00/02/15 食品衛生調査会毒性部会・添加物部会合同部会             食品衛生調査会        毒性部会・添加物合同部会              議  事  録              厚生省生活衛生局食品化学課         食品衛生調査会毒性部会・添加物合同部会議事次第         日 時:平成12年2月15日(火) 10:07〜12:10         場 所:東條会館本館5階 クリスタル 1 議題  (1) いわゆる栄養補助食品に係る食品添加物の規制のあり方について  (2) その他 ○田所補佐  若干遅れまして申しわけございません。それでは定刻をちょっと過ぎましたけれども 食品衛生調査会毒性・添加物合同部会を開催させていただきます。 本日は毒性部会の委員8名中4名、添加物部会の委員9名中5名出席いただいており ます。長尾委員につきましては少し遅れるとの連絡が入ってございますが、出席の予定 でございますので、本日の毒性・添加物合同部会が成立いたしますことを御報告申し上 げます。  また、本日は臨時委員として山田委員、参考人として田中委員にも御出席いただいて ございます。  なお、本部会は平成9年の常任委員会決議に基づきまして公開となっております。本 部会の議事録は後日公表される予定でございます。 まず初めに、食品化学課長よりごあいさつ申し上げます。 ○食品化学課長  おはようございます。食品化学課長の内田でございます。本日はお寒いところ、御苦 労さまでございます。  本日、先生方にいろいろと御議論をお願いしたいと思っていますのは、いわゆる栄養 補助食品に関しまして、食品添加物がどうかかわってくるかということについて専門的 な御意見を承りたいと思っております。  いわゆる栄養補助食品について検討しております新開発食品保健対策室長と栄養補助 食品の検討会の座長をしておられます田中先生にもお出でいただいておりますので、詳 細を御説明をいただくとしまして、私どもの本日の問題点は、今年の1月の時点で栄養 補助食品に関する検討会の中間報告が出されております。その中で栄養補助食品のあり 方について議論されているわけですが、そこに含まれるものとして、例えばビタミン、 ミネラルなどで食品添加物に指定されているものがございます。それから栄養補助食品 ですと、剤形をつくるために、例えばカプセル剤とか、錠剤などの形になっているもの がございますが、そこに使われている賦形剤の類について、どう考えていったらいい か。そういう問題について御議論をいただきたいと思っております。よろしく御審議の ほどお願いいたします。 ○田所補佐  それでは本日の議題でございますが、いわゆる栄養補助食品に係る添加物の規制のあ り方について御審議をお願いいたします。座長は毒性部会長であります戸部委員にお願 いしたいと思います。よろしくお願いいたします。 ○戸部部会長(座長)  おはようございます。それでは合同部会を始めさせていただきます。どうぞよろしく お願いいたします。  まず、資料の確認を事務局の方からお願いします。 ○田所補佐  それでは、資料につきましては各委員にあらかじめ御送付させていただいてございま したけれども、資料3−1の11ページ及び1枚紙の資料5につきまして誤植等がござい ましたので、本日該当部分を訂正いたしましたものを改めてお配りしてございます。誠 に申しわけございませんが、差しかえをお願いいたします。 それでは、配布資料について御確認をお願いいたします。まずは議事次第で議題、委 員名簿及び資料一覧が記載されてございます。資料1−1と資料1−2は1つに綴じて ございますが、「いわゆる栄養補助食品の取扱いに関する検討会中間報告書概要」及び 「中間報告書」でございます。資料2は「食品添加物の規制の現状(食品衛生法抜 粋)」、資料3−1は「ビタミン・ミネラルの栄養所要量等について」、資料3−2は 「ビタミン・ミネラルに関する欠乏症及び過剰症」の一覧表でございます。資料4は1 枚紙のものでございますが、「欧米諸国における規制の概要」について、資料5も1枚 紙のものでございますが、「いわゆる栄養補助食品に係る食品添加物規制の検討」の表 題のものでございます。配布資料といたしましては以上でございます。 ○戸部部会長  ありがとうございました。  ございますでしょうか。  それでは、引き続き説明をどうぞお願いいたします。 ○田所補佐  それでは本日の議題に関して御説明をさせていただきます。いわゆる栄養補助食品の 取り扱いにつきましては、平成10年12月より厚生省生活衛生局長のもとに、「いわゆる 栄養補助食品の取扱いに関する検討会」が設置され、これまで9回にわたり検討されて まいりました。本年1月17日に検討会の中間報告書が公表され、現在一般からの意見募 集、いわゆるパブリックコメントが行われてございます。この中間報告書では、栄養補 助食品の位置づけや表示等について述べられておりますが、新しい栄養補助食品という カテゴリーの設定に伴い、食品衛生法における食品添加物の規制につきましても検討が 必要であるとされてございます。  この中間報告書を受けまして、平成12年1月31日に厚生大臣より栄養補助食品に係る 食品添加物の規制のあり方につきまして食品衛生調査会へ諮問され、同日付で本合同部 会に付議されたものでございます。まずは、この「いわゆる栄養補助食品の取扱いに関 する検討会」の中間報告書につきまして、吉田新開発食品保健対策室長より御説明させ ていただきます。また、検討会の座長でございます田中委員には、専門的な立場から補 足等をお願いしたいと考えております。 ○吉田新開発食品保健対策室長  新開発食品保健対策室の吉田でございます。よろしくお願いいたします。座ったまま で失礼させていただきます。 まず最初に、このいわゆる栄養補助食品の議論の背景につきまして、この「はじめ に」というところをベースに簡単に御説明させていただきますと、そもそも栄養補助食 品というものでございますが、委員の皆様方もお気づきの方も多いと思いますが、最近 ドラッグストアやコンビニなどで小さなプラスチックの容器に入って、ビタミンCとか あるいは鉄、カルシウムなどのサプリメント、あるいは栄養補助食品という、いわば医 薬品的形状のものが売られております。こういったものに関しまして、我が国の国民の 皆さん方は、いろいろ栄養に関しまして最近マスコミ等によりまして、様々な知識をお 持ちになっていらっしゃって、自分の健康のために特定の栄養成分をとりたいというふ うな方が増えているためだと思いますが、こういうものについて、ちゃんと自分たちも とるようにしたいとか、あるいは当然こういったものは食品でございますので、どうい うような働きがあるかということは書けないようになっているわけでございますけれど も、そういったものに関しまして、どういうような観点で選択したらいいのかという情 報をきちんとほしいというような意見が前々からございました。 そういったことを背景としてと思いますが、政府の方の一連の規制緩和の中で、政府 の規制緩和推進計画、それと、これはもっぱら外国と国内との間の貿易の関係でござい ますが、市場開放問題苦情処理推進会議(OTO)におきまして、ビタミン等について これまで医薬品的な形状、あるいは量的な部分で食品として売ってはならないというよ うな部分があったわけでございますが、そういったものに関しまして医薬品としての範 囲を見直すということと、食品として流通することになったものについては、新しく栄 養補助食品という概念で括るようにというようなことが決定されました。 他方、こういうようなものに関しまして世界に目を向けますと、先ほど申しましたよ うにOTOというところは、そういった国際的な流通という観点で申しているわけでご ざいますけれども、その背景となりました部分といたしまして、まずアメリカでは、ダ イエタリー・サプリメントという名称で、医薬品や食品とは別のカテゴリーというふう に定められておりまして、その中で様々な表示のあり方などが定められております。ま た、英国を初めとしますEU各国におきましても、食品の一類型としての表示の方法等 について制度化され、あるいは現在制度化の検討中ということが行われております。 また、御存じのコーデックスにおきましては、栄養成分の表示のあり方ということに 関しましてはステップ8まで進んで、既に表示のあり方は定められておりますし、また ステップ3でございますが、ビタミン、ミネラルという補助食品の規格についても現在 検討が進められております。  そういった中で、こういう食品に関しましては、当然国民の健康、安全の観点から議 論すべき内容、すなわち本部会にかかりましたように、食品としての安全性部分という ものを担保することが必要であるとともに、当然また国民の健康の増進にも役立つとい う観点から、食品衛生調査会及び公衆衛生審議会の関係部会から私どもに対してそうい った栄養補助食品のあり方について検討を行うべしというふうな指示がございまして、 一昨年、平成10年の12月に生活衛生局長のもとに、局長の私的検討会という観点でござ いますが、「いわゆる栄養補助食品の取扱いに関する検討会」というものを設けまして 検討を行っていました。その検討会の座長が、今日お越しいただいております田中委員 でございます。 この検討会に関しましては、昨年11月にそれまで行いました検討の論点を整理いたし ました内容を公表いたしまして、一般の方々からそれぞれの論点についての御意見を賜 った後に、先ほど事務局の方から申し上げたとおり、今年の1月にこの形で中間報告と いうものをお出しした次第でございます。最終的には、再度この中間報告を関係の審議 会、調査会の部会にお諮りいたしました上で、今年(平成12年)の3月末までに最終報 告という形で取りまとめたいと考えております。 続きまして、検討の背景ということで概略を御説明をさせていただきます。まず最初 の1、2が先ほど申しましたように規制緩和推進計画及びOTOの決定という内容にな っております。  主に重要なところといたしましては、OTOの方をごらんいただければと思うのです けれども、OTOの3つ目のポツ、「表示の制限については、適切な摂取方法や栄養補 助的効能、注意表示等について、消費者が自分に必要なものを的確に選択できるような 表示を可能とする」ということ。あわせまして、その下のポツでございますが、通常海 外で食品として流通・販売されているものが医薬品として規制されることなく食品とし て取扱いできるようにするため、ビタミン、ハーブ、ミネラルにつきまして、順次規制 緩和を行うべしというようなことが行われております。そういう観点で、最後の4つ目 のポツにかかわる部分でございますが、医薬品の範囲の見直しということを、当時薬務 局の方でございましたが、医薬安全局で順次進めてまいりまして、下に書いていますビ タミン、ハーブ、ミネラルに関しまして医薬品的形状のものであっても、一定の範囲内 で食品としての流通を認めるというふうな結論が出されまして、それぞれ関係の通知が 既に発せられています。この検討に際しましては、今日まだお越しでございませんが、 高仲委員がその座長を務めておられました。  またあわせまして、4ページの方に移りますが、そういった食品としての形状の規制 緩和という観点とともに、また後でも出てまいりますが、いわゆる「第六次改定日本人 の栄養所要量」というものが示された中で、特定の栄養成分につきましての上限摂取量 というのが示されました。