00/06/27 先端医療技術評価部会個人情報保護の在り方専門委員会 第3回厚生科学審議会先端医療技術評価部会 疫学的手法を用いた研究等における個人情報の保護等の在り方に関する専門委員会 議事次第 1.日 時:平成12年6月27日(火) 16:30〜18:30 2.場 所:厚生省特別第1会議室 3.出席委員:高久史麿委員長        (委員:五十音順:敬称略)   寺田雅昭        (専門委員:五十音順:敬称略)          青木國雄  大島 明  櫻井秀也  高津和子  田中平三          堀部政男  丸山英二  南 砂   安冨 潔 4.議  事:(1)遺伝子解析研究に付随する倫理問題等に対応するための指針及びヒ         トゲノム研究に関する基本原則について        (2)厚生行政分野における個人情報保護の検討の状況と法制化専門委員         会中間整理に対する意見及び個人情報保護基本法制に関する大綱案         (中間報告)        (3)疫学的手法を用いた研究等における生命倫理問題及び個人情報保護         の在り方に関する調査研究班における検討状況について         (丸山委員より報告)        (4)その他 5.配布資料:1−1 遺伝子解析研究に付随する倫理問題等に対応するための指針及           び別添参考資料(一部抜粋)           (平成12年4月28日 厚生科学審議会先端医療技術評価部会)        1−2 遺伝子解析研究に付随する倫理問題等に対応するための指針の           骨子        2   厚生行政分野における個人情報保護の検討の状況と法制化専門           委員会中間整理に対する意見(平成12年6月23日 厚生省)        3   疫学的手法を用いた研究等における生命倫理問題及び個人情報           保護の在り方に関する調査研究班ガイドライン叩き台(検討素案           ・未定稿) 6.参考資料:1 ヒトゲノム研究に関する基本原則について          (平成12年6月14日 科学技術会議生命倫理委員会)        2 個人情報保護基本法制に関する大綱案(中間整理)          (平成12年6月2日 個人情報保護法制化専門委員会)        3 疫学的手法を用いた研究等における生命倫理問題及び個人情報保護          の在り方に関する調査研究班概要 ○事務局 ただいまから第3回厚生科学審議会先端医療技術評価部会疫学的手法を用い た研究等における個人情報の保護等の在り方に関する専門委員会を開催いたします。  本日、まだお見えになっておりませんが、田中先生も御出席と御連絡を受けておりま す。なお、堀部委員におかれましては、所用で若干遅れていらっしゃるという御連絡を いただいております。それから、私ども科学技術担当の審議官の堺は、公務所用で本日 の会を欠席させていただきます。  最初に、本日の配布資料につきまして、御確認をお願いいたします。 (資料の説明と確認) それでは、委員長、議事をお願いいたします。 ○高久委員長 それでは議事を始めます。 最初に、「遺伝子解析研究に付随する倫理問題等に対応するための指針」、それから 「ヒトゲノム研究に関する基本原則」について、事務局の方から説明をよろしくお願い します。 ○事務局 それでは、お手元の資料1−1、資料1−2及び参考資料1につきまして御 説明をさせていただきます。  いささか旧聞に属した感もございますが、資料1と参考資料1につきましては、政府 におきましてミレニアム・プロジェクトとして、ヒトの遺伝子解析を行うに当たり、倫 理あるいは個人情報の保護の観点から、最低限守るべき基準をきちんとしたものをつく るということで作成されたものでございます。  初めに、資料1−1の「遺伝子解析研究に付随する倫理問題等に対応するための指針 」と、参考資料1の方にございます「ヒトゲノム研究に関する基本原則」、この2つの 指針と原則の関係について御説明申し上げます。  参考資料1の基本原則、これは科学技術会議の生命倫理委員会が策定し、原案は、そ のもとに設置されておりますヒトゲノム小委員会において検討されたものでございます 。その資料の36ページと37ページに、それぞれの委員の先生方のお名前が掲げられてお ります。  この原則は、すべての遺伝子解析研究に適用され、文字通り包括的あるいは基本的な 原則を定めるということを目的として定められております。  一方、資料1−1の「遺伝子解析研究に付随する倫理問題等に対応するための指針」 でございますが、これは御案内のとおり、厚生科学審議会の先端医療技術評価部会にお きまして定められたものであり、原案は、国立がんセンターの垣添中央病院長が中心に なった研究班によって検討されております。この指針の28ページから30ページに、それ らの先生方の名簿が掲げられております。  この2つの関係でございますけれども、ミレニアム・プロジェクトのゲノム解析を政 府が進めるに当たりまして、そのプロジェクトに参加する研究機関のみに適用すること を目的としてつくられたものが「遺伝子解析研究に付随する倫理問題等に対応するため の指針」でございまして、先ほどの科学技術会議が策定いたしました原則を具体化する ものとして、いわば抽象一般論対個別具体的な原則、指針というものの対応になってお ります。  そのために、この指針におきましては、原則に比べますと、より詳細に個別事項につ きまして考え方を整理しております。したがいまして、物の例えでよく説明として言わ れておりますのは、憲法に相当するものが科学技術会議でつくられました原則、法律に 相当するものが厚生科学審議会で御検討していただきました指針という関係に立つとい うふうに御理解いただければと思います。  本日は、具体的な個別の詳細について記述しております指針を中心に御説明させてい ただきますが、基本的には指針は原則に適合するように策定されておりますので、各研 究機関におきましては、この指針に沿ってミレニアムのヒトゲノム・プロジェクトを実 施していただきますと、指針そのものも守っているということになるという関係に立ち ます。  大部にわたりますのでかいつまんで御説明させていただきますが、1ページめくって いただきまして、資料1−1の指針の目次をごらんいただきたいと思います。1から4 までに指針の内容について概略を索引的な意味も含めてつくっておりますが、この指針 は、1の基本方針、2に定義を掲げまして、3以下で個別具体的な実態的な事項を定め ております。ごらんのように、指針は、例えば3の「研究及び審査の体制」以下で見ま すと、3−1で「研究実施機関の長の責務」、3−2が「研究責任者」、3−3が「研 究遂行者等」、これは要するに研究に携わる各種の職種の方々ということですが、それ から次のページの3−4「個人識別情報管理者」、あるいは3−5「倫理審査委員会」 といった研究を行う方々、研究者に着目し、あるいは4以下にございますように、その 研究に参加していただく患者さんなど、それから、5以下にございますように、既に採 取されている、あるいは収集されている試料の取扱いという形で、研究者、試料に着目 して、それぞれの研究者の守るべき事項、あるいは試料の取扱い方針につきまして、そ のサンプルを提供していただく方の個人情報の保護、あるいは、そういった方々の自由 意思に基づく提供の同意など人権の尊重を確かなものとするために細かな規則や仕組み を定めております。  これを今日話題となっております論点ごとに整理し直したものが、お手元の資料1− 2の「『遺伝子解析研究に付随する倫理的問題等に対応するための指針』の骨子」と書 いてございます紙でございます。  個人情報の保護につきましては、1の(1)、(2)にございますように、漏洩の禁止あるい は漏洩防止のための手続といったものはもとより、1−3にございますように、個人情 報の保護を担当する者、これが先ほど目次のところでさらっとごらんいただきました個 人識別情報管理者になる訳でございますけれども、そういったものを研究機関に必ず置 くということにいたしまして、基準として、あるいは考え方としまして、個人情報を保 護するということを打ち出すとともに、それを確かなものとするための仕組みを定める こととしております。個人識別情報につきましては、指針本体では14ページの3−4に 詳しく規定しております。  また、2番目の生命倫理関係でございますが、これにつきましては、一部個人情報の 保護の問題とも重複いたしますけれども、まず第1に、インフォームド・コンセントを 実質的にするために、インフォームド・コンセントで説明する事項等につきまして、2 の(2)にございますように、研究計画におきまして説明に当たってどういうことを説明す るか、その説明すべき事項、あるいは説明の担当者、説明に当たっての留意事項、それ から個々の提供者の遺伝情報の開示あるいは非開示の方針、遺伝カウンセリングの対応 等を研究計画に明記させまして、研究実施前に倫理審査委員会の審査を受けるという仕 組みにしております。この辺は、指針の3−2−3、11ページに書いております。  また、既存の試料につきましては、2の(3)にございますように、これは既に収集され 、集められている試料というものは、集められた段階でインフォームド・コンセントの 有無、あるいはその内容につきましていろいろございますので、倫理審査委員会が提供 者の人権の保護の観点からどう考えるかということを審査していただくということを前 提にしまして、活用する道を開いているということにしております。  また、もう1つの柱となっております遺伝カウンセリングにつきましては、この指針 策定当時におきまして、関係学会が別途ガイドラインを取りまとめ中であったというこ ともございますので、この遺伝子解析研究に付随する倫理指針におきましては、最低限 のことを定めることといたしております。  具体的には、遺伝子素因の明らかな疾患の方を対象として行われる遺伝子解析研究、 そういった研究におきましては特に手厚い対応とすることとしておりまして、資料1の 指針では、7の26ページ、あるいは22ページにおきまして、インフォームド・コンセン トをいただくために患者さんに説明する内容におきまして、そういった遺伝素因の明ら かな疾患の方の場合には、遺伝カウンセリングの利用に関する情報の提供を必ず行うと いうことを義務づけるような仕組みとしております。  また、これらの考え方が整理された訳ですが、それをより確実なものとするために、 資料1−2の1枚紙の4にございますように、研究機関の長の責務や、あるいは責任を 明確化することとしております。  