00/01/05 第4回障害者(児)施設サービス評価基準検討委員会 第4回 障害者・児施設サービス評価基準検討委員会議事録               平成12年1月5日(水)               13:35〜16:00               於・厚生省別館 共用第11会議室  岡田座長  皆さん、明けましておめでとうございます。新年早々、こんなお忙しい時期にもかか わらず、きょうはほとんどの委員にご出席いただけるようになりました。一部、遅れて いらっしゃる委員もおられますが、ほとんどの方がお集まりくださいまして、大変私と しては深く感謝しております。  今から、障害者・児施設のサービス評価基準検討委員会の第4回を開催させていただ きます。よろしくお願いいたします。  では事務局から、きょう配布しております資料のご確認をお願いします。  定月専門官 本日配布しております資料について、ご説明を申しあげます。  資料1.障害者・児施設のサービス評価基準の基本理念(案)  資料2.障害者・児施設のサービス評価基準(案)  資料3.障害者・児施設のサービス評価結果プロフィール表(案)  資料4.試行的評価の実施基準スケジュール(案)  資料5.委員名簿  参考資料といたしまして、昨年の11月24日に開催しました第3回障害者・児施設の サービス評価基準検討委員会の議事録が入っているかと思います。お読みいただいて、 もし修正等ございましたら、後日でけっこうですので事務局までお申しつけいただけれ ばと思います。  また、平成12年度障害保健福祉部予算案の概要ということで、きょうの検討委員会に は直接は関係ございませんが、一応、部のPR版として情報提供ということで入れてお ります。予算については説明を省きますが、ごらんになって何かございましたら、後日 事務局までご照会いただければと思っております。  ここにはありませんが、その他の資料として「精神障害者の社会施設のサービス評価 基準(私案)」という新保委員のおつくりいただいたものが入っているかと思います。 後ほど、この会の中で少し時間をいただいて、趣旨説明をお願いしたいと思っておりま す。  以上でございます。  岡田座長  ありがとうございました。  引き続いて、ご意見をいただいていきたいと思います。皆さんのお手元には、昨年の 28日付できょうの主題であります資料が送られたと思います。大変遅くなって申し訳し りませんでした。私自身が一字一句全部筆を入れまして、それを完成いたしましたのが 25日か26日、そこで速達で送って、事務局で全部プリントアウトするのに相当時間がか かったと思うのですが、そういった経過を経て28日に発送したわけでございますので、 皆さまが十分にお目を通していただけたかどうか、ちょっと疑問でございますが、それ につきましてきょうはご審議をいただきたいと思っております。 事務局から資料の説明をいたしまして、ご意見を頂戴したいと思いますので、よろし くお願いいたします。 定月専門官 資料1.障害者・児施設のサービス評価基準の基本理念(案)ということで、修正し た点についてご説明をいたします。  まず1番の「利用者の権利擁護」は、特に前回と変更はございません。  2番の「利用者主体のサービス」は、前回は「利用者ニーズ主体のサービス」という ことでしたが、ニーズ主体であることは非常に重要であるけれど、もっと大きな概念と して「利用主体のサービス」というのが前提としてあるのではないか、ニーズだけに限 定してしまうのは狭い気がするという前回の意見を踏まえ、「ニーズ」を削除いたしま した。したがってそこは、項目として「利用者主体のサービス」と変更してございま す。  「利用者主体のサービス」の後半の3行目あたりから、この中に生活の質、QOLの 向上の視点が必要ではないかというご意見をいただき、そこに「生活の質(QOL)の 向上が可能となることが大切である」という文を追加いたしました。  3番の「地域に開かれた施設」では、従来は全体的に施設の中の暮らしをどのように よくするかという視点で書かれたものが多かったのですが、今は、もっと施設から地域 にいかに移っていくか、もう少しその視点に立った書き込みが必要ではないかというご 意見をいただき、この部分については全体的に加筆修正をいたしました。この部分は、 一読いたしまして説明に変えさせていただきます。  3.地域に開かれた施設  施設は、福祉サービスの専門機関として、施設の利用者のみならず、障害者を含む地 域住民の福祉サービスにとっても貴重な社会資源であるといえる。このため、地域住民 に対して施設の専門性を生かした情報提供、サービス提供や各種研修会の開催等が求め られるところである。  これは、地域住民の福祉にとってのメリットにとどまらず、施設の業務や施設の利用 者に対する住民への理解促進や啓発にもメリットがあるといえる。  また、同じ地域内の福祉関係機関、教育機関、医療機関等と連携して、地域住民へ質 の高いサービスが展開されるならば、施設内のサービスにおいても、サービスの質の向 上の一助となり得るものである。  このように、施設が地域の中で果たす役割は重要であり、さらには、施設で生活して いる利用者一人ひとりにとっても、地域との連携は大切なものである。  地域生活の実現のためには、地域住民の理解と協力は不可欠であるが、施設が地域の 拠点としての役割を果たすことにより、施設の利用者の地域生活を容易ならしめること につながるのである。  地域に開かれた施設となるためには、施設、そして施設の利用者と地域住民、関係機 関が相互の関係をつくり、施設内のサービスや地域福祉サービスの向上に向け、不断の 努力が求められる。  以上、大幅に加筆修正をさせていただきました。  資料1の説明は以上でございます。  岡田座長  ありがとうございました。これについてのご意見はあとで一括していただくことにい たしまして、資料2のご説明も続いてお願いしたいと思います。  小田島専門官  資料2につきましては、私から説明いたします。  前回の第3回委員会後に、多くの委員の方からいろいろなご意見をいただきまして、 大変ありがとうございました。皆さんからいただいたご意見をもとに修正をいたしまし て、先ほど岡田座長からお話がありましたように、修正したものをなおかつ今度、岡田 座長に手を加えていただいて、本日、お示しいたしております。  この評価基準は、資料1にあります三つの理念をもとにつくられております。これは 前回も説明しましたとおり、障害者・児施設といいましても非常に幅が広うございます ので、共通部分としてどこが中心になるのかということで理念があるわけですが、それ に沿ってこの評価基準をつくっておりますので、当然のことながら、それぞれの障害種 別とか施設種別の特化された問題については、なかなか反映できていないのが現状でご ざいます。  これにつきましては、たとえば授産施設であれば授産施設、それぞれの施設とか団体 さんとか、そういうところで特別な部分を横出しの形でつくっていただければ非常にあ りがたいと思います。そうすれば、この共通部分をベースに横出しのところでそれぞれ の施設に合った評価が、より一層充実できるのではないかと考えております。  そういう意味ではこの評価基準は、地域において、あるいは施設の中においてもそう ですが、利用者の方、本人の方を広く生活者という視点でとらえて、その生活者にとっ てどういうサービスが望まれて、どういうサービスが展開できるのかということが基本 になることをご確認いただきたいと思います。  前回のご議論、それから皆さまからのご意見を踏まえて大きく修正しましたところは 自分の意思を表明するのが困難な障害者の方たち、いわゆる重度な方たちに対するサ ポートが必要ではないかということがございましたので、さまざまな場所に家族等、あ るいは後見人、代理人ということを、自己決定、意思を尊重するところにつきましては 修正させていただいております。  それから、精神障害関係施設あるいは通所関係施設につきましては、委員のご意見の 中に、通所非該当あるいは精神非該当という形で、着眼点、あるいは小項目、あるいは 中項目全体が非該当になっている部分が出ております。  いただいた意見すべてを反映できればよろしいのですが、先ほどもご説明しましたよ うに共通部分でつくるということもございまして、すべてを入れられなかったことも事 実でございます。その中でいちばん大きかったことは、就労をどう取り扱うかという問 題であるかと思います。  私どもは、共通の部分で考えた考え方としまして、就労というのは非常に大事な問題 ですし、労働権の保障は決しておろそかにされるべきものではないと考えております。 しかるに、就労はすべての施設に共通する問題でもありますが、ある意味では就労を前 面に出してしまいますと、生活というその上の部分の概念がぼけてしまうのではない か。たとえば授産施設等で、あるいは更生施設等で訓練を積んだ、あるいは一定のレベ ルに達した方が就労した、そしてその人は社会復帰した、という考え方でよいのだろう かという大きな疑問があります。その人が地域で生活するということは、就労以外の時 間、あるいは自分が地域の生活のゆとりの中で趣味ですとか家族関係ですとか近所づき 合いそういった諸々のものを含めて生活としてとらえる、その中の一つとして就労もあ るという考えに基づいて整理せざるを得ないだろう。  その就労について足りないということあれば、それはたとえば授産施設とか更生施設 等のさまざまな部分として、それぞれの施設あるいは団体さんで横出しでつくっていた だくという整理にさせていただきたいと考えております。  大きいところでは以上です。  これは暮れにお送りいたしまして、皆さん、お読みいただいていないかと思いますの で、修正を加えた点、あるいは追加した点について、大まかなところをご説明いたしま す。  1ページ、(1) 2の着眼点の下から二つ目、「利用者の意思疎通の状況に応じて、家 族等の意向を把握する機会が設けられている」、このように家族の問題も、利用者の自 己選択、自己決定をサポートする意味でつけ加えております。 その下に着眼点も、 (および必要に応じて家族等) となっておりますが、これも同様 の趣旨でございます。 このように、かなりのところに重度の障害者の方をサポートする意味でつけ加えてお ります。  2ページの 4基本的な権利行使への配慮と支援ですが、ここのいちばん下と下から2 番目の着眼点を新たに加えております。信仰する自由・しない自由、交際したり・結婚 する自由。これも施設で生活する方がたにとっては重要な問題ですので、加えておりま す。  2ページの (2)プライバシーの保護、 1の着眼点のいちばん最後「プライバシーを保 護するため、建物・設備その他の環境について」、これは前回は「生活環境」と入れて おりましたが、ここにつきましては、生活にとどまらず、もっと全体の環境というイ メージを出すことを目的としまして、「生活」は削除いたしました。  4ページの (3)人権の擁護、 2の着眼点の1番目「苦情の申し立ては、利用者のみな らず、家族や利用者が信頼している第三者からもできる体制になっている」。この「苦 情の申し立て」つきましては、「第三者」というのを新たに項目として起こしておりま す。 次の着眼点、申し立ての説明は「利用者や家族等」と、ここにも「家族」を入れてお ります。 いちばん下の着眼点も、同じ意味で「家族等」をつけて足しております。  4ページの(4) 主体性の尊重、 1の2番目の着眼点に「精神非該当」と入れておりま すが、このように、非該当なる部分につきましては、精神関係の施設についてはご回答 いただかなくてもけっこう、着眼点として含めなくてけっこうということで、抜かして おります。  5ページ、2「利用者に応じた個別プログラム」では、個別プログラムの目的と、ど ういう視点でプログラムをつくるかということの説明を加えております。  個別プログラムといいますのは、施設それぞれの種別によって、本人が何を望むか、 何を将来の生活としていくかということによって変わってまいりますが、それは施設を 選んだ時点でも違いがあると思います。たとえば就労であったり、たとえば就労はなく ても自立生活をすることであったり、親から自立することであったり、あるいは施設の 中で自分らしい生活を実現することであったり、それはさまざまでありまして、そうい うものを全部包括した形で個別プログラムと呼びたいという思いがありましたので、そ の辺を説明書きとして加えました。  前回までは、個別プログラム、個別プログラムを実行する、そして就労に向けるまで のシステムの説明だったのですが、それだけでは足りないだろうということで、以上の ような視点で追加いたしております。  6ページ、 2「個別支援計画を策定する会議・検討会等が開かれていますか」のいち ばん上の着眼点は、前回は「サービス評価ならびに計画」を、評価を年1回とカッコ書 きで入れていたと思うのですが、これは前回も議論があったところで、たとえば更生施 設ですと年1回では少なくて、最低3ヵ月にいっぺんはあるとか、あるいは職業施設で すとか生活施設においてはそんなに多くはいらない。