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岩手県盛岡市のO−157感染症集団発生について
(1)盛岡市内の小学校における腸管出血性大腸菌症
の患者等の集団感染について 1
(2)盛岡市における患者発生状況 2
(3)盛岡市内の小学校における腸管出血性大腸菌症
にかかる原因究明の進捗状況 3
平成8年10月4日
厚 生 省
盛岡市内の小学校における腸管出血性大腸菌症の患者等の集団発生について
1.発生の経緯
◎9月26日
・盛岡市内の医療機関から盛岡保健所に緑が丘小学校(児童数842名、職
員数40名)の児童から腸管出血性大腸菌(以下「O−157」という。)
が検出された旨の連絡。
◎9月27日
・岩手県は環境保健部長を本部長として、関係部局、医療機関、教育委員会、
学識経験者等から構成される対策連絡会議を設置し、事前に用意していたマ
ニュアルに従い、原因究明、医療機関の確保、二次感染防止対策を開始。
◎10月1日
・当該小学校の調理員の検便からもO−157が検出され、当該調理員が他
の小学校(中野小学校、上田小学校)においても従事していたのでこれらの
小学校についても給食を中止するとともに児童の健康状態等の調査を実施。
◎10月2日
・9月29日、30日に回収した児童、職員172名の検便からO−157
が検出されたため、当該児童、及び職員には医療機関の受診勧奨を行うとと
もに、児童、職員の家族等の健康調査、検便を実施。
・これまでの調査により1.有症者、保菌者が1小学校の児童に集中している。
2.流行曲線(発症日別にみた有症者)のパターンが、ほぼ単一の原因による
形である。3.有症者、保菌者が、どの学年にも、どの住所地の児童にもほぼ
一様に発生している。4.教職員にも感染者が認められる。以上の疫学的特徴
が認められる。このため学校給食が原因である可能性がきわめて高いと判断。
◎10月3日
・さらに有症者2名(うち児童1名)、症状のない学童2名からO−157
を検出。
2.厚生省の対応
◎9月27日
・厚生省食品保健課の職員を現地に派遣。
◎9月28日
・厚生省エイズ結核感染症課の職員を現地に派遣。また岩手県の要請により、
国立公衆衛生院の専門家を派遣。
◎10月2日
・国立予防衛生研究所から細菌部長他1名を菌検索の指導及び情報収集のた
めに現地に派遣。
・9月以降も新たなO−157集団事例、サルモネラ集団事例等の発生がみ
られることから、引き続き食中毒発生防止に努めるよう通知。
盛岡市Oー157の患者発生状況
96.10.04
有症者数 入院数(再掲) 無症状保菌者数
(Oー157検出)
(新患) (新規入院)
9月20日(金) 1 (1)
21日(土) 7 (6) 2 (2)
22日(日) 14 (7) 4 (2)
23日(月) 22 (8) 5 (1)
24日(火) 27 (5)
25日(水) 34 (7) 6 (1)
26日(木) 36 (2)
27日(金) 39 (3)
28日(土) 40 (1)
29日(日)
30日(月) 41 (1) 1
10月 1日(火) 165
2日(水) 5 (ー1)退院 7
3日(木) 2
合計 216名 41 (5)(再掲) 175
重症患者無し
盛岡市内の小学校における腸管出血性大腸菌症に係る原因究明の進捗状況(10月3日
現在)
1.調査状況
(1)喫食調査、健康調査
調査票は全児童及び教職員について全て回収、現在集計中
(2)調理工程調査
ほぼ結果がとりまとめられており、現在精査中
菌が検出された調理従事者が調理を行った9月10日、11日、19日につい
ては、調査終了済み。
2.検査状況
培地によるO−157菌の検索、PCR法によるベロ毒素遺伝子の検索を実施中
(1)検便
・ 緑が丘小学校の児童、教職員及び患者等家族、計904名のうち保菌者は2
16名。なお、患者等家族1名から菌が検出されている。
(2)検食
・ 55検体のうちPCRで陽性が疑われる食品からの分離株について、現在、
O血清凝集試験を継続中
(3)食材等
・ 食材(75検体)及び食材納入業者からの収去品(74検体)について、現
在、O血清凝集試験を継続中
・ PCR法による検査結果はすべて陰性
(4)拭き取り検査
・ 給食施設(28検体)及びトイレ等(19検体)について、PCR法を用い
た検査を実施したところ、43検体は陰性、4検体については検査継続中
(5)飼育動物の糞便検査
・ ニワトリ3検体及びウサギ1検体は全て陰性
問い合わせ先 厚生省生活衛生局食品保健課
担 当 南(内2445)
電 話 (代)[現在ご利用いただけません]
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