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「厚生省自己点検の日」について


平成10年3月31日
厚 生 省

1.「厚生省自己点検の日」の趣旨

○ 特別養護老人ホームへの施設整備補助金を悪用した事件を契機として設置された施設整備業務等の再点検のための調査委員会が昨年3月31日に報告書を取りまとめた際に、厚生省の施設整備業務全般の再点検の趣旨を忘れることなく、今後とも厚生省職員一人一人が業務の適正な実施について不断の努力を続けていくため、毎年3月31日を「厚生省自己点検の日」としたところである。

○ 昨年の報告書で示された改善措置については、その着実な実施を図り、施設整備業務等の公平公正な執行に努めてきたところであるが、今般、厚生省自己点検の日を迎えるに当たり、以下のような取組みを行うこととした。

2.「施設整備業務等の再点検のための調査委員会」の本部会議の開催について

○ 昨年の報告書で示された

(1)特別養護老人ホームをはじめとする社会福祉施設、
(2)その他の分野の施設(医療関係施設、老人保健施設、水道・廃棄物処理施設、国立病院、社会保険関係施設)、
(3)出向人事等
に関する改善事項ごとに推進状況を確認し、その結果を「「施設整備業務等の再点検のための調査委員会報告書」の推進状況について」(別紙1及び2参照)として取りまとめた。

○ さらに、「施設整備業務等の再点検のための調査委員会」の本部会議において、報告書の推進状況を報告し、業務の適正化・透明化の重要性の認識を新たにすることとした。

[本部会議の概要]

日時: 3月31日(火)11時〜
場所: 厚生省特別第1会議室(7階)
構成員: 官房長(本部長)、総務審議官(本部長代理)、審議官(科学技術・児童家庭担当)、人事課長、会計課長、政策課長、厚生科学課長、社保険庁総務部総務課長、健康政策局総務課長、水道環境部計画課長、社会・援護局企画課長、社会・援護局施設人材課長、老人保健福祉局老人福祉計画課長

3.特別講演について

○ 厚生省自己点検の日に際し、外部の有識者を招き、厚生省職員に対し講話を頂くこととした。

[特別講演の概要]

講演者: 曾野綾子(作家)
日時: 3月31日(火)14時〜
場所: 低層棟2階講堂
参加対象者: 厚生省全職員を対象に実施する。


(別紙1)

「施設整備業務等の再点検のための調査委員会報告書」

の推進状況について(概要)

平成10年3月31日

厚 生 省

1.前書

○ 昨年3月31日の「施設整備業務等の再点検のための調査委員会報告書」で示された改善事項の実施状況を「厚生省自己点検の日」(3月31日)に当たり取りまとめた。

2.平成9年度末までの報告書の推進状況

(1)特別養護老人ホームをはじめとする社会福祉施設

【注】特別養護老人ホームの施設整備に係る問題点と総点検の結果を踏まえ、その他の社会福祉施設も含め、社会福祉施設の整備等に係る改善措置を講ずることとしたものである。

○ 報告書で示された

ア 補助金交付対象施設決定方法の明確化
イ 公共工事に準じた建設工事契約の適正化
ウ 幅広い人材の参画による公正な社会福祉法人の運営の確保
エ 監査・考査の改善
オ 共同募金会の指定寄付金制度の運用の適正化
のための通知を発出するなどの改善措置を平成9年度末までに講じた。

(2)その他の分野の施設等

(1)医療関係施設

【注】広く施設整備補助金に係る業務の一層の適正化を図る観点から、特別養護老人ホームの例も参考にしつつ、必要な改善措置を講ずることとしたものである。

○ 報告書で示された

ア 補助金交付対象施設決定方法の明確化
イ 建設工事契約の適正化
ウ 監査・考査等の改善

のための通知を発出するなどの改善措置を平成9年度末までに講じた。

(2)老人保健施設

【注】国庫補助を受けて行う老人保健施設の整備について、特別養護老人ホームの例も参考として、必要な改善措置を講ずることとしたものである。

○ 報告書で示された
ア 補助金交付対象施設決定方法の明確化
イ 建設工事契約の適正化
ウ 監査・考査等の改善

のための通知を発出するなどの改善措置を平成9年度末までに講じた。

(3)水道・廃棄物処理施設

【注】施設整備補助金に係る業務の一層の適正化を図る観点から、さらに改善を図ることとしたものである。

>○ 報告書で示された
ア 工事契約等の適正化
イ 国庫補助採択結果及び入札結果等の公表
ウ 新技術に係る採択基準等の明確化

のための通知を発出するなどの改善措置を平成9年度末までに講じた。

(4)国立病院、社会保険関係施設

【注】施設整備に係る業務の一層の適正化を図る観点から、さらに改善を図ることとしたものである。

○ 報告書で示された
ア 工事入札手続きの適正化
イ 管理、検査体制の強化
ウ 国立病院における物品購入、役務関係の契約の適正化

のために必要な検討の開始、地方医務局・施設への指導などの改善措置を平成9年度末までに講じた。

(5)出向人事等

【注】綱紀の保持や地方自治体への出向人事等の在り方についても見直しを行うこととしたものである。

○ 報告書で示された
ア 綱紀の保持
イ 出向人事の在り方

について綱紀の保持、厚生省職員倫理規程の遵守、贈答品の受領の禁止等の徹底や出向人事の見直しなどの措置を平成9年度末までに講じた。


(別紙2)

