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医療保険福祉審議会 第27回運営部会議事要旨


1.日時及び場所

平成12年1月31日(月)14:00〜17:00
特別第一会議室

2.出席した委員等

塩野谷、見坊、下村、中西、青柳、喜多、山崎、柳、水野、堀江、野中、蒲生、村上の各委員
平井参考人

3.議題

(1) 健康保険制度等改正案について
(2) 平成12年度における老人保健拠出金関係政令の制定について
(3) その他

4.審議の概要

1)はじめに事務局より、議題に関する資料の説明があり、その後、発言及び質疑応答が行われたが、その概要は以下の通りである。

(村上委員)

○ 老人の一部負担について、200床以上の病院の外来上限額については、なぜ5,000円なのか。
○ 定率、定額の選択制については、診療所の外に記載があるのか。予約するケースもあり、待合室に患者が入ってからどちらであるかが分かっても間に合わない。

(事務局 井口老人保健福祉局企画課長)

○ 5,000円の理由については、自己負担が500円掛ける4(現在は530円掛ける4)、それに薬剤の別途負担が最大で一日当たり100円で、三十日分薬が処方された場合には、100円掛ける30で3,000円となる。この二つを足すと5,000円となり、現在の外来の上限と考えられる。この現在の負担の限度額に着目して設定したものである。
○ 選択制については、患者が当惑しないように、今後医療機関の側とも相談しながら事前に十分の周知を行うようにして、現場において混乱が生じないようにしたい。

(中西委員)

○ 資料083の2ページ、院外処方については別に扱うということであるが、それによって不公平は生じないのか。主として院外処方を行う医療機関が院内処方を行った場合はどうなるのか。不公平感をなくし、分かりやすい制度にする努力を事務当局にはお願いしたい。

(村上委員)

○ 200床での区分については、大病院から中小病院、診療所へ患者を移すことがねらいということだが、どの程度の効果を想定しているのか。

(事務局 井口老人保健福祉局企画課長)

○ かかりつけ医機能を持つ医療機関と、高度機能病院との連携やすみ分けを意図したもの。現在でも診療報酬体系の中で手当はしているが、今回の改正では老人の一部負担の形で機能の分化を図ることが主眼である。効果については定量的に測ることは難しいが、一定の方向での分化が進むものと考えている。
○ 院外処方について分割する趣旨は、現状として外来の老人医療の費用のうち約半分が調剤薬局で支払われており、これを分割しなければ不公平感が増すことから措置したもの。院外と届け出た医療機関において院内処方を行った場合、上限額は1,500円となり若干の不公平が生じるが、事務上の煩雑さを避け、一方で過大な負担を避けるということで、やむを得ないと考えたものである。

(村上委員)

○ 根本的には医者と患者の関係で決まってくるもの。それを患者負担の上限額で切り分けて、無理矢理機能分化をはかるということはいかがなものか。

(下村委員)

○ かかりつけ医的機能の意味がはっきりしない。そのような言葉を使うことが問題である。
○ 患者にとっては分かりにくい制度である。広告はできないということ、つまり病院の中に入ってみないと分からないということか。

(事務局 井口老人保健福祉局企画課長)

○ 広告については、これを可能とするという方向で医療法との関連の中で検討していきたい。

(青柳委員)

○ 一部負担については、院内、院外の区分も含め、患者負担の公平性と事務上の負担の観点から、具体的な方法論においてもっと詰める必要がある。

(喜多委員)

○ 資料087について、これまで医療保険制度の抜本改革ということで議論を進めてきたが、この資料については標題に医療制度の抜本改革とある。一部負担金の問題や、拠出金の問題などについてはどうなったのか。

(事務局 柴田保険局企画課長)

○ 従来から、抜本改革について言うときには、医療保険制度と医療提供体制の両方から総合的に進めるという観点から、この二つを包括する言葉として医療制度という言葉を使っている。その意味では、今回も従来の4本柱を中心に構成しており、これまでと変わるものではない。
○ 高齢者医療制度については、平成12年度に抜本改革に向けた第一歩として老人の定率一割負担を導入し、診療報酬や健康づくりについても平成12年度から実施することになっている。
○ 今の老人保健制度における費用負担の在り方を見直すことについては、省内に検討チームを設け、高齢者と現役世代との間、あるいは現役世代の間において、どうやって公平に医療費を負担するのかということについて議論していく。具体的措置については、平成14年度を目途に精力的に検討を進めることとしている。

