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「水道水を介して感染するクリプトスポリジウム及び類似の原虫性疾患の監視と制御に関する研究班」の設置について

 クリプトスポリジウム、ジアルジア等の原虫による水系汚染が世界的な問題となっている中、水道水における迅速で的確な検査方法が確立されていないため、水道原水や浄水システムの検査や制御に困難を来している現状にある。よって、これら原虫の検査方法の開発及び改良等を行うため、9月19日、国立公衆衛生院国包章一水道工学部長を主任研究者とし、国立感染症研究所等の学識経験者で構成する「水道水を介して感染するクリプトスポリジウム及び類似の原虫性疾患の監視と制御に関する研究班」を設置する。

1.趣 旨

 昨年6月、埼玉県越生町において、我が国でははじめて、水道水を介してのクリプトスリジウムによる集団感染症が発生した。これを踏まえ、厚生省では、昨年10月、「水道におけるクリプトスポリジウム暫定対策指針」を策定し、都道府県を通じ、水道事業者等へ予防対策等について周知した。

 また、厚生省では、クリプトスポリジウム及びジアルジアの水道水源における存在状況を把握するため、全国94水源水域(1水域につき3地点、全数282地点)を対象として、調査・研究を実施している。その結果、クリプトスポリジウムは6水源水域8地点で、ジアルジアは16水源水域24地点で、それぞれ検出が確認されており、我が国の水源水域においても、ある程度の確度でクリプトスポリジウムが存在し得るのではないかということがうかがえる。

 一方、クリプトスポリジウムの検査は、その暫定的な方法を暫定対策指針で定めたが、その検査は極めて難しく、回収率や最終的な確認だけでなく、その検査プロセス全体について、検査担当者の多大な熟練を要すると言われている。暫定対策指針の策定以降において、各都道府県の実施した自主検査により、水道原水からクリプトスポリジウムが検出された事例が数件あったが、その中でも、浄水からのクリプトスポリジウム検査方法に誤りがあり、混乱を生じさせた例もある。

 こうしたことから厚生省では、迅速で容易かつ正確な検査方法の開発を促進するため、国立公衆衛生院国包章一水道工学部長を主任研究者とし、国立感性症研究所等の学識経験者で研究班を組織し、本年度から3か年程度を目途に、これら原虫の検査方法の開発及び改良等の開発研究に取り組むこととした。

2.研究班の構成

 研究班は、クリプトスポリジウム等の病原性微生物、水道及び公衆衛生の専門家でもって構成し、委員名等は次のとおり。

荒木 國興 国立公衆衛生院衛生微生物学部長
井関 基弘 大阪市立大学医学部助教授
遠藤 卓郎 国立感染症研究所寄生動物部原生動物室長
金子 光美 摂南大学工学部教授
国包 章一 国立公衆衛生院水道工学部長
黒木 俊郎 神奈川県衛生研究所細菌病理部臨床血清科主任研究員
西尾 治 国立公衆衛生院衛生微生物学部ウィルス室長
平田 強 麻布大学環境保健学部長
眞柄 泰基 北海道大学工学研究科教授
山崎 省二 国立公衆衛生院衛生獣医学部長

3.研究内容

 この研究班では、現在用いられている膜ろ過−アセトン法にかわるオーシストの迅速で高い回収率を持った分離・濃縮法の開発や蛍光抗体法に代わる検査方法の開発等を行う。また、水道水の常時管理を可能とするために、クリプトスポリジウム等の代替指標を開発し、常時監視体制の構築を目指す。

4.今後の予定

 平成9年9月19日(金)(午後1時〜3時、国立公衆衛生院2F第1会議室)研究班会議を開催する。


 問い合わせ先 生活衛生局水道環境部水道整備課
         水道水質管理官 由田 秀人(4031)
         水源保全係長 田野 弘明(4034)

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