「施設整備業務等の再点検のための調査委員会報告書」

の推進状況について



平成10年3月31日

厚 生 省


目  次

1.前書

2.平成9年度末までの報告書の推進状況

特別養護老人ホームをはじめとする社会福祉施設
その他の分野の施設等

(1)医療関係施設
(2)老人保健施設
(3)水道・廃棄物処理施設
(4)国立病院、社会保険関係施設
(5)出向人事等

3.報告書指摘事項以外の対応状況

1 平成9年度の取組み

(1)行政監察に基づく再勧告への措置
(2)予算、融資における措置
(3)社会福祉法人・社会福祉施設の整備、運営の在り方の検討
社会福祉の基礎構造改革の取組状況

(4)個別の不祥事への対応

2 社会福祉施設等に係る改善措置の地方公共団体における取組状況調べ(概要)
3 彩福祉グループ事件の処理


1.前書

○ 特別養護老人ホームへの社会福祉施設整備補助金等を悪用した事件を契機として、平成8年12月5日に厚生省内に「施設整備業務等の再点検のための調査委員会」が設置された。同調査委員会では、特別養護老人ホームをはじめとする社会福祉施設、医療関係施設、老人保健施設、水道・廃棄物処理施設及び国立病院、社会保険関係施設並びに出向人事の在り方等について見直しを行い、昨年3月31日に「施設整備業務等の再点検のための調査委員会報告書」(以下「報告書」という。)を取りまとめたところである。

○ その際、報告書の取りまとめの日である毎年3月31日を「厚生省自己点検の日」とし、報告書で示された改善事項の実施状況を再点検していくこととしたところである。報告書で指摘された事項のうち可能なものは、平成9年3月末までに所要の通知の改正等を行ったところであるが、その後に通知の改正等が行われた事項もあり、今般、厚生省自己点検の日の一環として平成10年3月末までの推進状況を取りまとめた。

2.平成9年度末までの報告書の推進状況

1.特別養護老人ホームをはじめとする社会福祉施設
報告書で示された改善事項
平成9年度末までの実施状況
1.補助金交付対象施設決定方法の明確化
(1)国における整備(協議)基準
の明確化=通知化
(平成9年3月通知)
 平成9年3月6日付社援施第36号「平成9年
度社会福祉施設等施設整備費及び社会福祉施設等
設備整備費の国庫負担(補助)にかかる協議につ
いて」(障害保健福祉部長、社会・援護局長、老
人保健福祉局長、児童家庭局長。以下「3月6日
付社援施第36号」という。)、同日付老計第29
号「平成9年度老人福祉施設整備にかかる協議基
準等について」(老人福祉計画課長)、同日付児
企第6号「平成9年度児童福祉施設の整備にかか
る選定基準等について」(児童家庭局企画課長)
及び同日付障障第28号「平成9年度障害者施設
の整備に係る協議基準等について」(障害福祉課
長)により、社会福祉施設の整備に係る協議基準
を通知。
(2)都道府県市における補助金交
 付対象施設選定の適正化
 ア.合議制による審査
 (平成9年3月通知、平成9
  年度追加協議分から実施)
 イ.都道府県市における国庫
   補助協議施設の公表
    (平成9年3月通知、
    平成9年度実施)
 ウ.国における分かりやすい
   内示結果の公表
     (平成9年度実施)
 ・都道府県別概況一覧を示す
 ・ホームページの活用


 3月6日付社援施第36号及び平成9年3月2
8日付社援企第68号「社会福祉法人の認可等の
適正化並びに社会福祉法人及び社会福祉施設に対
する指導監督の徹底について」(障害保健福祉部
長、社会・援護局長、老人保健福祉局長、児童家
庭局長。以下「3月28日付社援企第68号」と
いう。)により、補助金交付対象施設の審査を合議
制で行うこと、国庫補助協議施設を公表することを
通知。
平成9年度より、従来より実施している個別施
設毎の内示の閲覧に加え、都道府県別の内示概況
を厚生省ホームページに掲載。
(3)施設整備と独立した法人審査
 体制の確立
 (平成9年3月通知、平成9
 年度追加協議分から実施)
 ア.合議制による法人審査実
   施
 イ.同一人が複数の法人を設
   立する際の審査事項等を
   規定
 3月6日付社援施第36号及び平成9年3月2
8日付社援企第68号により、合議制による法人
審査の実施等の取扱いについて通知。
(4)社会福祉・医療事業団融資審
 査と国庫補助協議の並行実施
 ・連携
 ア.法人の設立認可申請と事
   業団への融資申込み手続
   きを早め、国庫補助協議
   と並行して審査を行う
    (平成8年度通知、
     平成10年度実施)
 イ.連帯保証人及び多額の償
   還財源寄付者の意思確認
   を行う等厳正な融資審査
   を行う
    (平成9年3月通知、
     平成9年度実施)
 ウ.補助金申請、法人認可、
   事業団融資の際の提出書
   類の記載事項の統一化等
   事務の簡素化を図る
    (平成9年3月通知、
     平成10年度実施)



 3月6日付社援施第36号及び3月28日付社
援企第68号により、国庫補助協議と並行して事
業団融資申し込みを受け付け、順次審査を実施。



 平成9年度より、事業団が設置した「貸付業務
の事務処理見直しに関する検討委員会」の報告書
に基づき、連帯保証人及び多額の償還財源寄与者
の意思確認等、融資審査の厳格化を実施。