(喜多委員)

○ 当方としてはかねてから国民健康保険が他の保険と比べて不公平であるということを言ってきた。それを抜本改正の中で検討するということで、これまで拠出金の問題や退職者医療制度の負担の問題についても発言を控えてきた。しかし平成14年度までの検討事項として、医療保険制度に関する改正事項が別項目となっているのはなぜか。パーツだけを変えても全体が良くなるとは限らない。
○ 介護保険料の徴収方法について、以前から問題であると言っていたにもかかわらず、それを放置しておいて今になって急に制度改正を行うというのでは、当方としても現場で説明がつかない。

(事務局 柴田保険局企画課長)

○ 医療保険制度の枠組みについて、そもそも老人保健制度は被用者OBが国保に移る結果として生じる負担の偏りを調整するためにできたものであり、その老人保健制度の在り方を見直すということであるので、医療保険制度の枠組みのあり方についての議論も視野に入っている。これについては今後の議論の中で検討していく。

(事務局 間杉保険局保険課長)

○ 2号保険料の問題については、当時あった議論についていろいろと教えていただき、また、現在でもいろいろな意見があることもお伺いし、今後介護保険制度を運営していく中で念頭におかなくてはいけないと考えているところ。当時、大勢としては、上限の中に収めたい、又はおさまらないかということで進めたものと思うが、その後の医療費の状況や経済の動向によって残念ながら収まらなくなったということ。介護保険法の施行を目前にこのような提案をすることは忸怩たる思いであるが、それでも提案せざるを得ない。

(喜多委員)

○ 初めから上限については問題であると指摘してきた。それを目前になって急に上限の別枠化を認めないとできないと言い出すこと自体がおかしい。介護保険とは全く別の制度である医療保険に、保険料率を上乗せしたら問題が起きるということは当時から何度となく申し上げてきたのに、それを放っておいて今になって突然言い出されたものを簡単に了承するわけにはいかない。
(青柳委員)
○ 2号保険料については、我々は当時、現役世代から広く薄くと主張してきたが、法案化を前に40歳から64歳ということになった。この矛盾については、省内でも分かっていたのに、何ら対策がとられてこなかったということだと思う。健保組合の介護保険料率が1000分の4から1000分の17まで開きがあるという事実は、単に社会情勢の変化だけでは片づけられず、事務局を含め、不作為の行為があったということで、反省すべきである。
○ 介護保険料率の開きの問題に対しては、保険料の徴収の仕方はともかく、保険料率の考え方については、分けて考えていかないと矛盾をもったまま進んでいってしまうことになる。

(野中委員)

○ 平成12年度から施行されるはずであった抜本改革が自動的に平成14年までに延ばされていることについては、何故伸びたのかということもあり、不満を抱いている。
○ 資料087については、医療制度の改革項目ばかりで、医療保険の改革は「その他」のところに追いやられており、抵抗を感じる。本来第一項目とすべきであり、「保険」としての項目を入れるべきである。

(下村委員)

○ 構造改革の今後の進め方について、厚生省から包括的な説明があったのは大変結構であるが、その中味について、老人保健制度の改革は国保制度と連動するものであり、その意味で保険制度についての改革項目が欠落しているのは問題。
○ 診療報酬の改革については、段階的に実施ということだが、医療費合理化というだけでは、あまりに単純で抽象的。もう少し総合的な観点から明らかにならないものか。
○ 医療提供体制の改革は、日本医師会の反対に会って暗礁に乗り上げていると聞いている。医療審議会の審議の途上だからとは言え、全て検討中というのではなく、もう少しはっきりした具体的方向が出せないものか。これから落ちるものが出てくるのか。厚生省はどの程度やる自信があるのか。
○ 抜本改革が平成14年度に伸びたことはいいとは言えない。少しづつやれるところからやっていくということであるが、老人保健については、14年度に精力的に検討するとなっており「実施」という言葉が抜けている。これは前文とは後退した言い回しと言える。
○ 高齢者への1割負担が導入されており、改革がないとは言えないが、抜本改革かということをよく見ると疑問符がつく。
○ 医療機関毎に異なる患者負担の仕組みについては、事務処理上問題なく、患者に迷惑をかけないようにしていただかないと困る。最低でも患者にわかりやすい明確な説明を行うべきだ。
○ 外来医療費の上限となる、3,000円や5,000円というのは、現状と変わらないという説明であったが、今後はどうなっていくのか。高額療養費等その他の負担のところにも言えることだが、現在の負担はいつまで続くのか。
○ 健保組合としては、未だ予算措置が出来ない状態にあるが、今回の措置で平成12年度はやっていけるのか。平成14年の改革ということは、平成13年はどうなるのか。財政上足りなければ何らかの追加措置があるのか。