回数を数字で問うというのは問題 だろうということになりましたので、あえて回数については省きました。  次の 3「個別支援計画の内容は具体的で、同時に本人(または家族)との合意が得ら れていますか」の3番目の着眼点として「個別支援計画は、本人の生活する地域の福祉 サービスや社会資源を活用するような内容になっている」。要するに、施設内で完結す るのではなくて、本人にとって必要と思われる、そして地域に存在する社会資源を活用 することも重要なポイントであろうということで、これも追加しております。  (3) は「個別支援計画の実施」となっております。以前は「支援計画の実施」だった かと思いますが、わかりやすくする意味で個別というものをあえて加えております。 (4)「地域生活への移行」は、これは通所で利用されている方がたは既に地域生活をし ているわけですから、中項目ごと非該当といたしております。 7ページの 2の着眼点の一つ目、「地域生活に関する本人の意向を、折にふれ確かめ るように努めている」。以前はここが「本人の意向を本人の負担にならないようにしな がら確かめている」という表現でしたが、前回の議論で「本人の負担にならない」とい うのはちょっと弱いのではないかということがありまして、これは削除いたしました。  そのうえで、ことあるごとにといいますか、これも、どうする、どうするとせっつく つもりはございませんが、いろいろな機会を通じて本人の意向はさまざまな角度から確 かめられる必要があるだろうということで、このような表現に変更いたしております。   3「個別移行計画の内容は、無理なく地域生活に適用できるものですか」の着眼点と して、四つ目に新たに「近隣の住民には、必要に応じて本人に対する理解と協力を求め る機会を設けている」というものを加えております。これも、前回の委員会のときにこ ういう議論があったと思いますが、地域生活を継続する、あるいはしようとするときに その人が住む周辺といいますか、隣近所の方たちにいかに理解してもらうかというのが 重要なポイントです。助けてもらうこともそうですし、あるいは、じゃま者が来たと思 わずに迎えていただくことも重要だというご指摘がありましたので、この点を加えてお ります。  (5) 「対処後の支援」につきましては、 1で対処後のアフターケアを実施を問うてい るわけですが、着眼点の三つ目に「退所者を側面的に支える組織」を新しく加えており ます。例示として家族会というのを出しておりますが、施設と退所者という関係だけで はなくて、退所者同士あるいは退所者の支援グループというものとの関係、あるいはそ ういうものを地域で組織して、それを施設としても育てていく必要があるだろうという ことで、このような着眼点を新たに入れております。 (6) 「エンパワメントの視点」では、かなりプログラムとして具体的なご意見をいた だきましてありがとうございました。エンパワメントというのは、施設サービスの中で すべてにおいて共通して流れる理念であることはご理解いただけていると思いますが、 では具体的に個別支援としてどういうものがあるかということを、もう少しミクロな視 点で考えて具体的に出したとお考えいただければと思います。 1番目の着眼点として、「社会生活力を高めるために」のあとに、具体的に例示とし て調理・洗濯・買い物・交通機関利用、このような社会生活技能の学習・訓練プログラ ムというものを、わかりやすくする意味で加えております。  3番目の着眼点として、これはどんな重度な方であっても自己表現、これは自らいろ いろな形で自己表現できる場合もありましょうし、あるいは重度で自己表現がなかなか できない方については、それぞれ専門的な技術をもって、その方が何を今、表現してい るかということを客観的にみつけ出すという専門的な手法も必要かと思いますが、そう いうことも含めまして、必要に応じて事項表現の技能を身につけていただく。あるいは 話し方。自己表現というのは、バーバラなもの以外も含めた自己表現とバーバラな話し 方、この両方についてその機能を支援するという項目をつけ加えました。  エンパワメントですから、最後の着眼点にあるように、利用者自身が人権意識を高め られるということがなければいけませんので、高めるような情報支援の提供も行ってい るかどうかというのを着眼点に加えております。  8ページ、(7) 「家族との連携」は、小項目として一つ 2を起こしております。この 理由としましては、通所の方がたが施設を利用している時間以後の話、家にいる時間帯 あるいは休みの日、そういうときに施設として何かサービスをしなければいけないので はないか、また、そういう方たちのことを考えなければいけないのではないかというご 指摘があったかと思いますが、それに基づきまして、なおかつ施設に入所されている方 にも共通で読めるようにということで、このような小項目と着眼点を出しました。  読ませていただきますと、「余暇をすごしている人や帰宅中の人(とその家族)のた めにも支援していますか」という項目になっております。  着眼点は三つですが、「休日や帰宅中のすごし方については、本人(および家族等) と話し合いながら、主体的な生活が営めるように支援していく」。これは、施設でのリ ズムといいますか、施設での訓練あるいは作業のリズム、要するに日中のリズムといい ますか、施設から帰ったあとはそのリズムが崩れてしまって全くだらけてしまうとか、 あるいは何もすることがないというようなことで、家族が困るということもあるかと聞 いております。そういうことがないように、施設にいるときのリズムと家庭にいるとき のリズムがつながるように、施設としてもそういう相談に応じながら、どういうプログ ラムでどういうことをしていったらいいか、家族や本人等を含めて話し合いながら支援 をしていくということで、この項目は起こしております。  次は、「自宅での生活に際しては、地域の社会資源を有効に利用するように、あらか じめ必要な情報を収集し、提供していく」。これもやはり施設から離れている時間帯に 地域にはいろいろな資源があるわけですから、それぞれの資源を、それは福祉事務所と かほかの地域に存在するリソースに家族や本人が出向いていって、やりたいといえばい いのでしょうが、なかなかそれも難しい場面があるだろう。であれば、施設のほうで地 域との連携があるわけですから、必要となる、あるいは使えそうな情報を集めておいて そういうものを提供することがあってもいいのかということで、つけ加えております。  3番目は「帰宅中の生活では、本人の生活の質(QOL)を高められるよう、本人や 家族と協議して具体的なプログラムを用意している」。これは最初の着眼点と連携する かと思いますが、施設として、たとえば休日に地域、通所の方たちについても何かプロ グラムを起こすということがあってもいいのかなと。ただ、具体的にそう書くかどうか ということは議論がいるところだと思いましたので、このような表現になっています。  以上のようなところを新しく加えております。  9ページ、3「日常生活支援サービス」ですが、これは内容的に介助ですとか、施設 で生活する方たちが主体的に自分らしく生活するためには、どのような援助や支援、配 慮が必要かという視点がどうしても多くなる柱でございますので、ここにつきましては 通所、あるいはADL、身の回りのことで自立している方、特に精神については非該当 というところが多く出ております。  たとえば9ページの(1) 「食事」の 1では、上から三つまでが精神非該当になってお ります。特にADLの介助が必要な場面は、精神についてはほとんど非該当といたして おります。   2の着眼点は、いちばん最後に新しいものを加えております。「食事介助にあたり、 せかせて食べさせることがないよう、本人の様子をよくみながら介助をしている」。食 事介助というのは非常に難しくて、専門的な技術がいるところですが、なかには時間に 追われたり、あるいは本人の様子がよくわからないということで、介助にあたっている 方にはそんな意識がないにもかかわらず、むりやり口にスプーンを入れてしまうとか、 嚥下を確認しないでまた口に入れてしまうとか、本人の様子をよくみないでせかしてし まうことが、本人にとってはある意味では命の危険にさらされることにもなりますので 新たにこういう項目をつけ加えております。  10ページ、(2) 「入浴」は、通所については非該当といたしております。 ほかに着眼点のところでいくつか、精神非該当のところが出ているかと思います。 (3) 「排泄」についても、精神は非該当になります。 1「排泄介助は快適に行われていますか」の着眼点の二つ目、排泄用具のところです が、これはポイントとしては、「衛生、防臭を考慮した」というここで例示をしたのは ほんとうはそういうことがあっては困るのですが、トイレとか特別な場所以外にも、場 合によっては居室ですとかほかの第三者あるいは他の利用者の目についてしまうような ところ、あるいは他の利用者の利用するところで行われることがあるかと思いますので そういう場所についての衛生・防臭の考慮が必要だろうということで用意されました。 ただ、内容がよくわからないというご指摘がございましたので、例示としてカッコ書き を加えております。 11ページ、 2「トイレは清潔で快適ですか」の着眼点は、当初は二つだったのですが 四つ加えております。三つ目以降で、換気や適切な薬品使用等の防臭の問題、次が汚れ に対しての対応の問題、採光・照明の問題、冷暖房の問題という、ハードの面とソフト の面での清潔に関するものを加えております。 (4) 「衣服」では 2、当初は汚れについてのみの小項目となっておりましたが、ここ に新たに「破損」を加えて着眼点を修正いたしております。 ここも、精神のほうは非該当にいたしております。 (5) 「理・美容」は、前回のご議論で、理・美容が抜けているというご指摘がござい ましたので、新たに中項目として2本の小項目を設けてつくりました。 1が個性や好み の尊重、 2は理容・美容についての配慮、ということでつくりました。  12ページ、(6) 「睡眠」は、通所については非該当といたしております。  「睡眠」につきましては、当初、ソフトな部分と環境に配慮する部分、いわゆるハー ドな部分と2本立ての小項目が立てられておりましたが、これは分ける意味はそれほど ないではないかという指摘がございましたので、統合して五つの着眼点としてつくりま した。 着眼点の最後、「不眠等により、同室者に影響を及ぼす場合、一時的にほかの部屋を 使用することができる」という修正をいたしております。当初これは、同室者の影響で 不眠の場合は、不眠になった人を動かすという形でつくっていたのですが、迷惑がかか っているほうを動かすというのは変だろうというご意見がごさいまして、逆に影響を及 ぼしている人をほかの部屋に移せるような配慮をしているか、という観点に変えており ます。  (7) 「健康管理」、 1「日常の健康管理は適切ですか」では、新たに二つ着眼点を出 しております。上から4番目、「利用者(および家族)の承諾を得て、インフルエンザ 等の予防接種を行っている」。これはたしかに具体的にインフルエンザというのが出て おりますが、ご承知のように昨年のインフルエンザの猛威、施設等でかなり犠牲になら れた方も出たこともございまして、予防接種の問題は重要な視点だろうということで、 具体的な項目ですがあえて入れております。  次の「健康の維持・増進のため、日常生活の中に取り入れるプログラム」、健康を意 識したプログラムも、施設で生活する、あるいはどのような施設であっても重要なポイ ントになります。たとえば就労施設で働いている障害者の方の中でよく聞く話ですが、 たとえば脳性麻痺の方が非常にケイセイなどが強い中で一定の仕事を長時間やる、逆に そのために腱とか筋を傷めてしまって、それがもとで施設を辞めざるを得なくなったと いう話もありますので、どのような施設でも健康維持・増進を念頭に置いたプログラム が必要だということで、ここも入れております。   2は、迅速かつ適切な医療を受けられる態勢についてですが、最初の着眼点「健康面 に変調があった場合の連絡・対応の手順は、職員やその他関係者に周知されている」。 これは、態勢をちゃんと整えておくいう意味で手順があるのがあたりまえで、その手順 に基づいた態勢とか、すべての職員が周知している必要があるということで、このよう な項目を立てております。  次の着眼点「地域内に協力的な医療機関(診療所または病院、アクセスはおおむね20 分以内) を確保している」。ここで20分という数字を出している意味は、迅速に医療機 関に運ばなければいけないときに、いったいどのぐらいが目安になるのか示す必要があ るだろう。とにかく20分以内ぐらいにはアクセスできる医療機関は必要ではないか、と いうご意見をいただきましたので、ここはあえて数字を入れております。 次の着眼点も若干修正しておりまして、「確保している医療機関では、入院治療が必 要な場合の受け入れがスムーズである」。