それに伴いまして、こういった栄養補助食品にかかる過剰摂 取というものに関します注意喚起通知を発した次第でございます。  また、先ほど申しました、例えば剤形としての規制緩和、あるいは食品としての効能 の記載ということは、医薬品と食品との区分に関する観点の検討が必要でございますが そういった食薬区分の見直しに関する検討が現在医薬安全局長のもとで行われておりま す。こちらの方の座長も高仲委員の方が進めていらっしゃいますが、こちらと私どもは 車の両輪という観点で検討を現在進めているという状況でございます。  5ページ、6ページは国際的な動向ということになっております。ここにつきまして は割愛させていただきますが、先ほど申しましたように、特にアメリカにおきましては 医薬品的なカプセル状、錠剤状等のもので、こういったビタミン、ミネラルあるいはそ の他食品成分を抽出したものをダイエタリー・サプリメントという特別なカテゴリーの もとにおきまして、添加物としての規制を行わないということとともに、一定の範囲内 におきます表示を自由に認めるというようなことが行われております。  続きまして、本論に入らせていただきますが、まず簡単に皆様方の観点だけで申し上 げますと、そもそも栄養補助食品というものは、私どもの方といたしまして、厚生省が こういった取扱いをなぜするかということを、まず一番最初に意義・目的という部分で 書いています。意義と申しますのは、私どもの方、厚生省サイドとしてこういったもの を定義づけする理由、翻って言えば、消費者の方々がそういう観点に立って、栄養補助 食品というものを摂取していただきたい。摂取のための目的ということになっておりま す。  まず、私どもといたしましては、前提をおきまして、健康を維持増進をするためには バランスのとれた食事をすることが基本であり、可能な限りすべての栄養成分を普通の 食事から摂取すべきである。また、栄養補助食品によって食生活のバランスがないがし ろにされることがあってはならないということを置きながらも、まず高齢の方々などに とりましては、栄養補給、補完としての栄養補助食品としての意義、あるいは最近明ら かにされてきておりますビタミン等におきます新たな働きというものを国民の皆様方に 御理解いただきまして、生活の質の向上等を図ることができるのではないか。生活の質 すなわちQOLの向上、健康の維持増進という観点の意義・目的というものがこの製品 に関して認められないか、あるいはそういう観点から我々は検討すべきであるというこ とを一番最初に検討いたしました。  引き続きまして、2の定義及び3の範囲についてでございますが、以上のような観点 を持つものといたしまして、まず範囲の方から先に申し上げますと、ビタミン、ミネラ ル、ハーブ、その他の栄養成分を含むものといたしまして、栄養成分を補給し、又は特 別の保健の用途に資するものとして販売の用に供する食品のうち、錠剤、カプセル等通 常の食品の形態をしていないものを栄養補助食品の定義、範囲としておこうというふう にしております。  名称につきましては、これらの形状及び目的を備えたものに関しましては、総称とい たしまして「栄養補助食品」という概念で括ってはいかがかということが書いてありま す。  続きまして、先ほど申しましたように、「消費者の選択に資する」という観点から表 示というものが一番重要なものとなっておりますので、まず最初に表示ということを検 討いたしました。その中の表示の意義といたしましては、そこに書いておりますように 適切な選択や摂取を行う上で、消費者に対し適切な情報を提供する必要があり、表示の 基準を適切に設定する必要があるということが述べられています。  表示の内容といたしましては、該当するすべての食品に対して表示が義務づけられま す。義務的な表示と表示を行うか否かは表示者の任意である任意表示、この2つに分け られるであろうというふうにしております。  まず1つ目の義務的な表示の内容といたしましては、そもそもこれが栄養補助食品で ある。そして栄養補助食品の中でも幾つかの類型が考えられるでしょうから、そういっ た類型をきちんと表示していただきたいということ。それと栄養成分に関する表示、ま た先ほど来申し上げているような過剰摂取ということが考えられますことから過剰摂取 等に対する注意喚起表示をぜひ行っていただきたいとしております。また、表示者サイ ドが表示するか否かは自由としております任意表示に関しましては、栄養成分の働きに 関する表示、又は特定の保健の用途に関します表示ということを任意表示としてはいか がかとしております。  続きまして、類型名の表示でございますけれども、こういった栄養補助食品というの は、先ほど申しましたようにビタミン、ミネラル等医薬品から規制緩和などによって食 品としての流通が認められてくるというものが多いわけでございますけれども、そうい ったものに関しまして、医薬品等との誤認を与えないということから、まず食品である というふうに書いていただきたい。あるいは摂取目的等が通常の食品と異なるような摂 取方法、目的があるものであり、またそれに関しまして、特定の表示が許されていると いうことから、下に書いてある(1)から(3)にあるような類型に関しても表示をする必要 があるのではないかとしております。  その類型といたしましては、まず1つ目は科学的な審査を経て特定の保健の用途の表 示を行うという類型。詳細につきましてはまた後で御説明いたしますが、もう一つは科 学的に証明された栄養成分の機能の表示を行うもの。その他の健康食品という類型が考 えられるのではないかということを書いております。  続きまして、栄養成分に関わる表示でございますが、当然こういった栄養補助食品と いうような、特定の栄養成分を多く含みますことから、栄養成分に関しての表示をきち んと行っていただきたい。例えば「この食品はカルシウムを多く含みます」というふう な表示が考えられます。  続きまして、栄養成分の働きに関する表示というもの。これはまさに消費者の方々が そういった商品を選ぶ際の選択の観点になるものでございますので、こういったものも 認めていいのではないかというふうにしております。その働きというのは、どういうも のかと申しますと、そこに記載されております身体の成長、発達、正常な機能におきま す栄養成分の生理的な役割を表示するもの。ただし、その内容につきましては、人によ って科学的な根拠で証明されていなければなりませんし、また疾病に関する言及があっ てはならないというふうにしております。先ほどのカルシウムを例にとりますと、例え ば「カルシウムは、歯や骨を丈夫にします」というものが、こういうふうな表示の例に なろうかと思います。  続きまして、保健の用途の表示といたしましては、この食品が健康の維持増進に役立 ち、特定の保健の用途に適するという観点の表示でございまして、これは先ほどのカル シウムなどの栄養成分の働きということ、栄養成分に着目したことに対しまして、当該 食品そのものに着目した表示ということになります。そういう観点から、これにつきま しても人において科学的にその働きが証明されていなければなりませんし、医薬品との 区別という観点から疾病の言及は行ってはならないとしています。先ほどのカルシウム の例で申しますと、「この食品は、吸収の良いカルシウムを多く含み、歯や骨を丈夫に し、健康の維持増進に役立ちます」というふうな表示が考えられるかなというふうにし ております。  続きまして、疾病のリスクの低減に関する表示というものを考えました。特定の疾病 にかかるリスクを低減できるというような表示でございまして、例えば先ほどのカルシ ウムで申しますと、「この食品は、カルシウムを多く含み、将来の骨粗鬆症の危険度を 減らします」というふうな表示が考えられるわけでございますけれども、こういった表 示に関しましては、先ほど来繰り返しておりますけれども、疾病の予防というふうな医 薬品的な効果と区別がつきづらいということから、まだこういうものを認めることは時 期尚早であろうというふうに結論づけました。ただし、現在コーデックスの方におきま して、疾病のリスクリダクション表示というもののあり方について検討が進められてお ります。それに遅れることなく、我が国においても検討を進めるべきであるとしており ます。  以上がどちらかと申しますと、健康を増進する方面の表示ということでございますが これから先はこの食品の安全性に関する表示ということでございます。  まず1つ目は、当然ある食品成分に関しましては、一定量以下ですと体にいい働きを 行いますが、それ以上になりますと、過剰摂取によります健康危害をもたらすおそれが あるということがございますので、そういった過剰摂取に関する注意喚起表示をぜひ行 っていただきたいとしています。具体的な内容といたしましては、「過剰摂取による危 害発生が明らかな成分に関しては、具体的な過剰摂取による症状の表示を義務づける」 としております。と申しますのも、えてして消費者の方々は、食品という観点でこの栄 養補助食品をとられた場合に、過剰摂取により体の不具合が生じたとしましても、医薬 品と違いまして、その食品が原因となってそういった体の不具合が起こったかどうかと いうことがわからない場合がございますが、こういうふうな具体的な症状を書いていた だくことによって、栄養補助食品の摂取の中断、ないしはお医者さんに対して相談をし ていただく。そういうふうな次のアクションをとっていただけるのではないかと考えて おります。  ただし、成分によりましては、過剰摂取による症状が1つに特定できない場合、ある いは摂取量、年齢、性別等によって症状が異なる場合ということが考えられますので、 具体的な表示内容につきましては、個別成分ごとに表示方法を検討していく必要がある だろうとしております。  続きまして、上の過剰摂取とも関係するわけでございますが、この食品は医薬品では ございませんので、医薬品的な用法用量、食後何分以内に何錠摂取というふうな形は書 けませんけれども、過剰摂取を防止し、また含有栄養成分が効果的に吸収されることを 図るために、一日当たりの摂取量の目安及び適切な摂取方法の表示ということは必要で あろうというふうに考えております。また、ビタミン、ミネラルなどのように一日当た りの栄養所要量が示されている場合に関しましては、一日当たりの栄養所要量に対する 摂取割合の表示、例えばビタミンCですと、今60ないし100mgというふうになっておりま すが、1,000mg入っているような栄養補助食品ですと1,700 %ないしは1,000 %というふ うな表示をしていただくということによりまして、無駄な摂取をやらなくても済むよう にしたいと思っています。その場合、栄養所要量が年齢、性別で異なることにも対応で きるような表示を行うことが必要であろうとしております。 その他の注意喚起表示といたしましては、当該食品が含有する成分によっては特定の 人、例えば妊娠中の御婦人あるいは子ども、特定の医薬品を服用している方などにとっ ては摂取が危険である場合もございますので、こういった危険事故に関する表示を義務 づける必要があろうとしております。また、他の食品や栄養補助食品との関係で食べ合 わせ的なものがもしあるとすれば、そういった摂取上の注意喚起事項もあわせて表示す る必要があろとしております。 続きまして、表示の法制的枠組みでございますが、まず簡単にこちら側から申し上げ させていただきますけれども、先ほどの栄養素の働き及び特定保健用途の表示につきま しては、栄養改善法で既に定められている表示制度がございますので、これを活用して 表示を認めてはいかがかとしております。