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平成11年11月11日
I 調査の概要
II 結果の概要
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照会先: 厚生省保健医療局地域保健・健康増進栄養課 担当: 望月(2397)、八谷(2394)
1. 調査の目的
我が国の喫煙と健康問題に関して、(1)喫煙の実態、(2)ニコチン依存の程度、(3)受動喫煙の実態及び(4)たばこ対策への要望等を把握することにより、今後のたばこ対策に資することを目的とする。
2. 調査客体
平成10年国民生活基礎調査により設定された単位区から無作為に抽出した300単位区内の15歳以上の全世帯員を対象とした(ただし唾液コチニン濃度に関する調査については、上記300単位区から無作為抽出した75単位区の地区内の15歳以上の全世帯員を対象とした。)。
被調査者数は13,992人であり、回収数は12,858人、回収率は91.9%であった。
唾液コチニン濃度に関する調査については、被調査者数は3,288人、回収数は2,619人、回収率は79.7%であった。
3. 調査項目
4. 調査時期
平成11年2月17日から3月2日までの14日間
5. 調査系統
6. 調査方法
調査員が各世帯を訪問して、留め置き法による質問紙調査を実施した。回収は各世帯員ごとに密封回収で行った。
また、唾液コチニン濃度に関する調査については、調査員が各世帯を訪問して、唾液採取器具によりサンプルを採取し、測定した。
7. 用語の解説
用 語 | 意 味 | 備 考 |
現在喫煙者 | これまで合計100本以上または6ヶ月以上たばこを吸っている者で、過去1ヶ月間に、毎日又は時々たばこを吸っている者 | 対象者数:3,761人 (男:2,928人、女:723人) |
前喫煙者 | これまで合計100本以上または6ヶ月以上たばこを吸っている者で、過去1ヶ月間にたばこを吸っていない者 | 対象者数:1,018人 (男:836人、女:157人) |
非喫煙者 | これまで合計100本以上及び6ヶ月以上たばこを吸っていない者で、過去1ヶ月間にたばこを吸っていない者 | 対象者数:6,443人 (男:1,428人、女:4,855人) |
喫煙率 | 喫煙歴に関係なく「過去1ヶ月間に、毎日又は時々たばこを吸う者」が全体に占める割合 | |
初回喫煙年齢 | 生まれて初めてたばこを吸った年齢 | 回答者数:5,190人 |
習慣的喫煙 開始年齢 |
喫煙が習慣になったときの年齢 | 回答者数:3,580人 (現在喫煙者及び前喫煙者のみ集計) |
ニコチン依存度 | 定型的な質問への回答内容からニコチン依存の程度を推定。本調査ではジャービス氏の方法によっている。 | 範囲:1点〜12点 (得点が高いほど自分の意志でたばこをやめにくくなる) |
たばこ依存症判定 | 国際疾病分類第10回改訂版(ICD10)に準拠したたばこ依存症スクリーニング質問表(岐阜大学医学部)により、たばこ依存症の程度を計算。 | 範囲:0点〜10点 (得点が高いほどたばこ依存症である可能性が高い) |
受動喫煙 | (非喫煙者が)自分の意志とは無関係にたばこの煙にさらされ、それを吸引すること | 本調査では、喫煙者の受動喫煙の状況も調査した |
8. 調査客体の概要
表1 客体数、年齢階級別、地域別
全 国 | (百分率) | 北海道 | 東 北 | 関 東 | 東海北陸 | 近 畿 | 中 国 | 四 国 | 九 州 | |
総 数 | 12,858 | (100.0) | 486 | 1,266 | 4,043 | 2,336 | 2,077 | 797 | 462 | 1,391 |
20歳未満 | 824 | (6.4) | 27 | 82 | 282 | 134 | 125 | 56 | 24 | 94 |
20歳 代 | 2,025 | ( 15.7) | 61 | 165 | 725 | 342 | 321 | 149 | 50 | 212 |
30歳 代 | 1,970 | ( 15.3) | 53 | 162 | 643 | 396 | 296 | 139 | 69 | 212 |
40歳 代 | 2,184 | ( 17.0) | 80 | 229 | 705 | 370 | 340 | 130 | 87 | 243 |
50歳 代 | 2,215 | ( 17.2) | 88 | 203 | 701 | 408 | 421 | 101 | 63 | 230 |
