大麻又は麻薬の原料となるけしは、大麻取締法、あへん法等の規定により、原則として栽培が禁止されているが、不正栽培事犯が後を絶たず、また野生の大麻・けしは、毎年その発見、抜去を全国的に実施しているにもかかわらず、その根絶には至っていない状況にあり、採取した野生の大麻を乱用した者が検挙される事例も発生している。
大麻・あへんの乱用を防止するためには、これら不正栽培事犯の発見に努めるとともに、犯罪の予防の観点から、野生の大麻・けしを、我が国から一掃することが重要である。
このため、厚生省及び都道府県では、昭和35年から不正栽培及び自生の大麻・けしを撲滅するため、大麻・けしに関する正しい知識の普及及び不正大麻・けしの発見、抜去を目的とする「不正大麻・けし撲滅運動」を警察庁、法務省等、関係機関の協賛を得て、別添実施要綱のとおり全国的に実施している。
なお、実施期間は、5月1日から6月30日までの2カ月間であるが、大麻・けしの発育状況等に応じて都道府県が実施期間を変更して本運動を実施できることとしている。
(別添)
平成12年度不正大麻・けし撲滅運動実施要綱
第1 名 称
- 平成12年度不正大麻・けし撲滅運動
第2 目 的
- 大麻及びけしに係る事犯の発生は、関係機関の努力にもかかわらず依然として跡を絶 たない現状にある。
これは、大麻、けしに対する正しい知識が欠如していること及び関係法令が十分に周 知されていないことに起因するので、この運動を通じ、不正栽培及び自生の大麻・けし を全面的に撲滅するため広く一般に対して大麻・けしに関する知識を浸透させる必要が ある。
第3 実施期間
- 平成12年5月1日から同年6月30日までとする。
ただし、都道府県における大麻・けしの発育状況等の実情に応じて、実施期間を繰り 上げ若しくは繰り下げ、又は延長することは差し支えない。
第4 実施機関
-
主 催 | 厚生省、都道府県 |
協 賛 | 薬物乱用対策推進本部、警察庁、法務省、最高検察庁、大蔵省、文部省、海上保安庁 |
第5 実施事項
- 1 政府における実施事項
- (1)広報機関等による啓発指導
- 自己の広報組織を活用するとともに報道機関の協力を求めて、この運動の趣旨の普及徹底を図ること。
- (2)印刷物の作成配布
- この運動の趣旨の周知徹底を図るとともに大麻・けしについての正しい知識を普及するため、これに必要なポスター等を作成配布すること。
- (3)不正大麻・けしの発見・除去等
- 地区麻薬取締官事務所は、都道府県と協力して不正に栽培している大麻・けし及び自生する大麻・けしの発見に努め、これを発見したとき、又は一般から通報があったときは、速やかにこれを除去する等所要の措置を講ずること。
- 2 都道府県における実施事項
- (1)広報機関等による啓発指導
- 自己の広報組織を全面的に活用して、それぞれの実情に即した広報活動を行うとともに積極的に各種報道機関の協力を求め、関係資料を提供する等この運動の趣旨の普及徹底を図ること。
- (2)学童に対する啓発指導
- 教育委員会の協力を得て、管下の小学校及び中学校の児童生徒に対し、学校薬剤師等により視聴覚教材等(例えば、「植えてわるいけし」のスライド等)によりこの運動の趣旨を普及すること。
- (3)集会等の場の活用
- 各種団体が行う集会等を利用して講師の派遣、視聴覚教材等により、大麻・けしについて正しい知識を普及し、更に不正大麻・けしを発見した場合には、地区麻薬取締官事務所、都道府県薬務主管課、保健所又は警察署等に通報するよう本運動の趣旨の徹底を図ること。
- (4)大麻・けし栽培者に対する指導
- 大麻・けし栽培者に対して関係法令を遵守することは勿論、盗難その他による事犯を未然に防止するよう指導の徹底を図ること。
- (5)不正大麻・けしの発見除去等
- 都道府県は、地区麻薬取締官事務所及び関係機関と緊密な連携を保ち不正に栽培されている大麻・けし及び自生する大麻・けしの発見に努め、これを発見したとき、又は一般からの通報があったときには、速やかにこれを除去する等所要の措置を講ずること。
医薬安全局麻薬課
原 恒道 ・ 町田吉夫
TEL:[現在ご利用いただけません](内線2777・2778)
3595-2452(直通)