4の(1)の(1)にございますように、研究機関の長が研究計画を許可するということに いたしまして、研究の最終的な責任は長が負うこととしております。  また、その研究機関の長は、その指示によりまして、4の(1)の(1)あるいは(2)にござ いますけれども、研究の実施状況、特に個人情報の保護、あるいはインフォームド・コ ンセントの取得等につきましての実施状況ですが、そういった問題につきまして、外部 の有識者に対して調査を依頼して、その状況によっては、研究の一時中止あるいは改善 を命ずることとしております。また、各種の重要事項は、倫理審査委員会の審査事項と しておりますので、倫理審査委員会の組織と権限を強化することとしております。  具体的には4の(2)にございますが、特に(3)にありますように、外部委員を充実する ことといたしまして、また権限につきましては、(4)にありますように、透明性を高める こと、それとこれは研究実施機関の長の責任等も関係いたしますけれども、4の(1)の (1)にございますように、倫理審査委員会の意見を研究機関の長は尊重する訳であります が、さらにもう一歩進みまして、その倫理審査委員会の意見に反して試料等提供者の不 利益となるような決定はしてはならないということにしております。  この辺は具体的には、指針の15ページの3−5に主として書いてございます。  以上の骨子をもう少し図式化したものが、その裏にございます「指針策定の基本フレ ーム」でございますが、先ほど申しましたように、最近話題になっております個人情報 の保護、それから生命倫理、遺伝カウンセリング、この3つの柱につきまして考え方の 整理あるいは明確化をした上で、具体的な個別の事項につきましては、倫理審査委員会 に審査を委ねることにしまして妥当性を図るということにしておりますが、その関係か ら、先ほど申し上げましたように、倫理審査委員会の構成、機能を充実させることにし ております。これによりまして、この研究に参加していただく方の人権の尊重と適正な 研究の推進を確保するということを目指して進めております。  なお、この指針そのものは、ミレニアム・プロジェクトに参加しますすべての政府機 関がこれに沿った形で研究を進めることにしておりますが、原則はできたものの、逆に 言いますと、一般的な遺伝子解析研究、ミレニアム・プロジェクト以外の遺伝子解析研 究に適用すべき指針、個別具体的な考え方の整理あるいはあるべきルールの策定という ものが、まだ現段階では政府の中にございませんので、これにつきましては、現在、厚 生省を含め関係省庁で、どのような指針をどういう体制でつくるか協議中でございまし て、近々その指針の作成作業に着手したいと考えております。  以上でございます。 ○高久委員長 どうもありがとうございました。  今説明がありました遺伝子解析研究に付随する倫理問題等については、既に4月の28 日に先端医療技術評価部会を通っていますし、それから、参考資料の1の「ヒトゲノム 研究に関する基本原則について」は、本年6月の14日に科学技術庁の生命倫理委員会を 一応通ったという形になっています。既に御存じの方も多いと思いますが、もし御質問 があれば、一、二お受けいたします。  これは非常に大部ですので、次の「厚生行政分野における個人情報保護の検討の状況 と法制化専門委員会中間整理に対する意見」と「個人情報保護基本法制に関する大綱案 」、これは中間報告でありますが、そのことについて事務局の方からご説明をお願いし ます。もし前のことにつきまして御質問がありましたら、この説明の後にまた御意見を お伺いしたいと思います。資料−2と参考資料−2を事務局の方で説明してください。 ○大臣官房政策課情報化・地域政策推進室 大崎室長 私の方からは、先ほど委員長の 方からありました「個人情報保護基本法制に関する大綱案」と、それに関しましての厚 生省の考え方について御説明させていただきたいと思います。  資料は、資料−2と、後ろについております参考資料−2でございます。  まず、参考資料−2に基づきまして、今回6月2日に出されました「個人情報保護基 本法制に関する大綱案」についてご説明させていただきます。  この大綱案は、堀部委員、安富委員が入っておられます個人情報保護検討部会報告、 これが昨年の11月に出された訳でございます。これが「我が国における個人情報保護シ ステムの在り方について」という報告で出されまして、それが昨年の12月に、高度情報 通信社会本部、これは総理を本部長とする会議でございますけれども、そこで「我が国 における個人情報保護システムの確立について」という形で取りまとめられたものでご ざいます。  本年の2月に「個人情報保護法制化専門家委員会」というのができまして、委員長は 、前の最高裁の判事でいらっしゃいまして、現在、立命館大学大学院の客員教授でいら っしゃいます園部逸夫先生でございますけれども、その個人情報保護法制化専門委員会 で、本年の2月から延べ17回ほど会議を開きまして、そこでまとめられたものを中間整 理という形で公表されたものでございます。  堀部政男先生におかれましては、個人情報保護検討部会座長という立場から、この法 制化専門委員会には常時出席されております。  この中間整理につきましては、6月2日に公表された後、現在、広く一般の方々の御 意見を求めているところでございまして、これとあわせまして7月下旬まで、関係省庁 、関係団体からヒアリングを予定しているということでございます。今後、9月頃には 最終報告を取りまとめるという予定になっております。  関係省庁・団体からのヒアリングにつきまして、6月23日、先週の金曜日ですけれど も、厚生省としての考え方を述べさせていただいたところでございます。今後7月14日 に医師会のヒアリングが予定されておりまして、7月21日に日本疫学会と地域がん登録 全国協議会、田中先生と大島先生のヒアリングがされるという予定になっております。  そこで、中身でございますけれども、まず目的でございます。目的につきましては、 高度情報通信社会の推進のもとで、個人情報の流通、蓄積及び利用の著しい増大に鑑み 、個人の情報の取扱いに関し基本となる事項を定めることにより、その適正な利用に配 慮しつつ、個人の権利利益を保護することを目的とするものとすることというふうにな っておりまして、近年、情報通信技術が非常に発展してきておりまして、その中で大量 の個人情報が流通、蓄積されているというような状況のもとで、こういったような法制 でもって個人情報を保護していこうという考え方でございます。  2番目に定義となっておりまして、定義には、この中間整理の段階では、「個人情報 」と「個人情報の処理」「事業者」と、3つについて定義が掲げられております。  「個人情報」につきましては、個人に関する情報であって、当該個人の識別が可能な 情報を「個人情報」というというふうに定義しております。  この1ページの下の方に注が書いてありますけれども、注の2で書いてありますとお り、「個人情報」には、汎用データベース(分散処理型のものを含む。)に記載された ものを含み、また、マニュアル処理のうち検索可能な状態で保有されているものを含む というふうになっておりまして、単に電子データだけではなくて、紙で書いたもの等の うち、検索可能なもの等についても個人情報に含まれるというふうになっておりまして 、これは従来の法律よりもEUの考え方を踏まえて、少し全体として個人情報の範囲が 広がっているということでございます。  このほかに「個人情報の処理」と「事業者」について定義が書いてありまして、「事 業者」については、事業を営むものであって、国、地方団体や、これに準ずる独立行政 法人等を除いたものを「事業者」というというような定義となっております。  1枚開いていただきまして「基本原則」でございますけれども、この3の基本原則と いうのは、個人情報の保護のため、個人情報の取扱いに当たって、官民を通じて実行さ れるべき目標ないし行動原理を示したものというふうにいわれておりまして、OECD の原則等も踏まえた形での原則を全部で5つ示してございます。  中身でございますけれども、1つは、利用目的による制限ということで、利用目的を 明確にするということと、その明確にされた利用目的の範囲内で情報を取扱うという原 則でございます。  2つ目は「内容の正確性の確保」ということで、個人情報については正確な内容を保 たれなければならないということで、OECDでいうところのデータ内容の原則という のに該当する訳でございます。  3つ目は「適正な方法による取得」ということで、個人情報については、法令に違反 しないよう、かつ適正な方法で取得されることという収集の原則をうたっております。  4つ目は「安全保護措置の実施」ということで、現在、個人情報の漏洩が大きな問題 となっている訳でございます。そういう意味で、安全保護措置の実施は非常に重要なも のでございますけれども、これにつきまして、個人情報は適切な安全保護措置を講じた 上で取扱われることというふうになっております。  それから5番目に「透明性の確保」というのが挙げられております。これは、OEC Dの原則でいうところの公開の原則、個人参加の原則等を踏まえたものでございますけ れども、個人情報は、その取扱いに関し、個人が自己の取扱い情報を把握しうる可能性 及び必要な関与をしうる可能性が確保されることということで、新たに透明性の確保と いうことをうたっているものでございます。  こうした5つの大きな基本原則を掲げまして、この基本原則を実行するために、以下 で政府、事業者、地方公共団体、それぞれが取り組むべき内容について事項を定めてい る訳でございます。  まず、政府の措置でございますけれども、4番としまして「政府の措置及び施策」と なっております。1番が「既存法令の見直し等」というふうになっておりまして、政府 の保有する個人情報に関しては、別に法律で定めるところによるものとすることという ふうになっております。これは、従来63年の施行されました「行政機関の保有する電子 計算機処理に係る個人情報の保護に関する法律」というのがありまして、この63年法で は、政府部門についてだけ記述している訳でございますけれども、この法律を改正して 対応するという考え方でございます。  それからまた、政府は基本原則に沿って具体的かつ適正な個人情報保護措置が講じら れるよう、個人情報に関する既存の法令を見直す等必要な措置を講ずるものとすること ということとなっておりまして、ほかのいろんな法律につきましても、今回こういう基 本法ができたことを受けて、個人情報に関する法令の部分をもう一度見直すということ をうたっております。  