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8月15日報道発表資料

ボツリヌス菌による食中毒の発生について(第1報)


 8月14日、東京女子医科大学病院から「症状からボツリヌスによる食中毒が疑われる患者1名を診察した」との通報があった旨、東京都から連絡を受けた。
 患者は他に4名確認されており、いずれも7月24日に患者の経営するレストラン(千代田区九段北4−2−15 市ヶ谷プラザ2F 「カフェビストロブシュケ」)内で食事をしており、7月26日から症状を訴えていたとのこと。
 また、患者が喫食したオリーブ漬けを東京都立衛生研究所で検査した結果、当該オリーブの漬けこみ液及びオリーブの実からボツリヌスB型毒素が検出されている。
 報道機関におかれては、下記事項についての注意喚起をお願いする。


1 品名 「グリーンオリーブ」
2 形態 ガラスビン詰め 2,700g入り(品質保持期限2001.12.31)
このほか、内容量350gのものがある模様
3 ラベル表示 別紙のとおり
4 販売者 (有)ブリッジズ(川崎市高津区梶ヶ谷2−9−4)
5 輸入者 (有)アルタクラッセ(同上)
6 原産国 イタリア
7 原材料 オリーブ、食塩、酸味料(乳酸、クエン酸)
8 輸入日/輸入量  平成10年3月30日 1,980kg
平成10年4月21日 13,000kg
平成10年5月18日 4,130kg
平成10年8月11日 11,135kg
それ以前の輸入については現在調査中
9 流通先 調査中

10 手元に製品がある場合の対応

 当該製品を購入された方は、口に入れないようにして、捨てずに月曜日以降に最寄りの保健所に相談してください。
 販売店では店頭から下げ、月曜日以降最寄りの保健所に連絡してください。

11 患者が新たに発生した場合の対応

 治療用のボツリヌス抗毒素は以下の3カ所に保管されていることが確認されているので、緊急の場合には 各都道府県薬務担当課に連絡するとともに、これらの機関に連絡してください。

本日連絡がとれている機関(3カ所)

千葉県血清研究所
(千葉県市川市国府台2−6−1)
TEL 047−372−3571
(財)阪大微生物病研究会観音寺研究所 
(香川県観音寺市八幡町2−9−41)
TEL 0875−25−4171
(財)化学及血清療法研究所
(熊本県熊本市大窪1−6−1)
TEL 096−344−1211

問い合わせ先:生活衛生局食品保健課監視係
TEL [現在ご利用いただけません] 内2450


製品(2700gびん入り)のタグの記載内容

Green Olives
Bella di Cerignola
in brine
ingr.:olives,water,salt,natural spices
Acidifiers:lactic acid,citric acid
Drained weight:2700ge
packaged by:
PUGLIA CONCERVE s.r.l. Via Potenza,24-26
MODUNGO (BARI) ITALY
Tel./Fax.01139/80/5323727

ビン底ラベルの記載内容

品名
グリーンオリーブ

─────────
原産国:イタリア
原材料:オリーブ 食塩
酸味料(乳酸 クエン酸)
固形量:別途記載
品質保持期限:別途記載
★開栓後は冷蔵庫に保存し
お早めにお召し上がりください。
輸入者:(有)アルタクラッセ
販売者:(有)ブリッジズ
川崎市高津区梶ヶ谷2−9−4


ボツリヌス菌

Q:菌の特徴は

A:ボツリヌス菌は土壌や海、湖、川などの泥砂中に分布している嫌気性菌で、熱に強い芽胞を形成します。致命率が40%前後と高く、欧米では古くからハムなどによる「腸詰め中毒」として恐れられてきました。この菌は食品中などで生育に適した条件(発育温度3〜40℃、pH4.5以上で酸素がなく、水分や栄養がある状態)がそろうと毒素を産生します。この毒素は数百gで人類を絶滅させることができるほどの強力な神経毒で、A〜Fまでの型別に分類できます。ボツリヌス毒素は熱に弱く、80℃30分又は100℃10分間の加熱で分解し、毒力を失います。

Q:どんな食品が原因となりますか

A:我が国では魚の発酵食品「いずし」による事件が特に多い。他に外国ではキャビア、野菜などの自家製びん詰や缶詰、ハム・ソーセージ類があります。

Q:症状はどうですか

A:潜伏期間は約12時間から36時間で、はき気、おう吐や視力障害、嚥下困難(物を飲みづらくなる)などの神経症状が現れるのが特徴です。なお、重症の場合は呼吸困難をおこして死亡するケースもあります。

Q:予防のポイントを教えてください。

A:

(1)家庭で缶詰や酢づけ、ハム、発酵食品などを作るときは、材料をよく洗浄し、菌を除去すること。

(2)真空パックや缶詰、びん詰など、食品を嫌気的条件におくときは、ボツリヌス菌の生育を防止する条件[(i)120℃4分以上の加熱をする、(ii)pH4.5以下にする、(iii)食品を乾燥させ増殖を防ぐなど]を守る。

(3)100℃10分程度の加熱(80℃30分でも良い)後、食べる。

(4)真空パックや缶詰が膨張していたり、食品に異臭のあるときは食べない。

(5)いずしは厳寒期以外には加工せず、新鮮な魚を短期間低温の水にさらすこと。また、熟成の終わったいずしに酪酸臭のあるときは食べないこと。


問い合わせ先:生活衛生局食品保健課監視係
       TEL [現在ご利用いただけません] 内2450


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