00/03/30 第8回クロイツフェルト・ヤコブ病等専門委員会議事録             第8回公衆衛生審議会疾病対策部会           クロイツフェルト・ヤコブ病等専門委員会                  議 事 録         日 時 :平成12年3月30日(木)11:00〜13:05         場 所 :厚生省26階 共用第9会議室                (開会・11時00分) ○佐藤委員長  それでは定刻となりましたので、ただいまから第8回公衆衛生審議会対策部会クロイ ツフェルト・ヤコブ病等の専門委員会を開催させていただきたいと思います。  今日は遠いところから委員の先生方、ご出席ありがとうございました。会議に先立ち まして麦谷エイズ疾病対策課長からご挨拶をお願いいたします。 ○麦谷課長  おはようございます。所管しておりますエイズ疾病対策課長でございます。前回の委 員会は平成11年8月23日でございましたので、その後、私、8月31日に就任いたしまし たので先生方には初めてお目にかかるかと思います。今日は8月23日以来の第8回目の 専門委員会でございます。  今朝ほどまで篠崎保健医療局長がここに参上して先生方にご挨拶を申し上げるべく、 用意しておりましたが、今日、国会に呼ばれておりまして政府参考人として答弁があり ますので、申し訳ありませんが今日は局長は欠席をさせていただきます。  今日、年度末の慌ただしい時期に急遽、お集まりいただきまして誠にありがとうござ います。  従来、昨年の4月に感染症新法というのができまして、それで動いておりますが、そ れまでにクロイツフェルト・ヤコブ病及びその類縁疾患調査ということで、ですから平 成11年の3月まではそれでやってきていただいておりますが、4月からは新しい法律に 基づく集計ということになっております。したがいまして今日、ちょっと複雑な数字の 出し入れになりますが、あとで事務局の方からも詳しくご説明を申し上げます。  また、私ども、厚生省といたしましては昭和51年、1976年より特定疾患、いわゆる難 病の研究の中に研究班を設置して遅発性ウイルス研究班、先生方もご存じのとおり、ス ローウイルスいうことでクロイツフェルト・ヤコブが長い間、捉えられていましたの で、そのスローウイルスの研究班の中で一部、取り扱ってきております。また、今日、 ご出席の北本教授に班長をお願いをしているところでございます。  また、医療費の公費負担を平成9年から導入いたしまして、患者さん家族のご支援と いうことで医療費の公費負担プラスいろいろな事業で支援をしてきております。  さらに、このクロイツフェルト・ヤコブ病が、例の英国におけます狂牛病の問題と相 まって非常に最近、社会的な関心も集めております。今日は昨年4月以降の発生動向に ついてまずご検討いただき、また、新たな問題があるかないかのご審議、あるいはいろ いろな動きがございますので、そのことに関しましてもご討議をいただきたいと思いま す。  従来から審議の重要性に鑑み、議事録を公表してまいりましたが、今回からこの委員 会そのものを全面公開とするということで、ちょっと異様な感じされるかと思います が、後ろに椅子が置いてありまして誰でも入れると、どのような方でも聞きたい人は来 れるという全面公開にしておりますのでご理解をいただきたいと思います。  それでは活発なご審議をお願いしてご挨拶といたします。よろしくお願いいたしま す。 ○佐藤委員長  ありがとうございました。それでは事務局から委員の出欠状況について報告をお願い します。 ○加藤補佐  本日は小池委員、柳川委員、合計2名の方が欠席されておりますことをご報告申し上 げます。また、調査結果の集計、分析をお願いしておりました特定疾患対策研究遅発性 感染研究班の自治医科大学の中村教授でございますが、本日、ご欠席であります。  続きましてお手元の配付資料の確認をさせていただきたいと思います。まず、先生方 のところにあります議事次第が1枚、座席表、名簿、資料の一覧を1枚つけてございま す。本日は資料1、2、3と参考資料をお配りしています。  資料ナンバー1が「クロイツフェルト・ヤコブ病及びその類縁疾患調査」の1999年4 月1日から2000年3月31日までに報告された症例の案というものと、資料ナンバー2が これ1枚の紙でございますが、感染症法に基づくクロイツフェルト・ヤコブ病発生状況 (案)でございます。  資料ナンバー3が「クロイツフェルト・ヤコブ病及びその類縁疾患調査」におけるイ ンフォームド・コンセントの実態についてというものでございます。そして参考資料と いうことで、少し分厚いものでございますが、前回、第7回のこの専門委員会の議事録 を配付させていただいております。最後に公表用の資料の案ということで、4頁のもの をお配りしております。以上でございます。 ○佐藤委員長  ありがとうございました。それでは第1の議題のクロイツフェルト・ヤコブ病及びそ の類縁疾患に関する調査の調査結果とその解析報告についてご説明をお願いします。 ○加藤補佐  事務局からご説明させていただきます。本来ですと従前は先生方に調査票を、個票を それぞれお配りしてご審査していただいたわけでございますけれども、プライバシーに 関わる部分もございますので、私の方から各症例、本日は保留例1例と新規の報告例3 例ございますが、それにつきましてご説明をさせていただこうと思います。  先生方には調査票の記入のしてないものを参考までにお手元に配付してございますの でそれをご覧いただきながらどういう症例かというのをご検討いただければと思いま す。  最初に保留例でございますが、これは通し番号で20番でございまして、平成10年3月 16日の当委員会、第5回でございますが、におきましてご審査いただいたものでござい ますが、非常に進行状況が遅いということで2年後の平成12年の3月頃を目途に再調査 を行うということで保留になったものでございます。  昨日、私どもの方からその症例につきまして問い合わせたところ、やはり、失礼しま した。10年12月に転院をされておるということでございますが、その10年12月時点で錐 体外路症状がない、無動性無言にもまだなってないという状況でございました。 ○佐藤委員長  10年11月というのは、11年はどうなっている。それ10年12月が一番最後の情報になる わけですか。 ○加藤補佐  はい。その委員からということではそうでございます。 ○佐藤委員長  この症例、確か、前回の委員会でも実際に出向いて調査の必要があるのであろうとい うことが話題にのぼったと思いますけれども、そのままになっているのですが、これは 診断の確定と症例が非常に特異なのかどうかの確定が必要ですので、やはり実際の調査 が必要と思いますので、適当な委員の先生、北本班の中でこの地区のおそらくサーベイ ランス委員も決まっておられると思いますので、複数の医師で調査に赴いた方がよろし いと思いますけれども、いかがでございましょうか。  この症例についてはそれでは病院側の了解を得られたら実際に複数の医師で北本班で 一応、候補に上げられている先生方にお願いして調査に出向くということでいかがでご ざいましょうか。 ○加藤補佐  では、この保留例につきましても今回も保留ということで病院の了解を取った後に複 数の先生方にお願いをして実際に診ていただくということで。 ○佐藤委員長  はい。 ○加藤補佐  では、続きまして新規の報告3例でございますが、第1例目、通し番号で申しますと 134 番になるわけでございますけれども、概況を申し上げますと、70代の女性で発症が 平成9年8月頃ということでございます。昭和60年に聴神経腫瘍の手術を受け、その時 点でヒト乾燥硬膜が使用されております。  当該医療機関におきましては、これはカルテにはライオデュラかティトプラストか明 確に記載はございませんが、その出入りの業者と言いますか、納入業者はライオデュラ しか扱っていない、そういう会社だそうであります。そういうことからライオデュラと いうふうに考えられるということでございまして、報告にありました調査票にもライオ デュラという記載がございました。  他に臓器製剤ですとか移植歴はありません。輸血歴、献血歴、針治療歴は不明という ことでございます。症状は進行性でミオクローヌス、進行性痴呆又は意識障害、錐体路 症状、錐体外路症状、小脳症状、視覚異常、無動・無言状態のすべてがあるということ でございます。  脳波におきましてはPSD である。画像では脳萎縮が認められる。プリオン蛋白遺伝子 の異常につきましては未施行でございます。脳脊髄液検査も未施行でございます。病理 解剖がこれはありまして、病理の所見では大脳の萎縮がマクロ的にも認められます。ミ クロ的には典型的な症状がありまして、プリオンによる免疫染色を行っておりまして、 大脳皮質や小脳皮質、顆粒層にシナプス型の沈着を認めると。孤発例のCJD の所見と基 本的には同一の変化と考えるという所見がございます。鑑別はすべて可能ということ で、診断は病理所見があるということから「確実例」ということで来ております。134 は以上でございます。 ○佐藤委員長  この症例は昭和60年、1985年にライオデュラの移植を受けておった症例で、平成9年 に発症して亡くなられて、既に病理解剖をしておられて大脳の免疫染色でシナプス型の プリオンの沈着が認められたということが報告されている症例ですが、何かご質問ござ いますでしょうか。  コドンの多型性については記載が未施行ですから、もうこれちょっとあと病理しか残 ってないので調べておいた方がよかったのですが。先生方、お手元に個票が回ってなく て非常に恐縮なのですが、何かご質問ございませんでしょうか。  それでは硬膜例の追加症例ということで次の症例に移りたいと思いますが。 ○加藤補佐  次、通し番号135 番になりますけれども、70歳代の男性でございます。発症は平成10 年1月頃ということでございます。昭和59年に動静脈奇形の手術を受け、ヒト乾燥硬膜 が使用されているということでございます。  この医療機関も同じようにライオデュラかティトプラストかカルテに明確な記載がご ざいませんけれども、出入りをしていた業者の方はライオデュラしか扱っていないとい うことでライオデュラと考えられるということでございます。  既往歴としまして昭和45年にくも膜下出血、平成5年に症状性癲癇があったというこ とでございます。症状としましては進行性でミオクローヌス、進行性痴呆又は意識障 害、錐体路症状、視覚異常、無動・無言状態があるということでございまして、錐体外 路症状、小脳症状はないということでございます。  脳波はPSD があるということ、画像では脳萎縮はあるということです。プリオン蛋白 遺伝子の異常については未施行についてございます。脳脊髄液検査も未施行でございま す。 ○佐藤委員長  未施行。記載がないのではないでしょうか。未施行でしたか。問い合わせて。 ○加藤補佐  これは脳脊髄液につきましては記載がございませんでしたので、私の方で確認をしま して未施行ということでございます。失礼しました。  病理解剖もございません。鑑別はすべて可能ということでございます。診断としまし ては「ほぼ確実例」というところに丸がついております。 ○佐藤委員長  この方はまだ生存中なのでしょうか。死亡になっていましたね。