00/05/29 第25回臓器移植専門委員会議事録        第25回公衆衛生審議会疾病対策部会臓器移植専門委員会                  議 事 録           日時 平成12年5月29日(月)15時03分〜16時50分           場所 厚生省共用第23会議室 出席者 (○:委員長 敬称略)   井形 昭弘   大久保 通方  大島 伸一  大塚 敏文  菊地 耕三   桐野 高明  ○黒川  清   小泉  明  田中 紘一  谷川 久一     野本 亀久雄  藤村 重文   町野  朔  眞鍋 禮三  矢崎 義雄     山谷 えり子   (参考人) 木村 彰方  石井 裕正 1.開 会 2.議 題   (1)HLA検査施設について      (2)小腸のレシピエント選択基準について 3.報告事項      (1)肝臓の移植実施施設について      (2)脳死下での臓器提供事例について      (3)臓器提供施設について 4.その他 5.閉会                (開会・15時03分)  事務局  お待たせいたしました。定刻、やや過ぎましたけれども、ただいまより第25回公衆衛 生審議会疾病対策部会臓器移植専門委員会を開催いたします。先生方にはお忙しいとこ ろ、ご出席いただきまして大変ありがとうございます。  本日の委員の出席の状況でございますが、小泉委員、矢崎委員はご出席との連絡をい ただいております。まだお見えでございませんが、まなもく到着されようかと思いま す。小柳委員におかれまして出席ご予定しておいていただきましたけれども、突然、急 用ができたということで本日はご欠席と。したがいまして今のところ、こ欠席は小柳委 員がご欠席ということで小泉委員、矢崎委員が遅れて参ろうかと思います。  本日はのちほど資料をご覧いただきますが、議題の関係でご説明いただきます2名の 先生方、ご出席をいただいております。まず、議題の1にありますけれども、HLA検 査に関しまして臓器移植に係るHLA検査等のあり方に関する作業班、本専門委員会の 作業班でございますが、の座長であります東京医科歯科大学難治疾患研究所教授の木村 教授にご出席をいただいております。  30分程度、遅れるということで連絡をいただいておりますが、慶應大学の石井教授に もご出席をいただくことにいたしております。  続きまして資料の確認をさせていただきます。お手元に配付されている資料をご覧い ただきたいと思います。まず、議事次第でございます。本日は議題、2つ予定をいたし ておりまして、HLA検査施設について。2といたしまして小腸のレシピエント選択基 準について。あと報告事項が3点ほど、ございます。  なお、報告事項の順番でございますが、大変申し訳ございません。1番目と2番目、 順序が逆転いたしております。報告事項は最初に脳死下での臓器提供事例についてとい うことで報告をさせていただきまして、2番目に肝臓の移植実施施設について、3番目 に臓器提供施設についてということを予定いたしております。  続きまして1枚めくっていただきますと資料が1から6までございます。もう1枚、 おめくりいただきまして。失礼しました。  資料1といたしまして、今後の臓器移植に係る検査体制のあり方について(案)とい うことで4頁ございます。  資料2といたしまして、小腸移植希望者の選択基準の改正について(要望)というこ とで、これが2頁のものでございます。  資料3といたしまして、脳死下での臓器提供事例について(第5例から第7例の概 要)ということで、これが1枚紙でございます。  資料4といたしまして、脳死下での臓器提供事例に係る検証会議について。これも1 枚紙でございます。  資料5といたしまして、脳死した者の身体から摘出された肝臓の移植実施施設につい てということで、これも1枚でございます。  最後、資料6といたしまして、臓器移植に係る医療施設の整備状況に関する調査集計 結果の概要ということで2枚ものがございます。資料は以上でございます。  大変恐縮ですが、1枚めくっていただきまして、先生方の所属に誤りがありました。 訂正をさせていただきます。まず、委員でございますが、藤村委員のところで社会法人 全国保険協会というふうになってございますが、社団法人全国社会保険協会ということ で間違っておりました。大変ご迷惑をおかけいたしまして申し訳ございませんでした。  一番下にございます木村先生でございますが、難病治療研究センターというふうにな ってございますが、東京医科歯科大学難治疾患研究所ということで、これも私ども事務 方の誤りでございました。大変失礼いたしました。  資料については以上でございます。不備等、ございましたら事務局の方にお申しつけ くだされば、いただきたいと思います。  私ども、事務局の方、本年4月1日付で人事異動がございました。前任山本の後任と して岩崎が着任いたしておりますので紹介をさせていただきます。  岩崎補佐  岩崎です。よろしくお願いいたします。  事務局  よろしくお願いいたします。本日、事務局からのお願いでございますが、また、マイ クの使用についてでございますけれども、私ども、設備がなかなか悪いのかもわかりま せんが、お手元のマイクが同時に使用できる本数にどうも限りが、制限があると。4本 か5本ぐらいしか入らないということでございますので、大変恐縮でございますが、ご 結言の際にはお手元のスイッチを入れた上でご発言と、終わりましたら大変恐縮ですが 切っていただくということで、お手を煩わせて大変申し訳ございませんけれどもよろし くご協力をお願いいたしたいと思います。  それでは黒川委員長、よろしくお願いいたします。  黒川委員長  先生方、お忙しいところ、ありがとうございます。久しぶりの会合だと思いますが、 ご存じのようにあとで報告がありますが、その後、臓器移植、脳死からのが7例目まで 出ているということであります。  その他に腎臓の移植は一番数が多いわけですが、今のところどうなっているかと言い ますと、第1年目に160 件の移植がされた。161 でしたか。2年目が180 、3年目が160 去年度が3月31日現在で締めたところ、150 ぐらいだったと思うので、全然伸びないと 言っては何ですけれども、停滞しているという感じがあるのかなと思います。その間に 脳死からの臓器移植が全部で7例になったわけですが、最初の4例以後にしばらくの期 間が開いて、そのまた後で3例、1例出てからポンポンと出るという感じだったのかな というふうに思います。  そのことについては先生方、よくご存じのことだと思いますけれども、腎臓の移植も 今、言ったような格好で横ばい状況ではありますが、今年度に入ってから4月と5月の ところを見ていると初年度、2年目のように比較的数が多く行われていますので、比較 的そういう意味では何となくやはり社会にそういうことがあるということが広く知られ てきている雰囲気があるのかなという気はしていますが、ここちょっと中間の状況をお 知らせいたします。  今日はここにあるような議題ということで2つの議題と3つの報告事項ということで ありますので、特にこの委員会で実際に起こった事例について4例目まで、ここの委員 会でやりましたので大変臨時の委員会とか、先生方に大変お時間を取っていただいたわ けですが、4例目以後につきましては前の委員会で先生方のご承認いただきましたよう に第三者機関ということを立ち上げていただきましたので、全くこことは違うところで 検証が始まっているということで、かなり仕事の内容、もともとこの委員会はネット ワークのあり方、脳死の臓器移植のあり方などについてご意見を伺う場という本来の仕 事に戻れたというところなのではないかというふうに思います。  それでは議題の1ですが、HLAの検査についてこれについていくつか非常に実務的 な問題がございます。そういうことですので、このHLAの検査施設についてというこ とについて先生方のご議論をいただきたいと思うわけですが、そのたたき台といたしま して現在の問題につきまして説明していただくわけですが、資料の1に従って今後の臓 器移植に係る検査のあり方について案を作ってございますので、これについてまず事務 方の方からご説明いただくということにいたしたいと思います。よろしくお願いしま す。  朝浦室長  それではまず事務局の方からこれまでの作業の経緯についてご説明をいたしました後 に木村先生の方から詳しくご説明いただきたいというふうに思っております。  臓器移植におきましてはHLA検査、感染症検査についての役割が非常に大きいもの がございまして、臓器移植に関するHLA検査等のあり方についてこれまで脳死下での 臓器提供も含めて検討していく必要があるということで、昨年の12月の13日に本委員会 におきましてHLAの検査のあり方に関する作業班の設置をお認めいただいたわけでご ざいます。  その後、検討課題といたしましては、ひとつは現在の検査体制の整備について今後、 どのように考えていくのかといった問題、新たな検査方法の導入ですとか、あるいは検 査結果の取り扱いについてどうやっていくのかという技術的な検討を併せてご議論をい ただいております。  12月の21日、今年に入りまして第2回目は1月の31日、第3回目の作業班は3月22日 に開催しまして、都合3回の作業班で精力的なご議論をいただいております。この資料 で出ておりますけれども、本委員会におきましてはHLAの検査施設の体制のあり方に ついてご議論をいただきたいというふうに考えております。それでは木村先生、よろし くお願いします。 木村先生  それでは作業班で検討いたしましたことについてご報告申し上げます。  ただいま、室長の方から説明がありましたが、現在、全国の47か所の検査施設でこの HLA検査というものがなされているわけでございますが、その検査の内容と言います のは、ひとつはレシピエントの登録時にHLAを、これは腎臓に限りますけれども、H LAを検査をすると。もうひとつは、心臓移植の希望者が登録された場合には、この 方々に対してパネルテストを行う。3番目にドナーが発生したときにHLA検査、感染 症検査、リンパ球直接交叉試験という、この3つの検査を実際に検査施設が担っている わけでございます。  今後、脳死下での臓器移植が増えていくというふうに予想される中で、24時間体制で やはりその検査が行われるような施設をより充実していくことが望ましいのではないか ということで課題をいただきましたので、我々の班でかなり実務的なことを含めて検証 させていただきました。  今日、ここに出させていただいたのは検査体制のことについてでございますが、今後 の対応についての基本的な考え方というものをここに述べさせていただいております。 