 平成10年度協議分より、国庫補助金の協議書
と事業団融資の申込書の記載事項等を統一。
(5)民間団体による施設整備補助
 の場合(国庫補助に原則とし
 て準拠)(平成9年度通知、
      平成10年度実施)
 3月6日付社援施第36号及び3月28日付社
援企第68号により、平成10年度の整備計画か
ら民間団体補助を国庫補助に準じた取り扱いする
よう通知。
2.公共工事に準じた建設工事契約の適正化
(1)公共工事に準じた契約手続
    (平成9年度通知、
     平成9年度実施)
 ア.県の公共工事に準じた契
   約手続
 イ.一括下請負(「丸投げ」)
   の禁止
   →補助要綱での明確化=違反
    時には補助金返還
 平成9年11月5日付厚生省発社援第219号
「社会福祉施設等施設整備費及び社会福祉施設等
設備整備費の国庫負担(補助)について」(厚生
事務次官)により公共工事に準じた手続とするこ
とについて交付要綱の一部改正を通知。
(2)入札の実効を確保するための
 指導項目の明示
    (平成9年3月通知、
     平成9年度実施)
 ア.入札への監事、理事及び
   評議員の立会い
 イ.入札結果の開示
 3月28日付社援企第68号により、社会福祉
施設の施設整備について入札結果の開示等の取扱
いを通知。
(3)都道府県市による現地調査の
 実施(平成9年3月通知、
     平成9年度実施)
 ・設計監理者、請負業者立会
  いの下に、公共事業担当部
  局と連携をとって現地調査
 3月28日付社援企第68号により、社会福祉
施設の施設整備について都道府県市による現地調
査の実施の取扱いを通知。
3.幅広い人材の参画による公正な社会福祉法人の運営の確保
(1)幅広い人材の理事会への積極
 的参画(平成9年3月通知)
 ・老人福祉及び障害福祉に係
 る入所施設を経営する法人
 については、理事の半数以
 上を社会福祉事業について
 知識経験を有する者及び地
 域の福祉関係者の中から幅
 広い人材の参画を求める。
 3月28日付社援企第68号により、社会福祉
法人の理事会に幅広い人材を参画させることを通
知。
(2)評議員会の活用等による幅広
 い人材の法人運営への参画
 (老人福祉及び障害福祉に係
  る入所施設を経営する法人
  についてはア又はイの措置
  を講ずる)
    (平成9年3月通知)
 ア.理事数の増員(10名以上)
 イ.入所者の家族等が加わっ
   た評議員会の設置
 3月28日付社援企第68号により、老人福祉
に係る入所施設等を経営する社会福祉法人につい
て、幅広い人材を法人運営に参画させることを通
知。
(3)監事監査の充実による法人内
 部牽制機能の確保
    (平成9年3月通知、
     平成9年度実施)
 ア.毎年定期監査を実施
 イ.監査報告書を所轄庁に直
   接報告
 ウ.外部の専門家による外部
   監査の活用も含め監事機
   能を充実
 3月28日付社援企第68号により、社会福祉
法人の監事監査の充実等を通知。
(4)役員の公開
    (平成9年3月通知、
     平成9年度実施)
 ・所轄庁において全ての理事
  及び監事の氏名を公開
 3月28日付社援企第68号により、社会福祉
法人の役員の氏名の公開を通知。
(5)財務諸表等の自主的な開示
 ・施設の広報等を通じ、事業
  報告書、財務諸表等を自主
  的に開示
    (平成9年3月通知、
     平成9年度実施)
 3月28日付社援企第68号により、社会福祉
法人の財務諸表等の自主開示を通知。
4.監査・考査の改善
(1)法人審査基準等の改正を踏ま
 えた法人・施設監査の指針の
 見直し(平成9年度通知、
     平成9年度実施)
 平成9年3月27日付社援監第42号「保護施
設等に係る指導監査の実施について」(社会・援
護局長。以下「3月27日付社援監第42号」とい
う。)、平成9年3月28日付児発第216号「平
成9年度児童福祉行政指導監査の実施について」
(児童家庭局長。以下「3月28日付児発第216
号」という。)、平成9年3月31日付老指第81号
 「老人福祉施設等に係る指導監査の実施につい
て」(老人保健福祉局長。以下「3月31日付老指
第81号」という。)、平成9年3月31日付障企第
148号「障害福祉施設等に係る指導監査の実施
について」(障害保健福祉部長。以下「3月31
日付障企第148号」という。)により、法人審
査基準等の改正を踏まえた平成9年度の社会福祉
法人、社会福祉施設の監査の指針を通知。
(2)施設開設前の法人に対する都
 道府県市の監査の実施
    (平成9年3月通知、
     平成9年度実施)
 3月27日付社援企第68号、3月28日付児
発第216号、3月31日付老指第81号、3月
31日付障企第148号により、施設整備中の法
人に対する監査について通知。
(3)物品の購入手続等に関する都
 道府県市の指導監査の実施に
 ついて、今後とも指導を徹底
    (平成9年度実施)
 3月27日付社援監第42号、3月28日付児
発第216号、3月31日付老指第81号、3月
31日付障企第148号により、平成9年度から
の物品の購入手続等に関する都道府県市の指導監
査の取扱いについて通知。
(4)国における施設整備に関する
 指導監査の実施
    (平成9年度実施)
 3月27日付社援監第42号、3月28日付児
発第216号、3月31日付老指第81号、3月
31日付障企第148号により、平成9年度から
の国における施設整備に関する指導監査の取扱い
について通知。
(5)都道府県市の法人担当職員の
 研修の実施
    (平成9年度実施)
 平成9年4月22日付社援施第73号「平成9
年度社会福祉研修について」(社会・援護局長)
により、平成9年度の都道府県市の法人担当職員
の研修について通知。
(6)国の補助金執行の内部指導監
 査体制の見直し
    (平成9年度検討)
 ・補助金の執行に関する指導
  、大臣官房における会計監
  査等の充実



「厚生省所管の補助金等実態調査要領」を策
定。
5.共同募金会の指定寄付金制度の運用の適正化
(1)法人と特別の関係にある寄付
 者についての審査の徹底
 ・受配者の役職員及びその親
  族、建設請負業者、物品納
  入業者等からの指定寄付は
  、報酬の受給状況、契約手
  続、受配法人の理事会の決
  定状況等が適正である場合
  に認める。
    (平成9年度通知、
     平成9年度実施)
 平成9年6月16日付社援企第104号「共同
募金会に対してなされた寄付金(共同募金を除
く)についての税制上の取扱いについて」(社会
・援護局長通知。以下「6月16日付社援企第1
04号」という。)により、指定寄付金の審査の
徹底について通知。
(2)一定額以上の指定寄付金につ
 いて公表(平成9年度通知)
      平成9年度実施)
 平成9年6月16日付社援企第104号によ
り、受配者ごとの配分額が3000万円を超える指定
寄付金の寄付者等の公表について通知。


