審議会議事録等 HOME


第1回 シックハウス(室内空気汚染)問題に関する検討会

議 事 録
厚生省生活衛生局企画課生活化学安全対策室
第1回 シックハウス(室内空気汚染)問題に関する検討会 議事次第

日 時 平成12年4月5日(水)10:00〜11:45
於 通商産業省別館 833会議室


1.開 会

2.生活衛生局長挨拶

3.委員紹介及び事務局紹介

4.座長の選出

5.議 題

(1)室内空気汚染問題について
(2)その他

6.閉 会



○村上生活化学安全対策室長

それでは、全員の先生方もお集まりになられましたので、ただいまから、第1回のシックハウス問題に関する検討会を開催させていただきたいと思います。本日は御多忙中のところ、先生方にはお集まりいただきまして誠にありがとうございます。
 申し遅れましたが、私は生活衛生局企画課生活化学安全対策室長の村上でございます。
 本日は第1回ということで、まず座長の選出をしていただくわけですが、座長が選出されるまでの間、私が議事を進めさせていただきますので、どうか御了承願いたいと思います。
 まず開催に当たりまして、生活衛生局長から御挨拶を申し上げます。
○西本生活衛生局長
生活衛生局長の西本でございます。本検討会を立ち上げましたところ、先生方には快くお引き受けいただきまして、本日御出席いただきましたことを心から御礼申し上げたいと存じます。
 私どもの生活衛生局は、その名のとおり、衣食住の生活全般にわたる衛生問題を取り扱っているわけでございますが、最近は特にごみの問題でございますとか、食品の問題、そして本日取り上げております居住環境の問題が非常に大きくクローズアップされてきております。ごみは御承知のようにダイオキシン問題に端を発しまして、産業廃棄物の処理場の確保の問題など、いろいろ世間を騒がせておりまして、法律の改正案を本国会に提出しているような状況でございます。
 それから、食品もかつての食中毒といったようなものだけではなくて、今はモダン・バイオ・テクノロジーという、例えばクローンでございますとか細胞融合でございますとか、あるいはまた遺伝子組み換え、こういったようなものが健康にどういう影響を与えるかというようなことが大きな問題になっておりまして、これもつい先だって国際会議を終えたところでございます。
 それから、居住環境の衛生の問題は、御承知のとおり、今からちょうど30年前に、「ビル管法」すなわち、「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」を作りまして、いろいろやってきたわけでございます。ただ、その当時は、雑居ビルでありますとか小規模ビルでありますとか、いわゆる不特定多数の方々が集まる一定規模以上のビルの環境ということでやってまいりまして、一般の方々が買われるマンションあるいは一戸建て、こういったところの居住環境は個人の問題なので個別にやってくださいというようなことで、ここらあたりは手をつけてこなかったと、こういうことでございます。
 ところが最近になりまして、御承知のように、一般家庭におけるカビ、ダニや化学物質、特に微量化学物質、こういうものによります健康被害ということが非常に大きな問題になっており、また、これにかかられた方々の状況というのは大変悲惨なものがございます。やはりこのあたりもこれからは行政としても何か手をつけていかなければならない、こういうことに相なったわけでございます。
 そういうような趣旨で本検討会を立ち上げたわけでございますけれども、どのように進めていくのか、また、どのようにこれから他省庁との連携もとっていくのかというようなことも含めまして、いろいろ貴重な御意見を賜れば大変幸せに存じる次第でございます。
 開会に当たりまして、一言お願いと御礼を申し上げまして、御挨拶にかえさせていただきます。よろしくお願いいたします。

○村上室長

それでは、本日は第1回の検討会でございますので、まず委員の先生方の御紹介を事務局よりさせていただきます。失礼ですが、お座りになっておられる順番で御紹介させていただきます。一番こちら側に座っておられますのは、産業医学総合研究所長の荒記先生。
 国立医薬品食品衛生研究所環境衛生化学部長の安藤先生。
 国立公衆衛生院建築衛生学部長の池田先生。
 北里研究所病院臨床環境医学センター長の石川先生。
 国立公衆衛生院労働衛生学部長の内山先生。
 中央労働災害防止協会労働衛生検査センター所長の櫻井先生。
 早稲田大学理工学部建築学科建築環境学助教授の田辺先生。
 東京都立衛生研究所環境保健部長の土屋先生。
 国立医薬品食品衛生衛生研究所安全性生物試験研究センター病理部長の広瀬先生。
 北里大学薬学部客員教授の林先生。
 以上、御紹介いたしました先生方全員、本日は御出席いただいております。ありがとうございました。
 次に座長の選出に移らせていただきたいと思いますが、本検討会の座長をどなたか御推薦をいただけますでしょうか。

○池田委員

北里大学の林先生がよろしいのではないでしょうか。

○村上室長

ただいま池田先生から、林先生を座長にとの御推薦がございましたけれども、皆様御異議ございませんでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
○村上室長
ありがとうございます。
 それでは、林先生に座長をお願いしたいと思いますので、申し訳ございませんが、林先生、真ん中の座長席の方にお移りいただきまして、これからの議事進行をお願いをしたいと思います。
 それでは、今後の議事進行をよろしくお願いいたします。

○林座長

ただいま御指名をいただきました林でございます。先ほどの局長さんからお話しがありましたように、非常に難しい問題が含まれていると思いますので、よろしく御協力のほどをお願いいたします。
 まず、事務局から配付資料の確認をお願いします。

○村上室長

配付資料の御確認をさせていただく前に、事務局側の御紹介をさせていただきたいと思います。
 ただいま局長が御挨拶いたしましたが、その右隣が生活衛生局企画課長の喜多村でございます。
 それでは、配付資料の確認に入らせていただきます。

○事務局(剣持専門官)

それでは、事務局から本日の第1回検討会に当たりまして、配付資料の御確認をさせていただきます。
 お配りいたしました「配付資料一覧」という一枚紙がございます。こちらに基づきまして確認をさせていただきたいと思います。
 まず「シックハウス(室内空気汚染)問題に関する検討会議事次第」という1枚の紙がございます。
 その次に「シックハウス(室内空気汚染)問題に関する検討会席次表」という、こちらも1枚の紙がございます。
 続きまして「シックハウス(室内空気汚染)問題に関する検討会委員名簿」という1枚の紙がございます。
 以下の資料につきましては、資料の左上に資料番号が振ってございます。
 まず資料1でございますが「シックハウス(室内空気汚染)問題に関する検討会の開催について」、平成12年4月という日付が打ってございます一枚紙がございます。
 続きまして、資料2といたしまして「居住環境中の揮発性有機化合物の全国実態調査について」という資料がございます。
 続きまして、資料3といたしまして「パラジクロロベンゼンに関する家庭用品専門家会議(毒性部門)報告書」がございます。
 続きまして、資料4といたしまして、こちらは英文の資料でございますが「WHO空気質ガイドライン1999」、原題は(Guidelines for Air Quality,1999 (WHO/Geneva))というものでございます。
 以上に加えまして、参考資料といたしまして、4点ほどございます。
 参考1といたしまして「室内環境に関する厚生省の主な取組み」。
 参考2といたしまして「快適で健康的な住宅に関する検討会議 健康住宅関連基準策定専門部会化学物質小委員会報告書(要旨)」がございます。
 参考3といたしまして「平成10年度 厚生科学研究費補助金分担研究報告書」というものがございます。
 最後に参考の4といたしまして「平成10年度厚生科学研究事業報告 パラジクロロベンゼンの血中濃度と室内環境」という表題が打ってあるものがございます。
 本日の検討会に当たりまして、配付させていただきました資料は以上でございます。お持ちでない先生いらっしゃいますでしょうか。
 ありがとうございました。それでは、資料の確認を終わらせていただきます。
○林座長
どうもありがとうございました。では資料が全部配付されておりましたらば、早速議事に入らせていただきたいと思います。
 この検討会は、今回が第1回目ということでございますので、まず最初に厚生省がこの検討会を開催するに至りました経緯あるいは趣旨、検討会で扱う情報の公開規定などを、まず事務局から御説明いただいた方がよろしいと思いますので、よろしくお願いいたします。