そのひとつは、ドナーが発生した場合に移植検査、これはHLA検査と感染症検査とリ ンパ球直接交叉試験と、この3つになりますけれども、これを24時間体制で行うような 施設が充実されるべきであろうと。  もうひとつはリンパ球直接交叉試験と関係しますけれども、移植登録希望者の血清を 確実に保存をできるような施設が必要であると。  3番目が、これは腎臓のレシピエントに限ることでございますけれども、登録をする ときにHLA検査を行う必要がございますので、その登録時のHLA検査を担う施設は 確保しておかなければいけないだろうと。この場合には地域の実情というものも考えな がら確保する必要があるだろうということが基本的な考え方でございます。  こういう基本的な考え方に従いまして、実務的に実際にどうあるべきかということを 検討いたしました。その結果としてここで提案をさせていただくのが、大きく言うと 「移植検査センター」というものと、もうひとつは「移植希望者登録時検査センター」 というものに大きく2つ分けてはいかがだろうかということでございます。  この「移植検査センター」と申しますのは主にドナーへの対応ということが大きな目 的となるのでございますけれども、施設として24時間、検査体制でできることと。その 検査を行う場合にはHLA検査、感染症検査などの臓器移植に係わる検査を精度が高い 検査を行うことができること。この精度が高い検査という中にはひとつはHLAのDN Aタイピングを行うことができる。もうひとつ検査精度を担保しなければなりませんの で、その担保をするためにはネットワークが精度管理を行う。その精度管理プログラム にこの検査施設は参加をしなければいけないと。  もうひとつは、ネットワークは臓器を斡旋する上で必要であると認められて精度を満 たすような検査技術を用いなければいけないと。こういう要件で「移植検査センター」 というものを充実していはいかがかと思われます。さらに、この「移植検査センター」 ではさきほど申しましたようにレシピエントの血清を確実に保存ができるようにしなけ ればならないということでございます。  このような「移植検査センター」をどのぐらいの数、必要であろうかということも検 討いたしました。その結果として各ブロックに1乃至2か所ということでございますが その程度は必要であろうと。こういうものを選定するにあたっては過去の実績を十分考 慮する必要がございますし、特に血清の保存ということに関しましては地域の中に例え ば1か所しか「移植検査センター」がない場合、何らかの地震等の災害が起こった場合 には血清が利用できない状況になるということも考えられますので、最低、各ブロック に複数の血清保存施設を設けるべきではなかろうかというふうに考えます。  もうひとつの「移植希望者登録時検査センター」というものでございますが、こちら は腎臓の移植登録時にHLA検査を行わなければなりませんので、登録希望者の利便性 透析施設や移植施設の地域的な関連から各ブロックに「移植検査センター」を補完する ものとして「移植希望者登録時検査センター」というものを設けてはいかがだろうかと いうふうに我々の班では検討をいたしました。  アウトラインでございますが、最後の表1としてつけておりますのは、この左側半分 が現在のHLA検査に係る検査体制でございます。それを右側のような体制に移行して はいかがだろうかというのが作業班での検討結果と提案でございます。以上です。  黒川委員長  今、説明されたとおりなのですが、今、HLAの検査センターというのがここの資料 1の4頁にあるような、左側にあるような3つの大きなカテゴリーにありまして、1は これ全国1か所ということでいろいろなトレイを作成している、今、国立佐倉でやって おられるのですかね。ということでやっておられます。これは厚生省の直轄の機関とい うことになります。  その他にHLA協力センターというのがありまして全国7か所ということであります が、これはHLA検査、リンパ球の直接交叉試験、感染症等の実際にドナーが発生した ときのいろいろな緊急の検査、24時間対応できないといけないわけですが、その他にH LA検査センターというのがありまして、この2のカテゴリーと3のカテゴリーがはっ きり機能が分かれている。機能としてはおそらく分かれているのですが、レジストレー ションしている格好としては分かれていないので、多分、HLA検査センターのときに は移植をしたいという人が登録するときに必要な検査をするということで、なるべく近 いところにいくかなというのが2も3もやっていただけるわけですが、と言って2と3 がはっきり分かれてないと実際のドナーが発生したとき、レシピエント、どういうふう にするか。いろいろなHLAの検査、リンパ球の直接、クロスマッチと感染症の検査、 いろいろ決まっておりますが、夜中にできたときにどうするか。  一番苦労されるのは多分、コーディネーターでいろいろなところに連絡しなければな らないわけですが、予め決まっていれば受ける方も24時間、当直体制があってやりまし ょうということでノーと言えないわけですが、うちはちょっと置いていませんので今日 できませんなんて言われると多分、コーディネーターが非常に迷っちゃって、次、どこ に行くかという話になるのが非常に困るということだろうという実際的な問題があると いうわけであります。  その他に今、木村教授の方から説明されたいろいろな問題を考慮されまして、この頁 の右のようにはっきり機能を分けて対応ができるような体制と責任体制を取っていただ きたいということだと思います。これについて何か先生方の方から、ぜひ、ご意見いだ たきたいと思いますが、その他、補足的にあることがあればどうぞ。菊地委員の方、何 かある。  菊地委員  はい。一番HLAセンターで困るのは脳死移植のときで、脳死臓器提供時すべての感 染症に対応できる検査施設が少ないのが現状です。したがって、ダイレクトクロスマッ チを行う施設、感染症を行う施設、HLAを検査を行う施設がばらばらになることがあ ります。  そういった問題がひとつありますのと、もうひとつは保存血清が確実に(心臓、肺の 患者さんが)なされていない場合が多いことです。その理由のひとつに病院に血清を送 って、そこから各HLAセンターへ分配して保存血清を行うといういくつかの分配する 機構を通りますので、その血清を保存するまでの時間がかかってしまうというような不 備な点もあると思います。  ですから、このような形で「移植検査センター」が存在し、そこにドナーの血液を搬 送すれば、すべての検査が実施できるというふうにしていただきますとコーディネー ターとしては業務がスムーズに進むと思います。  黒川委員長  これ、木村先生の方に伺いたいのですが、この資料の2頁の「移植検査センター」と いう、今、菊地委員から言われたような24時間、精度の高いHLA検査と感染症検査、 特に脳死の臓器移植に係る検査を行うことができるという話と登録したレシピエントの 血清を確実に保存するというような話ですから、24時間体制とクオリティコントロール していただくということですが、各ブロックに1〜2か所というふうに書いてあります ね。最終的に4頁では。  これは実際の数とどういうふうにサポートするかという財源の問題とかマンパワーの 問題があると思うのですが、それについて何かございますでしょうか。  木村先生  もちろん財源の問題もございますけれども、ひとつはどれぐらいブロックによってレ シピエントの数が違うということがございますし、ドナーの発生頻度がまたブロックに よって違うということがございます。現状では脳死移植のドナーが出るのはかなりの期 間を置いて出ているわけでございますけれども、もし、同時に出るというようなことが ございますと、やはり近隣の施設が対応できるというようなことを考えなければいけな いのではないかということで、ドナーの発生頻度が高そうな地域については2か所は必 要ではないかということで1乃至2か所ということを提案いたしました。  大島委員  木村先生にお伺いしたいのですけれども、現状がいったいどういうふうになっている のかということを、特に財源の問題についてどうなっているかということをきちんと把 握された上でご議論されているのか。  というのは何を言いたいかと言いますと、実際にいろいろな地域で各地域のいろいろ な団体があるかと思いますけれども、登録時のHLA検査の助成とか、いろいろなこと が行われているわけですね。行われていて、なおかつ、今の状態のまま、さらに施設拡 大するということは、その財源をいったいどこから持ってくるのかと。さらに地域の負 担を多くするような形でもって広げようとするのか。あるいは患者さんの負担を多くし ようと思ってというような形を広げようとするのか。そこのところが非常に問題だろう というふうに私は思っているのですけれども。  木村先生  この検討班で行った検討の中では、要するに厚生省からの財源としてある程度の一定 の金額、財政的な支援がなされていると。それはすべての検査施設にある程度、満遍な く財政的な支援というものが、国の財政支援が行われているということで、それを集約 化してはいかがだろうかと。さらに財政的な支援をいただきたいというのが検査施設の 考え方でしょうけれども。  それともうひとつは、いくつかの検査施設に集約化にして、そこに集中的な財政支援 を行うということを考えてはいかがかという検討をいたしました。  黒川委員長  事務局の方から今、ネットワークについた予算、HLAセンターへの助成、こういう ふうになったときにある程度、重点的になるところとそうじゃない、その辺についてち ょっと説明いただけますか。  朝浦室長  現在の国からの予算についてご説明申し上げます。ひとつは、HLA検査センターに 対しては検査を行われる人件費に対して2分の1の補助を行っている。これがひとつご ざいます。検査センターになりますとネットワークの方からですけれども、検査血清に 対する配付が行われていまして、そういう意味では人、物に対する財政支援が行われて いるというふうに考えてよかろうかと思います。  今後の考え方ですけれども、HLA検査センターのひとつの再編になるわけですので その再編の最終的な青写真といいますか、そういうものを見極めながら国の方の支援の あり方も今後、検討しなくてはいけないというふうに考えております。  黒川委員長  大島先生、これ、最初にやったときには何となく仕事が24時間対応しなければならな いけれども、何とかできますよと言って皆、登録を、名前がほしいというところもあっ たような気もするのだけれども、実際に実務的に出たときには対応ができなくてよそで お願いしますということもあるわけだから、あったのではないかと思うのですよね。  実際、一番困るのは、多分、実際に出たときに腎臓移植みたいに予め登録できておく のはいいのだけれども。施設もたくさんありますから。