具体的に申しますと、特定の保健の用途とい うものが現在特定保健用食品という制度がございますので、これに従った制度でのっと ってやっていく。なお、この特定保健用食品と申しますのは、厚生大臣が各食品ごとに その表示を許可しておりますので、栄養補助食品に関しましても、各食品ごとにこのタ イプに属するものは個別に厚生大臣の方で許可するという形にしてはいかがかとしてい ます。 また、栄養成分の働きに関しましては、これは現在栄養表示のあり方について、厚生 大臣が基準を示すことができるとしておりますが、これを援用させていただくことにし ております。そうなりますと、厚生大臣の方で、その基準を示すということができるこ ととなっておりますので、あらかじめ厚生大臣で、その規格基準を示し、それに合致し たものは表示者サイドの方で、その範囲以内で書いていただいて結構であるというふう な形にして、個別の食品ごとの許可ということは行わなくてもいいのではないかという ことで規格基準型というふうな形でしております。 なお、これらにつきましては、ビタミン、ミネラルというものが、この規格基準型に 該当してくるかとは思っております。と申しますのは、ハーブ等につきましてはそうい った規格基準を設けることが直ちには困難であろうということが考えられますので、当 面は先に述べました個別評価型になってくるであろうと考えられておりますが、ただ将 来的にそういった規格基準になり得るようなデータが集まった段階では規格基準型への 移行ということもあろうと考えています。 続きまして、食品の安全面に関する表示につきましては、食品衛生法の方の第11条で 食品表示の基準というものが定められておりますので、それに沿って表示基準を、先ほ ど申しました注意喚起表示等についてはやってはいかがかというふうに考えておりま す。 また、今まで申し上げたような様々な表示というのは、先ほど言いましたように栄養 補助食品というのは、極めて小さなカプセル状のもので、小さな箱に入っている場合が 多うございますので、物理的なスペースでどれだけ表示できるかということがございま す。そういうことから食品への具体的な表示方法といたしまして、まず食品の選択の上 で必要な表示については外包に書いていただきたい。ただし、摂取上の留意事項等につ きましては、中に添付書類みたいな形で入れてもいいのではないかというふうなことを 書いております。また、この栄養補助食品というものは、先ほど申しましたように、ビ タミン、ミネラルのみならず、ハーブ等が入ってきますと、御存じのとおり、いわゆる 健康食品などで様々な虚偽または誇大な広告というのが現在行われております。こうい ったものは当然今後はきちんと規制していかなければならない。食品サイドとしても規 制していく必要があろうということから、食品衛生法第12条虚偽表示等の禁止という条 項を援用いたしまして、適切な規制措置をとっていく必要があろうというふうにしてい ます。以上が表示に関する部分でございます。  次の安全性の確保ということが当部会の方の御審議に重要な部分かと思います。まず 栄養補助食品も食品である以上、安全性の確保は何よりも重要でありますので、食品衛 生法の次に述べます制度につきまして適切な運用が必要であるとしています。 まず1つ目といたしましては、食品成分の規格基準及び食品添加物規制の部分でござ いますが、ビタミン、ミネラルにつきましては、先ほど来何度も御説明しておりますよ うに、過剰摂取により健康被害が生ずるおそれがありますし、またハーブ等につきまし ては、まだ安全な食経験に乏しい植物等が使用されるということも危惧されます。さら に錠剤、カプセル等を形づくる材料というものが、こういったものに必要になってきま すが、こういったものにつきましても、安全性が明らかでないものが使用されるという ことが当然考えられます。このため、食品衛生法の規格基準において、その成分の安全 性をきちんと担保するというための規制を行うことも検討が必要ですし、また食品添加 物としての規制という観点も検討する必要があるというふうに述べております。 なお、今申しましたような個別の商品に関します安全性のほかにも、例えば先ほど申 しましたような、こういった商品類は医薬品から移ってきたものも多うございます。医 薬品に関しましては製造施設に関する規制等が定められておりますので、こういった栄 養補助食品に関しましても、製造施設等にかかる基準というものをきちんと定める必要 があるのではないかというふうなことを書いております。また、そういった規格基準、 表示基準に関しましても、事後的な監視制度というものをきちんと設けることによって 市場流通している中でも、不適切なものは出回らないようにする必要があるというふう にしております。  また、あわせまして、こういったものは消費者がきちんと理解した上で摂取していた だくことが必要でございますので、消費者に対しての情報提供、あるいはその商品を買 おうとする方々に対し、相談に乗っていただくような相談指導というふうなものも検討 する必要があろうというふうに書いております。 最後にその他ということになっていますが、16ページをごらんいただきますと、これ までいろいろ述べてまいりました食品の類型を図示しております。ここに書いてござい ますのは、普通我々が健康食品という言葉で呼んだときに概念するであろう大枠を示し ております。現在、この検討会の方で考えましたのは、下の点線囲いになっております 栄養食品というような、いわゆる健康食品のうち、錠剤、カプセル等のものが概念され るのではないか。点線で書いてございますように、このようなものを我々の方で全てき ちんと枠づけするというのではなしに、概念整理としての部分であると御理解いただき たいのですけれども、こうしますと、現在私どもの方で制度化されておりますのは、一 番左端の「特定保健用食品」というもの、これは現在通常の食品形状のものしか認めて いないわけなのでございますが、その錠剤、カプセル状ということで、剤形規制なしの 大きな括りと、先ほど申しました規格基準型で定められます「特定栄養補助食品」とい う真ん中の下の欄に括られた部分、この2つにつきまして、今までの議論の中ではきち んと定義がされてきたかと思います。  これまでの議論の中で定義化されていないところが、まず中段の上の方に書いてござ います「栄養調整食品」というものがございます。例えばこれは最近でいいますと、ク ッキー的なもの、あるいはコーンフレーク状のものの中に、いろいろビタミン、ミネラ ルを添加いたしまして、一日必要栄養量の3分の1、4分の1が手軽にとれますよとい うふうなものでございます。  これらにつきましては、先ほど申しましたように「栄養補助食品」というのは食事の ベースの中を補助するというふうな概念であるのに対しまして、こちらの方は食事の主 体としてとっていただくということになりますので、検討の観点は若干異なるであろう というふうに考えておりますが、当然含有される栄養成分に関します注意喚起表示なり 栄養素としての働きというものについては、消費者への情報提供として必要であろうと いうことで、これにつきましては別途の基準で表示方法などは考える必要があるのでは ないかというふうに書いています。 また、一番右側に出てきますのが、「その他の健康食品」ということで、今までそう いうふうな形で規格がつくれますものを除きましても、やはりどうしても健康食品とい う形で出回っているもののかなりの部分が残ってくるであろう。これらに関しましては 現在のような曖昧な表示を行わせず、なおかつ、きちんとした注意喚起表示等を行わせ るような、むしろ、そういった表示規制という観点を行う必要があるであろうというこ とで、「その他の健康食品の取扱い」というところに、そういうふうな考え方が述べら れております。 最後の18ページの「おわりに」に移らせていただきますが、今申しましたような内容 につきましては、現在のところ中間報告という形で関係審議会の方にもお諮りしている ところでございますが、また薬事法制との調整ということで、先ほど申しました食薬区 分の検討会の方も現在検討が進んでおりますので、それらとの整合性を図りつつ、今年 度末までに報告をまとめるということにしておりますが、その後、この報告でまとまり ました全体の大枠に基づきまして、各栄養成分ごとの栄養補助食品の規格基準等を定め ておく必要があるとしております。  簡単に申しますと、まず規格基準型の特定栄養補助食品の栄養成分のリストアップや あるいはそれに関します表示方法、あるいは規格基準、表示基準の検討を行っていくと いうこと。あるいは(4)にもございますけれども、個別の食品添加物としての取扱いに関 する検討などを今後この報告書に基づきまして行っていく必要があろうというふうにし ております。ただ、こういうふうな個別の検討の前段階といたしまして、そもそもどう いうふうな基準に立って、この食品添加物の扱い等を行っていただく必要があるかとい うことをお諮りしますために本日はお集まりいただいたという次第でございます。  ちょっと早口で恐縮でございますが、以上で説明を終わらせていただきます。 ○戸部部会長  ありがとうございました。 吉田室長から中間報告書の概要についてお話をいただきました。ただいまの室長の御 説明の中でおわかりにくい、あるいはこの点をもう少し説明してほしいという箇所がご ざいましたら、まずそれをお願いいたしたいと思います。 ○山添委員 今回のところでは、ビタミンとミネラルが中心かもしれませんが、2ページの一番下 のところにハーブ (生薬) と記載してございますね。現在では、この場合ハーブと生薬 というものを同一視して考えるということなんでございましょうか。 ○吉田新開発食品保健対策室長  問題点は2点あろうかと思います。まず1点目といたしましては、当然生薬というこ とになりますと、現在医薬品として使われているという観点があろうかと思います。こ の場合は医薬品として使われて、薬事法の方でもっぱら医薬品として使われているよう な成分というものは食品として使えないというふうな括りがございますように、そこの 中に入っているものは栄養補助食品という概念には入ってまいりません。そういう観点 では当然こちらの方に入ってくるものというのは、そういったもっぱら医薬品として使 われている生薬は含まれないということです。逆に言えば、そこに含まれないような作 用の緩和なもの、あるいは従来食品として使われてきたような観点で生薬というふうな 括りにされているようなものにつきましては栄養補助食品の観点には入ってまいりま す。ただし、それは対象として入ってくるだけであって、それを栄養補助食品として認 めるかどうかということは、先ほど申しましたように、特定栄養補助食品という形で厚 生省の方で規格基準をつくって、その範囲内におさまるものであるか、あるいは特定保 健用食品というふうな個別評価型のものとして厚生大臣が評価を行って、安全性を担保 したものであるか、この2つしか栄養補助食品という観点では市場には出回らない。  問題になりますのは、医薬品の範囲に関する基準のいわゆる1-a成分以外の部分がメイ ンになるかと思いますが、そういった食品として出回っても構わないとされた生薬が厚 生省の許可をとらずに、食品となれば当然許可の必要なしに売れますので、健康食品と いう観点で売られてくるものは自ずと出てくるかなという部分がございます。