○村上室長

それでは、御説明をさせていただきます。
 まず資料1という一枚紙を御覧ください。ここに「シックハウス(室内空気汚染)問題に関する検討会の開催について」ということで、趣旨及び検討課題、検討会の議事及び公開について書いてございます。
 「3.検討会の議事及び公開」につきましては、これは厚生省が主催しております会議の一般的な原則に基づいて規定されているものでありまして、本会議につきましても、会議の内容は原則として公開、議事録も公開ということになりますので、よろしく御了承願いたいと思います。
 本検討会の開催の趣旨でございますが、シックハウス問題というものが、近年特に健康影響の問題として取り上げられるようになってまいりました。国民生活センター等に寄せられる苦情の中でも、家庭環境において目の障害とか頭痛、のどの痛み、皮膚の刺激、呼吸器障害のようなものがいろいろ苦情として寄せられるということが近年明らかになっておりまして、1998年の国民生活センターへの苦情では 450件ぐらいがそういうような内容だったと聞いております。
 特にその中でも、このシックハウス問題というか、家庭環境、家屋が原因とみられる健康影響の根本的な原因といいますのは、化学物質及びカビ、ダニ等、いろいろ考えられるわけでありますが、本会議におきましては、その中でも化学物質における室内空気汚染の問題について御議論をいただき、ガイドライン値の作成を進めていただきたいということでございます。
 もちろん大きなシックハウス問題ととらえた場合には、今申し上げましたような、原因物質としての化学物質、カビ、ダニ等のほかにアレルギーの話、あるいは化学物質過敏症のようななかなか難しい問題も含んでいるわけでありますが、これらについては、また別途厚生省でも積極的に取り組むことといたしまして、本会議においては、「2 .検討課題」に書いてございますように、室内空気汚染に係る室内濃度指針値を検討していただいて、その測定方法も含めて指針値の公表をしていくということを課題として御検討をお願いしたいと考えているわけでございます。
 それで、本件につきましての過去の経緯について少し御説明をさせていただきたいと思います。参考1という紙をごらんください。これも一枚の表、裏になっておりますが、シックハウス問題というものが取り上げられるようになって、厚生省といたしましては「快適で健康的な住宅に関する検討会議」というものを平成8年から立ち上げて、平成9年6月には、「健康住宅関連基準策定専門部会化学物質小委員会」におきまして報告を取りまとめております。
 参考2は、「健康住宅関連基準策定専門部会化学物質小委員会」の報告書の要旨でございます。
 その報告の中身は、強い刺激性を持つということで健康被害の原因として最も関連性があると考えられましたホルムアルデヒドにつきましての室内濃度指針値を策定したこと。
 そのほかに、揮発性有機化合物についても、今後ガイドラインをつくる必要があるということ。特にトータルの総揮発性有機化合物(TVOC)、有機化合物の総和というものに対してもガイドラインの検討をすべきだということが提言をされております。
 それから、個別の化学物質についても、もちろんガイドライン値の設定を検討する必要があること。
 最後に化学物質過敏症についても今後研究を進めていく必要があること。
 その4点がこの小委員会においての報告書で提言されているわけであります。
 その後、これらの提言を受けまして、平成9年及び10年、実際は11年までやっているわけでありますが、基準値をつくったホルムアルデヒド以外のVolatile Organic Compounds、揮発性有機化学物質が実際の室内でどの程度存在するのか、どの程度の汚染が現実に存在するのかということを調査をさせていただきました。その調査の結果が資料2でございます。御説明の順番が前後して大変申し訳ないのですが、資料2、「居住環境中の揮発性有機化合物の全国実態調査について」という表題のものでございますが、これが平成9年及び10年において行われました全国実態調査の中身であります。これにつきましては後ほどもう少し細かく御説明をさせていただきますけれども、結果として、この全国実態調査でわかったことといいますのは、一つは、化学物質が我々の室内環境の中に案外いろいろ存在しているということであります。
 もう一つは、化学物質の室内濃度は室外濃度に比べてむしろ高い。一部の家屋で非常に高い濃度の有機化学物質が存在するということがわかった。ひいては、既にWHO等で国際的な指針値がある一部の物質については、その指針値を数倍、あるいは10倍程度超えるという事例もあったということであります。
 もう一つの重要な点は、今回の調査では、実際に個人にエアサンプラーを携帯していただきまして、その家屋に住んでおられる個人の方が実際に累積して吸入している化学物質の量と、室内空気中に存在する化学物質の量との比較もさせていただきましたが、それは非常に相関があったということでありまして、室内の空気環境の汚染というものが、個人の暴露と相関しているということも明らかになったわけであります。
 後ほどもう少し詳しく、この報告については御説明させていただきますが、全国実態調査の最初のページに書いてございますように、具体的に言いますとトルエンについては、385 ほどの家屋について調査をしたわけでありますが、そのうちの6%程度においてWHOの空気質ガイドラインを超えた値が見られたということであります。
 それから、キシレンにつきましても、これは年によって超えない年もございましたが、ごくわずか 0.3%程度の家屋においてWHOの空気質ガイドラインを超過したというケースがございました。
 今これに引き続き御説明させていただきますけれども、過去厚生省において検討いたしましたパラジクロロベンゼンについての毒性医学の専門家の評価として、空気中の存在量の限度が提示されていたわけですが、それを超えたものが5%程度あったということでございます。
 次に資料3について御説明をさせていただきますが、資料3は、先ほどお話いたしましたように、パラジクロロベンゼンについての家庭用品専門家会議(毒性部門)の報告書でございます。
 居住環境中の揮発性有機化合物の起源、存在する原因といいますのは、多くの場合、家庭内の室内で使用された塗料、接着剤、その他の溶剤が原因となると考えているわけですが、そうでない場合もございます。パラジクロロベンゼンについては、その最も典型的な例でありまして、これは家庭内で使用された防虫剤、タンスの中などに使われる防虫剤の主成分でございますけれども、そういう家庭内で使われた家庭用品を原因として室内空気が汚染されているという一つの例であろうと考えております。
 パラジクロロベンゼンの毒性評価につきましては、平成9年に家庭用品専門家会議(毒性部門)を開催させていただきまして、内外の毒性関係の文献等を集積いたしまして、資料3の10ページになりますが、耐容平均気中濃度はこれぐらいだろうという評価をしていただきました。耐容平均気中濃度は0.10 ppmと考えられているわけであります。ですから、これについては、まだ室内空気のガイドライン値という形では公表されてないわけでありますけれども、人が居住する環境内で許容できる平均気中濃度は0.10 ppmであろうという評価は、平成9年の時点でいただいているわけであります。
 その時点で、この報告書についても公表させていただきましたので、それに伴って室内環境が改善するのではないかと期待をしたわけでありますけれども、今回の実態調査(平成10年)でも、なお、この数値をオーバーした例が多いということがわかっておりますので、その点については残念だという気持ちもございますし、今後室内空気のガイドラインとしてきちんと設定をしていく必要があるだろうと考えているわけでございます。
 パラジクロロベンゼンについて、さらに申しますと、参考資料3、4というのがございますが、これらは全く別のプロジェクトで、特に参考資料3については、内分泌かく乱物質の成人血液中の暴露に関する調査というのをやっておりまして、これは誤解のないように申し上げますが、別にパラジクロロベンゼンが内分泌かく乱物質であるということを申し上げているつもりは全くありませんので、ただ、人の血液中に化学物質がどの程度含まれているのかということを実際に調査をした報告書であります。この報告についても既に公表されているわけですが、その中を見ていただきますと、8ページの表2に「成人血分析結果(ppb)というのがあります。下の小さな表を見ていただいた方がいいと思うのですが、測定数・サンプル数60で、58検体について検出をした。平均値、最大値、最低値と取りまとめられております。
 このことから考えますと、やはり室内空気中にパラジクロロベンゼンが広範に存在するために、結果として成人血液中にもパラジクロロベンゼンが存在するということが明らかであると考えておりますので、こういう意味からもパラジクロロベンゼンについても、空気質環境のガイドラインを設定する必要があると考えているわけであります。
 参考4につきましては、室内環境の平均暴露濃度と血液濃度が相関をするという、これは長野県衛生公害研究所の研究でございまして、これは一番最後の紙、後ろからめくっていただいたところに、図1と図2がございますが、図2の「パラジクロロベンゼンの血中濃度と室内環境」というところでは、正の相関があるということが報告をされております。
 これが参考3と参考4についての御説明でございます。
 資料4、英文の資料でございますが、これはWHOが設定をしております空気質、室内空気環境のガイドラインのレポートであります。これはWHOの中での議論の進行に伴ってガイドラインの値、その他、このドキュメント自体が変わっていくわけでありますが、私どもといたしましては、これをWHOのホームページ上からダウンロードいたしまして、最新のものをハードコピーでお手元にお届けしてございます。
 ただ、一つお詫びをしなくてはならないのですが、ダウンロードしたときのフォントの関係で、一部正確に印字されていないものがありました。非常にエッセンシャルでございますので、先生方のお持ちの資料の47、48ページあたりを見ていただきますと、Table3.2というのがございまして、ガイドライン値、これは検討中のガイドライン値も含んでガイドラインレベルがいろいろ書いてあるわけですが、その中の左側からの2個目のカラムの一番上に、Average Concentrationというところがあります。そこの四角い大括弧の中に、「*g/m3」となっておりますが、そのアスタリスク(*)は実はμでございまして、これはμというギリシャ文字がこちらの機械で認識できなかったためにこのようになってしまっております。
 また、 右から3番目のカラムGuideline Value or Tolerance Concentrationの下の大括弧の中も同じでございます。
 ほかにも幾つかございますアスタリスク(*) ですが、これはμであるとお考えいただきたいと思います。
 大分分厚い資料で申し訳ないのですが、ここに書いてございますことは、空気質ガイドラインについての基本的な考え方及びもしガイドラインを決め、それを規格にする場合にはどんなことを考えるべきか、あるいは規格値の設定について、どのような考え方で臨むべきかというようなことでございます。
 後ろの方は個別のガイドライン値の説明になっておりまして、今後個別の議論の中では、これをぜひ御参考にしていただければと思います。
 それから、これ以外の資料もいろいろございますので、先生方から、この資料はぜひ取りそろえておくようにという御指示がございましたら、それらにつきましても、至急私どもの方で収集し配付させていただきます。
 というようなことで、私どもといたしましては、実態調査で比較的高い値が出ているようなトルエン、キシレンあるいはパラジクロロベンゼンにつきましては至急ガイドラインをつくる必要があると考えておりまして、さらにそれに引き続いて、そのほかの有機化学物質あるいはTVOC(総揮発性有機化合物)についての御検討もしていただきたい。そのほかの化学物質、今回の室内環境の調査で測定しなかったような化学物質につきましても、国際的なガイドライン設定の現状、あるいは国内の汚染の状況を踏まえまして、設定する必要があると思われるものについては、できるだけ早くガイドライン設定をしていきたいと考えているわけであります。