3番目に「特定の個人情報又は特定の利用方法であるため、特に厳重な保護を要する 等、別途の措置が必要なものについては、特別の法制上の措置その他の施策等の措置を 講じるものとすること」ということで、いわゆる医療分野等のセンシティブ情報につい ては、特別な法制上の措置を講ずるとうたっている訳でございます。  それから(2)で「独立行政法人に対する措置」ということで、独立行政法人等につき ましては、基本的には国に準じた扱いをするというような整理となっております。  それから4ページでは、(3)、(4)、(5)と、事業者等による個人情報の保護に関す る政府の関与の仕方についてうたっております。  1つは「個人情報の保護の推進に関する方針の策定」ということで、政府は個人情報 保護の推進のための方針を策定するというようなことを書いてあります。方針の具体的 内容につきましては、4ページの下に注とありますけれども、具体的な内容、政府によ る支援措置等とか、政府による個人情報の保護に関する指針の策定といったものが考え られるということでございます。こういったようなスキームをつくることで、各省庁が つくるガイドラインにつきまして、基本法制によって間接的な根拠を与えるということ で、政府の個人情報保護の実をあげることを目的として、こういったような方針を策定 するという文言が入ったということでございます。  (4)で「支援、周知等の施策の実施」ということを挙げられておりますけれども、(5 )については苦情処理の実施ということで、「政府は、事業者による個人情報の処理等 に関する個人からの苦情等を受け付け、適切に処理するものとすること」ということを うたっております。苦情処理について、この段階では政府ということで書いてあります けれども、政府内部でどのような役割分担を今後していくのかという点については、今 後詰めていくこととなっております。  それから5番目としまして、事業者の守るべき事項としましていくつか挙げられてお ります。これは現在我が国においては、ごく一部を除きましては、民間部門の個人情報 保護のための法律は存在しないということで、今回この法律ができるということで非常 に重要な部分でございます。「事業者は、基本原則に沿って、自主的に必要な措置を講 ずるものとすること。その場合においては、以下の事項が含まれるようにすること」と いうふうになっておりまして、この場合「自主的に必要な」というのは、やってもやら なくてもいいということではなくて、必ずやるということで、それを自主的にやってく ださいということであります。具体的には、11項目挙がっております。  1つは「利用目的による制限」でございまして、情報の利用目的を具体的に明確にし 、その目的に関連し、必要な範囲で事業者は情報の処理等を行うというような利用目的 の制限を挙げております。  それから、第三者への提供に当たっては、「個人の権利利益を侵害するおそれの無い ことが明らかな場合等を除き、本人の同意を得て行うこと」ということを挙げておりま す。  次の6ページ目ですけれども、3つ目の柱として「内容の正確性の確保」ということ で、個人情報の内容について正確な事実が反映されるよう必要な措置を講ずることとい うふうになっております。  4番目が「適正な方法による取得」ということで、第三者から取得することが必要か つ合理的と認められる場合を除いては、原則として本人から取得するなど適正な方法で 行うことということをうたっておりまして、この辺が医療分野にあわせた場合にどうい うふうな問題が出てくるか、今後詰めていかなくてはいけない点と考えております。  それから5番目の「安全保護措置の実施」ということで、事業者につきましては、「 個人情報安全管理者」を配置する等、適切な安全保護措置を講ずることというふうにな っておりまして、特に医療分野について、医療情報については、安全保護措置をどうや ってかけていくのかというのが非常に重要な課題だというふうに考えております。  6番目の柱が「第三者への委託」で、事業者は、個人情報の処理等を第三者に委託す る場合には、必要な監督等をことにより十分な保護措置を図るということをうたってお ります。  それから7番目に「個人情報の処理等に関する事項の公表」ということで、事業者は 、その保有する個人情報に関し、個人情報の処理等に関する事項について、閲覧可能な 方法により公表し、適切に更新することというような条項を入れております。  それから次の8番目でございますけれども、「開示、訂正等」がございます。これは 「事業者は、その保有する個人情報に関し、本人から開示を求められたときは、一定の 場合に、その個人情報を開示すること」ということ。  そのほか9番目として「苦情等の処理」で、窓口を明確化し、その適切かつ迅速な処 理を行うこと。  10番目として「他の事業者との協力」、11番目として「国及び地方公共団体の施策へ の協力」、以上11の柱を示してございます。  それで、この11の柱でございますけれども、基本的な考え方としましては、この11の 各規定についてそれぞれ段階ごとに詳細な規則を置いて規制していくというようなこと ではなくて、まず1番目の利用目的によって制限ないし利用目的による拘束という考え 方のもとで、自己規律による対応というのを主眼に置いてやっていこうという考え方に なっておりまして、その中で個人情報の取扱いに関する透明性の確保、先ほど申しまし た開示、訂正とか、苦情処理、それから個人情報の処理等に関する事項の公表とか、そ ういったようなところで、個人情報の透明性の確保を重視して、その中で全体として保 護の実効性を挙げていこうということで、事前的な規制よりも事後的に対応していこう というような考え方が示されております。  以上が「事業者が遵守すべき事項」でございますけれども、6番目が「地方公共団体 の措置」というふうになっておりまして、地方公共団体につきましては、本基本法制の 趣旨に沿って、自ら必要な条例を地方自治体が制定していくということを基本的な考え 方で書いてございます。  そのほか「国民の役割」としまして、「国民は、他人の個人情報の保護及び自己に関 する個人情報の適切な管理に努めるものとすること」ということがうたってあります。  その他、今後なお検討する事項としまして、適用対象範囲をどうするかといったよう な問題、それから10ページでございますけれども、事業者による開示、訂正の法律上の 位置づけについて、民事上の請求権がどこまで認められるかどうかについて詰める必要 があるのではないかということ。  それから、3番目が刑事法制の在り方について整理して、その中で罰則の可否等につ いて整理をするというようなことをうたっております。  4番目が、苦情・紛争処理機関の設置について今後検討していくということでござい ます。  それから5番目が、条例に関する規定について、地方公共団体の自律性を尊重しつつ 、本基本法制との整合性を図る観点から検討するというふうになっております。  以上が中間整理でございますけれども、まだ十分詰まっていない部分もありますので 、この点について今後さらに専門委員会の中で詰めがなされて、9月頃に最終報告が取 りまとめられるということでございます。  次に、資料2でございますけれども、この中間報告に対しましての私ども厚生省とし ての考え方について御説明させていただきたいと思います。  資料2の「厚生分野における個人情報保護の検討の状況と法制化専門委員会中間整理 に対する意見」というものについて御説明させていただきます。  1枚開いていただきまして1ページ目でございますけれども、「厚生省における検討 の状況」でございます。現在、厚生省の検討の状況をまとめたものでございますけれど も、まず1番としまして、厚生省におきましては、昨年の12月に決定されました「我が 国における個人情報保護システムの確立」について、高度情報通信社会推進本部におい て、医療情報については特に個人情報が大量に収集され、利用され、当該個人情報の内 容についても機密性が高く、かつ、漏洩の場合の被害が大きい分野として医療情報が挙 げられているということを厳粛に受けとめまして、医療情報分野を中心に、個人情報の 保護の在り方について利活用の必要性もあわせて検討を行っているというところでござ います。  現在の作業としましては、特に民間部門を中心に11項目ほど、先ほど申し上げました 事業者が遵守すべき事項というのが整理されている訳でございますけれども、その11項 目に沿って、今後より厳格な保護措置を講ずる必要があるのかどうか。また逆に、示さ れたような規律どおりではいろんな運営に支障が生ずるといったようなものについて洗 い出しを行っているところでございます。その洗い出しを全部行った段階で、最終的に 法制化等についての検討が必要になってくるというふうに考えております。  9月に個人情報保護法制化委員会の大綱が最終的に取りまとめられるというふうに聞 いておりますので、厚生省としましても、その検討にあわせて厚生省所管分野における 個人情報保護の必要な措置について取りまとめを行っていきたいということで、現在作 業を進めているところでございます。特に福祉、介護分野とか保険とか、いろいろな分 野もほかにありますので、そういうのも合わせまして、省全体として同様の検討を行っ ているというところでございます。  それで、特に医療分野の検討のポイントでございますけれども、5番として「検討の ポイント」と書いてありますが、私どもとしては、医療情報といってもいろんな形で世 の中に流れている訳で、それを整理する観点から3つの柱で整理しているところでござ います。  1つは「医療情報が発生する医療機関、健康診査等における情報保護措置」というこ とで、まず医療情報が発生するところについて医療情報の保護をどうするかということ を検討していく必要があるのではないかということで、今、中で検討しているところで ございます。  御案内のとおり、現在、医師等の医療関係者においては、資格法等の中で守秘義務が 定められていて、刑法等で保護措置がとられているということがあります。  ただし、次の2ページにございますとおり「守秘義務に及ばない医療機関の事務職員 や検査等の外部委託機関における情報保護措置」、この辺をどうするのかというのが1 つ大きな課題と考えておりまして、また看護婦等の問題もございますので、その辺につ いて医療情報が発生する部分の情報の保護をどうやっていくのかということを現在検討 しているところでございます。  それから2つ目は、発生した医療情報が医療機関から外へ出た場合、第三者への利活 用のために提供される場合にどういったルールが必要なのかというのを整理していると ころでございます。