(事務局 井口老人保健福祉局企画課長)

○ 高齢者に対する患者負担の仕組みについては、事務上実施可能な案として提案させていただいたもの。医療機関単位で院内処方と院外処方に仕分け、院内処方として届出している場合は、仮に院外の患者が出ても、薬局では自己負担を課さず一律3,000円を上限とする。一方、院外処方として届出している場合は、別途調剤薬局で1,500円を上限として一律負担をしてもらうので一律1,500円を上限と設定する。調剤薬局の立場からすれば院内処方の医療機関から来た患者に対しては、自己負担を課さず、その他は院外処方ということになるので、上限は一律1,500円となる。それぞれの医療機関では処方箋にその旨を書く必要があるが、それにより、患者毎に仕分けをする必要がなくなる。これらが、患者に過大な負担が課されることを防ぎ、一方で事務負担のかからない合理的な方法であると考え提案させていただいている。
○ 現在1日定額の530円については、2年に1度スライドすることを法律上規定しており、800円についてもこのような老人医療費の伸びに基づきスライドさせることを考えている。これとのバランスで3,000円、5,000円という上限額についても、こちらは政令での改定事項となる見通しだが、必要な改定を行っていく必要があるものと考えている。
(蒲生委員)
○ 歯科診療所は高齢者の自己負担選択制に困惑している。高齢者の歯科への1月当たり来院実日数は2.6日〜2.8日である。仮に3日としても、定額制では2,400円となる。定率であると、義歯を入れたりすれば自己負担は簡単に3,000円までいくことになり、2割程度の差が出ることになる。
○ 一方、歯科の技術料評価が非常に低いため、歯冠修復等の補綴物を口腔内に装着しない日は800円以下の診療費になる場合がある。自己負担は出来るだけ公平にするべきであると考えるが、歯科の場合、負担にかなり差が出るような制度となり、混乱するのではないか。このことを厚生省当局は十分理解しておいて欲しい。

(事務局 近藤保険局長)

○ 医療制度というのは、医療提供体制と医療保険の2つを含んだ概念であり、両者は車の両輪であると考えている。「医療制度抜本改革にの進め方について」はほとんど医療保険について書いてあると言える。薬価、診療報酬も保険であるし、高齢者医療は保険そのものである。高齢者医療については、高齢者だけをターゲットにしているという訳ではなく、全体を考えないと出来ない作業と言える。制度企画部会でも長期にわたり議論があったが、残念ながら集約することができず、4つの案が出ることになった。その中には市町村から提起された「制度の一本化」も含まれている。
○ 高齢者医療制度については、現状維持ということならばそれなりに出来るのであるが、高齢化に伴う医療費をどのように持ち合うかということになると、利害が錯綜し、見直しには至っていないのが現状。しかし、いつまでも見直しを行わずに許されるものでなく、行政サイドとしても検討チームをつくって、今まで以上に本格的に検討するつもりでいる。
○ 高齢者医療制度はこれまで老健局の担当であり、保険局もそれに関係してきたのだが、今までの共同作業においては、両者の谷間になる部分があったのは事実。今年の7月からは老健制度そのものを保険局が引き取り、医療制度全てを所管する。ついては、老健と健保、国保等との関係を含め、本格的に検討していくこととしたい。これは、政治の場でも議論になることと考えるが、私共なりに、あるべき姿について、さらに突き詰めて参りたいと考えている。
○ 高齢者医療制度の改革が平成14年度に伸びたではないかと言われれば、これは批判に甘んじるしかない。そこまでは至らなかったということだと考えている。
○ 薬価については、中医協の先生方のご協力もあり、実際上の進展が見られたものと考えている。また、診療報酬についても、材料の制度を画期的に変換するとの項目があり、段階的にではあるが、抜本改革に向けて取り組んでいるところである。