○林座長

どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの御説明の資料について、何か御質問がありましたらお願いいたしたいと思います。どうぞ。

○池田委員

二つ質問がありまして、一つは、この検討会のタイトルが「シックハウス(室内空気汚染)」となっておりますが、これだけを読みますと、何か室内空気汚染はシックハウス問題だけだといった印象を与えるのですが、なぜこのような括弧書きになったのか、先ほど村上室長さんもシックハウス問題だけが室内空気汚染ではないというような御発言あったと思うのですが、これはそれにちょっと反するような気もするので。これは細かいことで大した問題ではないと思います。
 もう一つなんですが、建設省に「官民共同研究」という委員会がありまして、そこに参加している人から聞かれたことなので、ちょっと私も確認したいのですが、先ほど村上室長さんが御説明になりましたWHOのガイドラインの資料、先ほど47〜48ページの御説明があったのですけれども、その次のページの49ページには、トルエンとキシレンに関するガイドラインが載っておりまして、まさにその部分のコピーが官民共同研究会の席上で配られて、トルエンとキシレンのところだけにマルが囲ってあって、厚生省はこれをガイドラインにするということを決めたので、建設省もその線で頑張ってやってほしいというような通達があったということなので、各ハウスメーカーの方々は、もうこれでやらなければいけないのだと思っていると。それは本当かと聞かれたのですが、もし、そういうことが先に決まっているのだとすると、この委員会の存在意義もあまりなくなってしまいますが、これは本当なのでしょうか。それともだれかが早とちりで考え違いしたのか、その点だけについて教えていただきたいと思います。

○村上室長

まず本検討会の「シックハウス(室内空気汚染)」という名称の問題でありますが、これはいろんな考え方があると思うのですが、私どもの認識では、家庭内の住宅に起因する健康被害、それをシックハウスというとすると、そのシックハウスの原因は、化学物質が一つございますし、そのほかにカビ、ダニ等がございます。化学物質の中でも非常に高いレベルでの暴露による急性的な中毒もありますし、化学物質過敏症のように、低濃度暴露でも問題が起こるというようなお話もございまして、全部がシックハウス問題として対策を講じていかなければならない問題だろうと思っております。
 「シックハウス」という言葉自体が、大分世の中に広まっておりますので、シックハウス問題について厚生省が取り組むという姿勢を出すために「シックハウス」という名前を出しましたが、本委員会では、むしろその中でも室内空気汚染、特に有機化合物を初めとする室内空気汚染の問題についてガイドラインを設定して、対策をどういうふうに講じたらいいかということを御議論いただきたいということで、「シックハウス(室内空気汚染)」となっているわけでありまして、別にそれ以上の深い理由は全くありません。
 それから、もう一つ、建設省さんが官民共同プロジェクトで厚生省がWHOのガイドラインでやるつもりだと言っているという話ですが、むしろ、それはこの検討会で、WHOのガイドラインでいいのかどうかということを決めていただいて、その結果が厚生省のガイドラインになるということであります。
 後で御説明しようと思ったのですが、この検討会で、まずガイドラインの案というものを、WHOと同じになるかもしれませんが、ご検討いただいた上で、パブリック・コメントを求め、その結果を踏まえて再度この委員会でご検討いただくということになるだろうと思っております。ですから今の時点で、例えば49ページを見ていただきますと、トルエンにつきましては、労働環境における中枢神経の影響から、260 μ/m3という数字がガイドライン値となっておりますが、これでいいのかどうかですね。においの方を判断基準にすると1000になっておりますが、先ほど御説明した資料2「居住環境中の揮発性有機化合物の全国実態調査について」を公表する時点では、判断する基準がありませんでしたので、WHOが既に決めていたガイドライン値の小さい方を判断基準として、それを超えた家屋がありますよということを私どもは申し上げたということでございます。
 だから、そういう意味では、全国実態調査の結果の公表の際に、さも基準値・ガイドラインが決まっているかのように思われた部分もあるかと思いますが、ただ、それは単にWHOの基準と比較すると超えたものが、例えばトルエンについては6%もあったということを事実として申し上げただけで、その値を今後厚生省のガイドラインにするということを決めているわけではありません。

