報道発表資料 ＨＯＭＥ

平成９年９月３０日



エイズサーベイランス委員会の結果報告について

１． 平成９年７月１日から８月末日までの間に、医師から各都道府県知事、指定都市市長、中核市長に報告されたエイズ患者・ＨＩＶ感染者は患者４８名、感染者６３名の計１１１名であった。

患者及び感染者１１１名の内訳は、　
(1) 　感染原因では、異性間の性的接触６２名、同性間の性的接触３０名、静注薬物濫用１名、その他２名、不明１６名であった。（表−１）
(2) 　性別では、男性８１名、女性３０名であった。（表−１）
(3) 　年齢区分別では、２０歳代３３名、３０歳代３５名、４０歳代１８名、５０歳以上２５名であった。（表−２）
(4) 　国籍別では、日本人８５名、外国人２６名であった。
(5) 　感染地域別では、国内６９名、海外２１名、不明２１名であった。（表−３）


２． 患者及び感染者１１１名の報告のうち、６２名が異性間の性的接触によるものであった。このうち、日本人の報告は男性３４名、女性１３名の計４７名（表−１）であり、感染地域は国内３２名、海外１１名、不明４名であった。
また、外国人患者及び感染者１５名の性別内訳は男性５名、女性１０名であった。（表−１）


３． 今回１８名の死亡報告があり、「ＨＩＶ感染者発症予防・治療に関する研究」からの報告と合わせ累積死亡報告数は９６８名となった。


４． 平成９年１月から８月末日までの献血件数３，９６８，５３８件のうちＨＩＶ抗体陽性件数は３６件であった。



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ＨＩＶ感染者情報


　〔平成９年７月１日〜８月末日〕　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
１．性別・感染原因別患者・感染者数　　　　　　　　　　　　　　（単位：人）　　　　　　　　　　　　　　　　　
　 男　　　性　　　　 女　　　性　　　　 合　　　計　　　　
異性間の性的接触 39(5）　 23(10）　 62(15）　
同性間の性的接触 30(3）　 0(0）　 30(3）　
静注薬物濫用 1(1）　 0(0）　 1(1）　
母子感染 0(0）　 0(0）　 0(0）　
そ の 他 1(1）　 1(0）　 2(1）　
不　 明 10(2）　 6(4）　 16(6）　
合　　　計 81(12）　 30(14）　 111(26）　
注：（　）内は外国人再掲数　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
２．性別・年齢別患者・感染者数　　　　　　　　　　　　　（単位：人）　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　 男　　　性　　　　 女　　　性　　　　 合　　　計　　　　
１０歳未満 0(0）　 0(0）　 0(0）　
１０〜１９ 0(0）　 0(0）　 0(0）　
２０〜２９ 22(4）　 11(6）　 33(10）　
３０〜３９ 20(6）　 15(8）　 35(14）　
４０〜４９ 16(2）　 2(0）　 18(2）　
５０歳以上 23(0）　 2(0）　 25(0）　
不　　　明 0(0）　 0(0）　 0(0）　
合　　　計 81(12）　 30(14）　 111(26）　
注：（　）内は外国人再掲数　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
３．性別・感染地域別患者・感染者数　　　　　　　　　　　（単位：人）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　 男　　　性　　　　 女　　　性　　　　 合　　　計　　　　
国　　　内 55(5）　 14(3）　 69(8）　
海　　　外 17(7）　 4(2）　 21(9）　
不　　　明 9(0）　 12(9）　 21(9）　
合　　　計 81(12）　 30(14）　 111(26）　
注：（　）内は外国人再掲数　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
（参　考）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
１−２　患者内訳　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（単位：人）　　　　　　　　
　 男　　　性　　　　 女　　　性　　　　 合　　　計　　　　
異性間の性的接触 23(3）　 7(3）　 30(6）　
同性間の性的接触 7(0）　 0(0）　 7(0）　
静注薬物濫用 1(1）　 0(0）　 1(1）　
母子感染 0(0）　 0(0）　 0(0）　
そ の 他 0(0）　 0(0）　 0(0）　
不　 明 8(2）　 2(2）　 10(4）　
合　　　計 39(6）　 9(5）　 48(11）　
注：（　）内は外国人再掲数　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
２−２　患者内訳　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（単位：人）　　　　　　　　　　　
　 男　　　性　　　　 女　　　性　　　　 合　　　計　　　　
１０歳未満 0(0）　 0(0）　 0(0）　
１０〜１９ 0(0）　 0(0）　 0(0）　
２０〜２９ 6(1）　 2(2）　 8(3）　
３０〜３９ 10(4）　 6(3）　 16(7）　
４０〜４９ 7(1）　 1(0）　 8(1）　
５０歳以上 16(0）　 0(0）　 16(0）　
不　　　明 0(0）　 0(0）　 0(0）　
合　　　計 39(6）　 9(5）　 48(11）　
注：（　）内は外国人再掲数　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
３−２患者内訳　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（単位：人）　　　　　　　　　　
　 男　　　性　　　　 女　　　性　　　　 合　　　計　　　　
国　　　内 22(1）　 3(1）　 25(2）　
海　　　外 11(5）　 2(0）　 13(5）　
不　　　明 6(0）　 4(4）　 10(4）　
合　　　計 39(6）　 9(5）　 48(11）　
注：（　）内は外国人再掲数
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　