ただ、こ れは先ほど申しましたように、食薬区分のもっぱら医薬品とされるかどうかという部分 の議論にかかってきておりますので、もっぱら医薬品に押し込んでおく限りにおいては 安全性は担保されるであろうということが考えられると思います。  ただ、逆に言えば、生薬を抽出したようなものにつきまして、今度添加物としての扱 いがどうなるかということにつきましては、皆様方に御議論いただくべき内容かという ふうに思っておりますが。 ○山添委員  わかりました。どうしてかと申しますのは、例えば生薬というのはほとんど天然物で ございますね。そうすると現実には中国からの輸入とかに頼っていて、年間の供給量が ある程度決まってしまうということになります。それを2つに分けてしまうと、医薬品 の方は規格がきちんと決まったものだけを集めて、例えば食品の側には規格がないか適 当なものがいくようになると困ってしまう。そういうようなことをちょっと懸念したも のですから。 ○田中参考人  いわゆる栄養補助食品の検討会の座長を務めさせていただいております田中でござい ます。  日本の特殊事情があると思うのです。要するに和漢薬という形で既に薬として認定さ れておるものがあるわけです。しかし、現実にはそういったものが含まれたものが、特 に輸入品等で既に一般に出てしまっておるのです。特に今はインターネット等で通信販 売をやりますと、それは直接的に国民に購入されておるというところがありまして、ア メリカ側はこれは食品だとくるわけです。我々の方はこれは和漢薬として認定されてお るものですから、医薬品であるというところがあって、非常に苦しい立場があるという のが日本の検討委員会の実情でございます。ちょっと追加させていただきます。 ○戸部部会長  ありがとうございました。  山添先生よろしいですか。生薬という表現は多少外国との関係もあって、こういうふ うな文言が入っているということのようでございますが、よろしいでしょうか。 ○山添委員  承知いたしました。 ○戸部部会長  ほかにはいかがでしょうか。 ○山崎部会長  今田中先生からの御説明があって、現状日本の特殊性というのがあって、これをおま とめになるのにかなり御苦労があったと思うのです。そのことは今のことで私も同じ疑 問を持っていたのですが、理解させていただいて、それから9ページのところで、私、 言葉の上でうまく理解できなかったところがあるのですが、(2) の類型名の表示という ところの(3)に「その他の健康食品」というのがありますね。それで、これは(1)、(2)は 科学的な審査とか、科学的な証明というものを経たものであって、これは類型の中にき ちんと入ってくるんです。その他というのは逆の表現で言うと、科学的な審査とか、証 明を経ないものという理解になるわけですね。 ○吉田新開発食品保健対策室長  今の部分の御趣旨を先取りさせていただくのは恐縮でございますけれども、その他の 健康食品という何ら科学的証明のないものが、その他の健康食品という類型であること を表示するような食品が出回るのではないかという御懸念でございますか。 ○山崎部会長  結局16ページのところに、うまく形をまとめていただいているのですが、そこの頭の ところに、「いわゆる健康食品」として全部まとめているわけですね。そうしますと、 「いわゆる健康食品」というのは、今市場に出回っている若干怪しげなものまでを含め て、そういうものを引っくるめて、「いわゆる健康食品」というふうにまとめる中に、 その中から科学的に証明されたものをピックアップして、「特定」という言葉をつける という作業なのかなというふうに、先取りと言われるとそのとおりなのですが、そのこ とを確認したかったんです。 ○吉田新開発食品保健対策室長  実は私どもの内部でも、このとらまえ方が両方向に分かれておりまして、一方では、 要するに我々のサイドといたしましては、きちんとこういうものは特定のルールに従っ て振る舞ってくださいねという規制の網をかけるような観点の部分もあったわけなので ございますが、逆に規制の網がかかったことによって、厚生省が何らかのお墨付きを与 えたということを主張するような人も出てくるのではなかろうかということで、このあ たりの扱いを誤解なきようするためにはどうすればいいかということは、ここは再度最 終報告までに検討し直したいと考えております。私どもの趣旨といたしましては、まさ に山崎部会長がおっしゃいましたように、怪しげというとあれですけれども、そういっ たものでも、きちんとしたルールにのっとった振る舞いをしていただくための対象にあ なた方は入っているよということをお示ししたいというふうな趣旨でございます。 ○山崎部会長 ありがとうございます。今日の議論とは直接関係がないと思うのと、それ から中間 報告そのものは、私は大変御苦労があって、うまくまとめられているという評価をして いるのですが、要するに、ここで特定栄養補助食品というのはあくまでも補助であって 食事というのは、正規のというとおかしいのですが、普通に日常摂取する食品としてと らえるのが本当のところというのは、中間報告の最初にもうたっておられますよね。で すから、あくまでも補助として科学的にどうしてもそういうまともな摂取のできない方 が使うものだという、これは後でPRということも出てきていますから、その辺で徹底 していただけることだと思うのですが、要するにその観点を踏み外すと、添加物との関 係というところで多少問題が出てくるかなと思いましたので、ちょっと余計なことを申 し上げました。 ○戸部部会長  ほかにはいかがですか。 ○林(裕)委員  一つだけ教えて下さい。この報告書は医薬品と食品と区別することについて注意深く 書かれていると思います。そこで、表示についてお聞きしたいのですが、義務表示、任 意表示の内容が国際的にはどうなのかお伺いしたいということと、もしもなにか違いが あった場合、それが最初に御説明のあったOTOの問題にならないかということについ て教えて下さい。  例えばコーデックスで検討されているという、10ページにあります疾病の予防の効果 の表示が日本では時期尚早とのことで、私もそう思うのですが、そういうことがOTO の問題とかにはならないのかということをお聞きしたいと思います。 ○吉田新開発食品保健対策室長  国際的な表示のあり方に関しましては、5ページ、6ページにございまして、各国の 置かれております状況によりましてかなり様相を異にしております。代表例といたしま して、国といたしましては3か国しか出しておりませんが、アメリカのダイエタリー・ サプリメントに関しましては、疾病予防という概念は外されております。ただし、最近 今年の1月ですけれども、疾病の概念というのがまた括り出されまして、通常我々が考 えるような、病気に近いような体の不具合も疾病じゃないよというふうなこともされて おります。  それとあと、栄養補助食品に関して認められるか認められないかというのはちょっと 私ども読みきれていないのですが、若干のものに関しましてのリスクリダクションとい うのを現在定まっております11項目の健康強調表示というのは法律で定まっていまして これは特定の含有成分がたくさん入っている、ないしは特定の含有成分が少ない、例え ばコレステロールが少ないと心疾患に対して問題が少ないとか、あるいは食物繊維がた くさん入っていると特定のがんなどを予防する効果があるよというふうなことまで認め るような表示は、アメリカではそういった法律の中に書き込んでおります。  イギリスに関しましては、今のところ私どもが聞いている範囲ではリスクリダクショ ンに関しては行われておりませんが、こちらに書いていませんが、スウェーデンなどで は、一部の栄養成分に関しましてはリスクリダクションクレームが認められているとい うふうにお聞きしております。 コーデックスの方ですけれども、こちらにも書いてございますが、リスクリダクショ ンクレームそのものに関しましてはまだステップ3ということで、将来どうなるかとい うのはわかりかねるところでございますが、いずれにいたしましても、OTOの方で述 べられておりますのは、海外におけるものと齟齬がないようにというふうになっており まして、ただ、海外を特定の国が自分の国と同一ルールであるとか、そういうふうに主 張されておりまして、また委員の方々の中には、そういうふうな形の部分に同調される ような議論もございますので、そこはきちんと我々の方で最終的にはコーデックスルー ルに則るというのが世界的な話であるということは何度も繰り返して主張しております し、私どもといたしましては、それに沿っていかざるを得ない。OTOでどういうふう な御判断をされようと、コーデックスが最終ルールであるということは主張してまいり たいと考えております。 ○戸部部会長  どうぞ。 ○鈴木委員  いわゆる栄養補助食品という概念は16ページの御説明で何となくわかったのですが、 サプリメントという言葉で一般にはもう使われておりまして、これはここのいわゆる栄 養補助食品の概念よりもはるかに外れたところでサプリメントというようなものが全部 混合して、いわゆる栄養とか食事とかの雑誌などにも使われておりますが、このサプリ メントというようなものはこの中でどんなふうに、という言葉と栄養補助食品との言葉 の関係というのはどういうふうにお考えになりましたか。 ○吉田新開発食品保健対策室長 先ほど申しましたように、厚生省といたしまして、きちんと定義が行われますのは16 ページの図で申しますと、特定保健用食品とされるものと、まだ仮称に近いと思います が、特定栄養補助食品というふうなもの及びその上段にございます栄養調整食品という 概念のものがあろうかと思っております。あくまでもここで書いておりますのは、とり あえず、栄養補助食品という総称として検討のための概念整理としてさせていただいて いるということですが、どうしても先ほど申しましたように、現在売られているものの 中でも、こういうふうなものから外れてくるのは既に多々出回っております。それを遡 及して規制できるかどうかということは必ずしも可能な方法ではなかろうかなという気 はしております。ということから逆に言えば、きちんと我々の方が切り出したものがど ういったものであるか。そういう中できちんと定義づけてきたものがどういったもので あるかということを表示していただくということで、そういったものとの混同をなく接 していただきたいというふうに考えております。 ○鈴木委員  いわゆる消費者の方としては、そのあたりは非常にわかりにくいわけでございまして サプリメントといった言葉を非常に幅広くとらえて健康によいからとる。体力がつくか らとるといったような形でもう既に進んでしまっておりますものをわかるように整理し ていただかないと、この辺は幾ら表示をしても何をしても、それは効き目がないという ようなことが現実には起こっているのではないかと思いますので、どうもありがとうご ざいました。 ○吉田新開発食品保健対策室長  私どももそれが一番の疑念でございます。逆に言えば、私どもといたしましては、そ ういうふうな諸々出回っているものの中で、厚生省がきちんと、変な言い方ですけれど も、お墨付きではございませんが、厚生省が評価を行ったものはこういう類型のもので あると、消費者の方々がそういった健康にいい、体にいいというものを選んでいただく ならば、こちらの方をまず第一に信用して買ってくださいねということを申し上げるこ とによって、逆にまたメーカーサイドに対しましても、きちんと評価できるようなデー タがあるなら、我々はこちらの方で評価するからデータを持ってきてくださいというこ とによって、こっちの検討会の方でも申し上げているのですけれども、良貨が悪貨を駆 逐するような形でいいものだけが市場に出回るようにマーケットの理論でもっていくし かないかなと。