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平成10年度国民健康保険財政状況について(市町村)
=速報=


1.一般被保険者分と退職被保険者分を合わせた収入合計は、8兆1,170億円で、対前年度3.6%(2,804億円)の伸びである。支出合計は、7兆8,994億円で、対前年度4.7%(3,564億円)の伸びである。
 収支差引額は、2,176億円(対前年度減少率25.9%、減少額760億円)で、国庫支出金精算額等を考慮した実質収支差引額は、2,460億円(対前年度減少率4.5%、減少額116億円)となっている。

2.このうち、一般被保険者分の収支状況については、収入合計6兆6,420億円、支出合計6兆4,445億円で、収支差引額が1,976億円、実質収支差引額が2,460億円となっているが、これを単年度経常収支(実質収支差引額から「基金繰入金」及び「繰越金」を除いたもの)でみると、赤字額は728億円増加しその総額は△1,020億円となり、赤字基調が続いている。

3.赤字額が増加した要因としては、平成9年度については、対前年度の収入の 伸び(2.2%)が支出の伸び(1.3%)を上回っていたのに対して、平成10年度については、対前年度伸び率が収入で3.6%、支出で4.7%となっており、支出の伸びが収入の伸びを上回ったことによる。
 支出が増加した主な要因は、老人保健拠出金(9年度伸び率3.6%、増加額699億円、10年度伸び率9.8%、増加額1,953億円)と保険給付費(9年度伸び率0.2%、増加額110億円、10年度伸び率2.9%、増加額1,483億円)の伸びが大きくなったことが挙げられる。
 収入について見ると、療養給付費交付金が退職者に係る老人保健拠出金の 1/2相当額(863億円)を含めて交付されたことから、その伸びが前年度に比べて大きく(9年度伸び率2.5%、増加額221億円、10年度伸び率14.1%、増加額1,281億円)、繰越金(9年度伸び率△5.9%、減少額162億円、10年度伸び率23.4%、増加額603億円)が増加している。一方、保険料(税)収入は、その伸び率(9年度伸び率5.2%、増加額1,426億円、10年度伸び率1.3%、増加額379億円)が鈍化しており、一般会計繰入金(法定分)(9年度伸び率1.1%、増加額42億円、10年度伸び率△3.4%、減少額132億円)が減少している。

4.実質収支ベースでみると、赤字保険者は120保険者で前年度に比べて12保険者減少したものの、赤字額は138億円増加し△783億円となっている。

5.単年度経常収支ベースでみると、赤字保険者は1,817保険者で前年度に比べて274保険者増加し、赤字額は406億円増加し、△1,541億円となっている。

6.市町村国保の単年度経常収支の状況は、平成9年度には同年の健保法改正等の影響で一時的に好転したが、平成10年度においては国保法等の改正の影響も一部みられるものの、保険料(税)収入が伸び悩む一方で給付は平成9年改正以前の伸びに戻っていること等から、引き続き赤字基調にある。
 平成12年度からの介護保険制度の施行により、新たに賦課される介護納付金による財政影響が見込まれること、また、今後とも高齢化の進展等に伴う医療費の増加等支出の増加が見込まれること等から、市町村国保の財政状況は引き続き厳しい状況にあると考えられる。


[ 速報版 ]
(1) 国民健康保険の財政状況 (市町村)
科目 9年度 10年度(見込み) 合計の対前
年度増減額
合計の対
前年度比
合計 一般
被保険者分
退職
被保険者分
合計 一般
被保険者分
退職
被保険者分

保険料(税) 億円
28,734
億円
24,659
億円
4,075
億円
29,113
億円
24,948
億円
4,165
億円
379

101.3
国庫支出金 28,424 28,424 28,892 28,892 468 101.6
療養給付費交付金 9,111 9,111 10,392 10,392 1,281 114.1
都道府県支出金 980 980 984 984 100.4
一般会計繰入金(法定分) 3,859 3,859 3,727 3,727 △ 132 96.6
一般会計繰入金(法定外) 2,864 2,864 3,060 3,060 196 106.8
基金繰入金 393 393 455 455 62 115.8
繰越金 2,581 2,475 106 3,184 3,025 159 603 123.4
その他 1,420 1,385 34 1,363 1,329 34 △ 57 96.0
合 計 78,366 65,041 13,325 81,170 66,420 14,750 2,804 103.6

