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高カロリー輸液の適正使用について

平成9年6月23日

1.高カロリー輸液について
 高カロリー輸液とは、糖液、電解質等を含む糖液製剤であり、経口での栄養摂取が不能又は不十分な患者への栄養補給を目的として使用される。通常の輸液に比して糖類が多く含まれていることから高カロリー輸液と称され中心静脈より投与されている。我が国では現在8社から13種類の製剤が供給されている。

2.アシドーシスについて

 アシドーシスとは、血液のpHが酸性に傾いた状態をいい、臨床症状として意識障害、血圧低下、痙攣、呼吸障害などが起こる。アシドーシスの原因としては、(1)血液中に何らかの酸性物質が蓄積した場合(代謝性アシドーシス)(2)呼吸機能の障害で血液中にCO2が蓄積した場合(呼吸性アシドーシス)がある。

3.経緯

 高カロリー輸液施行中にビタミンB1が不足すると、アシドーシスをおこすことが知られており、これまで重ねて注意喚起を行ってきたところである(参考参照)。しかし、平成7年4月の適正使用情報配布後も15例(死亡7例)の報告がなされている。今般、中央薬事審議会副作用調査会において、これまでに報告された症例の検討を行い、アシドーシスの発症を防止するため、高カロリー輸液施行中は必ずビタミンB1を投与することを徹底させる必要があることから、警告欄の注意を改めるとともに再度緊急安全性情報を配布して注意の徹底を図ることが適当との結論を得たところである。

4.今後の対応

中央薬事審議会副作用調査会の結論を踏まえ、次の対応をとることとした。
(1)厚生省
(1)関係企業に対して、「使用上の注意」の改訂、「緊急安全性情報」及び「適正使用情報」の作成並びに医療機関等への配布指示を行う。
(2)医薬品安全性情報に解説記事を掲載し、注意の徹底を図る。
(2)関係企業
(1)使用上の注意の改訂を行う。
(2)今回の使用上の注意の改訂について「緊急安全性情報」を作成してMRが直接医師、薬剤師等に対して情報提供を行う。
(3)緊急安全性情報とともに「適正使用情報」を作成し、詳細な解説を行い、緊急安全性情報とともに、医療関係者に対し情報提供を行う。

参 考

 これまでに行った高カロリー輸液施行中のアシドーシスに関する注意喚起
平成2年9月 医薬品副作用情報 No.104
平成3年10月 緊急安全性情報
平成3年11月 医薬品副作用情報 No.111
平成5年11月 医薬品副作用情報 No.123
平成6年10月 医薬品副作用情報 No.128
平成7年4月 適正使用情報

本件照会先
1.厚生省薬務局安全課医薬品適正使用推進室
          担当:山本(内線2756)、桂(内線2758)
          電話:[現在ご利用いただけません]
2.関係企業
    日本ヘキストマリオンルセル  市販後調査管理部
                                      03−5571−6417
    光製薬  医薬情報室                03−3874−9351
    日研化学  薬事監理部              03−3544−8876
    大塚製薬工場  学術情報部PMS室  0886−84−2389
    テルモ  学術情報部                03−3374−8199
    田辺製薬  製品情報センター        06−205−5565
    扶桑薬品工業  研究開発センター 医薬情報部門
                                      06−969−3131
    清水製薬  PMS室                054−221−8579
    日本製薬  医薬情報部              03−3864−8413



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