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平成12年3月27日
1.本日開催した「いわゆる栄養補助食品の取扱いに関する検討会」において、別添のとおり、「いわゆる栄養補助食品の取扱いに関する検討会」報告書が取りまとめられたので公表します。
【別添資料】
(参考)これまでの日程
第1回 | 平成10年12月17日(木) | 第6回 | 平成11年9月20日(月) |
第2回 | 平成11年3月11日(木) | 第7回 | 〃 10月18日(月) |
第3回 | 〃 6月3日(木) | 第8回 | 〃 12月8日(水) |
第4回 | 〃 7月2日(金) | 第9回 | 〃 12月20日(月) |
第5回 | 〃 8月2日(月) | 第10回 | 平成12年3月27日(月) |
これまでの本検討会での議論については、議事録を行政相談室またはインターネット上(http://www.mhw.go.jp/shingi/seikatu.html#eiyouhojo)で公開
照会先 厚生省生活衛生局食品保健課 吉田新開発食品保健対策室長(内線2456) 担当:古畑(内線2458) 浅沼(内線2459)
1.意義及び目的
○栄養の補給・補完としての意義・目的
○QOL(生活の質)、健康の維持増進としての意義・目的
2.定義
○栄養成分を補給し、又は特別の保健の用途に適するものとして販売の用に供する食品のうち、錠剤、カプセル等通常の食品の形態でないもの
3.範囲
○ ビタミン、ミネラル、ハーブその他の食品成分
4.名称
○ 一般的な総称として「栄養補助食品」の名称を用いる。
5.表示
6.安全性の確保
7.その他
・ 特定保健用食品 | →保健用途の表示も認める(個別許可型) |
・ 栄養機能食品 | →栄養素機能表示まで認める(規格基準型) |
・ その他の健康食品 | →栄養素含有表示のみ |
(特定保健用食品、栄養機能食品の名称については、引き続き検討。)
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I.はじめに
我が国では、国民の健康に対する関心、知識の向上や、食経験に基づく知見の積み重ねなどから、特定の栄養成分を摂取することを目的とした製品が商品化され、錠剤、カプセル等の通常の食品の形態以外のものも、食品として扱われるようになってきた。
このような中で、食品衛生調査会及び公衆衛生審議会の関係部会より指示を受け、いわゆる栄養補助食品の在り方に関して検討を行うため、平成10年12月、厚生省生活衛生局長の下に、「いわゆる栄養補助食品の取扱いに関する検討会」を設け、これまでに10回の会合を持った。この間、平成11年11月には「論点整理事項」を公表し、一般からの意見を広く求めたほか、関係者から意見聴取を行い、平成12年1月には、中間報告書を公表し、再度意見の公募を行った。
II.検討の背景
1.我が国の現状
近年、わが国では、国民の健康に対する関心、知識の向上や、食経験に基づく知見の積み重ねなどから、ビタミン等について、特定の栄養成分を摂取することを目的とした製品が商品化され、錠剤、カプセル等の通常の食品の形態以外のものが食品としても取り扱われるようになってきた。このような動きの背景として、以下のような流れがある。
(1)規制緩和推進計画
平成8年3月には「規制緩和推進計画(改定)」が閣議決定され、医薬品の範囲の見直しについて、次のとおりとされた。
(2)OTO(市場開放問題苦情処理対策本部)決定
また、同月、OTO(市場開放問題苦情処理対策本部)決定がされ、栄養補助食品について、次のとおりとされた。
(3)医薬品の範囲の見直し
このような動きを背景として、厚生省では、医薬品の範囲の見直しについては、これまで、下記のビタミン、ハーブ類及びミネラル類については、「当分の間、「食品」の文字等を容器、被包前面及び内袋に分かりやすく記載する等食品である旨が明示されており、かつ、医薬品的な効能効果を標榜しないものについては、その形状がカプセル剤、錠剤又は丸剤であっても医薬品に該当しないものとして取り扱うものであること。」とした。
(4)注意喚起の通知
また、いわゆる栄養補助食品に係る注意喚起の問題については、アメリカで、ビタミンAの過剰摂取と奇形発現等の関係に関し、妊娠前3ヶ月から妊娠初期3ヶ月までにビタミンA補給剤を1日10,000μgレチノール当量以上継続摂取した女性から出生した児に、奇形発現率の増加が認められると推定されるとの疫学的知見が学術誌に報告されたことを受けて、厚生省では平成7年12月に、ビタミンAを含有する健康食品に関し、過剰摂取を防止するための表示等について、関係営業者の指導等を行うよう、各都道府県等に通知している。さらに、規制緩和推進計画に基づき医薬品の範囲が見直され、今後ビタミン又はミネラルを多量に含む食品の流通増加が予想され、また、「第六次改定日本人の栄養所要量」において、ビタミン又はミネラルの許容上限摂取量が示されたことに伴い、平成11年10月に、これら栄養素を多量に含む食品の過剰摂取の防止等の観点から、その留意点等について、各都道府県等に通知している。
(5)食薬区分の見直しに関する検討
口から摂取するものが薬事法に規定する医薬品に該当するか否かは、そのものの原材料、効能効果、形状及び用法用量等を総合的に検討し、そのものが消費者に医薬品としての目的を持っているとの認識をもたせるか否かで判断しているが、その基準は、「医薬品の範囲に関する基準」(昭和46年薬務局長通知)により示され、食品と称していても、この基準で医薬品と判断されるものは、薬事法違反として取り締まられている。
2.国際的な動向
諸外国の現状については、その国の法体系、習慣及び消費者の意識等により取扱いが異なるが、原則的に共通していることは、医薬品的な効能効果を目的としている場合、その物を医薬品と判断している。
(1)アメリカ