(見坊委員)

○ 抜本改革が出来なかったということで、今後、いつどのように進めていくのかということを厚生省に聞きたい。資料087「医療制度抜本改革について」を拝見したが、これでは納得が出来ない。
○ この審議会の使命は高齢者医療制度の見直しにあるはずである。高齢者医療制度は行き詰まり、もはや拠出金の分担の問題や、患者の負担増ということだけでは解決出来ない状態になっている。老健制度の仕組みは健保、政管、共済、国保の相互の拠出で成り立っており、その意味では、現状の各制度間の矛盾や格差が露呈していると言える。これらは放っておいては、地域の国保にしわ寄せがいくことになる。
○ それにも関わらず、患者は自分たちの制度のことは分かるが、他の制度については全く分かっていない。厚生省の職員は、最も優遇されている国家公務員共済組合に入っているが、彼らにしても、その他の制度については、実際面で良く分かっていないのではないか。
○ 制度間格差の問題については、それぞれに経緯のあることではあるが、それを乗り越えなければ抜本改革は進みようがない。それぞれに組織があり、簡単にはいかないが、当事者間で問題が煮詰まらないことには、有識者と言われる第3者がいくら唱えてみても、良い制度は出来上がらない。
○ 医療費増に対して、患者の負担を増やせばいいというものではなく、その原因や事情を考えるべきである。ただ、高齢者が薬剤を使用しすぎだとか、病院をサロン化しているというのではなく、各制度毎に原因事情をしっかりと捉え、その内容を基本に論ずるべきである。これらの基本的なことを避けているように思う。これからの議論の進め方に際しては、こういったことを参考に行っていただきたい。

(村上委員)

○ 資料087「医療制度抜本改革の進め方について」を見ると、厚生省はまた改革を先延ばしにしようとしていると感じる。実際、約束は守られたためしがない。前文を見てみても、「検討はするけれどもやるかやらないかについては分からない」としか読めない。
○ 約束した抜本改革が出来ないからいろいろな問題が出てきている。厚生省はこれを反省し、何とかして抜本改革を進めるべきであるが、そういった意志は感じ取れない。制度が維持できるかどうかというぎりぎりのところまで来ているはずなのに、「検討だけはする」というどちらにもとれるようなニュアンスの文章をつくっているようでは、我々としては、容認しがたい。
○ 高齢化の中でどうやって制度を維持していくか、保険料や公的資金の問題を含め財政問題をどうしていくのか、そういったことが重要であるが、この資料は検討項目の羅列に終わっている。問題点は出されており、後はどう料理していくかということなのに、厚生省は動こうとしない。政治のこともあるだろうが、行政責任ということもある。出来たものからやるというが、それでは、今年みたいな案しか出てこない。診療報酬にしてもトータルで考えないと、抜本に値するものにはならない。

(平井参考人)

○ 平成12年度から平成14年度まで抜本改革が先送りされたという批判は甘んじて受けるという保険局長の答弁があったが、そのツケを保険料法定上限の別枠化ということで回すということであれば容認できない。
○ 法定上限を変更するというのは、抜本改革が出来なかったことを象徴するものであると理解している。今後費用が増えていくことが予想される中で、我々の負担だけを増やす方向への道筋をつけるものとも言え、「抜本改革が出来ません。先送りにします。」と言ってこれだけを行うことには重ねて反対である。
○ 先程の説明では、保険料上限の問題は、医療費の増加や経済情勢の変化が原因というような言い方があったが、それ以上に抜本改革に取り組まなかったことによるものだということをしっかり認識して欲しい。
○ 資料087については、平成12年度改革の総括をなし、今後どうするかを示すものであるのに、「目指す」とか「検討する」といった表現が多く、腰が引けている。
○ また、この資料においては、改革による保険料等の負担への影響に関する記載がないが、これを明確にすべきである。
○ この資料においては、持ち帰って他の審議会委員とも検討したい。

(喜多委員)

