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平成7年乳幼児栄養調査結果の概要

平成9年2月14日

厚生省児童家庭局母子保健課

I 調査の概要


  1. 調査の目的

     この調査は、全国の乳幼児の栄養方法及び食事の状況等を調査し、母乳育児の推進、乳幼児の栄養改善のための基礎資料を得ることを目的として実施した。

  2. 調査の対象及び客体

     この調査は、全国の4歳未満の乳幼児及びその母親を対象として、平成7年国民生活基礎調査により設定された単位区から無作為に抽出した2000単位区内の4歳未満の乳幼児及びその母親を客体とした。
     なお、集計対象乳幼児数は3758人であった。

  3. 調査の時期

    平成7年9月6日。

  4. 調査の流れ

              ┌───────────┐
            ┌─┤保健所を設置する市・区├─┐
            │ └───────────┘ │
    ┌───┐ ┌─┴──┐          ┌─┴─┐ ┌───┐ ┌─────┐
    │厚生省├─┤都道府県├──────────┤保健所├─┤調査員├─┤被調査世帯│
    └───┘ └────┘          └───┘ └───┘ └─────┘
    


  5. 調査の方法

    調査員が被調査世帯を訪問して面接のうえ調査票を作成する方法により実施した。



II.結果の概要


  1. 乳汁栄養法について

    1. 月齢別乳汁栄養法の状況<参考:表1、図1>

      表1は、1か月時、3か月時における乳汁栄養法についてみたものである。1か月時では「母乳栄養」46.2%、「混合栄養」45.9%、「人工栄養」7.9%、3か月時では「母乳栄養」38.1%、「混合栄養」34.8%、「人工栄養」27.1%となっており、いずれも前回に比べ、「混合栄養」の割合が増加している。

        表1 月齢別乳汁栄養法(%)

        1 か 月 時 3 か 月 時
      区  分 総 数 母乳栄養 混合栄養 人工栄養 総 数 母乳栄養 混合栄養 人工栄養
      昭和60年
      平成7年
      100.0
      100.0
      49.5
      46.2
      41.4
      45.9
      9.1
      7.9
      100.0
      100.0
      39.6
      38.1
      32.0
      34.8
      28.5
      27.1


    2. 産後の就業の有無別乳汁栄養法について<参考:図2>

       表2は、1か月時、3か月時における産後の就業の有無別乳汁栄養法についてみたものである。いずれも「母乳栄養」は「働いていない」ものに多く、「混合栄養」は「働いていた」ものに多くなっている。

       表2 産後の就業の有無別乳汁栄養法(%)

        1 か 月 時 3 か 月 時
      区  分 総 数 母乳栄養 混合栄養 人工栄養 総 数 母乳栄養 混合栄養 人工栄養
      全   体 100.0 46.2 45.9 7.9 100.0 38.1 34.8 27.1
      働いていない
      働いていた
      100.0
      100.0
      46.4
      38.4
      45.7
      55.8
      7.9
      5.8
      100.0
      100.0
      41.0
      20.3
      33.6
      42.1
      25.4
      37.6


    3. 冷凍母乳の状況

      冷凍母乳を「与えた」ものは全体の約20%となっており、就業の有無別にみると「働いていた」ものが「働いていない」ものよりやや多くなっている。

       表3 産後の就業の有無別冷凍母乳を与えた者の割合(%)

      区  分 総 数 与えた 与えなかった
      全  体 100.0 19.9 80.1
      働いていない
      働いていた
      100.0
      100.0
      18.4
      24.9
      81.6
      75.2


  2. 離乳の状況について

    1. 離乳の開始及び完了の時期

       表4は、離乳の開始時期及び完了時期についてみたものである。「離乳の開始」は5か月が43.5%と最も多く、「4〜6か月」で9割弱となっている。
       「離乳の完了」については、「12か月」が60.8%と最も多い。

       表4−1 離乳開始の時期(%)

      区   分 昭和60年 平成7年
      3か月未満 1.3 0.6
      3か月 10.8 7.0
      4か月 34.9 25.0
      5か月 32.3 43.5
      6か月 15.5 18.4
      7か月以降 5.2 5.4
       表4−2 離乳完了の時期(%)

      区   分 平成7年
      9か月以前 4.1
      10〜11か月 15.6
      12か月 60.8
      13〜15か月 11.7
      16〜18か月 6.7
      19か月以降 1.0


    2. ベビーフードの使用状況

       表5は、離乳食に市販のベビーフードを使用したかどうかについてみたものである。「よく使用した」13.8%、「時々使用した」52.2%と約3人に2人は、離乳食にベビーフードを使用している。
       これは「産後の就業の有無別」には大きな差はみられない。

       表5 市販のベビーフードを使用しましたか。(%).

