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クロイツフェルト・ヤコブ病に関連した血液製剤について

平成9年10月8日

1.クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)患者の献血歴の調査については、これまでに

献血記録の判明した4例について公表したところであるが、今回新たに1例について平成3年から平成8年の献血記録(計12回)が判明した。

2.厚生省としては、製造業者等に対して、今回献血記録が明らかとなった1例の血液を

原料として製造された血液製剤を調査するよう指導し、その結果各社の報告の概要は凝固因子製剤(第VIII因子製剤:コンファクトF(製造業者:(財)化学及血清療法研究所、製造番号:SF130、SF119)、第IX因子製剤:ノバクトM(製造業者:(財)化学及血清療法研究所、製造番号:SM068))をはじめ別紙のとおりであった。
これらの製剤のうち使用期限内であるために医療機関等において使用される可能性がある製剤(計25製造単位)については、製品名等を公表するとともに、念のため回収するよう指導しており、使用期限を過ぎた製剤(計35製造単位)についても、念のため医療機関等に連絡するよう指導している。

3.血液製剤によるCJDの伝播の可能性については、WHOの専門家会合による勧告

(平成9年3月27日)において、「血液製剤によってヒトの間でCJDが伝達される可能性については、証明されていないし、その疑いのある事例もないが、引き続き調査が必要である。」とされているが、厚生省としては、従来よりCJDが発症した献血者の血液より製造された血液製剤については、念のため回収の上、報告するように製造業者等に対して指導しているところである。
我が国では、これまでに米国内製造のアルブミン製剤等の回収が8件及び日本国内製造の凝固因子製剤、アルブミン製剤等の回収が1件(8月26日公表;献血記録の判明した症例3例)行われている。このほか、該当する製剤が使用期限を過ぎていたものが、1件(9月10日公表;献血記録の判明した症例1例)公表されている。

(別紙)

回収対象製品
製造業者名 製品名(一般名) 製造番号 使用期限 出荷数量
(財)化学及血清療法研究所 コンファクトF
(乾燥濃縮人血液凝固第VIII因子)
SF130 平成10年10月8日 2,380本
SF119 平成10年4月2日 993本
ノバクトM
(乾燥濃縮人血液凝固第IX因子)
SM068 平成10年4月5日 1,540本
献血アルブミン20“化血研”
(人血清アルブミン)
SA064 平成10年3月10日 10,713本
SA065 平成10年5月19日 11,619本
献血アルブミン25
“化血研”
(人血清アルブミン)
25SA125 平成10年10月27日 12,556本
献血ベニロン−I
(乾燥スルホ化
人免疫グロブリン)
SSV038 平成9年10月8日 5,735本
SSV040 平成9年10月12日 8,487本
SSV093 平成11年2月24日 6,028本
SSV094 平成11年3月10日 6,219本
アンスロビンP
(乾燥濃縮
人アンチトロンビンIII)
SAT023 平成10年4月8日 10,595本
SAT029 平成10年9月2日 11,291本
ボルヒール
(生体組織接着剤)
SBH3117 平成10年10月31日 5,997本
SBH5105 平成10年4月30日 3,001本
SBH5119 平成10年10月31日 2,850本

回収対象製品
製造業者名 製品名(一般名) 製造番号 使用期限 出荷数量
(株)ミドリ十字 トロンビン-ミドリ(献血)
(トロンビン)
10,000単位
B001LX 平成9年12月 30,120本
B002LX 平成10年3月 29,970本
B003VX 平成10年5月 30,130本
B004VX 平成10年6月 5,080本
トロンビン-ミドリ(献血)
(トロンビン)
5,000単位
B001KX 平成9年12月 30,060本
B002KX 平成10年4月 29,560本
B003VX 平成10年6月 29,330本
トロンビン-ミドリ(分包)
献血(トロンビン)
10,000単位
B001LX 平成9年12月 26,810包
B003LX 平成10年2月 31,960包
トロンビン-ミドリ(分包)
献血(トロンビン)
5,000単位
B001KX 平成9年12月 14,570包

参考:使用期限を過ぎた製剤

1)血漿分画製剤

・ (財)化学及血清療法研究所製造の第VIII因子製剤1ロット(製造番号:SF070)、 アルブミン製剤3ロット、アンチトロンビン製剤1ロット 計5ロット
・ (株)ミドリ十字製造のアルブミン製剤6ロット、免疫グロブリン製剤6ロット、
アンチトロンビン製剤3ロット 計15ロット

2)輸血用血液製剤

・ 赤血球製剤8バッグ、新鮮凍結血漿7バッグ 計15バッグ

なお、これらの使用期限を過ぎた製剤についても医療機関に連絡する。
問い合わせ先 厚生省医薬安全局血液対策課
       監視指導課
   担 当 山本、江原(内2905、2908)
   電 話 (代)[現在ご利用いただけません]
       (直)03-3595-2395



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