2.その他の分野の施設等

(1)医療関係施設
報告書で示された改善事項
平成9年度末までの実施状況
1.補助金交付対象施設決定方法の明確化
(1)国における整備(協議)基準
 の明確化 = 通知化
     (平成9年4月)
 平成9年4月30日付健政発第427号「医療施
設等施設整備費の国庫補助にかかる協議等につい
て」(障害保健福祉部長、健康政策局長、保健医療
局長、児童家庭局長、保険局長。以下「4月30日
付健政発第427号」という。)により、平成10
年度の整備計画からの取扱いについて通知。
(2)都道府県における補助金交付
 対象施設選定の適正化
 ア.合議制による審査
     (平成9年度通知、
      平成10年度実施)
 イ.都道府県における国庫補
   助協議施設の公表
     (平成9年度通知、
      平成10年度実施)
 ウ.国における内示結果の公
    表(平成9年度実施)
   ・都道府県別概況一覧を
    示す
   ・ホームページの活用


 4月30日付健政発第427号により、平成10
年度の整備計画からの取扱いについて通知。

 4月30日付健政発第427号により、平成10
年度の整備計画からの取扱いについて通知。


 平成9年度より、補助金交付対象施設の都道府県
別の内示結果を厚生省ホームページに掲載し、また
個別施設一覧の広報室等における閲覧を実施。
(3)国庫補助協議と社会福祉・医
 療事業団融資との連携
     (平成9年度通知、
      平成10年度実施)
 ・1億円以上の国庫補助申請
  を予定しており、かつ、事
  業団融資を予定している施
  設について、事前相談の実
  施




 4月30日付健政発第427号により、平成10
年度の整備計画からの取扱いについて通知。
 さらに具体的な取扱いについて、平成9年10月
31日付指第91号「医療施設等施設整備費の国庫
補助にかかる協議に当たっての取扱い等ついて」
(健康政策局指導課長。以下「10月31日付指第
91号」という。)により通知。
2.建設工事契約の適正化
(1)1億円以上の国庫補助を受け
 た施設について、原則5社以
 上の競争入札の実施
     (平成9年度通知、
      平成10年度実施)
 4月30日付健政発第427号により、平成10
年度の補助対象事業からの取扱いについて通知。
やむを得ず随意契約を行う場合の具体的な取扱い
について、10月31日付指第91号により通知。
(2)一括下請負(「丸投げ」)の禁
 止(補助要綱での明確化=違
 反時には補助金を返還)
     (平成9年度通知、
      平成9年度実施)
 4月30日付健政発第427号により、平成9年
度の補助対象事業からの取扱いについて通知。
医療施設等施設整備費補助金交付要綱(平成9年
6月24日付厚生省発健政第108号により一部改
正)の交付の条件において、一括下請負を禁止する
旨の条文を追加。
(3)入札結果等の公開
 ・都道府県において公開
   (平成9年度通知、
    平成10年度実施)
 4月30日付健政発第427号により、平成10
年度の補助対象事業からの取扱いについて通知。
3.監査・考査等の改善
(1)1億円以上の国庫補助を受け
 た施設について、都道府県に
 よる現地調査の実施
     (平成9年度通知、
      平成10年度実施)
 4月30日付健政発第427号により、平成10
年度の補助対象施設からの取扱いについて通知。
(2)同一人物が複数の法人を設立
 する際の審査事項を規定
     (平成9年度通知、
      平成9年度実施)
 平成10年3月26日付健政発第349号「医療
法人の認可の適正化について」通知により、医療法
人の設立認可に係る審査事項を通知。


(2)老人保健施設
報告書で示された改善事項
平成9年度末までの実施状況
1.補助金交付対象施設決定方法の明確化
(1)国における整備(協議)基準
 の明確化=通知化
    (平成9年4月通知)
 平成9年4月30日付老健第91号「老人保健施
設整備計画に係る審査事項について」(老人保健福
祉局老人保健課長)により、老人保健施設整備計画
審査事項を通知。
 平成10年2月13日付老発第95号「平成10
年度における老人保健施設整備に対する国庫補助等
に係る協議について」(老人保健福祉局長)により、
平成10年度協議要領を通知。
(2)都道府県における補助金交付
 対象施設選定の適正化
 ア.合議制による審査
    (平成9年度通知、
     平成10年度実施)


 イ.都道府県による国庫補助
   協議施設の公表
    (平成9年度通知、
     平成10年度実施)
 ウ.国における内示結果の公
   表(平成9年度実施)
   ・都道府県別概況一覧を
    示す
   ・ホームページの活用


 平成9年6月16日付老健第124号「老人保健
施設の施設整備に係る国庫補助等の取扱いについ
て」(老人保健福祉局長。以下「6月16日付老健
第124号」という。)により、老人保健施設の施
設整備に係る国庫補助等の取扱いを通知。
 6月16日付老健第124号により、老人保健施
設の施設整備に係る国庫補助等の取扱いを通知。


