昨日13時30分から、また本日10時から標記専門評価会議を開催し、下記のとおり検討結果を取りまとめましたのでお知らせします。

１ 検討対象工場

　札幌工場、青森工場、野田工場、東京工場、厚木工場、名古屋統括工場、京都工場、神戸工場、広島工場及び福岡工場（全１０工場）

２ 検討内容

　各工場について、第１回専門評価会議で取りまとめた調査項目について７月19日〜23日にかけて実施した厚生省担当官による現地調査結果の報告を基に、(1)逆流防止弁（バルブ）手洗浄部分の洗浄不良、(2)ホースによる配管の使用、(3)屋外における調合作業及び(4)製品の再利用状況等について確認し、大阪工場と同様な食品衛生上の問題の発生の可能性がないか検討した。
　また、実際の製造工程を精査し、総合衛生管理製造過程承認後の変更点を中心に検討し、衛生管理が十分か否かについても確認した。

３ 調査結果の概要

１） 工場内の一般衛生管理状況

　調査を行った全ての工場について、工場内にあるバルブ類、ホース等の配管のほか機械及び設備について洗浄等の状況は概ね良好であった。一部の工場を除き工場内には手洗浄による部分が多くあるが、これらについて個別の洗浄作業手順書等が作成されていなかった。なお、屋外における調合作業は今回の調査では確認されなかった。

２） 製品等の再利用状況

　調査を行った全ての工場において、充填済みの製品のうち工場から出荷されなかったものについて品質保持期限内において原料への再利用を行っていた。また、一部の工場では、出荷されたものまたは品質保持期限を過ぎたものも再利用していた。
　調査を行った全ての工場において、殺菌及び充填時に発生するものについて原料への再利用を行っていた。再利用までの作業手順は各工場ごとに異なり、個別の作業手順書等も作成されていなかった。
　全ての工場において、今後、充填済みの製品について使用しないこととするが、殺菌及び充填工程中で発生するものについては、「調整乳」と定義付け使用する予定であるとの説明を受けた。

３） 総合衛生管理製造過程承認に基づく製造工程等

　調査を行ったすべての工場において、製品の再利用工程に関して承認申請が行われていなかった。また青森工場を除く工場において、「調整乳」の再利用工程に関して承認申請が行われていなかった。
　その他の製造工程等については記録等を含め問題は認められなかった。

４ 検討結果

＜結 論＞

　検討した１０工場については、上記のとおりHACCPプランにおいて指摘される点はあるが、食品衛生上の重大な問題がなかったことが確認された。
　ただし、操業再開にあたっては次の事項について、雪印乳業（株）にその実施やデータの提出等を指示すべきであるとした。

＜指示事項＞

○ 「調整乳」の取扱いについて、作業工程毎に危害分析を実施し、危害防止方法を含む標準作業手順書等を作成し、確実に実行すること。

○ 機械及び設備の手洗浄について、すべての手洗浄箇所を特定し危害防止に有効な洗浄が行われることを確認の上、各洗浄箇所での洗浄作業手順書を作成し、確実に実行すること。

○ 工場の再開にあたっては、テスト生産を行った上で施設の拭き取り検査やサンプル製品の微生物検査等を行い、危害防止方法の有効性を十分に確認することが操業再開の必須条件である。

○ 操業再開後は、定期的にデータを取りHACCPプランの実効性を検証すること。また、当面１ヶ月間、各工程毎にデータを集積しその結果を基に、HACCPプランについて検証しその結果を報告すること。なお、念のため、製品中のエンテロトキシンの検査を実施すること。

○ 雪印乳業（株）本社において、各本社工場のHACCPプランの実効性を確認できる社内体制を構築すること。また、各工場のHACCPプランについて外部検証を受けること。

○ 「調整乳」ライン等総合衛生管理製造過程の承認時の申請書に含まれていなかった部分については、早急に変更届け出を提出すること。

５ 今後の予定

　残る１０工場について、７月２７日〜３１日にかけて現地調査を実施し、第３回専門評価会議を８月１日（午後）及び８月２日（一日）に開催し、その検討結果については、８月２日に公表する予定。

照会先：厚生省生活衛生局
　　　　森 田 乳肉衛生課長
担　当：滝 本（内線2473）