あるいはそれが一番現状の中では適切な手法かなというふうには考えて おります。 ○山崎部会長  社会的ルールから言うと、良貨が悪貨を駆逐するというのはルールの逆なんですね。 鈴木先生の御心配は私も全くそのとおりで、今市場に出回っている、「いわゆる」とい うところを、「特定」という言葉で駆逐できるかどうかというところは大変心配なとこ ろがあります。  それはそれとして、先ほどの林先生の御質問と関連して、これも世界的な流れとして ライフスタイルドラッグスという、つまり生活改善薬というのがあって、リスクリダク ションにかかわるような医薬品がこれから疾病を予防していく範囲でかなり開発されて いくだろう。実際に使われていくだろうという流れがありますね。それが栄養補助食品 とまさに同じ目的で使われていくわけで、そこのところの調整といいますか、この中に も食薬の区分という部分がありますけれども、そういう予防にかかわっていくようなラ イフスタイルドラッグスがOTCとして今後使われていく流れと、これをどういうふう に調整するかということは厚生省の中で議論になっておりますでしょうか。その辺はち ょっと室長さんにお伺いしておきたいなと思っております。 ○吉田新開発食品保健対策室長  基本的な部分といたしましては、先ほど申しましたような表示のあり方でどこまで表 示できるかという部分と、含有成分が食品由来であるかどうかという部分でかなり線引 きはできるかなと思っております。それとあと、高仲委員はまだ遅れていらっしゃるの ですけれども、高仲先生の方にお聞きする方が早いかと思うのですが、食薬区分の検討 会の方でも、例えば部外品の扱いなどをこういう面においてどういうふうに適用してい くかというふうなことも御議論いただいているようでございます。最終的には、そのあ たりの整合性がとれるような形になっていくかと思っております。  もう一つ、行政的な観点でございますが、2001年から御存じのとおり薬品部局と食品 部局が一緒になりまして、審議会の方も一つにまとめられますので、そういった中での 調整という形で図れていくかと思っております。ただ、私が申し上げるのも何なのでご ざいますけれども、やはり食品は食品としての振る舞いというか、働きというのがある と思いますので、そういったものはきちんと科学的に証明されるのであれば、食品とし て摂取するという方向性というのは残っていくと思っております。 ○山崎部会長  ありがとうございました。添加物の議論と離れたところの話になって申し わけござ いませんでした。 ○戸部部会長  どうぞ。 ○林(裕)委員  読んでいてわからなくなりましたので教えて下さい。13ページの真ん中に「多様な ハーブ類については、その機能の科学的根拠による」という、こういう文章があります けれども、これによりますと、栄養成分機能表示は認められず、栄養成分含有量表示の みが許可されることになる。こういう場合に、また11ページに戻りまして、摂取量の目 安というのはどういう基準でつくるのか教えていただきたいと思います。 ○吉田新開発食品保健対策室長  ここの部分については、正直申し上げまして、その他健康食品に当たる部分があるわ けでございますが、どういうふうな表示が適切であるかということはまだ十分な検討は 進んでおりませんで、今度は個別に検討していただくことになるかと思います。先ほど 申しましたように、この一日あたりの摂取量の目安というのは、過剰摂取の防止、ある いは無駄な摂取を防ぐというふうな観点もございますし、現在のところ、そういった健 康食品の中でも、一日大体何粒程度を目安にお召し上がりくださいというふうなものが 出されております。そのあたりが逆に言えば追認されるような形になる部分も出てくる かなという気がいたしております。 ○中澤委員  大変わかりやすく、例えば16ページの図を拝見していますと、縦、横、それぞれ表示 されている内容が非常にわかりやすくおつくりになっていらっしゃるというふうに拝見 しました。ある栄養成分が入っている、そういうことを「いわゆる健康食品」と表題に 書いてあります。これもよく見ますと、右上がりでだんだん上がってきまして、左の方 は「いわゆる健康食品」から遠くて、右の方が今私たちが言っている「いわゆる健康食 品」に近い。何となく強弱が非常にはっきり出ていまして、私がちょっと気になったの は、ある成分が入っているという表示以外に、特定保健用食品の方は、左の方にいきま すと、例えば含有量、量的な表示ということは今回この中では御議論なさっていらっし ゃるのでしょうか。 ○吉田新開発食品保健対策室長  今の含有量とおっしゃいますのは、例えば特定保健用食品の部分ですと、ビタミン、 ミネラルのほかのいわゆる栄養素以外の成分の量という趣旨でございますか。 ○中澤委員  ある栄養成分が錠剤とかカプセルの中に、例えば1錠の中に何ミリグラム入っている とかそういうことは。 ○吉田新開発食品保健対策室長  それは当然入っております。ここにも書いておりますが、栄養成分含有表示というの は、そこも含めての部分であるとお考えていただいて結構です。 ○中澤委員  わかりました。 ○戸部部会長  ちょっと遅れてしまいましたけれども、室長から概要説明をいただきました。今疑問 点を出していただいたわけですが、座長をおやりになりました田中先生もお見えでござ いますので、田中先生から概要についてさらに何か付け加えてということがございまし たらどうぞ。 ○田中参考人  特にございません。 ○戸部部会長  ちょっと個々の議論に入ってしまいまして失礼いたしました。ありがとうございまし た。  それでは、この中間報告書についてはこれで終わらせていただきまして、このことを 受けて、それでは、食品添加物規制のことと、このことがどう関連するか。もう一つわ かりにくい点があろうかと思いますけれども、この合同部会では、まさにその点が問題 でございまして、そのことの審議をいただくためにお集まりをいただいておりますので 添加物の規制とこの中間報告に基づく栄養補助食品の取扱いという新しいカテゴリーが できたこととの関連をもう少し事務局の方から説明をいただいて、審議をお願いしたい と思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。 ○田所補佐  先ほど連絡が入りまして、高仲委員、長尾委員におかれましては、高仲委員は御身内 に御不幸があったということで御欠席、長尾委員につきましては、体を壊されたという ことで御欠席するとの連絡が入りました。両委員欠席されましても、本日の合同部会は 定足数を満たしておりますので、成立することを御報告いたします。  それでは、資料2からさらに御説明させていただきます。資料2は食品衛生法から抜 粋いたしました食品添加物の規制の現状の概略でございます。既に御存じと存じますけ れども、食品添加物については食品衛生法の2条2項で定義されておりまして、6条で 指定外添加物の製造、輸入、販売等の禁止、7条で規格及び基準の設定、11条で表示等 について規定されてございます。現在栄養補助食品の成分のうち、ビタミン、ミネラル と栄養強化の目的で使用される物質につきましては、食品添加物として取扱われてござ います。食品添加物として未指定の物質は原則として使用できないこととなってござい ます。非有効成分や賦形剤等も同様でございます。 新規添加物の指定につきましては、2ページの(4) 平成8年の生活衛生局長通知、食 品添加物の指定及び使用基準改正に関する指針に従いまして新たに指定される必要がご ざいます。  続きまして、資料3−1と3−2は、参考資料といたしまして、ビタミン及びミネラ ルの栄養所要量等及び欠乏症、過剰症について表にしたものでございます。  次に、資料4に移りますけれども、資料4は欧米における食品添加物規制の概要でご ざいます。米国、EUにおきましても、食品添加物の規制は日本と同様にポジティブリ スト性による規制がなされております。ただし、栄養補助食品の取り扱いにつきまして は異なっておりまして、米国では栄養補助食品はDSHEA(Dietary Supplement Heal th and Education Act)において規定されておりまして、栄養補助食品の成分又は栄養補 助食品における使用を意図されている成分で、かつ栄養補助食品の定義に記述されてい る成分につきましては食品添加物の定義から除外されております。EUにおきましては 賦形剤等は添加物等として取り扱われてございますが、ビタミン、ミネラル等で栄養素 として用いられるものにつきましては、EU指令により食品添加物の対象外とされてご ざいます。ただし、栄養補助食品の取扱いにつきましては、EU域内でも統一されてお らず、各国が独自にビタミン、ミネラル等につきましては、食薬区分を設定してござい まして、許容上限摂取量等を設定し、それを超えるものにつきましては、医薬品として 取扱っている国もございます。なおEUでは、現在規格の作成や栄養素表示等栄養補助 食品として販売されるものに対する法規制の整備を検討中と聞いております。  続きまして、資料5でございますが、いわゆる栄養補助食品に係る食品添加物規制の 現状及び検討事項につきまして事務局で参考として取りまとめたものでございます。栄 養補助食品に係る食品添加物規制の現状につきましては、食薬区分の見直しに伴い、栄 養補助食品に用いられる主成分の一部のビタミン、ミネラル等が薬事法の対象外とされ ましたが、先ほども申し上げましたとおり、ビタミン、ミネラル等栄養強化の目的で使 用される物質は食品添加物として取扱われてございます。すなわち食品添加物未指定の 物質は原則として使用できないこととなってございます。また現在食品添加物として指 定されているビタミン、ミネラル類につきましても、使用基準が定められているものが あり、使用基準が定められているものにつきましては、対象食品の制限等がございまし て、栄養補助食品へ使用することができない。もしくは使用量が制限されているものが ございます。また栄養補助食品のカプセルや錠剤等を製造する際に用います賦形剤等や 非有効成分につきましても、医薬品添加物としての使用実績がございましても、食品添 加物として未指定の物質は原則として使用できません。未指定の物質につきましては、 平成8年の生活衛生局長通知、食品添加物の指定及び使用基準改正に関する指針に従っ て新たに指定される必要がございます。以上が栄養補助食品に係る食品添加物規制の現 状につきましての概略でございます。  新しい栄養補助食品というカテゴリーの設定に対応する食品添加物の取扱いについて の検討事項といたしまして、食品添加物規制の現状を踏まえまして、主成分につきまし ては、栄養補助食品の主成分となるビタミン、ミネラルの取扱い、品質及び安全性を確 保する上で必要な事項、既に指定されている栄養強化として用いられる食品添加物との 整合性について、また非有効成分や賦形剤等につきましては、栄養補助食品の製造、加 工において使用される物質の取扱い、品質及び安全性を確保する上で、医薬品における 使用実績の取扱いについてを事務局案として示してございます。  検討会の中間報告書にもございますように、いわゆる栄養補助食品というものの新し いカテゴリーの設定等につきましては類型等も案として示されてございます。