救急で運びましても、処置はしてくれますが 利用者の状況をみただけで、とても入院は困るといわれる場合もあるかと思います。そ の場合、施設の職員がつきますとか、あるいは介護人を雇いますということが事前に話 されていて、相手と調整がとれていればそういうことはないわけで、そういうことを含 めて受け入れがスムーズであるかどうかというのを問うということで修正しておりま す。 13ページの 3は、前回までは服薬の取り扱いについて入れておりましたが、ここは 「内服薬・外用薬」というふうに具体的にわかるように分けております。 そして新たな着眼点としては、「本人( および家族等) ならびに担当職員は」という ことで、利用者の方がどういう薬を飲んでいて、それはどういうものか、特に副作用の 問題ですとか、あるいは多く飲んだり少なく飲んだり、あるいは時間を間違えたり、い ろいろな問題が考えられるものですから、そういったものを的確に把握しておく必要が あるということで、新たに入れております。 3番目の着眼点ですが、1番の着眼点でいっているようなことを理解したうえで、そ して2番目にあるような管理のマニュアルがあったとしても、薬物のとり違いとか本人 の服用拒否、服用忘れ、いろいろな問題が起こることがあり得るわけで、そういう事態 に対応するためのマニュアルも必要だ。これは命に直結する話ですので、これはリスク マネジメントになるかと思いますが、そういう意味でのマニュアルを用意しておく必要 があるということで、新たに入れております。  次の着眼点で、副作用に対する対応についても新たに設けております。  (8)「余暇・レクリエーション」の小項目では、着眼点の最後に「地域の社会資源を 積極的に活用している」、これも新たに加えております。  (9)「外出」は、通所は非該当にいたしております。  (10) 「外泊」も、同様に非該当といたしております。 「外泊」の着眼点の三つ目に、「盆や正月の外泊は、これを強制したり、本人や家族 の事情を考慮せずに要請するようなことはしていない」というものを新たに加えており ます。これは、読んで文字どおり了解いただけるかと思います。 (11)「所持金・預かり金の管理等」。ここは以前は「預かり金等の管理」でしたが、 ご本人がもっている預かり金、盗難等のご心配もございますので、それを含めた修文が されております。これについては、通所は非該当といたしております。 2の着眼点の最後に、これは社会生活力とも関連する項目ではございますが、特に所 持金の管理というものも含めますと、ここに「対応能力を高める学習プログラム」も入 れておいていいのではないかというご指摘がございましたので、入れております。 (12)「生活内容の自由な選択」では、 1は通所は非該当といたしております。 2「嗜好品」につきましては、二つ目の着眼点で、カッコ書きで「喫煙場所、飲酒場 所・時間、一気呑みの禁止」、これも最近、大学生が死んでしまって、これはある意味 で暴力であるという位置づけがされているかと思いますが、特に訓練施設、更生施設な どは養護学校から新卒の子たちが多く入ってきまして、先輩風を吹かせて、いきなり今 まで飲んだことのない後輩たちに飲ませるなどということもございます。今の社会情勢 から考えますと、施設においてもあり得る話だろうということで、例示として加えてお ります。 16ページ、4 「生活環境の整備」でございます。 (1) 「生活環境の整備」では、 2「一人になれる場所や部屋、あるいは少人数でくつ ろげる場所や部屋がありますか」。これは前回は「ともにくつろげる空間があります か」という表現だったと思いますが、ともにくつろげるということは、大人数ではなく て少人数だろうと、いわれてみればそのとおりだろうということで、修文しておりま す。 そして、着眼点の中に一つ、プライバシーのことも考慮しまして、3番目に「居室の 個室化や2人部屋化を実現している」、これを新たに加えております。   3「心地よく生活できる環境への取り組みがなされていますか」では、全体は四つ着 眼点がありましたが、三つに統合いたしております。そこで真ん中の着眼点がちょっと 長くなっておりますが、「身の回りの生活環境(施設内の清掃や装飾、室内のベッドそ の他の家具や飾りつけ、採光や冷暖房等)については、利用者・職員ともに日常的な課 題として意識しており、常にいろいろな指摘な提案がなされている」というように例示 を多くしまして、実際の点検、指摘、提案というところまで一本にいたしております。  17ページ 4「施設周辺の環境への配慮がなされていますか」。これは、全く新たに用 意いたしたところでございます。これにつきましては、着眼点を読んでいただくとわか りますが、かなり施設の周辺の環境に配慮するといったこと、施設でどういうことが考 えられるのかとなっております。 この目的としては、サービス評価基準を検討するにあたって一つの考え方のベースに なりましたISO9000という品質管理システムがございますが、それと別にISO 14000シリーズという環境に対する基準がございまして、かなり多くの企業で14 000の認証を受けるところが増えてきているのです。これはなぜかというと、これら の社会は地球にやさしい、そして環境にやさしくなければ、企業が地域の住民と自然と 共存できなくなる。そうすると企業としても成り立たなくなるということで、1400 0の認証を受けることが、会社や企業は環境にやさしく地域と連携しているというお墨 付きをもらえるわけです。施設としても、地域のリソースであり、地域の拠点であり、 地域との連携をもって、地域で暮らす障害者のための支援をしなければいけないという ことになれば、地域の環境という視点も必要だ。そういう意味で、新たに四つの着眼点 をつくられたということであります。  (2) 「衛生面の配慮」の三つ目の着眼点「清掃や衛生問題については、担当者と責任 者が任命されており、責任者には必要に応じて迅速な問題解決に当たることもできる権 限が与えられている」。これは、先ほど 4を受けてということもあるのですが、責任の 所在と責任者に権限を与えてこのような周辺に対する衛生管理をしっかりすべきではな いかというご意見がございましたので、追加いたしております。 18ページ、5「地域との連携」。視点のところの文章についてはいろいろなご議論が ありまして、よりわかりやすくするという意味で、内容と意義については変わっており ませんが、全体的に修文いたしております。時間の都合がございますので、見ていただ ければと思います。  (1) 「地域との交流」、 1「地域への施設に対する理解促進」、ここに「理解促進」 という言葉を加え、着眼点も整理いたしております。 新たに着眼点をつけ加えておりまして、2番目の着眼点、上では施設の建物の開放を うたっておりますが、施設の備品等の貸出もあってもいいではないかという指摘がござ いますので、加えております。  次の着眼点、「地域の人たちに障害者や福祉を理解してもらうための講習会・研修会 を開催している」。これは、その下にも出てくるのですが、福祉の資源として地域の住 民にいろいろな福祉のサービス、あるいは知識や技術等を提供するということを入れて いたのですが、これは地域で暮らす障害者を支援する意味でも、もっと障害者の方たち を理解することが別個に必要だということで、これは先ほど出ました地域の障害者の方 たちの理解をしていただくという項目と連動しまして、障害者理解をより深めるという 意味で、介護技術とかそういうものとは区分けして、新たにこのような着眼点を用意い たしました。  下の二つの着眼点につきましては、理解促進と地域への施設開放をもっとより積極的 な表現を出したいということで、「歓迎している」という表現で、ボランティア、地域 の方たちの行事参加を修文いたしております。  19ページ、 3「他施設を含む地域との交流を進めていますか」の二つ目の着眼点、具 体的なものを一つ加えております。「親善試合や見学・旅行」、いったい交流といって もどういうことがあるのかわかりづらいという指摘がございましたので、このような表 現にいたしております。 いちばん下の着眼点「利用者は、地域の人たちと企画の段階からさまざまな行事・ス ポーツ・レクリエーション等に参加してしいる」、この辺も若干修正をして加えており ます。 4「地域に施設の情報を伝えていますか」の最初の着眼点は、以前は「担当職員を決 めている」と「発行をしている」ということを別個にしていたのですが、同じ範疇に入 るだろうということで、一本にまとめております。 (2) 「地域生活支援サービスの実施」の着眼点の最後に、自治体独自あるいは法人独 自の地域生活支援事業というものがあるだろうということで、新たに加えております。 20ページ、(3) 「ボランティアの受け入れと育成」の 1の着眼点の最後に「ボランテ ィア育成のため、ボランティア講座や体験学習等を計画的に実施している」というのも 当然これは必要なことですから、新たに加えております。 21ページ、6 「役員および職員の研修」、ここも、よりわかりやすくという意味で、 全体的に文章を修文いたしております。内容とか視点については変更ございませんので 省かせていただきます。 22ページ、7 「緊急時の対応」ですが、ここの視点につきましても、先ほど同様、修 文いたしております。 最初の 1「施設として家裁や震災への対応は適切ですか」では、2項の新しい着眼点 を入れております。 まずいちばん上の着眼点「最低基準ならびに消防法に示される防災対策は確実にクリ アしている」、これは当然のことですが、当然のことを当然つくることも、危険を伴う 問題ですから必要だろうということで、あえて入れております。  5番目の着眼点「利用者の外出・外泊・帰宅時に発生した災害にも備えて、連絡方法 や支援態勢を策定している」。これは、通所の方のことも想定しまして、それから長期 外泊、あるいは土・日に外泊している方、そういう方たちの外泊中あるいは帰宅途中の 問題、そういうときになんらかの事故とか災害が発生した場合に、どうやって連絡をと るかということを決めている、あるいはどういう支援態勢が必要かということを検討し て策定している、そういうことを新たに加えております。  23ページ、(2) 「事故や急病への対応」の 1「利用者の事故や急病への対応は十分で すか」、ここも新たな着眼点を入れております。 上から二つ目、「家族等への連絡についても、その手順がマニュアル化されてい る」。当然のことですが、家族あるいは後見人、あるいは本人が示す第三者も「等」に 含まれますが、そういう方たちに対して知らせるとして、必要な援助あるいは共同で本 人を支援する、そういうことがあるでしょうから、そういう手順をマニュアル化する必 要があるだろうということで、項目を増やしております。 4 番目、「事故や急病の場合、緊急対応を終えたらすみやかに報告書を作成すること が義務づけられている」。これは修文ですが、報告書を書くだけではなく、義務として 位置づけておくというふうに修文いたしております。 大変長くなりましたが、以上が追加いたしたところ、あるいは修正いたしたところで す。 若干、全体の説明で漏れましたが、小項目の質問については、着眼点がその小項目を 説明する意味もありますので、より簡潔でわかりやすい表現がよろしいだろうという指 摘がございました。それに基づいて、かなり小項目の表現は簡潔に修正いたしておりま す。 以上でございます。  岡田座長  ありがとうございました。膨大な内容で、なかなか説明も大変だったと思いますが、 大体、今の説明で、今回、皆さま方に提示いたしました資料2の変更点あるいは内容が おわかりいただけたのではないかと思います。  ここでご質問やご意見をいただきたいところですが、その前に、新保委員から提出し ていただいております資料について、簡単にその性格あるいは趣旨を皆さまにお伝えい ただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。  新保委員  皆さまのお手元に、「精神障害者社会復帰施設のサービス評価基準(私案)」という のがいっていると思います。このような標題をつけましたが、これまで審議してきまし た障害者・児施設のサービス評価基準案を否定するものではございません。こんなこと を書いてあると、なにごとかと思われると困るので、あらかじめそのことは申しあげて おきます。  このようなものをつくろうとした理由は、事務方の冒頭の説明にもございましたよう に、現在の評価基準案が広く生活者としての視点でとらえていることから、それぞれの 障害者施設における特化された問題が含まれていないという部分がある。そういったこ とから、障害者種別でたとえば精神障害者だけという観点からみた場合に、この案全体 がすんなりと入ってこないような気持ちを抱く方がたが多いと思われるのです。  それは、人権の配慮と選択権とか主体性の尊重ということが総体的に述べられていま して、具体的な事柄が3で示されてその評価がなされるというスタイルをとっておりま すが、3の項目がことに各障害者種別に個別の課題として適合するかどうかというとこ ろに少し難点があって、すんなり入らないのかなという気持ちがしておりますが、いず れにしましても総体としては高く評価しているものです。  