 平成9年度より、都道府県別の内示結果を厚生省
ホームページに掲載し、また、個別施設一覧の広報
室等における閲覧を実施。
(3)国庫補助協議と社会福祉・医
 療事業団融資との連携
 ・法人を新設して事業団借入
  れを予定している施設につ
  いて、事前相談の実施
    (平成9年度通知、
     平成10年度実施)
 平成9年10月28日付老健第222号「新たに
法人を設立して老人保健施設の施設整備を行う場合
の老人保健施設整備計画に係る社会福祉・医療事業
団融資の事前相談について」(老人保健福祉局老人
保健課長)により、新設法人に係る社会福祉・医療
事業団の事前相談要領を通知。
2.建設工事契約の適正化
(1)原則5社以上の競争入札の実
 施(平成9年度通知、
   平成10年度実施)
 6月16日付老健第124号により、老人保健施
設の施設整備に係る国庫補助等の取扱いを通知。
平成9年4月1日付「平成9年度特別保健福祉事
業(老人保健施設整備事業分)の助成について」
(社会保険診療報酬支払基金。以下「特別保健福祉
事業費助成金交付要領」という。)等において原則
5社以上の競争入札に付すことを明文化。
(2)一括下請負(「丸投げ」)の禁
 止(補助要綱での明確化=違
 反時には補助金返還)
    (平成9年度通知、
     平成9年度実施)
 6月16日付老健第124号により、老人保健施
設の施設整備に係る国庫補助等の取扱いを通知。
特別保健福祉事業費助成金交付要領等において一
括下請負(「丸投げ」)禁止を明文化。
(3)入札結果等の公開
 ・都道府県において公開
    (平成9年度通知、
     平成10年度実施)
 6月16日付老健第124号により、老人保健施
設の施設整備に係る国庫補助等の取扱いを通知。
3.監査・考査等の改善
(1)建設工事中間時点での都道府
 県に対する書面等での報告
    (平成9年度通知、
     平成10年度実施)
 6月16日付老健第124号により、老人保健施
設の施設整備に係る国庫補助等の取扱いを通知。
(2)都道府県による施設開設許可
 時の公共事業担当部局と連携
 をとった現地調査の実施
    (平成9年度通知、
     平成10年度実施)
 6月16日付老健第124号により、老人保健施
設の施設整備に係る国庫補助等の取扱いを通知。


(3)水道・廃棄物処理施設
報告書で示された改善事項
平成9年度末までの実施状況
1.工事契約等の適正化
(1)一括下請負の禁止の徹底
 → 補助要綱等で規定
 =違反時には補助金返還
   (平成9年度通知、
    平成9年度実施)
 簡易水道等施設整備費国庫補助金交付要綱(平成
9年6月6日付厚生省生衛第614号により一部改
正)等の交付の条件において、一括下請負を禁止す
る旨の条文を追加。
(2)市町村における技術選定委員
 会の設置の徹底
 (平成9年度検討)
 一般廃棄物処理施設整備のあり方に関する検討委
 員会にて検討中。
(3)合併処理浄化槽について、市
 町村における現場確認、工事
 状況の写真審査、補助金交付
 事務と出納事務の相互チェッ
 クの指導の徹底
(平成9年度通知)
 平成9年6月30日付衛浄第24号「合併処理浄
化槽設置整備事業及び特定地域生活排水処理事業に
係る国庫補助事業の適正執行について」(生活衛生
局水道環境部環境整備課浄化槽対策室長)により、
合併処理浄化槽の設置整備事業等に係る国庫補助金
の適正な執行について通知。
2.国庫補助採択結果及び入札結果等の公表
(1)国における内示結果をホーム
 ページに掲載
    (平成9年4月実施)
 都道府県別の内示結果を厚生省ホームページに掲
載し、また、市町村別の一覧の広報室等における閲
覧を実施した。
(2)入札結果等の公表の徹底
(平成9年度通知)
 平成9年6月30日付衛水第197号・衛環第2
07号「環境衛生施設整備事業費国庫補助事業の適
正執行について」(生活衛生局水道環境部水道整備
課長、環境整備課長)により、環境衛生施設整備事
業費国庫補助事業の適正執行について通知。
3.新技術に係る採択基準等の明確化
(1)新技術に係る採択基準の明確
 化(検討会を設ける等により
 検討)
    (平成9年度実施)
 生活環境審議会水道部会施設基準等専門委員会及
び一般廃棄物処理施設整備のあり方検討委員会にて
検討中。
(2)合併処理浄化槽に係る重点配
 分の基本方針の明確化=通知
 化
    (平成9年3月通知)
 平成9年3月13日付衛浄第14号「平成9年度
における合併処理浄化槽設置整備事業及び特定地域
生活排水処理事業に係る国庫補助の優先配分の基本
方針について」(生活衛生局水道環境部環境整備課
浄化槽対策室長)により、平成9年度国庫補助の優
先配分の基本方針について通知。


(4)国立病院、社会保険関係施設
報告書で示された改善事項
平成9年度末までの実施状況
1.工事入札手続きの適正化
(1)入札業者の資格審査の充実
 ・入札参加業者に係る資格審
  査に必要な情報収集の合理
  化(外部データの活用)を
  検討
     (平成9年度実施)
 建設省所管の(財)建設業技術者センター及び(財)
日本建設情報総合センターと打ち合わせを行い、必
要経費及び外部データの活用について検討中。
 なお、現行の外部データベースは、公共工事に関
する情報のみであることから、同システムの導入に
あたっては、工事実績情報について民間の建築実績
を収録する等の拡充整備が必要である。
(2)入札結果等の公表
 ・入札参加業者、落札業者者
  及び落札価額についてホー
  ムページへの掲載の試行・
  実施
     (平成9年度実施)
 平成9年度より、厚生省ホームページ・トピック
スに既に平成9年度分の入札結果(一般競争)を掲
載済み。
2.監理、検査体制の強化
(1)国立病院関係施設の工事監理
 について業務量の平準化等を
 検討
(平成9年度実施)
 長期にわたる大型建替等整備工事について、現行
の2か年度国債から長期国債(最長5か年度)を活
用することで、現行の年度毎契約ではなく一括契約
が可能となり、工期設定が柔軟にできるとともに、
契約・工事関係書類の重複等を防止できることから、
現在、長期国庫債務負担行為の活用を検討している。
(2)社会保険関係施設の検査につ
 いて省内各部局等における建
 築等専門職員との連携の強化
    (平成9年度実施)
 平成9年5月15日の地方医務局施設整備課長会
議において「施設整備業務等の再点検のための調査
委員会報告書」の内容を説明し、社会保険施設の検
査について協力要請があった場合には業務に支障の
無い限り協力する旨指導。
 また、社会保険庁では、協力要請の前準備として、
監理マニュアルを作成するとともに、工事案件によ
り、建築等専門官を派遣し、検査の補助、指導を実
施。
3.国立病院における物品購入、役務関係の契約の適正化
○資格審査事務及び名簿登録の
 徹底等を図る
    (平成9年2月通知)
 平成9年度の本省及び地方医務局の監査指導・経
営指導の重点項目に掲げ、施設への指導を実施。


