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平成9年12月17日

新型インフルエンザ問題について

本日午後3時30分より開催された公衆衛生審議会伝染病予防部会に、保健医療局結核感染症課より、別添の資料を提出した。


平成9年12月17日

香港での新型インフルエンザについて

1 今年5月21日、香港にて脳炎で死亡した3歳の子供の検体を米国疾病管理センター(CDC)にて検査した結果、8月下旬新型インフルエンザウイルスA(H5N1)分離確認された。

2 このため、香港特別行政区政府保健部は、患者周辺の疫学調査を実施。本調査には、CDC及び我が国の国立感染症研究所が現地入りし、その技術支援を行った。その結果、患者以外から同型のウイルスに感染した兆候のある者は発見されなかった。

3 香港特別行政区政府では、その後も引き続き新型インフルエンザウイルスの発生動向調査を強化し監視を続けてきた。その結果、新たに以下の5名の患者がインフルエンザH5であることが見つかった。(N1については最初の症例を含め2名が確認され、4名が未確認)

(1) 2例目は本年11月6日、香港にて発熱を主訴に病院に入院した先天性心疾患の2歳の子供の検体から、11月末H5であることが確認された。なお、患者は11月9日には軽快退院した。CDCにてN1であることが確認された。

(2) 3例目は11月29日に入院し、12月5日に肺炎で死亡した54歳の男性から、4例目は現在入院中の13歳の女性から、香港で検査の結果、2例ともH5型のインフルエンザウイルスであることが判明した。現在、CDCにてN型を確認中である。

(3) 5例目は12月10日に気道感染症を発症して小児科に入院中の5歳の女児であり、インフルエンザA型ウイルス(H5)であることが判明した。N型については現在検査中である。

(4) 6例目は肺炎のため入院した37歳男性である。11月24日入院したが完治し、12月9日に退院している。インフルエンザA型ウイルス(H5)感染であることが判明している。

(5) 香港特別行政区政府では、1例目と同様に周囲への感染拡大について確認するため患者周辺の疫学調査を実施中である。

(6) 我が国は、12月9日に国立感染症研究所職員、12月16日に厚生省担当者、12月17日に国立感染症研究所職員を含めた専門家を現地に派遣した。香港特別行政区政府、CDC、世界保健機関と連携をとってさらに事実確認を行うとともに、今後の方針についての意見交換を行っている。

(7) 新型インフルエンザの患者と接触した医師、看護婦が感冒症状を認めた10名について、H5の抗体検査を実施したが全員が陰性であった。


 問い合わせ先 厚生省大臣官房厚生科学課
  (健康危機管理調整会議事務局)
    担 当 岡本(内3806)、坂本(内3804)
    電 話 (代)[現在ご利用いただけません]
        (直)03-3595-2171


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