そして、先ほどの事務方の説明にもございましたように、特化された問題についてた とえば横出しをつくったらどうかという提案もございましたが、そういった提案にこた えるために、とりあえず精神障害者の社会復帰施設としてはいったいどのように考えた らよろしいのかという視点で、これをつくったということでございます。その点を熟知 していただければありがたいと思います。  この内容は、「はじめに」で若干触れていますが、かいつまんで申しあげます。せっ かくつくられるサービス評価基準が、たとえば今後実施されていくでありましょうケア マネジメント等のサービスと連動することが必要だと思いますし、当然、サービス評価 基準に示された事柄がケアマネジャー等にも熟知される必要がある、そういったことと 連動するような内容になってほしい。また加えて、こういった事柄は施設運営そのもの と表裏一体であることを認識して作成しておくべきであろうという思いもありました。  したがいまして、私の案で人権の配慮のところで 2を特別につくっておりますのは、 施設を利用しようとする障害者にとって重要なことは、施設利用の相談にいく前に、事 前に施設の姿勢やサービスの内容等を知ることができることではないかと思うわけで す。このように考えたときには、いわゆる施設理念とか施設の基本方針とかサービスの 内容が事前に提供できるような関係機関との連携を含めて理念が提供できていく必要性 があると思って、このような項目を掲げました。  なぜかと申しますと、こういったことをしておきませんと、事前利用だけではなくて ケアマネジメントを行う人たちにとっても情報が行き届いていないことになりますので あえてこのような項目を設けたということでございます。 黒い四角のところが新たに追加した部分でございますが、特に次のページの上のほう については、利用者主体とか利用者参加の施設運営がなされて初めて人権尊重というこ とがいえるのだろうと思います。そういう意味での表現項目に内容を変えたということ です。ですから、ただ単にサービスの内容について定期的に協議の場が設定されている というだけではなくて、そういったところに利用者がきちんと参画できているかどうか ということも評価基準として入れてほしいという思いで、これは入れてあまりす。 また、下の黒い四角等につきましては、自立と社会参加を促進する個別支援のために はきわめて重要なチェックポイントかと思うのです。要は選挙権の行使とか、あるいは 金融機関へいくとかいかないとか、お金の管理、ものの管理も含めて、医療機関という のはある意味では本人の医療を受ける権利にも直結するものですので、そういった事柄 については、ただ単に強制的に行うということではなくて利用者主体で、医療機関に行 きたいという、まさに医療機関の選択も含めてきちんと受けとめられるようにしてほし いという思いで書かれております。 以降、黒い四角でつくってあるところはほとんどが利用者主体に書き替えてあるとい うことでございます。そのようにご理解いただければありがたいと思います。 (4) 「主体性の尊重」のところは、先ほど意思伝達のお話がございましたが、意思伝 達に制限のある利用者は、重度あるいは軽度に限らず、すべての障害者にさまざまな形 でそういった方がたがおられます。精神につきましても、たとえば妄想や幻聴に左右さ れているという状況の方がたもおられます。当然、こういった意思伝達の制限のある方 がたについては, その制限の緩和に努めなければいけない。これは重要な施設職員の役 割でもありますし、そういった事柄は専門的施設サービスに含まれるものだと思ってお ります。そういった意味では、そのような表現を精神に即して書いてみたということで あります。 こうした具体的な支援目標の大半を占めるのは、実は施設の日常のプログラムだとい えます。この日常のプログラムについてが、先ほどの(3) で示されているのかと思った のですが、なかなかみえづらい。それは、施設種別を考えると、よりみえづらいことに なる。そして多くの利用者の方がたは、日常支援プログラムでのサービスについて大き な期待を抱いているのだろうと思います。そういったことについては、別項目を施設種 別で立てたほうがいいのではないかという思いをもっています。 それは、たとえば3の最後に大きな字で書いてございますが、ここに施設種別のサー ビスを挿入するとよいと思っているわけです。その内容は大変シンプルなものでいいと 思いますが、先ほどのようなプログラム評価をきちんとできるというふうにしていけれ ばいいのかなということで、例示を通所授産施設のサービスの場合で一応示してありま す。  あくまでもこれは例示で、これは昨晩つくったものですから唐突な内容かもしれませ んが、たとえば「授産プログラムは利用者ニーズに適合していますか」というのは、日 課としてのプログラムが施設サイドでつくられていて、利用者の参画を得ての協議とか 会議が行われていない場合が多々ございます。私も以前、種目について調査をしたこと があるのですが、ほとんどが、自らがつくってその後、改定していないというのが多い のです。ですから、それはほんとうに利用者のニーズに合致しているかどうかというこ とはきわめて問題ですので、そういったことについても利用者が参画できる必要性もあ ります。  あるいは、種目に対して適合しない方もおられるわけで、適合しない方については、 いちばん下の着眼点にありますが、「利用者の思いと現実のギャップに対応するプログ ラムを個別に組むことが困難な場合」というのが生じると思うのです。そんなときには 利用者にふさわしい他施設や機関の情報を提供したり、場合によっては利用者が主体的 に新たな社会資源の選択ができるようにするなどの個別支援は、特に通所施設などでは 必要だと思っております。  そういった事柄をきちんとチェックできる、いわゆる日常プログラムをチェックでき る必要性がある、このことが含まれれば、これまでの総体的な評価基準案を合わせて、 かなり各施設ごとの評価がうまくいくのではなかろうかと思っています。  これは細かいことで、こんなことまで入れるかどうかと考えて、書き始めて二つぐら いでやめてしまったのですが、授産施設の 3「授産報酬は適切に配分されていますか」 などということがあります。これは、実は利用者だけではなくて、多くの知的障害者施 設の職員からも耳にすることなのですが、報酬を決めるのがいつもつらいといっており ます。そういった報酬について、利用者ときちんと話し合えているのかどうか、そうい ったことは重要なチェック項目だと思います。  こういった施設種別ごとの項目を入れていただければありがたいということが一つと もう一つは、冒頭に申しあげましたように、各施設種別で横出しにすべき項目について 数を二つとか一つとかぐらいはいいですよ、というような合意を得られておくほうがい いのかなと思っております。そんな合意があれば、各施設ごとのサービス評価基準を全 体の評価基準の中に盛り込むことができることになりますので、そんなことをもし皆さ んで合意していただければありがたいということをお願いして、簡単ですが説明に代え させていただきます。  岡田座長  ありがとうございました。これは、いろいろ考え方のポイントによって結論が変わっ てくる場合がたくさんあると思うのです。今、ご説明いただいた問題は、ほかの分野に おけるチェックでも同じようなことがいえると思います。それぞれの障害種別あるいは 施設種別によって違ってくることになります。今回お出しいただいたこれは、それを考 えるうえでは非常に参考になると思います。ただ、この考え方を、今、私どもが検討し ておりますサービス基準の中に込めてしまうかどうか、これについては、今までの作業 の流れからみますとちょっと無理ではないかなという気がいたしまして、むしろ今後の 課題にしておいたほうがいいような気がいたしますが、それを含めて皆さま方からご意 見をいただきたいと思います。  以上、資料1、2の説明と、今、新保委員からお出しくださった私案としている資料 についての、ご意見やご提案がありましたら、お願いをしたいと思います。  奥野委員  前回の委員会のあとにこれだけいろいろな修正作業をしていただきまして、担当委員 の方と事務局の方に、ほんとうに感謝申しあげたいと思います。  今、新保さんから提起されたこととの関連で思うことを、ちょっと触れさせていただ きたいと思います。今までにできているサービス評価というのは、タイトルとしては、 障害者・児施設のサービス評価基準(案)となっておりますが、現実には、今まででき ているものは障害者・児生活施設のサービス評価基準か、それとも障害者・児施設の生 活関連サービス評価基準であると思うのです。  新保さんは、一つの例として授産の部分を挙げていただきましたが、今あるタイトル のとおりに中身を出すのであれば、生活施設としての部分は網羅されていますが、授産 施設としての部分、リハビリテーションの施設としての更生施設の部分、この部分が明 らかに欠けていると思うのです。それなしで今のタイトルのままで出すとしたら、更生 施設としてのリハ機能等がないがしろにされてもいい的なイメージが普及してしまうの ではないかと思うのです。  したがいましてどちらか、タイトルを変えるのか、例示として授産の部分、更生施設 としてのリハの専門的なサービスの部分、これを入れないといけないのではないかなと 思います。  岡田座長  大変いいご指摘をいただきました。このようなタイトルをつけてひとり歩きをしたと きには、今おっしゃったようにリハビリテーションの問題、あるいは授産の問題、ある いは医療の問題、あるいは子どもにとっての発達の問題、こういったものは施設評価の 中では無視してもいいのだという印象を与えかねない、こういう問題指摘でございま す。もしそういったことを含めてやるならば、内容を変えなければいけないだろうとい うことでございますが、これについては、事務局サイドでは何かお考えがありますか。  私としては、従来からやってきた形式に基づけば、今、検討していただいているのは いわば基礎評価基準のような部分でありまして、その上に二階建てでそれぞれの分野で 特化されたものが上乗せされるというか、こういう形で進んだほうがいいように思うの で、そのあたりについての事務局としての何か思い入れを話していただければ。  小田島専門官  今お話しがあった専門的な部分ですとか、新保委員からもご指摘があった部分につい て、まず基本的に考えなければいけないのは、それぞれの種別にあった細かいところで 国が示さなければいけないのかという問題はあると思うのです。そこまで入っていきま すと、前回も説明しましたように、ある意味ではサービスを、国はこう思っているとい う方向に誘導しかねないということが出てきてしまう。そうすると、個別のところまで 踏み込むことは難しいだろう。  そうするとどこで決めるかというと、資料1で示したような理念に基づいたところの 部分で共通になるのかなと。たとえばリハビリの視点が弱いというご指摘がございまし たが、個別プログラムで出ている個別支援というのは、まさに目標が具体的に何かとい う違いはありますが、あのプロセス自体はリハビリ、更生施設では当然行われているシ ステムとして、そういう意味では視点が弱いとは思っていないのです。具体的な言葉や 項目はありませんが、内容的には個別支援というのは読める話で、そのように共通で理 解できるように。ですから個別計画のところにも、その人が就労の部分であれば就労と いうふうに書いていく、という理解でつくっている。  そういう最大公約数でつくっておりますので、それをしなければいけないとか、国が それほど細かいところまで関与できない。ですから、横出しについてはそれぞれの団体 さんとか施設でつくっていただく。この評価の第1番の狙いは、サービスがうまく行わ れているかという点検をするというよりも、こういうものを評価するというプロセスを 第三者評価も含めて自己評価していく中で、自分たちの施設で何を考えていかなければ いけないのか、どういうことを目指していかなければいけないのか、どういう理念や考 え方に基づいて次の施設の目標をつくっていかなければいけないか、そういうことに対 する一つの助け、支援になればという思いでつくられております。  そういう意味では、これ以上、国としてそれぞれの分野に特化したものまで入れると いうことは想定していないと考えております。あくまでも最大公約数の共通の分野。で すから、評価するシステムの問題と考えなければいけないと思うのですが、これがベー スにあって、そしてそれぞれの特化したところそれぞれの、これからは施設が自分の特 徴を出していかなければいけない時代ですから、施設や施設の団体さんがそれぞれの分 野の専門的なことはしっかり評価をつくっていく。あえて入れるとすれば、自己の評価 自己の点検のための評価システムやマニュアルをつくっていますかということはつけ加 えられるかもしれませんが、そこまでが最大公約数ではないかと考えております。  