これにつきましては、診療報酬の請求とか、要介護認定におけるか かりつけ医の意見書、感染症発生時の行政機関への報告、児童虐待発生時の通告、こう いったようなものについては既に法律で位置づけられているということがございますの で、これら以外の部分についてどういうふうに今後考えていくのかということが重要に なるかと考えます。  2ページの下の方に書いてございますけれども、医師間のコンサルテーションの実施 とか、福祉関係機関への情報提供、適切な保健・医療・福祉サービスの提供の観点、あ るいは疫学研究など医学全体の発展を通じた公益の実現の観点から、その情報の流れを 確保することと、そのためのルールを検討していくというようなことでございます。  基本的には、医療機関から情報が出なくなっては困る訳でございますので、その場合 に、一定のルールをつくることによって情報の流れを確保していくことが重要というふ うに考えております。  それから3つ目は「医療情報を提供された側の情報保護措置」ということで、その辺 について検討することが重要と考えておりまして、この審議会の先端医療技術評価部会 において、現在、個人情報の取扱いのルールを検討しているというふうな整理をしてご ざいます。このほか、診療報酬明細書の取扱者の情報保護措置等についても別途検討し ているところでございます。  こういった3つの柱でもって、全体として医療情報の保護をどうやって図っていくの かというのを、私どもとしては今後検討していきたいというふうに考えている次第でご ざいます。  次に4ページでございますけれども、「中間整理に対する意見」でございます。私ど も中間整理についての意見としまして、大きく5つほど掲げております。  まず、全般的な事項でございますけれども、各規律の適用対象範囲の考え方でござい ます。全体の基本法については、医療情報分野だけではなくて、信用情報とか、電気通 信分野とか、そういうのを想定して検討されている関係で、医療の分野について検討が まだ十分されていないということもありますので、その辺につきまして、医療情報につ いては、検討に当たっては、厚生省としても必要な対応について検討しているところで ありますけれども、基本法制の検討に当たって、医療情報分野も十分念頭に置いてその 考え方を整理していただきたいというふうに要望しているところでございます。  医療情報の場合には、特に死者の問題とか、精神障害者の問題とか、児童の問題とか 、そういったような問題がいろいろ出てきますので、その辺も十分念頭に置いて御議論 していただきたいというのが1点で、医療分野については、個別法で対応するから全く 別で、勝手に検討しろということではなくて、全体の枠組みの中で整理していただきた いということでございます。括弧に書いてありますとおり、医療情報分野につきまして は、私どもとしましては、安全保護措置というのは、ほかの分野と比べてより厳密に行 う必要があるのではないかというふうに考えておりますけれども、一方で、情報の取得 とか第三者への提供に係る規律については例外的な扱いをとる必要もあるのではないか というふうに考えているところでございます。  2番目に、個人情報の漏洩等に対する罰則でございますけれども、基本法では罰則を 設けるというのはなかなか難しいのは承知しておりますけれども、個人情報保護の漏洩 一般に罰則を設けることは難しいとしても、個人情報の種類や規律の性格等に応じて、 罰則による担保の必要性について全体を整理していただきたいというのが私どもの要望 でございます。罰則についてはいろいろ見て議論する必要があるということで、医療分 野だけ特に独自の検討をして出すのは難しいので、基本法制の検討の中で、罰則の考え 方について整理していただきたいということでございます。  3番目に、個人情報の定義でございますけれども、先ほど申しましたとおり、個人情 報について死者をどう扱うかとか、個人の識別のメルクマールは何かという点について 十分御議論していただきたいということでございます。例えば医療情報の場合ですと、 よく目隠しをして顔の写真を使っていますけれども、そういったような場合に、それは 個人情報というふうにみなすことができるのかどうかといった問題も出てきますので、 その辺について少し整理していただきたいということでございます。  それから、4番目に「公民の取扱の調整について」ということでございます。現行の 制度では、国だけが法律の規制が行われているということで、民間との間での情報のや りとりが非常にやりづらいということが現場の皆様から聞かれる訳でございますけれど も、今回新たな法律をつくる場合に、病院は、国立病院だろうが民間の病院であろうが 、患者と医師との関係で言えば同じ関係ですので、国立病院はこちらの規則、民間の病 院はこちらの規則ということで、それぞれ別々の規則を定められると両者の連携が非常 に難しくなるということがありますので、その辺、病院の特性を踏まえまして、公民の 取扱いの調整を十分考えていただきたいということでございます。  それから5番目に、苦情の処理でございますけれども、これも中間整理では、政府は ということで、苦情処理について政府が適切に処理するというふうになっておりますけ れども、現在私どもの省庁ほか、ほかの省庁でも同じでございますけれども、一般的に 行政相談というようなことで苦情処理を受け付けている訳でございますけれども、その 程度であれば特に問題ない訳でございますけれども、個人情報保護の場合には、個別の 紛争の解決ということが非常に求められてくる訳でございますから、その辺を実効性あ る措置を考えるとすると、政府、個々の省庁にそれをやらせるのでは十分ではないので はないかということで、第三者機関とか、事業者による自主的な組織等を考えていただ いて、そこで個々の紛争の解決というのを検討していただく必要があるのではないかと いうことでございます。私どもとしては、大きく5つの点について御要望をさせていた だいたところでございます。  個々の内容につきましては、次の6ページ以下になる訳でございますけれども、省内 で各部局から11項目について適用する場合の問題点等について、ヒアリングをして、そ の結果をまとめたものでございますけれども、例えば利用目的による制限におきまして は、地域がん登録などの地方公共団体で行われている疾病登録事業とか、医薬品の副作 用報告、それから診療録等の診療情報の疫学研究、医師間のコンサルテーション等への 活用とか、児童虐待の調査のための情報収集、こういったようなものについて、利用目 的の規定をそのまま適用した場合に、いろいろ問題が起こって、児童の人権擁護面でも 支障を来すおそれがあるのではないかというようなことを説明させていただいたところ でございます。  「第三者への提供」につきましても同様でございまして、個人の権利利益を侵害する おそれがないことが明らかな場合に加えて、公益上の必要性が高い場合等においては、 本人の同意を得る必要はないのではないかというようなことを説明させていただいたと ころでございます。  それから「適正な方法による取得」につきましても、「第三者から取得することが必 要かつ合理的と認められる場合」には、この規律の例外とすることが必要ではないかと いうことで、精神疾患や小児救急医療の場合とか、疫学研究、がん登録、こういったよ うなものについては、第三者から取得することが必要かつ合理的に認められる場合に該 当するのではないかということで説明させていただいたところでございます。  「第三者への委託」につきましては、基本的に委託元の監督義務を求めるということ になっておりますけれども、それも重要でございますけれども、十分な保護措置をとる 観点からは、委託先の安全措置も別途していただきたいということでございます。これ は、委託先も事業者としての一定の枠はかかる訳でございますけれども、やはり第三者 への委託のやりとりを考えた場合には、委託先についても安全措置についてペナルティ 等についての検討が必要ではないかということでございます。  それから7番目に「個人情報の処理等に関する事項の公表」で、基本的にはこれは重 要なことだと考えておりますけれども、8ページにございますとおり、児童虐待等のケ ースにおきましては、情報の入手先等を公表することができない場合もありますので、 その辺については例外的な措置を考えていただきたいということでございます。  それから「開示、訂正等」については、個人からの開示請求があっても不開示とする ことが適当なものがあるということで、この場合、中間整理で一定の場合とされている 開示、不開示の考え方について、特に医療に関しては、専門的な判断や、医師と患者と の信頼関係の確保が必要であることに留意して御検討いただきたいということで、医療 機関における診療行為等について挙げさせていただいたところでございます。  以上、厚生行政分野における個人情報保護について、私どもの御意見を法制化専門委 員会で述べさせていただいたところでございます。 ○高久委員長 詳しく説明していただいてどうもありがとうございました。  時間の関係もありますけれども、何か御質問、御意見おありでしょうか。  今後の議論の上でかなり重要なことだと思いますので、後でまたゆっくり読んでいた だいて、ぜひ参考にしていただきたいと思います。よろしくお願いします。よろしいで しょうか。寺田先生、どうぞ。 ○寺田委員 今の資料−2で御説明いただいたところで、細かいことですが、6ページ の中頃に(1)の下から2番目の項目に、「疫学研究」と書いてございますが、これはど の範囲でしょうか。「疫学的研究」といいますのは、統計学なんかを扱うものまでを含 めてこうしてほしいということをおっしゃっているのか、単に疫学研究という非常に狭 い意味での疫学研究に限定されてこういうことを言っておられるのか、どちらでしょう か。エビデミオロジーかエビデミオロジカルかということです。 ○大崎室長 資料−2の10ページをごらんいただきたいんですけれども、私どもも十分 整理できていないんですけれども、イメージとしましては、ここで網掛け部分が指針を 適用する対象となっておりまして、臨床的研究等を想定して書かせていただいていると ころでございます。 ○事務局 補足させていただきます。  基本的には、この専門委員会で御検討をお願いしております参考2の疫学的手法の分 野全体を念頭に置いておりますが、ただ、ここをまたいろいろ細かく説明すると、相手 方は情報の専門家の先生ではいらっしゃいますけれども、医療分野については余り十分 な情報をお持ちでない方々に対して説明するための文章上の表現としてそのような表記 をさせていただいているということです。 ○寺田委員 言葉の統一性がないと思います。例えば参考資料の2にしましても、「疫 学的手法」と書いてあります。片方で「疫学研究」という言葉もあります。やっぱりど ちらかに統一されて議論された方がいいだろうという意味で申し上げました。