○ 制度企画部会において市町村の立場を説明したが、国保制度に関する国と市町村との認識が違いすぎる。現場において住民に分かりやすい制度とするために、現状に対する分析が必要である。介護の2号保険料が制度によって異なるというのは本来おかしい。
○ 市町村の立場からすると、住民にも説明する義務があるので、早く決めてもらいたい。

(山崎委員)

○ 資料087については、平成12年度にできないから平成14年度に回したという印象があり、本当に平成14年度に実施できるという確信が持てない。
○ 現在改革が急がれている医療提供体制についての議論や、給付についての議論がなされておらず、これで国民各層の理解と協力を求めると言っても無理ではないか。
○ 訪問看護ステーションの選択制について、現場の混乱が予想される。

(野中委員)

○ 保険者としての運営の必要性から、できるだけ早い答申を求める。
○ 医療制度の抜本改革については、「保険」という文字を記入いただきたい。
○ 平成12年の改革が平成14年に延びたことを了とするのであれば、保険制度間の負担と給付の格差や共済組合の在り方についても明らかにし、議論の俎上に載せるべきである。

(塩野谷部会長)

○ できれば答申に向けたたたき台を出したいが、議事進行についての意見はいかがか。

(下村委員)

○ 健康保険組合の予算編成作業は、既に通常より1ヶ月以上遅れており、早急に結論を出す必要がある。
○ 老人の一部負担について、事務上本当にできるのかという問題がある。医療法との関係もあり、今日中に答申をまとめるのは無理ではないか。

(塩野谷部会長)

○ 本日中に答申書を大臣に渡すということではなく、答申のたたき台を示して、そのとりまとめにご協力いただきたいということである。

(平井参考人)

○ 本日の議論を答申案に反映する必要もあり、答申書については日を改めて提出を求める。

(野中委員)

○ 答申について素案があるのであれば出していただきたい。それを見てから判断すればよい。

(見坊委員)

○ たたき台を出していただきたい。高齢者としてのこれからの心構えをはっきりさせるためにも、ある程度の審議会としての意見をまとめたものが必要である。
○ 今回の定率制導入が高齢者の反対によって進まないと思われては心外である。ぜひ本日出していただきたい。

(水野委員)

○ 本日資料として提出された資料087についての結論を出そうと思えば、まだまだ時間がかかる。これについては参考として、答申については別途考えるべきである。
○ 日程的にあと1日審議会の日を設けることは可能なのか。できるのならば、今日たたき台を出して、それについての返事を次回までにいただき、その修正を加味した案を次回に提出するという形にしたい。

(事務局 柴田保険局企画課長)

○ 事務局としては、本日まとめられるのであればまとめていただきたいと考えているが、日程を用意せよということであれば、選択肢として2月3日午前中を考えている。

(下村委員)

○ 水野委員の案に賛成である。

(塩野谷部会長)

○ それでは10分間休憩とする。審議については1時間延長とする。

2)次に、部会長より答申案に関するたたき台が配布され、事務局より朗読がなされた。その後、発言及び質疑応答が行われたが、その概要は以下の通りである。

(塩野谷部会長)

○ 2月3日午前9時から審議会を開き、その場でとりまとめを行う。
○ 本日はこのたたき台について各委員のご意見をいただきたい。

(村上委員)

○ 抜本改革ができなかったから、問題が生じてきた。書き出しの4行半については意味が分かりにくい。抜本改革ができないことが問題であるということを明確にすべき。
○ 老人一部負担については、老人保健制度の抜本改革の一環としてやるべきだと思っている。一部負担だけを先に導入するということについては反対している。「定率負担の導入という要素が含まれる」という表現は反対。老人一部負担については慎重な意見もあり、それを書いてもらいたい。当方としては、一部負担の導入については抜本改革とセットで考えるべきと主張しており、今回のような負担先行の形では反対。
○ 「関係者が混乱しないよう十分な配慮」とあるが、「十分な配慮」だけでは困る。混乱しないようにきちんと対処してしてもらいたい。
○ 高額療養費について、「消極的に評価」するという表現はおかしい。「反対」ときっちり書くべき。
(下村委員)
○ 文章についてはなお検討する。
○ 構造改革実行の担保が欲しいという意見が大半であった。今日局長からの答弁があったが、2月3日であれば医療法のとりまとめも行われることであるし、できれば大臣に抜本改革の実施についての決意をお伺いしたい。