岡田座長  奥野委員は、そのことは十分ご承知のうえで今、ご質問いただいたと思うのです。む しろそうなってきますと、この表現についてはひと工夫が必要になるのではないかとい う気がいたします。たとえば「施設サービス共通評価基準」とか「基礎サービス評価基 準」とか、そういった形にしておかないと、多くの人たちに誤解を招き、そして大事な 事柄を無意識のうちに軽んずる傾向を生み出す結果になりはしないかという懸念を示さ れているという気がいたしますが、いかがでしょうか、奥野委員。  奥野委員  国としてその基準の大枠を示す、そういう小田島専門官の説明はわかりますが、そこ で重要なことが落ちてしまう。重要なことは、大枠として示さなければいけないと思う のです。今は、生活施設にも問題がありますが、更生施設のあり方にはいろいろな問題 点があると思うのです。それがきちんと位置づけられるものとしてこのサービス評価基 準もつくっていかなければ、これだけ大変な思いをした意味はずいぶん薄くなってしま うのではないかと思います。  小田島専門官  タイトルですとか評価の意味するものというところの説明を、その周辺をどう整理す るかということも含めて、ちょっと考えさせていただきたいと思います。  定月専門官  奥野委員からお話がございましが、とりあえず今の時点でどういうものをまず出す か。更生施設のこれからのあり方とか、いろいろな種別によっての更生施設のあり方と か、これからは時代も変わってきて、いろいろな面で変わっていくのではないと思うの ですが、この評価基準も、今、座長から出ました共通のサービスの基準という表現の意 味合も、逐次改定をしていくというのが大前提として一つあるのかなと。  それに合わせて、それぞれの施設種別の独自性みたいなものもどういう形で盛り込ん でいったらいいのか、そういう視点ももちながらとりあえずスタートをしていきたいと 思っているところです。  岡田座長  ほかにご意見、どうでしょう。  柴田委員  同じように、いろいろ改定を加えていただいてありがとうございます。  今の件は、どこかに文章として、それぞれの施設種別の施設についてのものであれば 今後別個に検討する必要があるということを明記していただければありがたいと思いま す。  あと、入所施設色はかなり出してきたのでありますが、5ページの「利用者に応じた 個別プログラム」の前文の最後の2行の「地域生活への移行を目指すことも重要です」 というのは、これは入所施設に該当するところですので、この全体の説明からは削って いただいたほうがよいのではないかと思います。 日常生活支援でも通所非該当というのがかなり増えてきたものですから、整理してい ただいて、共通のものを前半にもっていって、入所施設だけのものを後ろのほうにまと めていただいたほうが見やすいのではないかと思います。  三浦委員  具体的なところで、柴田委員のご意見と関係してくるのですが、13ページの (9) 「外出」の着眼点の下二つですが、「地域のガイドマップやイベント等の」という部分 と「外出に伴う安全確保や不測の事態に備えて」、この二つが「外出」という部分で通 所非該当となっているのですが、私どもの実態では、デイサービス利用者、通所利用者 この二つのサービスをいちばん必要とされておられますし、また、在宅の方たちは地域 の情報が非常に少ない場合が多いので、通所には該当するのではないかと感じました。 戻りまして5ページですが、 (1)の 1の着眼点の二つ目、「施設を案内するだけでは なく、体験的利用の機会を」という文がございます。通所やデイ等では体験的利用とい うのは簡単に受け入れができるのですが、通所施設に関しては、行いたいのですが、何 の制度を使うのかということと、独自の契約でもできるのかということ、それから、入 所施設の体験的利用というのは1泊、2泊していただかないとほんとうの内容はわから ないと思うのですが、今、苦肉の策でショートステイなどを使って、そういうことを実 態としてはやっているのですが、何か実際に保障できるような制度があればと感じまし たので、2点お願いいたします。  岡田座長  私自身もここは大変こだわったのですが、今おっしゃったように、体験入所という制 度はありません。少なくとも心身障害関係のほうですとショートステイが事由を問わず ということになっているものですから、そういう点で体験的な目的でショートステイを 使うこともこの時代には許されるのではないかということで書いてありますが、制度的 にはたしかに問題がございます。  これについては扱いに慎重でなければならないのですが、注釈がいるかもしれませ ん。現在のところ、制度としてはありませんが、さまざまな利用によって、あるいは私 的利用によってやることを前提にしているというか、何か説明が必要かもしれません。  石渡委員  今のお話と関連するのですが、自己決定を促すという視点でいろいろ書かれているの は当然のことではあるのですが、自己決定をというときに、情報の提供だけではとても 難しい。ですから、体験的な利用ができることが、ほんとうに確実な自己決定を支援す るのに大事になってくるという話をよく現場の支援者の方とするのです。そうしますと ここだけではなくていろいろなところで体験に裏付けられて自己決定をするという方向 性が大事になってくると思うのですが、政府の検討はこれからの課題にしても、その辺 の視点はこの評価の新しいところということで、よく伝わる表現を工夫していただけた らという気がします。  蓬莱委員  一つお聞きしたいのですが、この中では何カ所か「自治会」というのが出てきている のですが、これの意味はどのようにとらえていいのか私は理解できないのです。たとえ ば4ページに「自治会ないし利用者の会等がある」とありまして、その下の3項目、4 項目に「利用者の自発的な活動を支援するための職員が決められている」というのと 「利用者の自発的な活動については、あくまでもその意向を尊重しながらその発展を促 すように側面的な支援を行っている」ということで、ここが自治会というのの活動と関 連しているのかどうかということなのです。  その自治会等の支援するための職員が決められているという形になりますと、自治会 というのは自主的な活動でありますから、施設側とは利益相反する部分ではないかと思 うのです。そこに対して職員が援助をするという形が望ましいのかどうなのかというこ となのです。  その中で何カ所か「自治会との話し合いをもつ」という項目があって、どこかで前回 に自治会との話し合いをもつというのと、16ページの「心地よく生活できる環境への取 り組みがなされていますか」というところで、第1項目は前回は自治会というのがあっ たのですが、今回は省かれています。ここで自治会を省くということは、生活環境の改 善に反映されているところを自治会にはかって意見を聞いてしていくというのはかなり 無理があるから、ここで自治会を省いたのかなという気がする。  そうなれば、この中でうたわれている自治会というものの中身、自治会をどう規定し てあるのかというのは、中で矛盾が、自己の主体性をうたいながら、片方の利益相反す るところで職員が自治会にかかわっていく。ここは、第三者なり自治会の要求する人を 入れるという形でないといけないのかなという気がする。  ついでに、削除されたところでお聞きしたいのですが、「ピアカウンセラーを入れ る」という部分が今回は外されております。前回は「主体性の尊重でコミュニケーショ ン手段を確保するための支援や工夫がなされていますか」ということでピアカウンセ ラーが入っておったのです。「コミュニケーション手段を確保するために」のピアカウ ンセラーはどうかなという気はするのですが、そうなれば、エンパワメントのところで ピアカウンセラーのなにがしかの活用が入ってもいいのではないかという気がするので すが、いかがでしょうか。  岡田座長  それぞれ大変微妙な問題で、初めにご指摘になった4ページの 2の冒頭の「自治会な いし利用者の会」というのと、着眼点の3番目、4番目等の「自発的な活動」とは別も のと私は思っていたのです。少なくともそういう認識でした。読む人をしては、そうい う認識ができないかもしれませんね。ただ、一般に自治会とかそういう存在は自然発生 的に当人たちがおつくりになるものですから、あまり介入すべきではないし、また、そ れをつくれ、つくれといって誘導するのもどうかという気がいたします。  ただ、現実に自治会があるところが非常に多いのです。そういう意味では素直に認め ておいて、その自治会の性格はなんでもいいだろうと、私はそう思っていたのですが。  蓬莱委員  私もそうだと思うのですが、それでいろいろ考えておったら、そこの3番目と4番目 の関連が、4項目は別ものなのだと思うのですが、3項目の「自発的な活動を支援する 職員」となれば、その自発的な活動というのは自治会を指していてるのかなと、この2 項目を読んだらとらえられてしまって、それからずうっと後ろを読んでいったら、自治 会というもののあり方があっちへ転び、こっちへ転びしているのではないかという気が したので、どうなのかなと質問をさせていただきました。  岡田座長  たしかにちょっと混乱するかもしれませんね。身体障害のほうでは自治会がかなりた くさんあって、さまざまな活動をしているようですね。その実態は多様なようですから 私たちとしてはあえてそれを規定をするとか、どういうものを自治会と考えるとかとい うことをいわずに、考えてしまったのですが。  蓬莱委員  ただ、自治会と調整するとか、自治会の意見を聞くとかいうのは、中に何カ所か出て きますので、そのときの自治会の扱い方は、自主的な活動をして自分たちが好ましい サービスを自分たちで主体的に構築していく、選んでいくというところで意見となって くるのだろうなと思いましたので、そうなればきちっと施設側から離れたところの位置 関係を示さなければいかんのではないか、そういう形で。  岡田座長  ありがとうございました。  それからピアカウンセリングですが、これについて……。  小田島専門官  自治会のほうですが、ただ今、岡田委員から質問がありましたように、自発的な活動 というのは小項目の質問項目ですので、その中の一つの例として自治会がありますかと いう聞き方なのです。だから、いちばん初めにあるのはまずいですね。ちょっと場所を 変えたらどうですかね。  それ以降に出てくる自治会につきましては、自治会がやらなければいけないという着 眼点のつくり方ではなくて、例として自治会などがやっているかというつくり方にして いると思うのです。ですから、もしそうでないということであれば、ご指摘いただけれ ばと思います。  ピアカウセリングを外した問題は、ここはあくまでもコミュニケーション手段の確保 をいっているので、ピアカウンセリングは日本の場合は当事者相談員といったほうがよ ろしいのかと思いますが、そういう方をサポートするという意味ではないので、通訳さ んとは同質ではない。もうちょっと深くいうと、では通訳はどういう存在だというのは あるものですから、ピアカウンセリングと混乱するので、コミュニケーションに特化し たところでという意味で、ここは省かせていただいております。  先ほどご指摘がありましたエンパワメントのところでどうだというのは、人権意識を 高めるとかそういうところ、例示としてもし必要があればというふうに考えられるかな と思います。  柴田委員  エンパワメントのところですが、こういうシーンの内面的な自己信頼を確立してゆく というところを明確にすべきではないかと思うのです。どちらかというと、技能の向上 表現の向上とかいうことが中心になっておりますので、そういう視点での補足が必要か なと思います。  それから、そこに同じようにピアカウンセラーの重要性が必要なことだと思います。  先ほど指摘のあった4ページの上から三つ目と四つ目は、三つ目は要らないのではな いですか。四つ目があれば同じことではないかと思います。  結婚なども、今度は新しく項目が加わったのですね。施設の中での交際とか結婚が認 められるということが明確になったのは、すごくすばらしいことだと思いますが、たし か、現実にある知的障害者の入所更生施設の設置基準では、男女の居室は分けなければ ならない。夜間、通行できないように、扉を設けて鍵をかけられるようにしなければな らないという規定があって、私は、かけられるようにさえしておけば開けてもいいのだ という理解をしたのですが、こういう規定自体が問われるのだろうと思います。  岡田座長  たしかにその規定については、全国的にもう実態は崩れて、形骸化されていると思い ます。そしてまた実際の施設の監査などでも、それについては各自治体がかなり柔軟な 姿勢で臨んでいるのが実態だと聞いておりますので、そのあたりはギャップがあります ね。  そのほか、どうでしょうか。  大野委員  新保委員の問題提起に対して、私はワーキンググループに加わっていた人間として、 ひと言いいたいと思います。  たしかに新保委員の指摘されることはもっともなところがありまして、特に共通の サービス評価基準といいながら、特例として精神が別枠になる項目が非常に多いという のは大変気になるところであります。