平成10年3月4日
第8回 地球規模の保健医療への応用事業にかかる
先進7カ国調整官会議の開催について
1 会議の趣旨
○ 標記会議は、情報通信技術の「地球規模の保健医療への応用事業」(Global Healthcare Applications Project, GHAP)に関する先進7カ国各国の調整官(G7 GHAP national coordinators)が集い、この事業名称の傘の下で進められている各個別事業(sub-projects)の活動状況などを把握し、今後の進め方を討議するもの。日本での開催は初めて。
○ この「地球規模の保健医療への応用事業」は、平成7(1995)年2月にブリュッセルで開催された情報社会に関する初の先進7カ国関係閣僚会議において実施が合意された11の分野における国際共同先進事業(Pilot Projects)の一つであり、日本政府内では厚生省が事務局。(なお、同関係閣僚会議の開催は、平成6(1994)年7月の第20回主要先進国首脳会議(ナポリ・サミット)において合意されたもの。)
2 会議の概要
| ○場所 |
国立がんセンター中央キャンパス内 がん研究振興財団国際研究交流会館 (東京都中央区築地) |
| ○日程 |
3月 9日(月) |
15:00 - 17:10 |
国立がんセンター阿部薫総長による講演
(日本の保健医療における情報化の概要)等 |
| 3月10日(火) |
09:00 - 18:00 |
既存の各個別事業の状況報告等の後、先進7カ国調整官による討議 |
| 3月11日(水) |
08:00 - 10:30 |
先進7カ国調整官による討議 |
| |
(注1) |
9日及び10日(16:15まで)については、公開会議(傍聴自由)。 |
| (注2) |
9日には、上記に先行し、日本が提唱国である個別事業(医療画像図書館)の第2回会議を同会場で開催。 |
| (注3) |
使用言語は、英語。 |
| ○参加国等 |
アメリカ合衆国、イギリス、イタリア、欧州委員会、カナダ、ドイツ、日本、フランス、 (以下オブザーバー参加)オーストラリア、フィンランド、世界保健機関(WHO)他 |
| ○共同議長 |
日本 |
国立大蔵病院長 開原成允(日本の調整官) |
| 欧州委員会 |
第13総局C4課長 Jean-Claude Healy
(欧州委員会の調整官代理) |
| ○事務局 |
厚生省大臣官房政策課情報化・地域政策推進室(室長椋野美智子) |
(参考)
3月10日に発表される既存の各個別事業の概要
( )内は主たる提唱国
9:30-10:00 … がんの早期発見、診断、治療の改善(仏)
- 医療の現場において役立てることを目的として、がんの早期発見、診断、治療に関して国際的がんネットワークを構築する。
10:00-10:30 … 心疾患の早期診断、治療の改善(伊)
- 心疾患分野における技術進歩をより効率的かつ効果的にすることを目的としており、心疾患の診断、治療の改善に関するデータベースを構築する。
10:30-11:00 … 医療画像電子図書館(日)
- 評価に値するがん、循環器疾患に関する画像を収集し評価するとともに、各国が自由に利用できる電子空間上に、医療画像電子図書館を構築する。
11:00-11:30 … 24時間多言語・遠隔医療と世界規模の緊急サービス(加、仏)
- 救急医療の核となる施設(Center of Excellence)を各国に設け、それらをネットワークで結び、標準的インターフェイスで遠隔的に医療情報を提供する。
11:30-12:00 … インターネットの接続性を含む地球規模の保健医療ネットワークを可能とする仕組み(英、米)
- 他の個別事業について横断的に解決すべき問題を洗い出し、各国の保健医療に関係する既存の標準を系統化するとともに、情報技術の保健医療への応用についての諸問題、すなわち利用者からみた使いやすさにかかわる事項や、知的所有権・医療情報の法的問題、安全性の確保等等について取り扱うこととしてきたが、現在、新たな行動計画が検討されている。
13:00-13:30 … 保健医療におけるデータカード利用の国際的調和(仏)
- ICカードなどのデータ・カードについて、保健医療分野での国際間の相互利用性を確立した上で、制度への移行を前提とした実証的な試験的事業の実施を行う。
13:30-14:00 … 医学に基づく証拠と効果(加)
- 脳卒中を初めとする各種の疾患において、各国の診断、治療における指針等の医療内容の標準化が行われている事項を共有することによって医療に貢献することを実証し、効果の程度を判定することで、医療の効率化をめざす。
14:00-14:30 … 多言語による解剖電子データベース(米)
- 米国国立医学図書館(NLM)で開発中の仮想人体構想 (Virtual Human Body Project) に基づいた解剖学的データベースを多言語構造で作成し、医学教育、患者への説明、遠隔相談等に活用する。
14:30-15:00 … 地球規模の健康情報ネットワーク(独)
- インターネット上にホームページを開設し、その上に流行性感染症、環境汚染等に関する情報を掲載するとともに、関係者の話し合いの場の設置、関係データベースの構築等を行い、インターネットを利用できるすべての公衆衛生関係者が利用できるようにすることを目的としている。
問い合わせ先
大臣官房政策課
(企画官) 高倉 信行(2161)
(課長補佐) 木村 博継(2247)
(室長補佐) 久保 秀樹(2270)