ですから 食品添加物の取扱いにつきましても、ただいま申し上げました規制の現状におきまして 現在では、食品添加物として取扱われているビタミン、ミネラル等につきまして、新し い栄養補助食品というカテゴリーが設定されたといたしましても、その新しいカテゴ リーの表示、規格基準等がどういう形という個別具体的なものはまだ出てまいっており ませんけれども、そういうものについて、今の現状では食品添加物として取扱われてい るものにつきましては、栄養補助食品としての使用について規制がかかる部分がござい ます。ですから、本合同部会におきまして、いわゆる新しく設定され栄養補助食品制度 まだ個別具体的な内容につきましては検討中でございますが、この新しい制度に対応す る食品添加物の規制のあり方について御検討いただき、現在は本体の栄養補助食品につ きましても、大きな枠組み案としての段階でございますので、食品添加物の取扱いにつ きましても、いわゆる栄養補助食品として使用される成分についての食品添加物として の取扱いについての枠組みについて御検討いただきたいと考えております。  以上でございます。 ○戸部部会長  ありがとうございました。  添加物とのかかわりを事務局の方から説明していただきましたけれども、今の御説明 でおわかりでしょうか。 ○食品化学課長  ちょっと平たくなり過ぎるかもしれませんけれども、幾つか私どもは問題点を感じて いまして、1つは、栄養補助食品というカテゴリーで、例えば錠剤、カプセルに添加物 が使えるようになっても、現状の食品添加物の決まりのままだと新しいカテゴリーがで きても栄養補助食品がつくれない、あるいは使えないということになるかもしれない。 仮にそうだとすると、安全性を損なわないようなやり方で、新しい枠組みのようなもの が考えられないだろうか。例えばビタミンとミネラルにつきまして、使用基準があるも のについてはそのままだと使えないものが出てくる。そこをどうするか。それからあと 食品添加物に指定されていないビタミンとかミネラルを新規の指定をするとなるとこれ また大変な手続がかかるというようなところは一体どうするか。それからあと賦形剤で 過去に医薬品として使われているような賦形剤、医薬品として使われているというデー タはあるかもしれませんけれども、例えば現時点で新規指定に必要ないろいろな毒性 データがないようなもの、そういうものはどうしたらいいのだろうか。そういうような ところを私どもは問題点を感じているんです。  これらについては何かの工夫が必要となりますため、専門的な先生方のお知恵を拝借 したいと、こういうことでございます。また質問がございましたらお答えをしたいと思 います。 ○戸部部会長  恐らく事務局では、こういう新しい提案をされるときに、いろんな角度から部内で検 討されているんですね。ですから、我々が思い及ばないようないろんな角度からのこと がもう既に話し合われて、その結果がここへ出てくるわけですが、それを知らない我々 にとっては極めて複雑多岐でどういう意見を申し述べたらいいか見当もつかないという ようなことが間々あるわけでございます。しかし要は、こういう新しいカテゴリーをつ くって対処しなければならないような状況に現在なっているということで、それに対し て厚生省としては、保健衛生の局としてどういう対処をしていったら現実に即して正し いものを国民の皆さんに役立てていただけるか。安全の面も踏まえて健康増進に資する ことができるかということで検討されていると思うのです。こういう点が問題があるの ではないかということを本日は気ままに出していただいて、まだ後もございますので、 3月いっぱいに中間報告をおまとめになるということでございますので、それまでに間 に合えばいいわけですから、自由に発言していただきたいというふうに思います。よろ しくお願いします。趣旨がおわかりでしょうか。 ○山崎部会長  一つのキーワードとして使用基準というのがあるのではないかと今御説明を伺ってい て感じたんですね。資料5の(1) の3つ目のところのポツですが、使用基準が規定され ているものと、されていないものがある。例として、最初がないという方ですね。これ はビタミンAとかビタミンB2が入っているわけですが、これは使用基準がないという のは使用可能なもので、その次の使用基準があるので、使用できない、あるいは制限さ れるという言葉があって、これが常識的な考え方からすると、ちょっとおかしいかなと 思われるふしがあるんです。ただ、この使用基準というのは添加物としての使用基準で すから、それがガチッと決まっていると特定補助食品の方には使いにくいということな のだと思うんです。これを添加物として特定補助食品の方に使えるようにするためには この使用基準というのをもう一回見直して、これを改正するとかしないといけないとい うことではないかなと思うのです。ですから、使用基準というキーワードについて、今 の私の雑駁な理解で申し上げたことをもう少し説明していただくと少しわかりやすくな るかなというふうに思ったのですが、いかがでしょうか。 ○田所補佐  説明不足で申しわけございません。使用基準につきまして概略ですが、御説明させて いただきます。  食品添加物を指定される等につきまして、いわゆる摂取状況を毒性等につきましても 検討された上で、いわゆる対象とする食品、使用できる食品もしくは使用量、または使 用してはならない食品等につきまして、食品衛生法7条におきまして使用基準等を定め ることができるとされてございます。使用基準が定められていないものにつきましては いわゆるADI等も設定されていないものも多く、非常に安全性の高いものにつきまし てはほとんどすべての食品、それから量的なものの制限のないものについては使用基準 等は設定されてございません。  資料5に示してございます使用基準があり、栄養補助食品へ使用することができない もしくは制限されるものの一番最初にありますグルコン酸亜鉛等につきましての使用基 準ですけれども、用途といたしましては、亜鉛の強化剤という用途で用いられてござい ますけれども、対象食品といたしましては、母乳代替食品ということで限定されてござ います。その他カルシウム製剤等につきましては、最終製品に残るカルシウムの量が制 限されてございます。その他そういう形でのいわゆる対象となる食品、もしくは残存量 使用量等が使用基準において制限されているものにつきまして、いわゆる栄養補助食品 としての主成分として用いる場合、対象食品が限られているものにつきましては、栄養 補助食品には使用できないということになりますし、使用量が制限されているものにつ きましては、その量を超えて、栄養補助食品等に使用することができないという取扱い になってございます。  以上です。 ○山崎部会長  多分そういうことだと思うのです。ですから、これは栄養補助食品の方に使う場合に は、使える対象食品の幅を広げるとか、あるいは先ほどから話題になっている過剰摂取 の問題がありますね。ですから、例えばビタミンAなども無制限に飲んでいいというも のではないと思うのです。ですから、こういうものについては摂取量を考慮した使用基 準というものを、この場合には使用基準がないから使えるというと自由に使えるような 印象を受けますけれども、そういうようなことを含めての使用基準の改正というのが必 要になるという御趣旨だと思うのですが、そういう理解でよろしいわけですよね。 ○田所補佐  はい。 ○戸部部会長  ほかにどうぞ。 ○山田委員  もう一つ、一番最初の例に未指定のビタミン類、ミネラルというのが挙がっているの ですけれども、これは食薬区分、これは必ずしも医薬品ではないというようになってい ると思いますけれども、これはビタミンCやAは食品添加物として指定されているので すけれども、ビオチンやビタミンK1というのは食品添加物でない。鉄とかカルシウム などは強化剤として指定されているのでけれども、セレンとか、マンガンなどは添加物 ではない。そういうことで今度の栄養補助食品にこういうのが使われるという場合には これは添加物の強化剤としてはいけないけれども、食薬区分の方で食品として認められ たので、その辺の振り分けをどう考えるのかというところが多分問題になるかと思うの ですけれども、いかがでしょうか。 ○田所補佐  今現在の取扱いにおきまして、未指定のビタミン、ミネラル等につきましても、もち ろん使用実態、その状況により勘案する部分もございますけれども、通常食品添加物、 いわゆる栄養補助食品的なもので、強化の目的で用いられますと食品添加物として取扱 われている現状でございます。 ○戸部部会長  山田先生よろしいですか。 ○田所補佐  ですから、栄養補助食品制度ができ、いわゆる新しいカテゴリーができましても、こ の未指定のビタミン、ミネラル等につきましてどういう形で取扱うか、もしくは、いわ ゆる新規添加物として指定するか、もしくは、いわゆる栄養補助食品という新しいカテ ゴリーの規格基準、表示、その他、注意喚起表示等も規定されて、厚生省で評価された ものについて栄養補助食品用の食品添加物というようなものが考えられるかどうか。も しくは、いわゆるビタミン、ミネラル等について、通常食品等に含まれているものでご ざいますので、別枠として扱うかというような形のものにつきましても併せて御議論い ただきたいと考えております。 ○事務局  事務局からもう少し補足させていただきますと、この問題は2点あると思うのです。 一つは主成分、要するにビタミン、ミネラルがもう既に添加物として今までの整理でい くと指定されている。ところが、医薬品のカテゴリーから外れてきてしまったものは、 そのまま食品として流通してしまっていいのかどうか、あるいはもし添加物として指定 する必要があるのであれば、従来からの同様の整理で慢性毒性試験とか、そういうもの をきちんとやった上で指定しなければいけないという現状がある。だから、そこを専門 的な立場から安全性を確保する上でどう取扱えばいいかということです。  医薬品で用いられているという実情がありますので、そういう医薬品で使用された実 績というのを安全性を考える上でどういうふうに考えたらいいかということを先生方か ら御意見をいただきたいというのが1点と。  それからもう一つは、栄養補助食品のようにカプセル形状のものを、つくる際には賦 形剤なりが必要ですけれども、栄養補助食品というのが食品であれば、食品をつくると きの成分ですので、そういうものは添加物として取扱うべきだというふうに考えておる のですが、そこを実際どういうふうにすればいいのか。そこでも、当然未指定のものが あります。したがって、こういう新しいカテゴリーができたことによって、安全性を担 保しながら、何か従来とは違ったような整理ができないかどうかということを、毒性学 上あるいは分析学上等の専門的な立場から御意見をいただければというふうに考えてお ります。 ○戸部部会長  どうぞ。 ○林(裕)委員  食品添加物として認められていなかった物質、例えば医薬品を食品添加物としての許 可を求める場合に、食品としての使用による安全性について十分なデータがあれば簡単 なことだと思いますが、そうでない場合には、やはり医薬品としての使用と、食品とし てのこれからの使用との間の違いを考えた上での安全性の担保が必要になります。例え ば長期的な使用における許容上限の摂取量が大切です。  