(5)出向人事等
報告書で示された改善事項
平成9年度末までの実施状況
1.綱紀の保持
(1)厚生省独自の綱紀粛正方針の
 策定
    (平成8年11月29日)
 平成9年5月及び12月に開催した厚生省綱紀点 検調査委員会幹事会及び随時開催した各局筆頭課長 会議等において、綱紀の保持、厚生省職員倫理規程 の遵守、贈答品の受領の禁止等の徹底を指示。  平成10年3月31日に「職員倫理規程のてびき」 を本省職員全員に配布。  平成10年1月に特殊法人等における倫理規程の 制定について指示。(9年度末現在で厚生省所管の すべての特殊法人等において倫理規程を作成済み。)
(2)厚生省職員倫理規程の制定
(平成8年12月26日)
2.出向人事の在り方
(1)出向自治体、職務内容、職種
 、時期等の多様化
    (平成9年度実施)
 平成9年度末において、都道府県・政令市への課 長級以上の出向者は75人であるが、厚生省からの 出向者が長期間同一ポストを占めているケースは、 減少している。(残されたものの多くは、仕事の内 容が専門特化している技官。)
(2)同一ポスト長期就任の見直し
(技官等の特別な職務を除く)
     (平成9年度実施)
(3)綱紀の保持等に関する出向前
 研修の充実
   (平成8年度から実施)
 平成10年3月に昨年に引き続き出向前研修を開
催し、綱紀の保持について事前研修を実施。(その
際、直近の地方出向経験者から話を聞く機会を設け
るなど研修内容を充実)


3.報告書指摘事項以外の対応状況

1 平成9年度の取組み

 厚生省においては、施設整備業務等の再点検のための調査委員会の第1次報告書(平成9年1月31日付け)及び同報告書(平成9年3月31日付け)の趣旨を踏まえ、平成9年3月以降、社会福祉施設の整備業務について、制度・運用面について種々の改善を行うとともに、同調査委員会報告書の趣旨を踏まえ適正執行に努めているところである。平成9年度においては、以下のような対応を行っている。

(1)行政監察に基づく再勧告への措置

ア 社会福祉法人に対する指導監督徹底の通知

「「社会福祉法人の指導監督に関する行政監察結果に基づく再勧告」に ついて」(平成9年8月13日社援企第147号大臣官房障害保健福祉部長、社会・援護局長、老人保健福祉局長、児童家庭局長通知)

 平成9年7月に出された「社会福祉法人の指導監督に関する行政監察結果に基づく再勧告」を受け、前回の勧告(平成4年6月)の趣旨及び社会福祉法人の運営の適正化に向けた取り組みを徹底する目的で、通知した。

イ 理事長の専決事項の例示の通知

「社会福祉法人の定款準則の一部改正について」(平成9年12月11日社援企第218号大臣官房障害保健福祉部長、社会・援護局長、老人保健福祉局長、児童家庭局長通知)

 社会福祉法人の業務の決定については、「社会福祉法人定款準則」において、「日常軽易な業務は理事長がこれを専決」することとされているが、平成4年6月の「社会福祉法人の指導監督に関する行政観察結果に基づく勧告」及び平成9年7月の再勧告における指摘を受け、専決できる事項を具体的に例示した。

ウ 競争契約と随意契約の基準の通知

「社会福祉施設を経営する社会福祉法人の経理規程準則の一部改正について」(平成9年12月11日社援施第175号大臣官房障害保健福祉部長、社会・援護局長、老人保健福祉局長、児童家庭局長通知)「社会福祉施設を経営する社会福祉法人の経理規程準則にかかる取扱いの一部改正について」(平成9年12月11日社援施第176号大臣官房障害保健福祉部企画課長、社会・援護局企画課長、社会・援護局施設人材課長、老人保健福祉局老人福祉計画課長、児童家庭局企画課長通知)

 社会福祉法人が契約を締結するにあたり、随意契約として差し支えない場合と競争契約に付さなければならない場合の基準の明確化について、平成4年6月の「社会福祉法人の指導監督に関する行政監察に基づく勧告」及び平成9年7月の再勧告における指摘も受け、随意契約によることができる場合等の一般的基準を示した。

(2)予算、融資における措置

(1) 平成10年度政府予算案関係

ア 三省合同の補助金単価調査の実施

 社会福祉施設整備に係る国庫補助基準単価については、平成9年10月に大蔵省、自治省、厚生省が合同で、特別養護老人ホーム、身体障害者療護施設、保育所等の社会福祉施設整備事業の建設工事費等について実態調査を実施した。

イ 調査結果等を踏まえた、平成10年度政府予算案の編成

 三省合同調査の結果、国庫補助基準額と実態額に施設平均で1.0%増(施設種別により1%減から+2%増)の乖離が認められた。10年度政府予算案においては、社会福祉施設整備費を含む公共工事に係る建設工事については、「公共工事コスト縮減対策に関する行動指針(平成9年4月関係閣僚会議決定)」を踏まえ、統一的な費用縮減が盛り込まれ、三省合同調査の結果と併せ、1.6%の削減の見直しを行うこととしている。

(参 考)