１．日本のエイズ患者の届出状況　　　　
　〔平成９年８月末現在〕　　　　　　　　　　　　　　　（単位：人）　
　 男　　性　　　 女　　性　　　 合　　計　　　
異性間の性的接触 342（68） 74（35） 416（103）
同性間の性的接触 *1 250（36） 0（0） 250（36）
静注薬物濫用 11（7） 0（0） 11（7）
母子感染 6（1） 3（1） 9（2）
凝固因子製剤 *2 682（…） 7（…） 689（…）
そ　の　他 16（5） 8（2） 24（7）
不　　　明 212（84） 46（33） 258（117）
　　合　　　計 1,519（201） 138（71） 1,657（272）
（　）内は外国人再掲数　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
注：*1男性両性愛者（21人）を含む。
*2平成９年５月末現在における「発症予防・治療に関する研究班」からの報告による数字である。なお、「後天性免疫不全症候群の予防に関する法律」施行後（平成元年２月１７日以降）、凝固因子製剤が原因とされている者は、報告の対象から除外されている。

２．ＨＩＶ感染者の届出状況　　　　　　　　　（単位：人）　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　 男　　性　　　 女　　性　　　 合　　計　　　
異性間の性的接触 522（120） 622（452） 1,144（572）
同性間の性的接触 *1 523（76） 0（0） 523（76）
静注薬物濫用 14（10） 0（0） 14（10）
母子感染 7（1） 11（6） 18（7）
凝固因子製剤 *2 1,791（…） 17（…） 1,808（…）*3
そ　の　他 26（10） 22（4） 48（14）
不　　　明 220（118） 369（352） 589（470）
　　合　　　計 3,103（335） 1,041（814） 4,144（1,149）
（　）内は外国人再掲数　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
注：*1男性両性愛者（25人）を含む。
*2平成９年５月末現在における「発症予防・治療に関する研究班」からの報告による数字である。なお、「後天性免疫不全症候群の予防に関する法律」施行後（平成元年２月１７日以降）、凝固因子製剤が原因とされている者は、報告の対象から除外されている。
*3患者６８９名を含む。