3月の17日。 ○加藤補佐  10年に亡くなっておられます。 ○佐藤委員長  非常に経過が早いですね。平成10年の1月15日頃に発症して死亡が平成10年の3月17 日死亡となっていますから非常に経過の早い症例ですが、症状の記載からは無動性無 言、ミオクローヌスが記載されていますし、脳波でPSD 、画像で脳萎縮も確認されてお るということで他の疾患はすべて鑑別できるに丸がついていますので、調査票に主治医 の先生が「ほぼ確実例」として丸をつけてきていますけれども、その内容には矛盾する ところがないと思います。  硬膜手術を受けたのが1984年の9月ですから、確か84年はまだライオデュラしかない ときで、このとき旧処理法のものだけですから、その点からしても旧処理法のアルカリ 処理をしていないライオデュラの移植を受けた症例と扱ってよろしいかと思いますが、 何がご質問ございませんでしょうか。  それではこの症例も記載内容からは矛盾したところがない硬膜移植を受けたクロイツ フェルト・ヤコブ病として登録したいと思います。 ○加藤補佐  続きまして3例目でございますが、通し番号。 ○佐藤委員長  3例目は削除。 ○加藤補佐  削除でよろしいのですか。 ○佐藤委員長  これ、経緯を申し上げますと、3例目は実は夕べ、昨日、私、調査票を初めて厚生省 の方で拝見しまして、一応、調査班の記録と重複例の照合したところ、用意された3例 目が重複例でございましたので、これは今日は報告の必要はないかと思いますがどうい たしましょうか。必要ないのではないでしょうか。既に調査班としていろいろと報告し ている症例ですけれども。 ○加藤補佐  では、省略させていただきます。 ○麦谷課長  先生、確認された方がいいと思いますが、要するに何と重複していたかとわからない 先生がいらっしゃると困りますので、平成8年に1回、全国の医療機関を調査したとき に既にこの症例は報告されていたと。それがまた上がってきたのでこれは全く同じ症例 なので新規ではないと、こういう理解でよろしいですか。 ○佐藤委員長  はい。 ○立石委員  ちょっとよろしいです。以前の通し番号で何かわかりますか。 ○佐藤委員長  そうですね。この調査票で。 ○加藤補佐  37番ですか。 ○佐藤委員長  37番です。この報告書の37番の症例がそうなのですが。 ○立石委員  はい。結構です。 ○佐藤委員長  よろしいでしょうか。 ○加藤補佐  では、続きまして今、確認していただいたものを集計したものが資料1でございまし て、表1は年齢階級別と発症年毎に今回、7回まで認めていただきました108 例と、今 回、新規にありました3例、保留例1例の分布を示したものでございます。  したがいまして、1例、新規のところで3例ということで再掲しておりますが、1 例、重複でございますので、そこの該当部分を削除していくという形になろうかと思い ます。  表2が硬膜移植歴のあった3例につきまして性別と硬膜移植年月日、疾患名、発症 年、発症時年齢、発症までの期間を出しておりますけれども、これも3番目のを削除す るということでございます。  表3、次の頁でございますが、これは症状別の有無を見たものでございますけれど も、これもすべて2例にしてその分布を改めるということになります。 ○佐藤委員長  そうすると表3はどの症例が、この症例がどれを削除したらいいかわかりませんの で、後で直したものを教えてください。 ○加藤補佐  はい。 ○佐藤委員長  よろしいでしょうか。他の新たな2例についてはもう既に重複のチェックはかけてお られるわけですね。重複した症例でないという確認はしておられるわけですね。 ○加藤補佐  一応、しております。 ○佐藤委員長  はい。それではそういうことで次に進みたいと思います。  それではその次は資料2ですね。議題の2の感染症新法に基づいたクロイツフェル ト・ヤコブ病の届け出の集計結果について事務局からお願いします。資料の2でありま す。 ○加藤補佐  資料の2につきましてご説明させていただきます。  これは感染症法に基づいて平成12年の4月1日から第4類感染症にクロイツフェル ト・ヤコブ病が位置づけられましたので、診断をした医師の方から保健所を通じまして 厚生省の方に届け出がまいるわけでございます。その様式が先生方のお手元に1枚、さ きほどの表と同じようにこういうちょっと汚いコピーでございますけれども、こういう 情報が厚生省の方に上がってまいるわけでございます。  12年の12月31日までで一応、閉めましてまとめたものが資料2ということでございま す。この8か月間で症例は90ありまして、その病型別の患者数というものを表1に示し てございます。孤発型が合計83例、家族性が4例、新変異型がないということでござい まして、その他ということでここではGSS ですとかFFI を含めておるわけでございます が、それが合計3例。合計90ということでございます。  性、年齢別患者数では2でございますけれども、30歳未満という方はございませんで したけれども、30歳代の方、30歳から39歳までの方が男性、女性1人ずつ2名おりま す。40歳から49歳の方が女性で2名、あとはお手元にあるような数字になってございま す。  この括弧の数字は硬膜移植歴のある患者さんでございまして、30歳から39歳の1例と いうのは硬膜移植例が1例あるということでございます。  既往歴等ということで3はまとめてございますが、ヒト乾燥硬膜の移植歴のあった方 が男性2名、女性3名ということで合計5名、報告がございました。上記以外というこ とでその他ですとか、お手元の情報にありますようなものをすべてまとめますと85例が 上記以外ということでございました。以上のような4類の届け出の分析結果でございま す。 ○佐藤委員長  ありがとうございました。感染症法に基づくクロイツフェルト・ヤコブ病の新たに把 握した症例数を主にご報告いただいたわけですが、今のご説明の内容にご質問ありませ んでしょうか。 ○北本委員  よろしいですか。 ○佐藤委員長  はい。どうぞ。 ○北本委員  ひとつは、これは新たな発症例だけをフォローできているのか、それとも4月1日現 在、例えば3月とか、2月にクロイツフェルト・ヤコブ病という診断がつけば、ここに 登録されたのか、ということはどうでしょうか。 ○加藤補佐  法律の趣旨から申し上げますと4月1日以降に診断をつけた患者さんでありまして、 診断後1週間以内に届け出をするというふうに確かなっておると思います。  ただ、これ、4月以前に別の病院で診断がついていたのですが、転院をされて別の医 療機関に4月1日以降、移られるとか、他府県に移られるとかということになって、そ こから新たに出ている可能性はあるわけでございます。 ○佐藤委員長  よろしいでしょうか。他にご質問ございませんか。 ○立石委員  よろしいですか。 ○佐藤委員長  立石先生。 ○立石委員  そうしますとこの表の中にはさきほどの硬膜の第3例は入ってませんですか。 ○加藤補佐  さきほどの新規報告のありました3例につきましては、いずれももう既に12年の4月 以前の方でございますのでこの中には含まれておりません。 ○祖父江委員  よろしいですか。 ○佐藤委員長  はい。どうぞ。祖父江先生。 ○祖父江委員  これは「疑い確実」「ほぼ確実」という、その程度は何かインフォメーションござい ますでしょうか。診断に関する。すべて「確実例」、あるいはすべてをまとめてという 意味でしょうか。 ○加藤補佐  この90例につきましては「確実」「ほぼ確実」「疑い」、すべて合わせたものになっ ております。その内訳は出してございません。  若干、数字に間違いがございまして、表3の既往歴等のあるものでございますけれど も、ヒト乾燥硬膜移植歴、男性が2となってございますが、これは男性1でございま す。そして、女性が3ではなくて4になります。上記以外のところ、男性31でございま すが、これが32ということでございまして合計は33で変わりません。それから女性の方 が54が53でございます。大変失礼いたしました。 ○佐藤委員長  はい。他にご意見、ご質問、ございませんか。 ○山内委員  細かいことですけれども。 ○佐藤委員長  どうぞ。山内先生。 ○山内委員  平成11年4月1日から。平成12年となっているのです。 ○佐藤委員長  これ、間違いです。平成11年ですね。よろしいですか。はい。立石先生。 ○立石委員  これは今のご説明のこちらの表の硬膜移植歴のある5例というのは、このナンバー1 の資料には全然入ってないということでございますね。 ○加藤補佐  はい。 ○北本委員  ちょっとよろしいですか。 ○佐藤委員長  はい。北本先生、どうぞ。 ○北本委員  かなり正確な数が把握できるようになったと思いますので、結局、この感染症法に基 づくデータをどういうふうに使っていくのか乃至解釈していくのかというのがやはりこ の部会で考えないといけないことではないかなと思うのです。  だから、もちろん特定疾患の方の遅発性ウイルスのサーベイランス委員会では、いわ ゆる治療疾患に認定された患者さんの情報が得られますよね。それの究極の数というの が乃至努力目標というのがこの数に相当するようになるのかなとは思うのですけれど も。  やはり全体として把握するのはいいのですけれども、では、ここから直接、どういう ことを起こしていかなければいけないかというふうなことはなかなか難しいかなと。や はり全体の数に終始するのかなということで、何か委員の先生方のご意見いただけたら ありがたいのですけれども。 ○佐藤委員長  今の問題はすべての一応、用意された議題が終わってからお話しようと思っていたの ですけれども、私も同じ意見でして、せっかく、この感染新法の内容に例えばちょうど ご質問ありましたが「確実例」から「疑い例」のどのランクの症例であるかとか、硬膜 移植を受けた場合にはいつ、どこで受けたかということは、どの種類のものを受けたか ということは非常に重要になってまいります。  もうひとつ重要なことは、もし、硬膜移植例であると輸血歴があるかどうか、硬膜移 植歴のあるもので輸血をしたことがあるか。その血液は可能な限り、回収の対象になっ ておりますので、そういう情報はできるだけ速やかに把握する必要がありますが、まと めだけですと年間の発生状況だけでして、今のようなことには迅速な対応ができません ので、これは厚生省の方にも私の方から個人的にもできるだけ感染新法の個票について は何らかのルールを決めてできるだけ早く、せめてこの委員会の先生方のレベルには教 えてほしいということ。  もうひとつは北本先生の北本班の中の疫学班に特定疾患の個票が集まる予定になって おりますが、集まりがあまり芳しくないということも聞いておりますので、それをもと にしてさきほど申したような調査が必要になりますので、これについてはやはり年を四 半期に分けまして少なくとも3か月に1回ずつ、患者情報が迅速に把握できて、それに すぐ対応できることについて、その方法について考慮してほしいということをお話して ありますが、そういうことを含めてちょうど今、この感染症法に基づく公開された数 と、今、北本先生のご発言や私の意見がありますが、そういうこと含めてご意見、ござ いませんでしょうか。 ○端委員  すみません。 ○佐藤委員長  はい。端先生。 ○端委員  感染症、この90例というのは今までの調査の調査票でやっていたときに比べて数とし てはどうなのでしょう。同じ期間に把握された数としては。今までと比べてどのぐらい の差がございますか。 ○加藤補佐  これは先生方、ご存じのようにだいたいクロイツフェルト・ヤコブ病は人口100 万当 たり1例ぐらいですので、だいたい年間100 ちょっとの数字が出てくるのは妥当だと思 われます。それで見ますとこれ期間が8か月ぐらいでございますので、90という数字は そんなに多くもなく少なくもない、まあまあの線かなと考えていますが。 ○北本委員  凄くいい把握率ですよね。逆に言うと。 ○佐藤委員長  はい。非常に正確な把握率ですね。たた、問題は4〜5年前からさらに遡った5〜6 年前と比較しますと、日本全体の年間のクロイツフェルト・ヤコブ病の患者数が増えて おりまして、その傾向はやはりこれでもう増えている傾向は続いているということは示 されていると思います。 ○品川委員  ちょっとよろしいですか。 ○佐藤委員長  はい。どうぞ、品川先生。 ○品川委員  「確実」「ほぼ確実」は問題ないと思うのですが、「疑い」というようなものの場合 はこれはその後、どういうふうに取り扱われていくのでしょうか。これでもうおしまい になってしまうと本当に「確実」になったかどうかというようなことが1回だけの調査 ですとあとフォローできないわけですよね。 ○佐藤委員長  これはさきほどの私の希望もありますけれども、個票をまず見せていただいて、「疑 い例」についてはどういうことが問題なのか。例えば新変異型のヤコブ病の可能性があ るのか、あるいは非常に特殊な症例であるかどうかとか、これは北本班の中の疫学委員 が実際にやはり調査の必要がある、診察調査の必要があるわけですから、できるだけそ ういう方向につなげる必要があろうかと思います。 ○祖父江委員  ひとついいですか。 ○佐藤委員長  はい。祖父江先生、どうぞ。 ○祖父江委員  この問題を考えていく上でちょっと僕はまだよく理解できないところがあるのです。 法律の届け出ですよね。ですから、どこまで踏み込んで情報を得られるのかという、そ の法律的な問題点ですね。それをもう1回、ちょっと教えていただきたいということ と、もうひとつ、厚生省としてこの情報をどう扱おうとされておられるのか。ただ、数 だけを把握してという状況になってしまいますですね。今の場合ですと。  ただ、今の話も出ていましたけれども、やはりいかに対応を今後、組み立てていくか という資料に使いたいというのが我々のスタンスなのですけれども、そうするとやはり 少なくともこの委員会の中ではある程度、オープンにしていただきたいということがあ るのですが、その辺の厚生省の方のお考えと言いますか、ちょっとお聞かせ願えるとあ りがたいのですけれども。 ○加藤補佐  まず、どこまで情報を先生方に提供できるかということでございますけれども、お手 元にお配りしましたこの発生届けの様式で、四角の中にあるデータにつきましては解析 なりご要望のあったとおりのものを出せます。ただし、どこの医療機関で診断をされた のかというようなところまでは残念ながら出せないという案件でございます。  ですから、例えばさきほど来、ご意見がありましたように診断が「確実」なのか、 「ほぼ確実」なのか、「疑い」なのかということ別に統計を出すということは可能でご ざいますので、先生方がご質問があった「疑い」がどのぐらいあるのか、そういった数 字はお出しできると思います。  ですから、基本的には法律では個人を特定するとか、個人を遡って追跡調査するとい うようなデータの使い方はできないということでございまして、マスとして分析をどの ようにするかということはある程度可能でございます。  もうひとつ、では、こういうデータをどのように使って対策を立てていくのかという ことでございますけれども、ひとつはやはりさきほど委員長の方からもご発言がござい ましたように非常に特異なケース、新変異型のCJD が出ておるか、出てないのか、そこ はまず発見をするということがひとつあるのかと思います。  そういったものがある特定の地域でありますとか、あるいは特定の感染経路を疑わせ るような報告がもしあったとすれば、そこをやはりこの委員会でご議論いただいて中の 調査の仕方なり、検討いただくのがあるのだろうと思います。  その辺も含めてむしろこの委員会の方で専門委員会ということでご提言をいただけれ ば私ども、法律を所管しておるところ、結核感染症課とも協議をしていくということが できるかと思っております。 ○佐藤委員長  さきほどもお願いしましたように感染症個票の発生届けについては一定のルールの下 に、例えばプライバシーの問題が懸念しておられるのであれば、医師の氏名とか、その 住所については隠しておいた状態で一連ナンバーをつけて、その下の情報についてはす べて教えていただいた方がよろしいと思いますし、今、何回もご発言、ありましたよう に、診断の確実性についてどういうランクの症例がどのぐらいの割合であるかというこ とも問題になりますので、この個票からはまず伺われることをできるだけ深く掘り下げ たいと思いますので、それはぜひ、お願いいたします。 ○立石委員  もうひとつよろしいですか。 ○佐藤委員長  立石先生、どうぞ。 ○立石委員  マスとして見た場合なのですが、去年の8月でしたか、あの委員会、審議会のレベル で硬膜移植後、CJD は65例でございましたが、例えば今日の時点でそれが何例になって いると考えたらいいわけでしょう。 ○加藤補佐  そこは非常にサーベイランスと言いますか、調査の方法が2つあるわけでございまし て、感染症法ができる以前とできた後がございます。そこが情報源が違いますので、私 どもとしては単純に足し算はできないのではないかと考えておりますけれども、今日の 今の時点ではさきほど3例、新規の報告があった中で2例は新しい硬膜移植歴のある症 例でございましたので、あれは従来の感染症法以前のニュースソースから出たものでご ざいますので、65+2ということで67ということになりますし、感染症法に基づいて11 年の4月以降ということでは今、お示しした5という数字になろうかと思います。 ○佐藤委員長  よろしいでしょうか。 ○立石委員  非常にややこしゅうございまして、それで例えば手術後、発症までの期間を知りたい というようなときにはもう何も資料が、我々は正確な資料解析ができないのですが、そ ういうことで仕方がないですか。 ○加藤補佐  従来の先生方に見ていただいた調査法であれば、まさに先生のご質問のある手術の時 期がわかりますので、発症までの期間とか捉えられますけれども、この感染症法に基づ いた届け出ではこの様式の中をご覧いただいたらわかりますように、いつ、手術を受け たのかという日はございませんで、例えばヒト乾燥硬膜のところに丸がついていたケー スについて、その方を特定してその医療機関なりにいつ、手術をしたのかということを 問い合わせるということは今の時点ではその法律に基づいて特定できませんので、現時 点ではできないわけでございます。 ○佐藤委員長  これはさきほど北本先生がご発言なさったように、感染症法に基づく届け出表は努力 目標で、これだけの数を北本班の特定疾患の個票で把握していないと駄目なわけですか ら、まず、それと照合するとほとんど照合できるのではないかと思いますが、わからな いところは、例えば厚生省、通じてでも保健所に同じ症例かどうか確認していただいた 上で次の作業が始まる、立石先生がおっしゃるようにいつ、どういう種類の硬膜を受け たのか、発症までどのぐらいの潜伏期があったのかとか、いろいろな問題について調査 が必要になりますので、今度、北本班で把握した上でそういう作業が始まるのだと思い ますが。  ついでに申し上げますと、国際的にも例えばCDC とかNIH のポール・ブラウンから直 接、私のところに問い合わせがありまして、日本で昨年まで65例、硬膜移植例があった そうだけれども、例えば今の手術してから発症までの期間について個別に教えてほしい とか、初発症状についてどういう症例で発症したのか、個別に教えてほしいという問い 合わせがありまして、自分の持っている資料で答えられるところは答えているのですけ れども、必ずしも全部、私も資料を持っているわけではありませんので、国際的にはや はり今のような問題はできるだけ早く公開した方が世界全体としてどういう、例えば硬 膜移植例の傾向があるのかとか、そういうことに寄与するわけですから、やはりさきほ ど申したようにできるだけ早く個々の資料が調査できる資料が入手できるようにしてい ただくことが大切と思います。 ○山内委員  いいですか。 ○佐藤委員長  はい。山内先生。 ○山内委員  この資料2の表ですけれども、性別、年齢別患者数と、これだけ見ると、これは全体 としてはいいのですが、実際にはその中での病型別だとか、既往歴だとかというものが 加わってこない、ものがないと実際、判断ができないので、やはり少なくとも表として はそういったものも含めたものを作っていただきたいということです。 ○佐藤委員長  はい。どうぞ。端先生。 ○端委員  硬膜移植例に関しましては、さきほど佐藤先生がおっしゃいました輸血を発症前に献 血をしていたかどうかというような問題とか、あるいは発症前に、またもう一度、手術 を受けていたりとか、いろいろなことがあって、それからさらに伝播するような可能性 も多少ありますものですから、硬膜移植例というところに丸がついているような症例は 個々の症例まで簡単に辿れるように、そういう道をつけていただきたいと思います。 ○麦谷課長  先生、よろしいですか。 ○佐藤委員長  はい。課長、どうぞ。 ○麦谷課長  さきほどから非常に苦しい答弁をしておりますが、感染症新法、この4類感染症に関 する限り、エイズもそうなのですが、この報告があってからこれを見ながら遡ることは 許されていませんので、この感染経路に乾燥硬膜の丸がしてあったらそれでフルストッ プなのですね。  それではちょっとさきほど言われたようになかなか対応ができないということで、特 定疾患治療研究事業の方の個票で、あれはもっと詳しく調べられますので、それで何と か対応しようということに、このクロイツフェルト・ヤコブに関してはそういうふうに しようと今、考えています。  もちろんエイズとクロイツフェルト・ヤコブについて、いつもそういう問題が起きま すので、さきほど加藤補佐が申し上げましたが法律を所管する課に申し入れようとは思 っています。 ○佐藤委員長  よろしくお願いします。北本先生、どうぞ。 ○北本委員  この発生の届け出の個票を改善していくことはできますか。 ○麦谷課長  可能です。 ○北本委員  そのときに私、やはり今、問題となりましたような、つまりこの個票の括弧の中だけ 見て、例えば硬膜移植例が輸血、献血をしていたのかというのが、実はもうちょっと推 定される感染地域のところとか詳しくすれば、それを除外してでもそういう輸血歴、献 血歴等を入れておけばこの個票でわかってくるのではないかなと思うのです。 ○佐藤委員長  わかる問題もありますですね。 ○北本委員  はい。だから、少なくとも今の時点で遡ることが無理であるならば、もうちょっとこ の個票を改善していくと公衆衛生上はよろしいのではないかなというふうな気がします が。 ○佐藤委員長  これはいつの時期に改善の申し入れというのはお願いができるわけでしょうか。