報道発表資料 HOME

平成10年6月22日

第10回厚生科学審議会先端医療技術評価部会の概要


○本日午後2時から午後4時30分まで、第10回厚生科学審議会先端医療技術評価部会が開催された。

○最初に、第三者の卵子を利用した体外受精の事案について事務局から報告し、前回の部会で行った生殖補助医療技術について補足的に議論を行った。

○また、松田委員から、「出生前診断の実態に関する研究」について報告がなされ、引き続いて出生前診断の問題について議論を行った。

○最後に、次回(7月22日)は、東京大学医科学研究所における遺伝子治療臨床研究実施計画について議題とする予定であることを 事務局より報告し、了承された。

※当日の配布資料は、行政相談室に備え付けてあります。


生殖補助医療技術について(論点)

○生殖補助医療技術(体外受精)の利用目的・対象者(実施要件)について

(1)利用目的
・体外受精技術の利用は、他に代替手段がない場合に限定されるべきか、 又は、自然妊娠が可能な場合にも認められるか
・生まれてくる子の福祉との調和をどう考えるか

(2)対象者
・法律婚配偶者間に限定するか
・事実婚配偶者間は認められるか
・独身者は認められるか
・自然妊娠の可能性のない同性者同士や高齢者の場合等は認められるか

(3)配偶者死亡後等の配偶子、受精卵の利用
・配偶者死亡後の利用(凍結精子、凍結卵子、凍結受精卵)は認められるか(仮に認められるとした場合、保管ルール、責任、権利関係はどうすべきか)
・提供者死亡後の利用は認められるか

○精子、卵子、受精卵の提供について

(1)配偶子、受精卵の提供
・配偶者間の配偶子使用に限定すべきか、第三者の配偶子、受精卵の利用も認めるのか
(1)精子提供について、AIDが現実に広く実施されていることとの整合性をどう考えるか
(2)卵子提供について、採卵には身体的侵襲性があり、精子提供と事情が異ならないか

(2)仮に提供を認めるとした場合の条件
・当事者本人の配偶子の採取・利用が不可能の場合に限定すべきか
・少なくとも配偶子の片方は、当事者本人に由来するものに限定すべきか(仏国、スイスの例)
・提供者を兄弟姉妹等近親者に限定すべきか
・当事者に配偶子の選択を認めるか
・同一提供者から出生する子の数を限定すべきか(遺伝的、社会的混乱を防止する観点から、英国、仏国では限定(AIDの場合))
・商業主義を排除(売買禁止)し、ボランティアに限定すべきか(特に卵子提供の場合、その高度の侵襲性への配慮からの一定額の謝礼, 実費補償程度のものは許容できるか)
・第三者の体外受精で不要・余剰となった配偶子、受精卵の利用は認められるか

(3)その他の問題点
・提供者とその配偶者、当事者に対する説明と同意のあり方について
・提供記録の保存とプライバシーの保護について
・出生児の法的地位、遺伝的親を知る権利について

(参考)配偶子、受精卵提供の問題点は何か

○例えば次のような問題点があると考えてよいか

・卵子提供者への侵襲性等健康被害や事故のおそれ
・遺伝的問題(出生児同士の近親婚のおそれ等)
・家族観や倫理観等への社会的影響の大きさ
・商業主義への発展のおそれ
・出生児の法的地位が不明確で、人権上問題(遺伝的な親を知る権利と相続等の権利関係を含む。)



第10回厚生科学審議会先端医療技術評価部会

議事次第


1.日時 平成10年6月22日(月)
14:00〜16:00
2.場所 特別第1会議室(中央合同庁舎第5号館7階)
3.議事 生殖医療問題について


 照会先:厚生省大臣官房厚生科学課
     西沢(内3803)坂本(内3804)
     (代表)[現在ご利用いただけません]
     (直通)03-3595-2171


報道発表資料 HOME