      区     分 昭和60年 平成7年 働いていない 働いていた
      よく使用した 9.7 13.8 14.0 13.3
      時々使用した 38.5 52.2 53.2 48.8
      ほとんど使用しなかった 51.8 34.0 32.8 37.9
      総    数 100.0 100.0 100.0 100.0


    3. 意識別ベビ−フ−ドの使用状況<参考:図3>

       「ベビ−フ−ドは便利である」というものは52.9%を占め、「ベビ−フ−ドは便利である」等肯定派のもに「よく使用した」が多い一方、「手作りの方が栄養的でよい」等手作り派は「ほとんど使用しなかった」が多くなっている。

       表6 意識別ベビ−フ−ドの使用(%)<全体は複数回答>

      区  分 全体 よく使用した ときどき使用した ほとんど使用しなかった
      手作りは時間がかかるのでベビーフードは便利である 52.9 20.1 60.4 19.5
      ベビ−フ−ドは薄味なのでよい 21.7 22.8 62.2 15.0
      ベビ−フ−ドは衛生面からみても安心である 21.3 27.5 58.7 13.8
      手作りの方が親の愛情がこもる 29.6 6.2 50.5 43.2
      手作りの方が中身がわかって安心である 32.7 5.6 44.0 50.4
      手作りの方が我家の味つけができるのでよい 15.5 5.4 38.2 56.3
      手作りの方が栄養的でよい 14.2 6.5 43.9 49.6
      手作りであれベビ−フ−ドであれこだわらない 39.2 19.9 56.0 24.0




  3. 食事状況等について

    1. 食事のかみ方

       表7は、子供が食事のときよくかんで食べるかどうかについてみたものである。年齢が進むにつれて「よくかんで食べる」ものの割合が増加し、「堅いものがかめない」等は減少している。

       表7 年齢別食事のかみ方(%)

      区    分 よくかんで食べる 堅いものがかめない かんでものみこめず口にためたり口からだしてしまう よくかまず丸のみにする
      S60 H7 S60 H7 S60 H7 S60 H7
      1歳0〜1歳6か月未満 45.2 44.2 13.1 14.5 14.9 12.6 26.8 29.7
      1歳6〜2歳0か月未満 57.8 55.7 9.9 9.2 15.6 16.9 16.6 18.2
      2歳0〜2歳6か月未満 63.5 60.5 7.2 8.5 14.6 16.5 14.7 14.5
      2歳6〜3歳0か月未満 73.7 62.3 5.4 6.6 9.8 15.1 11.0 16.0
      3歳0〜3歳6か月未満 78.3 70.1 3.3 5.8 9.8 12.5 8.6 11.6
      3歳6〜4歳0か月未満 75.7 75.5 6.4 6.1 8.0 9.9 10.0 8.5
      4歳0〜4歳6か月未満 78.6 75.8 3.4 5.3 6.4 11.0 11.5 7.8


    2. 子どもの食事で困っていること<参考:図4>

      表8は、現在子どもの食事で困っていることがあるかどうかについてみたものである。「困っていることがある」ものは81.4%と前回に比べ多くなっている。その内容は「遊び食い」が43.4%、以下「むら食い」29.2%,「偏食する」24.9%等となっている。

       表8 子どもの食事で困っていること(複数回答)(%)

      区         分 昭和60年 平成7年
      困っていることがある 77.0 81.4
      遊び食い 38.6 43.4
      むら食い 24.5 29.2
      偏食する 18.8 24.9
      食べるのに時間がかかる 21.7 20.6
      小食 18.8 17.9
      ちらかし食い 14.7 13.6
      よくかまない 10.7 12.6
      食欲がない 8.8 5.9
      食べすぎる 3.5 3.5
      早食い 2.1 2.1
      その他 3.9 4.8
      困っていることはない 23.0 18.6


    3. 摂取食品数

       表9は、幼児の摂取食品数についてみたものである。
       年齢が進むにつれて摂取食品数は増えているが、就業の有無別にはほとんど差は見られない。

       表9 年齢別、就業の有無別幼児の平均摂取食品数

      区  分 全  体 1 歳 2 歳 3歳以上 働いていない 働いていた
      摂取食品数 24.7 23.7 24.7 25.8 24.5 24.9


    4. 就寝時刻<参考:図5、表2>

       表10は、1歳以上児について、年齢別及び保育所等への通園状況別の就寝時刻についてみたものである。「22時以降に就寝する」ものは全体の41.3%であり、また、通園状況別には「かよっていない」ものが「保育所や幼稚園にかよっている」ものに比べ、就寝時刻は遅い傾向が見られる。

       表10 年齢別及び通園状況別就寝時刻(%)

      区  分 22時未満 22時以降
      全   体 58.6 41.3


      1 歳 児

      2 歳 児

      3歳児以上
      59.8

      51.8

      63.0
      40.2

      48.2

      37.0


      かよっていない

      保育所にかよっている

      幼稚園にかよっている

      そ の 他
      56.4

      60.5

      72.3

      61.4
      43.6

      39.5

      27.7

      38.6


    5. おやつの与え方

      表11は、通園状況別おやつの与え方についてみたものである。「かよっていない」ものは「保育所や幼稚園にかよっている」ものにくらべ「子どもの欲しがる時に与える」割合が多くなっている。

       表11 通園状況別おやつの与え方

      区  分 総数 時間を決めて与えている 子どもの欲しがる時に与える そ の 他
      全    体 100.0 50.1 40.7 9.2
      かよっていない

      保育所にかよっている

      幼稚園にかよっている

      その他
      100.0

      100.0

      100.0

      100.0
      47.0

      58.5

      56.2

      42.9
      43.9

      31.6

      37.6

      37.5
      9.0

      9.9

      6.2

      19.6




  問い合わせ先 厚生省児童家庭局母子保健課
     担 当 中原(内3173)
     電 話 (代)[現在ご利用いただけません]

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