課 長。例えばすぐにでもできるのか、例えば2年ぐらいかかってからでないと。 ○麦谷課長  すぐにはできないですね。多分、すぐにはできないと思います。これ、局長通知、誰 か知りませんかな。局長通知かな。それとも法律の。通知なのか、あるいは法で全部決 めているのか、ちょっと調べてみないとわかりませんので、どっちにしてもすぐにはで きないと思います。 ○佐藤委員長  ある時期の縛りがあるはずです。 ○北本委員  ただ、そういう改善案を、改正案を例えば公衆衛生審議会の方、この部会で考えてい くというのはいいのではないかなという気がするのですけれども。 ○佐藤委員長  それはこの個票の中にこういう質問事項なり、この内容を改めてほしいというのはも う既にこの委員会である程度、提案してもよろしいのでしょうか。 ○麦谷課長  結構です。 ○佐藤委員長  では、北本先生、今の問題については別な機会に委員のご意見を伺って、少なくとも この票の中にはこういう質問事項を設けてほしいということを委員会として提案しよう と思いますが、よろしいでしょうか。 ○祖父江委員  1点だけよろしいでしょうか。 ○佐藤委員長  はい。祖父江先生、どうぞ。 ○祖父江委員  今の法律の関連することなのですが、この第4類というのはおそらく今のような硬膜 に丸がついていても、そこでフルストップという扱いになるのだと思うのですが、今の 北本先生の話に関連しますけれども、もう少し踏み込んで、さきほどのように硬膜の移 植歴があるものについてはプライバシーとのバランスがあると思うのですが、踏み込ん で情報を得るというような法律に踏み込んだ改正と言いますか、そういう提案はやれる のか、やられないのかということなのですけれども。 ○麦谷課長  基本的にご提案はどのようなご提案もいただけると思います。ただ、本法を変えると なるとこれは大変な作業がちょっと必要ですので、例えばすぐできるとか、お約束はな かなかできない。提案はもちろんしていただいて結構だと思います。 ○佐藤委員長  資料2のまとめの中で39歳以下の若年発症が2例になっておりますが、この症例は硬 膜移植を受けた症例であるかどうかということはおわかりになりますでしょうか。括弧 がそうですね。 ○加藤補佐  表2の括弧の数字は移植歴のある数字でございますので、若年者に1例あるというこ とでございます。 ○佐藤委員長  そうすると硬膜移植歴のない若年発症者が1例は存在するということで、この症例に ついてはやはり至急、例えば新変異型の可能性が少しでもある症例なのか、たまたまな のかということを調査する必要がありますし、いずれにしろ、調査できるような資料が 必要となりますが、それについてもできるだけ早く何らかの方法を講じていただきたい と思いますが。 ○北本委員  家族性が4名もいますので、家族性乃至その他ですね。 ○佐藤委員長  これは家族性と引っかかったのでしょうかね。これは家族性ですか。この30歳代の症 例は。 ○立石委員  ついでに40歳代も問題ですよ。これは。 ○佐藤委員長  40歳代の48歳と49歳で割に高い方の年齢なのですね。今の30歳代の1例と40歳代の2 例が家族性かどうか。あるいはその他というのがGSS だと思いますけれども、そういう ものが、いかがでしょうか。 ○加藤補佐  30歳代の1例、これは女性の方ですが、これは家族歴はありません。つまり移植歴も ないということです。 ○佐藤委員長  40歳代の48歳と49歳の症例は。 ○加藤補佐  40歳代、48歳、49歳ともにこれも家族歴ありません。硬膜移植歴もなしということで す。 ○佐藤委員長  はい。そうするとこの3例についてやはりできるだけ早く調査できるようにろよろし くお願いします。 ○北本委員  もう少し、先生、よろしいですか。 ○佐藤委員長  はい。 ○北本委員  その3例に関してなのですが、この調査票では脳波検査でPSD ありということになっ ていますでしょうか。その3例。 ○加藤補佐  PSD については30代の女性は記載がございません。40代ですね。40代の女性、1人は これもPSD の記載がございません。もう1例はこれは40代女性の方の1人はPSD がある ということです。 ○佐藤委員長  記載がないというのはあるかないかわからないですね。 ○北本委員  おそらく結局、診断してから1週間以内の届け出ですから、このものが、そういうこ とでPSDに関してはさっ引いて考えないといけないのではないかなという気がしますね。 だから、それも例えばマスとして見た場合に全経過を通してのPSD の有無と、感染症法 に基づく個票でのPSD のやつというのはやはり考えていかないとやや低めに見積もられ る可能性はあると思いますけれども。 ○佐藤委員長  他に今の若年。どうぞ。 ○端委員  すみません。硬膜移植例に関してはもう少し情報がいただけないでしょうか。例えば 感染したと推定される年月日ですとか、その他ですが。 ○加藤補佐  感染したと推定される年月日というのはこれは調査の項目に。失礼しました。一例が1 983年4月30日に感染年月日になっております。 ○端委員  何歳の分でしょうか。 ○加藤補佐  30代の男性の方です。(1)になっております。次が60代の方が一人、これは1987年 の1月28日に感染年月日になっております。60代の女性につきましては記載がありませ ん。50代の女性、1例ですが、これは1985年の5月20日になっております。もう一人、 60代の女性ですが、これも記載がございません。 ○端委員  ありがとうございました。 ○佐藤委員長  この次からはできるだけこの個票がエイズ疾病対策課におありにあるのであれば、今 のような質問に答えられるように一覧表を作っておいていただくようによろしくお願い します。 ○山内委員  よろしいですか。 ○佐藤委員長  はい。山内先生。 ○山内委員  硬膜移植との関連はいいのですが、ニューバリアントの方の探り方と言いますか、こ ういった票とか何かが出てきたときにどうやってそのニューバリアントについての調査 を行っていくのか。やり方として何かまだイメージがつかめないのですが。 ○佐藤委員長  これは北本先生の方からお答えなさった方がよろしいかもしれませんが、一応、北本 班で特定疾患の個票が集まっておりますので、今、何例、集まっているのですか。 ○北本委員  今年の一番早いのは3月に入ってから各県からいわゆる治療疾患に認定されている患 者さんの個票が集まっています。現在の時点で22都道府県で38症例の回答がございます ので、今後も順次集まってくるものだと思っております。 ○佐藤委員長  これがもし、この90例、理論的には90例集まらないと駄目なわけですから、90例集ま ったら、まず、その症例とこの個票の問題になった症例と、例えばここでは住所、届け 出の医師は厚生省の方ではおわかりなわけですから、住所と性別と年齢しかわからない ですけれども、できるだけ突き合わせて同じもので同一人であるかどうか特定をして、 それからその特定疾患の個票に基づいて、北本班の中で各ブロック毎に調査委員が決ま っておりまして、その先生方に複数の医師で調査に赴いてもらって、ただ、私、お願い している筋なのですが、北本先生の方から今の山内先生のご質問にどういうふうに対応 するのかということのご質問についてお願いします。 ○北本委員  基本的には我々としては特定疾患の研究事業ですので、特定疾患の治療疾患に認定さ れている患者の個票を利用させていただいて研究を進めていこうと。これに関するいわ ゆる感染症法との、では整合性ということなのですが、例えば感染症法で新変異型が見 られたときも、というふうな報告がもしあれば、何々県からというところまではわかる わけですよね。厚生省の方では。そのあたりの連絡を密に取れば、私どもの何々県から の調査報告を調べてみるということで非常に迅速にそれは処理できるのではないかなと 思っております。  具体的には硬膜移植例等で何々県からこういうことが来ていますかということに関し て、既に調査報告書をいただいているところではほぼ同定もできるようになったと思っ ています。 ○佐藤委員長  ただ、さきほどから申しているように22県というのは47都道府県のまだ半分にも満た ないので、38例というのは数がその半分にも満ちませんので、やはり都道府県の未提出 のところに至急、厚生省の方から督促をお願いいたしますということを申し上げてある のですが、それはぜひお願いします。  新しい年度からは対応が迅速である必要があるので、四半期毎に必ず北本班に情報が 特定疾患の個票が集まるように何らかのルールを作っていただきたいということもお願 いしてあるのですが、これはよろしくお願いいたします。  例えば技術的には感染症法の個票の内容は厚生省の方でおそらく一覧表で、例えば統 計のファイルの中にもし入れてあるのであれば差し障りがあるところだけ除いていただ いて、それをすぐ北本班に転送していただいて北本班で集まった特定疾患の個票とすぐ 突き合わせができるというふうな体制にしていただくといろいろな問題は対応が非常に 早くなると思いますので、その技術的なこともお2人の先生でご相談してよろしくお願 いいたします。  北本先生にお願いとご質問なのですが、38例しかまだ集まっていないけれども、とり あえずはその38例について何らかのこの委員会で検討することと、その症例についてま たいろいろな検討についてはどういうご計画なのでしょうか。 ○北本委員  38例集まっておりまして、その中、やはり人口の少ない県の方が集まりが早い。それ だけ処理する患者さんが多いとなかなか特定疾患の班長のところまでいかないのではな いかというふうな傾向はございます。特に大都市圏を抱えるところからの集まりがちょ っと遅いなと。だから、38例しかということも逆に言うとあるのかなと思っておりま す。  その中で硬膜移植例に関して把握している38例中なのですが5名ございます。それの 内訳は更新手続き、つまり新規でなくて更新手続きをしている患者さんが4例、新規が 1例ございました。この新規はおそらくさきほどの症例134 、135 以外の症例でござい ますので新たに加わっていくものかなと思ってございます。  今後のことなのですが、一応、全国、今のところ、10ブロックに分けているのです が、もうちょっと細かいブロック割当が必要かなと思っております。できるだけもっと 突っ込んだ今後に役立てるような、例えば輸血歴であるとか、献血歴であるとか、もし か、硬膜使用例であれば製品等々、手術の内容でフィブリンノリの使用はそのとき同時 に行われたのかとか、というところまで突っ込んで調査はしていきたいなと思っており ます。  硬膜例に関してはつい最近、特殊例、硬膜の特殊例というのが見つかっていまして、 いわゆる古典的なCJD の臨床経過を辿るだけでなくて、まるで新変異型のような臨床経 過を辿る硬膜例というのが約10%程、今、日本で確認されているのは7例なのですが、 硬膜症例の約10%にはそういう特殊例、従来の日本にない新変異型に近い特殊例がある というのもわかりましたので、これも含めて病型把握も含めてやっていきたいというふ うに考えております。 ○佐藤委員長  ありがとうございました。38例の段階で何らかの委員会を近日中に開催のご予定はあ りますですか。 ○北本委員  もう少し都道府県が3分の2程度集まればサーベイランス委員会を開きたいと思って おります。 ○佐藤委員長  これは未提出の都道府県については督促、何か督促のお願いはどちらの方から、班長 の方から、あるいは厚生省の方からいっているのでしょうか。 ○北本委員  厚生省から言っていただくと非常にありがたいのですが。 ○佐藤委員長  はい。よろしくお願いします。硬膜移植例の中で10%、7例、非常に新しい方のクロ イツフェルト・ヤコブ病と考えられる症例が存在するということは非常に重要なご発言 と思いますので、北本先生、少しそれについて詳しくご説明お願いいたします。 ○北本委員  わかりました。硬膜移植例の中で一番臨床上の特徴、まず、臨床上の特徴としては比 較的経過がゆっくり来る。例えば3か月乃至6か月で寝たきりになるというものではな くて、寝たきりになるまで1年半かかるというふうな、進行性の痴呆には違いないので すが比較的緩徐な臨床経過を辿る症例がございました。  こういう症例はミオクローヌスを呈することが比較的稀でございます。脳波でPSD が 見られるというのは7例中1例にごく軽いのが見られただけで、ほとんどPSD がない と。いわゆるCJD の診断としては「疑い例」にしかならない症例がございました。  こういう症例を解剖すると大脳に多数にアミロイド斑、大脳乃至小脳ですね。多数の アミロイド斑を示して、いわゆる英国の新変異型で見られるような花弁状のプラーク、 フローリドプラークと呼ばれるものが多数見られるという特徴がございます。  それらは我々が把握したところでは去年、一昨年ぐらいまでは3例あるかなと思って いたのですが、全国的に調べてみますと現在、7例のCJD がございました。そういう特 殊な硬膜例がございました。我々の研究班では一応、デュラバリアントというふうに呼 ぼうというふうに考えて、硬膜移植例のバリアントタイプということで考えています。 従来のCJD に近い硬膜移植例はデュラクラシックと言って区別しようというふうに考え ております。  では、新変異型とこれが区別できるのかということがございまして、これはものの見 事に区別できまして、新変異型は異常なプリオン蛋白のタイプ分けがタイプ2のプリオ ン蛋白なのですが、分子量がやや低い方のプリオン蛋白という意味なのですが、このデ ュラバリアント、硬膜のバリアント型というのはタイプ1でございます。だから、もう 明らかに新変異型とは違うということは区別できております。ウエスタンブロットで も。  ただ、病理像、ウエスタンブロットのパターンは従来の日本のいわゆるCJD 、古典 的、孤発性のCJD とは全く違うタイプですので、硬膜移植例の9割の病理像とも全く違 うタイプですので、新しいタイプだというふうに考えないといけないと思っておりま す。 ○佐藤委員長  ありがとうございました。今の北本先生のご説明にご質問をお願いいたします。 ○山内委員  そうするとウエスタンブロットでやらない限り、わからないということですか。 ○北本委員  確定診断はそう思いますけれども、認証病理像で十分、これは診断できます。 ○立石委員  今の数については剖検したケースがまだまだ少ないですから、それで7例であって、 全体の1割とは言えないと思いますよ。これは。もっとあると思います。 ○品川委員  これのtonsilだとか、扁桃だとかの方はいかがでしょうか。 ○北本委員  リンパ装置は4例ぐらいで調べていますがネガティブです。ウエスタンと免疫染色で ネガティブです。それはニューバリアントと違います。 ○端委員  その7例は地域的とか、あるいは手術の時期的とか、そういう特徴、ございますか。 ○北本委員  地域で見たことはございませんが、北海道が2例ございまして、東京が、いや、地域 ではちょっとばらばらに存在していると思います。手術の期間に関してはまだ僕等は正 確に1例ずつアイデンティファイはしていませんので、多分、来年度中にすべての情報 は皆さんのもとに届けられると思います。 ○祖父江委員  そうするとデュラのクラシックとバリアントの間の差というのはまだはっきりとはわ からないということですか。背景因子というか、何がそういう区別を作っているのか。 ○北本委員  なぜ、こうなるのかという意味ですか。 ○祖父江委員  大部分はクラシック型、デュラのあれを受けてもクラシック型になるのですかね。 ○北本委員  はい。 ○祖父江委員  ところがそういうバリアント出てくる、その背景因子としては今の地域の問題も含め てどうですか。 ○北本委員  遺伝的な、まず、ちょっと言い忘れましたので、ジェネティックバックグラウンドを 申し上げますと、すべての患者さんはこのデュラバリアントは129 番目がメチオニン/ メチオニンのホモ、219 番目がグルタミン酸/グルタミン酸のホモ、だから、普通のタ イプのCJD になるはずなのです。ジェネティックバックグラウンド、そういうことで す。だから、差はございません。  では、今、考えていますのはヨーロッパの硬膜を使われているわけですから、ヨーロ ッパのどのタイプかのCJD がそういうタイプになっているのではないかなというふうに は考えておりますが、ニューバリアントが入っていったのではないというのはプリオン 蛋白のタイピングが違うからということで納得いただけるかなと。  私は単純に例えばヨーロッパでは129 のバリンタイプが結構多いのですよ。それが入 っていったからかなと思っていたのですが、プリオン蛋白のタイピングをすると、だい たいの129 のバリンタイプというのはタイプ2なのですね。タイプ2の異常プリオン蛋 白。ところがデュラバリアントはタイプ1なものですから、それとも違うのではないか なということで、ジェネティックバックグラウンドには差がなくて、ではインフェクテ ィブエージェントの、いわゆる感染因子の方で差が見つけられるかというと明確なこと はまだ言えないと。 ○佐藤委員長  ありがとうございました。北本先生の非常に重要なお仕事で、国際的にもデュラの中 で新しいバリアントが存在するということは非常に重要な指摘だと思いますので、ま た、別な機会に詳しくお話を伺いたいと思います。  全体に議事の用意がございますので、次の議題に進みたいと思いますが、議題の3が クロイツフェルト・ヤコブ病及びその類縁疾患調査におけるインフォームド・コンセン トの実態についてということが議題に載っておりますが、議題の趣旨についてまずどう いたしましょう。事務局の方からご説明をお願いいたします。 ○加藤補佐  資料3でございまして、簡単なメモのようなものを用意させていただいております。 本日、先生方に今までのお話と違うことになるのですけれども、少しご議論いただけれ ばと思って用意させていただきました。  ひとつはクロイツフェルト・ヤコブ病及びその類縁疾患調査と言いまして、さきほど 最初のところ、この調査票、各医療機関の方から私どもに送っていただいておるわけで ございますけれども、その際に調査要綱の中に書いてあるわけですが、主治医の先生は 患者さん、必要に応じて家族に対してこの調査の目的、内容を十分説明の上、こういう 情報提供を厚生省に対してするということで、その同意が得られるように努力するもの というふうになっておるわけでございまして、私ども、この調査に関しましてはそうい うことで医療機関の主治医の先生が患者さん、あるいはご家族に同意を取った上で私ど もの方に報告があるものというふうに考えておるところでございまし、そうなっておる のだと思っております。  ただ、その際に、ではいわゆるこういう神経難病と言いますか、特にクロイツフェル ト・ヤコブ病のような病気につきましてインフォームド・コンセントの実態がどうなっ ているのか、果してどこまで病名なり、あるいは今後の進行症状でありますとか、ある いはその感染経路として疑われておりますそういう硬膜移植歴があったのか、なかった のか。そういったことをどの程度、実際の医師と患者さん、あるいはご家族との間で説 明がなされておるのか。  そのあたりを少しきちんと整理をする必要があるのではないかということでございま して、本日、ご議論いただきたいのは2のところに実態把握についての論点ということ で、ひとつはそういう実態把握の意義と言いますか、これは既に当然、主治医からなさ れておるものだということで片付けられるのか、あるいはそこはやはりきちんとどの程 度、説明をされておるのか、少し把握をしておく必要があるのではないか。これはクロ イツフェルト・ヤコブ病だけではなくて神経難病とか、特定疾患全体にも関わる話であ るのかもしれませんけれども。  そういった際に、では、具体的にもし、実態把握の必要があるということであれば、 どういう方法でどういう方を対象にするのかということで、そこにちょっと書いてござ いますけれども、やはりこの類縁疾患調査そのものが医療機関の医師の方から私どもに 届けを出していただいておりましたので、もし、行うとしてもその主治医の先生に何ら かのアンケート調査のようなものをして把握をするのかなと。ですから、医師に対する アンケート調査のようなものになるのかなということを考えておるのでございますけれ ども。  そのあたり少し必要があるのか、ないのかといったことをするのか、あるいはどうい ったものが見えてくるのか、そのあたり少しご議論いただけばありがたいということで ご提案させていただいたところでございます。 ○佐藤委員長  ありがとうございました。これは硬膜移植例に限らずクロイツフェルト・ヤコブ病と して把握した症例全体についてのここでのご意見を伺うということでしょうか。  今の加藤さんのご説明がありましたけれども、このインフォームド・コンセントの問 題について各委員のご意見を伺いたいと思いますのでよろしくお願いします。 ○北本委員  インフォームド・コンセント、非常に大事な点だと思いますので、この確認は僕はす べきではないかなと思います。やはり臨床に直接、携わっている医師を対象としてイン フォームド・コンセントを実施しているかどうかの調査はすべきではないかと。  ひとつの可能性としましては調査票の個票が上がってくる患者さんに関しては我々の サーベイランス委員会で再度、もし、よければその診察させていただく。その際にも 我々はインフォームド・コンセントの下にさせていただこうと思っているのですが、そ の際に医師の実際に今まで診療に当たっていた医師のご意見は聞くことができるかなと 思いますが、アンケート調査を個別に出すとか、それである程度、今までの調査に関す るインフォームド・コンセントがかなりうまく働いていたのかどうかということは問え るのではないかなと思います。 ○佐藤委員長  これは新しい平成11年の4月以降の症例については北本先生、おっしゃることは可能 と思いますけれども、遡っての症例についてはどうお考えですか。 ○北本委員  遡ってはかなり難しいのかなという気がしますが。 ○立石委員  よろしゅうございますか。この手のインフォームド・コンセントは医者に対しても主 治医に対してもあるいは患者さん家族に対しても必要ですよね。だから、全部に必要で 詳しくすればどんどん詳しくなりまして、なかなか実際には適応しないようになりま す。  ひとつの見本としては私は今、やっている介護保険の主治医の意見書なのですが、あ れの一番上に個票でしたか、同意するという欄があってそこにチェックしています。