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「国立病院・療養所におけるコンピュータ西暦2000年問題
危機管理計画モデル例」について


 国立病院・療養所におけるコンピュータ西暦2000年問題への対応については、平成10年11月に作成した「国立病院・療養所等におけるコンピュータ西暦2000年問題対応実施要綱及びマニュアル」に基づき、部門毎に対象となるシステムや医療機器等についてリストアップを行うとともに、特に医療機器については点検漏れ等を防ぐため確認票シールの貼付を、平成10年12月末までに完了したところである。
 また、各施設における2000年問題によるシステム停止、誤作動等の不測の事態を想定した危機管理計画の策定を平成11年3月末までに終えたところである。
 今般、各施設から報告されている危機管理計画について、さらに詳細かつ具体的な内容とすべく、このたび厚生省国立病院部において「国立病院・療養所における西暦2000年問題危機管理計画モデル例」(以下、「モデル例」という。)を策定し、各施設における危機管理計画の改訂に資することとしたものである。
 なお、本「モデル例」は、民間医療機関等における活用に資するため、厚生省ホームページ(http://www.mhw.go.jp)に掲載し、幅広く公開しているところである。

(上記「モデル例」は、PDFファイルです。(467KB)PDFファイルを見るためには、アクロバットリーダーというソフトが必要です。アクロバットリーダーは無料で配布されています。
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1. 「モデル例」の基本的考え方

 本「モデル例」は、救命救急センター、ICUを有する病棟、循環器病棟、小児科病棟、結核病棟、精神病棟、重心病棟、筋ジス病棟を有する仮想の7病棟350床の病院を想定し、(1)12月下旬から1月3日までの各日の作業マニュアル、(2)2000年1月1日0時における待機体制、(3)システム等の復旧手順、復旧までの代替対応計画、(4)復旧体制、連絡網、連絡手順等を盛り込んだ危機管理計画のイメージを示したものである。

2.「モデル例」に基づく具体的な危機管理計画の改訂のポイント

(1)病棟毎の特性を反映するため、病棟単位で待機体制・代替手段等を策定すること。

ア.看護婦とともに医師の責任体制を明確化すること。
イ.12月31日夕方の申し送り時点で、患者の状況とともに生命に影響を与える可能性のある機器等を最終確認し、施設に設ける対策本部への報告を実施すること。
ウ.具体的な待機体制表、対応方法を作成すること。

(2)各部門の対応について、12月下旬から1月3日までの具体的な作業マニュアルを時系列的に策定すること。
(3)施設長以下施設幹部は、越年の待機体制のもと、待機を行うこと(対策本部の設置)。

(4)すべての部門について、システム等毎に担当者、連絡先、代替方法を具体的に策定すること。

(5)コンピュータシステムの動作確認は、各システムとの連携を考慮すること。

(6)模擬テストの実施等の事前確認が不可能であった医療機器等を設置しているすべての部門について、動作確認計画を作成すること。

(7)「コンピュータ西暦2000年問題対応確認票(医療機器等)」を貼付したすべての機器について、貼付後の模擬テスト完了日等の記入漏れがないよう注意すること。

(8)異常発生時の施設に設ける対策本部への報告にあたっては、患者等への対応を最優先とすること。また、正常稼働の場合も対策本部への報告を行うこと。

(9)必要に応じて、転院先等の確保を行うこと。

(10)必要に応じて、患者家族に対する事前説明を行うこと。

(11)在宅医療への対応を行うこと。

(12)ライフラインの供給停止も想定し、仮設資機材配置、飲料水の貯蔵量等を具体的 に策定すること。

(13)危機管理計画に基づく職員の教育・訓練を行うこと。

3.今後のスケジュール予定

平成11年7月9日   各施設における危機管理計画の改訂作業の開始
「モデル例」の厚生省ホームページへの掲載
(民間医療機関等における活用にも資するため、幅広く公開)
9月末日 「モデル例」に基づく各施設における改訂作業の完了と本省への提出
12月〜1月 危機管理計画に基づく対応の実施

(参考)
「国立病院・療養所等におけるコンピュータ西暦2000年問題対応実施要綱及びマニュアル」(平成10年11月)の主な内容

(1) 機器等のリストアップと確認票シールの貼付

 (1) 診療にかかわるコンピュータシステム、(2)マイクロ・コンピュータを搭載した医療機器、(3)一般設備を対象に病棟や部門毎にシステム等のリストアップを行うとともに、点検漏れを防ぐため、すべての医療機器について、確認票シールを貼付すること。
 →平成10年12月末までに完了。

(2) 模擬テストの実施

 単なる机上の論理チェックのみではなく、できるだけ本番に近い環境下で2000年1月1日以降のデータを入力する模擬テストを各メーカーの協力のもと実施すること。
 →現在、6月末現在の実施状況を集計中。

(3) 危機管理計画の策定

 すべてのシステム等について、システム停止、誤作動など不測の事態が生じた場合を想定した危機管理計画を策定すること。
 →平成11年3月末までに終了。


照会先:厚生省保健医療局
    国立病院部運営企画課
     山本 内線2615
     中島 内線2604
代 表 [現在ご利用いただけません]
ダイヤルイン03-3595-2261


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