そうじゃないときに一番コーデ ィネーターが奔走して電話しまくって大変だと思うので、こういうふうにすることによ って確かに財政の援助もそうだし、責任の範囲もはっきりしているということなのでは ないかと思うのだけれども、先生のご質問の意味から今の説明でいいですか。  大島委員  一番大切なことはきちんとした対応と実際のHLA検査のクオリティを、特に緊急時 のクオリティをいかに保証するかということが最も大事なことだとは思うのですけれど も。  ただ、あまり理想的なことを追求しすぎると財政の問題で非常におかしなことになっ てしまうということが常にありますので、そこの問題だけはきちんと見極めた上で議論 していただきたいということを思ったわけです。  黒川委員長  木村先生の報告でその辺も勘案して議論したというお話だったと思いますので、それ でよろしいのかなと。いいですか。それで。その他にどうぞ。  木村先生にちょっと伺いますけれども、HLAのことについては血清のパネル、その 他はここだと佐倉、トレイの作成、精度検査、その他やってくださるというのはいいと 思うのですね。一元的に。つまりその精度管理をして配ると。だけれども、DRの方は 今、HLAは全部DNAになってきていますよね。だから、それをどういうふうに実行 するかという話についてはいかがでしょうか。  木村先生  これに関しましてもクラス1の方ですね。DRはクラス2ですけれども、クラス1に ついても最近、DNAタイピングという手法がかなり実用化されてきておりますので、 そういう新しい技術も導入すべきであろうという検討はやった方がいいだろうというこ とで、この作業班でも実際にそういう議論は行いました。  黒川委員長  もちろんクラス1はそうですけれども、今、クラス2、DRの方はDNAで登録する ように今、なっていますよね。そうするとこの移植検査センターはそれで対応できると いう条件があるわけですね。  木村先生   少なくともクラス2のDNAタイピングに関しては現在、行っているHLAの検査 センター、すべてが対応可能でございます。  黒川委員長  そういうようなことですから、これはいずれ協力センターという「移植検査セン ター」、クラス1も皆、そういうふうになっていくということの対応も視野に入れてい るということでしょうね。その他に何かございますでしょうか。野本委員の方から何か ありませんか。  野本委員  特にございません。  黒川委員長  そうですか。その他、何かございますでしょうか。もし、それではよろしければ、特 段のご意見がなければこのようにHLA体制の現状は将来像、資料1の4頁の表1にあ るような体制にしていただくということですが、これを事務局としては実際のいろいろ な対応の体制もそうだと思うのですが、いつからになりますか。期日。  朝浦室長  まだ、時期については明確なことを申し上げられませんが、これから事務的にも作業 を詰めてできるだけ迅速にこういった体制ができるようにしていきたいと思います。  黒川委員長  今年の予算が一応、出ているわけだから、それをどういうふうにまた使うかという話 も検討されるわけですよね。  朝浦室長  今年度予算は既に執行、ある一定の考え方に基づいて執行することにしておりますの で、予算的な対応は来年度以降ということになると考えています。  黒川委員長  はい。それはちょっと事務局の方に対応していただくということで、このようにして いく方向だということですがよろしいでしょうか。それではそのようにさせていただき ます。どうもありがとうございました。  それではこれにつきましてはご意見をいただきましたので、次の議題にありますが、 議題の2の小腸のレシピエント選択基準についてでございます。これについては小腸と いうのは現在のドナーカードにも入っておりまして、小腸は移植の対象になっているわ けですが、京都大学の田中先生、その他が小腸移植について精力的にやっておられます が、これについてお諮りしたいと思います。まず、それでは資料に従いまして事務局の 方から説明をお願いいたします。  岩崎補佐  先生、石井先生がお見えになっていないので、もし、よろしければ報告事項を先に。  黒川委員長  次、いきましょう。報告事項ね。ごめんなさい。すみませんでした。石井先生から報 告いただくことになっていましたね。それでは報告事項に移ります。ちょっとスキップ させていただきます。申し訳ありません。  ここにあるように今日、3つありますが、ひとつは肝臓の実施施設でございます。こ れにつきましてでよろしいですかね。最初に。いいですか。2を先にやった方がいい。  岩崎補佐  どちらでも結構でございます。  黒川委員長  では、まず、脳死下、どちらでもいいですけれども、肝臓は誰かがいないからできな いという状況ではない。しかし、資料の順番から言うと資料の3という順番に従った方 がいいね。(2)の脳死下での臓器提供事例についてという話にまいります。  これでその後、先生方に検討していただい後、5、6、7例目というのが出ておりま すので、これについて事務局から説明していただきます。よろしくお願いします。  岩崎補佐  それでは資料3をお開きいただけますでしょうか。脳死下での臓器提供事例について 第5例から第7例の概要ということでご説明申し上げます。  この3月から4月にかけて3例の脳死下での臓器提供事例が発生しております。まず 5例目でございますが、平成12年の3月28日に発生した事例でございますけれども、こ れにつきましては心臓、肺、肝臓、腎臓の提供をしていただいております。それぞれが ご覧の資料3のような施設に送られて手術が行われておす。  同様に第6例目につきまして平成12年の4月15日に発生しておりまして、この方につ きましては肝臓のみ京都大学付属病院に送られております。第7例目でございますけれ ども、4月の25日に発生しておりまして、このケースでは心臓、肝臓、腎臓、膵臓が臓 器を提供していただいております。この際に膵腎同時移植が行われております。  資料の4でございますけれども、第5例目につきましてはこの症例について「脳死下 での臓器提供事例における検証会議」というものが開催されまして、これについて検証 が行われております。その資料に書いておりますような検証作業を行っております。  内容につきましては様々な資料を用いまして診療録、あるいは頭部CT等を用いまし て検証を行っておりまして、この結果、検証会議の評価というものをいただいておりま して、それでは脳波測定、及び膵臓のレシピエントの意思確認に非常に時間がかかった ということ、この2点について不適切な問題を認めております。ただし、その後の慎重 な検証作業を行っていただいた結果、まず、ドナーは医学的に脳死であることが十分に 判断された。膵臓のレシピエントの意思確認につきましては、これについて時間が要し たとしても結果的に大きな障害になることはなかったということでございました。  総合的な評価としていただいものは救命治療は妥当であり、脳死判定及び脳死下での 臓器提供は概ね適切であったというものが、この5月18日の埼玉医大の藤原ケンジ座長 を座長といたします会議で行われた結果としていただいております。以上でございま す。  黒川委員長  ありがとうございました。これについては、これは第三者機関を新しく作っていだた いて、委員、そのあり方、現在の法制上の責任体制、事務局のあり方、人選のあり方、 その他について随分、ここでご議論いただいたわけですが、それで作ることについては 認めていただいて、我々はもともとのこのあり方についてのいろいろ議論する会に戻っ たわけでありまして、ちょうど5例目で出たというか、5例、6例、7例目にちょっと まにあって形成されたというのでは大変ありがたかったと思うのですが、結果的には。  この辺の委員会、及びこの委員会の報告、その他について何かご質問、コメントござ いますか。  井形委員  7例出て成功していることは非常に結構なことで喜ばしいことだと思いますが、今か ら検証が報告されますけれども、実際、新聞なんかには臓器提供病院とか、何歳代の男 性、女性、それも本人の希望で公表しなかったりなりますね。ただでさえ、密室性とい うことを嫌というほど、批判されながら実施に移されたわけですから、この委員会に報 告されるにはせめて新聞で公表された項目ぐらいは正式の委員会に報告されるのが、概 要だけですから、あるいは報告書が出ればそれでわかるのですけれども、せめて公表さ れている施設病院とか、何歳代、そういうことぐらいは記載していただいた方がありが たいと思います。  次回で結構ですから、あるいは報告書で結構ですから、なるたけいよいよ密室に入っ たという批判を受けないためにもそういうことが必要ではないかと思います。  黒川委員長  先生のご意見、大変そうだと思いますが、その他にこれに関したこと、あるはその他 のことでも結構ですけれども、ご意見いただきたいと思いますが。  この第三者機関のこれの検討のプロセスというか、この委員会そのものは公開されて いるわけではないのですね。  岩崎補佐  これは非公開でございます。  黒川委員長  非公開ですか。前まで4例までは公開されて、この場で皆、CTだ何だというふうに やっていましたから、かなり公開性については非常に公開されていたという感じがする のだけれども、そうなると多分、特に報道機関の方は今日、聞いている人がたくさんい るのだと思うのだけれども、どうなっちゃったのかなという気分を持っている人もいる かもしれないし、それについては何かご質問、あるいはコメントありますかね。  その第三者機関のあり方、どういうふうにするかという話はこちらが言う話ではない のだけれども、何かありますか。確かに今、井形先生、おっしゃったとおりでそういう 基本的な線は何らかの格好で担保した方がいいのではないかなと私は思っていますけれ ども、この委員会自身がまた公開しちゃっていますから、特にそういう感が強いのかな という気はしないでもないけれども。  岩崎補佐  検証会議につきましては現在、報告書をまとめて、これはかなり詳細なものになると 思いますが、それはでき次第、すべて公表するということがまず1点ございます。  5月18日の会議が終了後に記者会見を開かせていただいておりまして、藤原座長から すべてこの事例についてのご質問に答えるという形でご説明をしております。今日は若 干、症例が重なっておりましたのでやや簡略した形で資料を出しておりますけれども、 より詳細な形で例えば患者さんの入院時からのずっと経過等について患者さんのご家族 のご了解の下に、その記者会見のときには提出してプレスの方々にもご説明をさせてい ただいております。  黒川委員長  その他にどうですか。これについてはその他に基本的にやはり脳死臓器移植のあり方 に関する問題にも関わりかねない問題なので、その辺を十分ご留意いただければなと思 います。  