平成７年社会福祉施設等調査の概況（要旨）

　平成８年９月に公表しました平成７年社会福祉施設等調査の概況（平成７年１０月１
日現在）について紹介します。

I　施設の状況

１　社会福祉施設数、定員、従事者数は年々増加

　　平成７年の社会福祉施設数は５８，７６８施設で、前年に比べ３，３２０施設（う
　ち老人介護支援センター２，０２８施設）増加している。
　　定員は２，６１５，１９６人で、前年に比べ１１，９２４人増加している。
　　従事者数は７６３，０８８人で、前年に比べ４０，６０８人増加している（表１）

　　　　　　　　　　表１　施設数・定員・従事者数の年次推移
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　各年10月１日現在

　　　　　　  平成３年　　　４　　　　　５　　　　　６　　　　　７　　　対前年
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　増減数

　施設数　　　　51 857　　　53 093　　　54 281　　　55 448　　　58 768　 3 320

　定員　　　 2 573 628　 2 585 984　 2 594 208　 2 603 272　 2 615 196　11 924

　従事者数　　 636 886　　 671 989　　 710 011　　 722 480　　 763 088　40 608

２　低年齢児（０〜２歳児）保育は年々増加

　　保育所の在所児数は１，６７８，８６６人で、０〜２歳児は増加している（表２）

　　　　　　　　　　　　表２　保育所の在所児数の年次推移
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　各年10月１日現在

　　　　　　　平成３年　　　４　　　　　５　　　　　６　　　　　７　　　対前年
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　増減数

　在所児数　 1 709 148　 1 699 149　 1 685 862　 1 675 877　 1 678 866　 2 989

  　０　歳　　　24 803　　　25 211　　　28 505　　　29 216　　　32 142　 2 926
  　１　　　　 105 240　　 109 171　　 116 695　　 120 748　　 129 310　 8 562
　　２　　　　 183 445　　 187 629　　 191 995　　 196 042　　 201 717　 5 675

３　特別養護老人ホームは着実に整備

　　特別養護老人ホームの施設数は３，２０１施設で、前年に比べ２１９施設増加して
　おり、定員は２２０，９１６人で、前年に比べ１４，３０５人の増加となっている。
　（表３）

　　　　　　　表３　特別養護老人ホームの施設数・定員の年次推移
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　各年10月１日現在

　　　　　　　平成３年　　　４　　　　　５　　　　　６　　　　　７　　　対前年
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　増減数

　施設数　　　 2 403　　　 2 576　　　 2 770　　　 2 982　　　 3 201　　　 219

　定　員　　 171 267　　 182 280　　 194 091　　 206 611　　 220 916　　14 305



II　特別養護老人ホームの入所者の状況

１  特養の入所者の高齢化進む

　　入所者の年齢構成をみると、８０歳以上の者が６４．７％となっており、平成３年
　調査に比べ５．１ポイント上昇し、年々高齢化している。（表４）

　　　　　　　　　　　　表４　性別にみた年齢別構成割合
　（単位：％）
　　　　　　　　　　平成３年　　　　　　　平成５年　　　　　　　平成７年
　　　　　　　　総　数　男　　女　　　総　数　男　　女　　　総　数　男　　女

　総　　　　数　 100.0 100.0 100.0　　 100.0 100.0 100.0　　 100.0 100.0 100.0

　　８０歳未満　　40.4　51.4　36.5　　　37.4　50.0　33.5　　　35.3　49.9　30.8
　　８０歳以上　　59.6　48.6　63.5　　　62.6　50.0　66.5　　　64.7　50.1　69.2

　平均年齢（歳）　81.3　78.9　82.1　　　81.9　79.3　82.7　　　82.4　79.2　83.3

２  入所者の５５．７％は寝たきり者

　  寝たきり度（日常生活自立度）の状況をみると、寝たきり者（ランクＢとランクＣ
　を合わせた者。）は５５．７％であり、うち「ランクＣ」が２３．５％となっている
　（表５）

　　　　　　　　　　　表５　年齢別にみた寝たきり度の状況
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　平成７年
　（単位：％）
　　　　　　　　　　　　　　　生活自立　　準寝たきり　　　　寝たきり
　　　　　　　　　総　数　　　ランクＪ　　ランクＡ　　ランクＢ　　ランクＣ

　総　　　　数　　 100.0　　　　 7.7　　　　35.8　　　　32.2　　　　23.5

　　８０歳未満　　 100.0　　　　 9.5　　　  37.8　　　  30.0　　　  22.0
　　８０歳以上　　 100.0　　　　 6.8　　　  34.7　　　  33.4　　　  24.3

　注：１）総数には寝たきり度の不詳を含む。
　　　２）ランクの区分は「障害老人の日常生活自立度（寝たきり度）判定基準」（厚
　　　　　生省）による。

　ランクＪ：何らかの障害等を有するが、日常生活はほぼ自立しており独力で外出する
　ランクＡ：屋内での生活は概ね自立しているが、介助なしには外出しない。
　ランクＢ：屋内での生活は何らかの介助を要し、日中もベッド上での生活が主体であ
　　　　　　るが座位を保つ。
　ランクＣ：一日中ベッド上で過ごし、排泄、食事、着替において介助を要する。
　寝たきり者：ランクＢとランクＣを合わせた者。