そ のチェックの意味は書いた主治医が同意するという意味と供述した患者さんなり、家族 も同意しているという2つの意味を持たせてひとつのチェックでやっています。  だから、そういうのを簡単ですから、この調査票の一番上にひとつ入れておけば同意 する、同意しないを。そうしたらそこにチェックでいけるのではないでしょうか。 ○端委員  遡っての問題ですが、日本脳外科学会が把握している症例につきましては一応、遡っ て患者なり患者家族に知らせようではないかということを学会の役員会で決めまして、 そういう手紙を学会で把握している患者の主治医には出したのでございますけれども。  現実にはなかなか家族がどこか行ってしまっていないとか、なかなか難しゅうござい ますね。でも、それはやらないといけないということで、我々が把握している症例では そうしているのですが、何しろ把握している症例の数が少のうございますので、この65 例のうちのほんの僅かというようなことになっております。何かの形でそういうふうに できるといいなというふうに思いますけれども。 ○佐藤委員長  これは今の端先生のご意見は硬膜移植例を受けた患者さんについては少なくとも遡っ て家族にきちんとしたインフォームド・コンセントをやっているかどうか伝えてほしい というお話ですが、この問題についてはいかがでしょうか。  私自身も当然、言っていることと思ってしたのですが、その確認はしておりませんで したので、研究班で把握している43例については厚生省の名前でも研究班の名前でも一 応、主治医に今のようにインフォームド・コンセントが家族にされていますかという、 それでもし、されていなかったら家族に連絡を取れますか、あるいはそれをお願いしま すという文章を出すことができると思いますが、その後にわかった65例ですから、あと 22例についてはこれは厚生省の方にお願いするということになりますが、それはいかが でございましょうか。加藤さん、どうぞ。 ○加藤補佐  厚生省としてこの委員会でもご議論いただいて、もし、やるという方向でありますれ ば私どもの方で様式と言いますか、少し作りまして各委員にまたお諮りをして最終的に はこの委員会の名前で多分、お出しする形になるのではないかと思っております。  できれば佐藤先生が全国調査のときの班長でいらっしゃいましたので、その様式をそ ちらの方でもお使いいただければ同じような様式で65人の方、本日、67人になったわけ ですけれども、対処できるのではないかと思っておりますが。 ○佐藤委員長  これはもう班はなくなっておりますので、できたら65例すべて同一の厚生省の名前と 旧研究班長という名前でご連絡いただければと思いますが、それでは65例プラスのこの 新しい症例についてはすべてインフォームド・コンセントがなされているかどうか確認 の作業はしていただくということになりましたが。  もうひとつはこれはマスコミから取材を受けまして、つい最近ですが、『ロサンゼル ス・タイムス』の記者の方からも質問を受けたのですが、例えば1985年に硬膜移植例を 受けた症例が10数例おりますが、その症例で硬膜移植を受けた総数は1万数千から多く 見積もって2万まではいってないのですが、1万5〜6千人おるので、その症例数すべ てにあなたはその当時、このぐらいの頻度で発生している硬膜の移植を受けておること を通知したらどうかということを質問を受けた、そうしたらどうですかということの質 問を受けたので、私自身は多く見積もっても発生はその当時の硬膜移植者のうちで1,000 人に1人ですし、年々発生数が4〜5名ずつは出ておりますけれども、おそらくこれが 減ってくる予想がされますし、そうすると症状が出る前には診断ができないわけです し、硬膜移植を受けておったからと言って予防的に何かワクチンのようなものがあるわ けではないし、予防策もないわけですから、却って本人に余計な不安を与えることにな るので、確かこの問題は脳外科学会で非公式に呼ばれたときも議論になったと思います けれども、むしろそこまでして問い合わせがあれば別ですけれども、そうでなければ教 える必要はないのではないかという意見になったと思いますが、私自身はそう考えてお るのですが。  この問題についてはご意見いかがでございましょうか。手術を、硬膜移植を受けた人 が例えばあなたは脳外科の手術を受けて患者さん自身は硬膜をそこで移植されているか どうかは知らない人は確かに存在するのですが、そういう人まで遡って連絡の必要があ るかどうかということなのですが。 ○端委員  私も同じ質問をマスコミから受けましたが、先生と同じ意見でございます。患者さん に知らせることによって得られるものというのは何もありませんし、救いになる点も何 もございませんので、予防法もありませんし、強いて言えばそういう患者さんが献血を するのを防ぐというぐらいの非常に小さなメリットしかございません。  それに比べてその話を聞いた患者さんの精神的動揺と言いますか、ショックは大変な ものがあるだろうということで、以前、脳外科学会の調査のときにマスコミの取材を受 けたときもマスコミの方々にそういうことを申し上げてなるべくそういう報道をしない でくださいという学会の意見として申し上げたと思います。 ○佐藤委員長  ありがとうございました。この問題について他の委員の方、ご意見ございますでしょ うか。北本先生。 ○北本委員  大筋は賛成なのですけれども、いつまでもクロイツフェルト・ヤコブ病が治療不可能 な病気であるとも限りませんし、新しい治療法ができてくるかもしれませんし、そうい う意味からすると、例えば実際に硬膜を使用した患者さんを把握しておくということは できるのでございましょうか。  例えば今で言えばライオデュラ社のものを各施設でこの症例には使っているとか、19 80年代の初めからこの発生状況からすれば89年ぐらいまでに関してその施設で、患者さ んに情報提供するかどうかは別にしても、こういう患者さんに使ったというものは把握 できるのでしょうか。現実問題として。 ○端委員  いいえ。前に調査しましたときには硬膜の移植が必要であるかもしれない程度の手術 で、実際に別の材料を使って硬膜のパッチをしたという記載のあるのは半分ぐらいでご ざいます。硬膜をしめる、しめないというのは手術の中では決して大きな重要なパート ではありませんので、手術記録に書いてないことがしばしばございます。  ですから、まず、硬膜、人工材料を使って硬膜をしめたかどうかというのがわかるの が実際のそのぐらいの規模の手術の半数ぐらいだと思いますし、それがライオデュラで あったか、ティトプラストであった、どういうものであるかというのはもうほとんど非 常に稀なケースを除いては発見できないのではないかと思います。 ○北本委員  ただ、これは具体的な症例があるのですが、手術記載には書いてないのですが、保険 点数として請求しているところには書いてあるということが多いですね。 ○端委員  それはそういう形で、今までそういう形で調査が行われていたのでしょうが、そうい う形でなら可能な場合があるかもしれませんが、手術記録としてはない場合が多ござい ますね。 ○佐藤委員長  半数か、それ以上の症例は一応、把握できる。例えば1985年でも把握できるだろうと いうお話だと思いますが、それはやはりできるだけ全リストを把握しておいた方がよろ しいというご意見、把握するように何か方法があろうかというご意見でしょうか。 ○北本委員  把握しておいた方がいいのではないかなと思うのですね。それは血液行政の方にもの 凄く大きなことを影響を受けてくるのではないかという危惧がありますので、今は輸血 に関しては脳外科の手術という縛りですよね。ただし、それは本人の申請ですよね。本 人が実態を知らないことが多々ありますよね。  例えば脊椎の手術をして硬膜を使われているというケースも多々ありますし、耳鼻科 関係の手術をして硬膜を使われているということもございますよね。非常に象徴的なの は日本の第1例は真珠腫の手術だったということで、脳外科の手術でなくてということ もございますので、もし、把握できるのであれば僕は把握することが非常に大切ではな いかなと思うのです。  ただ、それはもうとてもじゃないけれども現実味のないということであれば、もちろ んそれは無理でしょうねとは思うのですが、ただ、最も恐れているのは非常に1,000 人 に1人かもしれませんが、確実に1,000 人に1人は発症前というのはあったわけですよ ね。つまり発症するまでの期間というのがあって、そこは元気ですので、輸血をでき た、献血をできた、供血ですか、それができたのだということを考えるとやはりちょっ と怖いなというふうには思います。 ○佐藤委員長  これは一番ハイリスクというのか、硬膜移植が多かった年代が83年から87年にかけて ですから、5年間としても年間1万例以上ありますから、5万人以上のまずリストを作 成するということになりますから膨大な作業になるし、特別にやはり調査研究費と研究 組織が必要になると思いますが、そこの検討した上で今のお話のような意義を踏まえて そういう調査を提案するかどうかということになりますが。  どういたしましょうか。この議論をまだこの場で続けた方がよろしいかどうかです が、端先生、何かご意見ございますか。 ○端委員  5年間位の間の調査をかつて脳外科学会が行いました。そのときにだいたい3,000 例 ぐらいだったかと思います。各年に硬膜移植をやった可能性が高いという症例が。その 3,000 例ぐらいの中でその後の経過がどうなっているかというのがわかった人は半数ぐ らいございます。  硬膜移植が必要と思われる手術はその3,000 例の今、佐藤先生がおっしゃいましたが 1万人ぐらいの手術が硬膜移植が行われても不思議はないような手術が行われているわ けですから、ですから把握される症例というのは非常にパーセンテージとしては低くな るということと、把握されたと言いましても確実に把握されたわけではありません。何 らかの材料で硬膜をパッチしたかもしれないという程度のものであります。  それを苦労して捜し出して、もし、その人たちにあなたは輸血をするなというような ことを、もし、伝えるとしますとやはりその硬膜移植をした、なぜですかというような ことになりましょうから患者さんに伝えないといけないことになりますね。  ですから、それになりますと私、さきほど申しましたように治療の手立てがあれば話 は別ですけれども、まだ、ないわけですから今、そういうのを行うのは私は反対でござ います。 ○北本委員  大前提が治療の手立てがないというのは僕はおかしいと思うのですよ。僕等は一生懸 命治療をやろうと思って研究をしているわけですから、もし、そのときに画期的な治療 ができるようになったときに、では、だんだん、例えばそれは5年後かもしれません が、今なら把握できている1980年代が、把握できるかもしれない1980年代の使用例が5 年後はもっと把握しにくいのではないかなというふうな気もするのです。私は。  だから、あらゆる病気に関して今、現在、有効な治療法がないから言うような情報が ないというのはおかしいのではないかなと。将来的にそれは画期的な本当に治療法が出 てくるかもしれないでしょう。そのときに把握していなかったから何でもいいから治療 法をやったという、集団としてですね。というふうな気はするのですよね。