これは極力減らしたほうがいいだろうというのが 原則的な部分としてあるのではないかと思います。  とはいえ、内容的に日常生活の部分について、環境調整の項目に関しては共通なので すが、特に介護サービスの部分については、これは精神障害の領域の介護サービスとい うのはおそらくあると思うのですが、それが十分概念的にきちんと整理されていない部 分があって、そこはまだ未完成の段階ですので、今の段階で入れ込むのは大変難しい部 分があるかなと思います。  そのうえで、原則的に共通の評価基準の中で精神だけが突出して多く出ているという のは大変気になる部分でありますので、それについてはなんらかの配慮が必要ではない かと思います。  3点ほど考えたのですが、一つは言葉の問題として、特に介護という言葉が日常生活 のところに頻繁に使われているのですが、これは「援助」「介助」という言葉を併置す ることによって、精神もかなり読み替えられる部分が出てくると思います。これは、精 神に限らず、知的障害などでも同じ問題が生じると思います。たとえば食事に関しては 本人が拒食になるようなときに働きかけをするとか、栄養のバランスを配慮するとか、 ふろに関しては清潔の保持に努めるように働きかけをするとか、そういうたぐいのもの がこの介護にあたるのだと思うのですが、語感として介護ということとは違いますので 援助とか助言とかそういう言葉を併記していただけるとありがたいと思います。  もう一つは、身体的な機能障害をもっている人たちを中心に組み立てられざるを得な い部分があって、独自項目がその中に組み込まれている部分がけっこうあります。たと えば4ページの上の「コミュニケーション手段を確保するための支援、工夫」の2項目 で「コミュニケーション機器が用意されている」とございます。これが精神非該当にな っておりますが、これはそれなりに個別性の高い項目ですね。表現を変えれば、上のチ ェック項目と合併することも可能ですので、極力合併できるものは合併して、すべての 障害に使えるようにしていただければと思います。  3番目は、それでもどうしても非該当の項目は、精神障害に限らず必要になってくる のではないかと思います。本人が自立していないところに対して援助が必要だという、 特に介助、援助が必要な項目に関してはそういうことだと思うのですが、それに関して は、最終的にまとめる段階で非該当が明示されて、非該当を読み込みながら全体のプロ フィールが理解できるようにしていただければと思います。  具体的には資料3ですが、これはまだ説明されておりませんが、評価結果とチェック された着眼点数がプロットされるような形になっていますが、この中に非該当の項目数 とかそういうことを明示していただくことがぜひ必要ではないかと思います。非該当と いうのが非常に重要な意味をもっているということを、改めて認識できるようにしてい ただければと思います。  岡田座長  3点ともいずれも重要なことをご指摘いただいたと思います。非該当という項目は本 来はないほうがいいわけですから、特に精神だけが突出して多いということは避けなけ ればなりません。これは評価基準として不完全なことであると思わざるを得ません。ま た先ほどご指摘いただいたように、介護という言葉を使うよりは、むしろ介護という言 葉を使わなければいけないならば、それと併記して援助なり支援なり、そういった言葉 を使って対象をちゃんと確保したほうがいいということですね。  介護という言葉は、まだ非常に限定的な言葉なのですね。これは私も個人的には非常 にこだわっているのですが、介護というのは、辞書を調べたり法律を調べれば調べるほ ど、今までの条文では、食事介助、入浴、着替え等、それが介護であって、そのほかの は介護とはいっていないのです。そういうこともありまして、誤解されやすいですね。 だから、これについてはちょっと工夫をさせていただきたいと思います。  それから、先ほどおっしゃったように資料3のほうで、その内容についてチェックで きるように、非該当なら非該当の項目をきちっと明記できるような扱いをするというこ とにしておきたいと思います。  ありがとうございました。  三浦委員  関連することで、精神非該当のところが何点も気になって、私も確認しておきたいと ころがあるのです。特に11ページの「衣服」に関しては「汚れや破損が生じた場合に は」という部分とか「介助に頼らず自ら着替えをしたいという希望のある利用者に対し ては」、このあたりが精神非該当になってきますと、そういう自由はないのかなとか、 逆にうがった見方をされそうな気がします。身障と精神のダブる範囲の方がたが私ども の施設にもおられますが、該当すると思うし、また10ページの「同性介助」のところも 非該当になっているのですが、このあたりが逆に大切な部分ではないかと思うので、大 島先生のご意見を……。  岡田座長  非該当とすることによって、かえって間違った印象を与えてしまうということです か。 三浦委員 はい、そのように感じましたので。  岡田座長  たしかにそうでしょうね。これは事務局で整理します。 桧山委員 言葉の確認なのですが、資料1の1ページ、下から3行目からですが、「施設の利用 者のみならず」という書き方で、その次に「障害者を含む地域住民の福祉サービス」と いう書き方をされている。「施設の利用者」という事柄、利用者をどのように押さえて いるのかということについて、改めてお尋ねしておきたいのです。  これは、資料1の2の「利用者主体のサービス」ということにかかわり、評価基準で いえば大項目の2の「利用者に応じた個別プログラム」という全体にかかわってくるこ とだと思うのですが、要するに入所・通所手続きをしている、在園されている、という 言い方がよく出てくるのでしょうが、そういう方たちに限定をしているのか、それとも デイサービスとかショートとかそういうことを含めてその施設を非常に大事にされてお られる、私たちからいうと利用者の方も含まれているのか。含まれているのならば、そ の利用者にかかわる表現の中にそのことを意識したような書き方をしておいたほうがい いと思いますし、それを一応分けようと。今の法体系の中で、基本的にこういう利用者 は、もし生活施設の観点から入所・通所措置をされた恒常的に利用される方だというふ うに考えるとすれば、これは地域に開かれたというところで、前回の小林委員の意見な ども含めていろいろ書いていただいていると思うのですが、まだこの部分の順番とか書 き方が、少しウエイトが低いのかなと。  要するにやってもやらなくてもいいような事業だとか、なにか本来の事業でないよう な印象をかえって与えてしまうので、これからの法改正に対する期待感も含めてもう少 し、その方に自宅と施設が両方ともあって、そして施設に入ることが自宅を失うことで はないという意味では、短期の利用のほうにむしろだんだん重点が置かれて、長期の利 用は結果としてあるという方向にいくような書き方に。要するに、もしどうしても分け るということならば、在宅支援という形でここは4番の2の中にごく一部出てきていま すが、それを大項目ぐらいに大きくするような書き方にしていただくか、そうではない 地域というのはあくまで施設の所在の近隣の皆さんという意味が使われるのだったら、 ショートステイとかデイサービスはもっと広域に利用されていますから、利用者という 考え方の中にそういう意識を入れて、入所、短期利用を問わず、その方たちにかかわる 評価の基準という形で少し表現を工夫していただくか、どちらかでお願いしたいと思う のです。  岡田座長  私は得心しかねるお話で、ちょっとわかりにくかったのですが、私どもが作業を進め てきた段階では、利用者というものは、べつに入所者あるは通所者だけに限らず、その 施設をさまざまな形で利用していただく方すべてを指すという気持ちではやってきたの です。ただウエイトとしては、そうはいいながらも、具体的に最大多数を占めるのは入 所者あるいは通所者であるから、その人たちを中心にしてつくってきた、こういう経過 だったと思います。それからみると、一般的な入所者、すなわちデイサービスとかシ ョートステイなどを利用している人たちにとっては、これはちょっと不備ではないか、 こういうご指摘だったと理解したのですが、それでいいですか。  桧山委員  そうです。個別援助計画が利用者主体のところに最初に出てきますから、そうすると 一時的な利用の方にも個別援助計画をつくるというぐらいの意味で同じように扱われて いるのかと。読み込んでいくとどうもそうではないように。やはり別の形で頭を出して いただいていますから、地域に対する援助サービスの一つとしてショートステイなどが あるのだという位置づけを、これは現在の法体系の中ではやむを得ない現実かもしれま せんが、そうだとすれば、その部分をふくらませるか、ていねいに書いていただきたい ということです。  岡田座長  個別援助計画そのものは、必要に応じてすべての人に適用できるものだと思うので す。そういう考え方でしたね。べつに措置されている人に個別援助計画ではなくて、施 設を利用する人にはそれぞれ。  小田島専門官  システムはその視点に書いてあるとおりで、その視点に乗る方というふうに理解でき ればと思います。  岡田座長  今おっしゃった点は、たしかにいろいろな点で別のスポットをあてますと問題になる ところですから、表現上、少し工夫をしたほうがいいかもしれない。  定月専門官  施設の利用者のみならず、たしかにおっしゃるように、措置されているかとかそうい う感じのイメージももたれますので、何か工夫して検討いたしたいと思います。  柴田委員  この議論の前提は要は措置施設ということで、現状ではデイサービスとかそういうの は除いてということで、施設のサービス評価基準を検討してきたのだろうと理解してき たのです。だから、ここでいっている利用者というのは、措置ないしは措置に近い人を 指しているのであって、ショートステイなどの利用者はここには含まれていないと理解 をしてきたのですが、違うのでしょうか。  岡田座長  必ずしも措置施設ではあってもショートステイはやっているものですから、そういう 人たちに対するサービスが別ものだという気持ちはなかったのです。ただ、ウエイトの 置き方としては、どうしても措置されている人びとの問題を中心に考えざるを得なかっ たということで、ショートステイとかデイサービスの人たちからみたらどうなのかと言 われると、虚を突かれたような思いなのですが。  柴田委員  そこはどこかで説明として入れないと、わかりにくい。  先ほどあちらの方が言われた13ページの「外出」のところで、地域のいろいろな情報 を日常的に提供しているかどうかとか、外出に伴う安全確保とか不測の事態への学習と いうようなことは通所でも必要でありますし、またガイドヘルパーやボランティアの介 助を受けられる態勢を施設として推進していくことは通所施設でも必要なわけで、あえ てここのところでは、いちばん上の「自治会等の代表あるいは利用者全員と話し合って 外出についてのルールを設けている」というところだけはたしかに違うかもしれないの ですが、あとは、どちらかというと「外出」という項目よりも「地域での移動」、そう いう項目だなと思っているのです。  岡田座長  それについては、 (9)「外出」のところに通所非該当としたのはミスだったと思いま す。 柴田委員 「外出」というくくり方がいいのか、言葉が出てこないのですが、もうちょっと広い 概念でいいのではないでしょうか。  岡田座長  もう少し表現を変えたほうがいいかもしれませんね。 柴田委員 あと、「外出」の1行目にある「自治会等の代表あるいは利用者全員と話し合って」 というところが、「利用者全員」というのがほかにも出てくるのですが、利用者全員と 話し合うというのは、必ずしも話し合いができないような重度の人が多い施設ではこれ は非常に厳しいので、利用者と話し合える状況において話し合うということであって、 「全員と」と規定してしまうと、これは難しいなと思うので、表現をやわらげてもらっ たらと思います。  岡田座長  これはあとで処理しましょう。  柴田委員  あと、言葉の問題で、後ろのほうには「本人」と出てくるのです。「利用者」になっ たり「本人」になったりしていて、この辺も「自宅」という言葉が出てきたり、さまざ ま言葉が錯綜していて、「本人」と「利用者」というのはごちゃごちゃにならないほう が、「利用者」で通したほうがいいのではないかと思ったりもします。  それから、「小人数」というのは、小さい人数でよかったのでしたっけ。少ない人数 ではなかったですか。ちょっと用語の点はどうなのかなという気がします。  岡田座長  私個人は、あえて「利用者」「利用者」というよりは、「本人」を入れたほうがわか りやすいということで、使い分けたといいますか、適当にちりばめたというか、そうい う使い方をしているのですが。  柴田委員  何か理屈があってそういうふうにやっておられる。  岡田座長  あまりにも「利用者」「利用者」というのが、読むとゴツゴツしてくるのです。