○林座長

どうもありがとうございました。よろしゅうございますか。

○池田委員

ということは、やはりこのようなものを回して、もう決まったと考えているのは、少しその人が早とちりをしたと考えてよろしいわけですね。

○村上室長

建築の業界の方は、基準が決まるより先に対応をとっておいた方がいいだろうとお考えだろうと思いますので、きっとそういうことで、早手回しにいろいろ対策を講ずるのだろうと思いますが、早とちりとは申し上げませんけど、決まっているわけでは決してないということです。

○林座長

ありがとうございました。このほかに、ただいまの御説明、あるいは資料についての御質問、さらに室内汚染の問題全般について、この検討会が取り組むべき課題、自由に御意見をいただきたいと思います。
 マイクが二つしかないものですから、手を挙げていただきますと助かります。

○安藤委員

今の池田先生の御質問にも若干関係ありますけれども、確かにタイトルとしては「シックハウス」となるとそこが問題かなと。むしろ化学物質汚染の問題についてどうするかという話かなと思います。
 きょうは自由な議論でよろしいのでしょうか。今、議論が若干出た問題は、いわゆるシックハウス症候群であれ、化学物質過敏症であれ、一つの症状、あるいは臨床的なそういうものがあるという事実と化学物質の室内濃度というもの、これがコンタクトしているわけではない。だから、そこを明確にしなければいけない。つまり今回はあくまで化学物質の健康影響という観点でやるべきなのだろうと私は思うわけです。つまり、今言われているいろいろな疾病と結びつけて物事を考えるべきではない。したがって、化学物質に対して一つの考え方、つまり健康影響、今までの化学物質に対する健康影響の評価手法に則って設定すべきではないか。池田先生のお話がありましたので、ちょっと考えますとそんな気がいたしました。

○林座長

そのほかに何かございませんでしょうか。どうぞ。

○村上室長

もし、お許しいただけるのであれば、資料2につきまして、私、随分飛ばして説明いたしましたので、もう少し詳しく御説明をさせていただければと思います。
○事務局(平野)
それでは、資料2について簡単に御説明させていただきます。近年、化学物質による室内空気の汚染という問題が顕在化してきておりますとともに、シックハウス症候群や化学物質過敏症など健康に関する問題も指摘されてきております。平成9年6月には、先ほど御紹介申し上げました「快適で健康的な住宅に関する検討会議」におきまして、ホルムアルデヒドの室内濃度指針値が提案されておりましたが、そのほかの揮発性の有機化合物につきましては、実態の把握を行うことが必要であるという状況になっておりました。
 それを受けまして、厚生省では、平成9年度及び平成10年度に、先に室内濃度指針値が提案されていましたホルムアルデヒド以外の揮発性有機化合物について、全国の一般家屋の居住環境中における実態調査を実施いたしました。その結果をまとめました概要版が資料2になります。
 具体的な調査目的としては、一般家屋における室内空気中の揮発性有機化合物の存在状況について、その実態を全国的に把握するということが一点。また、室内濃度に影響を及ぼす因子が何かあるのではないか、そういったものを探っていくというのがもう一点。さらに、揮発性有機化合物の室内濃度とそこで生活している個人の化学物質による暴露濃度とに関連性があるかどうかについて検討するということが一点ございました。
 具体的な調査の内容と調査体制になりますけれども、国立医薬品食品衛生研究所に中心となっていただきまして、資料2の7ページになりますけれども、表1に示しています全国の地方自治体の衛生研究所の協力を得て、平成9年度及び平成10年度に延べで 385家屋について調査を実施いたしました。
 調査の内容ですが、平成9年度には調査対象家屋の室内空気及び周辺外気を採取いたしました。平成10年度には、室内空気、周辺外気という二つの項目に加えまして、調査家屋の居住者の個人暴露濃度を測定いたしました。この個人暴露濃度と申しますのは、被験者の方に24時間、小型のサンプラーを携帯していただきまして、移動に伴うものを含めて、24時間に暴露された空気中の化学物質の濃度を測定したものであります。
 資料2の9ページ以降ですが、表3〜7にざっと平成9年度、10年度の化学物質の最大値、最小値、平均値、中央値をまとめております。
 化学物質の室内濃度におきましては、平成10年度の調査になりますが、パラジクロロベンゼンで、平均値が 123.3μg/m3、トルエンでは平均値が98.3μg/m3を示すなど、全般的に室外濃度に比べて室内濃度というものが非常に高いレベルでした。具体的なデータは、10ページの表4になります。比較になりますと、18ページの図2にグラフになります。平成10年度のものですが、室内・外の濃度の平均値と個人暴露濃度の平均値を物質毎にグラフにしたものです。これを見ていただきますとわかりますように、室内と個人暴露濃度は相関があります。
 さらに20ページの図4になりますけれども、室内と室外の濃度比を見たものですが、室内の濃度が高いことが示されています。
 また、今回の調査は 385家屋だったのですが、大部分の家屋では汚染のレベルは低濃度でした。
 しかしながら、パラジクロロベンゼンの場合ですと、最大値が6058.7μg/m3、トルエンでは、最大値で 3389.8 μg/m3を示しますなど一部の家屋においては高濃度の検出が認められております。
 こういったものをわかりやすく示したのが19ページの図3のグラフ及び21ページの図5のプロットになります。まず19ページのグラフですが、これは先ほどのトルエンとパラジクロロベンゼンについて、室内濃度と個人暴露濃度の分布を示したものです。トルエンの場合は 300μg/m3以上のものについてはまとめて示しておりますが、左側の低いレベルの方のグラフが高い、つまりその濃度が測定された数が多くなっておるということがわかるかと思います。さらに21ページの図では、左隅の方、非常に低いところにプロットが集中しております。ただ、それから外れた高いレベルのところにもプロットが散在しており、こういった高濃度に汚染された事例も存在することが明らかとなりました。
 また、トルエン等につきまして、先ほど御紹介ございましたWHOのガイドライン値 、これは4ページ上の表にまとまっておりますけれども、平成10年度では、トルエンにおいては全体の6%がWHOのガイドラインを、またパラジクロロベンゼンにつきましては全体の5%が、先ほどの資料にございました厚生省の示しております耐容平均気中濃度を、超えている事例が見られました。
 また、平成10年度に測定しました個人暴露濃度につきましては、全般的に室内濃度と高い相関性を示すという結果が得られました。これらのことから、居住環境中の室内における暴露が個人の暴露濃度に大きく寄与していることが明らかとなりました。
 また、さまざまなパラメータについて解析を行っているのですが、その中で比較的明確な差異が見られたものに新築住宅と中古住宅の比較というものがございました。具体的には、22ページの図6ページになります。こちらが新築・中古別の室内空気の濃度の平均値の比較です。新築は3カ月以内ということで定義しております。黒いバーが新築になりますけれども、新築において高い数値を示す物質が幾つかあったという状況です。例えば平成10年度の方では、中古住宅では、トルエンの場合、47.7μg/m3という平均値だったのですが、新築の住宅では平均値は 303.5μg/m3を示しております。
 そのほかの建材の材質別、暖房器具の種類別などでも一部で室内濃度や個人暴露濃度に差が見られる事例もあったのですが、一番明確にあらわれた差というのは、先の新築、中古住宅の室内濃度の平均値の比較でございました。こちらは概要版ですが、本編の方に詳細な記述がございますので御参照いただけたらと思います。
 資料2の説明については以上でございます。
○林座長
どうもありがとうございました。今の御説明も含めまして、何か御質問ございませんでしょうか。私、お聞きしたいのですけれども、WHOの資料4の、先ほどの47ページのTable3.2. 、この下から三つ目に出ている1,4-Dichlorobenzene というのがパラジクロロベンゼンに相当するわけですね。