患者さんに とってメリットがないというのは非常によくわかるのですが、では。すみません。議論 がかみ合ってないですかな。 ○立石委員  いいですか。北本先生の言うことは確かに正論ですけれども、これはもう現実性がな いわけで、それで私はひとつは患者さんの側から見て、こういう知識を新聞などで得ら れて自分は硬膜を使ったかどうかという心配を持って教えてくれという人があったら、 これは徹底的に調べて教えてあげるべき問題ですよね。  だから、そういう時点で治療に関しても言ってあげる必要があるし、あるいは潜伏期 間が今、こうですよと、一番長い人が何年ですよと、あなたは何年たっているというよ うな情報を含めてそういう時点でよく教えてあげるというのは、これはもう医者の義務 ですよね。だけれども、それ以前に今、端先生のお話を聞いているとちょっと現実性は ないかなという気がします。 ○佐藤委員長  ただ、今、端先生のお話、脳外科学会で年に3,000 人を把握しておられるわけなので すよね。そうするとそれのリストがあるわけですから、北本先生のひとつは近い将来、 予防法なり発症した早期に治療法が開発される可能性が見えてきたというお話ですが、 それは非常に重要で、患者さん自身もそういうことを知っておく必要があろうかと思い ますが、年に3,000 人で、例えばハイリスクのときの1985年を中心にして5年間という と1万5千人ですから、これは今度、できない数ではないので、そのリストがあるので あれば、例えば研究班で研究費は別途、申請されるとしてもそれは把握することはでき るわけですね。 その上で今度、各自に告知をした方がよろしいかどうかということに ついては、これはさきほどの問題がいくつかありましたから、むしろその発症率が低い のに非常に不安を与えることになるかもしれないということですが、マスとしてのアナ ウンスはできるわけですから、例えば研究班として年3,000 人は手術した人で硬膜使用 例は把握しておりますから、もし、問い合わせがあれば回答するかどうかの返事はする ことができるし、そういう人たちについてどういう注意が必要かと。  例えば比較的若年で精神症状なので出たときには至急、専門的な診断を受けて現在で はこういう予防法がありますから、その道があるということのアナウンスもできるわけ ですから、この問題、もう少し時間をかけて僕は具体的なことについては前向きで討論 した方がよろしいと思いますが、端先生、いかがでしょうか。 ○端委員  先生、3,000 例と言いますのは各施設からあなたの施設ではそういう症例が何例あり ますかという数字だけを施設から報告を受けたもので、個々の症例として把握している わけではありません。 ○立石委員  私が言いました意味はそういう大規模な調査をするときはやはり患者、手術を受けた 人及び家族の人の強いモチベーションがないとそういう調査は不可能になると思います ね。現実性がない。  だから、その人たちが非常に関心を持って、しかも、治療の方法があるということが わかって、そういう時点では自分でどんどん訪ねてくると思います。その時点で私は 大々的にやるべきかなと。今の時点でやってどこまでエネルギーとコストに合うかなと いう気がします。 ○佐藤委員長  祖父江先生、どうぞ。 ○祖父江委員  私も今の意見に大まかでは賛成なのですが、逆に言うと北本先生の方で何が動物実験 なり何でも結構なのですけれども、予防が可能であるという、そういうインフォメーシ ョン、積極的に流すということも必要なのではないかと思うのですけれども。  まだ、今の時点では、例えばアルツハイマーのワクチン療法というようなことも今、 考えられているようですけれども、先生の方で何かそういうことがやれる可能性がある という、そういうバックグラウンドも作っていかないと、今の現時点ではちょっと難し いのではないかなという感じを僕もちょっとしたけれども。 ○北本委員  了解しました。立石先生の意見が非常に自分としても素直に納得できるご意見だなと 思いますので。 ○佐藤委員長  祖父江先生、どうぞ。 ○祖父江委員  私も今の意見に大まかでは賛成なのですが、逆に言うと北本先生の方で何が動物実験 なり何でも結構なのですけれども、予防が可能であるという、そういうインフォメーシ ョン、積極的に流すということも必要なのではないかと思うのですけれども。  まだ、今の時点では、例えばアルツハイマーのワクチン療法というようなことも今、 考えられているようですけれども、先生の方で何かそういうことがやれる可能性がある という、そういうバックグラウンドも作っていかないと、今の現時点ではちょっと難し いのではないかなという感じを僕もちょっとしたけれども。 ○北本委員  了解しました。立石先生の意見が非常に自分としても素直に納得できるご意見だなと 思いますので。 ○佐藤委員長  できるだけ現在の学問的なレベルの状況と、あるいは手術を受けた人についてどうい うことが知っておくことが望ましいかということは全体の形としてできるだけアナウン スの方法は考えていただくということで、今、まとめたいと思いますが、よろしいでし ょうか。 ○北本委員  もう1点だけよろしいでしょうか。これは事務局の方にちょっとお伺いしたいのです けれども、僕はどういう形で公表していくのがいいのかというのはちょっとわからない のですが、ただ、今だとマスコミを介して、例えば硬膜移植例が多分、67例になりまし たよみたいなものになりますよね。それだけですよね。  だけれども、もの凄く大事な情報、さきほど立石先生が言われたみたいに今は67例の 発症、実際の潜伏期間はこれこれですと。だんだん少なくなっていっていますとか、だ んだん、いや、増えていますとか、もうちょっと詳しい内容を、例えばこの会でも報告 していく義務、義務とまでは言いませんが、報告すると患者さん乃至硬膜移植を受けた かもしれないというふうに恐れている人たちにとって非常に正確なデータを示せるので はないかと。  例えば、硬膜移植を受けた人のだいたい1%未満ですよね。0.1 %、多く見積もって も発症している患者さんというのはこれぐらいなのだという実数的なことを、それはマ スコミを介するのか、それとも厚生省のホームページで言うのか、そういうのは別にし て、ただ、一般の人に広く知られるような情報提供というのはもの凄く大事ではないか なと思うのですね。  よく質問を受けるのは全部、マスメディアで、しかもコマーシャリズムのマスメディ アで硬膜例が何例になったという報告だけに終始していますので、もうちょっと内容的 にはいろいろなことが言えるのではないか。公衆衛生審議会、このやつからの発信でも 結構なのですけれども。 ○佐藤委員長  この委員会でいろいろと討論されたことについての公開、情報をどういうふうにして 公開するかという問題で、予定したよりも少し時間も過ぎておりますので、私の方から ひとつ、もうひとつこの問題に関連した提案を、ご質問をいたしますと、新聞で国会の 方から厚生省に、厚生省の研究班を含めて硬膜あるいは医原性のヤコブ病についてどう いう研究の経緯やどういう情報把握の経緯があるのかということが質問されたというこ とは新聞で確か伺いましたけれども、この問題について、もし、厚生省の方で何かご存 じでしたらご説明お願いしたいと思いますが。 ○加藤補佐  ただいま、委員長がおっしゃいましたが、予備的調査というのがあるわけでございま して、これは法律でございますけれども、衆議院規則というものの第56条の2に定めが ありまして、これは各委員会のことでございますけれども、厚生省の場合、厚生委員会 というのを担当するわけでございますが、委員会は審査または調査のため、事務局の調 査局長、または法制局長に対してその審査又は調査のために必要な調査を行い、その結 果を記載した報告書を提出するよう命ずることができるという定めがございまして、こ れは調査を普通、予備的調査と呼んでいるわけでございます。  具体的にはこれもまた議員事務局法でありますとか、議員法制局法に定めがございま して、衆議院調査局長は委員会から予備的調査を命じられたときは当該予備的調査に関 して官公署に対して資料の提出、意見の開陳、説明、その他、必要な協力を求めること ができるという定めがございます。  要するに、国会の方から調査局長の方がご指示が、命令がありまして、命令に基づい て例えば私ども厚生省に対していろいろな資料を出すとか、あるいはそれぞれの担当者 から意見を申し上げるとか、そういう必要な協力をすることになるわけでございます。  具体的に今、出ておりますのはクロイツフェルト・ヤコブ病に関する予備的調査の要 請書というのが出てございまして、この中では具体的な中身としましてこれは厚生省の 特定疾患スローウイルス感染等難病発症基準に関する研究班、その後進になります現 在、動いております特定疾患遅発性ウイルス感染調査研究班につきまして、それらの設 置目的でありますとか、研究の内容、これを文章ですべて明らかにするということ、研 究班が報告書を作成するにあたりましていろいろ会議等があったわけでございますが、 それらの出席者でありますとか、議事録、あるいはその当日の配付資料、そういったも のをすべて明らかにするといったようなこと、報告書の中身についてもそれらの事実関 係、記載があったのかどうか、それらを受けて厚生省がどのように対応したのか。  そういったことを具体的に明らかにするように求められている予備的調査の要請書と いうのが現在、出されているところでございまして、まだ、現在、厚生委員会の方でご 審議の最中でありまして、委員会の方で決まれば、私どもの方にさきほど申し上げたよ うに衆議院の調査局長の方から協力要請がまいって、今、申し上げたような関係の資 料、あるいは関係者からのヒアリング、そういったことが行っていくことになる予定で ございます。 ○佐藤委員長  今、加藤さんの方からご説明がありましたように国会の方から特に硬膜移植例を中心 に今までの研究の推移なり、対応の推移を厚生省に求められているわけですけれども、 この公衆衛生審議会の専門部会としてもその質問に対する今までの答えとして、今まで の経緯のまとめ、あるいはここに今までの遅発性ウイルスの研究班、班長が立石先生、 山内先生、北本先生お出でなりますけれども、班としての今までの推移のまとめなども 必要となりますので、私の方としては特別にやはり小グループの委員会を作りまして、 例えば研究班のレベルとしてもある程度、まとめた文章は班長の先生方、監事の何人か の先生方とご相談になってまとめる必要があろうかと思いますので、特別にやはりその ための場を設定した方がよろしいのではないかと思いますけれども、いかがでございま しょうか。  どうぞ、課長。 ○麦谷課長  もし、そういうようなご意見でしたら、これは公衆衛生審議会という大きな審議会の 疾病対策部会の中の専門委員会ですので、専門委員会でお決めいただいてもちょっと親 部会がありますので、親部会の部会長等、お諮りして、もちろん前向きに設置するとい う方向で疾病対策部会の部会長、あるいは部会の先生方と相談して設定させていただき たいと思います。 ○佐藤委員長  これは今まで非常に長い年月をかけて研究、特に研究班の班長、その先生方、一生懸 命にやってきておられたわけですから、その足跡を示すという上でも僕はぜひ、お願い したいと思いますので、よろしくお願いします。  