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          平成6年社会医療診療行為別調査
             薬剤使用状況の概要

 平成6年社会医療診療行為別調査から、薬剤の使用状況をとりまとめたので、その概
要を紹介します。


 従来、社会医療診療行為別調査では、「投薬」及び「注射」で使用された薬剤費が医
療費に占める割合を「薬剤比率」で表して来たところですが、今回初めて、「処置」、
「画像診断」、「在宅医療」等「投薬」及び「注射」以外の診療行為で使用された薬剤
を「その他薬剤」として新たに薬剤比率を算出し、「投薬」及び「注射」の「薬剤比率
」と合わせて「全薬剤比率」を算出しました。
 また、薬剤の使用状況については、年齢階級別や傷病別にみた薬剤点数、薬剤種類数
及び薬価別状況等について把握しました。
 調査客体は、平成6年社会医療診療行為別調査の医科診療分(288,015件) の内、薬剤
が出現した診療報酬明細書(240,676 件) としています。

1 薬剤比率

 「全薬剤比率」は、総数29.6%、入院15.5%、入院外42.7%となっており、総点数に
占める薬剤費の割合は入院外が高くなっています。
 年齢階級別に入院外の「全薬剤比率」をみると、「40歳未満」では約30%ですが、「
70歳以上」では約50%を占めています。
 また、1件当たり全薬剤点数においても、「70歳以上」で「0〜14歳」の約5倍にな
っています。
 主な傷病別に「全薬剤比率」をみると、入院では「ウィルス肝炎」が28.5%で最も高
く、次いで「腎不全」、「悪性新生物」の順となっています。
 また、入院外では、「悪性新生物」が60.4%で最も高く、次いで、「脳血管疾患」、
「心疾患」の順となっています。

2 処方の状況

 入院外の投薬について、処方別の構成割合をみると、「処方あり」89.2%、「処方な
し」10.8%となっています。
 1件当たり処方回数では、「院内処方のみ」1.86回、「院外処方のみ」1.80回となっ
ており、「院内処方のみ」がわずかながら多くなっています。
 また、「院内処方のみ」の1処方当たり薬剤点数を年齢階級別にみると、「0〜14歳
」119.4 点、「80歳以上」409.1 点となっています。
 傷病別に「院内処方のみ」の1 件当たり処方回数をみると、「腎不全」が4.27回で最
も多くなっています。
 また、1 処方当たり薬剤点数では「悪性新生物」が1,174.1 点で最も高く、次いで、
「結核」637.2 点、「肝硬変」631.8 点となっています。

3 薬剤点数別件数の構成割合

 入院外の投薬について、薬剤点数別件数の構成割合をみると、「100 点未満」が21.7
%と最も多く、次いで「500 〜999 点」が18.8%となっています。
 年齢階級別にみると、「0〜14歳」では「100 点未満」が45.8%、「80歳以上」では
「500 〜999 点」が23.7%とそれぞれ最も多くなっています。
  傷病別では、「1,000 点以上」の薬剤点数の構成割合が高いものでは、「腎不全」66
.5%、「悪性新生物」50.3%、「脳血管疾患」43.1%などとなっています。

4 薬剤種類数

 入院外の投薬について、薬剤種類数別件数の構成割合をみると、「1種類」が24.9%
と最も多く、次いで、「2種類」が23.9%となっています。
 1件当たり薬剤種類数は、平均で3.25種類、「40歳未満」では3種類に届きませんが
、「80歳以上」では4種類を超えています。
 傷病別にみた1件当たり薬剤種類数は、「腎不全」が6.54種類と最も多くなっていま
す。
 一方、入院外の患者数が最も多い「高血圧性疾患」の1件当たり薬剤種類数は3.43種
類となっています。

5 薬価階級別薬剤点数

 入院外の投薬について、薬価階級別薬剤点数の構成割合をみると、どの年齢階級にお
いても「205円以下」の薬剤が約80%を占めています。

6 薬効中分類別薬剤点数

 薬効中分類別薬剤点数の構成割合をみると、入院では、「抗生物質製剤」15.8%、「
生物学的製剤」10.4%となっており、入院外では、「循環器官用薬」12.7%、「その他
の代謝性医薬品」6.4 %となっています。
 年齢階級別にみると、入院では、「0〜14歳」及び「80歳以上」で「抗生物質製剤」
が28.7%、17.7%とそれぞれ最も多く、入院外では、「0〜14歳」で「抗生物質製剤」
が26.4%、「80歳以上」で「循環器官用薬」14.8%と最も多くなっています。

    問い合わせ先 厚生省大臣官房統計情報部保健社会統計課
     担 当 社会医療統計第2係(内317、356)
     電 話 (代)3260-3194


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