○村上室長

はい。

○林座長

このパラジクロロベンゼンの、この表を使って、実はWHOのこのガイドラインは非常にいいことが書いてあると思いますので、この読み方をちょっと御説明いただけますか。最初がCompoundで、その次が Average ambient air concentrationとありますけど、ここのところを御説明いただけますか。

○村上室長

一番左側のカラムが化学物質名でございますが。

○林座長

右から二つ目のところ、 Averaging time がありますね。これがどういうことか。これは安藤先生にお聞きした方がいいのですか。

○安藤委員

私もこれは詳しく読んでいるわけではありませんのでわかりませんが、これだったら、1年の平均としてこのぐらいならいいと、こういう話かなということだと思いますが。Guideline Value はそのままですね。Uncertainty factorもいわゆる毒性からのものですね。例えば、水道水中の化学物質の基準あるいはガイドラインとは違って、そういうものは大体ほぼ一定の濃度なわけですけれども、室内空気中の化学物質の濃度は常に変化してしまう。その状況によって違ってしまうということがありますので、それをおしなべて、どのぐらいの平均値だったらいいよという考え方にしようということだと思うんですね。そのデータの信頼性によって平均でいくとか、あるいは非常に厳しいから24時間でいくだとか、そういうお話になるのではないかと私は想像をいたします。

○林座長

ありがとうございました。WHOの1,4-Dichlorobenzene のGuideline Value と日本での値が違っている理由について御説明下さい。
○村上室長
厚生省の専門家会議で決めていただきました耐容平均気中濃度は、立法メートル当たりのマイクログラムに直しますと 590μg/m3ということになっております。こちらは 134μg/m3ということになっておりますので、WHOの数字の方が少し低いということになっています。

○林座長

わかりました。値が変わるということは、評価したときの指標、評価指標が違っているというのと、Uncertainty factorのとり方が違っているということになりますけれども、評価指標が少し日本での委員会とWHOとで違うわけですね。日本の場合には、これを見ると鼻腔粘膜の組織変化を基礎としていると書いてありますし、WHOの方は何か臓器重量ですね。日本の評価指標の方がパラジクロロベンゼンの評価にはより直接的な指標を使っておりますね。

○安藤委員

1,4-Dichlorobenzene のSourceを見てみますと、「WHO 1991a」と書いてありまして、資料3の2ページには、参考評価文献として、WHO/IPCSで「WHO,1991,Geneva」と書いてありますので、ひょっとすると元のデータは同じではないか。つまり1999年のデータというのは出所は同じ。Uncertainty factor の問題かなという気もいたします。
 私、パラジクロロベンゼンのときの評価には参加しておりませんで、ちょっとわかりませんが、そんな気がいたします。

○林座長

そのほかに何かございませんでしょうか。資料の御質問だけでなくて、この検討会で取り組むべき課題のこと、室内空気汚染の問題全般について何か。

○櫻井委員

資料2の室内、室外、個人暴露等を比べますと、事実上、室内濃度と個人暴露濃度がほぼ同じぐらいのレベルになっているのはやや意外と申しますか、室外にいる時間を考慮すれば、その半分ぐらいのところに落ちつくのかなという感じがするにもかかわらず、ほぼ室内と個人暴露濃度が同じになっている。そのサンプルをとった人が、家庭の主婦か多かったというような実態が何かデータがあれば教えていただきたい。

○安藤委員

この実験をやるのは、苦労話をしてもしようがありませんけれども、実は居住環境の御家庭の空気をいただくというのは非常に大変でございます。つまり国が調査をやるということと、その調査結果を介して、その結果どうなるかということを当然聞かれますので、そこで非常に苦労があるということがございます。したがいまして、そういう観点で調査をしたということが一つ。割合としては女性がどうしても多いということがございます。ということは、室内にいらっしゃる方が非常に多いということは言えるかなと思います。
 しかしながら、男性も何割かいらっしゃいます。

○池田委員

関連いたしますけど、屋外にもいるのではないかということですが、私ども「生活時間調査」というのをやりまして、そのとき、いわゆる農業とかそういう人たちは入ってないんですけど、一般の都市のサラリーマンとか主婦、学生などには、男女問わず、やはり9割ぐらい室内にいるんですね。その室内の中には男性の場合はオフィスも含まれてしまいますが、私どもが調べたところでは、オフィスの揮発性有機化合物濃度というのもかなり高いので、そういうことも考えると、だから半分ぐらい外にいて、その濃度の影響で半分ぐらいになるだろうということにはならなくて、ほとんどが個人暴露量は室内濃度と同じぐらいと考えてもいいのではないかと思います。

○櫻井委員

それで、室内濃度、室外濃度、個人暴露濃度のバラツキは、これにははっきり出ていないんですけれども、平均値と中央値を比べると大体想像がつくのですが、室外に比べると、室内と個人暴露濃度のバラツキが非常に大きいですね。それを考えると、一般に屋外の空気を考えている、いわゆる環境基準とはちょっと違った押さえ方といいますか、平均値だけなのか、それもどれぐらいの時間で平均値を出すのかというようなことは、一応考えないといけないのかなと。余り大変なことはできないのかもしれませんが、その辺は考え方を整理しておかないといけないかなという気がいたします。

○安藤委員

答えになっているかどうかわかりませんが、櫻井先生のおっしゃるとおりだと思います。どうしても空気ということから、そのときの環境がどうであるか、つまり隣で、例えば建物を建てていただとか、あるいはその周辺で何かの作業をしていたとか、それによっても極端に変わってしまうことがございますので、そういうものを加味した段階で検討する必要があると思います。
 WHOもそうですが、私どももやった結果、大体どのぐらいが平均的な濃度かということを言う場合は、平均値は余り使いません。と申しますのは、べらぼうに高い濃度に引きずられて上がってしまうことがございますので、大体こういう調査結果の統計処理というのは、50%タイル、つまり中央値で物事を言うのが非常に多うございます。

○櫻井委員

それはよくわかるのですけれども、ただ、人への影響という点から考えると、平均値できいてくると思いますので、当然まず最初に考えるのは平均値が基準値より低いと。それを今度はオペレーショナルには、それとの関係、平均値を担保できるような中央値というようなものを考えなければいけないだろうと思います。

○林座長

ほかに何かございませんでしょうか。先ほど血中濃度を測定したデータがありましたですけど、その値とエアサンプラーでの暴露濃度との間の相関について検討を加えられておられますか。

