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第18回生命表
(完全生命表)

I.生命表の概念

生命表はある時期における死亡状況(年齢別死亡率)が今後一定不変としたとき、各年齢に達したものが平均してあと何年生きられるかを、死亡率、生存数、平均余命等の生命関数によって表現したものである。
特に0歳の平均余命である平均寿命は、保健福祉水準の総合的指標として広く活用されている。

II.完全生命表と簡易生命表の違い

わが国では、全国規模の生命表として完全生命表と簡易生命表の2種類を作成し公表している。
簡易生命表は各年の推計人口、死亡数(概数)をベースに、簡略化された方法により毎年公表しているのに対し、完全生命表は、国勢調査の確定人口をはじめとする確定データをもとに、より精密な方法で5年に1度作成している。このような観点から、完全生命表は生命表の確定版という性格をもっている。

III.第18回生命表

今回公表する完全生命表は通算して18回目にあたり、平成7年国勢調査による確定人口(日本人人口)、人口動態統計確定数(平成7年死亡数、平成7年乳児死亡数、平成6年及び平成7年出生数)を基礎資料として作成している。
なお、平成7年は阪神・淡路大震災の起こった年であり、その影響は生命表にも現れてくる。よって今回は阪神・淡路大震災の影響を除去した生命表を参考として作成した。

1 死亡率(qx

第17回生命表と比較すると、男70歳以上、女49歳以上では全ての年齢で死亡率は改善されている。しかし、男69歳以下、女48歳以下では総体的に見れば改善されているものの、年齢によれば悪化している年齢もある。
震災の影響を除去した生命表と17回生命表を比較した場合も同様の傾向がみられ、男69歳以上、女48歳以上では全ての年齢で死亡率は改善されているものの、男68歳、女47歳以下では悪化している年齢もある。(表1〜4、図1)

2 死亡数(dx

死亡数曲線は、10代前半の谷から単調に緩やかな上昇を示し、加齢するに従って 上昇速度を速め、80歳代でピークを迎えた後、急速に下降する。その死亡曲線のピ ークは、死亡率の改善とともに、より高齢の方に移動していくのが一般的な傾向であ る。
第18回生命表における死亡数のピークは男83歳、女88歳で、男女とも前回と比べて1歳高齢に移動した。また、ピーク時の死亡数は男3823、女4556で、第17回生命表の男3920、女4570より男女とも減少している。(表1、表2、図2)

3 生存数(lx

生存数は全年齢階級において増加している。寿命中位数(出生者の半数が生存すると期待される年数)は、第17回生命表では男79.13年、女84.71年であったが、第18回生命表では男79.49年、女85.73年に延びている。また、男は86.22歳まで、女は91.37歳まで出生者の4分の1が生存すると期待される。(表1、表2、図3)。

4 平均余命(ex-o

平均寿命は男76.38年、女82.85年で、第17回生命表に比べて男は0.46年、女は0.95年の延びを示した。また、20歳における平均余命は男57.16年、女63.46年、60歳における平均余命は男20.28年、女25.31年となっている。また震災の影響を除去した場合はさらに、平均寿命で男0.08年、女0.11年、20歳における平均余命では男0.06年、女0.09年、60歳に おける平均余命では男0.02年、女0.04年延びる。
最長平均余命年齢は男女とも出生後2週で、前回と変わっていない。これは震災の影響を除去した場合でも同様である。(表1〜4、図4)

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