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第3回「より良い介護保険に育てる会
−安心して老後を過ごせる社会を目指して−」概要

平成12年4月7日(金)17:30〜
於:東海大学校友会館 阿蘇の間
(霞ヶ関ビル 33階)

○介護保険制度施行直後の状況について下記5市町から、介護保険制度の施行状況
について説明。

・北海道奈井江町、空知中部広域連合
北 良治 奈井江町長・空知中部広域連合長
・岩手県宮古市 熊坂 義裕 宮古市長
・千葉県流山市 石原 重雄 介護支援課長
・滋賀県大津市 福井 英夫 福祉保健部高齢福祉・介護課 主幹
・広島県三次市 平田 照夫 福祉保健課長

○その後福祉自治体ユニット代表幹事である光武 顕委員から、介護サービスの整備状況について説明後、質疑。

(樋口恵子)

 これまで、負担が増加したり、サービスが減ったりするといった話ばかりがクローズアップされてきたが、介護保険制度の施行によりサービス供給が全体として増えているということがわかった。4月に介護保険制度が始まり、また、地方分権一括法が施行され、変化の形が全体として色濃く見えてきている。今日来ている自治体のように、工夫している地域を全国的にPRするためにも、「介護保険全国大会」みたいなものをやったらよいのではないだろうか。こういう工夫を行っている地域を認知して評価し、また、工夫することを奨励して行くべきだと思う。市民にも、介護保険利用の達人と呼ばれるように、介護保険の上手な使い方についてもっとPRして欲しい。

(厚生大臣)

 当初5月の始めに会議を開催する予定だったが、問題点を早急に把握し、整理するために4月のこの時期に開催することにした。介護保険が施行され、様々な問題点がクローズアップされていくことになるのでスピーディに対応したい。本日お集まりいただいた市町のように先端的な市町村が、引っ張っていって欲しい。問題点については、もちろん検討して行くつもりである。

(牟田悌三)

 消費税導入を契機に、税に対する国民の関心が高まったように、介護保険制度の施行を期に、介護に対する国民の関心が大きく高まってきていることは評価すべきだと思う。

(木村陽子)

・(北奈井江町長に質問)地方において民間事業者を参入させるため、どのような工夫をしているか。
・(石原流山市課長に質問)ケアプラン策定が遅れた理由はなぜか。
・(福井大津市主幹に質問)痴呆の方に関しては、介護度が低い出る傾向があるようだが、どのように対応しているか。

(北奈井江町長)

 一つ一つの自治体では、人口が少なく事業者が参入できないため、、空知中部広域連合を結成して、需要の増加を図った。

(石原課長)

 流山市では、ケアプランの作成を、10月には85歳以上の分を、11月には80歳以上の分を、というように計画を立てて行っており、計画通りに行けば、2月には全てのケアプランの作成が終了する予定であった。しかし、3月に入ると駆け込みでの申請が押し寄せ、特に3月の末頃には、それまで1日2件ぐらいの申請だったのが、1日5件から7件の申請が来て対応が難しくなった。このため、ケアプランの作成が遅れてしまったが、国保連の請求のある5月10日までには、全てのケアプランを作成できる予定である。

(福井主幹)

 正直言って、痴呆症状の方のための施設(ケアハウス・痴呆型特養ホーム)が大津市では不足している。また、介護度の認定において、痴呆症状の方の認定が低く出る傾向は否めないので、何とかしたいと考えている。

(光武顕)

 ケアマネージャーの方のことでいえば、ケアマネージャーの考え方及び、ケアマネージャーと事業者との関係において、問題があるように見受けられる。
 両者の関係においては、ケアマネージャーの立場が弱く、介護を受ける側に立ったケアプランの作成ができていない。実際に苦情も来ている。
 また、ケアマネージャー自身についていえば、要介護度毎に決められている限度額が先に立ってしまい、介護を受ける方のためのケアプランの作成ができていないようである。介護を受ける方のことを考えれば、事業者やケアマネージャーの教育が必要である。

(笹森貞子)

 呆け老人をかかえる家族の会の東京支部の中の声を紹介すると、介護度の認定においては「予想通り」との方が50%、「予想より上」という方が25%、「低かった」という15%の方は今後様子を見て意見を出したいといっている。85%の方が、認定については妥当な結果が出たと考えている。ケアプランの作成についても「サービスの内容を説明してくれてよく理解できた」、という答えが大半で、満足度は高かったようである。ただ「ケアマネージャーが不足気味」という声や、「ケアプランの依頼先が偏っているのではないか」という声もあった。サービスについては、まだ始まってから一週間なのでごく一部の反応であるが、「質・量とも良くなった」との声があった。しかしこれから不満も出ると思う。「1割の負担とは別の食事の料金、送迎の車などのサービス費用に関し不安がある」という声があった。

(生島ヒロシ)

 私がやっているラジオに寄せられた声を紹介すると、「ショートステイの長さについて再考して欲しい」という声が多数寄せられている。「介護保険導入後、ショートステイが使いにくくなった」との声がある。また、障害者の方で、「介護保険が始まって、対応が厳しくなった」との声があった。
 「『オンブズマン』という言葉は、これだけ広まっている言葉だが、意味が分かりにくい、別の言葉を使って欲しい」と言う声が挙がっている。
 「自立援助を促すためにも、自立援助を行っている人には何らかのインセンティブを付けてあげた方がよいのではないか」と言う提案があった。
 グループホームの必要性を再考して欲しいと思う。介護保険導入後、あるグループホームでは、4畳半に仕切らなくてはならなくなったと言う話もある。若い人の介護ボランティアへの参加を勧めて行くべきと思う。

(川越博美)

 苦情が少なかったと伺ったが、実状と違うのではないかと思う。おそらく、サービス提供の最前線にいるケアマネジャーや訪問看護婦が苦情を聞き、処理しているのではないか。介護保険導入後、全ての人が今まで受けていたサービスが保障されているかあるいはそれ以上のサービスを受けることができているかお伺いしたい。

(光武顕)

 (福祉自治体ユニットの資料を基に)グラフからわかるように、ほとんどの人が、介護制度導入後、今まで以上に介護サービスを受けている。ただ、まだ介護保険施行から間もないことから、要介護度毎にバラツキがある。

(北町長)

 苦情があったのは事実である。介護度の問題には大きな苦情があったが、情報を開示し、これまでの経過と審査の内容を全部説明したら、わかってもらえた。
 制度に対する無理解による苦情もあるが、きちんと調査していれば、問題はあまりない。

(堀田力)

 「苦情が出る」ということは、その地域の住民に権利意識がある、と言うことである。今、苦情が出ていなくても、権利意識の目覚めとともに苦情は必ず出てくるものである。そういう意味で、むしろ、苦情の出ていない、権利意識の低いところでの対応が問題で、フォローしていく必要があるのではないか。制度導入後の権利意識の変化を、定点観測してみたらどうか。

(岡本祐三)

 介護保険の導入により、措置制度で受けていたサービスに対する不満が出てきた。「苦情の自由化」ということで喜ばしいことだと思う。

○「緊急即応窓口」への連絡状況について及び「介護保険:御意見大募集」中間集計について事務局より説明後、閉会。


問い合わせ先 大臣官房 政策課
TEL[現在ご利用いただけません](代表)
   (内線)2248,2254


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