○安藤委員

すいません、ちょっと聞き逃したんですけど。

○林座長

血中濃度とエアサンプラーでの暴露濃度の関係です。血中濃度は人の健康影響にダイレクトに関与する指標ですので、それと個人暴露濃度との間の関係がどうなのかということと、もう一つは、血中濃度というのは非常に重要な指標ではありますが、なかなか得られないデータですので、これは今後お調べになるのかどうか、予定みたいなことをお聞きしたいと思います。

○安藤委員

全く先生のおっしゃるとおりだと思うんです。血中濃度のデータは、私がやったデータではございませんが、いずれにしても相関があったということだと思うんです。ということは、やはり血中に入っているということは明らかだということは言えるのだろうと思うんです。
 これを追試する必要性は当然ございまして、昨年度の研究の段階でそういうことをやっております。そのうちデータが出るのだろうと思いますが、それはこれからさらに検討していかなければいけない話かと思っております。

○林座長

どうもありがとうございました。事務局にお聞きしますが、血中濃度と健康影響との相関についてお調べになるかどうか。

○村上室長

安藤先生からお話しいただいた方かいいかもしれないのですが、今回の居住環境中の全国実態調査でも一応、アンケートの形で健康影響があるかないかということは聞いております。ただ、その点については、汚染の実態と健康影響というのはあまり明確にリンクが見えませんでした。ただ、この部分についてはもう少しきちんとやっていかなくてはならないだろうとは思っています。ただ、血中濃度を測定するというのはなかなか大変な作業でございまして、実際に血を採ることまで含めて、御同意いただいて、研究に参加していただける方々を集めるのはすごく大変だというのはございますけれども、いずれにしてもやらなくてはならないだろうと思います。

○林座長

今の資料をいただいて、血中濃度まで調査された事について大変苦労されたことと感服しています。

○安藤委員

それについても補足いたしますけれども、血中濃度をはかるというのは、ダイオキシンの問題のときもそうだったと思うのですが、非常に大変なことだと思うんですね。それにはまずインフォームド・コンセントをやらなければいけないということが一つあります。
 そのほかに分析方法を確立しなければいけないということがあります。すなわち非常に少ないサンプルですので、空気の場合は何リッターも採れますが、そうはいかないということになります。
 ということから、ここでお調べになったのも、クロロベンゼンだけなんですね。他の気散性物質は測っていない。気散性物質がそこに存在するかどうかということはちゃんと確認しなければいけない。そのための分析法を確立しなければいけない。そういう段階を今踏んでいるというところでございます。
 それから、もう一つ大きな問題はタイムラグというのがあります。つまり体内に入れば当然代謝されるわけで、そこにそのまま存在しているという能性はないわけになるんですね。ですから一体タイムラグなく測れるかという問題も出てきますし、データが出たところで非常に難しい問題だろうと思われます。ですから暴露濃度がどのぐらいだろうかということが基本的なスタンスなのではないかと思います。

○林座長

そのほかに何かございませんでしょうか。どうぞ。

○石川委員

今、安藤先生からお話がございましたのですが、私たち実際に患者を診て、「血液採りますよ」と。そうすると今の人たちは、何を調べるとか目的は?など結構申します。それでインフォームド・コンセントをとって、採血いたしまして、それから、気中濃度をはかるまでの「タイムラグ」がやはり大きな問題になってしまう。その間ができるだけ近くて、昨日はかって、今日血液を採って調べる。そういうことに対する打ち合わせや調整が非常に難しい問題というのが一つです。
 もう一つはアンケートで、なかなかコンスタントな症状がでない。同じ物質で同一個体が同じ症状が出るというのはむしろまれで、微量な場合症状が違うのが正しいわけですね。ですから、そういう場合にクリニカルのインデックスで何が一番正確で、どれがdose dependent に反応するかという指標を今私たち必死になって探していまして、パラジクロロベンゼンならこれ、トルエンならこれ、有機リンならこれと、そういうものをきちんと出していくことを、この委員会でぜひやっていただきたいところです。よろしくお願いします。

○林座長

どうもありがとうございました。どうぞ、田辺先生。

○田辺委員

私は、このガイドラインを受けて、対策をしなければいけない立場にあると思うのです。実は厚生省がホルムアルデヒドの室内の濃度指針を出されて、これには大変感心しております。例えば、実際の気中濃度というのは換気量との関係で決まりますが、発生量を換気量で割れば気中濃度になるわけです。換気量は現在省エネ法で大体 最低0.5回、2時間に1回の換気を目安とされているわけですけれども、この換気をしたときに、どの程度の建材、施工材を使えばガイドラインが守られるかということで、建材が変わっていくということが実際起こっているわけです。
 ホルムアルデヒドに関しては、この数年非常に室内濃度が下がってまいりまして、大変大きな成果がこのガイドラインであったのではないかと思います。
 そういう意味で言いますと、今回のVOCに関するガイドラインも、私個人的に非常に期待するものが多いです。なぜかと言えば特に北ヨーロッパ等に比べますと、日本ではVOCの気中濃度が非常に高いからです。その原因として、新築住宅が非常に多いということがあります。現在5000万戸ぐらい日本にストックがありますけど、1年間に 120〜 130万戸はできていますから、早い住宅は30〜40年でつくりかえられることになります。手を挙げていただくと、多分3割ぐらいの人が築10年以内ぐらいの住宅に住んでいるということになると思います。これはかなり特殊な事情ではないかと思います。
 そこで、トルエン、キシレン、パラジクロロベンゼンあるいはほかの物質をリストに入れるときにどういうふうに室内濃度を定義するか、非常に大きな問題です。気中濃度のガイドライン値はWHOの人体暴露影響から決めることはいいと思うのですが、測定をどうやってするか。例えば、 0.5回換気をしたところでするのか。省エネのために非常に気密性がよい住宅増えてきていますけれども、それを換気を止めて測れと言われると不利となります。COP3で日本は省エネルギーの約束していますけれども、住宅のエネルギー消費量は、現在8分の1ぐらいなんですが、これが6分の1ぐらいまで増えるだろうと言われております。人間の健康が一番なんですが、同時に測定の仕方を少し考えていかないとちょっと怖いのではないかと思います。
 現在ISO146というところで、化学的な測定法に加えまして、どうやって測るかということが議論されていますけれども、日本ではファジーなところがあります。欧米は熱容量が非常に大きな家で、1日の温度変化は少ないのですが、日本だと例えば昼間に濃度が高くなったりというようなことがあるということです。
 そういうことを踏まえて、換気測定法を一緒に、加えてどうやって対策ができるかというようなところまで含めて検討していただければと思います。我々の研究室でも、気中濃度プラス建材からの放散データを一緒に測定したデータを大分持っております。実際の住宅で気中濃度を測りながら換気量を測って、また建材個々から出る化学物質を測って、どのくらい寄与があるかということを調べていますが、もしよろしければ、そういうデータも御提供したいと思います。
 そのときにまた問題になりますのが、かなり短い時間で減衰するものと長時間出続けるものというのがございまして、トルエン、キシレン以外のもので、そういう物質もあるので、少し発生源から含めて注意をするとよいのではないかと思います。
 最後にですけれども、ISO146の中では、住宅・建築物以外のものも規格の中に含めると書いてあります。決して住宅だけではないので、どこまでをこのガイドラインの範囲に含めるか、かなり在室時間が長い空間というのがありますので、少し議論をしておいた方がいいかなと思います。非常に期待をしております。