(野中委員)

○ 「残された課題」は削除すべき。残っている課題の方が多い。
○ 「十分な配慮」という表現については、「十分な指導」とすべき。指導責任を明確にすべきである。

(青柳委員)

○ おおむね委員の意見が出ているものと思う。
○ 今回の老人保健制度の改革案というのは、全体構造の中でごく一部である定率負担がつまみ食いされたものであり、もっと大局的な老人保健制度の抜本改革を踏まえて考えてもらわないと、改革の一歩であるという表現は難しい。

(見坊委員)

○ 各委員からお話のあったとおりであると思う。
○ 抜本改革への姿勢が明確にされるべき。明確にした方が、事務局としても今後改革を進める上で良いのではないか。
○ 「残された課題について」という表現では、抜本改革についてのかなりの部分を審議会として了承しているような印象を与えるので、修正願いたい。
○ 「十分な配慮」という表現はおかしい。
○ ただ各委員の意見を羅列するだけでなく、委員の真意をにじませてもらいたい。関係者との関係もあろうが、運営部会としての意見ということで堂々とやってもらいたい。
○ 表現その他については部会長に一任する。

(堀江委員)

○ 「医療保険制度の進め方について」は、厚生省名で出ており、実施については今後厚生省が責任を持って実行するものと考えている。これはあくまでも一つの説明材料である。
○ 答申案の中で、一番最初に「医療保険制度の抜本改革について」と始まるのはおかしい。今回の諮問については「当面これ以上財政を悪化させないための対策」ということで出てきたものと理解している。もし、抜本改革の進め方についてコメントするのであれば、厚生省として責任を持って進めるべきという意向を別途盛り込むべきである。

(野中委員)

○ 「診療報酬改定の財政措置として」とあるが、現実には診療報酬改定が先に行われている。診療報酬改定が先行したというニュアンスを出すべきである。

(村上委員)

○ 上限の見直しについて、「現実的かつ当面の対応策としてやむを得ないという意見があった」とあるが、その意見はいつ出たのか。もしあったとしても、上限を定めないでただ分離することについては問題があるという意見をつけた上で、やむを得ず認めるということではなかったか。そんなに積極的な意見があったことは記憶にない。

(蒲生委員)

○ 同様の部分について、委員の中から保険運営の安定的な財政を確保するという点について懸念が表明されていたことは事実。当方としては今回の措置を4月実施に向けてやむを得ず入れるということについては了としたい。

(村上委員)

○ 介護保険料について、何の上限も設けないのは反対。補正予算における措置において、何‰の組合が対象になるのかという点も含め、介護保険料と予算措置との関係を明らかにすべき。その説明がないままでは了承しかねる。
○ 薬剤一部負担について「所要の財源を確保した上で」とあったが、その内容を具体的に説明してもらいたい。

(事務局 柴田保険局企画課長)

○ 「財源を確保した上で」という趣旨は、薬剤一部負担の廃止によって生じる公費や保険料に対する影響を吸収するという意味で、財政中立という考えに立つ、ということである。具体的方法としては、論理的には老人の薬剤一部負担廃止と新しい形の一部負担の導入をセットで行ったように、一部負担を見直す方法や、別財源を持ってくる方法、また、経済状況が好転すれば、保険料を上げる方法もあるかもしれないが、具体的な方法論としてはまだ決まっていない。

(村上委員)

○ 廃止するということだけ先に決めて、その財源については後で決めるというやり方では責任を取りかねる。反対である。

(喜多委員)

○ 意見については明日ファックスにて送付する。

(平井参考人)

○ 2月3日の段階で意見を明らかにしたい。

(水野委員)

○ 答申をまとめる方としては、まとめるのも時間がかかるので、追加の意見はできれば、2月1日中か2日の午前中にお願い致したい。

(平井参考人)

○ 我々としても組織的に整理しなければいけない。2月2日中には何とかしたいのでその旨、お含み置き願いたい。

(塩野谷部会長)

○ 意見を文書で提出する方は、2月2日正午までに事務局に提出できるよう努力して頂きたい。
○ 答申案は継続審議とする。次回は2月3日午前9時から行う。それでは本日はこれにて閉会する。
(了)


照会先 保険局企画課 北波(内線3228)


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