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平成11年1月8日
厚生省健康政策局総務課
厚生省医薬安全局血液対策課
今般、別添のとおり「リンパ球液」の投与を受けた患者等に関する調査結果がまとまり、これを踏まえ、都道府県に医療機関に対して周知徹底を図ることが必要な事項について通知を発したのでお知らせします。
総第2号
医薬血第1号
平成11年1月8日
各都道府県衛生主管部(局)長 殿
厚生省健康政策局総務課長
厚生省医薬安全局血液対策課長
標記に関しては、先に、東京都内の診療所において、医師の資格のない者によって大学生等から採血された血液から、ウイルス等に関し安全性が確認されていない「リンパ球液」が薬事法上無許可で製造され、全国の数十の病院等において投与された事件が明らかになったことから、指第65号、医薬安第125号、医薬血第25号(平成10年10月15日付け厚生省健康政策局指導課長、医薬安全局安全対策課長及び血液対策課長連名通知)により、その旨周知するとともに、当該「リンパ球液」を投与した経験のある医療機関においては、投与を受けた患者に対し必要な受診の勧奨等につき、医療機関に周知徹底するよう通知したところである。
その後、医療法及び薬事法に基づく立ち入り検査を行う等により、事実関係等の把握に鋭意努めてきたところ、上記東京都内の診療所以外にも、「リンパ球液」が投与された事例が明らかになった。こうした事例に関しても、患者に対する受診勧奨等について医療機関に対し周知徹底を要請するとともに、必要に応じ薬事監視員及び医療監視員による立ち入り調査、指導等を行ってきているところである。
また、「リンパ球液」の投与を受けた患者等に関する調査の結果把握できた状況等は、現時点で別添のとおりである。
これらを踏まえ、下記の事項について、今後留意されることが必要と思料されることから、管下医療機関に周知徹底方お願いする。
1.
2.今回の事例にみられた「リンパ球液」等一般に有効性、安全性が確認されていない薬事法上の未承認薬の投与の適否にあたっては、特に、患者の病状に十分注意し、その治療方法の内容及び程度等について、診療時の学術上の見解や臨床上の知見等を踏まえ、診療上の必要性、その期待される効果、可能性のある副作用などすべての事情を十分考慮し、万全の注意を払いつつ、その取扱について慎重に検討すること。
3.今回の事例に見られたように、患者等から薬事法上の未承認薬等の使用を依頼された場合等においても、その安全性等について十分検討の上、慎重に対応するとともに、患者やその家族に対してその安全性等について十分説明し、その理解を得た上で実施すること。
4.我が国においては、これまで、献血思想の普及に努め、献血による血液事業の推進を図ってきたところであることから、その趣旨に照らし、採血を行う場合にあたっては、無償で行うべきものであること。
厚生省健康政策局指導課
厚生省医薬安全局安全対策課
厚生省医薬安全局血液対策課
今般のリンパ球液の投与に関する調査報告結果の概要は以下のとおりである。
1. | 調査医療機関 | 120ヶ所 |
2. | 関係都道府県 | 29都道府県 |
3. | リンパ球液を投与した医療機関 | 103ヶ所 |
4. | リンパ球液の入手方法(重複回答有り) | |
(1)患者・家族から | 82ヶ所 | |
(2)医師が仲介 | 15ヶ所 | |
(3)自院で調整投与 | 7ヶ所 | |
5. | 投与患者数 |
総 計 | 11,169名 | |
が ん | 10,729名 | (96.1%) |
その他 | 368名 | ( 3.3%) |
不 明 | 72名 | ( 0.6%) |
医療機関で調整し投与 | 他の医療機関での投与 | ||
投与患者数 | 総 数 | 9,799名 | 1,370名 |
が ん | 9,596名 | 1,133名 | |
その他 | 203名 | 165名 | |
不 明 | 0名 | 72名 |
6.投与後の経過が把握されている患者数
(2)副作用等 6名(投与患者全体の0.05%)
* なお、副作用については、発熱4名、その他2名で、感染症やGVHDの報告はなし。
照会先:医薬安全局血液対策課 河原(2905) 健康政策局総務課 池永(2514)
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