平成８年度結核予防週間実施要領
１　趣　旨
　　我が国の結核事情は、戦後、めざましい改善を遂げ、かつての「国民病」の時代
  から、西暦２０３０年代の結核根絶を目標とするに至っているが、結核り患率の低
  下傾向の鈍化、大きな地域格差の存在、既感染者の高齢化に伴う再発事例の増加、
  結核にり患している在日外国人の急増等新たな問題が出現している。また、世界的
  には結核は、むしろ増加していることから、従来の取組みを継続していくだけでは
  、西暦２０３０年代の結核根絶目標の達成が困難であるのみならず、今後、適切な
  結核対策の取組みを行っていかなければ、増加に転ずる懸念さえある。
　  こうした新たな局面に対応した結核対策の推進を図るために、昨年、結核予防法
  の一部を改正し、結核の予防及び結核患者の適正な医療に関する施策を講ずるに当
  たっては、地域の特性に配慮しつつ、総合的に実施するよう努めなければならない
  こと及び結核に関する正しい知識の普及を図らなければならないことを国及び地方
  公共団体の義務として規定する等の整備を行ったところである。
　  これらの目標を達成するためには、法改正の趣旨を踏まえた結核対策の取組みに
  ついての国民一人一人の理解と協力が必要不可欠であることから、この結核予防週
  間を機会に国民の結核への関心を大いに高めるとともに、結核に関する知識を深め
  、国内外の結核対策の推進に一丸となって取り組む気運を高めることを趣旨とする
  ものである。

２　主　催
　  厚生省、都道府県、政令市、特別区、（社）日本医師会、（財）結核予防会、
  　（社）全国結核予防婦人団体連絡協議会及び（財）健康・体力づくり事業財団

３　後　援
    文部省、労働省、日本放送協会、（社）日本新聞協会、（社）日本民間放送連盟、
　（財）日本学校保健会、（社）国民健康保険中央会、健康保険組合連合会、（社）
    生命保険協会、全国地域婦人団体連絡協議会、（社）全国地区衛生組織連合会、
　（社）日本放射線技師会及び（社）日本看護協会

４　実施期間
    平成８年９月２４日（火）から同月３０日（月）まで

５　重点目標
　　地域の特性に配慮した対策を強化し、結核予防婦人会を始め、地域の婦人団体
  組織を通じて、結核の正しい知識の啓発に努め、国民の結核に対する意識の高揚を
　図る。

６　結核予防週間中の標語
　　実施機関によって適宜作成するものとする。

７　実施行事等
　(1) 結核予防週間の周知
　　　結核予防週間のポスターを作成し、関係各機関ヘ配布するほか、電車内での広
　　告、懸垂幕、アドバルーン等により国民一般に対して結核予防週間の周知を図る。
　(2) 結核対策推進優良市町村の表彰
　　　結核対策の推進を図るため、結核対策全般にわたって優良な成績をおさめてい
　　る市町村に対し、（財）結核予防会総裁表彰を行う。
　　　本年度は、９月２７日（金）、ホテルニューオータニにおいて、総裁秋篠宮
  　妃殿下ご臨席の下に表彰式が行われる。
　　　なお、被表彰者は、表彰式後、皇居において天皇皇后両陛下に拝謁を賜ること
  　となっている。

　(3) 資料の配布
　　　結核に対する関心を高めるため、関係各機関等に結核予防のためのポスター、
  　リーフレット等を配布する。

　(4) 講習会等の開催
　　　結核予防活動を推進するため、婦人を中心とした地区組織の拡充強化を図ると
  　ともに、各地において講演会、講習会、パネル展等を開催する。

　(5) 児童・生徒への結核の知識の普及
　　　正しい結核の知識を児童・生徒に普及するため、全国の小中高等学校において
  　学級活動、学校行事等を通じて指導するよう、文部省の後援により呼びかける。

　(6) 街頭健康診断等の実施
　　　結核予防週間の周知と国民一般の結核に対する関心を喚起するため、街頭健康
  　診断を行うほか、小児に標語入りゴム風船を手渡すなどして結核予防思想の普及
  　を図る。

　(7) 報道機関等との連携
　　1.　全国の主要な報道機関にリーフレット等の広報資料を配布し、結核予防週間
  　　の周知、行事の取材等を依頼する。
    2.　広報紙、関係機関誌等に結核予防に関する記事が掲載されるよう積極的に依
  　　頼する。

　(8) その他
      上記のほか、各地域で適宜結核予防週間の趣旨に沿った行事を行う。
　    （例）　一日保健所長、各種集会の開催、標語の募集等

    問い合わせ先　厚生省保健医療局エイズ結核感染症課
　　　　　担　当　水野(内2386)
          電　話　(代)[現在ご利用いただけません]