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平成12年3月22日

医薬品・医療用具等安全性情報159号(報道発表資料)


1.ベンズブロマロンと劇症肝炎について

該当商品名:ユリノーム、同25mg(鳥居薬品)他
年間推定出荷額:約60億円
 痛風治療薬ベンズブロマロン投与による劇症肝炎については、これまでに使用上の注意に記載し注意喚起を行ってきた。
 しかし、本剤の投与との関係が否定できない劇症肝炎と評価された症例がこれまでに8例(うち6例が死亡)となったことから、投与開始後6ヶ月間は、必ず定期的な肝機能検査を行うこと及び患者に倦怠感、食欲不振等の自覚症状に注意するよう徹底を図ることを新たに「警告」として設けるとともに、肝障害のある患者を「禁忌」の項に記載するなどの添付文書の改訂を行い、併せて「緊急安全性情報」の医療関係者への配布を行い、医療現場への情報提供の徹底を図った。


2.プラステロン硫酸ナトリウム製剤とアナフィラキシー様症状等について

該当商品名:マイリス注、同膣坐剤(鐘紡―日本オルガノン)他
年間推定出荷額:約25億円
 プラステロン硫酸ナトリウムは、昭和55年10月に注射剤が、平成9年7月に膣坐剤が承認された子宮頸管熟化剤である。注射剤については、従来より「使用上の注意」にショック、胎児徐脈に関する記載が行われてきたが、平成4年11月以降にアナフィラキシー様症状が4例、過強陣痛が2例報告されている。膣坐剤については、承認以降にアナフィラキシー様症状及び蕁麻疹が3例、胎児徐脈が1例報告されている。
 これらの報告を踏まえ、膣坐剤については、副作用発現時に直ちに処置が講じられるよう医師の管理・監督下で使用することとし、注射剤及び膣坐剤のそれぞれについて、「重大な副作用」を追記し注意喚起を行うこととした。


3.塩酸タムスロシンと起立性低血圧に伴う失神・意識喪失について

該当商品名:ハルナール0.1mg,同0.2mgカプセル(山之内製薬)
年間推定出荷額:約400億円
 塩酸タムスロシンは平成5年7月に承認された前立腺肥大症の排尿障害改善薬である。本剤投与に伴い血圧低下が発現することについては、発売直後の市販後調査の報告症例に基づいて平成6年11月より「使用上の注意」に記載して注意喚起を行ってきた。また、血圧低下に伴う一過性の失神、意識喪失についても外国での発現例がある旨注意喚起してきたが、今回国内においても主に起立性低血圧に伴って発現したと考えられる失神・意識喪失が5例報告されたことから、「重大な副作用」として一層の注意喚起を行うこととした。


4.カゼイン又はその塩類含有製剤と牛乳アレルギーについて

該当商品名:メイアクト錠100、小児用細粒(明治製菓)
年間推定出荷額:約210億円
 メイアクト錠及び小児用細粒についてはカゼインナトリウムを添加物として用い始めた後、牛乳に対しアレルギーのある患者が小児用細粒を服用してアナフィラキシー様症状等の過敏症状を発現した症例が報告されたため、「使用上の注意」を改訂し、本剤投与にあたり、牛乳アレルギーの有無を確認し、牛乳によるアナフィラキシー等の過敏症のある患者には投与しないよう注意喚起を行うこととした。また、本剤以外の医薬品に対しても添加物としてカゼイン又はその塩類を含有するものについては、同様の注意を記載することとした。


5.使用上の注意の改訂について
照 会 先
厚生省医薬安全局安全対策課
担当:俵木、大西
[現在ご利用いただけません](内線)2748,2757
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