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北海道産イクラによるO157食中毒事件について

1.事件の概要

(1)本年5月中旬から6月上旬にかけ富山県、東京都、千葉県、神奈川県及び大阪府において発生した腸管出血性大腸菌O157による食中毒事件の調査の結果、原因食品は北海道内の同一製造施設で製造されたイクラであることが判明。
(2)各都府県はこれらの食中毒事件を公表し、また、北海道は6月18日付けで当該製品の回収及び営業自粛を指示するとともに、出荷先都府県(22都府県)に対し、流通状況の調査、在庫品の検査、製品回収の指導等を依頼。
(3)神奈川県は、6月20日、県内に残されていたイクラ醤油漬け46検体中4検体からO157を検出し、公表。
(4)北海道は、汚染原因について鋭意調査中。

(参考)
1.いくら製造施設
 ○野付物産(株)
 北海道野付郡別海町尾岱沼潮見町114番地
2.製造量(平成9年8〜12月)
 いくら   140t
 いくら醤油漬け  94t
 (製造量  計234t)


2.現在までに判明した当該事件関係患者数(6月22日16時現在。患者数は疑いを含む)

富山県 17名
東京都 6名
千葉県 6名
神奈川県 8名 (横浜市2名を含む。)
大阪府 1名 (都内の施設で喫食)
(患者数 計38名)

これまでのところ、3名がHUS症状とのこと。


3.厚生省の対応

(1)情報の把握及び各都道府県等の食中毒調査に対する助言、指導。さらに原因究 明のため、厚生省担当官を北海道に派遣する予定。
(2)6月18日付けで各都道府県等に対し、食中毒予防対策の徹底を通知。
(3)ホームページを利用した食中毒予防についての注意喚起を早急に実施予定。


問い合わせ先
厚生省生活衛生局
食品保健課課長補佐 南  俊作 (2445)
乳肉衛生課課長補佐 桑崎 俊昭(2473)





衛食第63号
平成10年6月18日

  都道府県
各 政 令 市 衛生主管部(局)長 殿
  特 別 区
厚生省生活衛生局食品保健課長

食中毒の発生防止について

標記については、日頃から種々ご配慮を頂いているところであります。
 さて、本年におけるこれまでの食中毒発生状況を見ると、腸管出血性大腸菌、サルモネラ等の病原菌による食中毒は依然として多発しており、また幼児が被害者となる事例も散見され、例年食中毒が多発する夏期に向け一層の警戒が必要と思われます。
 ついては、食品の調理施設、製造・加工施設等関係営業施設に対する夏期一斉取締りの実施に当たっては、これら施設における衛生管理の徹底をお願いします。また、食品衛生週間等の実施に当たっては「家庭でできる食中毒予防の6つのポイント」等を活用して消費者への食品衛生知識の普及を図るとともに、さらに地域住民及び食品関係営業者に対し、病弱者、幼児、高齢者等への食品衛生上の配慮について啓発を行うなど一層のご尽力をお願いします。
 また、食中毒が発生した場合には、食中毒処理要領及び食中毒調査マニュアルに従い原因究明及び拡大防止等に万全を期するとともに、当職への速やかな報告も併せてお願いします。



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