○三省合同実態調査結果及び公共工事コスト縮減

  (調査結果) (コスト縮減分) (改 定)
全施設平均 +1.0% ▲2.6% ▲1.6%

◯社会福祉施設国庫補助基準単価

・特別養護老人ホーム 等
・老人デイサービスセンター等
・精神薄弱者更生施設等
・保育所・養護施設等
9年度
213,400円
206,900
188,000
188,000
10年度(案)
205,700円
203,500
186,700
186,700

※東京都地域の鉄筋構造の1平方メートル当たり単価。

(2) 融資関係

 平成10年度政府予算案において、社会福祉事業施設に対する事業団融資について、平成9年12月26日に閣議決定された「特殊法人等の整理合理化について」を踏まえ、次のような見直しを行うこととしている。
 なお、これらの改定の実施にあたっては、事業団諸規程(貸付準則等)を改正し、平成10年度政府予算成立の日をもって施行することとしている。

ア 社会福祉・医療事業団の融資における単価の見直し(平成9年12月)

 三省合同実態調査の結果等に基づき改定された国庫補助基準単価と同額とする。

イ 地方単独補助の取扱いの見直し(平成9年12月)

 原則として、地方公共団体が制度的な補助事業として実施している単独補助金のうち、事業団融資を重複する部分について融資基準事業費から控除する。

(3)社会福祉法人・社会福祉施設の整備、運営の在り方の検討

社会福祉の基礎構造改革の取組状況

ア 「社会福祉事業等の在り方に関する検討会」の設置(平成9年8月)

 社会福祉事業の範囲、社会福祉法人、福祉事務所、措置制度、社会福祉協議会など福祉各分野を支える共通基盤制度の在り方の検討に先立って、平成9年8月、「社会福祉事業等の在り方に関する検討会」が設置され、有識者から幅広く意見をいただいた。
 同年11月、検討会として主な検討の論点をまとめた「社会福祉の基礎構造改革について(主要な論点)」が報告された。

イ 中央社会福祉審議会に社会福祉構造改革分科会を設置(平成9年11月)

 社会福祉の基盤制度の在り方を見直すため、平成9年11月に設置された社会福祉構造改革分科会が設置され、社会福祉事業等の在り方に関する検討会の報告を参考にしながら、社会福祉の基礎構造改革について精力的な議論が行われている。今後、平成10年6月を目途として中間報告がまとめられる予定である。

(4)個別の不祥事への対応

 平成9年度における国庫補助金に関係した主な不祥事の概要・対応状況は、以下のとおりである。(五十音順)

(1) 社会福祉法人すばる共生会について

ア 事件の概要

施設整備費補助金の実績報告の提出に当たり、実際の事業費より高額な契約額の工事請負契約書を提出して、この高額な契約額に基づいて国庫補助金56,137千円を過大に受けていた。

(参考)社会福祉法人すばる共生会の概要

(ア)所在地 福岡市博多区大字月隈156−3
(イ)法人認可 平成7年3月27日
(ウ)事業 特別養護老人ホーム
介護利用型軽費老人ホーム(ケアハウス)
老人日帰り介護施設(デイサービスセンター)

イ これまでの対応状況

平成9年 7月10日: 会計検査院が実地検査を実施
平成9年12月 1日: 福岡市が社会福祉事業法第54条第2項に基づく業務改善命令
同 日: 福岡市が補助金の交付決定の一部取消し及び返還命令
12月12日: 会計検査院が検査結果を公表
平成10年3月14日: 理事長交代

(2) 社会福祉法人善翔会について
ア 事件の概要

 施設整備費補助金の実績報告の提出に当たり、実際の事業費より高額な契約額の工事請負契約書を提出して、この高額な契約額に基づいて国庫補助金93,355千円を過大に受けていた。

(参考)社会福祉法人善翔会の概要

(ア)所在地 福岡県古賀市大字新原字大田町840
(イ)法人認可 平成7年9月18日
(ウ)事業 特別養護老人ホーム
介護利用型軽費老人ホーム(ケアハウス)
老人日帰り介護施設(デイサービスセンター)
在宅介護支援センター

イ これまでの対応状況

平成9年 7月 9日〜10日: 会計検査院が実地検査を実施
平成9年12月12日: 会計検査院が検査結果を公表
平成10年1月22日: 福岡県が社会福祉事業法第54条第2項に基づく業務改善命令
1月28日: 法人の全役員が辞任
2月 6日: 福岡県が補助金の交付決定の一部取消し及び返還命令
同日: 法人の新体制発足

(3) 社会福祉法人東香会について

ア 事件の概要

 施設整備費補助金の実績報告の提出に当たり、実際の事業費より高額な契約額の工事請負契約書を提出して、この高額な契約額に基づいて国庫補助金70,121千円を過大に受けていた。

(参考)社会福祉法人東香会の概要

(ア)所在地 大阪府寝屋川市大字打上704番地の1
(イ)法人認可 平成7年2月20日
(ウ)事業 特別養護老人ホーム
介護利用型軽費老人ホーム(ケアハウス)
老人日帰り介護施設(デイサービスセンター)
在宅介護支援センター

イ これまでの対応状況

平成9年 7月 4日: 大阪府が立入調査を実施
9月17日: 法人の全役員が辞任
平成9年 9月18日: 大阪府が社会福祉事業法第54条第2項に基づく業務改善命令
同日: 大阪府が補助金の交付決定の一部取消し及び返還命令
平成10年3月 4日: 新役員体制発足

(4)社会福祉法人徳風会について

ア 事件の概要

 平成3年度から平成8年12月迄の間の措置費収入、府・市からの補助金収入等について、架空取引、給与額水増し等により不正に支出

(ア)不正捻出額 11億69百万円
ア)人件費(架空職員、給与額水増し等) 6億62百万円
イ)給食材料費、物品購入費等(架空取引、水増し) 5億07百万円
(イ)不正捻出額の使途
ア)元法人理事長成瀬満春氏への流出

徳風会の土地、建物の資金等に流出(贈与契約の原資)