○林座長

どうもありがとうございました。ただいま非常に貴重な御発言ですけれども、他に何かございませんでしょうか。

○内山委員

今の御意見と重なると思いますけど、パラジクロロベンゼンの場合、私、先ほど御質問の資料3の専門家会議、3年前だったのでちょっと記憶がはっきりしなかったので思い出していたのですが、このデータを出したときに、すぐにガイドラインとしてできなかったのは、特にパラジクロロベンゼンの場合はたんすをあけたり、着がえをしたりした場合に一度に大量に出て、どの時点を測ったらいいか、場合によって大分違ってくるということで、その後のデータの集積を待ちましょうと。どういう測定方法でガイドラインを出すべきなのかということで見送った経緯があります。ぜひ、この点をやっていただきたいと思います。
 それから先ほど林先生が、WHOの方が厚生省の値より低いではないかというお話だったのですが、思い出してみますと、資料3の3ページに書いてあるのが、そのときのWHOのTDIです。これは1mg/m3で、これが先ほどの表に出ております 450mg/m3をNOELとして、不確実係数を 500にとったときのTDIです。ですからTolerable Concentration とはまた違う基準ではないか。厚生省が決めたのは、この1mgよりもさらに低い0.59mg/m3という値でした。
 なぜ1mgを見直したかという経緯は、吸入実験でがんが発生したというデータが初めて出たので、そのために見直した経緯がある。その時には、発がんは、いわゆる種特有性の可能性が非常に強いということと、いき値があると考えて、それで計算しましても、これより高かった。
 しかし、同時に吸入実験で鼻粘膜の影響が出たのが、それよりも低い影響指標として出ましたので、そちらを採用したと、今思い出していたところです。WHOのGuideline Value とTCが違う観点なのか確認してみたいと思います。

○林座長

どうもありがとうございました。

○安藤委員

先ほどの田辺先生、今の内山先生の測定法の話にかかわりますけれども、私も測定方法については、やはり仕組みを考えなければいけないのではないかと考えている一人でございます。と申しますのは、室内の発生源という考え方でどのぐらい高くなるのか、最高濃度がどのぐらいになってしまうのですかという考え方と、もう一つ、いわゆる厚生省的な考え方をするならば、厚生省として1日中、1週間中、あるいは1年中このぐらい吸っていても大丈夫ですよという濃度、つまりそういう測り方と二つあってもいいだろうと、私は何となくそういう気がいたしております。つまり発生源からみた測定方法、いわゆるサンプリング方法ともう一つは、健康影響という観点からみたサンプリング方法とこの二つがあってもいいのではないか、そんな気がいたしております。

○林座長

どうもありがとうございました。

○村上室長

事務局といたしましては、前回のホルムアルデヒドのときは、指針値を提示いたしまして、測定方法は特に定めなかったわけでありますが、今回はホルムアルデヒドも含めて、標準的な測定方法も指針値と一緒に公表をできればと考えております。もちろんこの検討会で御議論していただいた上でということでありますが、事務局としてはそう考えています。

○池田委員

よろしゅうございますか。

○林座長

はい。

○池田委員

その試験方法を決めるというのは、大変結構なことだし、ぜひ、そうあらなければいけないと思うんですが、例えば、換気回数 0.5回のもとで測れという話になった場合は、 0.5回をどうやるかということをすべてにちゃんと測れということですか。今ですと、簡単には我々建築屋のように、いつもこんなことをやっている人間にとっては、0.5 回の換気回数を確かめるのは大したことではないですけど、保健所の方々全員にそれをやれということになってしまうのでしょうか。

○安藤委員

それは、これから分析方法を検討する話で決まっていくのだろうと思うのですが、ある想像ですけれども、例えばここの部屋が換気回数、ここの部屋の一番高い濃度をはかろうというのは、換気回数云々に関係なくなるのではないか。発生源がどのぐらいか、あるいはこの居住環境という状況で、最大濃度どのぐらいかというのが問題であって、換気回数 0.5であろうとなかろうと、そこは関係ないのではないか。

○池田委員

早い話が完全に密封した部屋で、発生だけあったら、それこそ濃度はどんどん上がり続けるわけですから。

○安藤委員

それはこれからの議論かなと思うんです。

○池田委員

はい。

○林委員

サンプリングの上限を決めるということですね。

○池田委員

決めるのは結構だと思うんですけど、決めてそのとおりやるというのが、実際問題として非常に大変で、何かその辺を簡易な方法も考えないといけないのでしょうかということでございます。

○林委員

事務局で何かお考えは。
○村上室長
事務局といたしましては、実際にガイドラインレベルを決めて、実際に標準的測定方法を決めますと、それに基づいて都道府県なり保健所の職員の方々も測定をするという事態になるわけであります。ですから先生が御心配になっておられるように、その時にできない、実行しようと思ってもすごく難しい、どうやっていいのかわからない、ということにならないように、その際にはきちんとした情報伝達というか、技術移転を厚生省の責任でやる。都道府県の職員をお呼びして、こういうふうにやるのですよというようなことをきちんと技術の移転をするということにしようとは思っております。
 ただ、難しさというのが、どのような測定方法になるか、これから御議論していただくので、その内容によって、単に呼んで話をするだけでは足りないということであれば、研修のようなことも考えなくてはならないと思いますし、いずれにしても、日本全国のどこでも同じような標準的測定方法が間違いなくできるような態勢にしたいと思っています。

○土屋委員

都の衛生研究所で実際に測定をしている立場として申し上げますと、先ほどおっしゃったように 0.5回という条件のもとにというのは非常に難しいと思います。それで、実際に厚生省で今度、安藤先生を中心に実態調査をやられた中に参加していたわけですけれども、測定条件というのはやはり一般的にそこの住宅の家庭環境・生活環境に合わせたところで実態調査をやっているというのがほとんどでして、ですからそういう意味では、統一的な測定方法というのは、そういう一定の条件のもとで測るというのは非常に難しいのではないか。
 実際に今まで出てきている私どものを含めまして膨大なデータは、多分実生活で、生活していただいている中で測定した結果がほとんどだと思いますので、その辺も考慮が一つ必要だということと、あと実際に調査をやる保健所なり地方自治体でやることは、多分その条件でやれればできると思いますけれども、それ以外に建設業界等からガイドラインに従って調査するときには、1週間もやるとか、実質的に非常に困難な測定方法をつくられても困るというようなことを、前、何かのシンポジウムのときに言われたことがありますので、その辺も考慮していただければと思います。

○田辺委員

今の点なんですけれども、実居住ではかる方法の他に、住宅を供給しているような方から言うと、お客さんにいいものを渡したい、国民生活にいいものを渡したいため、例えば引取り時に測定して渡したいというようなことが出るわけですね。実際に集合住宅・マンションなどはディベロッパーという不動産会社が建設会社から引き取るときに測定をしなさいということをある程度義務づけ、契約書の中に入っている例もあります。ホルムアルデヒドに関しては厚生省の基準で入っているんです。測って、0.08ppm 以下を渡してくれと。それは後でお客さんとトラブルになる可能性があるからということもあります。この検討会でガイドラインを議論して決まりますと、多分必ず同じ様なことが起きる。
 そのときにどうやって保証できるか、測れるかというシステムをやっぱり考えておかないと、実生活で測ったときに、例えば化粧品からもトルエン出ますし、どこから出ているかということをきちんとわかるような仕組みだけは議論しておくべきではないかと思います。決して住宅供給者を擁護しているわけではなくて、抜け道のない方法を考えるということが必要と思います。