藤村委員  ただいま、これは公表される予定だということでございますが、今日の資料4でござ いますか、このぐらいの内容ではいささかこの会議では何かわからないということがご ざいまして、やはり多少はその経過ぐらいは少しはあった方がいいかなという気がする のですが、いかがでございましょうか。何もこれで我々がどこかに持っていって発表す るわけでもございませんし、ちょっとは詳しい内容をお願いしたいと思いますが。  黒川委員長  これは事務局としてはどうですか。事務局はその第三者機関の事務局を責任持ってや っているという法律的根拠はないのだけれども、さしあたり事務局をやらせていただい ていますという格好なのだよね。確か。違う。  朝浦室長  第三者検証機関は厚生大臣の私的懇談会という形式を取っておりまして、私どもの方 が事務局をやらせていただいております。そういう意味では責任のある事務局として機 能しているつもりでございますが、その第5例目から第7例目に対する、これまで発表 したレベルでのまとめというものは作っておりませんで、それはまた次回にでもご報告 をさせていただくつもりですし、第5例目の検証会議での結果については公表するとい うことが約束ですので、それはご家族の了解を得た上で公表したいというふうに思って います。  黒川委員長  そうですね。藤村先生もおっしゃったように藤原委員長から向こうの委員会に言って 例えばドナー側のこと、ネットワークの機能、時系列で何が起こったというような話は 今までずっと出していましたし、多分、そのぐらいのことは何も構わないのではないか という気がするので、おそらく向こうの委員会で差し支えなければこういう結論が出る 前でもいいけれども、こんなことでやっておりますよという話があった方が多分、いい のかもしれないので、その辺、ちょっと検討しておいていただけませんでしょうか。  その他に何かございませんでしょうか。桐野委員、何かないですか。これについて。第 三者検討委員会からの報告。大島先生、何か。  大島委員  いいえ。  黒川委員長  大塚先生。  大塚委員  結構です。  黒川委員長  いやいや、何か言ってください。  大塚委員  強いて言わせていただくならば、第三者検証会議ができたときに、この委員会でなぜ 作るのかという問題がありましたよね。そういうことを皆さんが賛成してお作りになら れたのなら、この検証会議に下駄を預けた形になっちゃっているわけですね。我々のこ の委員会は。だから、こういうことになってしまうのであって、もしも、先生方がおっ しゃったようなことがあるならば藤原会長か委員長か知りませんけれども、来ていただ いて、その模様でここできちんとお話しなさるとか、そういうことをしていただかない と先生方の言っていることは全く無駄だと思います。  黒川委員長  小泉委員、何かございますか。小泉先生は何か関わっているのかな。関わっていませ んか。  小泉委員  関わっておりません。  黒川委員長  そうですか。いろいろネットワークの機能について先生に随分、検証していただいた から。矢崎委員、何かございますか。  矢崎委員  ございません。  黒川委員長  そうですか。町野先生は。あとはいいですかね。谷川先生。どうぞ。敢えて言わせて いただければというのでも結構でございますから。  井形委員  せめて経過が順調であるとか、そのぐらいはやはり書くべきで、成功しているとか、 やはり概要には成功したということが非常に大事なことですからね。  黒川委員長  これ、最初のことだったので事務局もどの程度、何を対応していいかなというのも迷 っていたところがありますので、多分、ここの委員会の雰囲気では4例目まではもう公 開された場所でビデオまで持ってこられて、録音テープまで皆、こっそり回している人 もたくさんいたと思うのだけれども、そこまでやっていたのにちょっと落差が大きいか なということがあるのかなという気もあるので、その辺をちょっとぜひ、そちらの委員 会に伝えていただいて、事務局の方もどういうふうにしていったら、せっかく先生方、 おられるわけですから、どの程度のご意見をいただけるかという話も含めて検討してい ただいた方がいいのではないかなと。  これだとちょっとあまりにも鼻を括ったような資料だから、先生方もちょっと意外だ と思ったのかもしれませんので、その辺、ちょっと考えていただきたいというふうに思 いまして、これを報告事項ということについてのコメントということでよろしいでしょ うか。そのようにさせていただきます。  それではその次の報告事項で1に戻りまして、ちょっと待ってください。石井先生が 来られたから小腸のレシピエント、議題にいたしましょう。ということで小腸のレシピ エント選択基準というのがあります。これについては従来からドナーカードにもあるよ うに小腸は脳死、臓器移植の対象になっておりますが、実際の実施につきましてはいろ いろなご経験、あるいは実施につきましては京大の田中委員、その他の方で鋭意検討さ れておられるわけですが、この選択基準について委員会の方で検討していただいたとい うことでございます。これにつきましては今日はその委員会をやっていただきまして、 石井先生の方からということでよろしいですね。石井先生に来ていただいておりますの で、石井先生の方からお話をいただきたいというふうに思いますが、まず、それにつき まして事務局の方からそれではよろしくお願いします。  岩崎補佐  それではご説明させていただきます。小腸につきましてはさきほど座長からご説明あ りましたようにカードに書いてあるけれども、移植ができないと。できないというか、 準備が整わなかったというところでございましたが、先週、移植関係合同委員会の方で 適用評価基準というひとつのネットワークに登録するための事前の基準が作成されたと いうことになりました。  これは基準というのは今回、2つございまして、適用評価基準でまず、患者さんが移 植に適応するかどうかということを評価していただいて、それをもとにネットワークで ではどのような順位づけで臓器が提供されるのかというところでございます。従来、適 用評価基準というのは移植関係学会合同委員会で決めていただいて、この選択基準、順 位づけの部分をこの専門委員会で決めるというようなところでやってきておりました。  そのような経過の中で適用評価基準を決める中でいろいろ小腸関係の先生のご議論を いただいたところ、選択基準の方で若干、手直しをしていただけないだろうかというよ うなご要望をいただきましたので、平成9年10月にこれが出ておりまして、まだ、それ 以来、1回も改正はしていないというところもございまして、この資料についておりま すようなご希望があってというようなところでございます。以上でございます。  黒川委員長  では、石井先生の方から資料に従ってご説明いただいてよろしいでしょうか。先生、 お忙しいのにありがとうございます。よろしくお願いします。  石井先生  本日、参考人として出席させていただきました慶應義塾大学の消化器内科の石井でご ざいます。よろしくお願いいたします。  一昨年、平成10年の10月に移植関係学会合同委員会の森亘委員長の方から一番後発に なっている小腸移植に関しても早く立ち上げるようにということで、私が内科学会から の代表としてその合同委員会に出席しておりまして、私にまとめ役をやるようにという ふうに言われまして、約2年、実際には平成10年の10月にご命令があって、平成11年の 12月24日、昨年の12月に実施施設を全国で9施設、決定していただきまして、その後、 今年に入って小腸移植適応評価委員会を立ち上げてこの5月までの間に3回の委員会を 開きまして、小腸移植の適応評価基準というものを作成いたしまして、先週の月曜日、 5月22日の合同委員会においてその適用評価基準を合同委員会でご承認いただきまし た。  そのときにいろいろ議論がございまして、皆様方のお手元にある資料2にまとめさせ ていただいたような形で、ひとつ、選択基準の中でこの資料2の2頁目にあります選択 基準、これはもう既に平成9年の10月16日付で厚生省の医療局長通知として出ているも のでありますけれども、その中の適合条件1の(4)、CMV抗体に関する記載であり まして、そこにCMV抗体陰性(日本人の成人中では極めて少ない)、この陰性者の移 植希望者、レシピエントに対しては、CMV抗体陰性のドナーであることという記載が ございまして、この点が現状に必ずしもそぐわないのではないかということの議論が起 きまして、その選択基準の中でここの部分がそのまま生かされるといろいろな点で今後 小腸移植を受けるレシピエントが小腸移植を受ける機会が著しく狭まる可能性があるの ではないかということがございまして、そこのところをこの資料2の修正案にございま すような形の表現に改定するのが妥当ではないかというようなことで、合同委員会の方 ではこのように了承を受けました。  すなわちこの修正案についてご説明いたしますと、まず、現行案は今、私が最初に申 し上げたような形でCMV抗体陰性のドナーであること、臓器提供者であることという ところを、修正案におきましてはCMV抗体陰性の移植希望者に対してはCMV抗体陰 性のドナーであることが望ましいと。そしてこれは移植担当医の判断に委ねるというふ うな表現に変えていただけないかということで本日、この臓器移植専門委員会にお諮り してご議論の上、ご了承を得たいというふうに至ったわけです。  このように変更する理由としては、この4番目の医学的理由というところに記載して おきましたけれども、サイトメガロバイラス感染は早期診断法、あるいはガンシクロビ ルをはじめとする治療薬等の確立によって治癒可能であること。CMV抗体陽性のド ナーからCMV抗体陰性のレシピエントへの移植ではCMV感染の発症率が高いという 従来の考え方がその後のデータの集積によって否定的であること。さらに、3つめの理 由として、日本人の成人では90%以上がCMV抗体陽性であって、現行の基準ではCM V抗体陰性のレシピエントが小腸移植を受ける機会が著しく狭めているということ、こ のようなことを理由にこの表現の一部を改定していただきたいというふうにご提案申し 上げる次第です。以上です。  黒川委員長  どうもありがとうございました。ポイントとしては従来、小腸移植のドナー等でレシ ピエントの選択とドナーの適応基準ということについてはいろいろな研究会、あるいは 研究班、その他で出ておりまして、それをオフィシャルに認めるということであります けれども、今、このCMVについてこの検討委員会としてはちょっとプラクティカルで はないのではないかという話で以上のような医学的な理由に基づいて修正案を出される ということでありますので、これについてご議論いただきたいということであります。  どうぞよろしくお願いします。