３  入所者の７７．４％は痴呆のある者

　　痴呆の状況をみると、痴呆のある者が７７．４％であり、うち「非常に高度」が
　１５．２％となっている。（表６）

　　　　　　　　　　　　表６　年齢別にみた痴呆の状況
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　平成７年
　（単位：％）
　　　　　　　　　総　数　　軽　度　　中等度　　高　度　　非常に　　痴　呆
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　高度　　　な　し

　総　　　　数　　 100.0　　　20.9　　　22.6　　　18.8　　　15.2　　　22.0

　　８０歳未満　　 100.0　　　21.8　　  20.1      15.5      13.3      28.4
　　８０歳以上　　 100.0　　　20.4　　  23.9      20.6      16.2      18.4

　注：１）痴呆の有無等の判断は、医師又は直接処遇職員（寮母、生活指導員、看護婦
　　　　　）が行ったものである。
　　　２）総数には痴呆の状況の不詳を含む。


III　軽費老人ホームの入所者の状況

１  ８０歳以上の者が「Ａ型」では５割、「ケアハウス」では４割

　　入所者の年齢構成をみると、８０歳以上の者が、「Ｂ型」では３８．０％、「ケア
　ハウス」では４２．６％となっているのに比べ、「Ａ型」では５４．４％と５割以上
　を占めている。（表７）

　　　　　　　　　　　　表７　性別にみた年齢別構成割合
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　平成７年
　（単位：％）
　　　　　　　　　Ａ　　　　型　　　　　Ｂ　　　　型　　　　　　ケアハウス
　　　　　　　　総　数　男　　女　　　総　数　男　　女　　　総　数　男　　女

　総　　　　数　 100.0 100.0 100.0　　 100.0 100.0 100.0　　 100.0 100.0 100.0

　　８０歳未満　　45.2　49.5　44.1　　　61.8　59.7　62.0　　　56.8　56.8　56.7
　　８０歳以上　　54.4　50.2　55.6　　　38.0　40.3　38.0　　　42.6　42.7　42.8

　平均年齢（歳）　79.8　79.0　80.1　　　77.1　79.0　77.1　　　77.7　77.5　77.8

　注：総数には性別不詳を含む。

２  ホーム入所は、ひとり暮らしの不安、不便をなくしたいから

　　入所理由をみると、いずれの施設においても「ひとり暮らしの不安、不便をなくし
　たいから」が他に比べて多くなっている。（表８）

　　　　　　　　　　　　　　　　表８　入所理由
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　平成７年
　（単位：％）
　　　　　　　　入　　所　　理　　由　　　　　　　　Ａ　型　　Ｂ　型　　ケアハウス

　総　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　数  100.0 　  100.0 　  100.0

　　ひとり暮らしの不安、不便をなくしたいから　　　　 44.0 　　 30.5 　　 47.9
　　家族に負担をかけたくないから　　　　　　　　　　 30.8 　　 23.6 　　 28.0
　　家族との不和をなくしたいから　　　　　　　　　　 14.6 　　 10.0 　　  8.9
　　家族の転居などについていけないから　　　　　　　  3.2 　　  3.5 　　  3.1
　　住宅事情により今までの住宅に住めなくなったから　 10.3 　　 26.4 　　  9.4
　　老後の設計として入所をきめていたから　　　　　　 22.7 　　 25.7 　　 27.3
　　費用の面で自分の意向とあっていたから　　　　　　 14.2 　　 26.6 　　 16.4
　　その他　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　  5.0 　　  2.9 　　  6.9

　注：入所理由は複数回答である。

３  大半はホームの生活に満足

　　ホームでの満足度をみると、「満足している」と「おおむね満足している」を合わ
　せた割合は、「Ａ型」では７２．９％、「Ｂ型」では６７．７％、「ケアハウス」で
　は６２．８％となっている。（表９）

　　　　　　　　　　　　　　表９　ホームでの満足度
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　平成７年
　　　（単位：％）
　　　　　　　　　　　　　　　　　Ａ　型　　　　Ｂ　型　　　　ケアハウス
　　　総　　　　　　　　　数　　　100.0 　　　　100.0 　　　　100.0

　　　　満足している　　　　　　　 47.4 　　　　 40.6 　　　　 35.2
　　　　おおむね満足している　　　 25.5 　　　　 27.1 　　　　 27.7
　　　　ふつう　　　　　　　　　　 21.4 　　　　 25.7 　　　　 27.5
　　　　やや不満である　　　　　　　3.7 　　　　　4.5 　　　　　6.9
　　　　不満である　　　　　　　　　0.8 　　　　　1.1 　　　　　1.5
　　　　不詳　　　　　　　　　　　　1.3 　　　　　1.0 　　　　　1.4

    問い合わせ先　厚生省大臣官房統計情報部
          担当係　保健社会統計課　社会福祉統計第１係
          電  話　(代)(03)3260-3194 内線313