です から、統一したほうがよければ、これは他意はありませんので統一することはできます が。  山西委員  サービス評価基準 (案) の12月28日にいただいた分、きょうのこの資料でありますが 実際に前の11月24日の分と大幅に文章表現が変わっているのですね。私は実はびっくり しまして、11月24日バージョンで12月28日のを写しておりましたら、ノートの紙面が真 っ黒になったというぐらいなのです。それほどにさまざまな情報処理を事務局がしてい ただいたということで、いかがでしょう、もし事務局のゆとりがあるようでしたら、も う一度委員の方の意見を。私は実は全部意見をメモしていきましたが、するといっぱい あります。 そういうことはたぶんおありでしょうし、事務局のゆとりをいただいて、再度、意見 を提出する機会を頂戴したほうがいいのかどうかということについて、今後の見通しと も関係するでしょうから。  岡田座長  それは、白状しますと、私に全面的責任があるのです。特に大幅に変えたのは私なの です。わかりやすくするということで、徹底的に言葉を組み替えました。内容をできる だけ温存しながら、読んだ人がすぐわかるようにという言葉に変えたのです。その結果 として、24日の分と28日の分は大幅に変わってしまっている。 これは私の責任なのですが、できるだけ私としては、初めて見る人が読んだときに、 どういうことをいっているのかということを理解してもらえるような表現に変えさせて もらった、こういうつもりだったのです。かえってわかりにくくなっているのなら、私 の責任で案を撤回しなければなりませんが。 山西委員 たとえば私はそういうふうに見ませんでした。むしろ、岡田先生がしていただいてど うというよりも、おっしゃるように一つ一つの着眼点も読みやすくなりましたし、説明 は行き届いてきたかと思います。ただ説明の視点が、施設の生活部分に光があてられた り、神経過剰かなというぐらいに非該当がカッコ書きがしてあったり、全体像にもう一 度フィードバックさせてというふうにすれば、非常にいいものができるのではないのか なという希望がございます。  定月専門官  きょう欠席の長谷川委員からご意見をいただいています。先ほど、資料の青いのがい っていると思いますが、これはあとでごらんになっていただいて、長谷川委員からのご 意見は、評価基準の仕事にあまり時間をかけないで、とりあえずできるだけ早く世に出 したらどうか。そしてサービス基準につきましては、以後やる中で改定をしていく方向 でお願いしたい。その2点のご意見をいただいております。これまでの長谷川委員の経 過とか、娘さんが長崎県のコロニー雲仙にいるとか、その辺の情報ですので、後ほど読 んでいただければと思います。 星野委員 今の初めて読む人にわかりやすくという点は、たしかに前回の文章ではずいぶん気に なったところで、そういう点ではこれにしていただいて大変よくなったと思います。た だ、一歩離れた人に読んでいただけるように、まず最初がそこだったのですね。 二つ目にいわれたことは、マニュアル、マニュアルといっぱいあるけれども、このマ ニュアルのガイドブックはどこかにあるのと。これは、ぼくもわかったようなつもりで 作業に入っていたかなと、自分で反省もしながらですが、実際にどこかの部隊、今、い ろいろ全社協さんがやっていらっしゃるけれども、総ぐるみ、若い職員も含めてわかり やすくなるような、何か指針になるようなものを今後つくらなければいけないのかなと いう感じはしました。みんな大事なところは「マニュアル」という言葉でスッといって しまっているから、あれっ、というのがありました。  岡田座長  これは、意識的にそうしているのです。施設自身がそれはちゃんとつくりなさい、こ ういうことでいっているものですから……。 星野委員 「つくりなさい」はいいのですが、これだけ多様になってくると、これをつくろうと したいろいろな意味での意図も含めた共通的に最低限必要な部分の整理というのがない と、みんな、やたら勝手になってしまうというこわさをそろそろ感じるのです。  岡田座長  それはおっしゃるとおり、事務局でもそのことについて、次の段階を考えると、やら ねばならない課題だとおっしゃっているのです。ある程度ひな型を示していかないと、 ばらばらなマニュアルがいっぱいできてしまっては意味がないわけです。そういう意味 では大事なことだと思います。 星野委員 今後、大事になってくると思います。  岡田座長  おそらくこれは各施設に試行的に実施していただくという作業を次に控えているわけ ですが、そのときにきっと出てくる大きな課題だろうと思います。 山本委員 言葉のところでひっかかっているのですが、2ページの「信仰する自由・しない自由 が認められている」「交際したり結婚する自由が認められている」ということで新しく 項目が入ったことはほんとうにうれしいのですが、このところについて、いちばん最初 の「選挙権行使については、本人の意思に基づく支援が行われ」と出ているのですが、 これについても、認められているということではないのではないか。権利行使として当 然あることであるわけだから、「交際したり結婚する自由があり、それについて本人の 意思に基づいて支援が行われている」という書き方のほうが順当ではないかと思うとこ ろが1点です。  次に、9ページの 2の3番目「適温給食を行っている」という表現です。この給食と いう考え方はなかなか個人が発想できないものではないか。集団性を発想するようなと ころが私の中には強くあり、給食という概念がこれからほんとうに施設の中での食事提 供はどうなのかというところがあるので、この表現もひっかかるところがあります。  20ページの関係機関のいちばん最後の養護学校のところですが、これはぜひ「養護」 という言葉を外していただいて「学校等」というふうに。育児を含めてこれからいろい ろなところで地域の学校のことが大きく出てくると思いますので、「養護」を外してい ただければありがたいと思います。 その3点です。  岡田座長  ありがとうございました。いずれもそのご指摘のとおりでして、これについてはあと で整理をさせていただくと思います。  北沢委員  最初に出てきて間を欠席して最後になって文句を言っているようで、大変申し訳ござ いません。  まず第1点目は、こういったものは、細かいことをつつき出せば全くきりがないこと だろうと思っておりますので、先ほどの長谷川委員からのご意見がございましたように このあと説明されるであろう試行の中でどう修正できるのかということで、整理された らよいと思います。  第2点目は、個別の課題はたくさんあるわけで、そのときに、星野委員からあったよ うにさまざまなマニュアルが出てきてしまうのではないかという心配がある。そういう 場合に一つ大きなことは、各種別等における施設団体等が対応できるような呼びかけを きちんとしておく。それは、たぶん同時並行的な部分でよろしいのではないか。  第3点目は、これは事務当局がどのようにお考えになっているかということがいちば ん私としてはこわいのでございます。これだけ細かい、約 260数項目を示すということ は、たぶん過去において昭和28年の知識障害児施設運営要領以来のことではないのかな と。そのあとは通知等、厚生省令等における施設基準というのは間違いなくありまし た。ですが、これだけ細かいものを示すのは初めてではなかろうか。ということは、従 来までの仕組みの中で考えている経営の課題からすれば、これに相応する現行において は措置費、将来においては支援費の裏付けがあるのですね、という発想を呼ぶのではな かろうか。  ただしこの評価基準そのものは、それぞれの当該の施設等も含めての自己努力をかな り理念的には強調している部分との相矛盾する点をどう整理し、ご説明されていくのか 若干心配をしております。要は、細かいがゆえに、細かいことをやっている裏付けの経 営のの部分の視点がここではかなり欠落していますので、逆にいうとちょっとこわい感 じがしますということぜひ申しあげたい。 ただ現実的には、岡田座長さん初めワーキングの皆さんには、前回欠席するときにE メールを出しましたが、非常にご努力されたことだろうということをまず思います。  以上です。  岡田座長  ありがとうございました。北沢先生からおっしゃられたこと、ほんとうに大切なこと だろうと思います。私どもとしても、これを出すことによってさまざまな反響が起こり そしてある意味では行政はそれでつらい作業、あるいはつらい一方の努力を強いられる 結果になるのかもしれない。ただ、私どもが長く事務局といろいろつき合いをしている 中で感じておりますのは、そういう問題をあえてこの時期は覚悟のうえでやらざるを得 ない、そのように第三者評価に対する要求が高まってきている。おそらく第三者評価と いうものを出すことは、当然それに見合った社会的な裏付けを求められるはずでござい ますから、むしろこれから、これが出ることによって新しい展開が期待できるのではな いかとも思いますので、事務局当局はぜひそういった面についてのご努力も今後続けて いただければと思います。  奥野委員  先ほど、山西委員からも指摘されたことですが、非常によくわかっているけれども、 私自身も気づくことは山ほどコメントしてきているわけなのです。ここまで皆さんで一 生懸命やってきて、これで見切り発車してしまうのではなくて、もうひと段階、多少は 検討すべきことがあるのではないかと思うのです。  たくさん言う時間はありませんので簡単に申しあげますと、たとえば2ページの「権 利行使への配慮と支援」の中の着眼点としては、四つ目、六つ目、プライバシーのこと 秘密、このあたりはプライバシーの保護の項目ではないのかなという気もするのです。  あとは書き方の順番で、流れからすると、下にある二つがいちばん最初にくるべきで はないかとか、そういう箇所がいくつかあります。  具体的な5ページの2番は「利用者に応じた個別プログラム」というタイトルになっ ていますが、内容を見ますと、ここは「個別プログラム」ではなくて、もっと広い「個 別支援」とすべきではないかとも思います。その中で具体的な個別の援助計画があると 思うのです。これはもちろん私が思うだけで、皆さんの議論の中で「個別プログラム」 のほうがいいのだということもあり得ますが、そういう議論も必要ではないかというこ と。  また5ページの (2)で、「利用者」のあとに「 (および必要に応じて家族等) 」、こ れが何回も出てきます。実際に9ページでは、「本人」のあとに「(または保護者や後 見人等)」となっています。そうすると、家族という言い方と保護者、後見人とはどう いう使い分けをしているのかとか、そのようなところあたりはほんとうはもうちょっと 議論すべきではないかという気がいたします。  以上です。  大形委員  スケジュールのことなのですが、先ほど横出しという言葉が非常に重要ではないかと いうことであったのですが、このスケジュールによると、試行的評価を依頼して実施す るということなのですが、本来だと、横づけ作業を検討して終わったうえでするのが順 番ではないかと思うのです。ただそれは期間的な制約などもあると思いますので、せめ てスケジュールの中にどこで横づけ作業を行うとかというのを、この委員会としてはっ きりさせたいなという思いがありますが。  岡田座長  そうしますと、だいぶ議論が次の段階に移りつつありますので、作業を進めさせてい ただきながら、今のご指摘、あるいは奥野委員からのご提案も含めて検討させていただ きたいと思います。資料3の説明を先にやっていただいて、そして日程についてもそろ そろお示しいただきながら最終的なまとめに入りたいと思いますが、どうでしょうか。 資料3の説明を先にお願いします。  小田島専門官  資料3、障害者・児施設のサービス評価結果プロフィール表、これは前回にもお示し しておりますので、細かい点については省略いたしますが、あくまでも3枚目にありま すA、B、Cというのは、よし悪しではなくて、現状で着眼点にチェックがついている のは何%だったというふうにみていただければと思います。  ただここで前回、ミスプリがありました。「Bは、一つの小項目に含まれる着眼点の うち、チェックが20%未満」、これが前回は「30%」となっていたと思いますが、これ は「Bは、20%以上70%未満」といたしております。「Cは20%」といたしておりま す。大変申し訳ございませんでした。 若干修正いたしましたところは、前回の議論の中で指摘がありましたように、特記事 項に書く内容をもう少しわかりやすくしたほうがいいのではないかということで、特記 事項の下に、改善を要すると思われる点、改善案だというふうに注を若干入れておりま す。 概評のところも、どういうことを書くかということを具体的に示したほうがいいので はないかということでしたので、「評価の結果、改善を要する事項や、それら改善案・ 改善計画等、独自のユニークな活動」、そういったものを、こういう評価を通して気づ いたこと、あるいは、うちはこんなことをやっている、だからこの評価では合わない、 というようなことも書いていただければという思いで、概評のところに若干説明を加え ております。  