総務費 1,889 1,889 1,902 1,902 13 100.7
保険給付費 51,063 38,113 12,949 52,546 39,000 13,546 1,483 102.9
老人保健拠出金 19,959 19,959 21,912 21,050 863 1,953 109.8
保健事業費 460 460 453 453 △ 7 98.5
その他 2,059 1,972 88 2,181 2,040 141 122 105.9
合 計 75,430 62,393 13,037 78,994 64,445 14,550 3,564 104.7
収支差引額 2,936 2,648 288 2,176 1,976 200 △ 760 74.1
国庫支出金精算額等 △ 360 △ 72 △ 288 284 484 △ 200 644
実質収支差引額 2,576 2,576 2,460 2,460 △ 116 95.5
単年度経常収支
(一般会計繰入(法定外)のうち、赤字補填額を除いた場合)
△ 292
(△ 1,969)
△1,020
(△2,995)

(注)
(1) 億円未満四捨五入のため合計金額と各科目の合算額とは一致しない。
(2) 「単年度経常収支」とは「実質収支差引額」から「基金繰入金」及び「繰越金」を除いたものである。
(3) 「老人保健拠出金」の平成10年度の退職被保険者分は、療養給付費交付金に含まれる退職被保険者に係る老人保健拠出金の2分の1相当額を計上している。


[ 速報版 ]
(2) 実質収支黒字・赤字保険者の状況
(単位:億円)
年度 黒字保険者 赤字保険者 赤字保険者の内訳
新規赤字保険者 継続赤字保険者
保険者数 金額 保険者数 金額 保険者数 金額 保険者数 金額
3,107 2,777 144 △ 687 76 △ 32 68 △ 655
3,097 2,761 152 △ 684 79 △ 28 73 △ 656
3,134 2,820 115 △ 714 41 △ 19 74 △ 696
3,117 3,222 132 △ 645 61 △ 17 71 △ 629
10 3,129 3,243 120 △ 783 46 △ 23 74 △ 760
(注)各欄の計数は、各年度の財政状況(見込み)によるものである。


(3) 単年度経常収支黒字・赤字保険者の状況
(単位:億円)
年度 黒字保険者 赤字保険者 赤字保険者の内訳
新規赤字保険者 継続赤字保険者
保険者数 金額 保険者数 金額 保険者数 金 額 保険者数 金額
1,094 361 2,157 △ 1,721 951 △ 339 1,206 △ 1,382
1,092 305 2,157 △ 1,374 642 △ 277 1,515 △ 1,097
1,132 505 2,117 △ 1,646 535 △ 174 1,582 △ 1,472
1,706 843 1,543 △ 1,135 395 △ 104 1,148 △ 1,032
10 1,432 521 1,817 △ 1,541 836 △ 371 981 △ 1,170
(注)各欄の計数は、各年度の財政状況(見込み)によるものである。


照会先 厚生省保険局国民健康保険指導室
    代表:[現在ご利用いただけません]
    内線:3263

平成10年度 退職者医療制度の実施状況について

1.療養給付費交付金等の確定状況(見込み)

区 分 平成10年度(見込み)
退職被保険者等数 4,617千人
退職者医療給付費 (A) 13,760億円
保 険 料 (B) 4,320億円
老人医療費拠出金相当額の1/2(C) 863億円
交付決定額 (A−B+C) 10,303億円
確定拠出率 6.44 ‰

2.退職被保険者等の適用状況 (単位:万人)

  本 人 被扶養者 適用率 (%)
7年 3月末 278 127 405 10.61
8年 3月末 285 129 414 10.73
9年 3月末 293 131 424 10.87
10年 3月末 306 137 443 11.13
11年 3月末 319 143 462 11.37

(注)適用率とは、市町村の全被保険者数に占める退職被保険者等数の割合である。


照会先 厚生省保険局国民健康保険課
    代表:[現在ご利用いただけません]
    内線:3260

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