今の「参 考2」の10ページの「イメージ」というところ、説明はされなかったところですが、 ここに「医学を含む生命科学研究」とあります。これも細かいようですが、医学を含む 生命科学研究というのは、イメージがちょっとわかないので、これはやはり「医学を含 む健康科学研究」あるいは「医学臨床」というふうに変えられた方がいいと思います。 ○事務局 すみません。以後、資料の整理に気をつけます。 ○高久委員長 疫学の御専門の方々がいらっしゃいますが、「疫学的研究」と「疫学研 究」、どちらがよろしいのでしょうか。 ○青木委員 「疫学研究」と申しますと、普通には特定の集団に対しての研究を意味し まして、疫学研究の中には非常に少数の、例えば10例ぐらいの臨床例を取り扱う場合に は、疫学と言うにしては臨床に近いけれども、しかし臨床研究と言うにしては、疫学的 な手法で解析しなければならんというときに「疫学的」というのを使っておりましたが 、現在は厳密な区別はないと私は考えております。ある人は「疫学研究」、ある人は「 疫学的研究」と言っております。 ○高久委員長 この事は後で検討をしていただきたいと思います。というのは、「的」 というのと「疫学」だけにするのとで、解釈によって範囲が違うと困るし、この委員会 の中で今後はっきり決めた方が良いと思います。  それでは、次に進めさせていただきまして、現在、丸山委員が厚生科学研究費でこの 専門委員会の議論を整理するための作業をされています。丸山委員から、これまでの検 討状況についてよろしくお願いいたします。 ○丸山委員 では、少しお時間をいただきまして説明させていただきたいと思います。  使います資料は、資料−3と参考資料−3でございます。  まず、参考資料−3でございます。これで我々の研究グループの課題、これまでの活 動状況などを紹介させていただきたいと思います。  研究班の位置づけとしまして、厚生科学研究費補助金をもらいまして、厚生科学特別 研究事業として私が主任研究者としてやっております。  検討課題として、まず、被験者あるいは情報提供者、サンプル提供者への説明と同意 、インフォームド・コンセントなど、生命倫理の観点からの研究実施の条件を検討しま す。2つ目に、個人情報の保護と適切な利用の在り方について。3つ目は、倫理審査委 員会の在り方。4つ目は、1から3を研究等の実施のためのガイドライン作成というも のを中心にとらえております。  これに尽きるかというと、どうも尽きないようで、研究班の議論もそれ以外のものに 踏み込んでおりますし、あるいはがん登録の事業等の在り方についても、このガイドラ インで処理し切れないものについては、後に別途検討すべきものがあるか。必要に応じ てそういうものも検討していかなければならないかと思います。  実施体制としましては、本研究の実施に当たって、法律、生命倫理、疫学の専門家か ら構成される研究班として、裏面の2ページの方に掲げました10名ほどの先生方にお願 いして研究班をつくり、また1枚目に戻していただきますと、結構頻繁に会合を開いて 、ガイドライン策定等を行っております。  これまでどういうことをやってきたかといいますと、まず、第2回の専門委員会の開 かれた後、第1回研究班会議を行いまして、その後10日に1回、あるいは週に1回、班 会議を行い、あわせてその間にワーキンググループで班会議に出す案をつくるというこ とをやっております。  その間に、この専門委員会の委員でもいらっしゃいます大島先生にお願いしまして、 地域がん登録の様子を見学あるいは意見をお伺いしたいということで、5月の24日に大 阪府立成人病センターにお邪魔し、ちょっと欲張りだったんですが、ついでに、その足 で兵庫県の成人病センターの石田先生のところにお邪魔して、実情それから御意見を伺 いました。  それからそういう活動は続いてまだやっておりまして、6月14日には、厚生省の補助 金のもとになされております多目的コホート研究について、国立がんセンターの祖父江 先生から状況あるいは御意見を伺い、その場で、数日後に班会議をしますよということ を知らされて、じゃというので、柏の国立がんセンター東病院の研究所で行われた多目 的コホートの班会議にもお邪魔して、様子を把握しようというふうにしております。  研究班会議では、後で御説明いたしますガイドラインの叩き台を策定すべく議論を重 ねておりますが、実態調査につきましても、今後7月3日に横手で、これは多目的コホ ートの主任研究者であられます、がんセンターの津金先生から紹介されまして、住民健 診の場での疫学研究について実情をごらんになりませんかということですので、朝の6 時から8時になさるということで大変なことのようなんですが、住民健診に伴うこうい う疫学研究をなさるときは早朝というのが珍しくないようで、行って勉強させていただ きたいというふうに思っております。  こういう活動をやって、さあ、どういうものができたかということなんですが、まだ まだそんなにまとまっておりません。資料3の方のガイドライン叩き台というものをご らんいただきたいと思います。今日ここにお出しいたしました趣旨は、我々の考えがこ れだけまとまっているというよりも、むしろ、我々の方で考えましたところ、あるいは 掲げましたポイントについて、専門委員の先生方の御意見を伺えればということで出し ております。  基本的にそういうものですので、標題の4行目にありますように「ガイドライン叩き 台(検討素案・未定稿)」ということになっております。特にまだ意見が固まっていな い分野につきましては、★印がつけてありまして、まだ未確定、検討中であるというふ うにしておりますので、これが最終案でないというところを御理解いただければと思い ます。  それと、もう1つ印がついている◆の方は、説明というふうな性格でつけております 。基本的に全体がまだ未定稿であると。特に★印をしているところは、班内でも意見が まだ確定していないところであるというふうに御理解いただければと存じます。  最初のローマ数字のIから進んでいきまして、基本理念でありますけれども、「疫学 的手法を用いた研究等を行うに際して、対象となる人の人権を尊重し、国民の公衆衛生 向上に資する研究の適正な実施を確保すること」ということを基本理念として挙げたい と思っております。  この「人権」の中には、個人の自己決定権及び個人情報の保護等を含み、「公衆衛生 向上に資する研究」については、先ほども疫学的研究あるいは疫学的手法を用いた研究 というので、どこまでを対象にするか問題を取り上げられましたけれども、ここでは、 広く医学研究を意味するものとしています。ただ1つのケースを取り上げる症例研究に ついては、それをカバーすべきかどうか、多少意見は分かれておるんですが、少なくと も2例以上のサンプルを対象とするものは含めて考えていいのではないか。それから1 つのものについても、ヒストリカルコントロールなんかを考えますと、あるいは入れる べきかという意見もありまして、最終的にまとめる際には、定義あるいは前文で何を対 象にするか明らかにしないといけませんので、それまでに意見を取りまとめようと思う んですが、なかなか難しいことになるのではないかというふうに思っております。  それから次に「定義」ですが、幾つかの事柄について既に定義をまとめております。 まとめているというか、後の具体的なガイドラインをつくるに際してまとめざるを得な かったというところがございます。  まず「人体由来試料」ですが、「人の生体又は死体に由来する試料をいう」というこ とです。これは「試みの料」と書きまして、人からとるサンプルを指して「試料」。そ れから、もう1つの「資料」の方につきましては、「人体由来試料又は」、あるいはそ の後に「その他の」と入れ方がわかりやすいかもしれませんが、それ以外の人の健康に 関する情報もあわせていうと。通常の「資料」という言葉を使うときは、人体由来試料 と人の健康に関する資料すべてといいますか、大きく含むというふうに言葉を使い分け ております。  それから「個人情報」につきましては、「個人に関する情報で、当該個人の識別が可 能な情報をいう」というところで、先ほど紹介していただきました中間整理の定義をな ぞっております。  その前に、事務局から紹介されましたミレニアム・ガイドラインでは「個人識別情報 」という書き方をしている訳ですけれども、ここでは、個人識別情報は別の意味で使っ ておりますので、「個人情報」という中間整理の用語の使い方をそのまま使うというこ とにしております。  「個人情報」につきましては、個人がidentifiedされる情報だけでなくて、identifia bleな情報も含むと。具体的に言いますと、anonymous であっても連結可能であれば、 個人情報に含めるととらえております。  それから次に「個人識別情報」につきましては「その人を特定する情報をいう」と。i dentifierの意味で使っております。通常は、氏名、生年月日、住所、カルテ番号等を いうというふうに言っております。  それから「個人同定の」というのが「個人識別情報が付されている状態」にあるもの 、それから「匿名の」というのが「個人識別情報が付されていない状態」ということで あります。少し説明なんですが、氏名、生年月日、住所、カルテ番号等、通常、個人識 別情報となるものが付されていない情報でありましても、対象者の識別が可能な場合が あり得る。例えば罹患者数が極めて少ない疾患で、罹患の事実だけで個人が特定される ような場合があります。そういう場合には、情報は匿名でなく、個人同定のもの、ある いは連結可能なものというふうになりますので、念のためということで説明を入れてい ます。  それから「連結可能な」は「遡って本人を同定することが可能な状態」。「連結不可 能」というのは「遡って本人を同定することが全く不可能な状態」。「全く不可能」と いう物理的に誰にとっても不可能な状態を言おうということが、この「全く」という趣 旨でございます。  それから「既存資料」につきましては、ミレニアム・ガイドラインなり、科学技術会 議の基本原則と異なりまして、研究計画の立案時に既に存在している資料で、人体由来 試料と人体由来試料以外の資料、両方を含むんだというふうにしております。たしかミ レニアム・ガイドラインなり、科学技術会議の基本原則は、そのガイドラインなり基本 原則が制定される以前のものというような意味で既存資料の言葉を使っております。と りあえず我々のガイドラインでは、玉腰班の指針に従いまして、研究計画の立案時に既 に存在している資料というふうに考えてガイドラインをつくっております。今後ミレニ アムとか、あるいは科学技術会議と同じように、このガイドラインが策定される以前の ものと、以後のもので扱いを異にする必要が多分あるかと思いますので、その面でも別 の扱いをする要否について議論していきたいと思っております。  