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平成9年12月19日

香港での新型インフルエンザについて

1.今年5月21日、香港にて脳炎で死亡した3歳の子供の検体を米国疾病管理センター(CDC)にて検査した結果、8月下旬新型インフルエンザウイルスA(H5N1)分離確認された。

2.このため、香港特別行政区政府保健部は、患者周辺の疫学調査を実施。本調査には、CDC及び我が国の国立感染症研究所が現地入りし、その技術支援を行った。その結果、患者以外から同型のウイルスに感染した兆候のある者は発見されなかった。

3.香港特別行政区政府では、その後も引き続き新型インフルエンザウイルスの発生動向調査を強化し監視を続けてきた。その結果、新たに以下の6名の患者がインフルエンザH5であることが見つかった。

(1) 2例目は本年11月7日、香港にて発熱を主訴に病院に入院した先天性心疾患の2歳の子供の検体から、11月末H5であることが確認された。なお、患者は11月9日には軽快退院した。CDCにてN1であることが確認された。

(2) 3例目は11月29日に入院し、12月5日に肺炎で死亡した54歳の男性から、4例目は現在入院中の13歳の女性から、香港で検査の結果、H5型のインフルエンザウイルスであることが判明した。現在、CDCにてN型を確認中である。

(3) 5例目は12月10日に気道感染症を発症して小児科に入院中の5歳の女児であり、インフルエンザA型ウイルス(H5)であることが判明した。N型については現在検査中である。

(4) 6例目は肺炎のため入院中の37歳男性である。11月24日入院したが完治し、12月9日に退院している。現在インフルエンザA型を確認中。

(5) 7例目は肺炎のため12月7日より集中治療室にて治療中の24歳の女性から、インフルエンザA(H5)であることが判明している。

(6) 8例目は、発熱を主訴にて12月12日より入院中の2歳の男性より、インフルエンザA(H5)であることが判明している。

(7) さらに9例目として、12月13日より入院している3歳の女性がインフルエンザA疑いで現在入院中。

(8) 香港特別行政区政府では、 これらの症例について1例目と同様に周囲への感染拡大について確認するため患者周辺の疫学調査を実施中である。

(9) 我が国は、12月9日に国立感染症研究所職員、12月16日に厚生省担当者、12月17日に国立感染症研究所職員を含めた専門家を現地に派遣し、19日厚生省担当者及び専門家一名が帰国。現在、香港特別行政区政府、CDC、世界保健機関と連携をとってさらに事実確認を行うとともに、今後の方針についての意見交換を継続して行っている。

(10)新型インフルエンザの患者と接触した医師、看護婦が感冒症状を認めた 10名について、H5の抗体検査を実施したが全員が陰性であった。

 問い合わせ先
 厚生省 保健医療局結核感染症課
     野村、葛西(内線2372、2373)
 代 表 [現在ご利用いただけません]
 直 通 03−3595−2263


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