例えば、お配りいただいた3−1のビタミン、ミネラルの栄養所要量等と、ここに書 かれている許容上限摂取量というのは、多分過剰症の観点から決められたものだと思う のですけれども、医薬品の場合には、これでいいと思いますが、食品として考える場合 には、許容の上限摂取量というのを、必要量のアッパーリミット、あるいはアッパーレ ンジというようなものを考える必要があるように思います。 ○事務局  事務局から今の林先生のお答えに対して、これは新開発室長の方から御発言いただい 方がいいのかもしれませんけれども、理解としては、栄養補助食品という新しいカテゴ リーができて表示を定める。そこで注意喚起表示なりをちゃんと消費者に伝えた上で食 品として流通させてもいいのではないか。それから品質を確保する上で規格基準をつく るべきだというような御意見があるものですから、ある一定の上限値なり、ある一定の 要するに幾らでもとればいいですよというようなことではなくて、これぐらいのところ では安全に摂取できますよ、それからこれはちゃんと栄養素として確立されていますよ と、そういうものだけをこの栄養補助食品として厚生省が評価しようということですか ら、すべての健康食品ではなくて、そのうちの厚生省が評価したものだけの中でこの添 加物規制をどういうふうに取扱うかということだと思います。 ○田中参考人  私は栄養所要量の検討委員会のメンバーもしておりましたので、今の所要量でいう上 限値の意味についてちょっと説明させていただきますと、これは今、林先生がおっしゃ った必要量の上限値的な意味合いです。ですから、比較的長期間にわたる摂取量で、こ の摂取量であるならば、恐らくほとんどの人は有害作用、もしくは副作用、英語ではア ドバンス・ヘルス・イフェクトと言っておりますが、栄養所要量でいう許容上限摂取量 というのは、それが出現することがないであろうと言われておる値であります。ですか ら、この摂取量であるならば、あなたが有害作用を起こす確率は2.5 %以下であります というような意味です。ですから、この摂取量以上であるから、直ちに有害作用が現れ るというのではありません。そういう確率論的な意味でつくられた値です。 ○林(裕)委員  それはわかるのですけれども、そのときの基盤となっているものが、過剰症の発現か ら考えているのか、必要量のアッパーリミットあるいは、正常人については生理学的に これ以上の量は必要ないと考えられる量から推定しているのか、お聞きしたい。 ○田中参考人 ですから、アドバンス・ヘルス・イフェクトというのは、先生がおっしゃっているよ うに、人として過剰症的な意味があります。しかし、必要量の上限値というのがちょっ と私、理解しにくいのですが、いわゆる必要量の上限値的なものがRDAとして、所要 量という表現で所要量委員会では使っておるのですけれども。 ○林(裕)委員  所要量というのは一つのレンジになっていると思いますけれども、レンジを決めると きの科学的根拠がきちんと示されていれば、多くの方は御理解いただけると思うので す。この場合には所要量の、例えば栄養所要量と書いてありますけれども、これの算定 根拠推定根拠が余り示されていないようなので戸惑うのかなと思うのです。 ○田中参考人  一応算定の根拠は示されておると思うのです。ちなみに、このダイエタリー・リファ レンス・インテークというものは、1つは必要量の平均値を推定しております。これは エスティミティッド・アベレージ・リクワイアメントということでEARと言っておる のですが、これは必要量の平均値なのです。それから今度は必要量の標準偏差も推定し まして、平均値プラス2SD、これをRDAと、こう言っておるわけです。ですから、 これが先生のおっしゃる必要量の上限値だと思います。もしこのRDAを満足しておれ ば、ほとんどの人は欠乏症を起こさないだろうという値なんです。確率論では2SDで ございますから、97.5%という意味です。今度この許容上限摂取量というのは、この摂 取量以下であるならば、そういう過剰症を含めてのアドバンス・ヘルス・イフェクトを 起こす確率は2.5 %以下でありますと、こういう意味であります。根拠としては各栄養 素についてのNOEL、もしくはNOAELを参考にしております。 ○林(裕)委員  その根拠が一般には余りよく知られていないと思うのです。それをわかりやすいパン フレットなり何かでお知らせいただければ、納得できると思いますし、安全性について も納得できると思いますので、その点を行政の方でよろしくお願いいたします。 ○古畑専門官  今、先生のわかりやすくということなんですが、保健医療局の方でございますけれど も、より活用しやすいという解説の部分も含めて、今年度中に作成するということで伺 っております。もしでき上がりましたらば、また先生方の方に御紹介させていただきた いと思っております。 ○戸部部会長  どうぞ。 ○山添委員  実際にこのビタミン類が現実には医薬品から食品添加物に移ってくるとなりますと、 一般に考えると成分の規格、一つの錠剤なりカプセルの中に入っているものの規格、あ るいは薬の場合には使用期限というのがあるのですけれども、そういうものは大体医薬 品で使われた考え方をそのまま準用するというお考えなのでしょうか。その辺のところ はどうなのでしょうか。 ○食品化学課長  ですから、そこはむしろ先生方が同じように何かの規格をつくりなさいという御意見 があれば、それはそれでよろしいのかなと思うのです。問題は、食品添加物の場合です と、規格があって一応品質が担保されるようになっているわけです。何らかの安全性の 問題がクリアになったとして、未指定のものが使えるように仮になった。でも規格の部 分が残ってしまうので、規格が必要であるという御意見であれば、行政的に規格が必要 な方策はどうしたらいいかということを私どもは考えることができると、こういうふう に思います。 ○山添委員  と申しますのは、例えば後の賦形剤のことにもなると思うのですけれども、賦形剤も ほとんどの場合、ある意味で安定化を図ったり、いろんな形で絡んでくるわけです。そ うすると、そのものについては、それがある程度そういう形で使えるようにならないと 品質を保証できないということに絡んでくるだろうと思うので、どうしてもそれは何ら かの形で、その形を認めていくということになると、その中でビタミン剤なりについて は特定の使用を認める。特別なものの組み合わせで認めるのか、あるいは量の規制とし て、これ以下ならばすべて認めるのか、賦形剤もその2つの考え方のどちらかにならざ るを得ないわけです。だからその辺のところで、基本的にはさっきもNOELとかいろ んな話がありましたけれども、それは当然使用のトータルの全体にどれだけ体の中に入 るかを考えていく以外はないかなという気がするのですけれども。 ○鈴木委員  栄養補助食品の各栄養素、いわゆる添加物という枠組みの中でお考えになっていくの か、それとも新しく栄養補助食品という何か違った枠組みをつくるのかといったような ことを考えますときに、これまでの添加物というようなものは、ある意味では毒性試験 といったような形で何か安全性を確認されてこられたのだろうと理解してよろしいので しょうか。その上で今度は栄養という形になりますと、もう少し単一の栄養素だけの問 題ではなくて、あるいは安全性というのはどうやって確認するのかというようなことも 含めまして、それを混同してしまいますと一つずつの、これはオーケーといったような 話を、結論出すまでに随分長い道のりがかかりそうな気もいたします。それからある種 の栄養素、ミネラルなどについてはかなり栄養素間の相互作用みたいなものも含めて検 討しなければいけないという話をどこまでここの中でやるのかというようなことも含め まして、いわゆる安全性等はどうやって確認していこうとすればよろしいのでしょうか ということを考えながら伺っておりました。 ○林(裕)委員  今まで食品添加物としては未指定だったもので、医薬品では十分に使われていたもの を食品添加物として導入するというときには、やはり規格がきちんとしていて、所要量 がきちんとリーズナブルに決まっていて、しかも医薬品としての使用の実績というか、 人の摂取の実績がきちんとしていれば、あとは医薬品として許可になったときのデータ で足りないと思われるものがあるとすれば、それを適切に追加する程度で私はいいと思 います。やはり人に十分に使ったという実績がある以上は、余り新規添加物と同じに取 扱うということは実際問題として意味が少ないと思うのです。規格がきちんと決まって いる。人体の摂取経験のデータが十分にある場合にはケース・バイ・ケースで必要なも のを追加するという形式が実際的と思います。 ○戸部部会長  鈴木先生よろしいですか。 ○鈴木委員  どうも添加物という枠組みの中に全部押し込むには無理があるのかなと。別の規制と いいますか、規格をつくるというようなことがもしできれば、そちらの方が今、林先生 がおっしゃったような形の中でもう少し自由にといいますか、違った角度から検討がで きるかなというふうに思いました。 ○食品化学課長  私どもも正直言って同じようなことを考えておりまして、今お配りしますけれども、 またそのときに、規格の問題とかいろいろなことを考えますと、添加物と考えた方が他 の規制がやりやすいのですけれども、今までと同じ添加物とはみなさないで、別のカテ ゴリーをつくったらどうかということを考えて、ちょっと今お配りしています。 ○事務局  今お配りしましたが、あくまでも今事務局としてこういう考え方もあるのではないか ということで、先生方の頭の整理をしていただく上で参考になればと考えております。  まず1番目は、栄養補助食品に用いられる主成分について、これは厚生大臣が許可あ るいは厚生省が評価したものに限るという整理でございます。  栄養強化の目的で用いる食品添加物は、従来の食品添加物とは別枠で取扱ってはいか がか。既に指定されている食品添加物で栄養強化の目的で使用されるものについては、 栄養補助食品へ使用することができるように使用基準の改正を行うということを考えて はいかがかということでございます。  それから栄養補助食品、特定保健用食品、これは個別評価型として新たに厚生大臣が 許可したものに含まれる新たな成分については、用途を限定し、使用基準を定めた上で すなわち特定保健用食品にしか使えないとか、そういう使用基準を定めた上で従来の食 品添加物とは別枠で取扱ってはいかがか。それから先ほどから御意見がありましたとお り、医薬品の方の品質というのが食品になったら落ちたということがあってはいけませ んので、その品質を確保するために規格を設定する。それから過剰摂取を防止するため 使用基準の設定を必要に応じて検討する。これは先ほどの注意喚起表示という表示の問 題とも絡んでくると思いますが、それでも、かつ使用基準を設定した方がいいというも のがあれば、そういう設定はできるだろうというふうに考えております。それから飲料 等一般の食品、今までのアメとか、清涼飲料水などに用いられる、そういうものに添加 される場合には、やはり従来と同様の食品添加物規制を行うのが適切ではないかという ことを今考えております。  それから栄養補助食品に用いられる非有効成分と賦形剤等についてですけれども、こ れは栄養補助食品の製造加工において使用される物質でありますので、食品衛生法第2 条第2項でいう食品添加物として取扱うのが適正ではないか。従って食品添加物として の安全性を確保する必要があるのですが、今までの整理ですと平成8年の指針に基づき 評価を行いました。この指針の中に毒性試験、あるいは資料の中で合理的な理由があれ ば、その一部を省略できるという記載がございます。