実際に、しかし、移植に関わっておられる方から言う と、他の臓器でも同じことがあるわけで、それについては現在、どうなっていますでし ょうか。事務局の方からお願いします。  岩崎補佐  CMVにつきましては記載のあるものとないものの両方ございまして、絶対的に必ず ネガティブな患者にはネガティブなドナーしかないというものの記載があるのは小腸だ けでございます。心臓と肺だけは望ましいという表現になっております。その他のもの については記載はございません。  黒川委員長  実際に移植をされているドクターの側から言うと、CMVのトランスファーがあり得 る、新たな発症が起こり得る、特に免疫抑制をするという話から言うと、そういうこと についての対応、この修正案についての何かコメントありましたか。田中委員、どうで すか。  田中委員  小腸の場合ですとまだ成績が他の臓器と比べたら年々、まだ向上している段階でして その当時の成績から申しますとこのことが強く指摘されたのですね。CMV抗体陰性の レシピエントにCMV抗体陽性からのドナーから入れると成績が悪いということが報告 されてこういうことになったのですが、その後のいろいろな施設からの報告を含めて十 分、対応ができるというような方向づけもありまして、石井先生のご説明に敢えて追加 すればそういう報告が多くなったので、敢えてマイナス、マイナスということでこだわ る必要がないであろうというのが移植施設としてそういう考え方でございます。  特に子どもの場合にCMV陽性が多いのですが、そういう場合にCMV抗体、ドナー がマイナスということになりますと、子どもは大変狭められるということで委員会の一 人としてもこういう方向でいいのではないだろうかと考えております。  黒川委員長  大人でも日本人は90%以上、CMV抗体陽性ということだから、子どもでなくて一般 に陽性が圧倒的に多いということでよろしいですか。実際に臨床の現場としては大島先 生、どうぞ。  大島委員  腎臓の方では特段の規定はございません。ただ、私たち、実際に行う場合に陰性のレ シピエントの方の場合にはちょっと余分に注意して見ます。随分、いい薬もでき予防的 な手段もかなり進歩してきておりますので、臨床症状をチェックしながら十分に対応が できるという状況になってきているというふうに思っております。  黒川委員長  藤村先生の方から何かありますか。  藤村委員  私の方も特に今、お話したようなことでございまして、特にそれほど重視してはおり ません。  黒川委員長  ネガティブのレシピエントの場合、十分に臨床症状、その他について注意しながら早 めにそれを考えていないと見逃しちゃうということで、それが診断がつけば今、免疫グ ロブリン、その他、ありますので対応できるということでよろしいですか。どうぞ。  藤村委員  ただ、肺の方も望ましいとはしているのですけれども、例えばレシピエントの方が同 じレベルでいた場合に、どっちの方に優先順位になるかなんていうことになると、これ はどういうことなのでございますか。ネットワークの方にちょっとお聞きしたいと思う のですが。  菊地委員  優先順位の中にはCMV、ネガティブ、ポジティブのものは入っておりませんので、 移植施設に連絡を行って先生方の意見を伺ってということになると思います。  黒川委員長  そうすると、これは移植する先生方の判断に今、他のもそうですけれども、よること になるわけで、今までもそうですけれども、そういうことだから一番注意されているの はやはりレシピエントを持っている先生方、登録される先生方の方かなという気はしま すけれども。  レシピエントとしては抗体の検査は一応しているわけですね。ドナーが出たときにど うするかという話は。これを訂正すればどういうふうになるのかな。望ましいか。  野本委員  よろしいですか。現場のリーダーやっていまして、ことと書かれていますとこれは絶 対守らざるを得ないのです。野本の野郎、堅いことばかり言ってフレキシビリティがな いとよく怒鳴られるのですけれども、医療現場、移植現場の人に。ことと書かれておっ たらフレキシビリティもくそもないのです。ことはことなのです。  望ましいということになると、それは医療、実際、移植現場の先生が自分のところの 患者さんの状態を考えて判断をしてくださると。それで、いや、うちの患者さんはこれ 降りると言えば次の候補を持っている先生に相談をすると。これはできるのです。ただ ことと書かれておったら、いくら文句を言われても私はルールを守らせますので、すみ ませんけれども。ということであります。  黒川委員長  という扱いになるのかなということでありますが、いかがでしょうか。では、そのよ うに見直させていただいて石井先生の委員会に従って望ましいというふうにさせていた だくことをご了承いただきたいと思います。どうもありがとうございました。  ちなみに、今、野本先生がおっしゃいましたけれども、現場のリーダーと、今、移植 ネットワークの副理事長をやっておられますが、ご存じのように4月1日から本職がな くなってしまったので、と言っては変ですけれども、何かある度にさっと東京に来てお られてもうずっと出ずっぱりでございますので、そういう意味では前から出ずっぱりで したけれども、本業がなくなっただけ皆さん、気楽に来ていただいているので得かなと 思いますが、またよろしくお願いします。ですよね。先生。  野本委員  仕事はあるけれども職はないというのが現実でございますから、何なりとお使いくだ さって結構です。東京でプータローをやっておりますから大変暇でございます。  黒川委員長  本当にそういう意味ではネットワークの人材の不足とかいろいろありまして、やはり メディカルアドバイザー、いろいろな話がおけるかおけないかと、財源の問題とかあっ たわけですが、そういう意味では野本先生には大変悪いのですけれども、財源なしで人 だけ貰っているという感じなのかなと思っております。ちょっとこれは余計なことです が、本当に野本先生にはご苦労かけているなと思っているところであります。  それでは次の報告事項にまいりましょうか。報告事項の1番の肝臓の移植実施施設と いうことであります。これについてはいろいろ報道でもうご存じかと思いますが、森亘 先生が委員長をしております移植関連学会合同委員会というところで承認されてくるプ ロセスでございますが、これについて事務局の方から説明をお願いします。  岩崎補佐  資料5をご覧ください。脳死した者の身体から摘出された肝臓の移植実施施設の拡大 について。さきほどからお話が出ております5月22日の移植関係学会合同委員会で決定 した事項でございますが、現在の信州大学付属病院と京都大学付属病院の2施設から選 定後、9施設。プラス7施設でございますが、この枠で囲っております7施設が新たに 肝臓の移植実施施設ということで決まっております。  ただ、実際にはこれは臓器移植ネットワークに登録するという手続きが必要でござい ますので、もうちょっと時間がかかると。学内の手続きを経てというところでございま す。以上でございます。  黒川委員長  はい。どうもありがとうございました。こういうことですが何かコメントを。はい。 どうぞ。  谷川委員  私も合同委員会の委員の一人でございますし、また、施設が増加するという事例、初 めてなものですから、どういうプロセスで増加したかということ、簡単にご説明申し上 げますと、ひとつは先進国に比べてはるかに肝疾患が多いので、そういう移植希望患者 が多いわけですけれども、ひとつは年間200 例を超す生体肝移植が日本であって、テク ニカルにできるところが大きくなったということ。  もうひとつは、例えば劇症肝炎という病気がありまして、これは早く患者さんを移植 施設に移さなければいけない。例えば九州大学は今まで40数例の生体肝移植ありますけ れども、そのうちの13例が劇症肝炎だということで劇症肝炎を救うことがこの移植の医 療で最も重要だと。  こういう背景があって一応、増やさなければいけないということで何回も森亘先生に 交渉したのではなかなか会を開いていただけませんでしたけれども、最終的に9施設に 増加していただいて、実は26施設希望があったのですけれども、それを7施設に絞ると いう段階でどういうファクターを重んじたかと申しますと、ひとつは、生体肝移植が今 までどのぐらいあるかということ。もうひとつは外国でどれだけの経験があるか。3番 目にはその施設が腎移植の経験がどのぐらいあるかと。  こういうことを中心として、それに地域性というものを選んだわけでございまして、 これはもちろん将来的には26施設、希望があるところ全部やるという方向でありますけ れども、今、ドナーが非常に少ないということで、このぐらいで一応は満足できるので はないかと。半年乃至1年のうちにまた見直して増加する必要があるかどうかというふ うに決めようと、こういうことであります。以上です。  黒川委員長  なるほど。そういうプロセスであります。リストを見ると皆、国立大学というのと、 旧帝国大学が皆、入ったのかなという感じもしないでもないのだけれども、どうでしょ うか。  谷川委員  いや、特別、そういう意図があったわけではない。ただ、やはり外科の先生はじめ、 非常に希望者が多いので、半年乃至1年間後にまた見直すということが一応、条件にな っています。以上です。  黒川委員長  また、こういう大学はやはりそれだけの経験を積むにしろ、そのバックグラウンドと いうか、背景の施設、人材、その他に比較的できているということもあるのかもしれま せんね。何かその他にございますでしょうか。  井形委員  もちろんこの施設を広げることについては賛否両論があるわけで、ひとつはもうオー ルジャパンチームで1か所か2か所限定してやるべきだというのと、北海道の人がなぜ 信州や京都まで運ばなければいけないのかと。患者さんに対するあれ。生体肝移植とい う特殊な事情がありますから、これはこれで私も異存はございませんけれども。  最初、決めたときはスタートするにあたって差し当たり、最初の数例は施設を限定す るということ書いてあったと思うのですね。他の臓器についてうちも心臓、やらせろと いう議論はあったのかどうかですね。差し当たり、他はもう肝臓だけがこれで、例えば 肺も今の指定のもので当分いくのか、あるいはいわゆる3年後の見直しというものにこ ういうものも当たり前のことになるのか。そのあたりちょっと両方、ご存じだったら厚 生省の方から教えていただきたい。  岩崎補佐  私どもは特に存じあげておりませんが、様々な学会の集合体でそういうような議論を 行うシステムになっておりますので、このような例を見て先生方がこれからもますます こういう議論はされるのではないかなというふうに考えております。  黒川委員長  その他に。  谷川委員  よろしいですか。