次が「最小限の危険」でありますが、「日常生活や日常的な医学的検査が被る身体的 、心理的、社会的危害の可能性を超えない程度の危険をいう」。日常生活上、負担して おる程度の危険ですね。正確に言えば、「リスク」という言葉を使うべきだという意見 もあるんですが、なるべく片仮名を少なくしたいということもありまして、ここでは「 危険」というふうにいっております。ミレニアム・ガイドラインでもリスクの趣旨で「 危険」という言葉が使われていたかと思います。ただし、社会的に許容されないような 危険は、いかに小さいものであっても最小限の危険とはいわないというふうに考えてお ります。  以上が定義でありまして、その後インフォームド・コンセントの要件であります。イ ンフォームド・コンセントの要件につきましては、新たに情報収集するものについてと 既存資料の場合についてと分けまして、新たな情報収集を含む場合につきましては、そ の対象が人体由来試料である場合か、あるいは研究に介入が含まれる場合と、それ以外 の場合というふうに分けております。  人体由来試料を対象とするか、介入が含まれる場合、原則としてなんですが、口頭及 び書面による説明をまずしなさい。集団に対するものであっても構いません。そして、 その後、書面によって個別同意をとりなさい。質問、問い合わせの機会を十分保障しな さい。そして、質問、問い合わせがあれば、それらに対して十分対応することが必要に なりますということでございます。  それから、それ以外の場合といいますか、新たな情報収集が人体由来試料以外のもの に限られる場合で、かつ研究が介入を含まないか、あるいは介入を含んでいても最小限 の危険を超えない程度のものである場合には次の要件を適用します。  ここの場合は2つに分けまして、情報が匿名で、かつ連結不可能である場合はbです 。そうでない場合がaなんですが、誰のものであるかわかる情報が収集される場合、a でございます。  (1)(2)のいずれかの要件を満たすこととしまして、まず、(1)でありますが 、これは先ほどの要件と同じで、集団に対するものでも構いませんが、説明をして、書 面による個別同意を得なさいということです。「口頭で」という要件が落ちております ので、少し緩くなっているかもしれません。  2番目は、拒否の機会を保障した上で説明し拒否がないことであります。(1)(2)を 比べますと(1)の方が厳しいのでありますけれども、四角に書いておりますように、情 報収集が長期間にわたる場合、めどは5年程度ということでありますが、もしくは遺伝 情報など、心理的・社会的に重大な意味を持つものに関わる場合、又は心理的・社会的 侵襲度が高いものの場合については、原則として(1)の厳しい要件を満たすべきことと しております。  それから、匿名・連結不可能な情報が収集される場合、誰のものかわからなくなる情 報である場合は、拒否の機会を保障した上で説明し拒否がないことということでよろし いというふうにやっております。  以上が新たに情報を収集する場合であります。  それから続いて「既存資料を用いる研究の場合のインフォームド・コンセント」でご ざいますけれども、まず、匿名かつ連結不可能な誰のものであるかわからない情報が用 いられる場合で2つございます。既にその情報が匿名で連結不可能な状態になっている もの、そういうものが用いられる場合は、これはインフォームド・コンセントのとりよ うがございませんので、情報が誰のものであるかわからない、誰に聞けばいいかわから ないということですので、インフォームド・コンセントの要件は課されないとなります 。しかし、情報収集の段階で、既にその時点で何らかの研究利用が見込まれている場合 には、その段階でその可能性を説明することが求められるということです。  それから、3−1−2で、個人同定情報又は連結可能な情報が用いられるけれども、 研究を始める段階で当該情報を匿名かつ連結不可能なものにする場合、リンク情報をな くすとか、アイデンティファイアーをとってしまう。そういうことにして研究が始めら れる場合はどうかというのがこの3−1−2でございます。一応我々がまとめましたの は、対象者に対する危険が皆無である場合には、インフォームド・コンセントの要件の 課されないとしてはどうか。下に★印がありますように、危険が皆無である場合に限っ てこういう扱いを認めることの適否、あるいは危険が皆無であるという場合であっても 、こういうインフォームド・コンセントの要件を免除するということの適否については 、継続的検討を行う必要があるということでございます。あらかじめそういうことが見 込まれている場合には、当初、その旨の説明が必要だというのは先ほどと同じでござい ます。  それから、3−2が既存資料で匿名かつ連結不可能な情報でないものの場合は、まず 3−2−1で、当初のインフォームド・コンセントの対象範囲に含まれる研究の場合は 問題ありませんので、新たなインフォームド・コンセントを得ることは必要でない。  それから、3−2−2としまして、資料収集時に何らかの研究利用に対するインフォ ームド・コンセントが得られているけれども、新たな研究、これからしようとする研究 がその範囲から外れる場合についてであります。原則として、どうするか改めて説明し 、個別同意を得るというのが本則といいますか、原則であります。  それを満たすことができない場合に、(2)としまして、改めて拒否の機会を保障した 上で説明し、拒否がないことを確認するということでございます。この説明につきまし ては、集団に対するものも可能ですし、あるいは「擬制的なもの」と書いておりますが 、3ページの中ほどに◆で説明しておりますが、すべての者といいますか、その対象と なる者に説明を伝える合理的な努力が尽くされて、かつ伝わる可能性が十分に高かった のであれば、擬制的説明はあったと認めようと。仮にその人、個々の特定の人について は伝わらなかった場合にも、伝えるための合理的な努力がなされて、伝える可能性が十 分高かったのであれば、説明要件は尽くされたと認めようということであります。ちょ っと「擬制的」という言葉が弱いかなといいますか、もう少し適切な言葉がないのかな と考えておりますが、とりあえず、そういう趣旨で使っております。その要件を満たす ことがあれば、それでよろしいと。  今度(3)ですが、そういうものも満たせない場合についてはどうするかということで あります。(1)(2)の要件を満たすことができない場合には、研究に対する倫理委員会 の承認に加えて、(1)(2)の要件を満たすことなく研究を実施することについて、倫理 審査委員会の承認が得られるということがあれば、研究の実施を認める可能性を与えよ うということであります。  その際にどういう事項を考慮すべきかということですが、危険が最小限であるかどう か。最小限であれば、承認をする方向で考える。それから、研究実施の倫理的妥当性が あるかどうか。それには、研究の科学性及び(1)(2)の要件を満たさない条件でしか実 施できないかどうか。それから個人情報の保護で匿名化等の努力がなされているか。匿 名で、かつ連結不可能にしますと、先ほどのインフォームド・コンセントの要件の免除 が認められるところに該当するということになりますが、そこまでいかずに匿名化だけ の場合にはこちらになります。  それから、研究実施の社会への周知が十分なされているか、拒否の機会の保障がある かどうか、それから研究実施に対する社会的非難の存否なども考慮されてよろしいので はないかということでございます。こういうふうなことで、個別同意それから拒否の機 会の保障、最終的にはそれらの要件が満たされない場合に、倫理審査委員会での承認が あり得るというふうな扱いをすることの妥当性、それから(1)(2)(3)という要件の配 列の仕方については継続的検討が必要だろうというふうに考えております。  それから、3−2−3としまして、3−2−2は、何らかの研究利用に対するインフ ォームド・コンセントが得られている場合ですが、こちらの方は何も得られていない、 診療目的で採取された血液などが利用される場合を念頭に置く訳ですが、どういう扱い にするか。基本的には3−2−2と余り変わらないのですが、やや厳しく表現しており ます。原則として改めて個別同意を得ることが必要。  2番目、ただし、場合によって改めて拒否の機会を保障した上で説明し、拒否がない ことを確認することができる場合には、倫理審査委員会がそれを用いる研究を承認する ことができる。  後で御説明しますように、すべての研究について倫理審査委員会の承認を必要とする という枠組みを考えているんですけれども、その倫理審査委員会の審査の対象として、 研究全体の実施の可否を決めるんですが、それに加えて、通常のインフォームド・コン セントの要件を満たすことなく2番目の条件で研究を実施してよいということについて 倫理審査委員会が承認すれば、それでできるという趣旨であります。  それから3番目、(1)(2)の要件が満たし得ない場合に、今度は例外的に以下の事項 を考慮して資料の利用を認めることができる。その際に考慮すべきものとして考える要 素というのは先ほどと同じでございます。  3ページの最後の行に書いておりますように、本条の妥当性なり、(1)(2)(3)の要 件の配列の態様についてはもう少し検討する必要があるだろうというふうに我々は考え ております。  次のページに行っていただきまして4番目です。これがまだ研究班の中でも意見の一 致が完全には得られていないものなんですが、「インフォームド・コンセントの要件が 免除される場合」と標題に書いておりますが、正確に言いますと、緩和ないし免除され る場合であります。倫理審査委員会は、(1)から(8)のすべてが認定される場合には、 インフォームド・コンセントの要件を緩和又は免除することができるとしまして、(1) 研究が対象者に対して最小限の危険を超える危険を含んでいないこと、(2)緩和又は免 除が対象者の不利益にならないこと、(3)緩和又は免除がなければ、実際上研究を実施 し得ないことであります。(4)可能であれば、できるだけ早い時期に対象者に事後的説 明を与えること、(5)その情報を用いることなくしては行い得ない研究であること、(6 )研究の重要性が非常に高いものであること、(7)不適切な利用、開示、漏洩から情報 を保護する十分な対策がなされていること、(8)可能であれば、できるだけ早い時期に 、情報を匿名・連結不可能なものにすることというものであります。  