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平成9年12月12日
本日の厚生省健康危機管理調整会議において、香港で発見された新型インフルエンザ(H5N1)に関する現地調査の報告及び今後の対応が協議された。
1.現地調査の結果
○ 現地調査の結果は次のとおり。
2.今後の対応策
○ 厚生省としては、引き続き流行の可能性を調査・監視することとし、当面、次のような対応を行うこととした。
○ なお、既に、新型インフルエンザウイルスに対するワクチンについては、ワクチン製造用ウイルスの分析を開始しており、今後、仮にヒト−ヒト感染が確認されれば、ワクチンを生産できるように準備を整えることとしている。
○ また、アマンタジン(予防内服薬)のインフルエンザに関する効能拡大申請の可能性について検討を要請する。
3.国民への情報提供
○ 新型インフルエンザについての一般向けQ&Aを作成(別添)し、本日厚生省ホームページに掲載することとしている。ホームページのインフルエンザ情報については、今後、順次内容の充実を行っていく予定。
Q1:これまでに何人の患者から、この新型インフルエンザウイルスが見つかっているのでしょうか?
A1:12月10日現在で、4名の患者から見つかっています。このうち最初の一例は、H5N1というトリのインフルエンザウイルスに見られる型が分離確認されています。残りの3例については、香港でH5というところまでは確認されましたが、最終的な分離同定は米国疾病管理センター(CDC)にて実施中です。
Q2:そもそも、新型インフルエンザウイルスとはどんなウイルスなんですか?
A2:例年冬に流行を起こすインフルエンザウイルスとは、全く違う形の突起を有したウイルスで、トリのインフルエンザウイルスがブタ等を介して人の世界に入ってくることにより登場する可能性が指摘されています。通常のインフルエンザウイルスとの違いは、その被害の大きさを見れば一目瞭然で、新型インフルエンザウイルスは1918年のスペインかぜ、1957年のアジアかぜ、1968年の香港かぜと歴史に残る大流行を繰り返してきました。
Q3:トリのインフルエンザウイルスA(H5N1)は、世界中に大流行するのでしょうか?
A3:トリのインフルエンザウイルスが、人の世界に入ってきて新型インフルエンザが登場した場合には、ヒトは全く防御のための抗体を持たないため世界中で大流行が起きる可能性があります。しかし、これまでのところ4例は全て香港での単発例です。今後とも、発生動向調査に努め、情報提供をしていくことが必要と考えています。
Q4:トリのインフルエンザウイルス(H5N1)は、いつ頃見つかったのでしょうか?
A4:1961年に南アフリカでトリから見つかったものが最初です。
Q5:この新型インフルエンザは、どのような症状を起こすのでしょうか?
A5:現時点では4例しか発症事例が確認されておらず、これだけからでは、その危険性や症状について結論を出すことは困難です。
Q6:厚生省では、どのような対応をしているでしょうか?
A6:厚生省では、すでに新型インフルエンザが発生した場合に対応するため新型インフルエンザ検討委員会を今年の5月に発足させ、さまざま検討してきました。その報告書が10月24日付けで出されています。厚生省では、この報告書に沿って、職員を現地へ速やかに派遣し、香港特別行政区政府、米国疾病管理センター(CDC)、世界保健機関(WHO)と連携をとって事実確認を行っています。今後の対応方針について情報交換を行うととともに、今後、現地の情報を得て、対策を進める予定です。
Q7:今冬のワクチン接種は?
A7:厚生省では、国立感染症研究所に依頼して毎冬の流行予測を行い、それに基づいてワクチンを製造しています。今年は、A香港型、Aソ連型及びB型を2種類入れたワクチンが製造されています。インフルエンザの予防は、ワクチンが基本です。高齢者や基礎疾患を有する方には、医師に相談のうえワクチン接種をお勧めします。
注) このQ&Aは、今後、順次内容の改訂、充実を行っていく予定です。
問い合わせ先 厚生省大臣官房厚生科学課 (健康危機管理調整会議事務局) 担 当 岡本(内3806)、坂本(内3804) 電 話 (代)[現在ご利用いただけません] (直)03-3595-2171
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