はじめの臓器移植の出発の心臓と肝臓の後で合同委員会で他の肺と か他の臓器がやはり討議されたときは、その後はもう希望、それぞれの移植学会が認定 された全部、認められて、これはいいかどうかは別としてそんなことで多少、心臓、肝 臓、一番多いのが一番少なくなったということで大変、そういう意味てアンバランスな のですけれども、ただ、私も思いますのは、やはり移植施設が少し増えるということに なるとやはりドナーも多少、自分の近くでできるということ、ドナーもたくさん出ると いう可能性も期待してのことと思います。  黒川委員長  その他にコメント。  野本委員  よろしいでしょうか。コメントでも何でもないのですけれども、2か所から肝臓が9 か所になるということになりますと、ネットワークの対策本部というのは、また頭の痛 いこと、山ほど起こります。  一生懸命努力はしますし、コーディネーターの職員も働いてもらうし、それだけの覚 悟はしているのですけれども、移植関係が患者さんを移植関係に回す、内科の先生方も とにかくあまりフレキシビルに行動せよとか、ご無理を申さないようにお願いいたしま す。私どもはルールを守って、そのとおり実行する。私どもというのは対策本部長とし ての決められたルールをきちんと守って国民とのすり合わせをしていくのが役割だと考 えております。  ときには1例でも多くすることの方が大事だという批判を受けることもあるのですが 今の段階ではそれよりも国民レベルでの信頼を確保する方が私は大事だという気持ちで 指導しておりますので、何分とも、無理を言われても聞きませんので。  黒川委員長  ありがとうございます。はい。どうぞ。  大久保委員  さきほど事務局の方からは肝臓に関しましては各学会で議論されているということで お話が全くなかったのですが、心臓が非常に大きな問題だと思うのですね。肝臓が9施 設に増えて、心臓がまだ、3施設ということです。今後の問題としてそういった議論が どのように今の状況で進んでいるのか。もしも、ご存じでしたらちょっとお話をいただ ければと思います。  黒川委員長  矢崎委員かな。  矢崎委員  心臓に関しましてはやはり脳死臓器移植で心臓がやはり一番のポイントだということ で、谷川先生と私が森先生の合同委員会で施設の選定を大変厳しく、それぞれに詳しい 申請書を出していただいて、相当、4日がかりで施設も見に行って、それで決めさせて いただいたのです。  ただ、本当に国循と阪大の先生方のご努力で幸いにも移植された患者さんの経過が非 常にいいということで、少なくとも最初、マスコミの方が問題にした移植医の自分らの 方針でやっちゃうのではないかという懸念が実際に行われるとそうではなくて、ドナー の方のインフォームド・コンセントとか、取り出すところに問題があるのだというふう に私どもも実際はそうだと思っていたのです。最初は移植医の問題ということで、そこ にフォーカスが当たったために我々はもの凄い苦労して施設の認定などをしたわけです けれども、今、むしろドナーサイド、救急の先生方のご苦労が一番大変だということが わかってきました。  心臓に関してはやはり手術的にはある程度、クリアできたのではないかということで 機会があれば肝臓と同じように少し見直しが必要ではないかと。ただ、肝臓は生体肝移 植が行われていますので、そういう意味では比較的、肝臓の先生方は施設の拡大につい ては自信を持って言われるところがあるのですが、心臓に関してはそういう部分がござ いませんので、今すぐというわけにもいかないと思います。  ただ、さきほど座長の黒川先生が何だ、これは国立旧帝大だというお話されましたけ れども、心臓移植に関してはやはり大勢のスタッフがいて、しかも、肝臓と違って重症 心不全ですから、患者さんを長期間慎重にフォローアップして、その後で心臓移植、ド ナーが出たときにネットワークで選ぶわけですので、肝臓の場合ともまたちょっと違い ます。その施設の見直しというのがやはりしなければいけないのですけれども、肝臓の 施設ほど、スムーズにいくかどうかというのは問題があると思います。  しかし、近畿地方に全国のドナーの心臓がいっていますのいで、こういう状態がいつ まで続くかということもやはり今後、考えていかなければいけない課題だと思います。 ですから、もう少し時間を置いて、また仕切り直して議論をさせていただきたいという ふうに思っています。  黒川委員長  ありがとうございました。矢崎先生のご説明でおわかりかと思いますが、肝臓と心臓 というのは似ているようで実はその背景にもいろいろな違いがあるというような話もあ るわけで、肝臓が増えたから、さあ、心臓だというわけにもいかない事情もご理解でき るのではないかなというふうに思います。  これはもう本当に学会の対応もそうですが、もうひとつ大事なことはやはり最初、そ の施設にいて凄く大変にやっていただいて、多分、最初のときは心臓移植の申請が11ぐ らいあったのですよね。それをこれだけ絞ってやっているというのはそれなりの理由が あるわけで、やはりオールジャパンでやっていただきたいというような話を注文をつけ ていたのですが、実際に脳死移植が去年からやってみると、実際に摘出から何から本当 にオールジャパンでボランタリー、そんなこと言わないうちにどんどん皆、先生の方が やっているという事情がありますから、おそらく広がったからと言って従来と同じよう におそらくオールジャパンの対応でやっていただけるという話の動きになっていると思 うので、そういう意味では大変、谷川先生、おっしゃったような患者さんの地元にそれ ほど遠くないところにも広げてもいいと言っても、おそらく今までどおり、摘出の先生 方、誰か行かれるとか、いろいろなことがあると思います。  心臓にはそうは言ってもまた違った事情があるというのも今のご説明で非常にはっき りしているのではないかなと思いますので、またよろしくお願いします。  その他に。はい。どうぞ。  大島委員  私、移植学会の支援体制の責任者をやらせていただいていまして、前回の移植学会の ときにもこの拡大の問題が理事会で議論になりました。最初、スタートのときはいわゆ るオールジャパンをどう作るかというのが非常に大きい議論で、どういう体制に持って いくかというのは徹底的に議論しまして、いままでは移植学会の中でもそこそこいけた のではないかというかなり自信を持った評価をしておりますが、次のステップはやはり 拡大のときだと考えています。拡大のときにもう一度、支援体制をきちんと見直してど うするのかということを考えなければいけないという議論をしておりまして、きちんと やろうというコンセンサスを得られております。  黒川委員長  そういう意味では今までの対応については本当に移植学会のリーダーシップもあった と思うのですが、それぞれに関わる先生方が本当にボランタリーにオールジャパンを形 成してやられたという非常に社会的にも評価が高いと思います。そういうわけでこの伝 統が新しい時代を作っていくのではないかなと思います。よろしくお願いします。 そ の他に。特にございませんでしたら、それではこのような施設の拡大についてお認めい ただいたということでございますので、報告事項ですがお認めいただいくという報告を させていただきます。  それでは臓器の提供施設についてという議題の3、報告事項の3でございますので、 事務局から資料に沿って説明をお願いします。  岩崎補佐  昨年に引き続きましてご報告させていただきます。資料の6でございますが、臓器移 植に係る医療施設の整備状況に関する調査を昨年の4月締めで、今年も4月15日締めと いうことで4類型の施設に行いました。393 施設に対してございます。その結果でござ いますけれども、総数が該当施設数、393 施設。これは昨年より40施設増加しておりま す。それぞれの施設が増加しておりますけれども、大学付属病院以外は増加しておりま すけれども、最も増加数として多かったのが日本脳外科の神経外科学会のA項、これが 40施設程、増加しております。重複がございますので、これだけでトータルを賄ってい るというわけではございません。  1頁めくっていただきますと、回答内容で有効回答数が391 。既に臓器提供施設とし ての体制を整えているという比率が82.9%ということでございます。昨年は70%であっ たことから非常に体制は着実に上がってきているというようなことではないかというふ うに思います。それぞれの大学付属病院、救急医学会の指導医指定施設、脳神経外科学 会のA項、救命救急センターと、それぞれの項目で数値が10ポイント乃至20ポイント近 く上がったというようなところでございます。以上でございます。  黒川委員長  というような状況でございますが、これについて何かご質問、コメントございますで しょうか。桐野先生。何かない。いいですか。どうぞ。山谷さん。  山谷委員  大変にポイントが上がりましてご努力を想像して感謝しているのですけれども、整え ておらず、今後も整える予定がないというのが1%、これはどういう理由なのでしょう か。  桐野委員  その点についてコメントします。脳神経外科施設の中には比較的慢性的な病気だけを 扱う癲癇の専門病院とか、そういうのがありまして、そこには事実として脳死症例が入 ってきませんので提供施設となることを考えておられないということだと思います。つ まり救急患者を受け入れておられない。  山谷委員  それでも何か提供施設として、では、外せばいいという、そういう考え方では。  桐野委員  A項というのはむしろこういうことではなく、脳神経外科医の専門医養成施設として 認められるところでありまして、救急患者をしているとか、していないとかという基準 とは違いますので。  黒川委員長  だから、その中でそういう体制もあるからやってもいいというところもあるし、それ をやらないというところはもともとそういう患者さんを扱っているところで、脳神経外 科としてはそういう病気の人たちも扱っているので、そういう体制であるというご説明 なのではないかなと思います。よろしいでしょうか。  その他に。いろいろドナー側の問題としては救急施設の先生方に実際、今までの症例 についてのヒアリング、その他もいろいろな問題点も対応も大変だし、オペ室とか、い ろいろな話のお話を伺ったわけですが、これだけの施設が前向きに考えておられるとい うことは、にも関わらずやはり臓器移植の社会性というか、認知度が上がってきたのか なという気もしないでもないですが。大塚先生、何かございますか。  大塚委員  特にございません。かなり前回よりも成績がいいなというふうに思っているだけで す。  黒川委員長  そういう意味では救急施設側の先生方のやはりご理解とサポートがかなり前向きにな ってきているのかなということを表しているのかなという気もしますけれども。  山谷委員、他にありませんか。町野先生、どうでしょうか。