アメリカでは、1990年の「栄養表示教育法(Nutrition Labeling Education Act)」及び1994年の「栄養補助食品・健康・教育法(Dietary Supplement Health and Education Act)」(以下「DSHEA」という。)に基づき、食品への健康強調表示と機能表示が認められている。DSHEAにおいて、栄養補助食品(Dietary Supplement)は、ハーブ、ビタミン、ミネラル、アミノ酸等の栄養成分を1種類以上含有する栄養補給のための製品として定義付けられている。また、これらの形状は錠剤、カプセル、粉末、ソフトジェル、ジェルカプセル又は液状といった通常の食物の形以外の形状をとることとされている。栄養補助食品には、一定の機能表示(人体の構造と機能に対する効果)が記載できるとされているが、機能表示の記載に当たっては、表示内容は正しく、誤解を生じさせないものであること、及び「FDAによる評価を得ていないこと」や「疾病の診断・治療・予防に用いられるものではないこと」を記載することが求められている。また、栄養補助食品の構成成分にRDA(栄養所要量)が設定されているものについては、その含有量をRDAのパーセントで記載すること、及び「栄養補助食品」であることを表示しなければならない。しかし、当該栄養補助食品に含まれる食品成分に、服用量の上限を規定する考え方は示されていない。一方、この法律には栄養補助食品に関する品質の確立を図るために、GMP(good manufacturing practice;優良製造規範)の規則制定に関する項目が盛り込まれている。
(2)イギリス
イギリス農水省(MAFF)は1996年12月「機能性食品と健康強調表示に関するレビュー」を発表しているが、この中で、表示の裏付けとしての科学的データには厳しい要求をしている。これを受けて、産・官・消費者からなる第3セクターの「健康強調表示合同推進機構(JHCI)」が、食品の健康強調表示に関する実行規範(Code of Practice on Health Claims on Foods)の最終案を1998年11月に作成し、各団体での協議が進められている。この規範では、産・官・消費者からなる運営委員会と事務局で構成される管理組織(CAB)」を置くとするとともに、健康強調表示を、科学的に正しいことが既に広く知られている一般健康強調表示(Generic Health Claim)と、新たに企業が科学的に立証した新規健康強調表示(Innovative Health Claim)に分類し、その表示を行う場合は管理組織に提出し、チェックを受けなければない。
(3)カナダ
Health Canada(日本の厚生省にほぼ相当)が1998年11月Policy Paper: Neutraceutical/ Functional Foods and Health Claims on Foods と題する基本方針を発 表した。この方針に従って、アメリカの栄養表示教育法に基づく10の健 康強調表示の科学的根拠をレビューし、規格基準型の表示を制度化するプ ロジェクトと、新規の健康強調表示について製品毎に個別審査する制度の 検討プロジェクトが設置された。前者のプロジェクトは早期に結論を出す 予定となっているが、後者については長期間の検討を要すると考えられる。
(4)コーデックス
食品の国際的な規格やガイドラインを設定しているFAO/WHO合同食品規格計画(コーデックス)の栄養・特殊用途食品規格部会において、現在、栄養補助食品のガイドラインが討議中であるが、最終合意には、ある程度の年月を要するものと予想される。また、食品の表示については、コーデックスの食品表示規格部会で検討された結果、栄養強調表示ガイドラインが示されており、エネルギー値、たんぱく質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラル含有量等、その食品の栄養上の特性を表示することが認められている。なお、本ガイドラインでは栄養素機能表示についても示している。
このような食品は、適切に摂取すれば国民の健康の維持増進に寄与することができ、積極的に評価できる面もあるが、他方で商品によっては不適切な表示や不適切な方法による摂取などにより、健康を損なうことも考えられる。
そこで、このような食品について、適切な類型区分を設けて基準を設定し、その機能についての表示を認める一方、摂取上の注意事項などの表示をさせて、消費者が適切に選択できるようにすることが必要となっている。
既に、政府の規制緩和推進計画及び市場開放問題苦情処理推進会議(OTO)報告において、これまで医薬品として流通してきたビタミン等について、食品としても取り扱えるようにするとともに、栄養補助食品を新しいカテゴリーとする対応を検討することが決定されている。
また、アメリカではDietary Supplementという名称で、食品や医薬品とは別のカテゴリーが定められており、英国などEU各国では、食品の一類型として、表示方法等について制度化され、又は検討が進められている。さらに、食品の国際規格を定めるFAO/WHO合同食品規格委員会(コーデックス委員会)では、栄養成分表示の在り方について一定の結論が得られているほか、ビタミン及びミネラル補助食品の規格について検討が始められている。
この中間報告書は食品衛生調査会及び公衆衛生審議会へ提出され、その審議状況等を踏まえ、また、別途検討が行われていた「医薬品の範囲基準の見直しに関する検討会」での結論も踏まえた上で、今般、本検討会として、最終の報告書をとりまとめたものである。
なお、平成12年3月9日医薬安全局長通知により、上限摂取量が撤廃された。
しかし、この基準を示してから約30年が経過しようとしており、近年の食生活の多様化、国民の健康に対する関心の高まり等に伴い、医薬品や食品に対する意識が変化していることなどから、厚生省では、生活衛生局における栄養補助食品の制度の枠組みの検討と並行して、平成11年5月、医薬安全局長の下に「医薬品の範囲基準の見直しに関する検討会」を設置し、基準の見直しについて検討を行っており、平成12年3月23日に、同検討会報告書がとりまとめられている。
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