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                 第4回国民医療総合政策会議議事要旨


1.会議の日時及び場所

 日時:平成8年10月7日(月)15:00〜17:00
 場所:東海大学校友会館「望星の間」

2.出席した委員の氏名(五十音順)

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  I       出席委員      I            欠席委員           I
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  I 青柳 俊      I 佐々木 毅    I 幸田 正孝    I               I
  I 浅田 敏雄    I 高木 剛      I 竹中 浩治    I               I
  I 糸氏 英吉    I 田中 直樹    I 田邊 辰男    I               I
  I 井原 哲夫    I 宮下 和人    I 村田 幸子    I               I
  I 大道 學      I 安原 正      I 持永 堯民    I               I
  I 工藤 敦夫    I        I               I               I
  +---------------+---------------+---------------+---------------+
  I            11名            I              5名             I
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3.議題

  ○ 国民医療総合政策会議の検討の基本的視点と論点について

  ○ その他


4.審議の概要

  ・ 前回の国民医療総合政策会議の議論に引き続き、同会議の検討の基本的視点と論
    点について議論を行い、委員からの主な意見は次のとおりであった。

    ○ チェック機能がない診療報酬の安易な包括払い化を進めることは、医療の質の
      低下を招くのではないか。新しい医学・医術の進歩を取り入れていくためには、
      出来高払いとせざるを得ないのではないか。

  ○ 成功したとされる介護型病院の包括化についても、重症患者が受け入れられな
      くなったという面があるのではないか。

    ○ 中長期的には医師の需給に関する将来推計を立て大学の入学定員等で調整をす
      るとしても、当面の調整としては、保険者の自立性を高めて、保険医の定年制、
      定足制や保険医の指定、取消しの運用といった措置を取ることが必要となるので
      はないか。
    そのためには、医療機関に関して客観的に評価する機関が整備されて、その情
      報に基づいて保険者と医療機関の対等な協議が行われることが前提となるものと
      考えられる。

  ○ 医師の需要については、学校医、産業医、公衆衛生活動、製薬業などでは医師
      が未だ十分でないという指摘もあり、もう一度適正医師数について算定を行うべ
      きではないか。

    ○ 自由診療を行うのは医師の自由であるが、保険医については定年制を設けるべ
      きではないか。

    ○ 現在の大学教育では、プライマリーケア医を目指す者が研修できるような総合
      学科の整備が不十分ではないか。

    ○ プロフェッショナル教育という観点からすれば、臨床実技、臨床実習、学部実
      習、臨床研修に関して十分な研修ができていないのではないか。

  ○ 臨床研修の必修化については、財源の問題と若い時期に2年間学問から遠ざか
      ることに対する不安感があるという問題がある。

    ○ 研修中の身分保障を行うことにより、夜間未熟な医師が1人でアルバイトをし
      ているという状態が解消され、患者が安心して診療を受けることができるという
      面もある。

    ○ 患者が開業医ではなく、病院にいけばより的確な診断が受けられると思ってい
      る現実を直視しなければならない。頼りがいのある質のいいかかりつけ医を作っ
      ていくことが課題となっており、そのために医師会ではさまざまな生涯研修を進
      めている。

  ○ 病院と診療所の機能分担を進めるためには、開業医、かかりつけ医の充実が前
      提条件となる。

    ○ へき地医療については、社会環境を納得した上へき地医療に従事できるかとい
      う点が問題となっている。

  ○ 広告については、ハードの面とソフトの面を分けて考えるべきである。認定医
      、専門医を含めてソフトの面の広告については問題があるのではないか。

  ○ 広告規制の緩和により、さまざまな治療法や医療機器等を広告できるようにす
      ると、患者はかえって混乱するのではないか。

  ○ インターネットのホームページの活用が進んでいるが、いわゆる誇大広告、虚
      偽広告を防ぐため、ある程度のガイドラインを作成する必要があるのではないか
      。

  ○ 転勤をして困るのは新しい街でどの医療機関に行けばいいのか分からないこと
      であり、そうした情報がないため取りあえず大病院へ行くという面もあるのでは
      ないか。

  ○ プロフェッションとして提供すべき情報は、保険等でその対価を払ってでも提
      供していただく必要があるのではないか。これまでのような医療機関が情報を丸
      ごと抱え込むようなシステムは、問題ではないか。

  ○ 規制による質の確保ではなく、患者の選択によって質の確保を図っていくため
      には、患者に情報提供が行われることがその前提条件である。

  ○ 専門医以外は、カルテを見てもその内容は分からない。行き過ぎた情報の提供
      は、かえって問題ではないか。

  ○ 必要な情報が適切に開示されることは、患者にとっても、医師にとっても、保
      険者にとっても適正な対応を行う基盤となるものであり、望ましい。
        具体的に、レセプト関係では、主な医療費の内容については、最低限提示され
      なければならないのではないか。

  ○ 患者本人への情報提供と一般人に対する情報提供は、分けて考えるべきではな
      いか。一般人への情報提供については、一般人にとって分かるような情報でなけ
      れば、情報が溢れて選択できないといった事態になるおそれもある。このため、
      患者教育の充実等が求められる。

  ・ 次回は、これまでの議論を踏まえた整理ペーパーに基づき議論を行うこととした
    。

    問い合わせ先 厚生省大臣官房政策課
     担 当 岡田(内2243)
          電 話 (代)[現在ご利用いただけません]


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