その他にはどうでしょう か。はい。どうぞ。  野本委員  また、ネットワークの対策本部長の考えですけれども、提供を協力してくださる施設 が増えてくると、全国に提供のチャンスが増えるというわけなので、肝臓以下の臓器に 関しては何とか時間でやりくり、どこでもできると自信があります。  しかし、心臓の場合は場合によると時間のことで提供していただけないということが あり得ると。それはもう移植施設、提供施設の先生方やら、いろいろなところの人とエ マージェンシー的に対応して考えさせていただいて、これは無理だということを強引に 押すということはしないということが起こり得ますので、そこもひとつご了解いただき たいと思います。これは無理をやりますととんでもないしくじりになるので、そこだけ はご理解いただきたいと思います。  黒川委員長  そうですね。これ、ちょっと、事務局に伺いたいのですけれども、後ろの了承した施 設のもちろん数はわかっていますけれども、各都道府県に少なくとも2か所以上になっ たということですか。多分、そんな感じがするのだけれども。1か所というところはな くなったのですよね。これだと。  岩崎補佐  前と比較しておりませんけれども、今回はおっしゃるとおりでございます。  黒川委員長  全くない都道府県というのはないのね。  岩崎補佐  はい。  黒川委員長  そうですか。そうすると少なくとも2か所はあるというふうになるのかということで すね。よろしいでしょうか。  では、これは報告事項ですのでこのようになっていたということで、インフラが特に 臓器提供側の救急の先生方のご理解が進んでいるのかなということかと思って、大変あ りがたいことではないかなと思います。にも関わらず、ネットワークとしてはいろいろ な対応についての増えたからすぐに何でもうまくいくというわけでもないかなというご 意見、ご要望が野本委員の方から出ていたということでございます。  さて、その他、これについて何か一般的なことでよろしいのですが、何かご意見あり ますでしょうか。町野委員、何もない。一言ぐらい何か。山谷委員、何かないですか。 その他に。  山谷委員  結構です。  黒川委員長  はい。どうぞ。  井形委員  臓器移植法によりますと3年後に見直しすることとということになっておりまして、 3年が今年にあたっておるわけですね。今、ネットワークでは今までのデータを整備し て問題点がどこにあるかということをまとめはじめたわけでありますけれども、具体的 に今、議員さんは選挙でそれどころではありませんが、議員立法というのは議員さんの 方から見直し点を指示したり、指摘するプロセスを取るのか、あるいは厚生省がイニシ アチブを取ってあれをするのか、議員の方から何も指摘がなければ見直しはないという ことになるのか、そのあたりのことをちょっと教えていただければ。  黒川委員長  これは大変的確なご質問ではないかと思いますが、事務局の方からよろしくお願いし ます。  朝浦室長  臓器移植法自体は先生方、ご承知のように議員立法という形で成立をされておりまし て、その前身の角膜移植法、角腎法もすべて議員立法という形で成立をされておりま す。議員立法は議員立法でしか改正の方法はないかと、そういう決まりはございませ ん。いろいろな形態があろうかというふうに思っております。  ただ、具体的な仮に法律改正をするにしても、具体的な中身がどういうものなのかと いうことにも非常に関わってくる問題であろうと思いますし、実際、現在、見直しの項 目として子どもからの臓器摘出について認めてほしいという意見もあり、また、これに 反対する意見も実は厚生省にも両方の意見が届いているところでございます。  こういった子どもからの臓器摘出を含めて臓器移植の問題というのは極めて社会的な 関心も高い分野でございますので、やはり国民全体の幅広い検討なり、議論が必要にな ってくるのではないかなというふうに思っております。  ネットワークの方でもデータ整理のような形で委員会を立ち上げられて議論されてい るというふうに聞いておりますし、また、移植学会合同委員会においても先日、移植の あり方についての小委員会も開催を決められたというふうに聞いております。  今後、そういったいろいろなところでご議論が始まっていくのだろうというふうに思 っておりますけれども、そういった状況を見ながら政府として対応を考えていきたいと いうふうに思っております。  黒川委員長  いかがですかね。  井形委員  結構です。  黒川委員長  結構ですというのはご理解いただいた。何か難しいですね。確かに議員立法だとどう なるのかとか、やはり世論の動きがどうなのかとか、いろいろな話があってプロセスは 非常に難しいのかなという気もしますが。はい。どうぞ。  大久保委員  そうすると厚生省としては直接、何らかの形でアクションをするということはないと いうことですか。  朝浦室長  現時点で具体的にこうするという公式見解を持っている状態ではございません。  黒川委員長  これもだからどういうふうになっていくのかなというのは、1回できると見直しの動 機になる動きというのは何なのかなということなのかなと思いますけれども。 この辺 は今日、聞いておられる報道の人たちもいるのだけれども、確かに最初のときでもそう ですけれども、賛成もいれば必ず反対もいるわけで全員が賛成なんて話はあるわけない ので、その辺が子どもの脳死の問題、子どものレシピエントをどうするかという問題が 必ずあるわけで、どうなのかなという話なのかなと。  日本の場合は不思議なことに法律の90%が、95%が行政府が作ってやっちゃっている という話だから非常に変な国ではあるのですけれども、立法の方の法律を作っていく能 力、サポート、歴史的に多分ないのでしょうね。あまりそういうことが。と思いますけ れども。これはだんだん変わっていくのかもしれないし、そうすると民意をどうやって 反映させるかというプロセスがまだ成熟していないのかなと。何かしなければいけない のではないかなという気はしますよね。そんなことかなと思います。  あと、前からこれの専門委員会での課題はそれがひとつと、もうひとつは脳死の移植 の報道のあり方についてもちろんこちら規制したくはないのだけれども、だから、報道 の方がどういう対応するかという話は前から投げていますけれども、これもだんだん普 通のところに何となく落ちつくのかなという、最初、騒いでいたのはいったい何なのか という話になりかねないなという気はしますね。  それが今度、話がずれちゃうけれども、小渕首相のときの報道はいったい何なのかと いう話になっちゃって、医師団が発表しないのは何とかだなんて言っているけれども、 ちょっとあれも変だったなという気がしますけれども。医師団は非常に辛い目にあった のではないかなと思うのは、ご家族の同意がなければ医者は守秘義務を守らなければい けないという答弁に終始させたというのはご家族が絶対反対なんて言っているとも思え ないような気もするから非常にお医者さんたちは大変だったのではないかなと身につま される思いがしたなということもありますけれども。何かその他に。どうぞ。  谷川委員  隣に野本先生がおられてフレキシビリティのことを言われるし、大塚先生もご苦労さ れているのであまり言いたくないのですけれども、ただ、今、国民はドナーカード、13 %、あるいはもっと持っているという背景があって、例えば肝臓ですと移植は相当なと ころでよくできるという背景があるにも関わらず、なかなかドナーというところで提供 者が非常に少ないというところがやはり大きな問題ではないかと。  年間、例えば法律が通ってから例えば10名というと年間3名ですね。肝疾患で亡くな る方、4万何千あって3名の救命ということになるとほとんど医療として意味がない。 それがこれから続いてもあまり意味がない医療になってしまうと。僕たちはむしろ今日 の患者を助けるという立場から言いますと、矢崎先生、同じですけれども、そうします とやはり3名ぐらいの救命ではどうもこの移植医療というのは意味がないので、やはり ドナーカードを持っている人ができるだけその意思を通させていただいて実際の移植医 療に利用できるようなことをもうちょっと工夫しないといけないのではないかと。  例えば極端なこと言いますとアメリカでは救命施設で脳死からの提供、ドナーの提供 ないとやはりその施設が問われてやはり救命の権利を失うとか、それほどでありますし また、ドナーの方がドナーカードを持っていてそれで提供がないと、その個人の意思と いうのは一番尊敬される外国でございますから、ドナーカードを持って自分が提供した いという、必ずそれをうまく利用できないとやはり家族がむしろ訴えると。なぜ、ド ナーカードを持った方が脳死になったにも関わらず、医療に利用できなかったと。そう いう社会でもありますので、日本でももう少し何か、ちょっとその辺のところをうまく できないかと。 野本先生のこともよくわかるし、患者の信頼を得なければいけないと いうことも確かでありますし、救命の先生方が一生懸命やっておられるのもわかるので すけれども、やはり今、今日、死ぬ患者がたくさんいる私ども臨床の立場から言うとも うちょっと何かそういうドナーカードが13%も日本国民が持っているにも関わらず、あ まりドナーが出ないというところを何か考えないと、これは意味がないことをやってい るのではないかという問題提起ですが、いかがですか。  黒川委員長  どうぞ。矢崎委員、何かない。  矢崎委員  全くそのとおりなのですけれども、心臓移植の場合に、もうひとつさっきの話に戻り たいのですが、谷川先生のご意見を薄めてしまうのでちょっとそれはまたにします。今 のお話でどうしたらドナーの数を増やすかということは、ぜひ、議論していただきたい と思います。  黒川委員長  そうはおっしゃるけれども、前、あったようにドナーカード、今、13%ぐらいなので すか。  朝浦室長  一昨年の10月ですか、1年目に総理府した調査のときには2.6 %と。2.6 %だったの ですね。谷川先生がおっしゃる13%は多分、どこか報道機関が行った調査か何かだと思 うのですが、報道機関が行った調査によると10%前後だというふうには聞いております けれども。  黒川委員長  毎年、病院で亡くなる方が70万人ですけれども、そうすると7万人ですか。ドナー カードを持っている人。病院の中で。谷川先生、どう。  谷川委員  いや、13%と言えばそうなりますね。そんなにいないかもしれないけれども。  黒川委員長  だけれども別に脳死でなくてもいいのだけれども、小渕首相は持っていたという噂が あるけれども、どうなの。そういう話は全然出てこないところにも問題があるのかもし れないし、ということかなと思います。  この間、私どもちょっと書いた、予めドゥー・ノット・リサッシデイトというのがあ りますよね。