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平成9年4月10日

医薬品副作用情報No.142(概要)


1タクロリムスによる脳症医薬品

該当商品名:プログラフ注射液,同カプセル
タクロリムス水和物の投与による痙攣,振戦等の中枢神経系症状の発現については,既に使用上の注意に記載し,注意を喚起してきたが,最近,本剤投与後に全身痙攣,意識障害,錯乱,言語障害等の症状を伴う脳症が発症したとの報告があった。早期の発見と対応により回復する可能性があることから,このような症状があらわれた場合には,CT,MRI等による画像診断を行うとともに減量・休薬等の適切な処置を行うよう使用上の注意を改訂し,注意喚起を行った。

2ゲメプロスト腟坐剤による子宮破裂,子宮頚管裂傷

該当商品名:プレグランディン腟坐剤
妊娠中期における人工流産においては種々の処置により子宮破裂,頚管裂傷,異常出血等が併発しやすいと言われているが,ゲメプロスト腟坐剤の使用時においても子宮破裂,頚管裂傷が報告されており,既に使用上の注意に記載し医療関係者の注意を喚起している。しかし,最近においても同様の報告があることから,今回新たに「警告」の欄を設け,なお一層の注意を喚起した。

3テルフェナジンによるQT延長,心室性不整脈

該当商品名:トリルダン
テルフェナジンの投与によるQT延長,心室性不整脈等の心臓血管系症状の発現については,平成6年12月までに7例が報告され,平成7年1月に「警告」欄の新設を含む使用上の注意の改訂を実施し,注意喚起を図ってきた。しかしながら,その後もリスクファクターのある患者に本剤が使用されQT延長,心室性不整脈が平成9年1月末までに10例報告された。このため,テルフェナジンの使用上の注意を一部改訂するとともに,「緊急安全性情報」の配布を企業に指示し,適正使用を確保するため改めて注意喚起を行った。

4[解説]医薬品の適正使用のために輸血用血液製剤と輸血後GVHD

該当商品名:人全血液CPD「日赤」他
輸血用血液製剤による輸血後GVHDに関しては平成8年4月に「緊急安全性情報」により注意喚起が行われ,本情報No.137(平成8年5月号)において発生機序や診断,注意点について解説を行った。これらの情報では,放射線照射が予防に有効であるとして,ハイリスクの患者への輸血用血液には,照射するよう注意喚起を行ったが,その後7例の報告がなされ,そのいずれにも放射線の照射がなされていなかった。そこで同年12月に再度「緊急安全性情報」により注意の徹底を図った。また,輸血後GVHDを予防するため,日本輸血学会からも「輸血によるGVHD予防のための血液に対する放射線照射ガイドラインIII」が作成され,徹底が図られている。

5使用上の注意の改訂について(その102)

ゲメプロスト,テルフェナジン,バルプロ酸ナトリウム,サリチルアミド・アセトアミノフェン・無水カフェイン・メチレンジサリチル酸プロメタジン,ジプロフィリン(注射剤),インドメタシンナトリウム,シサプリド,ガンブロソルA,キドペリーA,ダイアニール,ペリセート,ペリトリック,イホスファミド,シクロホスファミド,イミペネム・シラスタチンナトリウム(筋注用),イミペネム・シラスタチンナトリウム(点滴用),イソニアジド,イソニアジドメタンスルホン酸ナトリウム,イソニアジドグルクロン酸ナトリウム,ノルフロキサシン(経口剤),注射用乾燥インターフェロン‐β,一般用医薬品 グリセリン(浣腸剤)



  問い合わせ先 厚生省薬務局安全課医薬品適正使用推進室
     担 当 山本、桂(内)2756
     電 話 (代) [現在ご利用いただけません]
         (直) 3595-2435
     FAX    3508-4364



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