イ)その他(有価証券売却損及び不明金等)

1)府・市補助金の不正受給返還金
2)他の理事の贈与契約原資及び不明金等
3)有価証券売却損
(参考)社会福祉法人徳風会の概況

ア)所在地 大阪府枚方市田口山2−5−1
イ)法人認可 昭和44年12月23日
ウ)施設 保育所(6か所)、特別養護老人ホーム(1か所)、精神薄弱者通所授産施設(1か所)

イ これまでの対応状況

平成 8年12月18日: 大阪府が特別監査の概要を厚生省に報告
平成 9年 1月20日: 法人の旧理事全員の退陣を要求し、全員辞職
同日: 厚生大臣が仮理事3名(30日付で2名追加)選任
2月5日〜7日: 厚生省、大阪府、京都府及び堺市が合同監査
7月14日: 枚方市長・大阪府知事が関係者をそれぞれ告訴・告発(大阪府警の捜査)
8月 6日: 厚生大臣が社会福祉事業法第54条第2項に基づく改善命令(同年11月4日改善状況報告)
平成10年 1月 9日: 徳風会仮理事体制から新理事体制に移行

2 社会福祉施設等に係る改善措置の地方公共団体における取組状況調べ(概要)

 平成9年3月の施設整備業務等の再点検のための調査委員会報告書に基づいて措置した事項について、地方公共団体における平成9年度中の取組(都道府県、指定都市、中核市)の状況を聴取してまとめた(平成10年2月)。
 事項により一部バラツキがあるものの、おおむね9割以上の自治体が実施済みあるいは実施を検討しているとの結果となっている。


調査委員会報告書に盛り込まれた事項の実施状況の調査結果

調査項目 検討中 未実施
(時期未定)
1.都道府県市による内示状況の公開 77.2% 20.3% 2.5%
2.合議制による施設選定体制の確立 97.5% 2.5% 0.0%
3.合議制による法人審査体制の確立 97.5% 2.5% 0.0%
4.法人からの入札参加業者の届出 96.2% 3.8% 0.0%
5.競争入札の実施 96.2% 3.8% 0.0%
6.理事・監事・地元市町村職員等の入札立ち会い 96.2% 3.8% 0.0%
7.都道府県市への入札結果の届出 96.2% 3.8% 0.0%
8.都道府県市による入札結果の公開 83.5% 13.9% 2.5%
9.法人による入札結果の外部開示 92.4% 7.6% 0.0%
10.都道府県市による施設建設に関する現地調査 91.1% 8.9% 0.0%
11.一括下請負禁止の明確化 96.2% 3.8% 0.0%
12.幅広い理事会への積極的参画(新設法人) 93.7% 5.1% 1.3%
13.理事の増員又は評議員会への設置(新設法人) 92.4% 6.3% 1.3%
14.法人内部監査の充実方策(外部監査導入等) 70.9% 11.4% 17.7%
15.法人内部監査の都道府県市への報告 93.7% 5.1% 1.3%
16.都道府県市による法人役員の公開 74.4% 16.7% 9.0%
17.法人の財務諸表等の自主的開示 93.7% 6.3% 0.0%
18.施設開設前の法人に対する監査の実施 63.3% 26.6% 10.1%
19.指定寄付金について共同募金会との連携の強化 75.6% 12.8% 11.5%
20.民間補助についても国庫補助と同様の取扱い 78.5% 6.3% 15.2%

3 彩福祉グループ事件の処理

ア 会計検査院の検査結果の公表

 彩福祉グループの社会福祉法人が実施した施設整備事業について、会計検査院においても検査が行われ、一括下請負やいわゆる二重契約により平成5年度から8年度の国庫補助金が過大に交付され、また、社会福祉・医療事業団の貸付けが過大となっており、不当であるとする内容の平成8年度決算検査報告が公表された。

(会計検査院の指摘の内容)

 山形、埼玉両県の理事長が同一である7社会福祉法人は、8施設の特別 養護老人ホーム等の施設整備事業(8事業)において、

(ア)法人理事長が経営する会社と工事請負契約を締結し、その会社は契約額より低額な金額で他の建設会社と一括下請負契約していて工事の施行に何ら関与していないのに、法人理事長が経営する会社との契約額に基づいて国庫補助金(7事業)及び事業団の貸付け(4事業)を受けていた。
(イ)実績報告に当たり、実際の契約額より高額な契約額の工事請負契約書を提出して、この高額な契約額に基づいて国庫補助金及び事業 団の貸付けを受けていた。(1事業)
 このため、これらに係る国庫補助金計約334百万円が過大に交付、事業団の貸付金計約792百万円が過大に貸し付けられ、不当と認められる。

イ 国庫補助金の返還

1 上記の会計検査院の指摘を踏まえ、3月31日付で埼玉県、山形県に対して「補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律」に基づき、総額約30百万円の施設整備費国庫補助金の返還を命じた。

2 これは、埼玉・山形両県が行った調査により、補助目的以外の用途に用いられた部分が明らかになったこと及び事件発覚後に事業計画を見直したことにより生じたものである。

3 この件について会計検査院より不当支出であると指摘のあった補助額は、約334百万円であったが、今回返還する額のうち、この指摘に基づく部分は、約16百万円である。これを除いた約318百万円についても、両県に対して、返還に向けて必要な措置を講じるよう併せて通知した。

ウ 社会福祉・医療事業団融資の繰り上げ償還の実施

 社会福祉・医療事業団が関係法人4法人(5事業)に行った融資に関しては、埼玉県の調査の結果に基づき事業団貸付金に係る繰上償還額を算定(約137百万円)したところであり、法人から完了報告書を提出させ、繰上償還請求を行うこととしている。

 連絡先
  厚生省大臣官房 政策課 
  政策第二係 時末(内線:2254)
  電 話(代表)[現在ご利用いただけません]


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