最後にこうなったときに蘇生をしないで頂戴という意思というのがあって アメリカでそういう西洋的な文化のときには入ったときにはDNRであるというふうに 言うともう家族ももちろん納得しているわけですけれども、そのカードをパッとカルテ に入れますから、何かでアレストを起こしたときにはもうなるべくターミナルなことは しないという話でやらないようになっているのですけれども。  ただ、日本の方々にそういう話を実はそうなっているのだけれども、DNRをやると きにあなたたちがそうしますかというクエッションをしますよね。そうですかと。だけ れども、実際にあなたがそういうふうになったときに、もろちん意識がないと思うので すけれども、本当にそれをそのとおりにやってよろしいですかと言ったら、そのとおり にやってくれと言ったのは11%しかいないのですね。あとは大部分は家族と相談して決 めてくださいというのが圧倒的なのですね。  そういう意味ではやはり先生がおっしゃるようにそうは言っても事実、その場になる となかなかそうはいかないというのは家族の意見を大事にするというのはそれなりに悪 いことではないと思うのだけれども、そういうカルチャーかなと思いますけれども。  何か山谷委員、どうですか。  山谷委員  この移植学会の救急医療学会なりが何か問題点を整理して国民に投げかけてみたらい いと思うのですね。医療保険の適用ができないからやはり難しいとか、こういういろい ろな5つ、6つ、ポイントがあるのだということを、例えば極端かもしれないけれども ホームページか何かで投げかけてみて、いろいろな意見をやっていくという形で世論を ちょっと作ってみて、そして次の改正につなげていくというようなものもひとつのやり 方かなと思いますが。  黒川委員長  それには一発ではなくてやはり持続的に繰り返すというのは大事かもしれませんね。 どういうメディアを使うか、学会がやるか、あるいはメディアでも前から言っているの だけれども、イエス、ノーという正解がなくてもいいから問題があるということについ ては投げかけてほしいとは思いますけれども。どうぞ。  大久保委員  基本的にはやはり臓器移植を進めるためにはそういったことも含めて、一般国民にど ういうふうに知らせていくかということが一番大事であって、結果的に日本においては もちろん厚生省の方はどういった形の、前回伺った啓発活動というか、国民に対して周 知徹底するのはどういうことをやっているのかということをお話をさせていただいたと 思っていますが、基本的にはあまり出てきていないし、学会等につきましてもすべてに ついてやはり一般国民に対するアプローチというのが非常に少ないと思うのですね。そ れは情報公開も含めてそうだと思うのです。  だから、前回のこの委員会の中でも少しお話が出たと思うのです。ではいったい啓発 活動はどこがやるのだという話になって、ではお金はどうするのだという話になってき たと思うのですけれども、その辺のところをきちんとしないと基本的にどこがどういう 形で前面に出て啓発なりの国民に対する周知徹底をやるのか。その辺のところをはっき りして、それをきちんとプロセスを踏んでやらないと、この問題というのは国民には広 がっていかないと思うのです。今までほとんどそういうことがされていなくて、単発的 にちょこちょことやられているだけだから、国民に対しては広く移植に対する情報が伝 わっていないのだと思うのです。  これもこの委員会でも今後、そういった国民に対する啓発及び情報の伝達というのを どのようにやるかということはきちんとお話をしていただいて、それでどこがどういう 予算の裏付けを持ってやるのかということは、ぜひ、議論していただきたいと思ってい ます。  大島委員  私はこれほど世の中に伝わった医療なんていうのはないのではないかなというふうに 思っていまして、そういう意味では大久保さんがどう伝えるのか、伝えないのかという ような議論されているのですけれども、私はもうこれほど世の中に、ただ、それを伝え 方、いろいろあるかもわかりませんけれども、これ以上、いったい何を伝えればいいの かですね。もちろん問題点、上げろと言われればいくらでも上げますけれども、もう問 題も隅から隅まですべてほじくり出して徹底的にやられたのが移植医療だというふうに 思っていますので。  大久保委員  でも先生、正直言って一般の国民が移植医療あるということはほとんど知っています よ。でも、では実際の提供の場になったときにどういうふうになるのかとか、どういう 形で実際に提供に至るのかとか、細かいプロセスまではわかっているわけではなくて、 脳死自体も、では全員が脳死がどういう状況にあるかということをすべてが知っている わけでもないし、そういう意味では臓器移植というのがあるということはわかっていて も、その中のもうひとつ細かいところまでが情報が正確に伝わっているとは言えないと 私は思うのですけれども。  大島委員  もちろんそうかもわかりませんけれども、メディアのいろいろなプロセスの中ではそ ういった議論もすべて私は出てきていると思うのですね。ただ、注意深く見るか見ない かだけの話であって、注意深く見ないとすればどんなあれを作りだしたっておそらく不 可能だろうと思うのですよね。  黒川委員長  これにはいろいろなご意見があると思いますけれども、この委員会が何か言って行政 が何かやれというのもちょっと変な話だし、と私は思うのですけれどもね。確かに大島 委員が言っているように国民で今、脳死移植が行われるようになったということを知ら ない人なんてほとんどいないと思うのですよね。そうするとどれだけ積極的に取り組む か、自分の心構えとしてという話。  メディアの方はいったい何が大事かというと、今は自民党の問題とか、日本は神の国 であるかとか、消費税が上げるのかとか、どうやって介護するのかとか、そういうプラ イオリティがあるわけですから、全体のプライオリティから言うと皆にもっと伝えなけ ればいけない話というのはもっと他にもたくさんあるような気もするし、確かに大島委 員が言うように脳死移植ができる、できないなんて議論はもう皆、知っているわけだか ら、もうちょっと細かいことを言って皆が黙っていても知るようにしなければならない という世の中なのか、もっと皆が知ろうとするという積極的なパーティスペーションが いるのかなという気もしますが、どうぞ、町野委員。  町野委員  確かに言われたとおりだろうと思うのですけれども、やはりおそらく改正問題という のはいずれ議論されるわけですよね。だから、そのときに再びまた議論が十分でないと いうことになるのではないかというのは結果、どうなるか、それはわかりませんけれど も、私はその点で何かもうちょっとやりようがあるのではないかなという感じがしま す。  前の立法がいろいろな意味で非常に妥協の産物として出来上がって説明のしにくいも のであったということは皆、認めているわけで、だから、結局、議論はそこで決着と言 いますか、皆が議論した上でのものであったかどうかも疑わしいわけで、現在でも脳死 は死であるとか、やはり死んだ人は生前に何かを言っておかなければ絶対、駄目なの か。あるいは子どもを特別扱いしていいかとか、いろいろな問題、全部積み残されてい るわけですね。  それが再び、今度、立法の場で国会に出るかどうかそれは知りませんけれども、おそ らく議論は出てくるだろうと思いますけれども、それがまた再び、前にも全然決着がつ いていない。あるいは決着がついたということでも蒸し返されていない。やはりちょっ と寂しい感じが私としてはいたします。  黒川委員長  だから、そういう議論を起こしていく場は何なのかという話なのかなという気はしま すけれどもね。それぞれのやはり先生方、委員の人たち、聞いている人たちの全部の中 で移植医療というものはどういう位置を占めているかということにもよるのかもしれな いし、日本人全員が医療移植のことばかりで頭、いっぱいになっても困るし、そういう ことなのかなと思いますけれども。これは非常に大きな問題ですけれども、基本的にど こがやるのかという問題ではないかなと思います。  確かにアメリカとかいろいろな市民社会ではある程度、受益者から国民からいろいろ なボランタリーサービスのアクティビティがどんどんだんだん広がっていくのかもしれ ないけれども、大久保さんなんかやっているのはそういう運動の一般ですけれども、そ ういうのがどういう広がりを持っていくかというのは受ける側のスタンスにもかなりよ るのかなと思うので、その辺が大変なのかなというふうに思いますけれども。  これは議論の尽きないところなので、また、いろいろご意見を伺う機会を作りたいと 思いますけれども、何かその他にございますでしょうか。  矢崎委員  さきほど野本先生が言われたドナーの方が出たときに虚血時間の問題で心臓の移植が できないということが起こると大きな問題になるのではないかと思うのですね。それを どういうふうに対応していくかというのが今後の課題だと思います。  さきほどちょっと意味不明な発言になったかなと今、反省しているのですけれども、 心臓移植の場合には重症の心不全で今、我々のできるあらゆる治療をしても余命が1年 以内という縛りがありますよね。ということは相当、重症の心不全の患者さんをレシピ エント候補者として医療機関が診てないといけない。それには相当、施設に体力がない となかなか患者さんをフォローアップできない。いろいろな病院と常に情報を交換しな がら患者さんを預けるシステムが確立していないとなかなか難しい。  そういう点で循環器病センターと大阪大学はクリアしてお蔭様でうまくいっているわ けですけれども、重症心不全の患者さんを全部、自分の施設で収容するわけにはいかな いので、それをどういうふうにフォローアップして登録していくかというシステムを考 えないと、心臓の場合には施設の拡大を議論する場合に、またもうちょっと違う視点が 入るので、これから十分に議論していきたいと思います。  そうしませんとさきほどの野本先生の投げかけたこういう可能性ありますよといった ときに、しっかり対応できる体制を作らないとまた問題を残すことになるかなというふ うに思うわけです。  黒川委員長  そのとおりですね。確かにレシピエントの場合、心臓と肝臓ではまたいろいろなファ クターがあるというのは確かに移植側だけではなくて、レシピエント側にもいろいろな ファクターがあるという話をやはりぜひ、理解していただきたいなというのが確かにあ りますね。  その他に。もし、よろしければそれでは今日の委員会はこれで終わらせていただきま す。どうもありがとうございました。                (閉会・16時50分)  問い合わせ先 厚生省保健医療局エイズ疾病対策課臓器移植対策室     担 当 岩崎(内2361)、木村(内2364)     電 話 (代)03−3503−1711