3番目の要件につきましては、具体的例として、◆のところに書いておりますように 、頻度の把握を目的とする疾病登録など、あるいは罹患率というふうに言っていいのか もしれないんですが、一定の地域等での疾病の発生率を調べる研究など、多人数の集団 における頻度を把握するため、全数調査が必要な合理的理由が認められる場合や、対象 者への説明によって観察すべき行動に対する影響が出てしまうというふうに予想される 場合に限定して、この(3)の要件の充足は認めようということですね。  それから(4)の事後的説明ですが、地域がん登録のように継続的に実施され、かつ事 後的にも説明や拒否、訂正の機会を与えないとしているものについては、広く社会にそ の事業の実情を情報収集の手法も含めて広報し、社会へ周知される努力を払うことが必 要というふうに考えております。  それで、こういう8要件が満たされる場合にインフォームド・コンセントの要件を緩 和ないし免除することを倫理審査委員会に認める規定を考えているわけですが、この規 定自体についてもう少し検討した方がいいのではないかというのが班内の意見で、地域 がん登録に関しましては、この規定で実施を認めるとする意見とともに、他方、人格権 、プライバシー権の保護、あるいは情報漏洩の可能性が皆無でないこと。これはこれま で皆無であったというのは、御説明を伺った訳でありますけれども、将来的にそれが皆 無だということが、特に情報を採取される側の立場に立つと、そう言い切れるかという 点、それから、それによって得られる利益の実質性の点などから、少なくとも拒否権の 保障をすべきとの意見がございます。そういう点から、別途検討すべきか、それとも4 の中に含めて扱うべきか。4の要件が満たされる場合に、緩和、免除を認めるか、一応 こういう案を考えておりますが、もう少し検討しようということでございます。  それから5番目としまして、公的に収集された情報を収集の目的以外に利用する場合 は、法律に定める手続に従って情報を研究に利用することができるということでありま す。  それから、記録照合につきましては、玉腰班ガイドラインの6のとおりということで 、後で必要があればごらんいただこうかと思うんですが、我々、まだ全体としては検討 しておりませんので、そこまで踏み込んだことはまだしていないということでございま す。  続いて、未成年者を対象とする場合でございますが、7−1としまして、研究が未成 年者の資料を用いなければならないと倫理審査委員会が認めた場合に限って、未成年者 を対象とする研究を行うことができる。  7−2としまして、16歳以上の場合は、本人に同意能力を認め、本人に対して説明を し、本人の同意を得ることが必要である。ただし、本人が同意した場合であっても、親 権者が認めないときには、本人を研究の対象とすることはできないというふうにしてお ります。  16歳という年齢は、ミレニアム・ガイドラインでとらえた年齢でありますし、すべて ではないんですが、大体高校1年生、それから婚姻適齢が女性については16歳でありま すし、外国のものを見ましても、具体的にはかなり多様なものがあるんですけれども、 このあたりでいいのではないかというふうに考え、16歳といたしました。  それから、16歳未満の場合につきましては、本人に代わって親権者に説明をし、その 代諾を得ることが必要である。ただし、本人に対しても説明することが求められ、本人 が拒否する場合には、その者を対象とすることはできないと定めております。  それから、8−1としまして「若年以外の理由から同意能力が認められない者を対象 とする場合」であります。法律用語で言いますと「無能力者」ということになるんです が、「無能力者」という言葉はよろしくないという指摘を受けたことがございますので 、「若年以外の理由から同意能力が認められない者」というふうに書いております。念 頭に置いておりますのは、高齢で精神能力が十分でない方、あるいは知的障害者、精神 障害者などを考えております。  8−2としまして、研究がその者の資料を用いなければ成り立たないと倫理審査委員 会が認めた場合に限って、その者を対象とする研究を行うことができるとして、まず絞 っております。それから、本人に代わって家族等に説明をし、その代諾を得ることが必 要である。ただし、本人に対しても説明することが求められ、本人が拒否する場合には 、その者を対象とすることはできないということであります。  それから、次が死体でありますが、研究が死体から収集される資料を用いなければ成 り立たないと倫理審査委員会が認めた場合に限って、死体を対象とする研究を行うこと ができる。  その場合、8a−2でありますが、遺族に説明をし、その承諾を得ることが必要であ る。ただし、死者が生前に研究への資料の利用について拒否の意思を表明していた場合 には、死体を対象とすることはできないというふうに書いております。  ここは★印はありませんけれども、8a−2はやや厳しいのではないかというふうに とらえる意見もございます。この死体の部分につきましては、ミレニアム・ガイドライ ンに即してこの案を考えましたけれども、そういう意見もあるということを踏まえて、 今後検討を続けたいと思います。  それからローマ数字のIVとしまして「倫理審査委員会」でございます。先ほどもちょ っと申しましたけれども、疫学的手法を用いる研究については、全件、倫理審査委員会 の承認を得てもらおうというふうに考えました。「疫学的手法を用いる研究を実施する 場合には、事前に、所属機関の倫理審査委員会の承認を得なければならない」といたし ました。  そう言いましても、倫理審査委員会等がない機関に所属している方が研究をする場合 がございます。それをどう考えるかなんですが、1つは、都道府県に倫理審査委員会を 設けて、自分が所属する機関に倫理審査委員会がない人については、都道府県の倫理審 査委員会に承認の申請をしてもらおうかという案も出たんですが、それにまとまるとい うところには至りませんで、個別具体的に少し考えてみようと。保健所職員による研究 は、疫学研究については少なくないということですが、その保健所を設置する地方自治 体に倫理審査委員会を設置することはどうかと。  それから、前回だったかと思うんですが、田中先生の方から、疫学会で倫理審査委員 会を設置するという話があったかと思います。そういう学会の倫理審査委員会に倫理審 査委員会を持たない施設に所属する人の研究はかけたらどうかということが案として出 されました。それからさらには、都道府県医師会に倫理審査委員会を設けることはいか がかという案も出されました。これにつきましては、医師会に所属している医師と研究 を行う医師とはちょっとずれているところがあるのではないかというふうな指摘もあり 、まだ1つにまとまっていないということがございます。  この点、いろいろな点で専門委員の先生方から御意見を伺いたいんですが、全件審査 にかけるとして、どこにかけたらよいか。大学とか大病院の場合はよろしいんですが、 そうでないところに所属される方の疫学的手法を用いる研究はどうすべきかと。外国の ジャーナルなどの投稿要件を見ますと、やはり審査委員会の承認を得ていることが条件 とされることが増えてきているのではないかと思いますが、その点もにらんでどう考え るかお教えいただければと思います。  それから、次、我々のガイドラインの方ですが、9−2としまして、「9−1の承認 を与える倫理審査委員会は以下の要件を満たすものでなければならない」としまして、 あらかじめ規則が制定されていることが必要。その規則の中には、次のページにいって いただきたいんですけれども、委員長の選任方法、会議の成立要件、議決方法、審査に 係る記録保存の期間等を定めてくださいということです。  それから、9−2−2とまして、倫理審査委員会の議事要旨を公開してください。た だし、個人情報や研究者の不利益となると客観的に判断される情報は非公開とします。  9−2−3で、倫理審査委員会で得られた個人情報の守秘を定め、9−3で倫理審査 委員会の構成、9−3−1で多様な専門分野の委員としまして、医学の専門家、そのう ち少なくとも1名は公衆衛生の専門家を含めるのがよろしいのではないかというふうに 考えました。  それから、2番目の種類の専門家としまして、生命倫理ないし法律の専門家、3番目 としまして、市民の意見を代表できる者といたしました。それから、委員の数としまし ては、最低5名、これは新薬の臨床試験の実施に関しますGCPの規則から、この数を 採りました。  それから、9−3−3としまして、外部委員の比率あるいは生命倫理、法律の専門家 又市民の意見を代表する者の比率として、最低1名がいいのか、2名がいいのか、3分 の1がいいのか、4分の1がいいのか、5分の1がいいのか、そういう比率を定めるこ とがここで出されるべしということですね。 それから、そういう人たちが何人、あるいはどれだけの比率参加しなければ実際の会 議を開けないかということを9−4−4で定めようというものであります。  9−3−5では、審査対象となる研究に関係している委員は、その審査に関与しては ならないという趣旨でございます。  それから9−4、個人的には私はこれを強調したいんですけれども、倫理審査委員自 体が生命倫理なり疫学等の研究に必ずしも詳しいとは言えないという場合がありうるの ではないかということで、倫理審査委員会の委員に対して研修教育を制度的に行ってい こうということをここに掲げたいというふうに思っております。  それから、9−5としまして、先ほど倫理審査委員会に疫学的手法を用いる研究の実 施について全件かける、それを義務づけようというふうに申しましたけれども、すべて について慎重な審査が要る訳ではないと思います。問題の少ない研究については、迅速 審査で、委員長なり、あるいは委員長に代わる責任者が一人で審査し、あとは書類で全 体会に報告するという手続で十分ではないかというふうに思われます。その迅速審査手 続をここに定める。ミレニアム・ガイドラインでは、軽微な変更についてのみ迅速審査 手続を認めておりますが、我々のガイドラインでは、書いておりませんが、新規の研究 であっても慎重なといいますか、全体会による審査が必要でないと委員長なり委員長に 代わる者が判断した研究については、迅速審査で行い、承認を与え得ることとしようと いうふうに、とりあえずは、現在のところ、私個人の意見ですけれども、考えておりま す。  それから、決して重要性が低い訳ではないのですが、最後に、個人情報保護でござい ます。ここで挙げましたのは、個人情報保護の原則をそのまま掲げたものでございます ので、それぞれについて適用除外規定を設ける必要性と、疫学的手法を用いる研究につ きましては、個人情報を含む資料が用いられる場合もありますが、個人情報を含まない 資料が用いられる場合もあります。