３．累積死亡者数　　　　９６８名　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
注：*1 上記死亡者数には「発症予防・治療に関する研究班」からの累積死亡報告数475名が含まれる。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
（参考）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
・凝固因子製剤による感染を除く患者・感染者等の状況　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
・性別・年齢区分別・感染地域別患者・感染者数（法施行後）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　
　
 男　　　性　　　 女　　　性　　　 合　　　計　　　
国内 海外 不明 計 国内 海外 不明 計 国内 海外 不明 計
10歳未満 13 1 0 14 7 6 1 14 20 7 1 28
（患者再掲） (6) (0) (0) (6) (1) (2) (0) (3) (7) (2) (0) (9)
１０〜１９ 6 0 1 7 13 42 35 90 19 42 36 97
（患者再掲） (0) (0) (0) (0) (1) (0) (1) (2) (1) (0) (1) (2)
２０〜２９ 275 139 101 515 128 259 368 755 403 398 469 1,270
（患者再掲） (45) (50) (32) (127) (10) (12) (27) (49) (55) (62) (59) (176)
３０〜３９ 272 247 149 668 56 51 77 184 328 298 226 852
（患者再掲） (91) (96) (64) (251) (10) (15) (11) (36) (101) (111) (75) (287)
４０〜４９ 250 138 107 495 14 14 10 38 264 152 117 533
（患者再掲） (98) (64) (65) (227) (3) (7) (5) (15) (101) (71) (70) (242)
５０歳以上 171 95 73 339 33 1 4 38 204 96 77 377
（患者再掲） (82) (55) (50) (187) (13) (1) (4) (18) (95) (56) (54) (205)
不　　明 0 1 2 3 0 4 1 5 0 5 3 8
（患者再掲） (0) (0) (0) (0) (0) (0) (0) (0) (0) (0) (0) (0)
合　　計 987 621 433 2,041 251 377 496 1,124 1,238 998 929 3,165
（患者再掲） (322) (265) (211) (798) (38) (37) (48) (123) (360) (302) (259) (921)

（参考）世界のエイズ患者の状況（１９９７年６月３０日ＷＨＯ報告）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
地　　域 患者発生状況　　 　　　 患　者　数　　 人　　　口　　
アフリカ州
（54カ国）
　
 576,972人
　
　
 タンザニア
ケニア
ジンバブエ
 82,174人
69,005
61,037
 23,126千人
21,433
10,412
アメリカ州
（45カ国）
　
 797,227
　
　
 アメリカ合衆国
ブラジル
メキシコ
 581,429
103,262
29,962
 248,709
146,825
81,249
アジア州
（43カ国）
　
 70,949
　
　
 タイ
インド
日本
 59,782
2,996
1,447
 54,532
846,302
123,611
ヨーロッパ州
（40カ国）
　
 191,005
　
　
 フランス
スペイン
イタリア
 45,395
45,132
38,418
 56,634
39,433
59,103
オセアニア州
（15カ国）
 8,030
　
 オーストラリア
　
 7,033
　
 16,850
　
計(197ヵ国) 1,644,183 　　　 　　　 　　　
（　）内は、患者報告のあった国数である。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
注：※１日本の患者数は1996年12月末現在