それから、先ほどの議論で大島委員でしたか、非該当の問題。これは注の3に書いて おりまして、非該当の特記事項のところに書いてください。どこが非該当になるのか。 非該当の理由も、なぜ非該当になるかということも書いていただくと、そこで共通とし てつくったものとその施設の違いが際立ってくる。ここにコントラストをつけることも 大事なので……。  大島委員  そう思うのですが、項目として非該当というのは評価点と同じぐらい意味をもってい ますので、そこのところを。  小田島専門官  項目としてわかるようにしてほしいと。わかりました。  大変簡単で申し訳ありませんが、以上です。  定月専門官  資料4につきまして、引き続き私から説明いたします。  日付を順番に左に書いておりますが、1月5日の部分は本日ご検討していただいてお る部分でございますので、省略いたします。  1月末までに試行的評価ということで、モデル的にできあがった評価基準をもとに実 際の施設で使っていただく。それで非常にわかりにくい部分とか、全体的な意見をいた だこうというのは、そういう意味で試行的評価をしたいということでございますが、そ の実施要領を1月末までに作成いたしまして、同時に自己評価をやっていただく施設を どこにするか決める。  その施設につきましては、2枚目をごらんいただきたいと思いますが、全体で50施設 ぐらいかなという感じをもっておりまして、また施設の数の多い・少ないに応じて箇所 数をこのように大体按分したうえで選ばせていただこうかと。この選定にあたりまして は、施設種別団体がある、あるいは部会がある団体につきましては、それらの団体の協 力を得て実施依頼先を選定したいと思っています。 2月上旬に各施設にご依頼をしまして、2月中旬に実際に評価をやってみていただ く。そして2月下旬にその結果を集めまして、3月の初旬にその結果をとりまとめる。 そしてその意見を踏まえてこの基準案をまた修正する。そして、3月中旬に第5回目の 検討委員会を開催して試行的結果の報告をし、一応ここで基準としての決定をしていた だきたい。さらには、今後、その基準をどういう方法で普及していくかということにつ いてもご検討いただければと思っておるところでございます。  先ほどの横出しの議論につきましては、私どもはこういうスケジュールで考えておる のでございますが、横出しということになりますと、このスケジュールが相当先に延び ることになりますが、私どもの考えとしましては、横出しの部分は施設種別団体のほう で今後ご検討いただくのも一つのやり方かなと。現に新保委員から、精神障害者施設に 関しては既にある種の案が提示されておるということもございます。そういう個々の施 設種別によって異なる部分についてまたここで議論をやるとなると、相当先になってし まうのではないかという心配をもっております。  一方で、横出しの部分もこの検討会で議論するということもあり得ると思います。た だそれは来年度以降の課題とさせていただいてはどうか。とりあえず、これまでワーキ ンググループで何回もやっておまとめいただいたものを早く世に問うてはどうかという 気もいたしております。 岡田座長  ありがとうございました。そんなスケジュールを想定しながら、先ほどご指摘になっ たことについて検討していきたいと思いますが、一つ、いろいろな意見を改めてまた会 議を開くというのは、大変今は難しい時期でございまして、私もかなり無理をせざる得 ない状況にありますので、できましたらご意見をぜひ頂戴したい。今度は最終的なもの にしたいと思っておりますので、私も事務局サイドに陣取ってそれを一つひとつ吟味さ せていただきながら、できるだけ加えられるものは加えていく、あるいは修正すべき点 は修正していくという作業をお任せいただければありがたいと思うのですが、そのよう にお許しいただけないでしょうか。              (「異議なし」の声あり )  では、そのようにさせていただきます。  もう一つ、先ほど大形委員がおっしゃいましたように、これに付随するものをどうい う形でやるのかという問題でしたが、今ご説明のように、できる限り各団体にお願いを してみようというのが一つの案としてございます。決定的なものではごさいません。団 体がないところもありますので、それについてはどうするのかという問題も残るわけで すが、少しその辺は全体の流れの中で決めていったほうがいいのではないかと思ってお りますので、試みに行うのは、この私どもがつくりました案を使っていただくという線 でご同意いただければありがたいと思うのですが、いかがでしょうか。              (「異議なし」の声あり )  よろしゅうございますか。では、そのような形で進めさせていただきます。  山西委員  その場合に1点、私はきょう、いちばん発言したかったことがございます。それは、 前回の委員会で桧山委員が初めのほうに申されて、事務局も快く了解いただいた部分で つまり、サービス評価基準とはなんぞや、また、今回のサービス評価基準の内容はどう いう狙いがあるのだ、あるいは目的があるのだ、というあたりの評価基準を説明するも のが、今回準備……。  岡田座長  それについては、きょう皆さまにはお示ししておりませんが、事務局サイドと私との あいだではもうできあがっており、それを少し修正しようということになっております ので、一度、そういったものを表にちゃんと出させていただきたいと思います。そして 皆さんのご意見をいただければ幸いだと思いますので、趣旨説明ですね。  山西委員  それがあれば、スパッと入れるのではないかと思います。  阿部委員  スケジュールの試行的評価の実施依頼施設のところで、先ほどそれぞれの部会かなに かで出していらしたのですが、この委員会の委員の所属する施設も含めるというお考え はないのですか。  障害福祉課長  その点につきましては、ここにご参加いただきました委員の先生方の施設で実施した 場合、メリットもあるのですが、これは、十分ご理解が進んでおる皆さん方がやるより も、初めてみた方がやってみてどうかということでやったほうがいいのではないかとい う……。  阿部委員  私は、両方必要ではないかなと思ったのです。だから、ここの委員の施設だとかなり スッと理解できるはずが、そうではなかったり。  障害福祉課長  それを対比するという意味でメリットがあるかもしれませんね。その辺は、委員の先 生方の施設で、ぜひうちの施設でやってみようというご要望がありましたら、私どもは 大いに歓迎するところでございます。  岡田座長  それはよろしいと思います。数もそんなに多くはないものですから、やっていただけ ればそれだけ私どもにとってはありがたいのですが。  阿部委員  ここにプラスしたらどうかなと。  岡田座長  趣旨としては、先ほどおっしゃったように、全く初めてみる施設がこれにどういう反 応をしてくれるか、かなり問題をたくさん指摘されるのではないかと感じております。 ですから、プラスして、やっていいよというところがありましたら、名乗り出ていただ ければ、おやりいただけると思います。  阿部委員  そういう意味で、3月初旬に結果をとりまとめて、3月中旬に結果の報告で即決定と なるのでしょうか。いろいろ意見が出てくると、特に試行の中でどう修正できるかとい う考え方もあったわけで、むしろここからあとのところに少し時間があったほうがいい のかなと。  岡田座長  そうですね。ことによると、それは新年度にちょっとずれ込むかもしれません。きょ う教えていただいたのですが、東京でつくっておりますのも修正された改定版が出てお りますように、私どもとしてはできるだけ早くこれを使ってみて、改定すべきものが出 てくれば改定する時期をちゃんと定めて、新しいものをつくっていく、こういうつもり でおりますから、今おっしゃったように、3月中に決定的なものにするという意味では なくて、中間的なものでもそれを実際にはモデル的に使ってもらうこともあり得るので はないかと思っております。  障害福祉課長 ここに「決定」と書いてあるものですから、ちょっと決定になるのは……。  定月専門官  それは、11年度版としてはここらへんでおまとめいただければありがたいと。時期的 には、試行の結果、大変膨大な意見が出てきた場合は、このスケジュールでは間に合わ なくなることはあり得ることだと思いますが、できればこんなスケジュールで年度内に なんとか完成して、新しい年度からためしに11年度バージョンを普及させていきたい と。それを使っていろいろな問題があれば、12年度バージョンをいいものにしたらどう か、そういう考えでございます。  大島委員  試行的評価の実施施設に関してですが、精神障害者施設が非常に少ないのが気になり ます。できればもう少し増やしていただきたいと思います。中身として、救護施設の中 に精神障害者はかなり入っております。それは入れにくいのですか。  小田島専門官  実態はわかっておりますので。 大島委員 わかりました。 精神病院については、初回のときに私がずいぶん時間をとってご説明申しあげまして ご了解もいただいておりますので、関連団体を通じてというのが難しければ、また別の 方法もあると思いますので、ぜひ1施設、2施設は入れていただければと思います。療 養病棟などもございますので、生活重視の施設になってきていますね。  障害福祉課長  それは任意でお使いいただくのはけっこうでございますが、精神病院で使ってみてど うかということは、この検討会での議論は想定していないわけでございます。と申しま すのは、この検討会は、精神障害者の社会復帰施設としては生活訓練施設と福祉ホーム と授産施設と福祉工場を対象に検討を始めたわけで、精神病院は対象には考えていなか ったわけでございます。  内藤指導官  自主点検で、精神病院が療養環境を重視した施設の部分があるので、自主的に使って もかまわない、そういう整理ですから。  障害者福祉課長  それはもちろんかまいませんが。  大島委員  ですから、そういうところでも使えるものであるということを確認することはできな いでしょうか。試行評価の中にそういうところを外すというのも少しあれなのではない かと思うのですが。  障害福祉課長  外すということではないのですが、このリストに精神病院を入れるのはいかがかと。 そもそも精神病院を念頭に置いてこの検討会は議論されていなかったように私は理解し ておりますので、この50とは外枠で精神病院でためしにお使いいただくのは、委員の先 生方のご承認があればさしつかえないと思いますが、この50をたとえば二つ増やして52 にして精神病院を加えるというのは、そもそもこの検討委員会の発足の経緯からしてい かがかと思うのです。 大島委員 この委員会の初回に、施設ケアの必要な精神障害者の大部分が精神病院に入っている ということをお話し申しあげて、そして、これは精神病院にも適用できるものでなけれ ばいけないということを私は申しあげて、それはこの場でご了解いただいたと理解をし ております。  岡田座長  もちろん、精神病院に使えないようなものであっては困るわけで、ただこれを押しつ けることはわれわれの立場としてありませんので、これを利用されることを強く期待す るというつもりで私どもは理解しております。 大島委員 それと同時に出た通所施設についても同レベルで扱われたと私は理解しておりまして それについては、この中に通所施設も入っているように思いますが。 障害福祉課長 それは、最初のこの委員会の設置要領の中に、身体障害者と知的障害者と精神障害者 子どものうちの障害者も含まれますが、それの入所施設ならびに通所施設という整理で ございまして、精神病院というのはそのいずれにも該当しないという。 大島委員 わかりました。その50の中に入れるかどうかという問題はべつにこだわりません、任 意でかまいませんので、ぜひ呼びかけていただければありがたいと思います。  岡田座長  これだけ種別がたくさんある施設で、これは数で割り返した数字でこうなっているの です。最大が3ヵ所、最小は1ヵ所ということで、対象から外してしまわざるを得なか ったものもあるのです。そういうわけですから、今、先生がおっしゃったことについて できるだけ、精神障害のことは特別配慮したほうがいい部分がたくさんある分野ですか ら、できるだけ増やすように努力してみたいと思います。  大変遅くなってしまいまして、予定の時間を30分超過しました。ご意見をできるだけ 早くいただいて作業を次に進めさせていただき、なんとか部内でまとめたいと思います ので、そのようにご理解いただきたいと思います。そして、3月の中旬に第5回を予定 しております。日にちについては改めてご案内させていただきますが、そのときまでに できるだけのことはやっておきたいと思いますので、よろしくご協力をお願いいたしま す。  どうも遅くまでありがとうございました。                                     −了− ○照会先  大臣官房障害保健福祉部障害福祉課    大塚、小田島(内 3033)