そちらの場合とこの両者で区別することが必要であ るのではないか、あるいは適切であるのではないかというようなことも検討する必要が あるかと思います。  まず最初が「目的の限定」でありまして、疫学的手法を用いた研究等における資料の 収集は、それを用いる目的が明確にされ、その目的に関連して必要な範囲で収集、管理 、利用、保存されなければならないということであります。  ちょっと時間がきつくなってきましたので、ブラケットの中を省略したいと思います 。  それから、10−2としまして「情報の保存方法」でございます。研究者は、資料の収 集、管理、利用、授受、保存に当たっては、漏洩、混交、盗難、紛失が起こらないよう な措置を講じなければならない。それから当該研究に不必要な情報は、破棄、削除しな ければならない。資料はできるだけ匿名化を図らなければならない。  次のページでございますが、資料を利用できる者を制限し、資料の管理、利用の責任 の所在を明らかにしなければならない。業者に委託する際には、委託契約において、個 人情報の保護のための取り決めを交わすなどの措置を講じなければならないということ です。  10−3としまして「資料の廃棄」。収集された個人情報たる資料は、当初の目的の研 究終了後、原則として速やかに廃棄しなければならない。資料の収集に当たっては、資 料の保存、廃棄の条件をできるだけ明確に説明しなければならないということでござい ます。この10−3につきましては、廃棄を求める意見が研究班の中で強かったのであり ますが、他方、収集した貴重なデータを捨てることを義務づけるのはいかがなものかと いう意見もありまして、もう少し検討を続けていこうというふうになっております。  それから10−4としまして「試料収集の公表」。「個人情報の収集・処理等に関する 事項について、容易に閲覧可能な方法により公表し、適切に更新しなければならない」 という、先ほども出てまいりました原則をここに挙げております。しかしながら、研究 につきましては、研究者あるいは研究プロジェクトの独創的な部分まで、早い時期に公 開しなさいというのは、ちょっと研究者に酷でありますから、そこまで求める趣旨では ございません。  それから10−5でございますが、「本人への開示・訂正請求」であります。「研究者 は、その保有する資料に関し、本人から開示を求められたときは、一定の場合に、その 資料に含まれる情報を開示すること。訂正等を求められたときは、原則として必要な訂 正等を行うこと」でありますが、これについても、これが当てはまる場合があるのかど うか、あるいは研究についてはこれは認めなくていいのか、今後検討していこうという ことで、この10−1から5、すべてについて今後の検討に委ねるということですが、特 に10−5についてはまだ白紙という状態でございます。  時間が長くなりましたけれども、以上で御説明ということにします。 ○高久委員長 どうもありがとうございました。  残念ですが、あと10分しかありません。今までこの班で非常にインテンシブに御検討 いただきましてありがとうございました。今後もこの研究班で御討論願えることと思い ます。残り10分間ですが、せっかくの機会ですから、どなたか、この今の資料3につい て、御意見をいただきたいと思います。 ○寺田委員 この研究班の名簿を見ていまして、これは臨床の内科の方、あるいは臨床 の患者さんを扱っている方はどなたか入っておられるか疑問です。と言いますのは、先 ほどの疫学的と同じで、要するに臨床の研究をこれで縛られるのであれば、そういう方 をちゃんと呼んで、これでやっていけるかどうかをわかっていただくのが必要かと思い ます。非常にヘビーに疫学、公衆衛生の方が多いものですからお聞きしました。 ○丸山委員 御指摘のとおり、この名簿にありますように、入っておられません。我々 のガイドラインの適用範囲を第1回の会合でも少し議論になったかと思いますが、当初 はこういうふうに広くとらえておりませんでしたもので、そういう方にお入りいただい ておりませんので、今後お入りいただくことを十分考えないといけないというふうに思 います。ありがとうございました。 ○高久委員長 どうぞ、安冨委員。 ○安冨委員 2点お伺いさせていただきます。まず第1点、個人情報の定義でここに挙 げられているのがございますけれども、ここでは死者も含む趣旨でお考えでいらっしゃ るのかという点。それから5ページのところでございますが、先ほど真ん中あたりの若 年以外の理由から同意能力が認められないものを対象とする場合に、8−2で、ただし 書きとして「本人に対して説明することが求められ、本人が拒否する場合」とあるんで すが、同意能力がない者に本人が拒否というのはどういう場合が想定されるのかという 2点でございます。 ○丸山委員 死者につきましては、今御指摘いただいた点はまだ考えておりません。個 人情報に含めるかどうかということ、したがいまして検討させていただきたいと思いま すが、何か御意見がございましたら伺いたいと思います。  それから、若年以外の理由から同意能力が認められない者について、本人に説明し拒 否する場合、それから16歳未満についても同じ規定を置いておるんですが、治療目的で あれば、本人の態度いかんにかかわらず実施するということが望ましいという場合がほ とんどだろうと思うんですが、研究目的でありますから、研究目的での資料採取に際し ては、本人の拒否が理性的なものであってもなくても、その嫌だと言っている本人を押 さえつけてサンプルを取るというのはよろしくないのではないかというふうな考え、そ れから外国の文献を読んでおりましたら、子どもについても、訳がわっていなくても、 注射は嫌だ、あるいは採血は嫌だというふうな拒否をする者について押さえつけて採血 をするというのは、場合によって多少扱いを異にしていいかとも思いますが、あくまで 拒否される場合は、成人について、理由のいかんを問わず拒否を認めておるのでありま すから、子どもについても、あるいは同意能力の認められない者についても、理由のい かんを問わず拒否は認めた方がいいのではないかという趣旨でこういうふうに書きまし た。 ○安冨委員 先ほど「無能力者」という御発言があって、私は多分そういう趣旨で8− 2のところを考えました。そうしますと、そもそも同意能力がないということは、本人 が拒否できないのではないかという趣旨ですが。 ○丸山委員 同意能力がある、ないというのは、本人の同意で医療行為なり、この場合 は研究の対象となることができるかどうかということで、拒否権とは別に考えておりま す。 ○高久委員長 ほかにどなたか。 ○櫻井委員 先ほど寺田先生がおっしゃったことに関係するかもしれませんせんが、「 すべての疫学的手法を用いる研究」に倫理審査委員会の承認が必要、これは言葉の定義 にもよるんですけれども、もし「すべての疫学的手法を用いる研究」というのを広い意 味にとられるのであったら物すごい数になってしまって、倫理審査委員会を全国で物す ごい数つくっても、毎日のように審査しなければならないぐらいに件数があるのではな いかと思うので、この辺の範囲設定が必要だと思います。臨床の場合ではしょっちゅう ある程度の疫学的研究として患者の症例を集めて、これがこうだと報告していますし、 その他、例えば産業保健の場面で、会社の検診の結果を処理して発表する、これも広い 意味で言えば疫学的研究だろうと思いますから、その辺の範囲の限定がないと、これら を全部倫理審査委員会にかけろと言ったら大変なことになるなというふうに思うのです が。 ○高久委員長 公衆衛生の専門家が少なくとも1名というのはかなりきついということ ではないでしょうか。医学の専門家というのは良いと思うのですが。医学教育の中で公 衆衛生も一応は教えていることになりますから、公衆衛生の専門家というのはきついの ではないかなと思いました。 ○櫻井委員 私の感じでは、むしろ倫理審査委員会にかけなければならないものをもっ と限定して、限定ができれば、そこに公衆衛生の先生が入るということだと思いますけ れども、これを広くやったら実際は無理だなという気がします。 ○丸山委員 そういう意見も確かにございましたが、本学、大学ではどこでもそうだと 思いますが、組み換えDNAの安全委員会がございます。年に2回ほど神戸大学では開 いているんですが、そこに出てくるのは数百件なんですね。それでも問題のないものを てきぱきと委員長が処理していけば、二、三時間でやってしまいますので、同じように 、先ほど申しました疫学的手法を用いる研究も、問題のない件が恐らく95%なり98%だ と思いますので、問題のある、ないというのは、ちょっと言い方に語弊がありますが、 慎重審査、全体会での審査にかける必要があるのはそんなに多くないと思いますので、 委員長なり委員長に代わる方がてきぱきと迅速審査で処理なさって、本当に全体会にか ける必要があるもののみを処理していけば不可能ではないのではないでしょうか。  アメリカの人を対象とする研究については、全件審査で現にやっておりますので、迅 速審査を活用して、毎月開催するということで、従前3か月に1回しか開いていなかっ たところでは少し忙しくなるかもしれませんが、迅速審査の活用がなされれば実施可能 で、むしろ何らの審査も経ていなければ、どういう研究が現実になされているか、社会 の公表もルートを失う訳ですし、それから先ほど言いましたジャーナルへの投稿などを する際にも、今後は何らかの審査を経て承認を得ているということがなされていないと 不可能になってくるのではないかと思うんですが、そういう点はいかがでございましょ うか。 ○高久委員長 残念ながら、もうそろそろ時間がまいりました。これは非常に重要なこ とですので、ぜひ次回は丸山先生の報告を中心に十分に議論をしていただきたいと思い ます。私もまだお伺いしたいところがいろいろありますが、これで本日の委員会を終わ らせていただきまして、その間にまた丸山研究班の方でいろいろ御検討いただき、次回 に、その結果について少し時間をかけて議論したいと思います。事務局どうぞ。 ○事務局 それでは、次回につきましては、委員長とも御相談させていただきまして、 一応7月末ぐらいまでには何とか開催したいと考えております。  なお、本日御意見を提出できなかった先生がお見えでございましたら、事務局あてに 文書なりメールなりで御提出いただければと思っております。 ○高久委員長 ぜひ丸山研究班の結果をもう一回ご覧になって、事務局の方に御意見を いただきたいと思います。よろしくお願いします。  本日はどうもありがとうございました。                                     (了) 問い合わせ先 厚生省大臣官房厚生科学課 担 当 野口(内線3804) 電 話 (代表)03-3503-1711 (直通)03-3595-2171