　　　 都道府県別患者・感染者累積報告状況　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　
　
都道府県名
　
 患者・感染者
報告件数
（件）
 　
構成割合
（％）
 ブロック別　
患者・感染者
報告件数（件）
 構成割合
（％）
1 北海道 30 （1） 0.9 　
　
　
　
北海道・東北
　
83
 　
　
　
　
　
　
2.5
2 青森県 8 （0） 0.2
3 岩手県 7 （0） 0.2
4 宮城県 14 （0） 0.4
5 秋田県 5 （0） 0.2
6 山形県 6 （1） 0.2
7 福島県 13 （0） 0.4
8 茨城県 338 （8） 10.2 　
　
　
　
関　東
　
2,281
 　
　
　
　
　
　
69.0
9 栃木県 86 （3） 2.6
10 群馬県 63 （1） 1.9
11 埼玉県 158 （7） 4.8
12 千葉県 276 （7） 8.4
13 東京都 1089 （37） 33.0
14 神奈川県 271 （13） 8.2
15 新潟県 34 （4） 1.0 　
　
　
北陸・甲信越
　
260
 　
　
　
　
　
7.9
16 富山県 7 （0） 0.2
17 石川県 3 （1） 0.1
18 福井県 17 （0） 0.5
19 山梨県 47 （3） 1.4
20 長野県 152 （3） 4.6
21 岐阜県 26 （0） 0.8 　
東　海
　
276
 　
　
　
8.4
22 静岡県 87 （1） 2.6
23 愛知県 111 （2） 3.4
24 三重県 52 （5） 1.6
25 滋賀県 9 （0） 0.3 　
　
　
近　畿
　
259
 　
　
　
　
　
7.8
26 京都府 44 （3） 1.3
27 大阪府 141 （6） 4.3
28 兵庫県 36 （1） 1.1
29 奈良県 19 （0） 0.6
30 和歌山県 10 （0） 0.3
31 鳥取県 2 （0） 0.1 　
　
中　国
　
35
 　
　
　
　
1.1
32 島根県 5 （0） 0.2
33 岡山県 4 （0） 0.1
34 広島県 16 （0） 0.5
35 山口県 8 （0） 0.2
36 徳島県 3 （0） 0.1 　
四　国
　
20
 　
　
　
0.6
37 香川県 4 （0） 0.1
38 愛媛県 7 （1） 0.2
39 高知県 6 （0） 0.2
40 福岡県 41 （3） 1.2 　
　
　
　
　
九州・沖縄
　
90
 　
　
　
　
　
　
　
2.7
41 佐賀県 1 （0） 0.0
42 長崎県 10 （0） 0.3
43 熊本県 6 （0） 0.2
44 大分県 3 （0） 0.1
45 宮崎県 1 （0） 0.0
46 鹿児島県 11 （0） 0.3
47 沖縄県 17 （0） 0.5
合　 計 3,304 （111） 100.0 3,304 100.0
注：凝固因子製剤による患者・感染者は除く　　（平成９年８月末現在）　
　（　）内は今回報告件数（平成９年7月〜8月分）である　　　　　　　　

平成９年９月３０日

委員長コメント

１） 今回（平成９年７月から８月末まで）のエイズサーベイランス委員会ヘの報告は患者４８名（前回４０名）、感染者６３名（前回５７名）の合計１１１名（前回９７名）、うち転症例は５名(前回８名)でした。
前回と比較して、日本人感染者が１２名増加、外国人感染者は６名減少、日本人患者が８名増加し、外国人患者は同数であり、トータルでは患者・感染者は１４名増となっております。
なお、患者４８名は過去最高の報告数です。
２） 依然として、日本人の患者・感染者は増加傾向を示しており、特に今回は、日本人患者・感染者数は過去２番目に多い報告数ですが、日本人患者・感染者 の異性間性的接触による感染は４７名、日本人女性患者・感染者は１６名とい ずれも過去最高の報告数でした。
３） 今後は、日本人患者・感染者の増加を念頭に置き、より一層の感染防止対策を推進するとともに、感染の予防、特に性感染症としてエイズに対する再認識を促していく必要があると考えております。
ＨＩＶの感染拡大の防止にあたっては、国民の皆さん一人一人の「安全な性行為」に対する心がけが不可欠です。今一度エイズを自分自身の問題として考え直してみて下さい。
４） 国内での輸血による日本人のＨＩＶ感染が疑われる症例の報告が１例ありました。
　このための対策として、感染の可能性があると思う人には献血を控えるよう注意喚起するとともに、献血時の問診などによるチェックの徹底を図る必要があります。		 


　問い合わせ先　厚生省保健医療局エイズ疾病対策課
　　　　担　当　池田(内2358)、大澤(内2355)
　　　　電　話　(代)[現在ご利用いただけません]
　　　　　　　　(直)03-3595-2249
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