60歳 代 | 1,865 | ( 14.5) | 90 | 207 | 526 | 366 | 301 | 108 | 76 | 191 |
70歳以上 | 1,719 | ( 13.4) | 87 | 215 | 444 | 313 | 255 | 113 | 90 | 202 |
不 詳 | 56 | ( 0.4) | - | 3 | 17 | 7 | 18 | 1 | 3 | 7 |
表2 客体数、年齢階級別、男女別
総 数 | 男 | 女 | 不詳 | |
総 数 | 12,858 | 6,069 | 6,433 | 356 |
20歳未満 | 824 | 394 | 404 | 26 |
20歳 代 | 2,025 | 1,036 | 949 | 40 |
30歳 代 | 1,970 | 933 | 996 | 41 |
40歳 代 | 2,184 | 1,062 | 1,074 | 48 |
50歳 代 | 2,215 | 1,072 | 1,078 | 65 |
60歳 代 | 1,865 | 878 | 939 | 48 |
70歳以上 | 1,719 | 680 | 980 | 59 |
不 詳 | 56 | 14 | 13 | 29 |
表3 客体数、男女別健康状態別
総 数 | 男 | 女 | 不詳 | |
総 数 | 12,858 | 6,069 | 6,433 | 356 |
とてもよい | 1,190 | 626 | 536 | 28 |
よ い | 2,926 | 1,453 | 1,390 | 83 |
ふ つ う | 6,734 | 3,108 | 3,470 | 156 |
あまりよくない | 1,269 | 592 | 642 | 35 |
よ く な い | 262 | 117 | 139 | 6 |
不 詳 | 477 | 173 | 256 | 48 |
*1)本概況では、百分率の計算を行う際には、「不詳」のカテゴリを除外した。
不詳を除外せず計算対象にした場合、例えば表2の男女比は男47.2%、女50.0%、不詳2.8%となるが、不詳を除外した場合には、男48.5%、女51.5%となる。
*2)唾液コチニン濃度に関する調査結果については、現在解析中のため、本概況には含めなかった。
図1-1 喫煙率(性、年齢階級別) | (参考) 成人喫煙率の年次推移 |
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出典:日本たばこ産業株式会社「全国喫煙者率調査」 |
喫煙人口 (千人) |
(推計) (%) |
男 | 女 | (参考) 推計人口(千人) |
|||
(千人) | (%) | (千人) | (%) | ||||
総数(15歳-) | 33,629 | (100.0) | 26,420 | (100.0) | 7,209 | (100.0) | 107,428 |
15-19 | 924 | (2.7) | 762 | ( 2.9) | 162 | (2.2) | 7,807 |
20-29 | 7,768 | (23.1) | 5,603 | (21.2) | 2,165 | (30.0) | 18,993 |
30-39 | 6,728 | (20.0) | 5,129 | (19.4) | 1,599 | (22.2) | 16,343 |
40-49 | 6,867 | (20.4) | 5,466 | (20.7) | 1,401 | (19.4) | 18,167 |
50-59 | 5,489 | (16.3) | 4,573 | (17.3) | 916 | (12.7) | 17,900 |
60-69 | 3,803 | (11.3) | 3,257 | (12.3) | 546 | ( 7.6) | 14,568 |
70歳- | 2,049 | (6.1) | 1,629 | ( 6.2) | 420 | ( 5.8) | 13,652 |
図3-1 初回喫煙年齢(現在喫煙・前喫煙別) | 図3-2 習慣的喫煙開始年齢(同左) |
図3-3 初回喫煙年齢(男女別) | 図3-4 習慣的喫煙開始年齢(同左) |
図4-2 年齢階級別1日当り喫煙本数(男) | 図4-3 年齢階級別1日当り喫煙本数(女) |
図5-1 禁煙希望の有無(総数) | 図5-2 禁煙を希望する理由(総数) |
図5-3 禁煙を希望する理由(男女別)