この問題に関連するところもあるのですが、硬膜移植例が裁判になっておりまして、 原告、あるいは被告側の弁護団からいろいろと質問がまいりまして、旧班長として対応 できるところは対応しているですが、やはり現在でも複数の先生方にご意見いただいた 上で返事をした方がよろしい問題がいくつか、昨日も夜、家に帰りましたらその質問状 が来ておりまして、この問題について私の方から個人的にその当時の研究班の監事の先 生方にお願いするだけの問題ではないと思いますので、この委員会の先生方にも個人的 にお願いするのか、あるいは委員会としてある程度、質問された内容についての見解を もう1回、検討していただいた方がベターなのかどうかということについてはいかがで ございましょうか。  一番深刻な問題は硬膜感染ではなくて、硬膜からの感染ではなくて、手術場からの手 術器具を介した感染であると被告側の弁護団が非常に強硬に主張しておりまして、それ についてはいくつかそうではないという反論するデータを持っているのですが、その取 り扱いとか、発表の仕方についてやはり個人の判断を超えるところがありますので、や はりぜひ、複数の先生方にお願いしたいのですが、これは裁判になっているのでデリ ケートなのですけれども、私の方からお願いするという形になりましょうか。旧研究班 のデータの解釈とまとめの仕方について。 ○麦谷課長  私も確固とした答えを持っているわけではありませんが、さきほど先生が設置した方 がいいと言われた、長い年月、研究班ありますので、石田ナカオ先生から北本先生ま で、そういった先生方を入れた疾病対策部会の委員会ができれば そこで先生方、私ど も、すべて公開しますので、その場で患者さんのプライバシーに関することでない限 り、ぜひ、公開の場で議論していただいて、出せるデータ、すべて出すという方向でい かがでしょうか。 ○佐藤委員長  はい。私の方からそうお願いしたいと思います。至急と来ておりますので、その委員 会を至急作っていただくようにお願いいたします。  だいぶ時間が超過しましたが、全体をまとめてご意見ございますでしょうか。 ○山内委員  よろしいですか。 ○佐藤委員長  はい。山内先生、どうぞ。 ○山内委員  北本先生が言われたことと関連があるのですけれども、実際、硬膜移植での例という もの、常に私たち自身が実は新聞発表のための資料しか貰ってないと。毎回、議論は参 加しているから経緯はわかっているのですが、実際にこれまで65例、今度、感染症新法 でまた違った形で情報が集まってくるのですが、いい機会ですからこれまでの65例につ いて何らかの形でまとめることができないでしょうか。 ○佐藤委員長  これは中村先生が一応、例えば発症の年とか、手術を受けた時期とか、研究班に毎 年、報告しておりますが、それをさらに詳しいということでしょうか。山内先生。 ○山内委員  そうです。少なくともここでの議論がずっとなされてきたことが、その各委員会毎に 断片的なものではなくて全体にそれをまとめた、中村先生の場合とオーバーラップする かもしれませんが、若干、違ったニュアンスになるのではないかという気もします。 ○佐藤委員長  ちょうどさきほどの国会の質問に対する特別な委員会設置の中の内容にもなってきま すから、その中で今の山内先生のご提案にもできるだけ答えられるような資料を用意す るということだと思いますが、よろしゅうございましょうか。  他にございませんか。 ○立石委員  よろしいですか。さきほどからの資料にちょっと戻って、例えば資料2の感染症法の 資料ですよね。あのぐらいの情報しかこの会には出せないということはよくわかりまし たが、そうしますとある意味で我々はごく表面的なディスカッションしかこの会ではで きないということになります。  例えばひとつ潜伏期間というような問題についてもディスカッションできないわけで すし、何も発表する機会もない。こういうことでいいのでしょうかね。私はだから、も う少しそういう大事なことはこの会で資料として出していただきたいし、大事なことは 発表すべきであるように思いますが。 ○麦谷課長  よろしいですか。 ○佐藤委員長  はい。どうぞ。 ○麦谷課長  説明がちょっと足りなかったかもしれませんが、もし、立石先生のように個票をちゃ んと出して持っている患者さんの情報を全部出してでないと議論できないということで あればそのようにいたしますので、そういう要請があれば。  これは別に半年に1回と一応、決まっていますけれども、そんな必要ありませんの で、別に3月でも2月に1回でも結構ですので、そのときだけ非公開にしてそれで患者 さんの情報、個票を全部配ります。そのような会を設けますので、要請していただけれ ば、私ども、そのように準備して個票を全部揃えて、その代わりそれをちょっと患者さ んのプライバシーが入りますので、そのときだけ準学問的な議論ということで非公開と いうことは可能です。要請ください。 ○立石委員  それは必要ではないかと思います。それでないと例えばさきほどの問題で手術後、発 症までの期間の問題ひとつ取って、今日はたまたま資料1の方でその発症までの期間が1 4年という資料が公表されましたから、それは僕は、私は一般的にぜひ、公表すべきデー タだろうと思いますね。  それで今までの期限と比べてどうなのか。一番長いのか、何番目か。だから、こうい うことは患者さんのうちで興味を持っている人は非常に大事な情報になると思います。 だから、それ以外の感染症法の資料2の方からはそういう情報すらないですから、こう いう会を持つこと自体が意味がない。もちろん発表されることも意味がないのではない かと、それを恐れます。 ○佐藤委員長  この会で具体的にどういう資料が必要で、厚生省の方で入手された個票からどこまで 読み取れるかとか、それを各委員にできるだけ詳しく検討していただく機会は、これは ぜひ、持っていただきたいと思いますし、ちょうど公式発表用の報告のまとめの検討が 最後の議題になっておりますが、それを伺っていただいて、また、もし、今のご意見で こういうことを追加した方がよろしいというご意見があったら伺いたいと思いますの で、よろしくお願いします。  それでは発表用の資料のまとめについてお願いします。 ○加藤補佐  一番最後についております4枚綴じておるものでございます。右の上に平成12年3月 30日と四角い枠が書いて照会左記と書いてあるものがございまして、公衆衛生審議会疾 病対策部会クロイツフェルト・ヤコブ病等専門委員会第8回の開催についてということ でございます。  1としまして、本日、開催されましたということでございます。  2のところでございますが、これは11年4月以降の集計結果を、類縁疾患調査のこと でございますけれども、さきほどのご審議の中で1例、過去の重複例がございましたの で、ここは少し数字が動きます。  (1)でございますが、平成11年4月1日より12年2月末日までに報告された3例 は、一応、重複が入っておりますが、3例と、前回の保留例1例と計4例を検討しまし た。  (2)でございますが、検討された4例(保留例1例を含む)のうち、重複例が1 例、前回保留分の再保留が1例、今回報告例で保留と判定されたものはなかったという ことで、合計は保留例が計1例と、計2例が追加と言いますか、されたということでご ざいます。  (3)でございますが、若年発症者39歳以下と新変異型クロイツフェルト・ヤコブ病 と判定された症例はありませんでした。  (4)はここ数字が動いてございますが、手術既往歴を持つ症例2例があり、そのう ち、ヒト乾燥硬膜移植の既往を持つ症例は2例でしたということでございます。  大きい3番でございますが、これは今回、付け加えましたが、感染症法に基づいたク ロイツフェルト・ヤコブ病の届け出の集計結果が報告・検討されましたということで、  (1)は11年4月1日より11年12月31日まででございます。までに報告された90例を 検討しました。  (2)が若年発症者、39歳以下は2例でした。  (3)でございますが、ヒト乾燥硬膜移植の既往を持つ症例は5例でしたということ でございます。  次に調査結果の概略というこの表でございますけれども、ここも数字が少し動いてご ざいまして、今回の分は調査2というところの下の部分でございますが、CJD 等患者報 告総数が2例でございまして、若年発症例は0ということになります。ヒト乾燥硬膜移 植の既往を持つ患者数が2ということでございます。  したがいまして、計が940 となっておりますが、939 と。若年発症が24例で(12例) となっておりますが、ここは23例で括弧の中は変わらず。ヒト乾燥硬膜移植の既往を持 つ患者数は68ではなくて67例ということでございます。  次の頁はこれはその類縁疾患調査の表1が年齢階級別と発症年を見たものでございま すが、この全体が第7回までの108 例と今回、新たに追加されました2例でございます ので、110 例、111 例ではなくて110 例を見ておるということでございます。保留の1 例は変わらず。新規は3ではなくて2例ということになります。  性別で申し上げますと男女で見ますと、女の方が1例減りますので66ではなくて65、 新規が2ではなくて1ということでございます。年齢階級で申し上げますと40代の女性 でございましたので、重なっておったのが、40から49歳のところの全体の7が6になり まして、新規のところの1がなくなると。その症例は発症年が1991年の1例でございま したので、これが1991年のところはすべて消えるということでございます。  表2で、その重複例は一番下の女、1986年12月4日に移植された顔面痙攣の方でござ いまして、ここは1行削除になるということです。  最後の頁でございますけれども、さきほどご指摘があった誤植がございまして、感染 症法に基づくクロイツフェルト・ヤコブ病発生状況でございますが、平成12年ではなく て平成11年の4月1日から平成11年12月31日ということでございまして、一番下の表5 という既往歴等のところで数がちょっと違っておりまして、ヒト乾燥硬膜移植歴のある 男性が1、ヒト乾燥硬膜移植歴のある女性が4、上記以外の男性が32、上記以外の女性 が53ということでございます。 ○佐藤委員長   ありがとうございました。以上のまとめ、さきほどの立石先生のご提案で手術してか ら何年たってからの発症ということは文章にはなっておりませんから、どうしましょう か。それを付け加えた方がベターであれば、例えば1頁目の2の(4)の手術既往歴を 持つ症例は2例であり、そのうち乾燥硬膜移植の既往を持つ症例は2例で術後何年経過 して、何年から何年経過して、何年と何年経過して発症しておったという文章を付け加 えるかどうかですが、これは付け加えておいてもわかりますから。 ○加藤補佐  2例で術後12年と14年でした。 ○佐藤委員長  はい。感染症法のことはその情報がわからない、ほとんどわからないということで無 理ですが。以上で何かご意見ございますでしょうか。  予定の時間も大幅に超過しましてすみませんでした。それでは以上をもって終わりた いと思います。どうもありがとうございました。                (閉会・13時05分) 照会先:厚生省保健医療局エイズ疾病対策課  担 当:金谷、大竹  内 線:2368,2359 電 話:03-3595-2249