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平成12年11月30日
1.塩酸ピオグリタゾンと急激な水分貯留による心不全について
塩酸ピオグリタゾン投与との関連性が否定できない心不全の増悪あるいは発症例が5例報告されたことから、心不全の患者及び心不全の既往歴のある患者を「禁忌」とするとともに、心不全発症のおそれのある心筋梗塞、狭心症、心筋症、高血圧性心疾患等の心疾患のある患者を「慎重投与」とするなどの使用上の注意の改訂を行い、併せて「緊急安全性情報」の配布を行い、医療現場への情報提供の徹底を図った。
医薬品の副作用として発症する皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson syndrome:スティーブンス・ジョンソン症候群)、中毒性表皮壊死症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)については、発生頻度は極めて低いものの、発症すると予後不良となる場合があり、また、皮膚症状が軽快した後も眼や呼吸器官などに重篤な障害を残すことがある。こうした皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死症について改めて注意を喚起するため、厚生省への副作用報告症例や文献等をまとめて紹介する。
「ニューキノロン系抗菌剤」は種々の感染症を適用とする合成抗菌剤で、その抗菌スペクトル、抗菌力、薬物動態などの特徴から、現在、医療の場で広く用いられている。
従来これらの薬剤の使用に伴う副作用は比較的少ないと考えられていたが、使用量の増加に伴い、肝機能障害の副作用報告が集積され、その発生状況に応じて成分毎に使用上の注意の改訂等の注意喚起が行われてきた。
今回、ニューキノロン系抗菌剤全般について改めて注意を喚起するため、厚生省への副作用報告も踏まえて紹介する。
米国イェール大学において、塩酸フェニルプロパノールアミン(PPA)含有医薬品服用と出血性脳卒中の発生リスクに関する大規模疫学調査結果が報告された。食欲抑制剤としてPPAを使用した女性群において、出血性脳卒中の高いリスクが示唆されたなどの結果が得られている。
検討の結果、我が国において直ちに販売中止とする必要はないものの、過量服用をしないこと等の適正使用の徹底を図った。
厚生省では、医療事故防止のため、種々の取り組みを進めているが、医薬品、医療用具、その他医療現場で使用される製品の名称や容器、仕様について、医療事故を引き起こしにくいものに改めることも重要な対策であることから、平成12年5月に「医薬品・医療用具等関連医療事故防止対策検討会」を設置して検討を行っている。
これまでの検討会での討議内容を踏まえ、実施することとした医薬品・医療用具に関連する医療事故防止対策について紹介する。
照 会 先 厚生省医薬安全局安全対策課 担当:倉持、田所 [現在ご利用いただけません](内線)2750,2753
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