図6-1 喫煙再開希望の有無 | 図6-2 禁煙した理由(総数) |
図6-3 禁煙した理由(男女別)
女性の前喫煙者については、総数=157
図7-1 現在喫煙者のニコチン依存度 | 図7-2 前喫煙者のニコチン依存度 |
女性の前喫煙者については、総数=135 |
図7-3 現在喫煙者のニコチン依存度(習慣的喫煙開始年齢別) | |
30代以上については、総数=149 |
図の見方:
図7-3右図は、依存度がn点以上の人の割合を表したもので、例えば、ニコチン依存度が7点以上の者の割合は10代から喫煙を開始した者では75%弱、20代では70%程度、30代以降では50%弱であることがわかる。
表5 ニコチン依存度の平均値(図7-1,7-2及び7-3の各集団別)
7-1 現在喫煙者 | 7-2 前喫煙者 | 7-3 現在喫煙者 | ||||||||||||||||||
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図8-1 たばこ依存症判定(1) (現在喫煙者・前喫煙者別) |
図8-2 現在喫煙者のたばこ依存症判定(1) (習慣的に喫煙を始めた年齢階級別) |
30代以上については、総数=149 |
図8-3 たばこ依存症判定(2) (現在喫煙者・前喫煙者別) | 図8-4 現在喫煙者のたばこ依存症判定(2) (習慣的に喫煙を始めた年齢階級別) |
30代以上については、総数=149 |
図の見方:
図8-3及び8-4は、得点がn点以上の人の割合を表したもので、例えば、たばこ依存症度が5点以上の者の割合は、現在喫煙者では55%程度、前喫煙者(が喫煙していたころ)では45%程度であることがわかる。
図9-1 受動喫煙の割合(頻度、場所別) | 図9-2受動喫煙の割合(男女別) |
たばこが健康に与えるかもしれない影響についてどう思うかについては、「とても気になる」と答えた人は全体の41.5%、「少し気になる」は42.9%であった。「気になる人」の割合は、喫煙者で低く、現在喫煙者の「とても気になる」人の割合は21.9%にとどまっている。
図10 健康影響が気になる人の割合
10. 健康影響への関心
図12 喫煙で病気にかかりやすくなると思う人の割合(疾患別、総数:左、喫煙状況別:右) | |
図13 受動喫煙で病気にかかりやすくなると思う人の割合(疾患別、総数:左、喫煙状況別:右) | |
図14 その他の知識を知っている人の割合(知識の種類別、総数:左、喫煙状況別:右) | |
1 | 5分以内 | 4 | 30分〜1時間 |
2 | 5〜15分 | 5 | 1〜2時間 |
3 | 15〜30分 | 6 | 2時間以上 |
(質問2)たばこを全く吸わずに1日過ごすことはむずかしいですか?
1 とてもむずかしい |
2 むずかしい |
3 やさしい |
4 とてもやさしい |
(質問3)あなたは、通常、1日に何本吸いますか? 本
(「ときどき吸う方」は吸うときの1日の本数をお答えください。覚えていない場合は、記入しなくてもかまいません)
計算方法:
(2)回答が1→3点、2→2点、3→1点、4→0点
(3)1〜10本→1点、11〜20本→2点、21〜30本→3点、31本以上→4点
依存度 = (1)+(2)+(3) (範囲:1〜12点)
*)マーチン・ジャービス氏。「ファーガストロームたばこ依存度調査票」を基に作成したもの
1.たばこを吸い始めたときに考えていたよりも、多くのたばこを吸うようになっていますか? 2.禁煙したり減らそうとして、できないことはありましたか? 3.禁煙したり減らそうとしたときに、たばこが欲しくてたまらなくなることがありましたか?
4.禁煙したり減らそうとしたときに、次のどれかがありましたか? 5.上のことをなくすために、また、吸い始めたことがありましたか? 6.重い病気にかかり、たばこがその病気によくないとわかっているのに、たばこを吸い続けたことがありましたか? 7.たばこによって、せきや息ぎれなどの健康上の問題が起きたことがわかった後でも、たばこを吸い続けたことがありましたか? 8.たばこによって、イライラしたり神経質になるなどの精神的な問題が起きることがわかった後でも、たばこを吸い続けたことがありましたか? 9.自分は、たばこなしでいられなくなっていると感じることがありましたか? 10.たばこが吸えないような仕事やつきあいをさけることが、何度かありましたか? |
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