○櫻井委員

追加の情報として、欧米のいろいろな経験を学ぶのもいいだろうと思ったんですが、今伺っていますと、日本の家屋の特殊性というのがあって、余り参考にならないのかどうなのか、その辺をちょっと教えていただきたい。

○林委員

それは事務局ですか、あるいは田辺先生ですか。

○田辺委員

池田先生おられるので。

○池田委員

田辺先生に後で補足していただきたいと思いますけれども、欧米の場合は比較的セントラルの換気システムなどが付いていますから、換気システムの排気の最後のところで測れば、家全体の大体平均値が測れるような、戸建住宅の場合ですけど、測定方法があるんですけど、日本の場合、そういう住宅はまだほとんどないですので、確かに空間内の分布も多いですし、しかも季節や1日の変動とか、そういうのも非常に多いので、そういうところで代表値をはかるというのは非常に難しいような気はしますが、その辺について、田辺先生何か御意見ございますでしょうか。

○田辺委員

やはり高温多湿の国でかなり開放的に住宅がつくられています。一例を申し上げると、例えば戸建住宅で2階建てのような住宅の場合に温度差換気があるものですから、2階の寝室の濃度などはかなりVOCとかホルムアルデヒドが高くなるのです。上から排気をするものですから、外気は下から入ってきているんですけれども、換気回数としては保っていっているのですが換気量が十分でなくなる。そういう特殊事例などもありますので、これからガイドラインを決めていく中で、なるべく確認していきやすいこと、そこに寝ている人や居住者が安心してできるような測定方法も同時に考えていくと非常に実際に効率があるのではないかと思います。特殊性はやはり考えておく必要はあると思います。

○林座長

どうもありがとうございました。非常に貴重な御意見に厚く御礼を申し上げます。御議論も尽きないと思うんですけれども、時間が限られておりますので、今後の検討会の具体的な進め方の議論に移らせていただきたいと思います。事務局としてどういうふうに進めていくかというお考えがありましたら、お聞かせください。

○村上室長

今日が初回でございますけれども、貴重な御意見をたくさんいただきまして本当にありがとうございます。
 本検討会におかれましては、今後とも化学物質の室内汚染の問題全般について引き続き御検討をお願いしたいと考えておりますが、とりあえず当面の予定といたしましては、先ほども申し上げましたように、9年、10年の実態調査で比較的高い数値が出ておりますトルエン、キシレン、パラジクロロベンゼンについてのガイドラインの検討及びそれに並行して、測定方法の検討をお願いできればと考えております。
 もしお許しいただければ、次回の検討会までに、事務局がそれぞれの御専門の先生方と個別に御相談をさせていただきながら、レビューレポートなり、標準的測定方法の案を作成させていただきまして、それをもとに次回の会議で御検討いただきたいと考えております。
 その先の予定といたしましては、この検討会で、これで案として表に出してもいいでしょうと言っていただけるようなものができれば、案を公表いたしまして、パブリック・コメントで外部の方々の御意見も聴く。その御意見を取りまとめまして、再度この検討会において御議論をいただいて、最後に案をというような形で、とりあえずは3物質についての作業を進めさせていただきたい。
 その次に、さらにトルエン、キシレン等だけのガイドラインを作りますと、別の物質にに変わっていってしまう可能性もある。、現時点ではそれほど濃度の高くないものが代わりに高くなってしまう可能性もありますので、WHOのガイドラインが決まっているような物質について、現実の汚染状況も見ながらプライオリティーを決めて、できるだけ速やかにガイドラインの整備ということを進めていきたいと思います。
 それから、TVOCのような規制の全般的な考え方につきましても、外国における実態を調査して、それを事務局である程度取りまとめまして、日本においてはどのような考え方でやるのが適当かということについて、また御議論をいただければと思います。そのようなことで、今後進めていければと考えております。

○林座長

どうもありがとうございました。今の事務局の御提案について、御質問、御意見あればお願いいたしたいと思います。室内汚染の問題、先ほど冒頭に生活衛生局長さんの方からお話ありましたように、議論しなければいけない点は非常に多いのですけれども、やはり私としても、今の事務局の御提案どおり、まずトルエン、パラジクロロベンゼン、キシレンの室内濃度指針値、これを優先分野として議論していくのが最初の出発点かなと思いますけれども、いかがでしょうか。いろいろ御意見あると思いますけれども、よろしくお願いいたします。

○池田委員

大変結構だと思うので、ぜひそうしていただきたいと思います。特にトルエン、キシレン、パラジクロロベンゼンでガイドラインをつくる、これはぜひ緊急だと思います。
 ただ、確認なんですけど、村上さんもおっしゃっていたとおり、ホルムアルデヒドのガイドラインを作ったらアセトアルデヒドが増えてきている、そういうこともありますので、必ずTVOCという枠だけは忘れないでいていただきたい、もう一回確認したいと思います。

○村上室長

TVOCについても御検討いただきたいと考えております。

○林座長

そのほかに何か御意見ございますでしょうか。今の、アセトアルデヒドが上がってきたというのは、相当深刻な問題なんですか。

○池田委員

田辺先生がその辺はいっぱいデータ持っていらっしゃるようです。

○田辺委員

アセトアルデヒドはかなり臭いが高いものですから、そちらの方が先に来ると思いますので、実質的には低いと思いますけれども、別の物質が増えるというのはよくある話であります。

○林座長

そのほかに何かございませんでしょうか。
 もしなければ、次回以降、まずトルエン、パラジクロロベンゼン、キシレンの室内濃度の指針値とその測定方法を中心に議論させていただければと思っています。よろしくお願いいたします。
 議題の次のその他というのがございますけれども、これは事務局の方で何かございますでしょうか。
○村上室長
大変活発な御議論ありがとうございました。一番最初に本会の名称についてお話がございましたけれども、厚生省といたしましては、シックハウス問題について積極的に取り組もうと思っておりまして、もちろんここでこれから御議論いただこうとしております有機化学物質のガイドライン、測定法、その他は、そのうちの一部だろうと思いますけれども、一応このような名称で進めさせていただきたいと思うのですが、その点についてはよろしいでしょうか。

(「はい」の声あり)

○村上座長

どうもありがとうございます。
 次回の本検討会の予定でありますけれども、先生方の御予定等、既に承っておりまして、4月27日午後1時半から開催させていただきたいと思います。きょうが5日でありますので、余り時間はありませんけれども、その間、なるたけ早い時期に議論のたたき台となります厚生省側の案をつくりまして、それぞれの御専門の先生方に直接、私どもの担当から御相談をさせていただきたいと思います。
 場所につきましては、また追って御連絡をさせていただきます。お忙しいところ大変恐縮でございますけれども、ぜひとも御出席いただきますようお願い申し上げます。以上です。

○林座長

どうもありがとうございました。その他はそういうことでよろしゅうございますか。

○村上室長

はい。

○林座長

一つ確認したいのですけれども、今回の検討会は、第1回目は公開であって、議事録も公開と。

○村上室長

はい。

○林座長

今日配付していただきました資料も公開ということですか。

○村上室長

そうです。

○林座長

ありがとうございました。
 先生方、いろいろお忙しいところありがとうございました。何かございましたら、できるだけこれからの事務局の作業に御協力いただきたいと思いますが、よろしくお願いいたします。
 では事務局の方にお返しいたします。

○村上室長

本日は大変ありがとうございました。今後ともぜひよろしくお願いいたします。

(閉会)


問い合わせ先
厚生省生活衛生局企画課生活化学安全対策室
 剣持(内線2423)、平野(内線2424)
代表[現在ご利用いただけません]


審議会議事録等 HOME