、既に児童に関してどういう問題が起こりうるかということを想定し ながら、厚生省としても考えてはきたと思いますので、ただ、それらを医療法上どうい うふうに位置づけるか、あるいは診療報酬上どういうふうに位置づけるかということを 議論しようとしても、なかなかそれが議論できなかったという経過はあると思いますけ れども、現状としてはやはり今実際問題としてたくさんの病院がいろいろな工夫をして おられることは確かで、すべてが精神病院の一般の精神病棟の中にいるとは限らないと 私は思っています。竹島先生。 【竹島委員】  ちょっと教えていただきたいんですが、公衆衛生審議会のこのレポートの中に、長期 入院患者の療養のあり方の検討結果を踏まえてということがございますけれど、この長 期入院患者の問題といったことと、療養というものの体制の問題というのはどこかで結 びつくと思うんですが、そちらの議論が今後どんなように進められていくか、ちょっと 教えていただけたらと思うんですけど。 【松本課長】  長期のものにつきましては、これとは別の委員会を設けて検討していきたいと思って おります。ただ、長期のと一般病床と関係ありませんで、それぞれに議論の深まりぐあ いを見ながら、その状況等についてはるる適時適切に、こちらの委員会でもご説明させ ていただきたいと思っております。 【池上委員】  今後の議論をする上で確認させていただきたいんですけど、資料3のところで申し上 げるべきだったかもしれませんけれども、資料3の2ページの2の二つ目のマルで、前 半の方は精神病床の機能区分は定めないということが書いてございまして、後半の方は 一般病床との格差を是正する観点から別途、必要な基準を設定するべきであるというこ とが書いてございますので、今後の非常に核心的な部分ですので、機能区分は考えない けれども、同じ精神病床だけど、別途、基準を考えるというのは何か矛盾しているよう にも見えるんですけど、ここで言っている別途の基準というのはどんな基準のことを言 っているわけでしょうか。 【松本課長】  法律事項というわけではなくて、施行規則の方で定めることができるのであれば考え たいということでございまして、ここに書いてありますのは、先ほど末安委員の方から もご発言がありましたけれども、入院している患者さんの合併症の問題、あるいは入院 している方も精神疾患だけでなくて、ほかの病気にもなりますし、そういう方々の治療 を適切にそういうサービスを行うにはどうすればいいか、そういう点についてのことを 考えるということで考えています。 【池上委員】  そうしますと、厚生省令で実質的に現場にとってはどの程度の拘束力のある省令を、 こういう基準について検討するということが、この会で審議することですね。 【松本課長】  どこまで拘束するかというところは、ちょっと我々としてもまだ決めかねているとこ ろがあるんですけれども、そういう点を含めてご審議願えればと思っております。 【池上委員】  ありがとうございました。 【西島委員】  今の回答、非常に重要な部分でございまして、そこまで踏み込む話は全然聞いてない 話でございまして、精神保健福祉部会からここにおりてきたのは、あくまでも精神病床 の施設基準と構造基準を決めるということでございますので、それは踏み込み過ぎでは ないかと私は思いますね。それは全然まだ検討されてないことでございますし、今まで いろんな、ただ、何回も申し上げますが、周辺の環境整備が済んだ段階で、その点に入 っていくというのがこの報告書の主な点だろうというふうに思いますので、そこまで踏 み込むということであれば、これはまた問題視せざるを得ないというふうに私考えま す。  それから、もう一つだけ、先ほど委員の方から、看護の数、医師の数、そういうこと によって平均在院日数がどう変わるのかということでのデータをということがございま すが、データの怖さというのは実はそこにございまして、要するにどういう病気なのか 重症度はどうなのかということを含めた中で初めてそこの部分は検討される話でありま して、看護婦さんが多いから早く退院できる。ではそこにどういう患者さんが入ってい たのか。  例えば、うちの非常に手厚くしている病棟は、今、20日も患者さん入院してない。だ けど、なぜか、それはうつ病の患者さんが中心だからですね。神経症の患者さんは十数 日で退院していくわけですよ。ですから、スタッフの数が多いから、だからこれだけ早 く退院していくのだということに必ずしも結びつかない。そういうあたりも考えながら データというのは出していただきたいというふうに思います。 【吉川委員長】  西島先生がおっしゃるのはそのとおりだと思いますが、ただ、データというのは読み 方の問題で、読む力の問題もありますので、データは出していただいて、やっぱりそれ をどう読むかということをみんなで考えたいと思っております。  池上先生からのご指摘に対して、厚生省からご返事をいただいたことに関しましては 恐らく課長が言われたましたのは、ここの議論としてということだけではなくて、今後 また省内で具体的にそのことを議論しなくちゃいけないときには、また専門委員会を設 置するなり何なりして、議論の場を広げてくださることだと私は認識しておりますので よろしゅうございますね。そんなふうに考えたいと思います。この場でということでは なかったと思います。  それではいかがでございましょうか。どうぞ、山崎先生。 【山崎委員】  実は専門委員会の性格がはっきりわからないんですけれども、前回、応急入院指定の 指定病院の専門委員会に出させていただいていろいろ討論して、それで一応政省令とい う形で出てきたものが若干専門委員会で討論したこととずれているようなところがある わけですよね。そういうのというのは、専門委員会の発言というのはどれだけの重要度 を持っているのかというのが何かわからないというか、ですから今回の委員会にしても そうなんですけれども、9月いっぱいでまとめるというけれども、構造基準とか人員配 置というのがそんなに簡単に決めちゃっていいのかなというふうな感じを持つんですけ れども、結局一回政省令というのは決まると、15年とか20年とか、場合によっては30年 間ずっとしばられるわけですよね。