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平成12年4月25日
照会先:厚生省生活衛生局
     松原 食品保健課長
     内田 食品化学課長
担当者:食品保健課 中村、井関
      (内線 2447、2453)
     食品化学課 田所、宇山
      (内線 2486)

「組換えDNA技術応用食品・食品添加物の安全性審査の法的義務化」及び
「食品添加物の指定品目の削除及び整理」に関する食品衛生調査会の答申について


 組換えDNA技術応用食品・食品添加物の安全性審査の法的義務化について、平成11年11月12日付けで厚生大臣より食品衛生調査会あて諮問したところでありますが、本日付で食品衛生調査会より答申されました。
 また、平成11年12月20日付で諮問した食品添加物の指定品目の削除及び整理についても、本日付けで同様に答申されました。
 答申の内容は下記のとおりです。


1. 組換えDNA技術応用食品・食品添加物の安全性審査を法的に義務化することが適当である。
 なお、義務化に当たっては、バイオテクノロジー特別部会報告書に沿って行うことが適当である。(この報告書の概要は別添1のとおり)

2. 食品添加物の指定品目の削除及び整理については、別添2に沿って行うことが適当である。


(別添1)

遺伝子組換え食品の安全性審査の法的義務化について(報告書概要)

1 安全性審査の法的義務化の必要性

 遺伝子組換え食品の国際的な広がりや新たな食品の開発が予想されること、また、農林水産省所管の農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律による表示 の法的義務化が厚生省の安全性審査を前提としていることから、遺伝子組換え食品の安全性審査を法的に義務化することが必要であること。

2 義務化の具体的手段

 安全性審査の法的義務化は、現行の食品衛生法7条に基づく「食品、添加物等の規格基準」(厚生大臣告示)において、「食品が組換えDNA技術によって得られた生物の全部若しくは一部である場合又は当該生物の全部若しくは一部を含む場合には、当該生物は、厚生大臣による食品としての安全性審査を経たものでなければ ならない。」等と規定することで可能であり、新たな法律の制定や食品衛生法の一部改正等ではなく、規格基準の改正等により対応することが適当であること。

3 安全性審査の考え方

 現行の安全性評価指針及び製造指針の考え方には、現時点で変更を加えるべき点 はないことから、これを基本的に変えることなく法的義務化することが適当であること。
 これまでに安全性評価の審議をしてきた過程で得られた蓄積を基に、安全性評価の具体的な基準を「組換えDNA技術応用食品及び食品添加物の安全性審査基準案 」としてとりまとめたこと。

4 輸入時等の検証方法

 食品衛生法第16条に基づく「食品等輸入届け」において、安全性未審査の遺伝子組換え食品が輸入されないよう適切な届出をさせる必要があること。
 また、輸入又は国内流通する遺伝子組換え食品のモニタリング検査(抜き取り検査)を実施することが必要であること。

5 その他

 今後とも最新の科学的知見の収集に努め、それに基づいて遺伝子組換え食品の安全性審査を行うことが必要であること。
 遺伝子組換え食品の安全性に関する科学的な情報については、国民にわかりやすい形で提供されるよう、国や関係者は今後一層努力する必要があること。
 我が国の安全性審査の適切な運用を図るため、諸外国に対し、本制度の趣旨、内容が適切に伝わるよう努めるとともに、諸外国の情報を迅速に入手できる体制の整備に努めるべきであること。


(別添2)

食品添加物の整理検討について

1.基本的考え方

1)食品加工技術の進歩等により、指定食品添加物のうち現在、流通及び使用実績が確認されない品目については、指定を削除することが適切である。
2)食品添加物としての規格の整備等に伴い、規格は一つであるが同一化合物の結晶物及び無水物の両者が指定されている品目については、整理あるいは統合することが適切である。
3)食品添加物の指定及び削除に伴い、枝番号の増加、削除品目に対応する番号の欠落により別表第2は複雑化しており、番号の整理が必要である。

2.具体的事項

1)アセチルリシノール酸メチル、コリンリン酸塩及びピロリン酸第一鉄については輸入品を含めて食品添加物として使用実態はないと考えられ、食品添加物としての必要性が乏しいので、その指定を削除して差し支えない。

2)同一化合物の結晶物及び無水物の両者が指定されている次に掲げる食品添加物について、化合物名で統合して差し支えない。

(1)亜硫酸ナトリウム(結晶)・亜硫酸ナトリウム(無水)
(2)クエン酸(結晶)・クエン酸(無水)
(3)酢酸ナトリウム(結晶)・酢酸ナトリウム(無水)
(4)水酸化ナトリウム・水酸化ナトリウム(結晶)
(5)炭酸ナトリウム(結晶)・炭酸ナトリウム(無水)
(6)ピロリン酸四ナトリウム(結晶)・ピロリン酸四ナトリウム(無水)
(7)硫酸アルミニウムアンモニウム・硫酸アルミニウムアンモニウム(乾燥)
(8)硫酸アルミニウムカリウム・硫酸アルミニウムカリウム(乾燥)
(9)硫酸第一鉄(乾燥)・硫酸第一鉄(結晶)
(10)リン酸水素二ナトリウム(結晶)・リン酸水素二ナトリウム(無水)
(11)リン酸二水素ナトリウム(結晶)・リン酸二水素ナトリウム(無水)
(12)リン酸三ナトリウム(結晶)・リン酸三ナトリウム(無水)

3)食品添加物の指定及び削除に伴い、枝番号の増加及び削除品目に対応する番号の欠落により別表第2は複雑化しており、番号の整理を行うことが適切である。


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