ここのところで、今まで医薬品と して用いられてきた経緯、先ほど林先生などがお話しくださったところですけれども、 要するに人がもう既に摂取していたという、その経験を考慮できないだろうか。そうい うものについては、個別に評価をしていただいて、医薬品で使用実績があったもので十 分安全性を確保できるということであれば、そういうものを考慮して新たに指定をして はいかがかということを考えております。  それからその他としては、安全性を確保する観点から消費者等への情報提供を十分に 行っていく必要があるだろうという、今のところ事務局としては3つを考えておりま す。これについてまた先生方から御意見をいただきたいというふうに思います。 ○戸部部会長  事務局でドラフトをつくっていただいているわけですけれども、議論をやりやすくす るとすれば、まず主成分という形で使われるとき、それが一つの題目になるわけです。 もう一つは手助けに、要するに非有効成分とか、賦形薬という形で使うとか、考え方と しては2つあるということでございます。  時間が余りございませんけれども、1番の方に区切って議論をまとめていただくとし たらどうでしょうか。安全性の面から言うと、これまで食品添加物というのは、安全性 の面から言えば最も厳しい評価をしてきたというふうに思いますね。医薬品より、むし ろ、たくさんの試験データをとっていただいて、その上で評価してきた。それはもちろ ん、食品添加物として使われる現実の姿が医薬品よりはるかに、今、林先生がおっしゃ ったように長期間、かつ量も多く取り込まれるという可能性がある、それを受けてそう いう形になっていますので、食品添加物の安全基準のテストを受ければ、まずどういう 形で使われてもそう大きな問題はないというふうに思うわけですけれども、医薬品から 移ってくるとか、あるいは新たに栄養補助食品として、その認可を受けるというような ものについて、添加物の規制と別個に何か新しく考え方を打ち出すというのはどんなも のでしょうか。もちろん国際的な問題もありますので、一概には論じられませんけれど も、その辺が少し検討を要するところかなというふうには思います。 ○林(裕)委員  今、別紙でいただきましたこの案は、よくお考えになったものと思いますし、基本的 に同意いたします。一つ注意すべきことは、内容について誤解を受けないように注意す ること、特に規制の面から扱いやすいような枠組みをつくったのではないかというよう な誤解を受けるおそれがありますので、その点だけは注意する必要があるのではないか と思います。内容としては非常によくできていると思います。 ○戸部部会長  事務局の方に伺いますが、この栄養補助食品という新しいカテゴリーが、この議論の 結果、厚生大臣が認めるもの、そういう取扱いになったときに、その行政的な評価とい うのはやはり食品化学課が担当されておやりになるのですか。 ○吉田新開発食品保健対策室長  現在考えておりますイメージは、こういった規格基準を必要とする部分につきまして は、まさに栄養補給という観点もございますし、安全性という観点もございますし、ま さにここで御議論いただいているような食品添加物という観点等もございますので、そ ういった部分を合同したようなワーキンググループで検討いただこうかと考えておりま す。ですから、食品としてどういうふうにプロモートするかという部分をそこで御議論 いただきますし、アッパーリミットみたいなこともあわせて御議論いただいて、あわせ てどういうふうな表示かもそこで決めていただくというふうな形で進めていきたいと考 えております。 ○戸部部会長  今、山崎先生が座長をおやりになっている添加物部会がありますね。こういう会を、 栄養補助食品委員会というようなものもできるのですか。 ○吉田新開発食品保健対策室長  部会の位置づけについてはまだきちんと詰まりきっておりません。と申しますのは、 先ほど申しましたように、公衆衛生審議会にかかるマターもございますので、そこをう まく調整していく必要があるかなというふうに考えていますが、最終的には、調査会、 審議会の方に御報告なりするというふうな形は考えております。 ○食品化学課長  ちょっと補足なんですけれども、これは議論のたたき台のために出したのですけれど も、何から何まで全部考えているわけではありませんので、少なくとも今この問題の安 全性については、これだけの担保が必要なので、そこがきちんと議論できるような仕組 みを考えるべきだというような御意見をいただければ、それは内部でどういう形が一番 適切に議論できるかという調査会のあり方を考えてみたいと思います。 ○戸部部会長  その後の行政の仕組みがわかっていますと議論が非常にやりやすくなるものですから それをあらかじめ伺ったわけですけれども。 ○事務局  今の別紙の考え方というのを示していただいて、基本的にこういう考え方で進めてよ ろしいということであれば、次回までにもう少し詳細を事務局の方で作成させていただ きたいと思います。今ここに挙げている中で、こういうことをもっと考えなければいけ ないとか、こういうことをもう少し入れた方がいいのではないかというような項目があ りましたらぜひ御指摘いただければと考えております。 ○戸部部会長  わかりました。どうでしょうか。 ○井上委員  今の御質問に対する返事ではないのですが、今お配りいただいた別紙に対する感想を 申し上げます。  2つありますが、もう既にいろいろな角度から御討議いただいていることですから、 改めて申すまでもなくて、私の単なる感想ですけれども、とにかく医薬品から外される とはいえ、従前そういう枠組みの中にあったものですから、ものによりますけれども、 摂取の仕方に判断が必要とされていたという事実はもう明らかだと思うのです。したが いまして、そのことは当然のことながら、ものにもよりますが、どうしてもこの枠組み がとれないということが客観的な事実だと思います。それから2番目は、そういう枠組 みでとられていましたから、それなりの判断基準があるということはこれもはっきりし ているわけで、それは先ほど田中委員がコンバートなさったりした、その御努力、そう いうことでもってコンバートしていけるそれなりのデータは基本的にはあるだろう。な いものもあるかもしれませんが。しかしながら第1点からくるところは、少なくともや みくもに添加物としてとることのできないものは絶対理屈の上であり得る。これはやむ を得ないのではないかと思うのです。特別な枠組みを組んで対処しなければならないも のが出てくるということは当然だろうと思うのです。そういう意味でこの別紙は基本的 にこういうことなのだろうと思います。  あと、今申した2点からくる問題は個々にはいろいろな物質によってどう対処するの かというのはかなり細かくいろいろ出てくるのではないかという認識を持っておりまし て、ここにいろいろ挙げられている点については、これからの作業が大変だなという感 想を持ちました。以上です。 ○戸部部会長  どうぞ。 ○山崎部会長  今、井上先生がおっしゃったとおりだと私も思うのです。要は栄養補助食品というの は添加物そのものではないわけですね。添加物というのは、これは釈迦に説法になりま すけれども、第2条2項に示されたとおりでありまして、加工もしくは保存の目的で添 加とか混和する、そういうものですよね。栄養補助食品というのは、先ほど申しました けれども、まともに栄養をとれないような方が補助のためにこういうものを摂取すると いうものですから、添加物と補助食品というのは全然別個のもので、ただ、添加物とい う規制が今までありますから、その中で補助食品と重なる部分の添加物の規制をどうこ れからしたらいいかというところがこの添加物部会で検討すべきことで、栄養補助食品 そのものをどうしようかという問題はここで討議することではないと思うのです。した がいまして、今後の考え方の中の添加物と重なる部分について個々の問題というのがこ れから検討事項に入っていくかというふうに私も理解しております。  それから余計なことを申し上げますと、補助食品というのは医薬品のように、例えば 欠乏症を治療するためにぎりぎりのところで使うとか、そういうものではなくて、日常 の生活の中で栄養を補助していくためのものだということがありますから、そういう意 味で、例えば摂取量の考え方とか、そういうものも決まってくるかなというふうに思う のです。そういうことからしても、やはり添加物と補助食品の考え方というのは基本的 に違うのではないかというふうに思いますので、添加物の規制そのままを補助食品の方 に当てはめるということはできないだろう。やはりそこのところで検討する内容という のがかなり出てくるのではないかというふうに思っております。これも感想で申しわけ ないんですが、そういうようなことをちょっと感じましたので、申し上げておきたいと 思いました。 ○戸部部会長  ありがとうございました。  今後の考え方全般についてさらに御意見ございますでしょうか。  先ほども申し上げましたように、本日は焦点を絞らずに御自由な御意見をということ にさせていただきました。事務局でまとめられた考え方がございますので、この線でさ らにまとめていただいて、次回その資料に基づいて御議論していただくということでよ ろしゅうございましょうか。  規格基準の方で、山田先生何か御意見ございませんか。 ○山田委員  特にございませんけれども、添加剤とかその他のところで、今まで医薬品添加剤の方 の規格などもあるんだと思いますので、その辺と十分整合性をとっていただくこと、あ と目的が違って、食品の方が長期にとるというようなことがございますので、その辺の ところでお考えいただければと思います。 ○戸部部会長  あるいはナンセンスな質問かもしれませんが、栄養補助食品というのは錠剤、カプセ ルなどに、そういう形状をしたものについてというふうに縛りをつけるわけですね。そ うすると、同じものをそういう形でなく使用する場合はどういうことになるわけです か。例えば錠剤にしたミネラルは、新しいカテゴリーでは栄養補助食品ですね。食べ物 に直接ほかの形で入れ込んだようなもの、それは補助食品とは言わないわけですか。 ○食品化学課長  私どもは、ここで御議論をお願いしているのは栄養補助食品のカプセルとか、錠剤に なったものというふうに意識していますので、それ以外の食品の形態で使っているもの は、従前の添加物の扱いにならざるを得ないのではないかというふうに思っています。 ○戸部部会長  よろしゅうございましょうか。  それでは、次回以降の予定をお願いいたします。 ○田所補佐  ありがとうございました。  それでは、事務局の方で本日いただきました御意見等につきまして整理させていただ き、次回の部会で更に御審議をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。  なお、次回の合同部会の日程でございますが、年度末でお忙しい中、非常に恐縮でご ざいますけれども、3月9日木曜日、場所は東条会館インペリアパレス、隣の建物にな りますけれども、6階九重の間、時間は10時から12時を予定してございます。改めて御 連絡を差し上げますので、よろしくお願いいたします。 ○戸部部会長  3月9日の午前中だそうですが、よろしゅうございましょうか。年度末でお忙しいか と思いますけれども、ぜひ御出席をいただきたいと思います。  それでは、以上でよろしいでしょうか。ありがとうございました。                                     (了)