そんなに長期間しばられる政省令を、そんな2カ月 3カ月ぐらいの専門委員会で決められる問題なのかなというふうな素朴な疑問があるん ですけれども。 【吉川委員長】  前回、山崎先生に参加していただきましたのは、医療関係の精神保健福祉法の改正に 伴う政省令の改正といいますか、政省令を定めるときの専門委員会でございました。こ れは医療法そのものをどういうふうに変えていくかというときの精神病床の中身を検討 するために行う専門委員会でございまして、ちょっと政省令の問題とは切り離していた だいてよろしいかと思うんです。  ただ、ここで議論したものが、実際に最終的な結論になっていくのかというのは、今 回の医療法の問題に関していえば、ここから、また、恐らく公衆衛生審議会にもかけな くちゃいけないでしょうし、それから公衆衛生審議会からある種の答申が出て、それか ら実際に医療法の委員会の方にまた上がっていくわけでございますので、まだ幾つも関 門があるのだろうと思います。ですから、ここで出た結論がそのまんま採用されるとい うことではないのは、そういう仕組みだというふうにお考えいただくしかないのだろう と思いますけれども、そういう説明ではいかがですか、だめですか。課長何か。 【松本課長】  御議論は最大限尊重させていただきますけれども、ただ、現実問題として政省令等で 書くときにはいろんなところとの意見調整がまた出てまいりますし、さらに上の部会の ところの委員もございますので、先生方、私が言ったのに 100%反映されないのはけし からんというお叱りあるかもしれませんけれども、事務局といたしましては、先生方の ご意見を最大限尊重させていただいて、そういう政省令自体に反映していきたいと考え ております。 【吉川委員長】 こういう専門委員会に参加していただきながら、そういうことを言っては大変申しわ けないんですけれども、ここで議論したことは、全国に知らされていくわけでございま すし、むしろこういう議論があったという事実が、今回の改正そのものにはすぐに生き なくても、そして政省令に生きないということがあったとしても、私はきちんと言うべ きことは言っておく必要があるというふうに考えて、この専門委員会をいつもお引き受 けしているわけでございますので、山崎先生もその辺のところはお考えいただいて、ぜ ひ、ご意見を率直に言っていただいて結構だと思います。 その上で、実際に現実的な調整は必要とされるのは、これはやむを得ないことだと思 いますので、だからといって、専門委員会で十分な議論ができない、あるいはしたのに それが反映できなかったということで、何かエネルギーがなくなるということがあって はいけないのではないかと考えて、ぜひ山崎先生にも率直なご意見をいただきたいと思 ってお願いした次第です。 もし、よろしければそろそろ時間が参りましたので。 【末安委員】 事務的に1点だけ。 【吉川委員長】  はい。 【末安委員】  保護室の取扱いについて、病床として算定するか否かということは、ここでは議論を しないということは理解しましたけれども、実際に設備構造、面積を検討するときに、 保護室の面積や構造は避けて通れないと思います、特に先ほど来、平均入院日数が下が っているという傾向も、保護室の利用率が非常に密接にかんけいしています。在院期間 の短い方もです。設備構造を検討するところでは保護室の面積と用途というか、構造の 問題を検討するのはよろしいんですね。そのことだけちょっと確認しておきたいんです けれども、病床として算定するかどうかではなくて、構造上の問題です。 【吉川委員長】  私がさっき西島先生のご意見に対しても、ここでまとめさせていただいた意味はそう いうところにありまして、ここで、先ほどの(3)の部分に関して真っ正面から議論する ということではなくて、実際に(1)、(2)のところを議論している中で、当然(3)のと ころに触れていかなくちゃいけない問題も出てくるだろうと思うけれど、そのときは議 論したいと申し上げたのはその意味でございます。(3)そのものを議論するわけではな いけれども、当然今のような議論は中に出てくることはあると思います。ただ、それが 答申の中にどういうふうに反映されるかということとはちょっと別にして、この中で議 論だけはきちんとしておいてよろしいかと思っています。  西島先生それでよろしいですよね。 【西島委員】  先ほど申し上げましたように、あそこに書いてある部分は、算定するのか算定しない のかの部分でございますから、これは問題だということを私申し上げているので、でも 隔離室の構造というのはもっと慎重に検討していかないと、ここで簡単に出る結論でな いと思うんですね。 【吉川委員長】  それでは、これで本日の第1回の専門委員会を終了させていただきます。お忙しいと ころ、またお暑い中をお集まりいただきましてありがとうございました。  次回以降の日程についてちょっとお諮りをしておきたいと思います。資料5のところ にございますけれども、第1回がきょうでございますが、第2回が8月上旬、第3回、 8月の下旬、そして、その後、1〜2回と考えていますけれども、いかがでございまし ょうか。私の方から日程のお話をしましょうか。                (次回以降日程調整)  それではきょうのこの議論を踏まえて資料を出していただいて、一番早くて8月4日 の午前中というのはお集まりいただけますでしょうか。どうでございましょうか。金曜 日の午前中です。特になければ8月4日(金)10時から第2回を決めさせていただきま す。  第3回は8月21日(月)は4時から6時ということで決めさせていただきたいと思い ます。それではよろしゅうございますね。その後の日程はそこまでということで、その 後、進行ぐあいを見て決めさせていただきたいと思います。できたら、それからあと1 回かせめて2回ということで終わらせたいと思います。そうすれば大体予定の中に入る と思います。  ではこれで終わりたいと思います。どうもありがとうございました。 ー了ー 照会先 厚生省大臣官房障害保健福祉部精神保健福祉課 (森 内3056)